JP4156110B2 - パウチ用注出口 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体または粘性体及び液体または粘性体に固形物が含まれる内容物を包装する注出口付き包装容器の注出口の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、注出口付き包装容器にジュース、スープ、シチュー、ゼリー等を収納し、あるいは、医薬品、洗浄剤、インク等を包装することがあり、前記ジュース、スープ、シチュー、ゼリー等は、使用者が注出口に口をつけて内容物を吸飲することもある。注出口を装着する容器本体としては、柔軟な積層フィルム等からなるパウチであって、パウチの形状によって、スタンド型、ガセット型、又は平パウチ等がある。前記注出口は注出口本体と蓋体とからなり、前記注出口本体は、フランジ部を有し、該フランジ部の一方側には、容器と熱接着する接着基部が形成され、他方側には、内容物を注出するための筒部が形成される。
前記注出口はパウチの辺縁部の熱接着部に、熱接着する前に、辺縁の2枚のフィルム間に注出口の一部を挿入して、前記フィルムの外面から加熱加圧して装着される。
前記のような注出口付き包装容器に収納された内容物を、使用者が吸飲等により飲む場合に、パウチの内面が部分的に密着してしまい、内容物がパウチ内に残っているにも係わらず、吸飲できなくなる、いわゆる閉塞が起きる。該閉塞を防止するために、図5(a)〜図5(c)に示すように、前記注出口本体の前記接着基部の下方に4本の延長片を垂下させ、前記4本の延長片の対向する2本の下端同士を懸架させ、それぞれの懸架部を下方に延長して形成される断面十字状のリブ(十字リブ)を形成し、または、図示はしないが前記延長片の先端に筒状体を連接することがあり、前記十字リブまたは筒状体により閉塞防止をしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したタイプの注出口付き包装容器に内容物を充填する場合、また前記容器から内容物を取り出す場合、内容物は、注出口本体の接着基部の下端の近傍の開口部からパウチ内に流れ込む、あるいは、吸飲においてはパウチから接着基部の中の筒部に流れこむが、前記十字リブの場合は、その全てが前記4本の延長片の間から流入することとなり、前記閉塞防止部が筒状体の場合には、前記筒状体の場合には筒状体からの流入もあるが、その殆どは、やはり前記4本の延長片の間からの流入となる。
しかし前記注出口付き包装容器に固形物を含む内容物や高粘度の内容物を充填する場合、固形物や高粘体物が前記4本の延長片の間や十字の懸架部にひっかかったり、流動抵抗となってパウチ内への流れ込みを阻害して、充填効率が悪くなり、極端な場合には、内容物がつまって容器内に入らないことがあった。その対策としては、内容物内の固形物の大きさを極めて小さなものとすることになったり、充填スピードを落とし、生産性が低下するなどの問題があった。
本発明の課題は、固形物を含む内容物や高粘度の内容物を包装する注出口付き包装容器における閉塞防止が可能で、充填の際及び吸引の際に内容物の詰まりのない注出口を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パウチに取り付けられ、パウチの内外に対して内容物が通過する筒状部を有する接着基部と、パウチの閉塞を防止する閉塞防止リブと、前記接着基部と前記閉塞防止リブを連結し、内容物が通過する通過部を有する連結部を備えた注出口であって、前記連結部が、前記筒状部から延伸する2本の延長片で形成されていることを特徴とするパウチ用注出口であって、前記閉塞防止リブが、断面形状を十字状に形成され、前記延長片が、十字状の閉塞防止リブの端部に連接していること、前記延長片が、十字状の閉塞防止リブの対向するリブの端部に連接していること、前記閉塞防止リブが、前記延長片が連接されていない十字状の閉塞防止リブの端部に切り落とし部を形成されていることを含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面等により具体的に説明する。なお、本発明のパウチ用注出口の説明は、図面を含め、該パウチ用注出口を装着したパウチとしては、サイドガセットタイプの自立性パウチとしたが、本発明のパウチ用注出口を装着し得るパウチのタイプは、例示したタイプに限定されるものではない。
【0006】
