JP4158615B2 - 車両用電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に駆動されて発電を行う発電機の発電量を制御する車両用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両には、各種電気負荷への電力供給、及びバッテリへの充電を行うために発電機が搭載されている。この発電機は、エンジンに駆動されて発電を行うため、その発電のためにも燃料が消費されている。
これに対し、近年、環境問題により、車両の燃費改善が望まれており、発電のために消費される燃料を削減する方法が提案されている(特許文献1参照)。
この従来技術では、発電によりエンジン動作点が高効率側に移動することによる燃費改善効果を生かすために、エンジン効率が比較的低い動作条件で発電機を作動させることが明記されている。
【0003】
【特許文献1】
特表平6−505619号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の方法では、エンジン効率の改善による効果は見込めるが、そもそもエンジン効率が低い領域で発電機を作動させるため、この領域で発電量を増やすと、燃費改善効果が小さくなってしまう。つまり、発電のために消費される燃料量は、エンジン効率の高い領域より低い領域の方が多くなるため、エンジンの動作点変更(高効率側への移動)による改善効果だけを重視しても、大きな燃費改善効果は期待できない。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、発電に必要な燃料増加分が少ないエンジン動作点で発電を行うことにより、発電コスト(発電による燃料消費量の増加分)を低減できる車両用電源装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明の車両用電源装置は、内燃機関の出力に応じて発電機の発電量を制御する電源制御手段を備え、その電源制御手段は、発電機にて発電を行う際に、内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量と、内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量とから発電範囲を設定し、内燃機関の動作点が発電範囲に含まれる時に、発電機に発電を行わせることを特徴とする。
【0006】
上記の構成によれば、発電に利用される内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量に対し、その動力アップに伴う燃費率の改善効果を考慮して発電範囲を設定するので、この発電範囲に内燃機関の動作点が含まれる時に発電を行うことにより、発電に必要な燃料増加分、即ち発電を行うために消費される燃料量を低減することが可能になる。
【0007】
また、発電範囲は、内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量から内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量を引き算した値の最小値を基準として設定されることを特徴とする。
【0008】
発電に必要な燃料増加分は、内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量から内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量を引き算した値となり、この値が最小値の時に燃料増加分が最小となる。従って、前記最小値を基準に発電範囲を設定することにより、発電に必要な燃料増加分が少ない内燃機関の動作点で発電することができる。
【0009】
また、発電範囲は、内燃機関の中回転数領域及び中負荷領域に設定されることを特徴とする。
内燃機関の燃費率を算出すると、内燃機関の回転数が比較的低く、且つトルクが高い領域(例えば、1500〜3000rpm、70〜100Nm)で燃費率が小さくなり、その領域から外れる程、燃費率が大きくなっている。この燃費率を元に、内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量と、内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量とから発電範囲を設定すると、内燃機関の中回転数領域及び中負荷領域で、発電に必要な燃料増加分が最小となる。従って、内燃機関の動作点が中回転数領域及び中負荷領域に含まれる時に発電することにより、その発電のために消費される燃料量を低減できる。
【0010】
(請求項の発明)
請求項に記載した車両用電源装置において、
発電範囲は、内燃機関の回転数とトルク、または回転数に相当する値とトルクに相当する値とで規定されることを特徴とする。
