JP4157737B2 - ブラシレスdcモータの駆動装置とそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスDCモータの駆動装置及びそれを用いた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫の冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するためのコンプレッサには、レシプロ型のコンプレッサが用いられている。このレシプロ型のコンプレッサの駆動源はブラシレスDCモータである。
【0003】
このブラシレスDCモータの駆動方法は、いわゆるバイポーラ駆動法によって駆動している。すなわち、制御回路が回転子の位置に基づいてPWM(パルス幅変調)に基づく通電信号をゲートドライブ回路に出力し、ゲートドライブ回路からのゲート信号をスイッチング回路に出力し、スイッチング回路がこのゲート信号に基づいてブラシレスDCモータの三相の固定子巻線へ駆動信号を出力して回転させるものである。
【0004】
この回転子の位置検出は、ホールICなどの位置検出素子を用いる方法もあるが、コンプレッサに用いられているブラシレスDCモータにおいてはセンサレス方式を用いるのが一般的である。
【0005】
センサレス方式とは、固定子巻線がY結線の場合には、三相のうち非通電相の誘起電圧と直流中間電圧とを比較し、この両者が一致するタイミングをコンパレータで検出し、この位置信号の毎回入ってくる時間(電気角で60°毎の時間)を基準として前回の時間間隔を基に次の転流(通電相の切替え)のタイミングを取っている。
【0006】
非通電相の誘起電圧はPWM信号のON期間に発生する。このON期間の誘起電圧には、ON直後の真の誘起電圧の他にリンギングを伴うノイズ成分が重畳される。このノイズ成分は、コンデンサ等により、ある程度除去することは可能である。しかし、完全に除去しようとしてコンデンサ容量を大きくすると波形が鈍ることで位置検出の検出遅れが増加する。また、キャリア周波数を高くしなければならない場合(ON期間が短い場合)においても、コンデンサ容量を大きくできないという問題点がある。
【0007】
従って、コンデンサにより、リンギングノイズを低減できない場合には、誤った検出を防止するためにON期間から一定時間は検出を禁止するサンプリング遅延時間を設定している。このサンプリング遅延時間の設定は、従来は定常回転時においてノイズ誤検出により回転ムラが生じないように設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが起動時においては、センサレス方式の場合に、誘起電圧が発生していないため、回転子がどの位置にあるかが不明であるため、ある任意の通電パターンからある時間周期で強制転流を行う。そして、回転子が少しでも回転して誘起電圧が検出されるとその時点から次回の転流タイミングを位置信号を基に作成しバイポーラ駆動を行っている。一方、起動直後は、回転子は停止状態にあるため、固定子巻線に流れる駆動電流は急激に増加する。この駆動電流の値はスイッチング素子の定格を越えないように、閾値を越えた場合には、ON期間をカットする電流制限検出回路を設けている。
【0009】
そのため、起動時には電流制限検出回路による電流制限が動作して、ON期間が図7に示すように、短くなり、誘起電圧を全く検出できなくなるという問題点がある。
【0010】
この位置検出ができないと転流が遅れるためスムーズな加速ができず、コンプレッサの振動が大きくなるという問題点がある。
【0011】
特に、ブラシレスDCモータが分布巻きよりも、直巻きでは直流抵抗成分が減少し、起動直後に電流制限がかかり易くなり、上記の問題点がより現れ易いという問題点がある。
