JP4156386B2 - 漏電検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、漏電を検出する漏電検出装置に関し、特にノイズなどによる誤動作を防止し、かつ高い精度で漏電を検出し、消費電流の削減を図った漏電検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の漏電検出装置としては、2組の積分回路を用いたものがある。
例えば、交流電源の全波整流波形を積分する2組の積分器を設け、交流電源の半周期毎にそれらの積分値をリセットし、それらリセット直前の積分値が設定値よりも下回った場合に停電と判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、地絡電流の正負各レベルを判別する2組のレベル判別器と、各レベル判別器からの出力信号により電荷を蓄積し、ゼロクロス検出回路からのリセット信号により電荷を放電する2組のコンデンサから構成された信号幅判別器と、各信号幅判別器の出力電圧が所定値以上のときにトリップ信号を発生するカウント回路とを備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、交流入力を全波整流したものの大きさに比例する周波数のパルスを発生する電圧/周波数コンバータと、その出力パルスを1/2サイクル毎にそれぞれカウントする2組のカウンタとを備え、それらカウンタの出力が所定値以上の場合に動作を行うものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−95776号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
特開平5−153725号公報(第1頁、第1図)
【特許文献3】
特開昭63−59714号公報(第1頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の漏電検出装置は以上のように構成されているので、積分回路においては、漏電入力波形の波高値が大きくなるにつれて充電時間が短くなるものの放電時間は一定であるため、その漏電入力波形に応じた周波数のパルスは、漏電入力波形の波高値が大きくなるにつれてパルス間隔における放電時間の占める割合が増え、誤差が大きくなってしまう。したがって、漏電入力波形の波高値に応じたパルス信号数の線形性が悪く、その線形性の改善のために充放電電流を増やす必要があり、消費電流が増加してしまうという課題があった。
また、本来の漏電入力波形ではない、例えば電動機の突入電流や位相制御形電源などの負荷変動による異常波形を漏電入力波形として検出して不要動作することがあり、特に高速タイプブレーカにおける一波形検出によるものにおいては検出精度の低下が顕著になり、またインバータノイズにより不要動作が発生するという課題があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、漏電入力波形の波高値に応じたパルス信号数の線形性を改善し、その線形性の改善のために充放電電流を増やすことなく、消費電流を抑えながら検出精度を向上できる漏電検出装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る漏電検出装置は、交流電路に設けられた零相変流器の出力をリセット信号に応じて交互に切換える切換回路と、切換回路の一方からの出力を積分する第1の積分回路と、切換回路の他方からの出力を積分する第2の積分回路と、第1または第2の積分回路の出力信号の波形の大きさが所定のレベルに達したとき該当する積分回路をリセットするとともに切換回路に切換信号を出力し、零相変流器から出力された漏電入力波形に応じた周波数のパルス信号を出力する変換回路と、零相変流器から出力された漏電入力波形の波形幅と変換回路から出力されたパルス信号の積算値に応じた漏電入力波形の平均値とが所定の条件を満たしたとき、交流電路を遮断するためのトリップ信号を発生する演算回路とを備えたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態について説明する。
実施の形態1.
