JP4154186B2 - 記録装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体の搬送方向に同一色を記録する、異なる複数種類の記録ドット径に対応した記録要素を配列した記録ヘッドを有する記録装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドを搭載したキャリッジを、記録用紙の搬送方向である副走査方向とは異なる移動方向(主走査方向)に移動させながら記録動作を行う従来のシリアルプリンタは、通常、記録データを格納するバッファメモリを有している。そして、そのバッファメモリに格納された記録データを副走査方向に複数の記録要素を配列した記録ヘッドに転送しながら、同時に記録ヘッドを主走査方向に走査して、記録用紙へ印刷を行っていた。
【0003】
従来より、多段階の階調記録を行う場合、記録媒体上での記録ドット径を複数種類とする構成が多数提案されている。例えば、特開平08−183179号では、同じ吐出口から吐出するインク体積を変化させて複数の大きさの記録ドット径を得るものや、同一色を吐出口径の異なる吐出口から吐出させて、インク体積を変化させる提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術には、インク体積を異ならせる記録方法で、順次インク体積を異ならせ、複数の大きさのインク滴を互いに補えるように駆動する方法の提案のみであり、同じ大きさのインク滴でのマルチパス記録に関しての提案はなく、高品位な記録画像を得るためにはこの点の改良が課題となっていた。
【0005】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、記録品位を向上することができる記録装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による記録装置は以下の構成を備える。即ち、
記録媒体の搬送方向に、複数色の記録剤に対応して、複数種類の記録ドット径に対応した複数の記録要素を1つの群として前記記録剤の数に相当する数の記録要素群だけ、配列した記録ヘッドを用いて、前記記録媒体の同一領域に複数回の走査記録を行うことでカラー記録を行う記録装置であって、
記録ドット径に対応した記録データを外部装置から入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された色成分毎の前記記録ドット径に対応した記録データの内、前記複数回の走査記録の1回分の走査記録にて使用する記録要素に対応する量の記録データを保持するバッファ領域を色成分毎で、かつ各色成分の記録ドット径毎に複数備えた記憶手段と、
複数種類の記録ドット径に共通しかつ色成分毎に割当てた識別情報を用いて前記バッファ領域に対する記録データの書き込みを行なう制御と、記録データを保持するバッファ領域の割当と解放の情報を保持する管理テーブルの同じアドレス範囲を参照して前記バッファ領域から異なる記録ドット径に対応した記録データの読み出しを行う制御であって、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から前記記録ドット径に対応した記録データを走査記録毎にそれぞれの読み出しを行う制御とを行うバッファ制御手段と、
前記バッファ制御手段の制御によりバッファ領域から読み出された記録データの一部を除いた記録データを前記記録要素の配列方向にシフトさせて前記記録ヘッドへ転送する転送手段と、
記録ドット径に対応した記録要素を用いて前記複数回の走査記録の各回の走査記録が完了する毎に、複数種類の搬送量の内、前記各回の走査記録に対応する搬送量で前記記録媒体を搬送する制御を行う記録制御手段と、
前記記録媒体の搬送量とその搬送量に決定される使用する記録要素の数に基づき、前記転送手段が行う前記記録データのシフト量とシフト方向の変更を行う転送制御手段とを有し、
前記バッファ制御手段は、前記記録媒体の搬送がなされるタイミングで前記バッファ領域の解放を行う
ことを特徴とする。
【0017】
また、好ましくは、前記記録制御手段は、大ドット径の記録要素を使用して行う記録走査と小ドット径の記録要素を使用して行う記録走査とを実行した後に、前記記録媒体の搬送を行う。
【0018】
また、好ましくは、前記バッファ制御手段は、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から読み出された記録データの一部を捨てる。
【0019】
また、好ましくは、前記バッファ制御手段は、次に使用するバッファ領域の識別情報を保持する領域を色毎に備える。
【0025】
上記の目的を達成するための本発明による記録装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
記録媒体の搬送方向に、複数色の記録剤に対応して、複数種類の記録ドット径に対応した複数の記録要素を1つの群として前記記録剤の数に相当する数の記録要素群だけ、配列した記録ヘッドを用いて、前記記録媒体の同一領域に複数回の走査記録を行うことでカラー記録を行う記録装置の制御方法であって、
記録ドット径に対応した記録データを外部装置から入力する入力工程と、
前記入力工程によって入力された色成分毎の前記記録ドット径に対応した記録データの内、前記複数回の走査記録の1回分の走査記録にて使用する記録要素に対応する量の記録データを保持するバッファ領域を色成分毎で、かつ各色成分の記録ドット径毎に複数備えた記憶手段を用いて、複数種類の記録ドット径に共通しかつ色成分毎に割当てた識別情報を用いて前記バッファ領域に対する記録データの書き込みを行う制御と、記録データを保持するバッファ領域の割当と解放の情報を保持する管理テーブルの同じアドレス範囲を参照して前記バッファ領域から異なる記録ドット径の記録データの読み出しを行う制御であって、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から前記記録ドット径に対応した記録データを走査毎にそれぞれの読み出しを行う制御とを行うバッファ制御工程と、
