JP4153540B2 - 基板製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属または半導体の融液から薄板状の基板を製造する基板製造装置に関する。
薄板状の基板を製造する方法として、結晶リボン法およびEFG(Edge-defined Film-fed Growth)法が知られている。これらの方法を実現する基板製造装置は、結晶成長が行われるチャンバ外に駆動部が設けられるので、装置が小形になるという利点がある(たとえば特許文献1参照)。しかしこれらの方法では、基板の厚み方向に結晶成長を行うのではなく、基板の厚み方向に垂直な向きに結晶成長を行って基板を製造しているので、基板の生産性が低いという問題がある。
図9は、他の従来の技術の基板製造装置101を示す断面図である。基板製造装置101では、基板の材料の融液102に板状の冷却体103を浸漬させ、冷却体103の厚み方向の表面103a上に融液102を結晶成長させて基板を製造している。これによって基板の生産性を高くしている。
基板製造装置101は、融液102を収容する坩堝111と、冷却体103を保持して融液102に浸漬する運搬手段104と、坩堝111および運搬手段104を収容するチャンバ105と、ロードロック室106と、ゲートバルブ107と、真空ポンプ108とを含んで構成される。図9において運搬手段104の動く向きを矢符109で示す。
ロードロック室106は、チャンバ105内に冷却体103を搬入するときに通過する搬入用のロードロック室106aと、チャンバ105内から基板製造装置101外に冷却体103を搬出するときに冷却体103が通過する搬出用のロードロック室106bとを含んで構成される。搬入用および搬出用のロードロック室106は、それぞれゲートバルブ107によってチャンバ106と仕切られるとともに、外気からも遮蔽される。ゲートバルブ107は、冷却体103が通過するときにのみ開状態になる。チャンバ105内と、搬入用および搬出用のロードロック室106内とは、真空ポンプ108によってそれぞれ真空引きされるとともに、チャンバ105内には不活性ガスが供給される。図9において不活性ガスの流れる向きを矢符110で示す。このようにロードロック方式を用いることで、チャンバ105内に外気が流入することを防いで、チャンバ105内を不活性ガスの雰囲気に保つことができる。
このような基板製造装置101では、チャンバ105内において冷却体103を予め定める経路および速度で搬送する運搬手段104などの駆動部をチャンバ105内に備える必要が生じ、チャンバが大形化してしまうが、冷却体103の表面から基板の厚み方向に基板を成長させることができるので、基板の製造速度を上げることができる。このようにして、基板の生産性の高い基板製造装置を実現している(たとえば特許文献2参照)。
特開2001−322892号公報 特開2004−161583号公報
チャンバ105内において化学的に活性の高い酸素などの濃度が高くなると、基板の材料となる融液102に不純物が混入して、純度および結晶性などの質の高い基板を製造することができない。そこで前述した従来の基板製造装置101では、チャンバ105内を真空にするとともに、不活性ガスをチャンバ105内に供給することによって酸素などを排除しているが、チャンバ101内を真空に保つために、ロードロック室106、ゲートバルブ107および真空ポンプ108などの真空環境用の装置が必要となる。このように真空環境用の装置が必要となるので、基板製造装置101が複雑化および大形化して設置面積が大きくなり、基板製造装置101のコストが高くなるという問題が生じる。
また金属材料または半導体材料の融液102を収容する坩堝111は、坩堝111を形成する材料が融液102に混交するコンタミネーションを防ぐために、石英ガラスまたはカーボンを用いて形成される。特に使い捨て用の坩堝111の場合には、石英ガラスよりもカーボンの方がコストが低いので、カーボンを用いて形成されることが多い。またチャンバ105内に設けられる運搬手段104などの駆動装置も同様の理由からカーボンを用いて形成されることが多い。
カーボンは、酸素雰囲気において400℃以上の高温になると酸化して気体の二酸化炭素に変化するので(化学反応式:C+O→CO)、チャンバ105内の酸素の濃度が高くなると、カーボンによって形成される坩堝111および駆動装置が消耗してしまうという問題がある。そこで従来の基板製造装置101では、チャンバ105内の酸素の濃度を低くするために、真空環境用の装置を用いてチャンバ105内の酸素などを排除しているが、前述した問題と同様に基板製造装置101が複雑化および大形化して設置面積が大きくなり、基板製造装置101のコストが高くなるという問題が生じる。
したがって本発明の目的は、簡易な構成でチャンバ内の酸素濃度を低減することができる基板製造装置を提供することである。
本発明は、基板の原料を加熱溶融した融液に冷却体を浸漬し、前記冷却体の表面上に前記原料を凝固成長させて基板を製造する基板製造装置であって、
前記融液を貯留する坩堝を備え、前記坩堝が収容される収容空間を形成するチャンバと、
前記収容空間に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
前記収容空間に連通し、かつ冷却体が通過可能な連通孔、排気孔、および外部空間に連なり、かつ冷却体が通過可能な搬送孔が形成され、前記連通孔、排気孔および搬送孔に連通するバッファ空間を形成するバッファ室と、
前記搬送孔を開閉可能なシャッタを備える開閉手段と、
前記連通孔および搬送孔を通って、収容空間に冷却体を搬入し、かつ収容空間から冷却体を搬出する搬送手段と、
