JP4154187B2 - グローブボックスロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボックス本体の開口部を開閉可能なリッドに、該リッドの閉鎖状態を維持するロック状態ならびに前記リッドの開放を許容するアンロック状態を切換可能としたロック機構と、キー操作に応じて回動する回動部材を有するシリンダ錠および操作ハンドルを備える操作機構とが相互に離隔して設けられ、前記シリンダ錠の解錠状態での操作ハンドルの操作に応じて前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切換えるための操作力を伝達する連結部材が前記操作機構および前記ロック機構間に設けられるグローブボックスロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかるグローブボックスロック装置は、たとえば実公平7−12578号公報等で既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものでは、操作ハンドルが水平軸線まわりに上下に回動するようにして操作機構が構成されている。しかるに車両によっては操作ハンドルを鉛直面に沿う軸線まわりに水平方向に回動することが要求されることもあり、このように操作ハンドルを水平方向に回動操作すようにしたグローブボックスロック装置は実現されていない。
【0004】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、水平方向に操作ハンドルを回動操作可能として簡単かつコンパクトに構成されたグローブボックスロック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ボックス本体の開口部を開閉可能なリッドに、該リッドの閉鎖状態を維持するロック状態ならびに前記リッドの開放を許容するアンロック状態を切換可能としたロック機構と、キー操作に応じて回動する回動部材を有するシリンダ錠および操作ハンドルを備える操作機構とが相互に離隔して設けられ、前記シリンダ錠の解錠状態での操作ハンドルの操作に応じて前記ロック機構をロック状態からアンロック状態に切換えるための操作力を伝達する連結部材が前記操作機構および前記ロック機構間に設けられるグローブボックスロック装置において、前記操作機構は、前記リッドに固定されるとともに前記シリンダ錠が取付けられるベース部材と、前記操作ハンドルを回動可能に支承するとともに鉛直面内に軸線を配置して前記ベース部材に設けられる支軸と、該支軸の軸線方向に間隔をあけて設定される連結位置および非連結位置間でのスライドを可能とするとともに連結位置では前記操作ハンドルとともに回動するようにして前記支軸に支承されるスライド部材と、前記回動部材に固定されるとともに前記シリンダ錠のキー操作による解錠および施錠の切換えに応じて前記スライド部材を前記連結位置および前記非連結位置間でスライドさせるカムプレートと、前記支軸の軸線と直交する軸線まわりの回動を可能として前記ベース部材に支承されるとともに一端部には前記連結部材が連結されるレバーとを含み、前記スライド部材には、その連結位置で前記操作ハンドルとともに該スライド部材が回動するのに応じて前記レバーの他端部に当接して該レバーを回動する当接部が、前記スライド部材の非連結位置では前記レバーの他端部との当接を回避するようにして設けられることを特徴とする。
【0006】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、シリンダ錠の解錠状態で操作ハンドルを回動操作すると、連結位置にあるスライド部材が操作ハンドルとともに回動し、スライド部材に設けられる当接部がレバーの他端部に当接して該レバーが回動することによりロック機構をアンロック状態とする操作力が連結部材を介して該ロック機構に伝達され、リッドを開放操作することができる。またシリンダ錠の施錠状態ではスライド部材は非連結位置にあり、この状態ではスライド部材の当接部がレバーの他端部には当接していないので、操作ハンドルを回動操作してもスライド部材の当接部からレバーに操作力が伝わることはなく、ロック機構はロック状態を維持することになる。すなわちシリンダ錠の解錠時には操作ハンドルを支軸の軸線まわりに水平方向に回動操作することで、ロック機構をアンロック状態とすることができ、水平方向に操作ハンドルを回動操作可能として簡単かつコンパクトに操作機構を構成することができる。