【0012】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、起動直後に電流制限が動作して、PWM信号のON期間が短くなったとしても、スムーズに加速させることができるブラシレスDCモータの駆動装置及びそれを用いた冷蔵庫を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、三相のブラシレスDCモータと、電流方向に従って互いに上流側と下流側となる2つのスイッチング素子の直流回路を三相分有し、前記各直列回路のスイッチング素子接続点に前記ブラシレスDCモータの各相の固定子巻線を接続し、一の直列回路の上流側スイッチング素子と他の直列回路の下流側スイッチング素子をON状態にして二相通電を行うスイッチング回路と、前記二相通電が行われている以外の残りの非通電の一の相の固定子巻線に生じる誘起電圧を検出して、この誘起電圧から前記ブラシレスDCモータの回転子の位置を検出する位置検出回路と、前記各直列回路に直流電圧を印加する直流電圧印加回路と、前記位置検出回路で検出した前記回転子の回転位置に基づいてPWM信号を生成して前記2相通電を順次行う制御手段と、を有したブラシレスDCモータの駆動装置において、前記制御手段は、前記直流電圧印加回路から前記各直列回路に流れる電流が閾値を超えると、前記PWM信号のON期間を制限し、前記位置検出回路からの誘起電圧の検出を前記PWM信号のON期間に行い、かつ、前記誘起電圧の立ち上がり時である前記PWM信号のONの時から所定のサンプリング遅延時間の間は前記誘起電圧の検出を行わず、また、起動時のサンプリング遅延時間を、定常回転時のサンプリング遅延時間より短くすることを特徴とするブラシレスDCモータの駆動装置である。
【0014】
請求項2の発明は、前記制御手段は、前記位置検出回路からの前記誘起電圧によって所定回数の位置検出を行うまで前記起動時のサンプリング遅延時間経過後に前記誘起電圧の検出を行い、それ以後は前記定常回転時のサンプリング遅延時間経過後に前記誘起電圧の検出を行うことを特徴とする請求項1記載のブラシレスDCモータの駆動装置である。
【0015】
請求項3の発明は、前記ブラシレスDCモータが直巻き方式であることを特徴とする請求項1または2記載のブラシレスDCモータの駆動装置である。
【0016】
請求項4の発明は、コンプレッサ、凝縮器、蒸発器が接続された冷凍サイクルを有した冷蔵庫において、前記コンプレッサの駆動源がブラシレスDCモータであり、前記ブラシレスDCモータの駆動装置が請求項1、2または3に記載の駆動装置であることを特徴とする冷蔵庫である。
【0017】
請求項5の発明は、前記コンプレッサが、レシプロ型のコンプレッサであることを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫である。
【0018】
請求項1のブラシレスDCモータの駆動装置であると、起動時のサンプリング遅延時間を定常回転時のサンプリング遅延時間より短くすることにより、起動時において直流電圧印加回路から各直列回路に流れる電流が閾値を超えてPWM信号のON時間を制限しても、誘起電圧を検出することができるので、ブラシレスDCモータをスムーズに加速させることができる。
【0019】
請求項2のブラシレスDCモータの駆動装置であると、誘起電圧によって所定回数の位置検出を行うまで起動時のサンプリング遅延時間経過後に誘起電圧の検出を行うため、起動時において確実に位置検出を行うことができると共に、それ以後は定常回転時のサンプリング遅延時間経過後に誘起電圧の検出を行うため、ノイズを誤検出することによる回転ムラが生じない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を具体的に説明する。
【0021】
本実施例について図1から図7に基づいて説明する。
【0022】
(1)冷蔵庫1の構造
図1は、本実施例を示す間冷式の冷蔵庫1の断面図である。
【0023】
冷蔵庫1内部は、上段から冷蔵室2、野菜室3、切替室4、冷凍室5が設けられている。また、切替室4の横には、冷凍室5の一部として不図示の製氷室が設けられている。
【0024】
冷凍室5の背面にある機械室6には、コンプレッサ12と凝縮器用送風ファン29が設けられている。
【0025】
切替室4の背面には、切替室4と冷凍室5を冷却するための冷凍室用蒸発器(以下、Fエバという)26が設けられている。また、切替室4の背面には、Fエバ26からの冷気の流量を調整して、切替室4の庫内温度を設定温度に調整する切替室用ダンパ8が配されている。
【0026】
野菜室3の背面には、冷蔵室2と野菜室3を冷却するための冷蔵室用蒸発器(以下、Rエバという)18が設けられている。