バッファ空間に収容され、搬送手段によってバッファ空間を搬送される冷却体に向けて不活性ガスを噴出するガス噴出手段とを含み、
前記収容空間および前記バッファ空間の圧力は、大気圧よりも高く、
前記排気孔からは、前記ガス供給手段から前記収容空間に供給されて、前記連通孔を介して前記バッファ室に流入する不活性ガス、および前記ガス噴出手段によって噴出されたガスが排気されることを特徴とする基板製造装置である。
また本発明は、複数の前記バッファ室を有し、
前記ガス供給手段は、各バッファ室の連通孔を通って各バッファ空間にそれぞれ流入する不活性ガスの流量が等しくなるように前記収容空間に不活性ガスを供給することを特徴とする。
また本発明は、前記バッファ室の容積は、前記チャンバの容積の0%を超えてかつ10%以下に選ばれることを特徴とする。
また本発明は、前記ガス噴出手段は、バッファ空間で搬送孔寄りに近接して設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記開閉手段は、前記搬送孔に近接して設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記ガス噴出手段は、排気孔に向けて不活性ガスを噴出することを特徴とする。
また本発明は、前記ガス噴出手段は、前記搬送孔に臨む内周面を延長した仮想平面によって囲まれる領域に、前記領域の外方にわたってガスを噴出することを特徴とする。
また本発明は、前記ガス噴出手段は、不活性ガスが噴出する方向に垂直な予め定める方向に延びて形成され、不活性ガスが噴出する噴出孔を有し、
ガスが噴出する方向および前記予め定める方向に垂直な方向の前記噴出孔の幅の寸法は、0.05mm以上かつ0.2mm未満に選ばれることを特徴とする。
また本発明は、前記ガス噴出手段から噴出される不活性ガスは、希ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方に選ばれることを特徴とする。
本発明によれば、ガス供給手段によって収容空間に不活性ガスが供給される。前記収容空間および前記バッファ空間の圧力は、大気圧よりも高いので、収容空間に供給された不活性ガスは、連通孔を通ってバッファ空間に流入し、排気孔を通ってバッファ空間から排気される。したがって、収容空間に酸素などのガスが流入したとしても、この不活性ガスの流れに沿って流入したガスを収容空間およびバッファ空間から排気することができ、収容空間を不活性ガスによって満たすことができる。
また開閉手段は、搬送孔を開閉可能なシャッタを備える。このシャッタは、たとえば搬送孔を冷却体が通過するときに搬送孔を開き、冷却体が搬送孔を通過しないときには搬送孔を閉じる。これによって冷却体が搬送孔を通過しないときに、バッファ空間に空気などの外気が流入することを防ぐことができる。また搬送孔が開いているときにバッファ空間に空気などの外気が流入したとしても、流入したガスは、収容空間からバッファ空間を通って排気孔に流れる不活性ガスの流れとともに排気孔から排気されるので、収容空間に外気が流入することを防ぐことができる。
またガス噴出手段は、バッファ空間において搬送される冷却体に向けて不活性ガスを噴出する。冷却体に不活性ガスを噴出することによって、基板製造装置外からバッファ空間に搬入される冷却体とともに移動し、冷却体を覆う酸素などのガスを冷却体から離間させることができる。前記収容空間および前記バッファ空間の圧力は、大気圧よりも高く、冷却体から離れたガスは、収容空間からバッファ空間を通って排気孔に流れる不活性ガスの流れとともに排気孔から排気されるので、冷却体を収容空間に搬送するときに外気などが収容空間に流入することを防ぐことができる。このように真空環境用の装置を備えることなく、簡易な構成で収容空間に外気が流入することを防いで、収容空間を不活性ガスで満たすことができ、酸素濃度を低い値に抑えた不活性ガスの雰囲気中において基板を製造することができる。これによって融液が凝固成長するときに基板に不純物が混入することを防ぐことができる。さらに収容空間に外気が流入することを防いで収容空間の酸素濃度を低い値に抑えることができるので、高温となる坩堝などのチャンバに設けられる装置およびチャンバが酸化して消耗することを防ぐことができ、基板製造装置の長寿命化を図ることができる。また真空環境用の装置を備える必要がないので、基板製造装置が複雑化および大形化して設置面積が大きくなることを防ぎ、基板製造装置のコストを低く抑えることができる。
また本発明によれば、ガス供給手段によって各バッファ室の連通孔をそれぞれ等しい流量の不活性ガスが流れる。複数の連通孔のうちの1または複数の特定の連通孔を流れる不活性ガスの流量が少ない場合、流量の少ない連通孔から外気が収容空間に流入し易くなるが、本発明では各連通孔を流れる不活性ガスの流量がそれぞれ等しいので、収容空間に外気が流入することを防ぐことができる。これによって収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、バッファ室の容積は、チャンバの容積の0%を超えてかつ10%以下に選ばれる。バッファ空間には、ガス供給手段から供給される不活性ガスが収容空間から流入するので、バッファ空間の圧力は、少なくとも大気圧よりも高くなる。バッファ空間の圧力が大気圧より高ければ、搬送孔が開のときに外気がバッファ空間に流入することを防ぐことができる。バッファ室の容積がチャンバの容積の10%を超えて大きい場合には、バッファ空間の圧力が高くなる作用が低下するので、大気圧とバッファ空間の圧力との差が小さくなり、外気がバッファ空間に流入することを防ぐ効果が小さくなる。本発明のようにバッファ室の容積がチャンバの容積に比べて小さければ、バッファ室の容積が大きい場合に比べて、バッファ空間の圧力と大気圧との差が大きくなり、外気がバッファ室に流入することを効率的に防ぐことができる。