【0007】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の効果の構成に加えて、前記当接部は、前記スライド部材に装着される樹脂製のカラーであり、該カラーの外周には、前記ベース部材および前記レバーに弾発的に接触可能な環状のリブが突設されることを特徴とし、かかる構成によれば、車両の振動によって当接部がレバーやベース部材に当たる際に生じるがたつき音を抑制することができる。
【0008】
さらに請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成に加えて、前記操作ハンドルは、前記支軸で回動可能に支承されるハンドル本体と、該ハンドル本体に装着される意匠部材とで構成されることを特徴とし、かかる構成によれば、意匠部材を選択することで、操作ハンドルの外観を車室内装に適合させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図19は本発明の一実施例を示すものであり、図1はグローブボックスの正面図、図2はグローブボックスロック装置の分解斜視図、図3はロック機構をリッドの背面側から見た図、図4は図3の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7はシリンダ錠の解錠状態で操作機構をリッドの正面側から見た図、図8は図7の8矢視図、図9は図7の9矢視図、図10は図8の10矢視図、図11は図7の11−11線断面図、図12は図7の12−12線断面図、図13は図8の13−13線断面図、図14は図13の14−14線に沿う操作ハンドルの断面図、図15は操作ハンドルの非操作状態および操作状態を示すための図9の15−15線に沿う断面図、図16はシリンダ錠の施錠状態での図10に対応した操作機構の背面図、図17は図16の17矢視図、図18は図17の18矢視図、図19はシリンダ錠の解錠状態で操作ハンドルを回動操作したときの図10に対応した操作機構の背面図である。
【0011】
先ず図1において、たとえば左ハンドルである乗用車両の車室内前部に配置されるインストルメントパネル21に、該インストルメントパネル21と一体であるボックス本体22と、水平軸線まわりに上下に回動するようにしてボックス本体22の開口部を開閉可能なリッド23とで構成されるグローブボックス24が、助手席25の前方に位置するようにして設けられる。
【0012】
リッド23は合成樹脂により中空状に形成されており、該リッド23の閉鎖状態を維持するロック状態ならびにリッド23の開放を許容するアンロック状態を切換可能としたロック機構26と、シリンダ錠29および操作ハンドル30を備える操作機構27とが相互に離隔してリッド23に設けられ、前記シリンダ錠29の解錠状態での操作ハンドル30の操作に応じて前記ロック機構26をロック状態からアンロック状態に切換えるための操作力を伝達する連結部材であるロッド28が前記操作機構27およびロック機構26間に設けられる。
【0013】
図2〜図6を併せて参照して、ロック機構26は、リッド23内に収納、固定される金属たとえば亜鉛合金製のボディ31と、ボックス本体22側に設けられるストライカ32と、該ストライカ32に係合し得るラッチ33と、ストライカ32に係合して前記ラッチ33が回動するように該ラッチ33を回動可能に支承して前記ボディ31に装着される第1支軸34と、前記ボディ31および前記ラッチ33間に設けられる第1ばね35と、ストライカ32に係合したラッチ33に係合して該ラッチ33の回動を阻止する係合位置(図5で示す位置)ならびに前記ラッチ33との係合を解除して該ラッチ33の回動を許容する係合解除位置間での直線的な移動を可能として前記ボディ31に装着される鋼板製のスライダ36と、該スライダ36およびボディ31間に設けられる第2ばね37とを備える。
【0014】
ラッチ33の上部には、ボディ31内に進入してきたスライカ32を係合させる係合溝38が設けられており、ラッチ33が開放位置にある状態でリッド23を閉じ側に操作すると、ストライカ32でラッチ33が図5で示す閉鎖位置まで回動してストライカ32が係合溝38に係合することになり、この状態でラッチ33の回動が阻止されることにより、リッド23が閉鎖状態でロックされる。
【0015】
