JP4155527B2 - 昇降装置の制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、昇降装置の制御システムに係り、より詳しくは、サーボモータの正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープにより昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力である力を加え、これにより、作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を昇降させるために前記サーボモータの回転駆動を制御するシステムに関する。
従来、この種の制御システムの一つとして、荷役物を昇降する機構と、この昇降機構を駆動する駆動源と、この駆動源を制御する為の制御部及び操作部を有し、人間が操作部を持ち、荷役物を持ち上げようとする時に出す反重力方向への持上げ力の大きさを、操作部に設けた力センサーで検出し、その持上げ力の大きさに応じて荷役物搬送機の吊り上げ力を増幅させ、その持上げ力と吊り上げ力で荷役物を昇降させる力制御方法を有する荷役物搬送機において、荷役物を持ち上げようとする力が大きくなるにつれ、持上げ力に対する吊り上げ力の比率を常にまたは近似的に増大させることで、シリンダーへのエアー量を制御するようにしたものがある。
しかし、このように構成された従来の制御システムでは、作業者が荷物から分離された操作レバーを操作することにより、荷物の移動速度および方向の指令が出されるようになっているため、作業者は荷物の把持と操作とを同時に行うことができず、その結果、作業者は良好な操作感覚で荷物を昇降させることができない問題があった。
特開平11-147699号
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、作業者が荷物の把持と操作とを同時に行なって、良好な操作感覚で荷物を昇降させることができる昇降装置の制御システムを提供することにある。
上記の問題を解消するために本発明における昇降装置の制御システムは、サーボモータの正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープにより昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力である力を加え、これにより、作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を昇降させるために前記サーボモータの回転駆動を制御するシステムであって、前記ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と、この力計測手段の計測結果に基づき演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、前記荷物が着地する際に前記サーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、演算部が非線形安定判別により求める第2制御手段と、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段と、を具備した昇降装置の制御システムにおいて、前記演算部には、 (式) K =k p (bs+ω n 2 ) /(s 2 +2ζω n s+ω n 2 )で表させるコントローラK と、安定性の条件b≧ω /2ζを満たすコントローラK 2 とが記憶されていて、前記演算部は、前記力計測手段からの計測情報である、荷物の質量、作業者の操作力および荷物の加速度によって生じる力に基づき、前記コントローラーK 1 により最小時間で所定の昇降速度を演算して前記サーボモータに駆動指令を発信し、その後、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に、切換え手段からの指令により、前記コントローラK 1 からコントローラK 2 に切り換えることを特徴とする昇降装置の制御システム。
ただし、k p は変換係数 [(m /s/N)]、ω n は固有角周波数[rad/s]、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数である
このように構成されたものは、作業者が望む方向へ荷物を上昇または下降させるため荷物に力を加えると、力計測手段は、作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測してその計測結果を制御手段に送信する。この力計測手段からの計測結果の送信により制御手段は、計測結果に対応したサーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令信号を出す。これにより、作業者が加えた力に対応した力が付与されるとともに作業者が補助されて荷物は作業者の望む方向へ望む速度で移動される。