これにより、発電範囲を詳細に規定できるので、その規定された発電範囲内にて重点的に発電することが可能になる。
【0011】
(請求項の発明)
請求項1または2に記載した車両用電源装置において、
発電機は、界磁巻線が巻回されたロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有し、ロータの回転によって電機子巻線に交流電圧を発生するオルタネータであり、電源制御手段は、オルタネータの発生電圧を調整するレギュレータを備え、このレギュレータの調整電圧を変更することにより発電量を制御することを特徴とする。
自動車等の車両には、バッテリへの充電装置としてオルタネータとレギュレータが搭載されているため、このレギュレータの調整電圧を変更することで、発電量を制御することができる。
【0012】
(請求項の発明)
請求項1または2に記載した車両用電源装置において、
発電機は、界磁巻線が巻回されたロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有し、ロータの回転によって電機子巻線に交流電圧を発生するオルタネータであり、電源制御手段は、界磁巻線に通電される界磁電流を変更することにより発電量を制御することを特徴とする。
オルタネータの出力電圧(発電量)は、界磁電流を直接変更することによって制御できる。
【0013】
(請求項の発明)
請求項1または2または4に記載した車両用電源装置において、
発電機は、界磁を形成するロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有する多相交流回転機であり、電源制御手段は、電機子巻線に印加される電圧を制御するインバータを備え、このインバータに対するトルク指令値または電力指令値を変更することにより発電量を制御することを特徴とする。
要求発電量と回転数からトルク指令値または電力指令値を演算することができ、その演算値に従ってインバータを制御することにより、簡易的に発電効率の良い時に集中発電できる。
【0014】
(請求項の発明)
請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、バッテリの残存容量が大きい程、発電範囲を狭めることを特徴とする。これにより、発電に伴う燃料消費量が少ない領域(発電範囲)で集中的に発電することが可能となり、燃費改善効果を大きくできる。
【0015】
(請求項の発明)
請求項に記載した車両用電源装置において、
発電範囲に最小範囲が設定されていることを特徴とする。
設定される発電範囲が小さくなると、必然的に発電機会が少なくなるため、バッテリが過放電する。これに対し、発電範囲に最小範囲が設定されることで、所定の発電機会を確保できるので、バッテリの過放電を防止できる。
【0016】
(請求項の発明)
請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、バッテリの残存容量が小さい程、発電範囲を広げることを特徴とする。バッテリの残存容量が小さい場合は、発電量が不足しているため、発電範囲を広げて発電機会を増やすことにより、発電量の不足が解消されて、バッテリの過放電を防止することができる。
【0017】
(請求項の発明)
請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、バッテリの残存容量が小さい程、発電量を増加させることを特徴とする。バッテリの残存容量が小さい場合は、発電量が不足しているため、発電量を増加させることにより、発電量の不足が解消されて、バッテリの過放電を防止することができる。特に、発電範囲を広げても発電量が不足する場合は、発電量の増加によって電力収支を改善できる。
【0018】
(請求項10の発明)
請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、バッテリの残存容量が大きい程、発電量を低減させることを特徴とする。バッテリの残存容量が大きい場合は、発電量を低減させることにより、電力収支を改善でき、バッテリの過充電を防止できる。
【0019】
(請求項11の発明)
請求項1〜10に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量に応じて内燃機関のトルクを変更することを特徴とする。この場合、発電量の変化に応じて内燃機関のトルクを変更するため、発電量が変化しても車両の駆動トルクが変化することはなく、ドライバーの違和感を防止できる。
【0020】
(請求項12の発明)
請求項1〜11に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量の基本量を、内燃機関の動作領域に応じて設定することを特徴とする。
この場合、内燃機関の動作領域毎に発電基本量(発電量の基本量)を個別調整できるので、制御性を向上できる。