これによって収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、ガス噴出手段は、バッファ空間で搬送孔寄りに近接して設けられる。すなわちガス噴出手段は、バッファ空間で連通孔寄りでなく、搬送孔寄りにおいて冷却体に不活性ガスを噴出する。このように搬送孔から離れた位置において冷却体を覆う酸素などのガスを離間させるので、離間したガスが搬送孔を通ることを極力防ぐことができ、外気が収容空間に流れ込むことを防ぐことができる。これによって収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、開閉手段は、搬送孔に近接して設けられるので、開閉手段と搬送孔との隙間が狭くなる。したがってこの隙間から空気などのガスが収容空間に流れ込むことを防ぐことができる。これによって収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、ガス噴出手段は、排気孔に向けて不活性ガスを噴出するので、ガス噴出手段から排気孔に向かう不活性ガスの流れが生じる。この不活性ガスの流れに沿って、不活性ガスを噴出することによって冷却体から離間した酸素などのガスをスムーズに排気孔に運ぶことができる。これによって冷却体から離間した酸素などのガスが連通孔を通って収容空間に流入することを防ぐことができる。これによって収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、ガス噴出手段は、前記搬送孔に臨む内周面を延長した仮想平面によって囲まれる領域に、前記領域の外方にわたってガスを噴出する。前記領域の外方にわたってガスを噴出するので、ガスを噴出する方向に垂直な方向の前記領域の端部においてガスの流れに乱れが生じず、搬送孔から流入する外気をより効果的に排気孔に排気することができる。これによって連通孔を通って収容空間に外気が流入することを防いで収容空間の酸素濃度を低減することができ、前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
また本発明によれば、ガス噴出手段は、ガスが噴出する方向に垂直な予め定める方向に延びて形成され、ガスが噴出する噴出孔を有し、ガスが噴出する方向および前記予め定める方向に垂直な方向の前記噴出孔の幅の寸法は、0.05mm以上かつ0.2mm未満に選ばれる。噴出孔の前記幅の寸法が0.05mm未満であれば、流量が一定の場合に流速が高くなるので、少ない不活性ガスで効率的にガスを冷却体に吹きつけることができるが、圧力損失が大きくなって不活性ガスが流れ難くなり、噴出孔の延びる方向における不活性ガスの流速が不均一になってしまうという問題がある。また噴出孔の前記幅の寸法が0.2mm以上であれば、流量が一定の場合に流速が低くなるので、流速を高くする場合には不活性ガスの流量が多くなり、不活性ガスの使用量が多くなって基板の生産コストが高くなるという問題がある。これらに加えて噴出孔を製造するときの交差を考慮すると、噴出孔の前記幅の寸法が、0.05mm以上かつ0.2mm未満に選ばれることによって、不活性ガスの流量を抑制するとともに、噴出孔の延びる方向における不活性ガスの流速を均一にすることができる。
また本発明によれば、ガス噴出手段から噴出される不活性ガスは、希ガスおよび窒素ガスの少なくともいずれか一方に選ばれる。ガス噴出手段は、このような不活性ガスを噴出するので、ガス噴出手段から噴出された不活性ガスが連通孔を通って収容空間に流入したとしても、基板に不純物が混入することがなく、また高温となる坩堝などのチャンバに設けられる装置およびチャンバがガス噴出手段から噴出される不活性ガスと反応して消耗することがない。これによって前述したように基板に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置の長寿命化を図ることができる。
図1は、本発明の実施の一形態の基板製造装置1の構成を模式的に示す断面図である。基板製造装置1は、坩堝2を備え、この坩堝2が収容される収容空間9を形成するチャンバ3と、収容空間9において冷却体(以下、下地板という)4を保持して運搬する運搬手段5と、1または複数のバッファ室6と、冷却体4を収容空間9に搬送する、または収容空間9から外に搬送する搬送手段7と、排気管8とを含んで構成される。基板製造装置1は、板状の下地板4を融液11に浸漬させることによって、下地板4の厚み方向の一表面4a上に融液11を凝固成長させて基板12を製造する。基板製造装置1を用いて、たとえば太陽電池に用いられる低コストの薄板状のシリコン基板を製造する。
チャンバ3は、坩堝2を外囲して設けられる加熱手段をさらに備える。加熱手段は、抵抗加熱装置および誘導加熱装置などによって実現される。加熱手段は、坩堝2に充填された固体状の基板12の原料を融点以上の高温に加熱することによって、基板12の原料を溶融する。基板12の原料は、たとえば金属材料および半導体材料から成る。坩堝2は、加熱手段によって溶融された液体状の融液11を収容する。本実施の形態では、坩堝2は、カーボンを含んで形成される。