図1はこの実施の形態1による漏電検出装置の構成を示すブロック図である。この漏電検出装置は、交流電路1に設けられた零相変流器4の出力を入力する入力回路11と、入力回路11の出力を交互に切換えるスイッチ(切換回路)12と、基準電源回路19で発生した基準電圧Vref1をもとに、スイッチ12の一方からの出力から正側と負側の出力を生成し、その正側出力と負側出力をCRの時定数によりそれぞれ積分し出力する積分回路(第1の積分回路)13と、基準電源回路19で発生した基準電圧Vref1をもとに、スイッチ12の他方からの出力から正側と負側の出力を生成し、その正側出力と負側出力をCRの時定数によりそれぞれ積分し出力する積分回路(第2の積分回路)14と、積分回路13,14の出力信号の波形の大きさが正側については+Vref2、負側については−Vref2の所定のレベルに達したときに積分回路13,14のうちの該当する積分回路をリセットするとともに切換信号を出力し、零相変流器4から出力された漏電入力波形に応じた周波数のパルス信号を出力するVF(Voltage to Frequency)変換回路(変換回路)15と、VF変換回路15から出力された切換信号に応じてスイッチ12を交互に切換える切換回路16と、零相変流器4からの漏電入力波形のレベルが所定の判定レベルVth3以上の期間が一定時間幅Td以上あるか判定するとともに、VF変換回路15から出力されたパルス信号の積算値が規定値ΣS以上あるか判定し、それら経過時間と積算値とが所定の条件を満たしたとき、トリップ信号を発生する演算回路17を備えている。
より具体的には、演算回路17では、正側の漏電入力波形の判定レベルVth3以上の期間が一定時間幅Td以上あるとともに、漏電入力波形の立上りからその一定時間幅Tdの終点までVF変換回路15から出力されたパルス信号を計数して、漏電入力波形の平均値(面積)を積算し、その積算値が規定値ΣS以上であること、さらに、負側の漏電入力波形の判定レベル−Vth3以下の期間が一定時間幅Td以上あるとともに、漏電入力波形の立下りからその一定時間幅Tdの終点までVF変換回路15から出力されたパルス信号を計数して、漏電入力波形の平均値(面積)を積算し、その積算値が規定値ΣS以上であることをそれぞれ判定するものである。
また、この漏電検出装置は、演算回路17から出力された信号によりサイリスタなどのスイッチング素子6を作動させ、電磁装置5を介して遮断機3を引き外し、負荷2への交流電路1を遮断する出力回路18と、VF変換回路15と演算回路17へ基準周波数のパルス信号をクロック信号として与える発振回路20とを備えている。
【0010】
次に、この漏電検出装置の動作について図2、図4から図10に示すタイミングチャート、および図3に示す特性図を参照しながら説明する。
図2(a)は通常の漏電入力波形(入力回路11の出力波形)と、通常の漏電入力波形に対するシングル型積分回路(積分回路を1個だけ用いたもの)の出力である積分波形と、VF変換回路から出力されるパルス信号を示すタイミングチャート、図2(b)は異常時の入力波形と、異常時の入力波形に対するシングル型積分回路の積分波形と、VF変換回路から出力されるパルス信号を示すタイミングチャート、図2(c)は通常の漏電入力波形(入力回路11の出力波形)と、通常の漏電入力波形に対するツイン型積分回路(この実施の形態1の積分回路13,14のように積分回路を2個用いたもの)の出力である積分波形と、VF変換回路15から出力されるパルス信号を示すタイミングチャートである。
図3はシングル型積分回路とツイン型積分回路との漏電入力波高値に対応したパルス数特性を示す特性図である。図4はシングル型積分回路とツイン型積分回路との最小検出感度付近の漏電入力波形に対する検出精度の比較を示すタイミングチャートである。
図5はツイン型積分回路を用いた通常の漏電入力波形に対する各部の信号波形、図6はツイン型積分回路を用いた本来の漏電入力波形ではない異常時の入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
また、図7はツイン型積分回路を用いた通常の漏電入力波形の2倍の波高値に対する各部の信号波形、図8はシングル型積分回路を用いた通常の漏電入力波形の2倍の波高値に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
さらに、図9はツイン型積分回路を用いた最小検出感度付近の漏電入力波形に対する各部の信号波形、図10はシングル型積分回路を用いた最小検出感度付近の漏電入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【0011】