【0021】
(請求項13の発明)
請求項12に記載した車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量の基本量を、内燃機関の動作領域に応じて設定される設定領域の中心ほど高い値に設定することを特徴とする。
発電範囲を広げた場合でも、効率の良い時に多く発電できるため、発電効率が高くなる。
【0022】
(請求項14の発明)
請求項1〜13に記載した何れかの車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量の上限を設定することを特徴とする。
これにより、発電に利用される内燃機関のトルクが制約されるので、内燃機関の出力特性を確保しつつ、高効率発電が可能になる。
【0023】
(請求項15の発明)
請求項14に記載した車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量の上限を、内燃機関の動作領域に応じて設定することを特徴とする。
この場合、内燃機関の最大トルク範囲内で発電するように補償することで、内燃機関の出力の安定性を確保しつつ、高効率発電が可能になる。
【0024】
(請求項16の発明)
請求項14に記載した車両用電源装置において、
電源制御手段は、発電量の上限を、内燃機関または車両の要求により設定することを特徴とする。
内燃機関または車両が、発電に利用可能なトルクの上限を設定することにより、その範囲内で発電を実施することができ、車両加速性能等を確保しつつ、高効率発電が可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を以下の実施例により説明する。
(実施例)
図1は車両用電源装置1の全体構成図である。
この車両用電源装置1は、エンジン2(本発明の内燃機関)により駆動されて発電を行う発電機3と、この発電機3の発電電力により充電されるバッテリ4と、エンジン2の出力を制御するエンジン制御手段5と、発電機制御手段6を介して発電機3の発電量を制御する電源制御手段7等を備える。
【0026】
発電機3は、例えば、周知のオルタネータであり、回転軸に取り付けられたプーリ3aとエンジン2のクランク軸に取り付けられたクランクプーリ2aとがベルト8により連結されている。なお、車両の減速時には、車両の運動エネルギ(走行慣性エネルギ)を電気エネルギに変換して発電機3に発電を行わせる回生発電が可能になっている。
発電機3には、電源線9を通じてバッテリ4及び複数の負荷制御手段10、11、12が接続されている。
バッテリ4は、例えば、複数のバッテリセルを直列に接続して構成され、12V程度の出力電圧を発生する。
【0027】
負荷制御手段10には、複数の電気負荷10a、10b、10cが接続され、図示しない操作スイッチやセンサ類からの信号に基づき、各電気負荷10a、10b、10cに対する出力制御及び通電制御を行う。同様に、負荷制御手段11は、自己に属する電気負荷11a、11b、11cに対して出力制御及び通電制御を行い、負荷制御手段12は、自己に属する電気負荷12a、12b、12cに対して出力制御及び通電制御を行う。また、各負荷制御手段10、11、12は、それぞれ多重信号伝送線路(例えばCANバス)13を通じて電源制御手段7に接続されており、その電源制御手段7との間で多重通信により双方向に情報を授受する。
【0028】
エンジン制御手段5は、電源制御手段7に接続されて、エンジン2の運転状態等を検出する各種センサ(図示せず)で検出されたセンサ情報を電源制御手段7に送信すると共に、電源制御手段7からの指令に従ってエンジン2の出力を増減する。
発電機制御手段6は、発電機3の現在の発電量や回転数等の発電情報を電源制御手段7に送信すると共に、電源制御手段7からの指令に従って、発電機3の発電量を制御する。
【0029】
電源制御手段7は、バッテリ4の入出力電流を検出するバッテリ電流センサ14、負荷制御手段10を通じて電気負荷に通電される負荷電流を検出する負荷電流センサ15、バッテリ4の温度を検出するバッテリ温度センサ16、及びバッテリ4の端子電圧を検出するバッテリ電圧センサ(図示せず)等が接続され、これらのセンサ情報に基づいて、発電機3の制御に係わる指令を発電機制御手段6に送信する。
この電源制御手段7は、発電機3が発電動作を行うエンジン動作点の範囲を発電範囲として設定し、その発電範囲にエンジン動作点が含まれる時に、発電機制御手段6を通じて発電機3に発電を行わせる。
【0030】
上記の発電範囲は、図3に示す燃料消費量マップ(エンジン回転数とエンジントルクを座標軸とする)に基づいて設定される。この燃料消費量マップは、図2に示すエンジン2の燃費率(g/kWh)を元に、エンジン2の各動作点において、100Wの動力を追加出力した場合の動力アップ1W当たりの燃料消費量の増加分(g/kWh)を算出して等高線状にグラフ化したものであり、エンジン2の中回転中負荷領域(図中実線Sで示す範囲)で最も小さく、その領域から外れる程、大きくなっている。