運搬手段5は、下地板4を運搬して融液11に浸漬する。運搬手段5は、基板製造装置1の使用状態において、坩堝2の鉛直方向Zの一方(以下、上方Z1という)に配置される。以下、基板製造装置1の使用状態を仮定して説明する。運搬手段5は、収容空間9において鉛直方向Zに垂直な予め定める第1方向Xに平行な第1軸線L1まわりに回転可能に軸支される軸体18と、軸体18から第1軸線L1を中心とする半径方向の外方に延びる複数のアーム13とを備える。複数のアーム13は、第1軸線L1を中心とする周方向に予め定める間隔をあけてそれぞれ配置される。図1では、一例として3本のアーム13を示している。各アーム13の第1軸線L1を中心とする半径方向の外方の端部は、下地板4を保持する保持部14を構成する。本実施の形態では、保持部14は、下地板4と勘合する形状を有する。具体的には、保持部14には、第1軸線L1を中心とする周方向の両端部間にわたって凹溝が形成され、下地板4の厚み方向の他表面部には、厚み方向に垂直な方向に延びる凸溝が形成され、この凸溝と凹溝とが勘合する。凹溝の延びる方向に垂直な断面は、台形状であって、下底が上底に対して軸体18寄りに形成される。凸溝の延びる方向に垂直な断面は、前記凹溝の断面よりもやや小さく、下底が厚み方向の他方の先端に形成される。アーム13は、下地板4の凸溝と保持部14の凹溝とが嵌り込むことによって、下地板4を保持する。本実施の形態では、運搬手段5は、カーボンを含んで構成される。
アーム13が下地板4を保持した状態において、アーム13が鉛直方向Zに平行となるときに、下地板4の厚み方向の一表面部が融液11に浸漬するように、アーム13の長さが設定される。またアーム13が鉛直方向Zに平行となるときに、下地板4の厚み方向の一表面4aが融液11の液面に対して平行となるように、アーム13は、下地板4を保持する。
基板製造装置1は、収容空間9に不活性ガスを供給するガス供給手段15をさらに備える。ガス供給手段15が供給する不活性ガスは、たとえばアルゴンおよびヘリウムなどの希ガスおよび窒素ガスなどから成る。ガス供給手段15は、チャンバ3の上方Z1の上壁部に形成される1または複数の不活性ガス流入孔16に接続されるガス供給管を有する。ガス供給手段15は、この不活性ガス流入孔16から不活性ガスをチャンバ3に供給する。本実施の形態では、2つの不活性ガス流入孔16がチャンバ3の上壁部に設けられ、この2つの不活性ガス流入孔16から不活性ガスが供給される。本実施の形態では、ガス供給手段15は、各不活性ガス流入孔16からそれぞれ等しい流量の不活性ガスを収容空間9に供給する。ガス供給手段15がチャンバ3に不活性ガスを供給することによって、収容空間9に流入した酸素などのガスをチャンバ3から排気し、不活性ガスの雰囲気において基板12を製造することができる。このように不活性ガスの雰囲気において基板12を製造するので、融液11が雰囲気中の酸素などと反応して基板12に不純物が混ざることを防ぐことができる。さらに運搬手段5および坩堝2が酸化して消耗することを抑制することができる。図1において、基板製造装置1における不活性ガスの流れを矢符F1にて示す。
本実施の形態では、チャンバ3は、鉛直方向Zに平行な予め定める第2軸線L2に対して線対称に形成される。したがって、チャンバ3に形成される2つの不活性ガス流入孔16も予め定める第2軸線L2に対して線対称に形成される。前述したようにガス供給手段15は、各不活性ガス流入孔16からそれぞれ等しい流量の不活性ガスを収容空間9に供給するので、収容空間9を流れる不活性ガスも予め定める第2軸線L2に対して線対称に流れる。
運搬手段5は、軸体18を第1軸線L1まわりの一方F2に角変位しながら回転駆動する駆動手段をさらに備える。各アーム13は、搬送手段7によって搬送される下地板4を保持しながら、駆動手段によって回転駆動される軸体18とともに回転する。図1では、各アーム13は、第1軸線L1まわりに半時計回りに回転する。アーム13が第1軸線L1まわりに回転することによって、アーム13に保持された下地板4が融液11に浸漬している間に、下地板4の厚み方向の一表面4aから融液11が凝固成長することによって基板12が形成される。下地板4が融液11から離間すると、下地板4は搬送手段7によって収容空間9外に搬送される。
下地板4に形成される基板12の厚みは、融液11の温度および軸体18の回転速度などに依存する。この融液11の温度および軸体18の回転速度などは、中央処理装置( Central Processing Unit:略称CPU)などを含んで実現される制御手段によって制御される。
チャンバ3には、バッファ室6と連通する開口が形成される。下地板4は、この開口を通って収容空間9に搬入される、または収容空間9外に搬出される。また収容空間9のガスは、この開口を通って収容空間9外に排気される。
図2は、セクションIIの拡大断面図である。バッファ室6は、下地板4を収容空間9に搬入するときに下地板4が通過する第1バッファ室6aと、収容空間9から下地板4を搬出するときに通過する第2バッファ室6bとを含んで構成される。第1バッファ室6aと第2バッファ室6bとは、同じ構造を有し、前述した予め定める第2軸線L2に対して線対称に配置されるので、第1バッファ室6aと第2バッファ室6bとを共通して説明する。
バッファ室6は、バッファ空間25を形成するバッファ室本体19と、バッファ室本体19のチャンバ3に対向する一側壁29からチャンバ3に延びる連通管20と、バッファ室本体19の連通管20が設けられる一側壁29に対向する他側壁30からチャンバ3とは反対側に延びる搬送管21と、バッファ室本体19の上方Z1の上壁31から上方Z1に延びて排気管8に接続される接続管22とを含んで構成される。
連通管20によって形成される管路(以下、連通孔という)17は、チャンバ3に形成される開口を通じて収容空間9に連通し、バッファ空間25は、この連通孔17を通じて収容空間9に連通する。前述したように、ガス供給手段15から供給される不活性ガスは、予め定める第2軸線L2に対して線対称に流れるので、各連通孔17を通って各バッファ空間25にそれぞれ流入する不活性ガスの流量は等しくなる。複数の連通孔17のうちの1または複数の特定の連通孔17を流れる不活性ガスの流量が少ない場合、流量の少ない連通孔17から外気が収容空間9に流入し易くなるが、各連通孔17を流れる不活性ガスの流量がそれぞれ等しいので、収容空間9にバッファ空間25から外気が流入することを防ぐことができる。これによって収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