先ず、通常の漏電入力波形と異常時の漏電入力波形に対するシングル型積分回路の動作について図2(a)、(b)に示すタイミングチャートを参照して説明する。
通常の漏電入力波形については、図2(a)に示すように積分回路の出力波形(ロ)は、その積分回路のCRの時定数に応じて上昇し、通常の漏電入力波形(イ)の波高値に応じて充電波形の勾配が急峻になり、この充電波形のレベルが+Vref2に達すると、積分回路はVF変換回路によりリセットされる。これに伴いVF変換回路からはパルス信号が出力されるが、通常の漏電入力波形の場合、図2(a)(イ)に示すように立上りが遅れることなく、徐々に上昇する波形であるため、充電波形の勾配も積分回路がリセットされるたびに大きくなり、VF変換回路から出力されるパルス信号の間隔は小さくなっていく。
また、図2(b)に示す異常時の入力波形(ニ)については、立上りが遅れ、急峻に上昇する波形であるため、積分回路の出力波形(ホ)では充電波形の立上りが遅れ、この結果、VF変換回路から出力されるパルス信号の数も少ない。
従って、このVF変換回路から出力されるパルス信号をある期間、計数することで、前記期間の図2(a)、(b)に示す漏電入力(イ)、異常時の入力(ニ)の波形面積の平均値を算出することができる。
次に、通常の漏電入力波形に対するシングル型積分回路とツイン型積分回路の動作について図2(a)、(c)に示すタイミングチャートを参照して説明する。
通常の漏電入力波形については、図2(a)に示すようにシングル型積分回路の出力波形(ロ)は、その積分回路のCRの時定数に応じて上昇し、通常の漏電入力波形(イ)の波高値に応じて充電波形の勾配が急峻になり、これに伴いVF変換回路から出力されるパルス信号(ハ)の間隔が狭くなっていく。但し、放電時間は一定であるため、漏電入力波形の波高値が大きくなるにつれてパルス間隔における放電時間の占める割合が増え、誤差が大きくなってしまう。したがって、漏電入力波形の波高値に応じた漏電入力波形に対応したパルス信号数の線形性が悪くなってしまう。
そこで、この実施の形態1では、積分回路13,14のように積分回路を2個用い、ツイン型積分回路を構成し、図2(c)に示すように1個目の積分回路の充電が完了したところで2個目の積分回路に切換えることで放電時間を考慮することなく、パルス間隔における放電時間の占める割合を改善し、漏電入力波形の波高値に応じたパルス信号数の線形性が改善されるとともに、線形性の改善のために要してきた過剰な放電電流を削減できる。
【0012】
図3は図2(a)で示したようなシングル型積分回路と、図2(c)で示したようなこの実施の形態1によるツイン型積分回路との漏電入力波高値に対応したパルス数特性を示したものである。この図3から分かるように、シングル型積分回路では、漏電入力波形の波高値が大きくなればなるほど線形性が悪くなるが、この実施の形態1によるツイン型積分回路では、かなり線形性が改善されている。
図4(A)はシングル型積分回路、図4(B)はこの実施の形態1によるツイン型積分回路に、それぞれ最小検出感度付近の漏電入力波形を印加した場合のそれぞれの検出精度を比較するためのタイミングチャートである。
図4(A)のシングル型積分回路では、漏電入力波形に対応したパルス信号数の線形性が悪いので、漏電入力波形の波高値が大きくなるにつれてパルス間隔における放電時間の占める割合が増え、波高値が大きくなってもあまりパルス数が増加せず、パルス数の積算値が規定値ΣSを満たすことができない。
図4(B)のこの実施の形態1によるツイン型積分回路では、漏電入力波形に対応したパルス信号数の線形性が良いので、漏電入力波形の波高値に関わらずパルス間隔における放電時間の占める割合がほとんどないので、波高値の大きさに応じてパルス数も増加し、パルス数の積算値が規定値ΣSを満たすことができる。
【0013】
次に、図5および図6に示すタイミングチャートを参照してこの漏電検出装置の動作を説明する。通常の地絡検出動作は図5に示すタイミングチャートにより示される。図5(a)は交流電路1の地絡成分信号、同図(b)は零相変流器4の出力波形を示す。
通常の地絡検出動作では通常の漏電入力波形が入力されるが、その通常の漏電入力波形を入力回路11が入力し、切換回路16により切換え制御されるスイッチ12が初期設定として積分回路13側に接続されていたなら、積分回路13は充電を開始し、その積分回路13から出力された正側入力波形の大きさが図2(c)に示すように+Vref2に達すると、VF変換回路15は積分回路13をリセットするとともに、切換回路16に切換信号を出力する。リセットされた積分回路13は放電を開始し、次の切換え時までに電位零にする。切換回路16では切換信号に応じてスイッチ12が積分回路14側に接続されるように制御する。入力回路11とスイッチ12を介して接続された積分回路14は充電を開始し、その充電波形が+Vref2に達すると、VF変換回路15は積分回路14をリセットするとともに、切換回路16に切換信号を出力する。