図1は、本発明のパウチ用注出口の実施例を示す、(a)パウチ用注出口を装着して内容物を充填密封した包装体の斜視図、(b)注出口の構造を示す斜視図、(c)XーX部の断面図である。図2は、本発明のパウチ用注出口をパウチに装着する方法を説明する斜視図である。図3は、 図1における注出口本体の(a)正面図、(b)側面図、(c)X−X部の断面図、(d)X−X部の断面図である。図4は、本発明のパウチ用注出口を装着するパウチに用いる積層体の実施例を示す層構成の断面図である。
本発明の固形物及び高粘度物に対応するパウチ用注出口(以下、固形物及び高粘度物対応注出口またはパウチ用注出口と記載する)は、図1(a)に示すように、パウチの上縁部に装着し、パウチ内に収納された内容物を取り出す注出口である。該注出口は、図1(b)に示すように、注出口本体2、蓋体3および必要により、密封シール材4とからなる。
前記注出口本体2は、、第一のフランジ部12に対し、その一方側に、パウチ20の内側に取り付けられる接着基部10、また他方側にパウチの外側にある注出口筒部11からなる。そして、前記接着基部10の下部には閉塞防止リブ17が形成されている。前記注出口筒部11の上端には、必要に応じて、密封シール材4にて密封シールすることもでき、または、注出口本体2とは別体として成形され、前記注出口本体2の上端部と密着嵌合等の構造を有した蓋体3との嵌合により密封することもできる。
パウチへの固形物及び高粘度物対応注出口の取り付けは、図2(c)に示すように、パウチ20の製袋時に、固形物対応注出口1を装着するパウチの端縁部に未シール部26を形成し、該未シール部26に固形物及び高粘度物対応注出口1を挿入し、前記未シール部26と注出口本体1の接着基部10とを密着させ、未シール部26の外側から熱板により、加圧することによって、パウチ20と固形物及び高粘度物対応注出口の接着基部10とにおいて一体化することができる。
【0007】
従来の注出口付きパウチに固形物を含む内容物を充填し所定の工程を経て販売され、それを購入した使用者による内容物の取り出し段階において、注出口から取り出し難い、または極端に時間がかかることがあった。その原因は、注出口本体の接着基部の下方に延長片を介して閉塞防止リブを取り付ける際の連結部の形状に起因することを見出し、その形状を変更することによって、固形物を包含する内容物の、前記固形物が注出口の接着基部近傍での閉塞問題を解決できた。
注出口付きパウチから吸飲等により、内容物を取り出す際には、前記接着基部の近傍にある内容物が該接着基部の中の筒部に流入することになるが、前記延長片の存在は、固形物を包含した内容物の場合に、固形物が前記延長片間の隙間に引っ掛かることによる閉塞を起こし、該閉塞による障害も大きくなる。そこで本発明者らは前記連結部の形状を変更することによって、前記閉塞を防止し、より大きな径の固形物を包含する内容物への使用を可能とした。
【0008】
従来の閉塞リブの接着基部への連結部が前記4本の延長片であったために、形成し得る空隙部が狭かった。本発明者らは、鋭意研究の結果、図1(b)、図3(a)、図3(b)および図3(c)等に示すように、接着基部10の下端の2ケ所から延長片16を下方に垂下させ、また、その2本の延長片16の先端部にて相互に懸架させ、該懸下部をそのまま下方に延長して板状体とし、該板状体18hに突起部を設けたり、垂直な屹立部(以下、垂直板状体18v)を設けることによって、従来内容物の取り出しの際に生じていたパウチの閉塞を防止できると同時に、内容物に固形物を含んでいても、パウチから注出口に吸い込まれる前記接着基部への閉塞リブの連結部に形成される空隙部が大きくなったために、内容物に含まれる固形物を含めて、その取り出しが容易になった。
【0009】
また、本発明の固形物及び高粘度物対応注出口1における閉塞防止リブ17が前記断面十字型である場合、前記垂直板状体18vの少なくとも天部角部を切り落とした形状に成形する(以下、切り落とし部)ことによって、内容物の充填の際に内容物に含まれる固形物が注出口の接着基部の下端からパウチ内に流入する際に、前記垂直板状体18vの上端角部に引っ掛かることなく充填ができる。又、この切り落とし部19を設けることによって、吸飲等、内容物の取り出しの際にも引っ掛かりが少なくなって使いよい注出口となった。
なお、前記切り落とし部19の形状は、図3(a)に図示したような三角形状でもよいし、また図示はしないが、その他の形状であってもよい。
【0010】
