JP4159855B2 - 中空構造物の中空室遮断具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空構造物の中空室遮断具に関し、主として複数枚のパネルによって中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディの中空パネル(例えば、ボディピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等)のような中空構造物の制振、防音等を高めるために、その中空室を遮断する中空室遮断具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、図14に示す中空構造物の中空室遮断具120が知られている。
図14に示す中空室遮断具120は、中空構造物101の中空室106に取り付けられる一対の発泡規制板122を備え、それら一対の発泡規制板122に挟まれた状態で発泡性基材121が中空室106内に保持される(図14(B)参照)。発泡規制板122及び発泡性基材121は、中空室106の断面形状に対応した略四角形のプレート状に形成されており(図14(A)参照)、それらの部材の外周部と中空室106の内壁面との間には一定の隙間が確保されている。これにより、発泡性基材121が発泡する前は、中空構造物101の内部を電着塗装液や塗料等が通過することができる。発泡性基材121が外部加熱により発泡膨張した後は、発泡体131が中空室106の内壁面に密着し、中空室106の断面が発泡体131によって隙間無く遮断される(図14(C)参照)。中空室106が発泡体131によって隙間無く遮断されると、中空構造物101の制振や防音等の効果が高められる。(このような構造を持つ中空室遮断具として、例えば[特許文献1]に開示された中空室遮断具参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−73033号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、中空構造物101が例えば車両ボディを構成する中空パネル(例えば、ボディピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等)である場合には、その中空構造物101に対して車両の内装品やネジ、ボルト等が取り付けられる。したがって、中空構造物101には予めそれらの内装品等を取り付けるための取付孔が設けられる。
しかしながら、中空室遮断具120がその取付孔に近い場所に配設されたような場合には、外部加熱により発泡性基材が発泡膨張し、必要な取付孔が発泡体によって塞がれてしまうおそれがあるので問題であった。
【0005】
本願発明はこのような問題に鑑みて創案されたものであり、外部加熱により発泡して発泡体になることで中空構造物の中空室を遮断する発泡性基材を備える中空室遮断具において、中空構造物に設けられた取付孔等が発泡体によって塞がれてしまうのを防止することのできる中空構造物の中空室遮断具を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、特許請求の範囲の各請求項に記載した発明が構成される。
請求項1に記載の中空構造物の中空室遮断具は、取付孔を有する中空構造物の中空室の該取付孔近くに配設される発泡規制板と、その発泡規制板によって保持され、かつ、加熱より発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材とを備えている。
前記発泡規制板は、前記中空室の長手方向に対して略垂直に対向して配置される一対の耐熱性の板状部材として構成されており、前記発泡性基材は、前記一対の発泡規制板の間に挟まれた状態で保持されている。したがって、発泡性基材が外部加熱により発泡すると、発泡体の進行方向(発泡方向)は、前記中空室の内壁面へ向かうように規制され、これにより、前記一対の発泡規制板と前記中空室の内壁面との間の隙間は発泡体によって効率的に遮断される。
【0007】
また、前記一対の発泡規制板の少なくとも前記取付孔が位置する側の発泡規制板には、前記発泡性基材が発泡するときの発泡圧を受けて前記中空室の内壁面に向けて突出する突出部が設けられる。したがって、発泡性基材が外部加熱により発泡すると、発泡体の進行方向が前記一対の発泡規制板によって前記中空室の内壁面に向かうように規制されるとともに、発泡圧により突出した突出部においても、発泡体の進行方向が前記中空室の内壁面に向かうように規制されることとなる。つまり、発泡性基材が発泡する前後において、一対の発泡規制板による発泡体の進行方向が規制される範囲が拡張されることとなり、これにより、発泡性基材が発泡する前は電着塗装液や塗料等を通過させるための隙間を確保することが可能であり、かつ、発泡性基材が発泡した後は、発泡体の進行方向を規制することで、中空構造物に設けられた内装品等を取り付けるための取付孔が発泡体によって塞がれてしまうのを防止することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の中空構造物の中空室遮断具によれば、突出部は、発泡規制板の表面に対してスライド可能に装着されるスライドプレートにより構成される。したがって、一対の発泡規制板と、その一対の発泡規制板から突出する突出部とをそれぞれ別体の部材により構成することができるので、例えば、一対の発泡規制板の外周部と中空室の内壁面との隙間の大きさが種々異なる場合であっても、突出部を構成するスライドプレートの大きさをその隙間の大きさに対応して柔軟に変更することが可能になる。