【0031】
発電による燃料消費量の増加分ΔQは、以下の式によって算出される。
但し、エンジン2の動力アップ分に相当する燃料消費量(燃費率×動力アップ分)をQ1、エンジン2の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量(燃費率改善分×動力)をQ2とする。
ΔQ=Q1−Q2
なお、ここでは詳細を説明しないが、発電機3の効率に応じて、ΔQを補正することも可能である。すなわち、エンジン動力をアップして発電量を増加させると、発電機3の効率が高くなる場合は、ΔQがより小さくなり、逆に発電機3の効率が下がる場合は、ΔQは大きくなる。
【0032】
エンジン2の燃費率は、或る回転数領域において、図4に示す様に、エンジントルクが小さくなる程、数値が大きく(燃費が悪い)、エンジントルクが大きくなる程、数値が小さく(燃費が良い)なる。従って、エンジントルクが小さい領域では、単位当たりの動力アップによる燃費率の改善幅ΔF1が大きくなり、エンジントルクが大きい領域では、単位当たりの動力アップによる燃費率の改善幅ΔF2が小さくなる。従って、上記の燃費率を元に、エンジン2の動力アップによる燃料消費量の増加分を算出すると、動力アップ分に相当する燃料消費量と、その動力アップに伴う燃費率改善分とのバランスから、図3に示す様に、中回転中負荷領域で最小となる。
【0033】
次に、電源制御手段7による発電機3の制御方法を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
ステップ100…エンジン動作点を検出する。
ステップ110…バッテリ4の残存容量SOCを検出し、そのSOCが所定の閾値より小さいか否かを判定する。この判定結果がYESの時はステップ120へ進み、判定結果がNOの時はステップ150へ進む。
【0034】
ステップ120…現在の発電範囲が最大か否かを判定する。なお、1回目の判定では、例えば、デフォルト値として、図6に実線領域Aで示す初回の発電範囲が設定されている。この初回の発電範囲は、動力アップ1W当たりの燃料消費量の増加分が最も小さくなるエンジン2の中回転中負荷領域(図3の実線Sで示す範囲)を含む最小範囲である。この判定結果がYESの時はステップ130へ進み、判定結果がNOの時はステップ140へ進む。
【0035】
ステップ130…発電範囲が最大であるにも係わらず、バッテリ4のSOCが閾値より小さい時は、発電指令値(発電量)を増加させる。
ステップ140…発電範囲が最大でない場合は、発電範囲を拡大する。
ステップ150…発電指令値(発電量)が最小か否かを判定する。この判定結果がYESの時はステップ160へ進み、判定結果がNOの時はステップ170へ進む。
【0036】
ステップ160…発電指令値(発電量)が最小の場合は、発電範囲を縮小する。
ステップ170…発電指令値(発電量)が最小でない場合は、発電指令値を減らす。
なお、発電範囲及び発電指令値を変更する場合は、変更幅を予め決めておき、この制御ループを通る毎にインクリメントまたはデクリメントして対応することが可能である。例えば、発電範囲に関しては、回転数変化幅ΔNe=100rpm、トルク変化幅ΔTe=5Nm等、発電指令値(発電量)に関しては、ΔW=200W等で随時変更していく。
【0037】
具体的には、初回(デフォルト値)の発電範囲が2000rpm<Ne<3500rpm、40Nm<Te<70Nm、発電指令値W=1000Wの場合に、バッテリ4のSOCが不足する時は、図6に破線領域Bで示す様に、1900rpm<Ne<3600rpm、35Nm<Te<75Nmへ変更する。更に、最大範囲まで広げてもSOCが不足する場合は、W=1200Wへ変更する。
【0038】
あるいは、図7に示す様に、エンジン2の運転領域(回転数、トルク)毎に発電指令値の初期値(デフォルト値)を予め決めておき、その上乗せ量をΔWとして決定しても良い。あるいは、初期値に比例した値に変更することも可能である。これらの方法により、エンジン2の中回転中負荷領域で重点的に発電することが可能になり、さらにバッテリ4の充電状態(残存容量)に応じて、その発電範囲と発電指令値(発電量)を変更することにより、バッテリ4の過充電及び過放電を防止することができる。
【0039】
ステップ180…ステップ140またはステップ170で変更された発電範囲に対し、現状のエンジン動作点(回転数はステップ100で検出された値、トルクはステップ100で検出されたトルク値から発電に利用される分を差し引いた残りの値)が含まれる場合は、該当する発電指令値(ステップ130またはステップ150で変更された発電指令値)を設定し、発電範囲に現在のエンジン動作点が含まれない場合は、ゼロを発電指令値として設定する。従って、現在のエンジン動作点が発電範囲を外れた場合は、発電を行わない。
