JP4158467B2 - 内燃機関の排気処理装置及び該装置による蒸発燃料の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関から排出される排気ガスを排気通路から捕集する排気処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の冷間始動時における排気浄化性能を向上させる装置として、内燃機関から排出されるNOxをゼオライト触媒にて捕捉し、そのゼオライト触媒がNOxを放出する際には、ゼオライト触媒を通過した排気ガスの全量を捕集容器に捕集し、その捕集した排気ガスはEGRガスとして吸気通路に還流させる捕集式の排気処理装置が提案されている(特許文献1又は2参照)。
【0003】
また、内燃機関の燃料タンクで発生する蒸発燃料を処理する装置として、活性炭等の吸着材が充填されたキャニスタに蒸発燃料を導き、その吸着材に燃料を吸着させる蒸発燃料装置が知られている(例えば特許文献3参照)。キャニスタ内に吸着された燃料は、内燃機関の吸気通路に発生する負圧をキャニスタ内に作用させてキャニスタ内に外気を取り込むことによって吸着材から脱離する。その脱離した燃料はキャニスタ内に取り込まれた外気とともに吸気通路へ導入される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−70539号公報
【特許文献2】
特開2002−147227号公報
【特許文献3】
特開平4−311661号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の蒸発燃料処理装置においては、燃料タンク内において日常的に生じる比較的少量の蒸発燃料の処理を前提としてキャニスタの容量が定められている。従って、給油時のように一時的に大量の蒸発燃料が発生する場合にはキャニスタの処理能力が不足し、キャニスタからの蒸発燃料の漏れを防ぎきれないことがある。キャニスタの容量を拡大すれば処理能力は改善されるが、その場合には、キャニスタの設置スペースを確保する上で問題が生じる。また、燃料の吸着及び脱離を繰り返すと吸着材の性能が徐々に低下するおそれがある。
【0006】
一方、上述した捕集式の排気処理装置では、触媒が所定の浄化性能を発揮し得ない間、継続して排気ガスの全量又は一部を捕集容器に捕集する必要がある。そのため、捕集容器に要求される容量はキャニスタのそれに比して遙かに大きい。しかし、捕集容器に捕集された排気ガスが吸気通路等に還流された後は、次に排気ガスの捕集が必要となるまで捕集容器は実質的に利用されていない。
【0007】
そこで、本発明は、排気ガスの捕集容器を活用して蒸発燃料の処理能力を向上させることができる排気処理装置、及びその排気処理装置を利用した蒸発燃料の処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内燃機関の排気処理装置は、内燃機関の排気通路に接続された捕集容器に前記排気通路から排気ガスを捕集可能とした排気処理装置であって、前記捕集容器が蒸発燃料通路を介して前記内燃機関の燃料タンクと接続され、前記蒸発燃料通路には、当該蒸発燃料通路を開閉する燃料導入制御用の弁手段が設けられることにより、上述した課題を解決する。
【0009】
この発明の排気処理装置によれば、燃料導入制御用の弁手段を開くことにより、燃料タンクで発生した蒸発燃料を捕集容器内に導入することができる。燃料タンクにおける蒸発燃料の発生量からみて捕集容器は十分に大きいため、大量の蒸発燃料が発生する状況でも蒸発燃料を十分な余裕を持って捕集容器内に捕集することができる。特に、捕集容器から排気ガスが排出されて捕集容器内の圧力が大気圧レベル又はそれ以下に低下している場合には、燃料タンクと捕集容器との圧力差を利用して燃料タンクから捕集容器へ蒸発燃料を容易に移動させることができる。捕集容器内に排気ガスが蓄えられて捕集容器内の圧力が燃料タンク内の圧力よりも高いときには燃料導入用の弁手段を閉じることにより、捕集容器から燃料タンクへの排気ガスの流出を防ぐことができる。