下地板4は、搬送管21によって形成される管路(以下、搬送孔という)23を通って基板製造装置1外からバッファ空間25に搬入される、または搬送孔23を通ってバッファ空間25から基板製造装置1外に搬出される。
基板製造装置1は、搬送孔23を開閉可能な開閉手段24をさらに備える。開閉手段24は、バッファ室6のチャンバ3側とは反対側の端部、すなわち搬送管21のバッファ室本体19側とは反対側の端部に近接して設けられる。開閉手段24は、搬送孔23を開閉可能な直方体であって板状のシャッタ33と、シャッタ33の上方Z1に設けられるエアシリンダと、シャッタ33とエアシリンダとを接続するロッドと、シャッタ33の移動を規制するリニアガイドとを含んで構成される。シャッタ33は、金属材料および樹脂材料などによって形成される。シャッタ33は、リニアガイドによって鉛直方向Zを除く方向への動きが規制され、鉛直方向Zにのみ移動可能に設けられる。エアシリンダがロッドを介してシャッタ33を鉛直方向Zに押圧または引張ることによって、シャッタ33は鉛直方向Zに移動する。このようにシャッタ33を鉛直方向Zに移動することによって搬送孔23の開閉動作を行う。シャッタ33は、厚み方向に垂直な断面が、少なくとも搬送管21の延びる方向に垂直な搬送孔23の断面よりも大きく形成され、下方Z2に移動したときにシャッタ33の厚み方向の一方から見て搬送孔23を覆う形状に形成される。このシャッタ33は、下地板4が搬送孔23を通過するときには、上方Z1に移動して搬送孔23を開状態にし、それ以外のときには下方Z2に移動して搬送孔23を閉状態にする。これによって外気がバッファ空間25に流入することを可及的に防いでいる。また開閉手段24は、搬送管21に近接して、すなわち搬送孔23に近接して設けられるので、開閉手段24と搬送孔23との隙間が狭くなる。したがってこの隙間から空気などのガスが収容空間9に流れ込むことを防ぐことができる。これによって収容空間9の酸素濃度を低減することができ、基板4に不純物が混入することを防ぐことができ、さらには基板製造装置1の長寿命化を図ることができる。
接続管22は、バッファ室本体19の上壁31のチャンバ3側とは反対側の端部から上方Z1に延びる。排気管8は、各バッファ室6にそれぞれ形成される接続管22からそれぞれ上方Z1に延び、上方Z1の端部からそれぞれチャンバ3の上方Z1において連結するように水平に延びて形成される。排気管8の連結部26の上方Z1の上壁には、開孔27が形成される。ガス供給手段15からチャンバ3に供給される不活性ガスは、チャンバ3、連通孔17、バッファ空間25、接続管22によって形成される管路(以下、排気孔という)34、排気管8によって形成される管路、および排気管8の連結部26に形成される開孔27をこの順に通って基板製造装置1外に排気される。
本実施の形態では、バッファ室6の容積、すなわちバッファ空間25の容積と、連通孔17の容積と、搬送孔23の容積と、排気孔34の容積とを加算した容積は、チャンバ3の容積、すなわち収容空間9の容積の0%を超えてかつ10%以下に選ばれる。バッファ空間25には、ガス供給手段15から供給される不活性ガスが収容空間9から流入するので、バッファ空間25の圧力は、少なくとも大気圧よりも高くなる。バッファ空間25の圧力が大気圧より高ければ、搬送孔23が開のときに外気がバッファ空間25に流入することを防ぐことができる。バッファ室6の容積がチャンバ3の容積の10%を超えて大きい場合には、バッファ空間25の圧力が高くなる作用が低下するので、大気圧とバッファ空間25の圧力との差が小さくなり、外気がバッファ空間25に流入することを防ぐ効果が小さくなる。本実施の形態のようにバッファ室6の容積がチャンバ3の容積に比べて十分に小さければ、バッファ室6の容積が大きい場合に比べて、バッファ空間25の圧力と大気圧との差が大きくなり、外気がバッファ室6に流入することを効率的に防ぐことができる。これによってバッファ空間25の酸素濃度を低減することができ、これにともなって収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
搬送手段7は、バッファ室6に搬入される下地板4を収容空間9に設けられる運搬手段5に搬送する、または運搬手段5によって運搬された下地板4をバッファ室6に搬送する。搬送手段7は、たとえば平行に延びる2本のレールと、2本のレールの延びる方向に垂直な方向に延び、両端部が各レールに軸支される複数のシャフトと、各シャフトに軸支され、シャフトの軸線方向に等間隔をあけて配置される複数の搬送ローラと、各シャフトを軸線まわりに回転駆動する駆動体とを含んで構成される。各シャフトは、2本のレールの延びる方向に等間隔をあけて配置される。各シャフトには、3個以上の碁石形状の搬送ローラが設けられ、各搬送ローラは、シャフトとともに回転する。後述するように搬送手段7には、下方Z2から上方Z1に向けてガス噴出手段35から不活性ガスが噴出される。搬送ローラおよびシャフトは、それぞれガス噴出手段35からの不活性ガスの流れを乱さない程度に十分な間隔をあけて配置される。このように搬送手段7は、各シャフトが回転することによって、搬送手段7の上方Z1から搬送ローラに載置される下地板4を2本のレールが延びる方向に搬送する。下地板4の搬送方向は、シャフトの回転方向によって切換わる。搬送手段7によって運搬手段5に搬送される下地板4は、前述したように運搬手段5の保持部14に勘合して保持され、運搬手段5によって融液11に浸漬されて搬送手段7に運搬され、さらに搬送手段7によってバッファ室6に搬送される。