前記バッファ制御工程の制御によりバッファ領域から読み出された記録データの一部を除いた記録データを前記記録要素の配列方向にシフトさせて前記記録ヘッドへ転送する転送工程と、
記録ドット径に対応した記録要素を用いて前記複数回の走査記録の各回の走査記録が完了する毎に、複数種類の搬送量の内、前記各回の走査記録に対応する搬送量で前記記録媒体を搬送する制御を行う記録制御工程と、
前記記録媒体の搬送量とその搬送量に決定される使用する記録要素の数に基づき、前記転送工程が行う前記記録データのシフト量とシフト方向の変更を行う転送制御工程とを有し、
前記バッファ制御工程は、前記記録媒体の搬送がなされるタイミングで前記バッファ領域の解放を行う
ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
〔共通実施形態の説明〕
図1は以下に説明する実施形態において共通に用いられるインクジェットプリンタの外観斜視図である。
【0029】
このインクジェットプリンタは、カラープリント、白黒モノカラープリントの両方が可能な構成を示しているが、白黒モノカラープリント専用装置として考える場合には、以下の説明で示すブラックインクを収容したインクカートリッジのみを記録ヘッドに装着した構成となる。
【0030】
図1に示すように、キャリッジ101上には、ブラックはノズル(記録素子)口径が異なる大小ノズルそれぞれ208個、カラー(シアン、マゼンタ、イエロー)は各色毎に大小それぞれ128個ずつのノズルを有したマルチノズルの記録ヘッド102とカートリッジガイド103とが搭載されている。記録ヘッド102は、ブラック(K)のインク、或いは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクをそれぞれ吐出する。
【0031】
プリンタ動作時、記録ヘッド102にはブラックインクを収容したインクカートリッジ110と他の3色のインクを収容したインクカートリッジ111が装着されている。そして、それぞれのインクカートリッジからシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクが供給される。また、多数の導線を配列したフレキシブルケーブル(不図示)を介して記録ヘッド102の各ノズルの駆動信号が供給される。
【0032】
一方、キャリッジ101は2本のガイドレール104、105上に搭載されており、キャリッジ101に連結した無端ベルト109をキャリアモータ(後述)で駆動することによりキャリッジ101をX方向(以下、このX方向を主走査方向という)に往復走行させる。また、不図示の搬送モータによって駆動される補助ローラ107により記録用紙106を記録ヘッド102による記録が可能な位置まで搬送し、キャリッジ101の往復走行の1行記録毎に同じく不図示の搬送モータによって駆動される搬送ローラ108、109が記録用紙106をY方向(以下、このY方向を副走査方向という)に搬送する。
【0033】
図2はインクジェットプリンタの制御回路を示すブロック図である。
【0034】
図2において、170は記録信号を例えば、ホストコンピュータなどの外部装置から記録データを入力するインタフェース、171はMPU、172はMPU171が実行する制御プログラム(必要によっては文字フォントを含む)を格納するROM、173は各種データ(上記記録信号や記録ヘッド102に供給される記録データ等)を一時的に保存しておくDRAMである。174は記録ヘッド102に対する記録制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース170、MPU171、RAM173間のデータ転送制御も行う。
【0035】
179は記録ヘッド102を主走査方向に移動させるためのキャリアモータ、178は記録用紙106を搬送するための搬送モータである。175は記録ヘッド102を駆動するヘッドドライバ、176、177はそれぞれ搬送モータ178、キャリアモータ179を駆動するためのモータドライバである。
【0036】
上記制御回路の動作概要を説明すると、インタフェース170に記録データが入力されるとゲートアレイ174とMPU171との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ176、177が駆動されると共に、ヘッドドライバ175に送られた記録データに従って記録ヘッド102が駆動され、記録動作が行われる。
【0037】
尚、ホストコンピュータは、不図示のキーボード、マウス、ディスプレイ、CPU、RAM、ROM、ネットワークインタフェース、プリンタインタフェース等の、いわゆる、パーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用コンピュータを構成する各種構成要素を有している。
【0038】
[実施形態1]
実施形態1では、上述したインクジェットプリンタが白黒モノカラープリント専用装置とし、この装置によって記録用紙106にモノクロの画像やキャラクタを記録する場合について説明する。また、記録ヘッド102としては、ノズル(記録素子)口径が異なる大小ノズルをそれぞれ128個を有している場合を例に挙げて説明する。
【0039】
図3は実施形態1の記録用紙106における印刷可能領域201と記録ヘッド102を1回主走査方向へ走査することによって記録される領域(1走査記録領域)203との関係を示す図である。