第1ばね35の一端はボディ31に係合され、ラッチ33に設けられた係合孔39に第1ばね35の他端が係合される。この第1ばね35は、ラッチ33を前記開放位置側すなわち図5の時計方向に回動付勢するばね力を発揮するものであり、ボディ31には、ラッチ33の開放位置側への回動端を規制すべくラッチ33に当接可能な規制壁40が設けられる。
【0016】
またゴム製のストッパ41,41が、前記ラッチ33の左右両側でボディ31の背面側に装着されており、ボディ31内に進入してくるストライカ32が該ストッパ41,41に当接することにより、ストライカ32がボディ31に衝撃的に接触することが防止される。
【0017】
スライダ36は、第1支軸34の軸線と平行な方向に長く延びてボディ31の背面側でラッチ33の下方位置に配置されるものであり、該スライダ36は、ストライカ32に係合して閉鎖位置にある前記ラッチ33に係合して該ラッチ33の開放位置側への回動を阻止する係合位置(図3〜図6で示す位置)と、閉鎖位置にある前記ラッチ33との係合を解除して該ラッチ33の回動を許容する係合解除位置(図3および図4の右方位置)間で、第1支軸34の軸線と平行な方向すなわち長手方向での直線的な移動を可能とするものである。
【0018】
このスライダ36の一端には連結孔42が設けられており、該連結孔42に弾発係合するようにしてホルダ43がスライダ36の一端に装着される。しかもホルダ43には、一端が操作機構27側に連結されるロッド28の他端部が係合、保持されており、ロック機構26をロック解除状態とするための操作力が操作機構27からロッド28を介してスライダ36の一端に伝達されることになる。
【0019】
スライダ36は、相互に平行な平板状の第1〜第3摺動板部36a,36b,36cと、第1および第2摺動板部36a,36b間を略直角に結ぶ第1連結板部36dと、第2および第3摺動板部36b,36c間を略直角に結ぶ第2連結板部36eとを一体に有するように、金属帯板を屈曲して形成されるものであり、第1摺動板部36aの一端にロッド28がホルダ43を介して連結され、第3摺動板部36cがラッチ33に係合可能である。
【0020】
一方、ボディ31の背面には、スライダ36をスライド可能に嵌合せしめるスライド溝44が設けられており、このスライド溝44には、ボディ31の操作機構27側側面に一端を配置した平面状の第1スライド面44aと、第1スライド面44aと平行な平面状の第2スライド面44bと、第1および第2スライド面44a,44bと平行な平面状の第3スライド面44cとが相互間に段差をなすようにして形成されており、スライダ36における第1摺動板部36の一面が第1スライド面44aに摺接され、第2摺動板部36bの一端部一面が第2スライド面44bに摺接され、第3摺動板部36cの一面が第3スライド面44cに摺接される。
【0021】
またスライド溝44には、スライダ36における第1連結板部36dに対向するようにして第1スライド面44aの他端および第2スライド面44bの一端間を結ぶ第1規制面44dと、第2連結板部36eに対向するようにして第2スライド面44bの他端および第3スライド面44cの一端間を結ぶばね受け面44eと、スライダ36の他端すなわち第3摺動板部36cの他端に対向する第2規制面44fとが形成される。
【0022】
スライダ36における第1摺動板部36aの一端部はボディ31から突出しており、第1スライド面44aから離隔した位置で第1摺動板部36aのボディ31からの突出部の他面に摺接するガイド部45がボディ31に一体に設けられ、スライダ36における第2摺動板部36bの他面に摺接する平板状のカバー46がボディ31にかしめ結合される。
【0023】
スライダ36の第2連結板部36eとスライド溝44におけるばね受け面44eとの間に第2ばね37が設けられており、スライダ36は、その第2ばね37のばね力により係合位置側すなわちロッド28を牽引する側に付勢され、スライダ36が第2規制面44fに当接した係合位置で第3摺動板部36cがラッチ33に係合することになる。またロッド28からスライダ36に牽引力が作用したときにスライダ36が第2ばね37のばね力に抗して係合解除位置側に移動することで第3摺動板部36cおよびラッチ33の係合が解除されることになり、この際の係合解除位置側へのスライダ36の移動端は、第1規制面44dに第1連結板部36dが当接することで規制される。
【0024】