図3は、図2の切断面線III−IIIから見たバッファ室6の断面図である。基板製造装置1は、バッファ空間25にガス噴出手段35をさらに備える。ガス噴出手段35は、バッファ空間25で搬送孔23寄りに近接して設けられる。具体的には、本実施の形態ではガス噴出手段35は、バッファ室本体19の下方Z2の下壁36上の搬送管21寄りの端部に設けられる。ガス噴出手段35は、他側壁30に沿って、他側壁30の上下方向Zに垂直な第1方向Xの両端部間にわたって延びる。ガス噴出手段35の上方Z1の端部には、第1方向Xの両端部間にわたって延びる噴出孔が形成される。ガス噴出手段35は、噴出孔に不活性ガスを供給する不活性ガス供給源を備え、噴出孔から上方Z1に向けて不活性ガスを噴出する。本実施の形態では、ガス噴出手段35の噴出孔は、ガス噴出手段35の延びる方向(第1方向X)に長手状の長孔であって、この噴出孔に臨む内周面は、四角筒形状を有する。図3では、ガス噴出孔から噴出する不活性ガスの流れを矢符38にて示す。前述したように接続管22は、バッファ室本体19の上壁31の搬送管21寄りの端部に設けられるので、ガス噴出手段35は、排気孔34の下方Z2に位置し、排気孔34に向けて不活性ガスを噴出する。
前述した搬送管21は、四角筒状の形状を有し、バッファ室本体19の他側壁30には搬送孔23が連通する開口37が形成される。この開口37は、ガス噴出手段35の延びる方向と同様に第1方向Xに延び、上下方向Zおよび第1方向Xに垂直な第2方向Yの一方から見て、ガス噴出手段35の上方Z1に形成される。またこの開口37は、第1方向Xにおいて、ガス噴出孔の中央部に形成される。ガス噴出孔の延びる方向の幅の寸法W1(以下、ガス噴出孔の長手方向の幅の寸法W1という)は、他側壁30に形成される開口37のガス噴出手段35の延びる方向の幅の寸法W2(以下、開口37の長手方向の幅の寸法W2という)よりも大きい値に選ばれ、好ましくは前記開口37の長手方向の幅の寸法W2の1.5倍に選ばれる。すなわちガス噴出手段35は、搬送孔23に臨む内周面を延長した仮想平面によって囲まれる領域(図3では、開口37内の領域)に、前記領域の外方にわたってガスを噴出する。ガス噴出孔から噴出される不活性ガスの流れは、ガス噴出孔の延びる方向の端部において乱れが生じるので、仮に前記領域のみにガスを噴出すると、不活性ガスの流れに乱れが生じる部分において搬送孔23から流入する外気を効果的に排気孔34に排気することができない。ガス噴出手段35は、前記領域の外方にわたってガスを噴出するので、前記領域において不活性ガスの流れに乱れが生じず、搬送孔23から流入する外気をより効果的に排気孔34に排気することができる。これによって連通孔17を通って収容空間9に外気が流入することを防いで収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
下地板4は、搬送手段7によって搬送孔23を通ってバッファ空間25に搬入されるときにガス噴出手段35の上方Z1を通過する。このときガス噴出手段35は上方Z1を通過する下地板4に向けて不活性ガスを噴出するので、下地板4を覆って搬送される外気を下地板4から離間させる。図2において酸素ガス28を模式的に記号「○」で示すとともに、ガス噴出手段35から噴出される不活性ガスによって酸素ガス28が流れる向きを矢符32にて示す。特に、前述したようにガス噴出手段35は、バッファ空間25で搬送孔23寄りに近接して設けられる。すなわちガス噴出手段35は、バッファ空間25で連通孔17寄りでなく、搬送孔23寄りにおいて下地板4に不活性ガスを噴出する。このように搬送孔23から離れた位置において下地板4を覆う酸素などのガスを離間させるので、離間したガスが搬送孔23を通ることを極力防ぐことができ、外気が収容空間9に流れ込むことを防ぐことができる。これによって収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
さらに、前述したようにガス噴出手段35は、排気孔34の下方Z2に位置し、排気孔34に向けて不活性ガスを噴出するので、バッファ空間25において不活性ガスが渦を巻いたり、滞留したりせずにガス噴出手段35から排気孔34に向かう不活性ガスの流れが生じる。この不活性ガスの流れに沿って、不活性ガスを噴出することによって下地板4から離間した酸素などのガスをスムーズに排気孔34に運ぶことができる。これによって下地板4から離間した酸素などのガスが連通孔17を通って収容空間9に流入することを防ぐことができる。
さらに、シャッタ33が開状態のときに搬送孔23からバッファ空間25に流入する外気を、ガス噴出手段35からのガスの流れに沿って排気孔34に運ぶことができるので、外気が連通孔17を通って収容空間9に流れ込むことを防ぐことができる。すなわちガス噴出手段35から噴出される不活性ガスによって、外気が搬送孔23からバッファ空間25および連通孔17を通って収容空間9に流入することを遮断する障壁(以下、不活性ガス・カーテンという)が形成される。この不活性ガス・カーテンは、自身を通過するガスを連通孔17に運ぶ機能を有する。
不活性ガス・カーテンの効果について実験結果に基づいて説明する。図4は、ガス噴出手段35から噴出される不活性ガスの流量と、収容空間9の酸素濃度との関係を示す図である。図4において、横軸はガス噴出手段35から噴出される不活性ガスの流量(以下、カーテン流量という)を示し、縦軸は収容空間9の酸素濃度を示す。図4に示す酸素濃度の測定結果は、ガス供給手段15から収容空間9に供給される不活性ガスの流量(以下、チャンバ流量という)を200L/minとしたときの測定値である。