【0040】
1走査記録領域203への記録のために、実施形態1では、記録用紙106に記録されるデータを一時格納するDRAM173上に構成された記録バッファ領域(詳細は後述)を複数用いる。そして、その複数の記録バッファ領域の利用管理のために、図3に示すような記録バッファ管理テーブル703Kを併せてDRAM173上(あるいは、レジスタ)に構成する。記録バッファ管理テーブル703Kの各欄1〜17には、記録バッファ有/無フラグ(「1」/「0」)が格納されている。各欄は記録ヘッド102のノズル群を16ノズル毎に分割したノズルグループに対応する。
【0041】
実施形態1のインクジェットプリンタでは、1走査記録領域の記録に17ブロックの記録バッファ領域を用い、記録バッファ管理テーブル703Kには17個の欄がある。また、記録バッファ管理テーブル703Kにはリング構造をもたせ、サイクリックに使用する。
【0042】
実施形態1の場合、記録ヘッド102には大小ノズル合わせて256個のノズルが副走査方向に備えられているので、記録バッファ管理テーブル702Kは記録ヘッドの2走査分に必要な記録バッファの管理ができる。
【0043】
図4は実施形態1の記録バッファの内部構成を示す図である。
【0044】
1走査記録領域に必要な記録バッファ領域は縦(副走査)方向16ビット(1ワード)のデータを横(主走査)方向に記録密度600DPIでA4サイズの横幅(210mm)に記録するために必要なメモリ容量、即ち、
16(ビット)×600DPI×210(mm)/25.4(inch)
=79370ビット
=79370/8=9921.25バイト
を記憶可能な10Kバイトのデータ書込領域303をもっている。また、各記録バッファ領域には各々固有のバッファID番号(0、1、2、…、N)が付加されている。
【0045】
つまり、各記録バッファ領域は、記録用紙106の搬送方向に記録ヘッド102の長さで、かつ該記録ヘッドの主走査方向の走査範囲に相当する領域の記録データを保持することが可能である。
【0046】
図4に示すように、記録バッファ領域はDRAM173のメモリアドレス「800000(H:16進表現)」を開始アドレスとし、連続的に、次々にDRAM173のメモリ領域を分割して1つ1つの記録バッファ領域として割り当てていく。このようなメモリ割当を上記開始アドレスから連続するアドレスに対して行なうならば、DRAM173における任意のID番号をもつ記録バッファ領域の先頭アドレスは、800000(H)+ID番号×2(H)となる。
【0047】
一方、DRAM173には使用する記録バッファ領域の位置を管理するために、次に使用する記録バッファ領域のID番号を管理する先頭バッファID番号格納領域を設ける。この先頭バッファID番号格納領域に格納されるID番号は記録バッファ領域に記録データを書き込むことにより順次更新され、常に任意の時点における次に用いる記録バッファ領域のID番号がセットされる。また、記録データが所定のページ分終了すると、次に使用する記録バッファ領域として最初の記録バッファ領域のID番号がセットされる。このようにして、記録動作中には常にどの記録バッファ領域に記録データを書き込めば良いかが管理されることになる。そして、一連の記録動作中はこのID番号が保持され、また、各記録バッファ領域は周期的に何度も用いられる。
【0048】
つまり、記録バッファ領域は、記録データの内容とそれに伴う記録に従って、各記録バッファ領域の割当と解放が制御される。また、この割当と解放に従って、記録バッファ管理テーブルの記録バッファ有/無フラグが切り換えられる。
【0049】
図5は実施形態1の6回の主走査で1主走査記録領域の記録を行う場合の、記録用紙106の搬送量と記録ヘッド102の記録データの位置を示す図である。
【0050】
尚、実施形態1における記録では、大小ノズルそれぞれによる記録を別主走査で記録を行う。また、同一の1主走査記録領域を複数回の記録走査で記録が完了するマルチパス記録が可能であるとする。そのため、記録装置へ記録データを供給するホストコンピュータは、大ノズルからのマルチパス記録を行うための大ドットデータと、小ノズルからのマルチパス記録を行うための小ドットデータを生成する。
【0051】
特に、以下の例では、記録用紙の搬送が伴うマルチパス記録を例に挙げて説明する。この時の記録用紙搬送量は、副走査方向に600dpiで2パス毎に33/45/45ラスタ(1ラスタ:1ノズル幅)、記録ヘッド102の使用ノズル数は大小ノズルそれぞれ123ノズルとする(図5のように5ノズル分は使わない)。これは、使用ノズル数は、用紙の搬送量により決定されるからである。
【0052】
以下、実際の記録動作について説明する。
【0053】
1スキャン(主走査)目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄1〜9に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側(搬送方向の逆方向)に5ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して、記録する。
【0054】
2スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄1〜9に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の下側に5ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して、記録する。
【0055】
3スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄3〜11に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に4ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して、記録する。
【0056】
4スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄3〜11に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の下側に4ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して保持し、記録する。
【0057】
5スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄5〜13に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の上側に9ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して保持し、記録する。
【0058】
6スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄5〜13に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の上側に9ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して保持し、記録する。
【0059】
7スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄8〜16に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の上側に6ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して保持し、記録する。
【0060】
8スキャン目は、記録バッファ管理テーブル703Kの欄8〜16に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の上側に6ノズル分シフトさせて記録ヘッド102に転送して保持し、記録する。
【0061】
以後、同様に、記録ヘッド102の使用ノズル位置に合わせて、記録バッファ管理テーブル703Kの使用する欄と、その欄に対応する記録バッファ領域から読み出した記録データ(大ドットデータあるいは小ドットデータ)の搬送方向へのシフト量を設定する。
尚、記録バッファ管理テーブル703Kの数について、補足説明すると、123ノズル分のデータを読み出すだけであれば、1スキャン目では、欄1〜9の9つではなく、欄1〜8の8つ(128ノズル相当)で十分である。しかし、例えば、5スキャン目の場合などのように、シフト量の数(=9)が、使わないノズル数(=5)より大きくなる場合には、欄5〜13の9つの欄に対応するデータを記録バッファから読み出す必要がある。そこで、読み出すバッファ数を一定にする(バッファ数を可変にする場合より、処理が簡単になる)ために、1スキャン目でも、欄1〜9に対応した読出を行っている。また、読み出したデータのうち記録に使わないデータは、捨てる。
【0062】
以上説明したように、実施形態1によれば、主走査方向に記録を行う度に、記録バッファ管理テーブルの使用する記録データ位置は変更せずに、大ドット、小ドットの記録データに対応して、異なるドット径のノズルを使用することを選択することにより、最適な記録ヘッドの使用位置で異なるドット径の画像を記録することが可能になる。
【0063】
つまり、記録ヘッドによって記録用紙に記録される記録データの内容を、異なるドット径の画素で記録することが可能になるので、記録画像の階調性を向上することができる。
【0064】
[実施形態2]
実施形態2では、上述したインクジェットプリンタがカラープリント装置とし、この装置によって記録用紙106にカラー画像やキャラクタを記録する場合について説明する。
【0065】
図6は実施形態2に従うカラープリント可能な記録ヘッド102を記録用紙106側から眺めた外観斜視図である。
【0066】
図6において、601はイエローインクを吐出するヘッド(以下、Yヘッドという)、602はマゼンタインクを吐出するヘッド(以下、Mヘッドという)、603はシアンインクを吐出するヘッド(以下、Cヘッドという)、604はブラックインクを吐出するヘッド(以下、Kヘッドという)である。これらのヘッド群は主走査方向に並んで取り付け、各ヘッドは同時にインク滴を吐出して記録用紙上にカラーの文字および画像を形成することが可能である。また、Cヘッド601、Mヘッド602、Yヘッド603にはノズル(記録素子)口径が異なる大小ノズルをそれぞれ128個、計256個のノズルが設けられている。また、Kヘッド604にはノズル口径が異なる大小ノズルをそれぞれ208個、計416個のノズルが設けられている。
【0067】
図7は記録用紙106における印刷可能領域201と記録ヘッドを1回主走査方向へ走査することによってシアン、マゼンタ、イエローインクで記録される領域(1走査記録領域)202と黒インクで記録される領域(1走査記録領域)203との関係を示す図である。
【0068】
1走査記録領域202、203への記録のために、実施形態2では、記録用紙106に記録されるデータを一時格納するDRAM173上に構成された記録バッファ領域を複数用いる。そして、この複数の記録バッファ領域の利用管理のために、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603、Kヘッド603に対応して4つの記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703C、703Kを併せてDRAM173(あるいは、レジスタ)上に構成する。