また、前記2本の延長片16は、注出口本体2の接着基部10のいずれの位置に設けてもよいが、本発明の固形物及び高粘度物対応注出口1を装着した注出口付きパウチに収納された内容物を吸飲して取り出す際に、前記パウチを持つ指によって、前記接着基部10の下部を押さえる可能性があり、前記2本の延長片16がパウチの上面視において長手方向に設けられていると、2本の延長片の間に形成されているの接着基部の内部筒部への流入口を指で押さえたり、あるいは、吸引により袋が該延長片の間に密着して閉鎖してしまうおそれがある。
前記2本の延長片16は、パウチ上面視において前記パウチ20に対し垂直となる位置に設けられていることが望ましい。すなわち、パウチを持つ指が、接着基部の下部を押さえたり、袋が吸引により平らにつぶれても、前記延長片の存在のために、前記流入口を押さえることにならず、吸飲等が支障なくできる。
【0011】
本発明のパウチ用注出口を装着した注出口付きパウチに収納する内容物に含む固形物の大きさとしては、本発明においては、閉塞リブを設けるための延長片を2本としたことにより、従来の4本の延長片の場合と比較して大きな径の固形物を含有させることが可能となった。
例えば、注出口本体の筒部内径が9mm φの場合、従来の形状の4本の延長片を設けると、固形物の流入口、すなわち、前記延長片間の隙間は、2 〜2mm となるが、本発明における2本の延長片とすると、前記延長片間の隙間は、前記筒部内径9mm に近似した広さとなる。従って、固形物の粒径としては、従来1.5mm 以下程度であったが、本発明の固形物対応注出口とすることにより、最大8mm 程度の粒径の固形物までを包含した内容物に対応可能となった。
【0012】
本発明のパウチ用注出口における注出口本体の注出口筒部の外周面には、空体パウチの搬送、充填機の所定の位置への固定、冷却工程での整列等のために、図1(b)に示すように、第二のフランジ部13、第三のフランジ部14を設けてもよい。また、別体として成形した蓋体3との螺合のために、螺子15を設けてもよい。注出口の上端に密封シール材4を熱接着する場合には、前記注出口筒部11の上端口縁部は、1 〜2mm 巾程度のシール面を形成することが望ましい。
【0013】
本発明のパウチ用注出口が装着された注出口付きパウチに充填した食品または飲料等の内容物を加圧加熱殺菌することによって得られる包装体は常温に保存、かつ、流通可能にすることができる。
その場合、前記パウチは、耐熱性を有する積層体により形成され、また、本発明の注出口も加圧加熱殺菌に耐える材質から構成される。
一般的には、前記加圧加熱殺菌はレトルト殺菌と言われており具体的には次のようにして行われる。
前記の耐熱性のパウチに耐熱性樹脂により成形した本発明の固形物及び高粘度物対応注出口を装着した注出口付きパウチに内容物を充填して密封し、オートクレープ内において、過熱蒸気または熱水により、内容物の中に存在する細菌を死滅させる条件に保持する。例えば、内容物の中心部の温度が 120℃、4 分間保持できる程度となるように加熱条件に設定する。加圧加熱により、内容物の殺菌を行ういわゆるレトルト殺菌により、変敗しやすい内容物の保存、常温流通が可能となり、商品の、計画生産、大量生産が可能となり、流通範囲が広くなるという効果がある。
【0014】
本発明のパウチ用注出口は、その構造上、ベンデングが可能となるため、より大きな固形物が前記空隙部に係留した場合は、パウチの外から前記閉塞リブを押すことによって、注出口筒部の直下に存在するリブが移動して、前記筒部の全面積が内容物に開放される。その結果、筒部の内径を通過可能な大きさの固形物の取り出しが容易にできる。
【0015】
本発明のパウチ用注出口を構成する注出口本体と蓋体とは別体からなるもので、いずれも熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等を射出成形することによって得ることができる。
前記注出口本体はパウチ本体の熱接着部に挟着し熱接着可能な材質であること、内容物の殺菌時の加熱によってもパウチとの接着部における剥離などがなく、成形品としての変形のない材料とする必要がある。本発明者らは種々の材料について実験の結果、加圧加熱殺菌による内容物の殺菌を実施する場合に注出口本体に用いる樹脂としてはDSC 法による融解温度が110 ℃以上のものとすることによって、加熱による前記接着部での剥離がなく、本発明のパウチ用注出口の注出口本体として使用可能であることを確認した。