【0010】
また、この排気処理装置によれば、燃料導入制御用の弁手段は、捕集容器に捕集された排気ガスが排気ガス還流通路を介して排出されることにより燃料タンク内の圧力が前記捕集容器内の圧力又はそれよりも高い閾値を超えていることを必要条件として蒸発燃料通路を開くように動作するため、捕集容器内に排気ガスが蓄えられて捕集容器内の圧力が燃料タンク内の圧力よりも高いときには蒸発燃料通路を閉じるように、蒸発燃料通路の弁手段を動作させることができる。
【0011】
本発明の排気処理装置において、前記排気ガス還流通路は、前記捕集容器と前記内燃機関の吸気通路とを接続してもよい(請求項2)。この場合には捕集容器に捕集された排気ガス又は蒸発燃料を吸気通路に導入することができる。なお、吸気通路に導入された排気ガスは内燃機関に吸入される空気中の酸素量を減少させるように作用し、吸気通路に導入された蒸発燃料は内燃機関の燃焼室に導入されて燃やされる。
【0012】
また、本発明の排気処理装置において、前記排気ガス還流通路は、前記捕集容器と前記排気通路に設けられた排気浄化用の触媒よりも上流側の位置とを接続してもよい(請求項3)。この場合には、捕集容器の排気ガスや蒸発燃料が触媒によって浄化される。
【0013】
本発明の排気処理装置においては、前記排気ガス還流通路を開閉する還流制御用の弁手段を備えてもよい(請求項4)。これにより、捕集容器から吸気通路又は排気通路への排気ガスや燃料の導入状態を制御することができる。
【0014】
本発明の排気処理装置においては、前記燃料タンクには前記蒸発燃料に対する吸着材を内蔵したキャニスタが設けられ、前記捕集容器は、前記蒸発燃料を保持する手段として、前記キャニスタと併用されてもよい(請求項5)。この場合、捕集容器に排気ガスを捕集している間はキャニスタにて蒸発燃料を吸着し、捕集容器が排気ガスの捕集に使用されていないとき、あるいはキャニスタの処理能力が不足するときに捕集容器にて蒸発燃料を捕集するといった使い分けが可能となる。
【0015】
また、本発明の蒸発燃料処理方法は、内燃機関の排気通路に接続された捕集容器と、前記捕集容器と前記内燃機関の吸気通路又は前記排気通路とを接続する排気ガス還流通路とを備え、前記捕集容器に前記排気通路から排気ガスを捕集し、捕集した排気ガスを前記排気ガス還流通路を介して前記吸気通路又は前記排気通路へ還流可能とした内燃機関の排気処理装置を利用して、燃料タンクにて発生した蒸発燃料を処理する方法であって、前記捕集容器に捕集された排気ガスが前記排気ガス還流通路を介して排出されることにより前記捕集容器内の圧力が前記燃料タンクの圧力よりも低下しているとき、前記燃料タンクから前記蒸発燃料を前記捕集容器に導入することにより、上述した課題を解決する(請求項6)。この処理方法によれば、燃料タンクにおける蒸発燃料の発生量からみて十分に大きい捕集容器を利用して、蒸発燃料を漏れなく捕集することができる。
【0016】
本発明の蒸発燃料処理方法においては、前記吸気通路にて発生する負圧を前記捕集容器に作用させ、その負圧を利用して前記燃料タンクから前記捕集容器に前記蒸発燃料を導入してもよい(請求項7)。この場合には蒸発燃料を捕集容器へ効率よく導入することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の排気処理装置及びこれが適用される内燃機関の概要を示している。内燃機関1は自動車の走行用動力源として使用される4サイクル火花点火式のガソリンエンジンとして構成されている。周知のように、内燃機関1には、燃焼室2に空気を取り込むための吸気通路3と、吸入空気量を制御するためのスロットルバルブ4と、燃焼室2からの排気を所定の排気位置まで導くための排気通路5と、これらの通路3,5を開閉するための吸気バルブ6及び排気バルブ7と、燃料タンク8に蓄えられたガソリン燃料を燃焼室2に直接噴射する燃料噴射弁9と、燃料混合気に着火する点火プラグ10とが設けられている。