図7〜図12において、操作機構27は、リッド23内に収納、固定されるとともにシリンダ錠29が取付けられる金属たとえば亜鉛合金製のベース部材51と、操作ハンドル30を回動可能に支承するとともにリッド23の回動軸線と直交する鉛直面内に軸線を配置してベース部材51に設けられる第2支軸52と、第2支軸52の軸線方向に間隔をあけて設定される連結位置および非連結位置間でのスライドを可能とするとともに連結位置では操作ハンドル30とともに回動するようにして第2支軸52に支承されるスライド部材53と、シリンダ錠29のキー操作による解錠および施錠の切換えに応じてスライド部材53を前記連結位置および前記非連結位置間でスライドさせるカムプレート54と、第2支軸52の軸線と直交する軸線まわりの回動を可能としてベース部材51に支承されるとともに一端部にはロッド28が連結されるレバー55とを備える。
【0025】
リッド23の表板部には、操作ハンドル30を収納せしめる凹部56が、該凹部56に手を入れて操作ハンドル30を操作することを可能として形成される。またベース部材51は、第2支軸52と直交する軸線を有するシリンダ錠29を装着するための装着筒部57と、該装着筒部57の一側に配置される第2支軸52の両端部を支持する一対のブラケット58,59とを一体に備えるものであり、装着筒部57の一部および両ブラケット58,59の一部を前記凹部56に突出させるようにして、ベース部材51がリッド23内に収納固定される。
【0026】
図13および図14を併せて参照して、操作ハンドル30は、ベース部材51における装着筒部57の一部を臨ませる円形の開口部62を有する金属製平板状のハンドル本体60と、前記開口部62に対応した開口部63を有してハンドル本体60に装着される合成樹脂製の意匠部材61とから成り、ハンドル本体60の基端部が前記開口部62の一側で第2支軸52に回動可能に支承され、装着筒部57に装着されるシリンダ錠29の先端部は前記開口部63内に配置される。
【0027】
意匠部材61は、前記開口部62に関して第2支軸52とは反対側からハンドル本体60に装着されるものであり、ハンドル本体60の先端よりも一部が突出するようにしてハンドル本体60を覆う表板部61aと、ハンドル本体60の上下両側に対向するようにして表板部61aの上下両側に直角に連設される一対の側板部61b,61bと、ハンドル本体60の先端に対向するようにして表板部61aの中間部内面に直角に連設されるカバー板部61cと、前記ハンドル本体60の中間部から先端部に対応する部分でカバー板部61cの中間部および両側板部61b,61bに直角に連設される裏板部61dとを一体に有する。
【0028】
裏板部61dには、前記開口部62,63に対応した矩形の切欠き部64が設けられ、裏板部61dおよび両側板部61b,61bによりハンドル本体60の先端側の部分の両側を嵌合せしめる嵌合溝65,65が形成される。而して意匠部材61は、ハンドル本体60の先端がカバー板部61cに当接するまで両嵌合溝65,65にハンドル本体60の両側を嵌合させてハンドル本体60に装着されるものであり、ハンドル本体60に設けられた係合爪67がカバー板部61cの近くで裏板部61dに設けられる係合孔66に係合することで、意匠部材61がハンドル本体60に固定されることになる。
【0029】
ところで、シリンダ錠29は、操作機構27のうちシリンダ錠29を除く部分がリッド23に取付けられた状態でベース部材51の装着筒部57に装着されるものである。而して装着筒部57の外周には、該装着筒部57に両端を突入させ得る略C字状の弾性係合部材68が装着され、装着筒部57内にシリンダ錠29を挿入することでシリンダ錠29の外周に前記弾性係合部材68の両端が係合することで、シリンダ錠29が装着筒部57に装着されることになる。
【0030】
前記意匠部材61のカバー板部61cは、操作ハンドル30を開放操作したときに、装着筒部57の外周ならびに該装着筒部57に装着された弾性係合部材68が、外部から見えないように覆うべく、表板部61aから充分な長さで突出するように形成される。
【0031】
さらに図15(a),(b)を併せて参照して、ハンドル本体60の基端下部には、第2支軸52の下部を臨ませてベース部材51側に開口したばね収容凹部69が設けられており、第2支軸52を囲繞するねじりばねである第3ばね70が、ベース部材51およびハンドル本体60間に介装されるようにしてばね収容凹部69に収容される。この第3ばね70は、ハンドル本体60を図15(a)で示す非操作位置側に向けて回動付勢するものであり、ベース部材51側に突出してハンドル本体60に一体に設けられた突部71がベース部材51に設けられた第3規制面72に当接することでハンドル本体60の非操作位置が維持される。また第3ばね70のばね力に抗してハンドル本体60を回動操作すると、図15(b)で示すように、ベース部材51側に臨んでベース本体60に設けられた当接面73がベース部材51に設けられた第4規制面74に当接することでハンドル本体60の回動端が規制されることになる。