【0009】
請求項3に記載の中空構造物の中空室遮断具によれば、突出部は、発泡規制板が折り曲げ形成されてその端部が中空室の内壁面に向けて進退可能であることにより構成される。したがって、一対の発泡規制板のうち少なくとも一方の発泡規制板を折り曲げ形成するだけで簡易な構造で突出部を構成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕
以下、図1から図7に基づいて、本発明の第1の実施の形態における中空構造物の中空室遮断具1について説明する。本実施の形態における中空室遮断具1は、車両のボディピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等の中空構造物の中空室を発泡体で遮断し、その中空構造物の制振、防音等の効果を高めるための装置である。ここで、図1は、第1の実施の形態における中空室遮断具1の組み立て前の構造を示す斜視図である。図2は、一対の発泡規制板2a,2bの表面に対して略平行にスライド可能なスライドプレート8a,8bを組み付ける際の態様を示す斜視図である。図3は、中空構造物20の中空室18内に中空室遮断具1を配設する際の態様を示す斜視図である。図4は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具1の正面図である。図5は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具1の縦断面図である。図6は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具1の正面図であり、発泡性基材3が発泡して発泡体13となった後の状態を示している。図7は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具1の縦断面図であり、発泡性基材3が発泡して発泡体13となった後の状態を示している。
【0011】
図1及び図2に示すように、中空室遮断具1は、対向して配置される一対の発泡規制板2a,2b、及び、それら一対の発泡規制板2a,2bの間に挟まれて保持される発泡性基材3によって構成されている。
一対の発泡規制板2a,2bは、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)が略四角形の板状に射出成形されたものである。発泡規制板2aの片側面には、上下左右の4隅に対して合計4個の保持クリップ4a〜4dが一体状に形成されている。他方の発泡規制板2bには、4つの保持クリップ4a〜4dにそれぞれ対応する位置に保持孔5a〜5dが形成されており、発泡性基材3には、4つの保持クリップ4a〜4dにそれぞれ対応する位置に挿通孔6a〜6dが形成されている。保持クリップ4a〜4dは、挿通孔6a〜6bを貫通し、保持孔5a〜5dにそれぞれ挿入されてその孔縁部に弾性的に係止する。これにより、一対の発泡規制板2a,2bが発泡性基材3を間に挟んで対向した状態で組み付けられる。
【0012】
発泡性基材3は、外部加熱により発泡膨張し発泡体となる発泡性材料を略四角形の環状に射出成形したものであるが、例えば板状に成形された発泡性材料を打ち抜くことで略四角形の環状にしたものを用いてもよい。
ここで用いている発泡性材料は、例えば加熱により発泡膨張して発泡体となり、中空構造物の中空室を遮断することで補強、防音、制振等の効果を高める発泡性材料が用いられる。さらに好ましくは、例えば、金属接着性を有する合成樹脂、発泡剤、ガラス繊維のような繊維状物質、等が混合され、110℃〜190℃前後の温度で発泡し、高剛性の発泡体となる発泡性材料が用いられる。このような接着性を有し、かつ、高剛性の発泡体となる発泡性材料は、例えば、特開平8−208871号公報、特開平11−158313号公報等に開示されている。
【0013】
発泡性基材3を間に挟んだ状態で一対の発泡規制板2a,2bが組み付けられると、その一対の発泡規制板2a,2bの上方からは一対のスライドプレート8a,8bが装着される。
図2に示すように、一対のスライドプレート8a,8bは、熱可塑性合成樹脂の射出成形により略長方形の板状に形成された部材である。対向して配置された一対のスライドプレート8a,8bは、橋渡し状に形成された2つのリブ9を介して一体状に連結される。図1及び図2に示すように、一対の発泡規制板2a,2bのそれぞれの対向面には、リブ9により連結された一対のスライドプレート8a,8bを収容するための収容部7a,7bがそれぞれ凹状に設けられている。また、発泡性基材3の上縁部には、リブ9を上側から嵌め込むことで一対のスライドプレート8a,8bを装着することのできる嵌込溝10が設けられている。
また、図2、図4、図6に示すように、リブ9の下端部は内側に向けて略L字型に曲げられており、下面側に発泡体13の発泡圧を受けることのできる発泡圧受部9aを形成している。
【0014】
次に、上述のように構成された中空室遮断具1を中空構造物20の中空室18内に配設する際の態様を説明する。