【0018】
内燃機関1が搭載された車両には、エンジンコントロールユニット(ECU)11が設けられる。ECU11は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺装置を含んだ周知のコンピュータである。ECU11は、そのROMに記録された各種のプログラム及びデータに基づいて内燃機関1の各種の制御を実行する。例えば、ECU11は、冷却水温を検出する水温センサ、スロットルバルブ4の開度を検出するスロットルセンサ(いずれも図示を省略した。)、吸気通路3のスロットルバルブ4よりも下流側の圧力に対応した信号を出力する吸気圧センサ12、クランク角に対応した信号を出力するクランク角センサ13、空燃比に対応した信号を出力する空燃比センサ(O2センサでもよい)14等の出力に基づいて内燃機関1の運転状態や車両の走行状態を検出し、それらの検出結果に基づいて燃料噴射弁9の燃料噴射量を目標空燃比が得られるように制御する。このような空燃比制御を実行することにより、ECU11は空燃比制御装置として機能する。ECU11による空燃比制御は周知の内燃機関の空燃比制御装置と同様でよく、ここでは詳細を省略する。
【0019】
排気通路5の排気ガスを浄化するため、排気通路5にはスタート触媒15とNOx吸蔵還元触媒16とが設けられている。スタート触媒15は、内燃機関1の冷間始動時にNOx吸蔵還元触媒16が活性化されるまでの有害物質の排出量を低減することを主たる目的として設けられたものである。スタート触媒15は早期活性化のために内燃機関1の排気ポートになるべく近付けて配置され、かつその熱容量はNOx吸蔵還元触媒16のそれよりも十分に小さく設定される。スタート触媒15には三元触媒が使用される。NOx吸蔵還元触媒16は、空燃比がリーン域に制御されているときは所定の吸蔵材にNOxを吸蔵し、空燃比がリッチ域に制御された場合には吸蔵材からNOxを放出させ、その放出されたNOxを排気中のHC、COにて還元するとともに、HC、COを酸化させるものである。
【0020】
また、内燃機関1には、排気通路5から吸気通路3に排気ガスを還流させる手段としてEGR装置17が設けられている。EGR装置17は、排気通路5と吸気通路3とを接続するEGR通路18と、そのEGR通路18を開閉するEGR弁19とを備えている。EGR弁19の動作はECU11にて制御される。その制御手順は周知のEGR装置と同様でよい。
【0021】
触媒15,16が所定の浄化性能を発揮できない場合の大気中への排気ガスの放出を抑えるため、内燃機関1には捕集式の排気処理装置20が設けられている。排気処理装置20は、排気ガスを保持可能な捕集容器21と、その捕集容器21と排気通路5とを接続する排気ガス取り出し通路22と、排気ガス取り出し通路22と排気通路5との接続位置に設けられた捕集制御弁23と、捕集容器21と吸気通路3とを接続する排気ガス還流通路24と、その排気ガス還流通路24を開閉する還流制御弁25とを備えている。
【0022】
排気ガス取り出し通路22はNOx吸蔵還元触媒16よりも下流側において排気通路5から分岐する。捕集制御弁23は、NOx吸蔵還元触媒16を通過した排気ガスを矢印Aで示すように捕集制御弁23よりも排気通路5のさらに下流側に通過させる排気放出位置と、排気ガスを矢印Bで示したように排気ガス取り出し通路22に導く排気捕集位置との間で切り替え可能である。排気捕集位置において、捕集制御弁23は排気ガスの全量を排気ガス取り出し通路22に導いてもよいし、排気通路5の下流側への一部の排気ガスの通過を許容し、残りの排気ガスを排気ガス取り出し通路22に導いてもよい。スタート触媒15とNOx吸蔵還元触媒16との間に捕集制御弁23が設けられ、NOx吸蔵還元触媒16を通過する前の排気ガスを捕集容器21へ捕集するようにしてもよい。
【0023】