このように、積分回路13,14を交互に充電させるとともに充電しない期間に放電させ、一定の時間この動作を繰り返すことによって、図2(c)に示すように、積分回路13,14の放電時間を無視できるパルス信号を得ることができる。この結果、零相変流器4から出力され積分回路13,14で積分された正側入力波形の大きさに応じて図5(c)に示すように周波数の変化するパルス信号がVF変換回路15から出力される。
【0014】
演算回路17では、VF変換回路15から出力されたパルス信号を漏電入力波形の立上り開始とともに積算を開始し、零相変流器4からの漏電入力波形が判定レベルVth3以上の期間が一定時間幅Tdとなったときに積算値が規定値ΣS以上あると図5(e)に示す信号を発生し、一定時間幅Tdおよび規定値ΣSのうちのいずれかが満たしていないときには図5(e)に示す信号を発生しない。このようなことから、演算回路17では、漏電入力波形の正側入力波形の波形幅と、その漏電入力波形の正側入力波形の面積、すなわち漏電電力量の平均値とを計算し、これら両者の条件からトリップ値に達しているか否かを判定する。
出力回路18では、演算回路17から出力された前記出力信号を正側ラッチ回路が保持し、同図(i)、(j)に示すようなステップ信号を出力する。
【0015】
また、同様に通常の地絡検出動作では、負側の漏電入力波形において、スイッチ12が積分回路13側に接続されていたなら、積分回路13は放電を開始し、そして、その放電波形が−Vref2に達すると、VF変換回路15は積分回路13をリセットするとともに、切換回路16に切換信号を出力する。リセットされた積分回路13は充電を開始し、次の切換え時までに電位零にする。切換回路16では切換信号に応じてスイッチ12が積分回路14側に接続されるように制御する。入力回路11とスイッチ12を介して接続された積分回路14は放電を開始し、その放電波形が−Vref2に達すると、VF変換回路15は積分回路14をリセットするとともに、切換回路16に切換信号を出力する。
この結果、零相変流器4から出力され積分回路13,14で積分された負側入力波形の大きさに応じて図5(f)に示すように周波数の変化するパルス信号がVF変換回路15から出力される。
【0016】
演算回路17では、VF変換回路15から出力されたパルス信号を漏電入力波形の立下り開始とともに積算を開始し、零相変流器4からの漏電入力波形が判定レベル−Vth3以下の期間が一定時間幅Tdとなったときに積算値が規定値ΣS以上あると図5(h)に示す信号を発生し、一定時間幅Tdおよび規定値ΣSのうちのいずれかが満たしていないときには図5(h)に示す信号を発生しない。
このようなことから、演算回路17では、漏電入力波形の負側入力波形の波形幅と、その漏電入力波形の負側入力波形の面積、すなわち漏電電力量の平均値とを計算し、これら両者の条件からトリップ値に達しているか否かを判定する。
出力回路18では、演算回路17から出力された前記出力信号を負側ラッチ回路が保持し、同図(k)、(l)に示すようなステップ信号を出力する。
【0017】
このように、複数漏電入力波形検出型であれば、零相変流器4により得られた正側入力信号および負側入力信号からそれぞれ2回検出した前記正側ラッチ回路の前記図5(i)、(j)に示すステップ信号と、前記負側ラッチ回路の前記図5(k)、(l)に示すステップ信号とにより、その論理積が成立した時点で、同図(m)に示すような信号を出力回路18が出力する。また、一波形検出型であれば、演算回路17から図5(e)または(h)に示す信号が発生した時点で、同図(m)に示すような信号を出力回路18が出力する。この信号により、スイッチング素子6が導通し、電磁装置5が作動する。この結果、遮断機3により交流電路1は遮断される。
【0018】
次に、図6に示すタイミングチャートに従って電動機などの起動時における突入電流や位相制御形電源の負荷変動時におけるこの漏電検出装置の動作について説明する。
図6(a)は電動機などの起動時における突入電流や位相制御形電源の負荷変動時において交流電路1に発生する異常時の入力波形、同図(b)は零相変流器4の出力信号波形である。図6(b)の正側信号波形は、電動機などの起動時における突入電流により急峻に立上り、正側の判定レベル+Vth3を超えるが減衰も早く、このため破線で示す通常の漏電入力波形に比べ面積的に2/3程度になっている。