また、力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に切換え手段が第1制御手段から第2制御手段に切り替える。これにより、荷物の接地時に荷物が上がる現象を防止することができる。
なお、本発明において、前記演算部は、 (式) K=kp(bs+ωn 2 ) /(s2+2ζωns+ωn 2)で表させるコントローラKと、安定性の条件b≧ω/2ζを満たすコントローラK2とが記憶されていて、前記演算部は、前記力計測手段からの計測情報である、荷物の質量、作業者の操作力および荷物の加速度によって生じる力に基づき、前記コントローラーK1により最小時間で所定の昇降速度を演算して前記サーボモータに駆動指令を発信し、その後、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に、切換え手段からの指令により、前記コントローラK1からコントローラK2に切り換えることができる。
またなお、本発明において、演算部に(式)b≧ω/2ζで表させるコントローラK2が記憶することにより、力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に切換え手段が第1制御手段から第2制御手段に切り替え、荷物の接地時に荷物が上がる現象を防止することができる。
以上の説明から明らかなように本発明は、サーボモータの正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープにより昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力である力を加え、これにより、作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を昇降させるために前記サーボモータの回転駆動を制御するシステムであって、前記ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と、この力計測手段の計測結果に基づき演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、前記荷物が着地する際に前記サーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、演算部が非線形安定判別により求める第2制御手段と、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段と、を具備した昇降装置の制御システムにおいて、前記演算部には、 (式) K =k p (bs+ω n 2 ) /(s 2 +2ζω n s+ω n 2 )で表させるコントローラK と、安定性の条件b≧ω /2ζを満たすコントローラK 2 とが記憶されていて、前記演算部は、前記力計測手段からの計測情報である、荷物の質量、作業者の操作力および荷物の加速度によって生じる力に基づき、前記コントローラーK 1 により最小時間で所定の昇降速度を演算して前記サーボモータに駆動指令を発信し、その後、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に、切換え手段からの指令により、前記コントローラK 1 からコントローラK 2 に切り換えるから、作業者は荷物の把持と操作とを同時に行うことができるため、作業者は荷物に対して良好な操作感覚を得ながら荷物を望む方向へ望む速度で昇降させることが可能になり、しかも、力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に切換え手段が第1制御手段から第2制御手段に切り替えるため、荷物の接地時に荷物が上がる現象を防止することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
以下、天井走行クレ−ンに装着された巻揚げ機に本発明を適用した実施例について図面に基づき詳細に説明する。図1に示すように、本巻揚げ機においては、ロープ巻上げドラム(図示せず)の回転軸にこれを正逆回転させるサーボモータ1の出力軸が連結してあり、さらにロープ巻揚げドラムから巻き下げられたロープ2の下端にはロープ2の下端に掛かる力の大きさを計測する力計測手段としてのロードセル3が装着してある。ロードセル3の下端には昇降させる荷物Wがフック(図示せず)を介して掛止されている。また、前記ロードセル3にはこれの計測結果に基づき、前記サーボモータ1の回転の方向および速度を演算する演算部としてのコンピュータを含みかつコンピュータの演算結果に基づき前記サーボモータ1に駆動指令信号を出す制御手段4が電気的に接続してある。