捕集容器21は単一の容器状に構成されている。捕集容器21は、内燃機関1の冷間始動時において、触媒16が所定の活性化温度に暖機されるまで捕集制御弁23を排気捕集位置に保持した場合に排気ガス取り出し通路22に導かれる排気ガスの総量を十分に保持できる容量を備えている。捕集容器21は金属製の箱のように容量不変の剛体容器として構成されてもよいし、容量可変のバッグ状に構成されてもよい。捕集容器21の入口には排気ガス取り出し通路22から捕集容器21への排気ガスの流入を許容し、捕集容器21から排気ガス取り出し通路22への排気ガスの逆流を阻止するリード弁26が設けられている。捕集容器21は、互いに仕切られた複数の収容部の集合体として設けられてもよい。また、捕集容器21にはその内部の圧力に対応した信号を出力する圧力センサ27が設けられている。圧力センサ27の出力信号はECU11に入力される。
【0024】
排気ガス還流通路24はスロットルバルブ4よりも下流側の吸気通路3に接続されている。その接続位置は例えばサージタンク4a上に設定することができる。EGR通路18と同様にサージタンク4aの直後に排気ガス還流通路24を接続してもよい。なお、排気ガス取り出し通路22及び排気ガス還流通路24は金属等の剛体にて構成された配管でもよいし、フレキシブルなチューブでもよい。排気ガス還流通路24は、吸気通路3又は排気通路5に対して選択的に排気ガスを還流できるように設けられてもよい。
【0025】
還流制御弁25は、捕集容器21から排気ガス還流通路24を経由して吸気通路3に至る排気ガスの還流を制御するために設けられている。還流制御弁25が開かれることにより、矢印Cで示すように捕集容器21に蓄えられた排気ガスが吸気通路3に還流される。還流制御弁25には電磁弁が使用される。
【0026】
捕集制御弁23及び還流制御弁25の動作はECU11によって制御される。制御弁23,25の制御により、排気通路5から排気ガスを捕集する工程と、捕集した排気ガスを吸気通路3に還流させる工程とが実現される。排気ガスを捕集する工程は、例えば内燃機関1の始動時でかつ触媒16の温度が活性化温度域よりも低くて所定の浄化性能が発揮されない場合に実行される。その捕集工程では、還流制御弁25が閉じられ、捕集制御弁23が排気捕集位置に切り替えられる。これにより、触媒16を通過した排気ガスが排気ガス取り出し通路22を介して捕集容器21内に捕集される。
【0027】
NOx吸蔵還元触媒16の温度が活性化温度域に達すると、捕集制御弁23が排気放出位置に切り替えられて排気ガスの捕集が停止される。その後、触媒16の温度が所定の活性化温度域に維持されている限り、捕集制御弁23が排気放出位置に維持されて触媒16を通過した排気ガスは大気中に放出される。
【0028】
以上の他にも、例えばNOx吸蔵還元触媒16が飽和して所定量以上のNOxが触媒16の下流側に放出されるとき等、触媒16が所定の浄化性能を発揮できない場合には適宜捕集容器21に排気ガスを捕集してよい。なお、スタート触媒15が所定の活性化温度に維持されている限りにおいて、排気ガス中の有害物質の排出量を所定の許容範囲内に抑えられる場合には、NOx吸蔵還元触媒16の活性状態に拘わりなく、スタート触媒15が活性化されているか否かに基づいて捕集制御弁23を制御してもよい。
【0029】
一方、捕集容器21に保持された排気ガスを還流させる工程は、所定の還流条件が成立したときに実行される。その還流工程では、還流制御弁25が開かれることにより、捕集容器21から排気ガス還流通路24を介して吸気通路3に排気ガスが戻される。還流条件としては、例えば触媒15,16が活性化していること、排気ガスを吸気通路3に戻しても運転状態が乱れない程に燃焼室2の温度が上昇していること等がその要件として挙げられる。
【0030】
さらに、図1の排気処理装置20において、捕集容器21は燃料タンク8と蒸発燃料通路30を介して接続されている。蒸発燃料通路30の捕集容器21側の端部には当該通路30を開閉する燃料導入用の弁手段としてのリード弁31が設けられている。リード弁31は燃料タンク8内の圧力が、捕集容器21内の圧力に所定の作動圧を加えた閾値よりも高いときに蒸発燃料通路30を開き、燃料タンク8内の圧力が閾値以下のときに蒸発燃料通路30を閉じるように作動する。このようなリード弁31の動作により、燃料タンク8から捕集容器21への蒸発燃料の導入を許容しつつ、捕集容器21から燃料タンク8への排気ガスの流出を阻止することができる。