図3に示すように、中空構造物20は、インナーパネル21とアウターパネル22が互いのフランジ部21f,22fにおいてスポット溶接されて筒状とされたものである。中空構造物20の内部には、長手方向に対して垂直な断面が略四角形である中空室18が構成される。
図4及び図5に示すように、一対の発泡規制板2a,2b及び発泡性基材3の形状は、中空室18の断面にほぼ相似する略四角形状に形成されている。また、一対の発泡規制板2a,2b及び発泡性基材3のそれぞれの大きさは、中空室18の内壁面との間に適宜の隙間(電着塗装液や塗料が通過できる程度の隙間)が形成されるように若干小さい寸法に設定されている。
中空室遮断具1は、一対の発泡規制板2a,2bが中空室18の長手方向に対して略垂直となるように中空室18の内部に取り付けられる。発泡性基板2aの下縁部には、合成樹脂製の取付用クリップ11が設けられており、この取付用クリップ11がアウターパネル22の底面部に形成されたクリップ孔12に挿入されることで中空室遮断具1の中空室18内への取付けが行なわれる。
【0015】
中空構造物20が例えば車両のボディピラーである場合、その車両ボディの成形が完了すると焼付け塗装が行われる。そして、その焼付け塗装の際の外部加熱によって、発泡性基材3が発泡膨張して発泡体13になる。
発泡性基材3が発泡膨張して発泡体13になると、発泡体13の発泡方向(進行方向)は、一対の発泡規制板2a,2bによって中空室18の内壁面に向かうように規制される。これにより、多くの量の発泡体13が中空室18の内壁面に向かうこととなり、発泡体13が中空室18の内壁面に確実且つ良好に密着し、その中空構造物20の中空室18を隙間無く遮断することができる。中空構造物20の中空室18が発泡体13によって隙間なく遮断されると、その中空構造物20の制振、防音等の効果が高められる。
【0016】
中空構造物20が車両のボディピラーである場合には、そのボディピラーに対して種々の部品、例えば、車室内に設置する内装品(サンバイザやアームレスト、ヘッドライニング等)、ネジ、ボルト等が取り付けられる場合がある。そして、このような部品を取り付けるために、本実施の形態における中空構造物20を構成するインナーパネル21には、中空室遮断具1に近い位置に対して取付孔23が設けられている。
図3及び図5に示すように、中空室遮断具1は取付孔23に対して近い位置に設置されているので、発泡性基材3が外部加熱により発泡膨張すると、必要以上に広い範囲に広がった発泡体13によって取付孔23が塞がれてしまうおそれがある。取付孔23が発泡体13によって塞がれると、前述した車室内の内装品等をインナーパネル21に対して取り付けることが難しくなるので不都合である。しかしながら、本実施の形態における中空室遮断具1では、図6及び図7に示すように、発泡体13の発泡圧が発泡圧受部9aの下面側に作用するので、収容部7a,7bに収容された一対のスライドプレート8a,8bが中空室18の内壁面に向けて上方に突出する。すると、発泡体13の進行方向(発泡方向)は、一対の発泡規制板2a,2bだけでなく、一対のスライドプレート8a,8bにおいても中空室18の内壁面に向かうように規制されることとなるので、これにより、発泡体13が必要以上に広がって取付孔23を塞いでしまうのを防止することができる。
【0017】
なお、発泡性基材3が発泡膨張して発泡体13になる前の段階では、一対のスライドプレート8a,8bはまだ中空室18の内壁面に向けて突出しておらず、収容部7a,7bに収容されたままである。これにより、一対の発泡規制板2a,2bの外周部と中空室18の内壁面との間に電着塗装液や塗料等を通過させるための十分な隙間を確保することができるようになっている。
さらに、一対の発泡規制板2a,2bの表面には2つの液抜孔14がそれぞれ設けられているので(図1,図4参照)、中空構造物20の内部に浸入した電着塗装液や塗料等は、この液抜孔14を通過して速やかに排出されるようになっている。
【0018】
また、本実施の形態における中空室遮断具1では、スライドプレート8a,8bが発泡規制板2a,2bとは別体の部材で形成されている。したがって、発泡規制板2a,2bの外周部と中空室18の内壁面との隙間の大きさに合わせてスライドプレート8a,8bの大きさを柔軟に変更することができる。すると、中空構造物20の大きさや形状が種々異なる場合であっても、発泡規制板2a,2bや発泡性基材3の形状をそれに合わせてその都度変更する必要性が少なくなるので、中空室遮断具1の製造コストの低減を図ることが可能である。
【0019】
〔第2の実施の形態〕
以下、図8〜図10に基づいて、本発明の第2の実施の形態における中空構造物の中空室遮断具31について説明する。ここで、図8は、第2の実施の形態における中空室遮断具31の外観を示す斜視図である。図9は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具31の縦断面図である。図10は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具31の縦断面図であり、発泡性基材33が発泡して発泡体36となった後の状態を示している。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態における中空室遮断具1と同様な部分については同一の符号を付して説明を省略している。
【0020】