【0069】
これら4つの記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703C、703K各々の各欄には、記録バッファ有/無フラグ(「1」/「0」)が格納されている。各欄は記録ヘッド102のノズル群を16ノズル毎に分割したノズルグループに対応する。
【0070】
実施形態2のインクジェットプリンタでは、カラーインクの記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cにはそれぞれ17個の欄があり、黒インクの記録バッファ管理テーブル703Kには41個の欄がある。また、各記録バッファ管理テーブルにはリング構造をもたせ、サイクリックに使用する。
【0071】
一方、Y、M、Cヘッドの各ヘッドには大小ノズル合わせて128個のノズルが、Kヘッド6034には大小ノズル合わせて416個のノズルが副走査方向に備えられているので、記録バッファ管理テーブル702Y、702M、702C、702Kは記録ヘッドの2走査分に必要な記録バッファの管理ができる。
【0072】
記録バッファの内部構成は、実施形態1の図4で説明した内部構成に準じるが、実施形態2の場合、各色毎に記録バッファ領域が確保される。そして、DRAM173における任意のID番号をもつ記録バッファの先頭アドレスは、例えば、シアン(大ドット)は800000(H)+ID番号×2(H)となり、シアン(小ドット)は900000(H)+ID番号×2(H)となる。また、マゼンタ(大ドット)はA00000(H)+ID番号×2(H)となり、マゼンタ(小ドット)はB00000(H)+ID番号×2(H)となる。また、イエロー(大ドット)はC00000(H)+ID番号×2(H)となり、イエロー(小ドット)はD00000(H)+ID番号×2(H)となる。また、黒(大ドット)はE00000(H)+ID番号×2(H)となり、黒(小ドット)はF00000(H)+ID番号×2(H)となる。
【0073】
一方、DRAM173には使用する記録バッファ領域の位置を管理するために、色毎に次に使用する記録バッファ領域のID番号を管理する先頭バッファID番号格納領域を設ける。この先頭バッファID番号格納領域に格納されるID番号は記録バッファ領域に記録データを書き込むことにより順次更新され、常に任意の時点における次に用いる記録バッファ領域のID番号がセットされる。また、記録データが所定のページ分終了すると、次に使用する記録バッファ領域として最初の記録バッファ領域のID番号がセットされる。このようにして、記録動作中には常にどの記録バッファ領域にデータを書き込めば良いかが管理されることになる。そして、一連の記録動作中はこの情報が保持され、また、各記録バッファ領域は周期的に何度も用いられる。
【0074】
実施形態2では、記録されるカラー記録データの内容に従って、記録バッファ領域各々の複数のノズルグループ各々への割当と解放を制御する。また、記録バッファ領域に保持されたカラー記録データに従って、同一の記録ドット径に対応した割当と解放をカラー記録データの色成分ごとに行い、この割当と解放の制御のために、複数色成分各々に対応した複数の記録バッファ管理テーブルを用いる。
【0075】
つまり、記録バッファ領域は、カラー記録データの内容とそれに伴う記録に従って、各記録バッファ領域の割当と解放が制御される。また、この割当と解放に従って、各色の記録バッファ管理テーブルの記録バッファ有/無フラグが切り換えられる。
【0076】
より詳しくは、割当の制御のために記録バッファ領域にカラー記録データを書き込む第1のタイミングで記録バッファ管理テーブルを更新し、かつ解放の制御のために前記記録ヘッド102によって記録用紙106への記録がなされ、記録用紙106を所定幅だけ搬送がなされる第2のタイミングで更新する。
【0077】
この場合、この第1のタイミングで、記録バッファ領域の内、割当がなされた記録バッファ領域に対応する記録バッファ管理テーブルの欄には、その割当を示す「1」が書き込まれる。また、第2のタイミングで、記録バッファ領域の内、解放がなされた記録バッファ領域に対応する記録バッファ管理テーブルの欄には、その解放を示すために対応する記録バッファ管理テーブルの欄には、「0」が書き込まれる。
【0078】
但し、カラー記録データの内、記録を必要としないカラー記録データ(nullデータ)に関する記録バッファ領域への割当は実行しない。
【0079】
尚、記録バッファ管理テーブル703Y、703C、703Mは、記録バッファ管理テーブル703Kと比べて、各ヘッドに対応してそれぞれ独立に設けられている点が異なるのみで、記録バッファの管理の仕方は、実施形態1で説明した記録バッファ管理テーブル702Kと同様である。
【0080】
図8は実施形態2の6回の主走査で1主走査記録領域のカラー記録を行う場合の、記録用紙106の搬送量と記録ヘッド102の記録データの位置を示す図である。
【0081】
尚、実施形態2における記録では、実施形態1の記録と同様、大小ノズルそれぞれによる記録を別主走査で記録を行う。また、同一の1主走査記録領域を複数回の記録走査で記録が完了するマルチパス記録が可能であるとする。そのため、記録装置へカラー記録データを供給するホストコンピュータは、各色毎に、大ノズルからのマルチパス記録を行うための大ドットデータと、小ノズルからのマルチパス記録を行うための小ドットデータを生成する。
【0082】