そして、前記制御手段4のコンピュータは、前記ロードセル3の計測結果に基づき前記サーボモータ1の回転の方向および速度を演算してサーボモータ1に駆動指令の信号を出す第1制御手段としての機能と、前記荷物Wが着地する際に前記サーボモータ1の正逆駆動のための入出力が安定となる安定条件を、非線形安定判別としてのポポフの安定性理論により求める第2制御手段としての機能と、前記ロードセル3の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段としての機能と、を備えている。
次に、このように構成した巻揚げ機の作用について説明する。ロープ2によって吊り下げられた荷物Wを作業者が望む方向である上方または下方へ押すと、ロードセル3がロープ2に掛かる力の大きさを計測して制御手段4に送信する。すると、巻揚げ機を介しての作業者による荷物Wの昇降を補助すべく、制御手段4のコンピュータにおいては下記に示す原理に基づき演算が行われる。
すなわち、基本的な原理としては、図2に示すように、作業者が荷物Wに操作力f[N]を加えると、ロードセル3が力f[N]を検出して、コントローラKは制御入力u(=rv[m/s]指示速度)を生成し、この結果、巻揚げ機は命じられた速度vに従って荷物Wを上昇または下降させる。
ここで、m[kg]は荷物Wの質量である。
なお、z軸方向は下向きを正とする。
上述の作用は以下に示す理論によって行われる。すなわち、
制御された荷物Wの昇降速度v=rv=K
(1)
の関係式が成り立つ。

ここで、ロードセル3が検出する力fは操作力fから荷物Wの加速度dv/dtによる見かけの重量を差し引いたものであるから、
=f−mdv/dt
(2)
となり、荷物Wは操作力fにより以下の伝達関数で表させる昇降速度を得る。
v(s)=K(s)F(s)/[1+msK(s)] (3)
したがって、K(s)のゲインを大きくすることにより、作業者は僅かな力で荷物を昇降させることができる。
ここで、sはラプラス演算子[1/s]、Fは操作力[N]である。
ところで、コントローラのパラメータとして、定常状態で、制御された荷物Wの昇降速度rv=kpとなる、操作力から巻き上げ下げ速度の変換係数kp[(m /s/N)]を定義する。
ここで、kpは操作力1[N]当りの荷重の移動速度[m /s]を示す。
この変数はユーザの要求によって決定され、荷物Wの搬送速度を遅くし荷物Wの正確な位置決めを行いたい場合にはkpを小さく選び、わずかな力で高速に搬送したい場合はkpを大きく選ぶ。
また、巻揚げ機の共振周波数とそのピークゲインの変動を乗法変動として考慮すると下記の(4)式のように表わすことができる。
ここで、Pチルダは実際の伝達関数、Pは式P(s)=Fm(s) /Rv=msで表されるノーマルな伝達関数、Δは変動である。
また、図3にモデル化誤差とおもみ関数の見積もりの関係を示す。この図3において、左図細線がΔを見積もった伝達関数であるとすると、ロバスト性の安定化のために、|Wr|>|Δ|となる重み関数Wrを
Wr=ωps /ωc(s+ωp) (5)
として、図3の左図太線を得る。
なお、この図3において、ωc[rad /s]は交差角周波数、ωp[rad /s]はΔピークとなる周波数である。
また、本発明のように、混合感度問題の制御のブック図は図4に示すようになる。そして、wからz間での伝達関数は本システムの相補感度関数で、ロバスト安定の条件は重み関数Wrを考慮して||Twz2||<1となる。
したがって、要求するコントローラは下記の(6)式で示すように定式化できる。
ここで、w(=f)からz1までの伝達関数Twz1は、操作力fと荷物速度rvの誤差に相当する。本演算手段の目的はステップ状の操作力に対し、定常速度kp[(m /s/N)]にできるだけ速く整定するコントローラKを設計することであるから、下記の(7)式のように重み関数Wsを決定する。
Ws=1 /s (7)
なお、上記のコントローラKは、下記のようにして得られる。
すなわち、重み関数Wr、Wsおよびノーマルな伝達関数P(s)の次数の合計が2であるので、最適コントローラは2次となる。したがって、コントローラの構造を下記の(8)式のように表すことができる。
=kp(as2+bs+c) /(s2+2ζωns+ωn 2) (8)
ここで、aおよびbは定数、cは変数、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数、ωnは固有角周波数[rad/s]である。
また、ロバスト安定性の観点から、a= 0とする。
定常状態における式v=kp fを満たすために以下のように変数cを得る。
したがって、コントローラの解析解は次の方程式となる。
=kp(bs+ωn 2 ) /(s2+2ζωns+ωn 2) (10)
作業者の操作力fと荷物Wの速度の伝達関数である(3)式と、コントローラ(10)式から、操作力fと荷物Wの速度の伝達関数を求めると、下記の(11)式となる。