図4に示すように、カーテン流量が多くなる程、収容空間9の酸素濃度が低下することから、不活性ガス・カーテンが収容空間9に流入する外気を遮断する障壁として機能することが示される。図4においてカーテン流量が20L/min未満になると、収容空間9の酸素濃度が急上昇し、不活性ガス・カーテンの遮断効果が実用に適する程度に有効に機能しないことが示される。カーテン流量が20L/min以上になると、収容空間9の酸素濃度を35ppm程度未満に保つことができるので、不活性ガス・カーテンが収容空間9に流入する外気を遮断する障壁として機能する効果が顕著に現れることが示される。特に、カーテン流量が100L/min以上になると、収容空間9の酸素濃度を5ppm以下に保つことができるので、不活性ガス・カーテンが収容空間9に流入する外気を遮断する障壁として機能する効果が特に顕著に現れることが示される。したがって、本実施の形態の基板製造装置1では、カーテン流量は、20L/min以上に選ばれ、好ましくは、100L/min以上に選ばれる。
一般にチャンバ3、バッファ室6および各孔などの基板製造装置1の形状が異なると、カーテン流量と収容空間9の酸素濃度との相関は異なるが、流体力学の理論によれば、次式(1)で定義されるレイノルズ数Reおよびシュミット数Scが等しければ、流速分布および濃度分布の相似則から、流れの速度分布および濃度分布がそれぞれ相似になる。したがって収容空間9の酸素濃度は、基板製造装置1の形状に拘わらずに、レイノルズ数Reおよびシュミット数Scに依存するものと推定される。
Re=UL/ν
Sc=ν/D …(1)
レイノルズ数Reおよびシュミット数Scは、無次元数である。式(1)においてUは、代表流速(単位m/s)を示し、Lは、代表長さ{4×開口面積/開口部の周長(単位m)}を示し、νは、不活性ガスの動粘性係数(単位m2/s)を示し、νは、不活性ガスの動粘性係数(単位m2/s)を示し、Dは、酸素の不活性ガスに対する拡散係数(単位m2/s)を示す。
基板製造装置1の形状を変更したとしても、不活性ガスの種類を変更しない場合には、不活性ガスと酸素との組合せは変わらないので、シュミット数Scは常に変わらずに一定となる。したがってレイノルズ数Reが同じであれば、収容空間9の酸素濃度は、基板製造装置1の形状に拘わらずに等しくなると推定される。すなわち基板製造装置1の形状が異なっても、収容空間9の酸素濃度とレイノルズ数Reとの相関は同じであると推定される。目的とする収容空間9の酸素濃度からレイノルズ数Reが定められ、基板製造装置1の形状から代表長さLが求まるので、式(1)から代表流速Uを求めることができる。代表流速Uが求まると、ガス噴出手段35から噴出すべきカーテン流量を決定することができる。
本実施の形態では連通孔17は、1ヶ所で、ガス噴出孔のサイズは500mm×0.1mmなので、たとえばカーテン流量が100L/minのときのガス噴出手段35のレイノルズ数Re(以下、カーテン・レイノルズ数Reという)は、460となり、カーテン流量が20L/minのときのカーテン・レイノルズ数Reは、92となる。上述した実験結果をカーテン・レイノルズ数Reを基準にして解析すると、カーテン・レイノルズ数Reが460以上の場合、不活性ガス・カーテンの遮断効果によって収容空間9の酸素濃度は5ppm以下に保たれる。カーテン・レイノルズ数Reが460未満になると収容空間9の酸素濃度が上昇を開始し、カーテン・レイノルズ数Reが減少するにしたがって収容空間9の酸素濃度が上昇していき、最終的にカーテン・レイノルズ数Reが92未満になると酸素濃度が急上昇し、不活性ガス・カーテンの遮断効果が実用に適する程度に有効に機能しなくなることが示される。したがって、基板製造装置1の形状に拘わらずに、カーテン・レイノルズ数Reは、92以上に選ばれ、好ましくは、460以上に選ばれる。
同様にして、ガス供給手段15によって収容空間9に不活性ガスを供給することによる効果について実験結果に基づいて説明する。図5は、チャンバ流量と、収容空間9の酸素濃度との関係を示す図である。図5において、横軸はチャンバ流量を示し、縦軸は収容空間9の酸素濃度を示す。図5に示す酸素濃度の測定結果は、カーテン流量を100L/minとしたときの測定値である。
図5に示すように、チャンバ流量が多くなる程、収容空間9の酸素濃度が低下することから、ガス供給手段15によって収容空間9に供給される不活性ガスが、収容空間9に外気が流入することを防ぐとともに、収容空間9に流入した外気を収容空間9外に排気し、収容空間9の酸素濃度を低下する排気効果を示すことが示される。図5においてチャンバ流量が100L/min未満になると、収容空間9の酸素濃度が急上昇し、ガス供給手段15から供給される不活性ガスによる排気効果が実用に適する程度に有効に機能しないことが示される。チャンバ流量が100L/min以上になると、収容空間9の酸素濃度を70ppm程度未満に保つことができるので、ガス供給手段15から供給される不活性ガスによる排気効果が顕著に現れることが示される。特に、チャンバ流量が300L/min以上になると、収容空間9の酸素濃度を約10ppm以下に保つことができるので、ガス供給手段15から供給される不活性ガスによる排気効果が特に顕著に現れることが示される。したがって、本実施の形態の基板製造装置1では、チャンバ流量は、100L/min以上に選ばれ、好ましくは、300L/min以上に選ばれる。