【0032】
またハンドル本体60の基端部には、下端部を前記ばね収容凹部69に連ならせたスリット75が第2支軸52の上部を臨ませながら第2支軸52の軸線方向に長く延びて設けられる。またベース部材51には、ハンドル本体60の基端部内面に間隔をあけて対向する支持壁部76が一体に設けられる。
【0033】
スライド部材53は、第2支軸52の軸線に沿ってスライド可能であるとともに第2支軸52の軸線まわりに回動することも可能として前記スリット75に収容される矩形筒状の作動駒部53aと、該作動駒部53aから前記支持壁部76側に延びる連結軸部53bと、連結軸部53bの途中に連設されて略L字状に形成される連結腕部53cとを一体に有するものであり、連結腕部53cは、支持壁部76の上部に設けられた切欠き部77に挿通される。
【0034】
作動駒部53aは、前記スリット75の上部に設定される連結位置と、前記スリット75の下部に設定される非連結位置との間で第2支軸52の軸線に沿ってスライド可能なものであり、ハンドル本体60には、該ハンドル本体60を非操作位置から操作位置側に回動操作したときに前記作動駒部53aに当接、係合して該作動駒部53aをハンドル本体60とともに回動させる係合突部78が一体に突設される。
【0035】
前記係合突部78は、作動駒部53aがスリット75の下部の非連結位置に移動したときには、ハンドル本体60の操作位置への回動によっても作動駒部53aと当接、係合することなく空振りするものであり、作動駒部53aは、その非連結位置ではハンドル本体60の操作位置への回動によっても静止したまま残される。この際、スリット75の少なくとも下部および作動駒部53a間には、ハンドル本体60の回動による影響が作動駒部53aに直接及ぶことがないように充分な間隙が設定される。
【0036】
シリンダ錠29は、装着筒部57へのシリンダ錠29の装着に応じて該シリンダ錠29のロータ(図示せず)に相対回転不能に係合されるようにしてベース部材51の背面側に配置される回動部材79を有しており、該回動部材79に、カムプレート54が固定される。
【0037】
カムプレート54には、該カムプレート54の回動に応じて先端部を上下に移動させる連結腕部54aが一体に設けられており、スライド部材53における連結軸部53bの先端部を挿通、係合せしめる係合凹部80が連結腕部54aの先端に設けられる。而してシリンダ錠29の解錠時には、カムプレート54が図10で示す回動位置にあり、それに応じてスライド部材53は図1,図9および図12で示すようにスリット75の上部の連結位置にあるのであるが、シリンダ錠29を施錠すると、カムプレート54が図16で示す回動位置となり、それに応じてスライド部材17は図17および図18で示すようにスリット75の下部の非連結位置にスライド駆動されることになる。
【0038】
カムプレート54には、前記連結腕部54aとは反対側に延びる腕部54bが一体に設けられ、この腕部54bの先端には、ベース部材51の背面側に延びる突軸81が一体に設けられる。一方、ベース部材51の背面には、シリンダ錠29の解除および施錠に応じてカムプレート54が回動するときに前記突軸81の乗越えを強制する***部82が設けられており、シリンダ錠29の解除および施錠を切換操作するときに、突軸81が***部82を乗越えることによってクリック感を得ることができる。
【0039】
レバー55は支持壁部76の背面側に配置されており、このレバー55の中間部は、第2支軸52と直交する軸83によって支持壁部76に回動可能に支承される。ベース部材51の下部には、レバー55の一端部をその回動を許容しつつ挿入せしめるガイド枠84が一体に設けられており、このガイド枠84から下方に突出したレバー55の一端には連結孔85が設けられ、該連結孔85に弾発係合するようにしてホルダ86がレバー55の一端に装着される。しかもホルダ86には、ロッド28の一端部が係合、保持されており、ロック機構26をロック解除状態とするための操作力が操作機構27のレバー55からロッド28に伝達されることになる。
【0040】