【0027】
Fエバ26の上方には、Fエバ26によって冷却された冷気を切替室4と冷凍室5に送風するための送風ファン(以下、Fファンという)28が設けられている。
【0028】
Rエバ18の上方には、Rエバ18で冷却された冷気を冷蔵室2と野菜室3に送風するための送風ファン(以下、Rファンという)20が設けられている。
【0029】
冷蔵室2と野菜室3の仕切り板30には、脱臭装置32が設けられている。
【0030】
冷蔵庫1の背面には、マイクロコンピューターよりなる主制御部7が設けられている。この主制御部7は、コンプレッサ12、Rファン20、Fファン28、後述する三方弁22を制御する。また、主制御部7の操作部9は、冷蔵室2の扉の前面に設けられている。
【0031】
(2)冷凍サイクル10の構成
図2は、冷蔵庫1の冷凍サイクル10である。
【0032】
コンプレッサ12から吐出された不燃性冷媒は、凝縮器14を通った後、三方弁22の冷媒切換機構によって冷媒流路が切り替えられる。
【0033】
この三方弁22の一方の出口には冷蔵側キャピラリーチューブ16とRエバ18が順次接続され、三方弁22の他方の出口には冷凍側キャピラリーチューブ24が接続され、Rエバ18の出口側配管と合流してFエバ26の入口側に接続されている。Fエバ26の出側口配管は、コンプレッサ12の吸込側に繋がっている。
【0034】
(3)交互冷却運転
まず、冷蔵庫1における交互冷却運転について説明する。
【0035】
交互冷却運転とは、コンプレッサ12で圧縮、加圧された高温の冷媒は凝縮器14で放熱され、それを出た冷媒は三方弁22に入り、Rエバ18またはFエバ26を冷却して下記で説明する冷蔵冷却モード(以下、Rモードという)と冷凍冷却モード(以下、Fモードという)を交互に行う運転をいう。
【0036】
(3−1)Rモード
Rモードでは、三方弁22を切り替え、冷蔵側キャピラリチューブ16に冷媒を流し、Rエバ18で蒸発して、この冷気がRファン20によって冷蔵室2と野菜室3に送られ冷却する。
【0037】
(3−2)Fモード
Fモードでは、三方弁22を切り替え、冷凍側キャピラリチューブ24に冷媒が流れるように冷媒流路を切り替え、Fエバ26で蒸発し、コンプレッサ12に戻る。Fエバ26における冷気は、Fファン28によって冷凍室5等に送られる。
【0038】
(3−3)RモードとFモードの切り替えのタイミング
上記のようなRモードとFモードを交互に行う場合に、そのモードの切替えは、所定時間毎に行うか、または冷蔵室2の庫内温度が庫内上限温度より高くなった場合、または冷凍室5の庫内温度が庫内上限温度より高くなった場合に各モードを開始する。
【0039】
また、冷蔵室2の庫内温度が庫内下限温度より低くなり、かつ、冷凍室5の庫内温度が庫内下限温度より低くなるとコンプレッサ12は停止する。
【0040】
(4)コンプレッサ12の駆動構成
コンプレッサ12は、レシプロ型のコンプレッサであって、直巻方式の三相のブラシレスDCモータ101によって駆動するものである。以下、このブラシレスDCモータ(以下、単にモータという)101の駆動装置100について図3から図6に基づいて説明する。
【0041】
(4−1)駆動装置100の構造
駆動装置100の構造について、図3の回路図に基づいて説明する。
【0042】
駆動装置100は、大きく分けて、スイッチング回路102、倍電圧整流回路103、交流電源104、ゲートドライブ回路105、位置検出回路106、モータ制御部107、電流制限検出回路108よりなる。
【0043】
この駆動装置100は、倍電圧整流回路103によりAC100Vの交流電源104から直流電源280Vを生成し、スイッチング回路102によりモータ101を駆動する構成となっている。
【0044】
(4−1−1)スイッチング回路102
三相ブリッジドライバーよりなるスイッチング回路102は、次のような構成となっている。
【0045】
2個のNPN型のスイッチングトランジスタTr1とTr4が直列に接続され、スイッチングトランジスタTr1とTr4のそれぞれのコレクタ端子とエミッタ端子の間にはダイオード118,121が接続され、一つの直列回路を構成している。同様にスイッチングトランジスタTr2,Tr5とダイオード119,122で一つの直列回路を構成し、スイッチングトランジスタTr3,Tr6とダイオード120,123で一つの直列回路を構成し、これら三つの直列回路が並列に接続されている。