このような正側信号波形が積分回路へ入力されると、図2(b)に示した異常時の入力波形(ニ)と同様に、積分回路の出力波形(ホ)では充電波形の立上りが遅れ、この結果、VF変換回路から出力されるパルス信号(ヘ)の数も少なくなる。
この結果、演算回路17では、図6(d)に示すように、例え、零相変流器4からの漏電入力波形が判定レベルVth3以上の期間が一定時間幅Td以上あったとしても、漏電入力波形の立上りとともに積算を開始したVF変換回路15から出力されたパルス信号の積算値が規定値ΣS以上を満たさない。従って、演算回路17は図6(e)に示すように出力を発生せず、出力回路18もスイッチング素子6を導通させることはなく、電磁装置5も作動せず、遮断機3により交流電路1が遮断される動作には至らない。
【0019】
さらに、図7から図10示すタイミングチャートに従って通常の漏電入力波形の2倍の波高値の漏電入力波形が入力された場合と、最小検出感度付近の漏電入力波形が入力された場合における、この実施の形態1のツイン型積分回路を用いた漏電検出装置と、シングル型積分回路を用いた漏電検出装置の動作について説明する。
図7、図8は通常の漏電入力波形の2倍の波高値に対する各部の信号波形を示したものであり、図7はこの実施の形態1によるツイン型積分回路を用いた漏電検出装置、図8はシングル型積分回路を用いた漏電検出装置について示したものである。図7、図8では両者ともトリップ信号の発生条件を満たしていると判定しているが、図7(d)、(g)と、図8(d)、(g)との比較において、ツイン型積分回路を用いた漏電検出装置の方がパルス信号の積算値が大きく、すなわち、検出精度が高くなっている。
また、図9、図10は最小検出感度付近の漏電入力波形に対する各部の信号波形を示したものであり、図9はこの実施の形態1によるツイン型積分回路を用いた漏電検出装置、図10はシングル型積分回路を用いた漏電検出装置について示したものである。図10ではパルス信号の積算値が規定値ΣSを満たさず、トリップ信号の発生条件を満たしていないと判定しているが、図9ではトリップ信号の発生条件を満たしていると判定していおり、ツイン型積分回路を用いた漏電検出装置の方が検出精度が高くなっている。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、スイッチ12を介して積分回路13,14では零相変流器4の出力を交互に充電するとともに充電しない期間に放電し、VF変換回路15では、積分回路13,14の出力信号の波形の大きさが所定のレベルに達したときに該当する積分回路をリセットするとともに切換回路16を通じてスイッチ12を切換え、零相変流器4から入力された信号波形に応じた周波数のパルス信号を出力し、演算回路17では、零相変流器4からの漏電入力波形のレベルが所定の判定レベルVth3以上の期間が一定時間幅Td以上あるか判定するとともに、VF変換回路15から出力されたパルス信号の積算値が規定値ΣS以上あるか判定し、それら経過時間と積算値との両者の判定結果から遮断動作を行うため、漏電入力波形に対応したVF変換回路15から出力されるパルス信号数の線形性が改善され、その線形性の改善のために放電電流を増やすことなく、消費電流を抑えながら検出精度を向上することができる。
また、漏電入力波形幅と漏電入力波形の面積、すなわち漏電電力量の平均値からトリップ値に達しているか否かを判定することになり、電動機などの起動時における突入電流や位相制御形電源の負荷変動時において交流電路1に発生する本来の漏電入力波形ではない異常時の入力波形に対し不要動作しにくい漏電検出装置が得られる効果がある。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、交流電路に設けられた零相変流器の出力を切換信号に応じて交互に切換える切換回路と、切換回路の一方からの出力を積分する第1の積分回路と、切換回路の他方からの出力を積分する第2の積分回路と、第1または第2の積分回路の出力信号の波形の大きさが所定のレベルに達したとき該当する積分回路をリセットするとともに切換回路に切換信号を出力し、零相変流器から出力された漏電入力波形に応じた周波数のパルス信号を出力する変換回路と、零相変流器から出力された漏電入力波形の波形幅と変換回路から出力されたパルス信号の積算値に応じた漏電入力波形の平均値とが所定の条件を満たしたとき、交流電路を遮断するためのトリップ信号を発生する演算回路とを備えるように構成したので、漏電入力波形の波高値に応じた漏電入力波形に対応した変換回路から出力されるパルス信号数の線形性が改善され、その線形性の改善のために充放電電流を増やすことなく、消費電流を抑えながら検出精度を向上させることができる。