ところで、従来のロバスト性と、即応性を考慮した巻揚げ機では、荷物Wを接地させようとした時に荷物Wが上下運動を起こすという、リミットサイクルの問題が生じる。図6は30.3[kg]の荷物Wに10[N]の力を加え続けた際の荷物Wの位置を示し、また破線はシミュレーション結果を示す。なお、実験に用いたパラメータを下記の表1に示す。また、位置は下方向を正としている。
図6からは、リミットサイクルが周期1.8[s]、振幅21.0[mm]であり、シミュレーションに近い結果となっていることが分かる。
このリミットサイクルの原因としては、荷物Wが接地した際にロープ2が緩み、ロードセル3の検出する値が急激に小さくなることが考えられる。コントローラKでは重力による加重を差し引いているため、接地によりロードセル3の検出する値が小さくなると、制御手段4のコンピュータが上方向に力が働いたと判断し、巻揚げ機は巻上げ動作を行ってしまうからである。
図7はシミュレーションにおけるリミットサイクルの位相面図を示す。上半平面ではモータ1は巻下げ動作を行い、また下半平面では巻上げ動作を行っている。図7からは、初期条件に関係なく、一定の軌跡に収束することが分かる。
また、図8はx=0おいて、接地が行われる状態をブロック図によって示したものである。
(11)式と図8のブロック図から、閉ループシステムの運動方程式は、下記の(12)式となる。
ここで、xはロードセル3の位置、またx(n)はxのn回微分をそれぞれ示す。(12)式により、巻揚げ機は3次の線形微分方程式と非線系部φ(x)から成り立っている。非線系部φ(x)はxにより値が変化するステップ関数である。
また、操作入力と位置xの関係は下記の(13)式となる。
xfh(s)=Tvfh(s)/s (13)
次に、リミットサイクルを抑制するために、巻揚げ機が入出力安定となる安定条件を、ポポフの安定定理より求める。
ここで、非線系部は0≦xφ(x)≦k、φ(0)=0を満たす。
なお、ポポフの安定定理とは、非線形要素がある場合に、システムの安定判別が安易に行われるものである。
この時ポポフの条件式は下記の(14)式となる。
Re[Txfh(jω)]−qωIm[Txfh(jω)]+1/k>0 (14)
ここでqはq≧0の任意の値である。
この(14)式から、複素平面上の実軸にRe[Txfh(jω)]、また虚軸上にωIm[Txfh(jω)]をとり、ωについて描いた軌跡がポポフ軌跡となる
図9(a)に定数b=0、また図9(b)に定数b=30の際の結果をそれぞれ示す。そして、傾きが1/q(任意)で、実軸を−1/kの値で横切る直線をポポフ直線といい、図9にそれぞれ結果を示す。
ここで、k01、kb1はそれぞれ定数b=0、定数b=30におけるkの最小値であり、k02、kb2はそれぞれ定数b=0、定数b=30におけるkの最大値である。また−1/k02、−1/kb2、−1/k01、−1/kb1はそれぞれ定数b=0、定数b=30において、実軸の切片である。この時、ポポフ軌跡がポポフ直線より右側にあることが安定である十分条件となる。
図9(a)の定数b=0において、ポポフ軌跡がポポフ直線より右、すなわち、システムが安定でリミットサイクルが生じない十分条件は、ポポフ直線のX軸切片が−1/k01から−1/k02の間に存在することである。すなわち、非線形部φ(x)の傾きがk01からk02の範囲に存在することがある。ただし、−1/k01=−∞であるから、k01=0である。
このように、システムの安定性は、非線形部φ(x)の傾きkに依存していることが分かる。
また、図10において、黒の点線の領域は定数b=0における安定性を保障する領域となる。そのため、黒の点線の領域において、非線形部φ(x)が実線で示すような挙動を示したとしても、システムは安定となる。
しかし、本巻揚げ機のような図8に示すシステムは、x=0において−mgからfへ変化し、変化の傾きk=∞となる。そのため、定数b=0のシステムは不安定となり、リミットサイクルが生じた。
そこで、このシステムの安定条件を次のように求めた。すなわち、システムを安定化させる非線形部φ(x)の傾きの最大値はkb2=∞なので、この時のポポラ直線の実軸の切片は原点となる。また、(14)式の虚数部はω→∞の時、0に収束する。それに応じて、(14)式の虚数部を、原点を除き負の値になるようにすると、図9(b)のように、−1/kb2=0、すなわちkb2=∞を満たすことができる。これらにより、安定性条件は下記の(15)式として求められる。
ここで、分母は常に正であるため、(15)式を満たすには分子が負である必要がある。この条件は、任意のωに対し、ωn−2ζb≦0と表すことができる。
これにより、本巻揚げ機において、任意の操作力f(t)と重力mgに対する安定性条件は、下記の(16)式で得ることができる。
b≧ωn/2ζ (16)
例として、(16)式の安定性条件を満たす、b=30における結果を図9(b)に示す。この結果から、−1/kb1=−∞から−1/kb2=0、すなわちkb1=0からkb2=∞の領域において、ポポフ軌跡はポポフ直線の右側に存在することが分かる。これにより、図10の灰色の点線の領域内において、システムがいかなる挙動を示そうとも、システムは安定となり、リミットサイクルが抑制される。