【0046】
モータ101のY結線された各固定子巻線101u,v,wが、それぞれ各直列回路の二つのスイッチングトランジスタTr1,Tr4とTr2,Tr5とTr3,Tr6の接続点125u,125v,125wに接続されている。
【0047】
(4−1−2)倍電圧整流回路103
倍電圧整流回路103は、前記したように、AC100VをDC280Vに変換するものであり、ダイオードより構成されるブリッジ回路109で全波整流した後、平滑コンデンサ110,111により倍電圧にしている。
【0048】
(4−1−3)ゲートドライブ回路105
ゲートドライブ回路105は、スイッチング回路102の6つのスイッチングトランジスタTr1からTr6のゲート端子にゲート信号を、モータ制御部107からのPWM信号に基づく通電信号によって生成してそれぞれ出力する。
【0049】
(4−1−4)位置検出回路106
位置検出回路106は、各相の固定子巻線に流れる駆動電流を検出するものであり、各相の固定子巻線101u,101v,101wから検出ラインを分岐させている。このうちu相から分岐した検出ラインには検出抵抗130,131を直列に接続した後接地し、v相においても検出抵抗132,133を直列に接続した後接地し、w相においても検出ラインに検出抵抗134と135を直列に接続して接地している。
【0050】
そして、三つのスイッチングトランジスタTr1,Tr2,Tr3のエミッタ側の端子の間とスイッチングトランジスタTr4,Tr5,Tr6のコレクタ側の端子の間に二つの抵抗128,130を接続し、この抵抗128,130の接続点から直流中間電圧を取るための中間検出ラインを引き出してきている。
【0051】
u相用のコンパレータ136においては、−端子側に前記した中間電圧検出ラインを接続し、+側端子にu相検出ラインにおける検出抵抗130と131の間の電圧を取るためのラインを接続している。以下同様にv相のコンパレータ137とw相のコンパレータ138においても直流中間電圧ラインと各相の検出ラインを−端子側と+端子側に接続している。
【0052】
そして、この三つのコンパレータ136,137,138の出力がモータ制御部107の入力端子に接続されている。以下このコンパレータからの出力を位置信号Pu1.Pv1,Pw1とする。
【0053】
(4−1−5)電流制限検出回路108
電流制限検出回路108は、倍電圧整流回路103とスイッチング回路102との間に設けられているシャント抵抗140に流れる電流を検知し、この電流が閾値を超えた場合には、その出力を制限するように指示する制限指示信号をモータ制御部107に出力する。
【0054】
(4−1−6)モータ制御部107
マイクロコンピューターよりなるモータ制御部107は、位置検出回路106からの位置信号と電流制限検出回路108からの制限指示信号と、冷蔵庫1の主制御部7からの速度指令信号からPWM制御によって通電信号を生成して、ゲートドライブ回路105に出力する。
【0055】
また、モータ制御部107には、データを記憶するためのROM127bとRAM127aが設けられている。
【0056】
(4−2)駆動装置100の動作状態
駆動装置100の動作状態を図3から図6に基づいて説明する。
【0057】
モータ101の回転子の位置検出は120°通電矩形波駆動法において、非通電相に発生する誘起電圧を検出する方法であり、モータ101の固定子巻線101u,101v,101wの駆動電流に基づく電圧とDC280Vの中間電圧をそれぞれ分圧してコンパレータ136〜138で比較して位置信号Pu1.Pv1,Pw1としてモータ制御部107に入力される。
【0058】
この位置信号Pu1.Pv1,Pw1がモータ101を回す基準の信号となり、モータ制御部107の内部では、図4の波形図に示すように、コンパレータ136〜138の位置信号Pu1,Pv1,Pw1に基づいて、これら信号を30°位相をシフトさせて補正した位置信号Pu2,Pv2,Pw2を生成する。これら位相補正した位置信号をロジック変換して通電信号を生成する。図4においてはPWM信号を省略しているが、例えばハイサイド側すなわち上流側のスイッチングトランジスタのPWM信号と合成して電圧を調整し、回転数を調整するようにPWM信号に基づく通電信号を出力する。