図8及び図9に示すように、本実施の形態における中空室遮断具31は、対向して配置される一対の発泡規制板32a,32b、及び、それら一対の発泡規制板32a,32bの間に挟まれて保持される発泡性基材33によって構成されている。
一対の発泡規制板32a,32bは、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)が略四角形の板状に射出成形されたものである。一方の発泡規制板32aの片側面には、発泡性基材33の表面に形成された横溝に嵌め込まれる横リブ34aが一体状に形成されている。また、他方の発泡規制板32bの片側面にも、発泡性基材33の表面に形成された横溝に嵌め込まれる横リブ34bが一体状に形成されている。
【0021】
また、図10に示すように、発泡規制板32bの表面部には、断面略V字型の3本の切欠溝37a〜37cが形成されており、この3本の切欠溝37a〜37cにおいて発泡規制板32bは折り曲げ形成されてその上端部38が上下方向に進退可能であるように構成されている。
【0022】
発泡性基材33が焼き付け塗装の際の外部加熱により発泡膨張すると、図10に示すように、発泡体36の発泡圧が横リブ34bの下面側に作用し、発泡規制板32bの上端部38が中空室18の内壁面に向けて上方に突出する。すると、発泡体36の進行方向(発泡方向)は、一対の発泡規制板32bの上端部38においても中空室18の内壁面に向かうように規制されることとなるので、これにより、発泡体36が必要以上に広がって取付孔23を塞いでしまうのを防止することができる。なお、発泡性基材33が発泡膨張して発泡体36になる前の段階では、発泡規制板32bの上端部38はまだ中空室18の内壁面に向けて突出していないので、一対の発泡規制板32a,32bの外周部と中空室18の内壁面との間に電着塗装液や塗料等を通過させるための十分な隙間を確保することができるようになっている。
【0023】
また、本実施の形態における中空室遮断具31では、発泡規制板32bを折り曲げ形成するだけで簡易な構造でその上端部38を中空室18の内壁面に向けて突出可能に構成することができる。したがって、中空室18の内壁面に向けて突出させる「突出部」を別体の部材として用意する必要がないので、中空室遮断具31の製造コストの低減を図ることが可能である。
【0024】
〔第3の実施の形態〕
以下、図11〜図13に基づいて、本発明の第3の実施の形態における中空構造物の中空室遮断具41について説明する。ここで、図11は、第3の実施の形態における中空室遮断具41の外観を示す斜視図である。図12は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具41の縦断面図である。図13は、中空構造物20の中空室18内に配設された中空室遮断具41の縦断面図であり、発泡性基材43が発泡して発泡体46となった後の状態を示している。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態における中空室遮断具1と同様な部分については同一の符号を付して説明を省略している。
【0025】
図11及び図12に示すように、本実施の形態における中空室遮断具41は、対向して配置される一対の発泡規制板42a,42b、及び、それら一対の発泡規制板42a,42bの間に挟まれて保持される発泡性基材43によって構成されている。
一対の発泡規制板42a,42bは、耐熱性の合成樹脂(熱可塑性合成樹脂)が略四角形の板状に射出成形されたものである。一方の発泡規制板42aの片側面には、発泡性基材43の表面に形成された横溝に嵌め込まれる横リブ44aが一体状に形成されている。また、他方の発泡規制板42bの片側面にも、発泡性基材43の表面に形成された横溝に嵌め込まれる横リブ44bが一体状に形成されている。
【0026】
また、本実施の形態において、一対の発泡規制板42a,42bを相互に組み付けるための保持クリップ4a〜4dは、発泡規制板42bに設けられた4つの長孔45a〜45dに挿入されてその孔縁部に係合している。保持クリップ4a〜4dは、縦長状の長孔45a〜45dに挿入された状態で上下に移動可能であるので、発泡規制板42bは他方の発泡規制板42aに対して上下にスライドできるように構成されている。
【0027】
発泡性基材43が焼き付け塗装の際の外部加熱により発泡膨張すると、図13に示すように、発泡体46の発泡圧が横リブ44bの下面側に作用し、取付孔23に近い位置に配設された発泡規制板42bのみが中空室18の内壁面に向けて上方に突出する。すると、発泡体46の進行方向(発泡方向)は、上方に突出した発泡規制板42bによって中空室18の内壁面に向かうように規制されることとなるので、これにより、発泡体46が必要以上に広がって取付孔23を塞いでしまうのを防止することができる。なお、発泡性基材43が発泡膨張して発泡体46になる前の段階では、発泡規制板42bはまだ中空室18の内壁面に向けて突出していないので、一対の発泡規制板42a,42bの外周部と中空室18の内壁面との間に電着塗装液や塗料等を通過させるための十分な隙間を確保することができるようになっている。このように、一対の発泡規制板42a,42bのうち、いずれか一方の発泡規制板自体を、中空室18の内壁面に突出させる「突出部」として利用することが可能である。
【0028】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施の形態では、一対の発泡規制板が耐熱性の合成樹脂により形成される例を示したが、例えば鉄等の金属により形成される場合であっても、同様な作用効果を得ることができる。