またスライド部材53における連結腕部53cの先端部には、連結位置にあるスライド部材53が操作ハンドル30とともに回動する際に前記レバー55に回動力を及ぼすようにしてレバー55の他端部に当接する当接部としての樹脂製のカラー87が装着され、レバー55の他端には、カラー87を当接するための当接板部55aが直角に屈曲するようにして一体に設けられる。これによりシリンダ錠29の解錠時に操作ハンドル30を回動操作すると、図19で示すように、操作ハンドル30とともにスライド部材53が回動し、カラー87が当接板部55aに当接して、レバー55が回動駆動される。
【0041】
しかもカラー87の外周には、ベース部材51における支持壁部76およびレバー55の他端部の当接板部55aに弾発的に接触可能な環状のリブ87aが突設される。
【0042】
次にこの実施例の作用について説明すると、操作機構27は、キー操作に応じて回動する回動部材79を有するシリンダ錠29が取付けられるようにしてリッド23に固定されるベース部材51と、操作ハンドル30を回動可能に支承するとともに鉛直面内に軸線を配置してベース部材51に設けられる第2支軸52と、第2支軸52の軸線方向に間隔をあけて設定される連結位置および非連結位置間でのスライドを可能とするとともに連結位置では操作ハンドル30とともに回動するようにして第2支軸52に支承されるスライド部材53と、シリンダ錠29のキー操作による解錠および施錠の切換えに応じてスライド部材53を連結位置および前記非連結位置間でスライドさせるようにして前記回動部材79およびスライド部材53間に設けられるカムプレート54と、第2支軸52の軸線と直交する軸線まわりの回動を可能としてベース部材51に支承されるとともに一端部にはロッド28が連結されるレバー55とを備えるものであり、スライド部材53には、その連結位置で操作ハンドル30とともにスライド部材53が回動するのに応じてレバー55を回動するようにしてレバー55の他端部の当接板部55aに当接するカラー87が、非連結位置では前記当接板部55aとの当接を回避するようにして設けられている。
【0043】
このような操作機構27によれば、シリンダ錠29の解錠状態で操作ハンドル30を回動操作すると、連結位置にあるスライド部材53が操作ハンドル30とともに回動し、スライド部材53に設けられるカラー87がレバー55の他端部に当接して該レバー55が回動することによりロック機構26に該ロック機構26をアンロック状態とする操作力がロッド28を介して伝達され、リッド23を開放操作することができる。
【0044】
またシリンダ錠29の施錠状態ではスライド部材53は非連結位置にあり、この状態ではスライド部材53のカラー87がレバー55の他端部の当接板部55aに当接していないので、操作ハンドル30を回動操作してもスライド部材53のカラー87からレバー55に操作力が伝わることはなく、ロック機構26はロック状態を維持することになる。
【0045】
すなわちシリンダ錠29の解錠時には操作ハンドル30を第2支軸52の軸線まわりに水平方向に回動操作することで、ロック機構26をアンロック状態とすることができ、水平方向に操作ハンドル30を回動操作可能として簡単かつコンパクトに操作機構27を構成することができる。
【0046】
また樹脂製であるカラー87の外周に、ベース部材51の支持壁部76およびレバー55の当接板部55aに弾発的に接触可能な環状のリブ87aが突設されているので、車両の振動によってカラー87が前記支持壁部76および当接板部55aに当たる際に生じるがたつき音を抑制することができる。
【0047】
さらに操作ハンドル30は、第2支軸52で回動可能に支承されるハンドル本体60と、該ハンドル本体61に装着される意匠部材61とで構成されるので、意匠部材61を選択することで、操作ハンドル30の外観を車室内装に適合させることができる。
【0048】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、水平方向に操作ハンドルを回動操作可能として簡単かつコンパクトに操作機構を構成することができる。
【0050】
また請求項2記載の発明によれば、車両の振動によって当接部がレバーやベース部材に当たる際に生じるがたつき音を抑制することができる。
【0051】
さらに請求項3記載の発明によれば、意匠部材を選択することで、操作ハンドルの外観を車室内装に適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グローブボックスの正面図である。