ここで表現するDSC 法による融解温度とは、JIS K7121 に基づき求められるDSC 曲線の融解ピーク温度を示す。本発明の固形物対応注出口をレトルト殺菌を行う内容物に用いる場合には、前記注出口本体を構成する樹脂と同じように、パウチ本体の積層体を構成する熱融着層および密封シール材を用いる場合には該密封シール材の熱融着層等がDSC 法による融解温度が110 ℃以上のものを用いる。
【0016】
次に、本発明のパウチ用注出口を装着するパウチの材質について説明する。パウチに使用する材料は、充填する内容物の保存性および注出口本体への接着に適応するものであれば公知の組合せの積層体を用いてもよい。
特に、本発明において加圧加熱殺菌(以下、レトルトと記載する)工程を必要とする場合のパウチの材質について以下に説明する。
前記レトルト殺菌を要する内容物を包装する際の注出口付きパウチとしても、内容物の保存性、注出口本体への接着に適応するものであることが求められるが、前記レトルト殺菌のために耐熱性が必要である。
【0017】
通常、パウチの構成材料としては積層フィルムを用いるが、その積層構成は、外面から順に、表面層/熱融着層、又は、表面層/中間層/熱融着層、のように積層したものである。この構成において、表面層および中間層はそれぞれ単独のフィルムなどの層でもよいが、2層以上の多層で構成してもよい。また、蒸気角層の間には必要に応じて接着層を設けることができる。例えば、図4(a)のような表面層/接着層/中間層/接着層/熱融着層のような接着層を含めて5層、さらに、図4(b)に示すように中間層を2層とし、表面層/接着層/中間層/接着層/中間層/接着層/熱融着層のような接着層を含め7層とすることもできる。
【0018】
前記表面層は、印刷適性、ラミネート適性に優れ、引張強度、衝撃強度、耐擦殺傷性等の通常の用途において必要とされる総合的な機械強度を有すると共に、耐溶剤性、耐薬品性のほか、前記レトルト工程における加熱および、製袋時におけるヒートシールの際の加熱に対する耐熱性等が必要である。
このような要求される性能に対応した性質を有し或いは条件を満たすフィルムとしては、例えば、2軸延伸ポリエステルフィルム、2軸延伸ナイロンフィルム、2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどのほか、これらに防湿性やガスバリア性を付与するためにポリ塩化ビニリデン等をコーティングしたり、または、金属あるいはシリカ等の酸化物を蒸着したフィルム等を使用することができる。そしてこれら表面層として用いるフィルムの厚さは、9 〜50μmが適当である。
前記表面層の厚さが9 μm未満の場合は、強度が不足し、印刷やラミネートの加工適性も低下するため好ましくない。また、50μmを超える厚さの表面層は、本発明の場合、包装体自体が小型でもあり、強度も十分であるためその必要がなく、材料コストが高くなる点で好ましくない。
【0019】
中間層は、積層フィルムの機械的強度の向上、あるいは、水蒸気や各種のガスバリア性を向上させるために設けるものであり、目的に応じて例えばナイロン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体のケン化物(EVOH)ポリ塩化ビニリデンなどのフィルムやアルミニウム箔や合金箔としてアルミニウムに他の金属例えば鉄等を混入させて展延性を改良することにより得られることにより得られるピンホール等の少ない加熱殺菌に適した金属箔を用いてもよく、あるいは、アルミニウムや酸化珪素、アルミナなどの薄膜(厚さ400 Å〜600 Å)を真空蒸着などにより、表面に被覆した樹脂フィルムなどが用いられる。中間層の厚さは、通常 7〜50μm程度が適当である。前記中間層の厚さが 7μm未満の場合は< 強度や各種バリア性等必要な性能が得られず、ラミネートなどの加工適性も低下するため好ましくない。また、前記中間層の厚さが50μmまでの厚さがあれば前記の強度の向上、バリア性等の性能は十分に満足するので、それ以上の厚さは必要がなく、材料コストも高くなるため好ましくない。
【0020】
中間層を表面層に積層する方法は、中間層が予めフィルム状で準備されている場合には、公知のドライラミネーション法により積層できる。
【0021】
次に熱接着部は、積層フィルムの最内層に設けられるもので、積層フィルムが製袋される際に、シーラーの熱と圧力により十分な強度で熱接着すること、また、注出口本体の接着基部への熱融着性が必要である。また、内容物と直接接触する層となるため体内容物性も必要となる。また、熱融着層は共押出し法などにより製膜された多層フィルムを用いることができる。