【0029】
また、上記実施の形態では、中空室遮断具が取付用クリップ11により中空構造物20の中空室18内に取り付けられる例を示したが、これに限るものではない。例えば、中空室遮断具がビス止めや粘着テープ等によって中空構造物20の中空室18内に取り付けられる場合であっても本発明を適用し得る。
【0030】
また、上記実施の形態では、外部加熱により発泡膨張して高剛性の発泡体となる発泡性材料を用いた例を示したが、このように限定するものではない。例えば、外部加熱により発泡膨張して軟らかい発泡体になる発泡性材料を用いた場合であっても、本発明を実施することができる。
【0031】
また、上記実施の形態では、中空構造物20が車両のボディピラー、ロッカパネル、ルーフパネル等の中空パネルである場合を例示したが、これに限るものではない。中空構造物20が車両ボディ以外、例えば、建築物、船舶等の建造物を構成する中空パネル等であっても本発明を適用し得る。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部加熱により発泡して発泡体になることで中空構造物の中空室を遮断する発泡性基材を備える中空室遮断具において、中空構造物に設けられた取付孔等が発泡体によって塞がれてしまうのを防止することのできる中空構造物の中空室遮断具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における中空室遮断具の組み立て前の構造を示す斜視図である。
【図2】一対の発泡規制板の表面に対して略平行にスライド可能なスライドプレートを組み付ける際の態様を示す斜視図である。
【図3】中空構造物の中空室内に中空室遮断具を配設する際の態様を示す斜視図である。
【図4】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の正面図である。
【図5】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図である。
【図6】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の正面図であり、発泡性基材が発泡して発泡体となった後の状態を示している。
【図7】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図であり、発泡性基材が発泡して発泡体となった後の状態を示している。
【図8】第2の実施の形態における中空室遮断具の外観を示す斜視図である。
【図9】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図である。
【図10】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図であり、発泡性基材が発泡して発泡体となった後の状態を示している。
【図11】第3の実施の形態における中空室遮断具の外観を示す斜視図である。
【図12】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図である。
【図13】中空構造物の中空室内に配設された中空室遮断具の縦断面図であり、発泡性基材が発泡して発泡体となった後の状態を示している。
【図14】中空構造物の中空室内に配設された従来の中空室遮断具の正面図(A)及び縦断面図(B)・(C)である。
【符号の説明】
1,31,41 中空室遮断具
2a,2b,32a,32b,42a,42b 発泡規制板
3,33,43 発泡性基材
4a〜4d 保持クリップ
5a〜5d 保持孔
6a〜6d 挿通孔
11 取付用クリップ
12 クリップ孔
13,36,46 発泡体
14 液抜孔
7a,7b 収容部
8a,8b スライドプレート
18 中空室
20 中空構造物
21 インナーパネル
22 アウターパネル
23 取付孔
45a〜45d 長孔

Claims (3)

  1. 取付孔を有する中空構造物の中空室の該取付孔近くに配設される発泡規制板と、その発泡規制板によって保持され、かつ、加熱より発泡し発泡体となることで前記中空室を遮断する発泡性基材とを備える中空構造物の中空室遮断具であって、
    前記発泡規制板は、前記中空室の長手方向に対して略垂直に対向して配置される一対の耐熱性の板状部材として構成されており
    前記発泡性基材は、前記一対の発泡規制板の間に挟まれた状態で保持されており、
    前記一対の発泡規制板の少なくとも前記取付孔が位置する側の発泡規制板には、前記発泡性基材が発泡するときの発泡圧を受けて前記中空室の内壁面に向けて突出する突出部が設けられていることを特徴とする中空構造物の中空室遮断具。
  2. 請求項1に記載の中空構造物の中空室遮断具であって、
    突出部は、発泡規制板の表面に対してスライド可能に装着されたスライドプレートにより構成されていることを特徴とする中空構造物の中空室遮断具。
  3. 請求項1に記載の中空構造物の中空室遮断具であって、
    突出部は、発泡規制板が折り曲げ形成されてその端部が中空室の内壁面に向けて進退可能であることにより構成されていることを特徴とする中空構造物の中空室遮断具。
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