【0040】
ステップ190…エンジン2あるいは車両から、現在発電に利用可能なトルクあるいは出力の最大値を読み込む。この値は、例えば車両加速時等に発電を停止あるいは減少させた場合に、その許容トルクに応じて設定されたり、現在のエンジン回転数において、発電トルクを除く現在のエンジントルクとエンジン最大トルクとの差分を発電に利用可能なエンジントルクの上限として設定される。
【0041】
ステップ200…ステップ190で設定された範囲内となるように、発電機制御手段6に発電量あるいは発電トルク指令を出力して、発電機3に発電を実行させる。例えば、エンジン2の発電許可最大トルクが30Nm、現在のエンジン回転数が3000rpm、発電機効率が70%の場合、発電機3へトルク指令を送る場合は、30Nm以下の範囲で設定することになり、発電量を指令する場合は、30Nm×3000rpm×2π/60×70%=6.6kW以下の範囲で設定することとなる。
【0042】
ステップ210…発電量に応じたエンジントルク分{=発電指令量/(エンジン回転数×発電機3の発電効率)}をエンジン2へ追加指令する。これにより、発電量が変化しても車両の駆動トルクが変化することはなく、ドライバーの違和感を防止できる。なお、エンジントルクの変更は、簡易的にはスロットル開度や点火時期を変更することで対応可能であり、より精密に実施するには、公知のエンジントルク制御システムで実現できる。
【0043】
(本実施例の効果)
本実施例の車両用電源装置1では、エンジン2の燃費率を元に、単位発電当たりの燃料増加分が最小となるエンジン領域(中回転中負荷領域)を算出し、その領域に基づいて発電範囲を設定しているので、この発電範囲にエンジン動作点が含まれる時に発電を行うことにより、発電による燃料消費量の増加分を最も少なくできるエンジン2の中回転中負荷領域で重点的に発電することが可能になる。その結果、発電に必要な燃料増加分を少なくでき、発電コストを低減できる。
また、バッテリ4の充電状態(残存容量)に応じて発電範囲と発電指令値(発電量)を変更することにより、バッテリ4の過充電及び過放電を防止することができる。
【0044】
なお、図3に示した燃料消費量マップは、エンジン動力を100W増加させた場合の1Wの動力アップによる燃料消費量の増加分をグラフ化したものであり、実際の発電量(例えば300W増加させた場合の動力アップ1W当たりの燃料消費量増加)マップに変更することにより、実際の発電量に応じて、最適な領域で集中発電することが可能になる。
【0045】
発電機3としてオルタネータを用いる場合は、発電量を制御するために、レギュレータの調整電圧を制御する方法、あるいは界磁巻線の電流を直接変更する方法等が適用できる。また、通常の3相交流回転機を用いる場合は、発電トルク指令値(=発電量指令/回転数/発電効率)を演算しておき、この発電トルク指令に基づき、インバータに対して公知のベクトル制御等を実施することで実現できる。
【0046】
また、上記の実施例では、発電範囲をエンジン回転数とエンジントルクとで規定したが、これに相当する値(エンジン回転数の代わりに発電機回転数、エンジントルクの代わりに燃焼圧あるいは空気量あるいはスロットル開度等)を用いることも可能であり、エンジン回転数とスロットル開度との組み合わせ等、それぞれのパラメータに応じて領域を設定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる車両用電源装置の全体構成図である。
【図2】エンジンの燃費率マップである。
【図3】1Wの動力アップに伴う燃料消費量の増加分を示す燃料消費量マップである。
【図4】エンジンの燃費率とエンジントルクとの関係を示すグラフである。
【図5】発電機の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】発電範囲を変更する場合の一例を説明する燃料消費量マップである。
【図7】発電量の基本指令値を示すマップである。
【符号の説明】
1 車両用電源装置
2 エンジン(内燃機関)
3 発電機
4 バッテリ
7 電源制御手段

Claims (16)

  1. 内燃機関により駆動されて発電を行う発電機と、
    この発電機の発電電力により充電されるバッテリと、
    前記内燃機関の出力に応じて前記発電機の発電量を制御する電源制御手段とを備えた車両用電源装置であって、
    前記電源制御手段は、前記発電機にて発電を行う際に、前記内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量と、前記内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量とから発電範囲を設定し、