【0022】
このような熱融着層には、前記注出口本体を成形する際の樹脂と同じ、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはシングルサイト系触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体等のポリオレフィンを用いることができる。本発明のパウチの熱融着層の厚さは50〜200 μm程度が適当である。熱融着層として用いる材料について、種々研究した結果、前記のようなポリオレフィン系の樹脂であって、内容物の殺菌として、加圧加熱殺菌等の高温の条件に耐えられるためには、前記の樹脂の融解温度が110 ℃以上のものを背選択する。前記融解温度が110 ℃未満の樹脂による熱融着層の場合には、内容物を充填して、加圧加熱殺菌をする工程において、パウチのヒートシール部または、注出口本体の接着基部との接着において、前記殺菌時に剥離現象を起こして商品化できないことがある。また、前記加圧加熱殺菌の条件は、内容物の成分、包装単位、設定の流通条件等を勘案して設定されるため、パウチの熱融着層は、前記殺菌の加熱条件( 温度、時間等) に耐えるものを選定し設計する。
【0023】
熱融着層の厚さが50μm未満の場合は、十分なヒートシール強度が得られないため好ましくない。また、厚さが200 μmを超えても、特にヒートシール強度が強くなることもなく、むしろヒートシールに要する時間が長くなり、材料コストも高くなるため好ましくない。
【0024】
本発明のパウチ用注出口の注出口本体の上端に熱接着する前記密封シール材の材質は、注出口本体の前記上端と熱接着可能な熱融着層を有し、必要に応じて基材層、中間層等と前記熱融着層との積層体とする。基材層、中間層の材質は、前記パウチ本隊を構成する基材層、中間層と同じである。熱融着層は、使用者が剥離し易いように、易開封性の樹脂を用いることが望ましい。
【0025】
前記基材層、中間層、熱融着層を積層する方法としては、熱接着性樹脂を用いてサンドイッチラミネーション法によってラミネートしても良いし、また、2液硬化型のウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法によってラミネートしてもよい。
特に、内容物がレトルト殺菌をする必要のある場合には、前記2液硬化型のウレタン系接着剤を用いてドライラミネーションによってラミネートすることが望ましい。
【0026】
【実施例】
本発明を実施例により、さらに、具体的に説明する。
<注出口本体>
ポリプロピレン(融解温度200 ℃) を用いて射出成形により、図1(b)と同じ形状の注出口本体(注出口筒部内径9mm φ)を成形した。
<延長片>
該延長片の巾は5mm とし、懸架部までの長さを10mmとした。
<パウチおよび密封シール材>
該固形物及び高粘度物対応注出口を装着したパウチは、サイドガセットタイプの自立性パウチであって、該パウチを構成する積層体の材質構成は、PET12/AD/AL9/AD/ON15/AD/CPP70 とし、密封シール材としては、PET12/AD/AL20/AD/CPP40、キャップは、高密度ポリエチレン、注出口本体とキャップとは螺合により嵌着した〔略号 PET: ポリエステルフィルム、AL: アルミニウム箔、ON:2軸延伸ナイロンフィルム、CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム、AD: 2液硬化型ポリウレタン系接着剤、 SiOX :シリカ蒸着層、また、略号の後の数字は厚さμmを示す〕。
パウチのサイズ(空体): 巾90×高さ150 ×サイドガセット部展延50mm
[ 実施例1〕
<内容物>
こんにゃくゼリー250g
固形物として、こんにゃく粒の平均粒径2mm φ
<レトルト加熱条件>
内容物を充填した前記包装体をオートクレーブ内に載置し、 125℃ に25分間加熱した。
比較例1
従来の4本の延長片を設けて、閉塞防止リブを設けた注出口本体を用いたこと以外は、実施例と同条件の形状および包装条件とした。
<閉塞の確認>
内容物の充填については、実施例1においては、問題なかったが、比較例においては注出口からの充填は粒が連結部にかかり困難であった。
また取り出しにおける閉塞は、実施例1には発生しなかったが、比較例1においては、注出口本体の延長片の間の隙間にこんにゃく粒が引っ掛かって閉塞を起こして吸飲が困難であった。