【図2】グローブボックスロック装置の分解斜視図である。
【図3】ロック機構をリッドの背面側から見た図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線断面図である。
【図6】図3の6−6線断面図である。
【図7】シリンダ錠の解錠状態で操作機構をリッドの正面側から見た図である。
【図8】図7の8矢視図である。
【図9】図7の9矢視図である。
【図10】図8の10矢視図である。
【図11】図7の11−11線断面図である。
【図12】図7の12−12線断面図である。
【図13】図8の13−13線断面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う操作ハンドルの断面図である。
【図15】操作ハンドルの非操作状態および操作状態を示すための図9の15−15線に沿う断面図である。
【図16】シリンダ錠の施錠状態での図10に対応した操作機構の背面図である。
【図17】図16の17矢視図である。
【図18】図17の18矢視図である。
【図19】シリンダ錠の解錠状態で操作ハンドルを回動操作したときの図10に対応した操作機構の背面図である。
【符号の説明】
22・・・ボックス本体
23・・・リッド
24・・・グローブボックス
26・・・ロック機構
27・・・操作機構
28・・・連結部材としてのロッド
29・・・シリンダ錠
30・・・操作ハンドル
51・・・ベース部材
52・・・支軸
53・・・スライド部材
54・・・カムプレート
55・・・レバー
60・・・ハンドル本体
61・・・意匠部材
79・・・回動部材
87・・・当接部としてのカラー
87a・・・リブ
Claims (3)
- ボックス本体(22)の開口部を開閉可能なリッド(23)に、該リッド(23)の閉鎖状態を維持するロック状態ならびに前記リッド(23)の開放を許容するアンロック状態を切換可能としたロック機構(26)と、キー操作に応じて回動する回動部材(79)を有するシリンダ錠(29)および操作ハンドル(30)を備える操作機構(27)とが相互に離隔して設けられ、前記シリンダ錠(29)の解錠状態での操作ハンドル(30)の操作に応じて前記ロック機構(26)をロック状態からアンロック状態に切換えるための操作力を伝達する連結部材(28)が前記操作機構(27)および前記ロック機構(26)間に設けられるグローブボックスロック装置において、前記操作機構(27)は、前記リッド(23)に固定されるとともに前記シリンダ錠(29)が取付けられるベース部材(51)と、前記操作ハンドル(30)を回動可能に支承するとともに鉛直面内に軸線を配置して前記ベース部材(51)に設けられる支軸(52)と、該支軸(52)の軸線方向に間隔をあけて設定される連結位置および非連結位置間でのスライドを可能とするとともに連結位置では前記操作ハンドル(30)とともに回動するようにして前記支軸(52)に支承されるスライド部材(53)と、前記回動部材(79)に固定されるとともに前記シリンダ錠(29)のキー操作による解錠および施錠の切換えに応じて前記スライド部材(53)を前記連結位置および前記非連結位置間でスライドさせるカムプレート(54)と、前記支軸(52)の軸線と直交する軸線まわりの回動を可能として前記ベース部材(51)に支承されるとともに一端部には前記連結部材(28)が連結されるレバー(55)とを含み、前記スライド部材(53)には、その連結位置で前記操作ハンドル(30)とともに該スライド部材(53)が回動するのに応じて前記レバー(55)の他端部に当接して該レバー(55)を回動する当接部(87)が、前記スライド部材(53)の非連結位置では前記レバー(55)の他端部との当接を回避するようにして設けられることを特徴とするグローブボックスロック装置。
- 前記当接部は、前記スライド部材(53)に装着される樹脂製のカラー(87)であり、該カラー(87)の外周には、前記ベース部材(51)および前記レバー(55)に弾発的に接触可能な環状のリブ(87a)が突設されることを特徴とする請求項1記載のグローブボックスロック装置。
- 前記操作ハンドル(30)は、前記支軸(52)で回動可能に支承されるハンドル本体(60)と、該ハンドル本体(60)に装着される意匠部材(61)とで構成されることを特徴とする請求項1または2記載のグローブボックスロック装置。
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