    前記発電範囲は、前記内燃機関の動力アップ分に相当する燃料消費量から前記内燃機関の動力アップに伴う燃費率の改善分に相当する燃料消費量を引き算した値の最小値を基準として設定されたうえで、前記内燃機関の中回転数領域及び中負荷領域に設定され、
    前記内燃機関の動作点が前記発電範囲に含まれる時に、前記発電機に発電を行わせることを特徴とする車両用電源装置。
  2. 請求項1に記載した車両用電源装置において、
    前記発電範囲は、前記内燃機関の回転数とトルク、または前記回転数に相当する値と前記トルクに相当する値とで規定されることを特徴とする車両用電源装置。
  3. 請求項1または2に記載した車両用電源装置において、
    前記発電機は、界磁巻線が巻回されたロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有し、前記ロータの回転によって前記電機子巻線に交流電圧を発生するオルタネータであり、
    前記電源制御手段は、前記オルタネータの発生電圧を調整するレギュレータを備え、このレギュレータの調整電圧を変更することにより前記発電量を制御することを特徴とする車両用電源装置。
  4. 請求項1または2に記載した車両用電源装置において、
    前記発電機は、界磁巻線が巻回されたロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有し、前記ロータの回転によって前記電機子巻線に交流電圧を発生するオルタネータであり、
    前記電源制御手段は、前記界磁巻線に通電される界磁電流を変更することにより前記発電量を制御することを特徴とする車両用電源装置。
  5. 請求項1または2または4に記載した車両用電源装置において、
    前記発電機は、界磁を形成するロータと電機子巻線が巻回されたステータとを有する多相交流回転機であり、
    前記電源制御手段は、前記電機子巻線に印加される電圧を制御するインバータを備え、このインバータに対するトルク指令値または電力指令値を変更することにより前記発電量を制御することを特徴とする車両用電源装置。
  6. 請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記バッテリの残存容量が大きい程、前記発電範囲を狭めることを特徴とする車両用電源装置。
  7. 請求項に記載した車両用電源装置において、
    前記発電範囲に最小範囲が設定されていることを特徴とする車両用電源装置。
  8. 請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記バッテリの残存容量が小さい程、前記発電範囲を広げることを特徴とする車両用電源装置。
  9. 請求項1〜8に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記バッテリの残存容量が小さい程、前記発電量を増加させることを特徴とする車両用電源装置。
  10. 請求項1〜に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記バッテリの残存容量が大きい程、前記発電量を低減させることを特徴とする車両用電源装置。
  11. 請求項1〜10に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量に応じて前記内燃機関のトルクを変更することを特徴とする車両用電源装置。
  12. 請求項1〜11に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量の基本量を、前記内燃機関の動作領域に応じて設定することを特徴とする車両用電源装置。
  13. 請求項12に記載した車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量の基本量を、前記内燃機関の動作領域に応じて設定される設定領域の中心ほど高い値に設定することを特徴とする車両用電源装置。
  14. 請求項1〜13に記載した何れかの車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量の上限を設定することを特徴とする車両用電源装置。
  15. 請求項14に記載した車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量の上限を、前記内燃機関の動作領域に応じて設定することを特徴とする車両用電源装置。
  16. 請求項14に記載した車両用電源装置において、
    前記電源制御手段は、前記発電量の上限を、前記内燃機関または車両の要求により設定することを特徴とする車両用電源装置
JP2003176836A 2003-06-20 2003-06-20 車両用電源装置 Expired - Lifetime JP4158615B2 (ja)

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