[ 実施例2〕
実施例1と同じ固形物及び高粘度物対応注出口を装着したパウチを用いて内容物を充填した。
<内容物>
ぶどう粒入り飲料250g
固形物として、ぶどう粒の平均粒径3mm φおよび5mm φ
<加熱条件>
90℃に加熱した内容物を注出口から充填し、90℃で10分間加熱殺菌した。
比較例2
比較例1と同じ注出口を装着したパウチを用いて内容物を充填した。
<閉塞の確認>
内容物の充填については、実施例2においては、ぶどう粒径3mm 、5mm とも問題なく注出口からの充填は可能であったが、比較例2においては、ぶどう粒径3mm では、粒が連結部にかかり、注出口からの充填がかなり困難であった。ぶどう粒径5mm では充填ができなかった。
そのため、比較例2においては袋の底部に未シール部を形成し、該未シール部から内容物を充填せざるをえなかった。
また、それぞれ内容物を充填したパウチから吸引したところ、実施例2では閉塞減少もなく吸引可能であった。比較例2においては、粒径3mm のものを取り出すのは困難で、強く吸引する必要があった。粒径5mm のものは取り出しが不可能であった。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、従来の注出口付きパウチにおいては、閉塞防止リブを延設するために、接着基部の下部に4本の延長リブを垂下させていたために、例えば注出口筒部の内径が9mm φの場合、内容物には極めて粒径の小さな(例えば、0.5 〜1.5 φ程度の) 固形物しか入れられなかったのに対し、本発明の固形物及び高粘度物対応注出口においては、同じ、注出口筒部の内径が9mm φの場合であっても、前記延長片を2本とすることによって、粒径として例えば、6 〜 8φ程度望ましくは 1〜4mm φの固形物を入れても、充填、および取り出し( 吸飲等) において支障のないものとなった。さらに、断面十字型の閉塞防止リブにおいて、前記延長片を懸架する方向にある板状体から直交する方向に設けられた板状体の天部角隅部を切り落とすことによって、前記充填、および取り出し( 吸飲等) 等が容易にできるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパウチ用注出口の実施例を示す、(a)パウチ用注出口を装着して内容物を充填密封した包装体の斜視図、(b)注出口の構造を示す斜視図、(c)X1 ーX1 部の断面図である。
【図2】本発明のパウチ用注出口をパウチに装着する方法を説明する斜視図
【図3】図1における注出口本体の(a)正面図、(b)側面図、(c)X2 −X2 部の断面図、(d)X3 −X3 部の断面図である。
【図4】本発明のパウチ用注出口を装着するパウチに用いる積層体の実施例を示す層構成の断面図である。
【図5】従来の注出口の実施例を示す、(a)斜視図、(b)正面図、(c)側面図である。
【符号の説明】
P 内容物
K 内容物中の固形物
1、51 本発明のパウチ用注出口、従来技術の注出口
2、52 注出口本体
3、53 蓋体
4 密封シール材
10、60 接着基部
11、61 筒部
12、62 第一のフランジ部
13、63 第二のフランジ部
14、64 第三のフランジ部
15、65 螺子
16、66 延長片
17、67 閉塞防止リブ
18h、18v 板状部、垂直板状部
19 切り落とし部
20 パウチ
21 前面部材
22 後綿部材
23 側面部材
24 側面部材
25 熱接着部
26 未シール部
30 パウチを構成する積層フィルム
31 基材層
32 中間層
33 熱融着層
34 蒸着層
35 接着層
51 従来の注出口
52 注出口本体
53 蓋体

Claims (1)

  1. パウチに取り付けられ、パウチの内外に対して内容物が通過する筒状部を有する接着基部と、パウチの閉塞を防止する閉塞防止リブと、前記接着基部と前記閉塞防止リブを連結し、内容物が通過する通過部を有する連結部を備えた注出口であって、前記連結部が、前記筒状部から延伸する2本の延長片で形成されており、かつ前記閉塞防止リブが、断面形状を十字状に形成され、かつ前記延長片が、十字状の閉塞防止リブの対向するリブの端部に連接しており、当該延長片が連接されていない十字状の閉塞防止リブの端部には切り落とし部が形成されていることを特徴とするパウチ用注出口。
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