【0031】
以上のように構成された排気処理装置20によれば、捕集容器21から吸気通路3に排気ガスが還流されて捕集容器21内の圧力が大気圧程度に低下している状態において、燃料タンク8内で燃料が蒸発して燃料タンク8の圧力が大気圧よりも上昇すれば、リード弁31が開いて燃料タンク8から捕集容器21に蒸発燃料が導入される。これにより、捕集容器21が蒸発燃料を保持する手段として機能する。さらに、蒸発燃料を捕集容器21に導入する際には還流制御弁25を開いておくことにより、吸気通路3の負圧を利用して蒸発燃料を効率よく捕集容器21に導入することができる。捕集容器21に保持された蒸発燃料は、還流制御弁25が開いているときに排気ガス還流通路24を介して吸気通路3に導入される。
【0032】
このように、排気処理装置20によれば燃料タンクで発生する蒸発燃料を捕集容器21に捕集し、その後、吸気通路3へ導入することができる。従って、蒸発燃料の処理用として従来使用されていたキャニスタを省略することができる。但し、本発明の排気処理装置20は、図2に示すように、キャニスタ32と併設されてもよい。
【0033】
図2の実施形態では、キャニスタ32のパージポート、すなわち、キャニスタ32から吸気通路3に蒸発燃料を取り出すために設けられているポートに蒸発燃料通路30を接続することにより、キャニスタ32から捕集容器21への蒸発燃料を取り出せるようにしている。
【0034】
図2の構成によれば、捕集容器21に排気ガスが蓄えられてリード弁31が閉じるほど捕集容器21内の圧力が上昇しているときは、燃料タンク8にて発生した蒸発燃料がキャニスタ32に保持される。捕集容器21の圧力が大気圧レベルまで低下した状態では、キャニスタ32に保持された蒸発燃料がさらに捕集容器21へ導入される。従って、キャニスタ32の処理能力が不足して蒸発燃料がキャニスタ32から漏れ出しているときに捕集容器21でその蒸発燃料を一時的に保持することができる。なお、キャニスタ32のパージポートを吸気通路3と接続し、蒸発燃料通路30を燃料タンク8と接続することにより、キャニスタ32と、捕集容器21とを、燃料タンク8と吸気通路3との間において並列に設けてもよい。
【0035】
図3は蒸発燃料通路30にポンプ35を追加した実施形態を示している。この実施形態によれば、捕集容器21内の圧力が排気ガスの捕集によって上昇しているときでもポンプ35を作動させることにより、燃料タンク8の蒸発燃料を捕集容器21内に送り込むことができる。なお、捕集容器21の圧力が大気圧レベルまで低下しているとき、ポンプ35を作動させなくても蒸発燃料を捕集容器21へ導入可能とするため、蒸発燃料通路30には、燃料タンク8から捕集容器21へ向かう流れを許容し、逆方向への流れを阻止する逆止弁36がポンプ35を迂回するように設けられている。
【0036】
図4は、捕集容器21と排気通路5とを排気ガス還流通路24を介して接続した実施形態を示している。排気ガス還流通路24には還流制御弁25が同様に設けられている。排気ガス還流通路24と排気通路5との接続位置はスタート触媒15よりも上流側に設定されている。但し、排気ガス還流通路24は触媒15,16の間において排気通路5と接続されてもよい。
【0037】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の技術思想と実質的に同一の範囲である限り種々の形態にて実施してよい。例えば、燃料導入制御用の弁手段として、リード弁31に代えて電磁弁を設け、その動作をECU11等の制御装置によって制御してもよい。燃料導入制御用の弁手段は流量調整可能であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の排気処理装置及びその装置を利用した蒸発燃料処理方法によれば、燃料タンクで発生した蒸発燃料を、その蒸発燃料の発生量からみて十分な容量を有する捕集容器に捕集して保持することができる。従って、大量の蒸発燃料が発生する状況でも蒸発燃料を十分な余裕を持って処理することができるとともに、捕集容器を排気ガスの捕集以外の用途に活用して捕集式の排気処理装置の価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気処理装置の一実施形態を示す図。