実験例
図1に示す巻揚げ機を用いかつ上述の表1に示す条件により実験を行った。
ここで、リミットサイクルが生じする定数b=0のコントローラをK、また安定条件の(16)式を満たすコントローラをKとした。それぞれの実験結果を図11に位相面で示す。実験結果から、コントローラKは、リミットサイクルを非常に早く収束させていることが分かる。
実験において、コントローラKは、リミットサイクルを短時間で減衰させることができた。しかし、このコントローラKは速応性が悪い問題が存在するため、効率的な荷物Wの搬送を妨げる。そこで、図12に示すように、コントローラK、Kを切り替えることにより、効率的な搬送と、リミットサイクルの抑制を行う。切換えはロードセル3の加重が閾値を下回った瞬間に行い、接地するまではコントローラKを、また接地後はコントローラKをそれぞれ用いるようにする。
図13の上図がコントローラKのみを用いた結果であり、また下図が切換え手段としてのスイッチングコントローラを用いた結果である。実験結果から、コントローラの切換え後はリミットサイクルが徐々に減衰し、やがて振幅0.2[mm]の振動を繰り返すようになる。実験結果においてミットサイクルの振幅は従来のそれの100分の1に減衰されたことが分かる。而して、スイッチングコントローラにより、効率的な荷物Wの搬送と、リミットサイクルの抑制を同時に行うことが可能になった。
本発明を適用した実施例の模式図である。 図1に示す実施例に係る制御システムのブロック図である。 モデル化誤差と重く関数の見積もりとの関係を示すグラフである。 混合感度問題のブロック図である。 図1に示す実施例における高次の振動モードの例を示す模式図である。 リミットサイクルの観測例である。 シミュレーションにおけるリミットサイクルの位相面図である。 x=0おいて、接地が行われる状態をブロック図によって示したものである。 図9(a)に定数b=0、また図9(b)に定数b=30の際の結果をそれぞれ示す。 非線形要素φ(x)への入力と安定領域を示す図である。 リミットサイクルの抑制を位相面で示して図(K1:リミットサイクルあり、K2:リミットサイクル抑制)である。 スイッチングコントローラのブロック図である。 K1からK2へ切り替えることにより、リミットサイクルを抑制した例である。
符号の説明
1 サーボモータ
2 ロープ
3 ロードセル
4 制御手段

Claims (1)

  1. サーボモータの正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープにより昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力である力を加え、これにより、作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を昇降させるために前記サーボモータの回転駆動を制御するシステムであって、前記ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と、この力計測手段の計測結果に基づき演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、前記荷物が着地する際に前記サーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、演算部が非線形安定判別により求める第2制御手段と、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段と、を具備した昇降装置の制御システムにおいて、
    前記演算部には、 (式) K =k p (bs+ω n 2
    /(s 2 +2ζω n s+ω n 2 )で表させるコントローラK と、安定性の条件b≧ω /2ζを満たすコントローラK 2 とが記憶されていて、前記演算部は、前記力計測手段からの計測情報である、荷物の質量、作業者の操作力および荷物の加速度によって生じる力に基づき、前記コントローラーK 1 により最小時間で所定の昇降速度を演算して前記サーボモータに駆動指令を発信し、その後、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に、切換え手段からの指令により、前記コントローラK 1 からコントローラK 2 に切り換えることを特徴とする昇降装置の制御システム。
    ただし、k p は変換係数 [(m /s/N)]、ω n は固有角周波数[rad/s]、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数である
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