特に、以下の例では、記録用紙の搬送が伴うマルチパス記録を例に挙げて説明する。この時の記録用紙搬送量は、副走査方向に600dpiで2パス毎に33/45/45ラスタ(1ラスタ:1ノズル幅)、記録ヘッド102の使用ノズル数は大小ノズルそれぞれ123ノズルとする。
【0083】
以下、実際の記録動作について説明する。
【0084】
1スキャン(主走査)目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄1〜9に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に5ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄10〜18に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に11ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0085】
2スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄1〜9に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の下側に5ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄10〜18に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に11ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0086】
3スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄3〜10に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に4ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄13〜21に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に36ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0087】
4スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄3〜10に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の下側に4ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄13〜21に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に36ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0088】
5スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄5〜13に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の上側(搬送方向)に9ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄16〜24に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の上側に1ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0089】
6スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄5〜13に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の上側(搬送方向)に9ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄16〜24に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の上側に1ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0090】
7スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄8〜16に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の下側に40ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄18〜26に対応する大ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した大ドットデータを記録用紙106の上側に40ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0091】
8スキャン目は、Yヘッド601、Mヘッド602、Cヘッド603はそれぞれに対応する記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの欄8〜16に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の下側に40ノズル分シフトさせて対応するヘッド601、602、603に転送して、記録する。一方、Kヘッド604は記録バッファ管理テーブル703Kの欄18〜26に対応する小ドットデータを記録バッファ領域から読み出し、その読み出した小ドットデータを記録用紙106の上側に40ノズル分シフトさせてKヘッド604に転送して、記録する。