また、漏電入力波形の波形幅と漏電入力波形の平均値からトリップ値に達しているか否かを判定することになり、本来の漏電波形ではない異常波形による不要動作を抑制し、検出精度を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による漏電検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による漏電検出装置における漏電入力波形と、漏電入力波形に対する積分波形と、VF変換回路から出力されるパルス信号を示すタイミングチャートである。
【図3】 シングル型積分回路とツイン型積分回路との漏電入力波高値に対応したパルス数特性を示す特性図である。
【図4】 シングル型積分回路とツイン型積分回路との最小検出感度付近の漏電入力波形に対する検出精度の比較を示すタイミングチャートである。
【図5】 ツイン型積分回路を用いた通常の漏電入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図6】 ツイン型積分回路を用いた本来の漏電入力波形ではない異常時の入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図7】 ツイン型積分回路を用いた通常の漏電入力波形の2倍の波高値に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図8】 シングル型積分回路を用いた通常の漏電入力波形の2倍の波高値に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図9】 ツイン型積分回路を用いた最小検出感度付近の漏電入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【図10】 シングル型積分回路を用いた最小検出感度付近の漏電入力波形に対する各部の信号波形を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 交流電路、2 負荷、3 遮断機、4 零相変流器、5 電磁装置、6 スイッチング素子、11 入力回路、12 スイッチ(切換回路)、13 積分回路(第1の積分回路)、14 積分回路(第2の積分回路)、15 VF変換回路(変換回路)、16 切換回路、17 演算回路、18 出力回路、19 基準電源回路、20 発振回路。

Claims (3)

  1. 交流電路に発生した地絡を零相変流器により検出し、前記交流電路を遮断する漏電検出装置において、
    前記交流電路に設けられた前記零相変流器の出力を切換信号に応じて交互に切換える切換回路と、
    前記切換回路の一方からの出力を積分する第1の積分回路と、
    前記切換回路の他方からの出力を積分する第2の積分回路と、
    前記第1または第2の積分回路の出力信号の波形の大きさが所定のレベルに達したとき該当する積分回路をリセットするとともに前記切換回路に切換信号を出力し、前記零相変流器から出力された漏電入力波形に応じた周波数のパルス信号を出力する変換回路と、
    前記零相変流器から出力された漏電入力波形の波形幅と前記変換回路から出力されたパルス信号の積算値に応じた漏電入力波形の平均値とが所定の条件を満たしたとき、前記交流電路を遮断するためのトリップ信号を発生する演算回路とを備えたことを特徴とする漏電検出装置。
  2. 第1および第2の積分回路は、零相変流器の出力の正側出力と負側出力をそれぞれ積分して出力し、
    変換回路は、前記第1または第2の積分回路の出力信号の正側の波形の大きさが第1のレベルに、負側の波形の大きさが第2のレベルにそれぞれ達するごとにリセットするとともに切換回路に切換信号を出力し、前記零相変流器から出力された漏電入力波形の正側と負側の各出力波形に応じた周波数のパルス信号を出力し、
    演算回路は、前記零相変流器から出力された正側の漏電入力波形のレベルが第3のレベル以上の期間が所定期間以上あるとともに、前記変換回路から出力された正側の出力波形に応じたパルス信号の積算値が規定値以上あり、かつ前記零相変流器から出力された負側の漏電入力波形のレベルが第4のレベル以下の期間が所定期間以上あるとともに、前記変換回路から出力された負側の出力波形に応じたパルス信号の積算値が規定値以上あるとき、前記交流電路を遮断するためのトリップ信号を発生することを特徴とする請求項1記載の漏電検出装置。
  3. 演算回路が、変換回路から出力されたパルス信号を積算する期間は、零相変流器から出力された漏電入力波形の立上りからその漏電入力波形のレベルが所定のレベル以上の所定期間を含むことを特徴とする請求項1記載の漏電検出装置。
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