【0059】
また、位置検出を行う場合には、図4の(a)〜(d)に示すように、電気角で60°毎に信号がハイからローまたはローからハイに変わるため、この時間を毎回計測してその半分の時間を電気角の30°として位相シフト、すなわち、転流を行っている。
【0060】
さらに、電流制限検出回路108における電流制限は、シャント抵抗140により電圧に変換し、電流制限検出回路108内部のコンパレータにおける基準電圧と比較し、電流が閾値より増加すると、モータ制御部107がPWM信号のON期間をカットする。
【0061】
(4−3)サンプリング遅延時間について
位置検出回路106からの位置信号Pu1,Pv1,Pw1を検出する場合に、サンプリング遅延時間を設けている。
【0062】
このサンプリング遅延時間について図6に基づいて説明する。
【0063】
図6に示すように、位置信号Pu1,Pv1,Pw1の生成の元となる固定子巻線の誘起電圧はPWM信号のON期間に発生し、ONの時から所定の時間はノイズ成分(リンギング)が重畳される。このリンギングにより位置を誤検出しないように、リンギングの第1波が納まるまでの間はモータ制御部107において、位置信号Pu1,Pv1,Pw1のサンプリングを禁止している。これがサンプリング遅延時間である。
【0064】
さて、起動時においてはセンサレス駆動の場合には、回転子が停止しているため誘起電圧が発生せず、回転子がどの位置にあるかが不明である。そのため、任意の通電パターンからある時間周期で強制転流を行っている。そして、回転子が少しでも回転して誘起電圧が検出されるとその時点から次回の転流タイミングを位置信号を基に作成し、駆動を行っている。ところが、起動時においてはシャント抵抗140に流れる電流は非常に大きく、電流制限検出回路108が動作して、PWM信号のON期間を制限する。
【0065】
この電流を制限した場合の位置検出について説明する。
【0066】
図5は、その電流制限を行った場合の誘起電圧Vu、位置信号のu相におけるPu1の波形図を示したものである。
【0067】
図5(a)に示すように、起動時においては誘起電圧Vuは次第に大きくなり、誘起電圧の中間電圧Vdc/2を基準として、この閾値を超えた場合には、コンパレータ136から位置信号Pu1が出力される。モータ制御部107の内部においては、サンプリング遅延時間に基づいて、リンギングを除いた位置信号Pu1′を検出する。
【0068】
PWM信号がON期間となってからサンプリング遅延時間の間に、Pu1がハイとなる期間を終えていれば、図5(d)の従来例の位置信号Pu1′に示すように、検出がされないこととなる。すなわち、図7に示すように、サンプリング遅延時間が20μ秒とした場合に、18μ秒程度で誘起電圧Vuが中間電圧(閾値)より立ち下がった場合には、この位置を検出できない。すると、強制転流を続けることとなり、コンプレッサの振動が大きくなり、目標回転数まで到達しないことがある。
【0069】
そのため、本実施例では、主制御部7からモータ101の起動信号を受けた時から、位置検出が3回行われるまでの間は、サンプリング遅延時間を20μ秒から10μ秒に短縮し、強制的に位置検出を行っている。すなわち、図6に示すように、サンプリング遅延時間が10μ秒とした場合に、18μ秒程度で誘起電圧Vuが中間電圧(閾値)より立ち下がった場合でも、この位置を検出できる。
【0070】
そして、3回位置検出が行われた後は定常回転であるとして、正規のサンプリング遅延時間である20μ秒に変更する。このように位置検出が行われた後に、通電相の切替えを順次行い加速し出すと、シャント抵抗140により検出される電流は低減するので通常のサンプリング遅延時間で位置検出を行っても、十分に回転子の位置を検出することができる。
【0071】
そして、サンプリング遅延時間を短縮するだけであるため起動時におけるリンギングを防止することができつつ位置検出を行うことができる。
【0072】
(変更例1)
上記実施例では、直巻式のモータ101を用いたが、これに限らず分布巻のブラシレスDCモータを用いてもよい。
【0073】