【0092】
以後、同様に、記録ヘッド102の各ヘッド601〜604の使用ノズル位置に合わせて、記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703C、703Kの使用する欄と、その欄に対応する記録バッファ領域から読み出した記録データの搬送方向へのシフト量を設定する。
尚、記録バッファ管理テーブル703Y、703M、703Cの数については、実施形態1の場合と同様である。
【0093】
以上説明したように、実施形態2によれば、主走査方向に記録をする度に、記録バッファ管理テーブルの使用する記録データ位置は変更せずに、大ドット、小ドットの記録データに対応して、異なるドット径のノズルを使用することを選択することにより、最適な記録ヘッドの使用位置で異なるドット径の画像を記録することが可能になる。
【0094】
つまり、記録ヘッドによって記録用紙に記録されるカラー記録データの内容を、異なるドット径の画素で記録することが可能になるので、カラープリント出力を行う場合に、記録画像の色再現性を向上することができる。
【0095】
尚、実施形態2では、記録ヘッドの構造が副走査方向に各色成分に関して16ビット毎のデータ単位で記録可能なノズルをもつものとして説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、このノズルサイズは、MPUからのアクセスが容易なサイズであれば、8ビット、16ビット、32ビット等、何れのサイズでも良い。
【0096】
また、実施形態2では、記録用紙106よりも小さいサイズの記録バッファ管理テーブルが構成されているが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、1ページを越えるサイズの記録バッファ管理テーブルをもつように構成しても何ら問題なくその効果に変わりはない。その他、記録バッファの数や、記録バッファサイズについても、本実施形態によって限定されるものではなく、装置構成等によって変更可能であることは言うまでもない。
【0097】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のプリント装置について説明したが、かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0098】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0099】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0100】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0101】
また、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0102】
以上説明した本発明の実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0103】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0104】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0105】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0106】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0107】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0108】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0109】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0110】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0111】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0112】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録品位を向上することができる記録装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で共通に用いられるインクジェットプリンタの外観斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタの制御回路を示すブロック図である。
【図3】実施形態1の記録用紙における印刷可能領域と記録ヘッドを1回主走査方向へ走査することによって記録される領域との関係を示す図である。
【図4】実施形態1の記録バッファの内部構成を示す図である。
【図5】実施形態1の6回の主走査で1主走査記録領域の記録を行う場合の、記録用紙の搬送量と記録ヘッドの記録データの位置を示す図である。
【図6】実施形態2に従うカラープリント可能な記録ヘッドを記録用紙側から眺めた外観斜視図である。
【図7】記録用紙における印刷可能領域と記録ヘッドを1回主走査方向へ走査することによってシアン、マゼンタ、イエローインクで記録される領域202と黒インクで記録される領域との関係を示す図である。
【図8】実施形態2の6回の主走査で1主走査記録領域のカラー記録を行う場合の、記録用紙106の搬送量と記録ヘッド102の記録データの位置を示す図である。
【符号の説明】