【図2】排気処理装置をキャニスタと併用した実施形態を示す図。
【図3】ポンプを利用して蒸発燃料を捕集可能とした実施形態を示す図。
【図4】捕集容器と排気通路とを接続した実施形態を示す図。
【符号の説明】
1 内燃機関
3 吸気通路
5 排気通路
8 燃料タンク
15 スタート触媒
16 NOx吸蔵還元触媒
17 EGR装置
20 排気処理装置
21 捕集容器
22 排気ガス取り出し通路
23 捕集制御弁
24 排気ガス還流通路
25 還流制御弁(還流制御用の弁手段)
26 リード弁
30 蒸発燃料通路
31 リード弁(燃料導入制御用の弁手段)
32 キャニスタ
Claims (7)
- 内燃機関の排気通路に接続された捕集容器と、前記捕集容器と前記内燃機関の吸気通路又は前記排気通路とを接続する排気ガス還流通路とを備え、前記捕集容器に前記排気通路から排気ガスを捕集し、捕集した排気ガスを前記排気ガス還流通路を介して前記吸気通路又は前記排気通路へ還流可能とした内燃機関の排気処理装置において、
前記捕集容器が蒸発燃料通路を介して前記内燃機関の燃料タンクと接続され、前記蒸発燃料通路には、当該蒸発燃料通路を開閉する燃料導入制御用の弁手段が設けられており、
前記燃料導入制御用の弁手段は、前記捕集容器に捕集された排気ガスが前記排気ガス還流通路を介して排出されることにより前記燃料タンク内の圧力が前記捕集容器内の圧力又はそれよりも高い閾値を超えていることを必要条件として前記蒸発燃料通路を開くように動作することを特徴とする内燃機関の排気処理装置。 - 前記排気ガス還流通路は、前記捕集容器と前記吸気通路とを接続することを特徴とする請求項1に記載の排気処理装置。
- 前記排気ガス還流通路は、前記捕集容器と前記排気通路に設けられた排気浄化用の触媒よりも上流側の位置とを接続することを特徴とする請求項1に記載の排気処理装置。
- 前記排気ガス還流通路を開閉する還流制御用の弁手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の排気処理装置。
- 前記燃料タンクには前記蒸発燃料に対する吸着材を内蔵したキャニスタが設けられ、前記捕集容器は、前記蒸発燃料を保持する手段として前記キャニスタと併用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排気処理装置。
- 内燃機関の排気通路に接続された捕集容器と、前記捕集容器と前記内燃機関の吸気通路又は前記排気通路とを接続する排気ガス還流通路とを備え、前記捕集容器に前記排気通路から排気ガスを捕集し、捕集した排気ガスを前記排気ガス還流通路を介して前記吸気通路又は前記排気通路へ還流可能とした内燃機関の排気処理装置を利用して、燃料タンクにて発生した蒸発燃料を処理する方法であって、
前記捕集容器に捕集された排気ガスが前記吸気通路又は前記排気通路へ還流されることにより前記捕集容器内の圧力が前記燃料タンクの圧力よりも低下しているとき、前記燃料タンクから前記蒸発燃料を前記捕集容器に導入することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理方法。 - 前記吸気通路にて発生する負圧を前記捕集容器に作用させ、その負圧を利用して前記燃料タンクから前記捕集容器に前記蒸発燃料を導入することを特徴とする請求項6に記載の蒸発燃料処理方法。
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