(変更例2)
上記実施例では、定常回転までとして、3回まであったが、これに代えて4回、また、2回であってもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上により本発明であると、ブラシレスDCモータの起動直後に電流制限が動作して、PWM信号のON期間が短くなったとしても、回転子の位置検出を可能とし、ブラシレスDCモータをスムーズに加速することができる。
【0075】
また、このブラシレスDCモータの駆動装置を用いたコンプレッサであると、起動時に振動等が起こらず、また、目標回転数までスムーズに到達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す冷蔵庫の縦断面図である。
【図2】冷凍サイクルの構成図である。
【図3】駆動装置の回路図である。
【図4】駆動装置の波形図である。
【図5】位置検出回路における波形図である。
【図6】誘起電圧と遅延時間との関係を示す本実施例の拡大波形図である。
【図7】誘起電圧とサンプリング遅延時間を示す従来例の拡大波形図である。
【符号の説明】
100 駆動装置
101 モータ
102 スイッチング回路
103 倍電圧整流回路
104 交流電源
105 ゲートドライブ回路
106 位置検出回路
107 モータ制御部
108 電流制限検出回路
140 シャント抵抗

Claims (5)

  1. 三相のブラシレスDCモータと、
    電流方向に従って互いに上流側と下流側となる2つのスイッチング素子の直流回路を三相分有し、前記各直列回路のスイッチング素子接続点に前記ブラシレスDCモータの各相の固定子巻線を接続し、一の直列回路の上流側スイッチング素子と他の直列回路の下流側スイッチング素子をON状態にして二相通電を行うスイッチング回路と、
    前記二相通電が行われている以外の残りの非通電の一の相の固定子巻線に生じる誘起電圧を検出して、この誘起電圧から前記ブラシレスDCモータの回転子の位置を検出する位置検出回路と、
    前記各直列回路に直流電圧を印加する直流電圧印加回路と、
    前記位置検出回路で検出した前記回転子の回転位置に基づいてPWM信号を生成して前記2相通電を順次行う制御手段と、
    を有したブラシレスDCモータの駆動装置において、
    前記制御手段は、
    前記直流電圧印加回路から前記各直列回路に流れる電流が閾値を超えると、前記PWM信号のON期間を制限し、
    前記位置検出回路からの誘起電圧の検出を前記PWM信号のON期間に行い、かつ、前記誘起電圧の立ち上がり時である前記PWM信号のONの時から所定のサンプリング遅延時間の間は前記誘起電圧の検出を行わず、
    また、起動時のサンプリング遅延時間を、定常回転時のサンプリング遅延時間より短くする
    ことを特徴とするブラシレスDCモータの駆動装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記位置検出回路からの前記誘起電圧によって所定回数の位置検出を行うまで前記起動時のサンプリング遅延時間経過後に前記誘起電圧の検出を行い、それ以後は前記定常回転時のサンプリング遅延時間経過後に前記誘起電圧の検出を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のブラシレスDCモータの駆動装置。
  3. 前記ブラシレスDCモータが直巻き方式である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のブラシレスDCモータの駆動装置。
  4. コンプレッサ、凝縮器、蒸発器が接続された冷凍サイクルを有した冷蔵庫において、
    前記コンプレッサの駆動源がブラシレスDCモータであり、
    前記ブラシレスDCモータの駆動装置が請求項1、2または3に記載の駆動装置である
    ことを特徴とする冷蔵庫。
  5. 前記コンプレッサが、レシプロ型のコンプレッサである
    ことを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫。
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