101 キャリッジ
102 記録ヘッド
103 カートリッジガイド
104、105 ガイドレール
106 記録用紙
107 補助ローラ
108、109 搬送ローラ
110、111 インクタンク
170 インタフェース
171 MPU
172 ROM
173 DRAM
174 ゲートアレイ
175 ヘッドドライバ
176、177 モータドライバ
178 搬送モータ
179 キャリアモータ

Claims (5)

  1. 記録媒体の搬送方向に、複数色の記録剤に対応して、複数種類の記録ドット径に対応した複数の記録要素を1つの群として前記記録剤の数に相当する数の記録要素群だけ、配列した記録ヘッドを用いて、前記記録媒体の同一領域に複数回の走査記録を行うことでカラー記録を行う記録装置であって、
    記録ドット径に対応した記録データを外部装置から入力する入力手段と、
    前記入力手段によって入力された色成分毎の前記記録ドット径に対応した記録データの内、前記複数回の走査記録の1回分の走査記録にて使用する記録要素に対応する量の記録データを保持するバッファ領域を色成分毎で、かつ各色成分の記録ドット径毎に複数備えた記憶手段と、
    複数種類の記録ドット径に共通しかつ色成分毎に割当てた識別情報を用いて前記バッファ領域に対する記録データの書き込みを行なう制御と、記録データを保持するバッファ領域の割当と解放の情報を保持する管理テーブルの同じアドレス範囲を参照して前記バッファ領域から異なる記録ドット径に対応した記録データの読み出しを行う制御であって、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から前記記録ドット径に対応した記録データを走査記録毎にそれぞれの読み出しを行う制御とを行うバッファ制御手段と、
    前記バッファ制御手段の制御によりバッファ領域から読み出された記録データの一部を除いた記録データを前記記録要素の配列方向にシフトさせて前記記録ヘッドへ転送する転送手段と、
    記録ドット径に対応した記録要素を用いて前記複数回の走査記録の各回の走査記録が完了する毎に、複数種類の搬送量の内、前記各回の走査記録に対応する搬送量で前記記録媒体を搬送する制御を行う記録制御手段と、
    前記記録媒体の搬送量とその搬送量に決定される使用する記録要素の数に基づき、前記転送手段が行う前記記録データのシフト量とシフト方向の変更を行う転送制御手段とを有し、
    前記バッファ制御手段は、前記記録媒体の搬送がなされるタイミングで前記バッファ領域の解放を行う
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記記録制御手段は、大ドット径の記録要素を使用して行う記録走査と小ドット径の記録要素を使用して行う記録走査とを実行した後に、前記記録媒体の搬送を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記バッファ制御手段は、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から読み出された記録データの一部を捨てる
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記バッファ制御手段は、次に使用するバッファ領域の識別情報を保持する領域を色毎に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  5. 記録媒体の搬送方向に、複数色の記録剤に対応して、複数種類の記録ドット径に対応した複数の記録要素を1つの群として前記記録剤の数に相当する数の記録要素群だけ、配列した記録ヘッドを用いて、前記記録媒体の同一領域に複数回の走査記録を行うことでカラー記録を行う記録装置の制御方法であって、
    記録ドット径に対応した記録データを外部装置から入力する入力工程と、
    前記入力工程によって入力された色成分毎の前記記録ドット径に対応した記録データの内、前記複数回の走査記録の1回分の走査記録にて使用する記録要素に対応する量の記録 データを保持するバッファ領域を色成分毎で、かつ各色成分の記録ドット径毎に複数備えた記憶手段を用いて、複数種類の記録ドット径に共通しかつ色成分毎に割当てた識別情報を用いて前記バッファ領域に対する記録データの書き込みを行う制御と、記録データを保持するバッファ領域の割当と解放の情報を保持する管理テーブルの同じアドレス範囲を参照して前記バッファ領域から異なる記録ドット径の記録データの読み出しを行う制御であって、前記複数回の走査記録の1回の走査記録にて使用する記録要素の数に対応するバッファ領域の数より多い予め定めたバッファ領域の数のバッファ領域から前記記録ドット径に対応した記録データを走査毎にそれぞれの読み出しを行う制御とを行うバッファ制御工程と、
    前記バッファ制御工程の制御によりバッファ領域から読み出された記録データの一部を除いた記録データを前記記録要素の配列方向にシフトさせて前記記録ヘッドへ転送する転送工程と、
    記録ドット径に対応した記録要素を用いて前記複数回の走査記録の各回の走査記録が完了する毎に、複数種類の搬送量の内、前記各回の走査記録に対応する搬送量で前記記録媒体を搬送する制御を行う記録制御工程と、
    前記記録媒体の搬送量とその搬送量に決定される使用する記録要素の数に基づき、前記転送工程が行う前記記録データのシフト量とシフト方向の変更を行う転送制御工程とを有し、
    前記バッファ制御工程は、前記記録媒体の搬送がなされるタイミングで前記バッファ領域の解放を行う
    ことを特徴とする記録装置の制御方法。
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