以上説明した実験結果を、不活性ガス・カーテンの場合と同様に流速分布および濃度分布の相似則にしたがって、レイノルズ数Reを基準にして解析する。本実施の形態では連通孔17が1ヶ所でサイズは400mm×100mmなので、たとえばチャンバ流量が300L/minのときの連通孔17のレイノルズ数Re(以下、チャンバ・レイノルズ数Reという)は、1100となり、チャンバ流量が200L/minのときのチャンバ・レイノルズ数Reは、734となり、チャンバ流量が150L/minのときのチャンバ・レイノルズ数Reは、550となり、チャンバ流量が100L/minのときのチャンバ・レイノルズ数Reは、367となる。チャンバ・レイノルズ数Reが1100以上の場合、排気効果によって酸素濃度は10ppm程度に保たれる。チャンバ・レイノルズ数Reが1100未満になると酸素濃度が上昇を開始し、チャンバ・レイノルズ数Reが減少するにしたがって酸素濃度が上昇していき、最終的にチャンバ・レイノルズ数Reが367未満になると排気効果が実用に適する程度に有効に機能しなくなることが示される。したがって、基板製造装置1の形状に拘わらずに、チャンバ・レイノルズ数Reは、367以上に選ばれ、好ましくは、1100以上に選ばれる。
以上説明したように、目標とする収容空間9の酸素濃度が決まれば、この酸素濃度を達成するためのカーテン・レイノルズ数Reおよびチャンバ・レイノルズ数Reがそれぞれ図4および図5を基にして決定される。式(1)を用いると、カーテン・レイノルズ数Reおよびチャンバ・レイノルズ数Reから、新たに設計した基板製造装置1に対してガス噴出孔から流れる不活性ガスの代表流速Uおよび収容空間9から連通孔17を通る不活性ガスの代表流速Uを計算することができ、その流速に開口面積を乗算することによって、カーテン流量およびチャンバ流量をそれぞれ見積もることが可能になる。このように設計時においてカーテン流量およびチャンバ流量を予め見積ることが可能となり、不活性ガスの使用量と収容空間9の酸素濃度とを考慮した設計が可能となる。
以上説明した本実施の形態の基板製造装置1によれば、ガス供給手段15によって収容空間9に供給された不活性ガスは、連通孔17を通ってバッファ空間25に流入し、排気孔34を通ってバッファ空間25から排気される。したがって、収容空間9に酸素などのガスが流入したとしても、この不活性ガスの流れに沿って流入したガスを収容空間9およびバッファ空間25から排気することができ、収容空間9を不活性ガスによって満たすことができる。
またシャッタ33は、搬送孔23を下地板4が通過するときに搬送孔23を開き、下地板4が搬送孔23を通過しないときには搬送孔23を閉じる。これによって下地板4が搬送孔23を通過しないときに、バッファ空間25に空気などの外気が流入することを防ぐことができる。また搬送孔23が開いているときにバッファ空間25に空気などの外気が流入したとしても、流入したガスは、収容空間9からバッファ空間25を通って排気孔に流れる不活性ガスの流れとともに排気孔34から排気されるので、収容空間9に外気が流入することを防ぐことができる。
またガス噴出手段35は、バッファ空間25において搬送される下地板4に向けて不活性ガスを噴出する。下地板4に不活性ガスを噴出することによって、基板製造装置1外からバッファ空間25に搬入される下地板4とともに移動し、下地板4を覆う酸素などのガスを下地板4から離間させることができる。このようにして下地板4から離れたガスは、収容空間9からバッファ空間25を通って排気孔34に流れる不活性ガスの流れとともに排気孔34から排気されるので、下地板4を収容空間9に搬送するときに外気などが収容空間9に流入することを防ぐことができる。このように真空環境用の装置を備えることなく、簡易な構成で収容空間9に外気が流入することを防いで、収容空間9を不活性ガスで満たすことができ、酸素濃度を低い値に抑えた不活性ガスの雰囲気中において基板を製造することができる。これによって融液11が凝固成長するときに基板12に不純物が混入することを防ぐことができる。さらに収容空間9に外気が流入することを防いで収容空間9の酸素濃度を低い値に抑えることができるので、高温となる坩堝2などの収容空間9に設けられる装置およびチャンバが酸化して消耗することを防ぐことができ、基板製造装置1の長寿命化を図ることができる。特に本実施の形態では、坩堝2および運搬手段5は、カーボンを含んで形成されるので、収容空間9の酸素濃度を低い値に抑えることによって、坩堝2および運搬手段5が酸化して消耗することを防ぐことができる。従来の技術の基板製造装置101のように真空環境用の装置を備えることなく、簡易な構成で収容空間9の酸素濃度を低い値に抑えることができるので、基板製造装置1の小形化を実現して設置面積が小さくなり、低コストの基板製造装置1を実現することができる。
本実施の形態の基板製造装置1では、ガス噴出手段35は、バッファ室本体19の下方Z2の下壁36上に設けられて、上方Z1に不活性ガスを噴出するとしたけれども、下地板4および排気孔34に向けて不活性ガスを噴出するのであれば、どの位置に配置されてもよい。
図6は、ガス噴出手段35をバッファ室本体19の第1方向Xの一側壁39に設けたときのバッファ室6の断面図である。ガス噴出手段35をバッファ室本体19の第1方向Xの一側壁39に設ける場合には、接続管22は、バッファ室本体19の第1方向Xの他側壁40から第1方向Xの他方に延びて形成される。ガス噴出手段35は、排気管8に向けて第1方向Xの他方に不活性ガスを噴出する。ガス噴出手段35は、バッファ室本体19の第1方向Xの一側壁39の搬送管21寄りの端部に設けられる。ガス噴出手段35は、一側壁39に沿って、一側壁39の上下方向Zの両端部間にわたって延びる。ガス噴出手段35の第1方向の他方の端部には、上下方向Zの両端部間にわたって延びる噴出孔が形成される。ガス噴出手段35は、この噴出孔から第1方向Xの他方に向けて不活性ガスを噴出する。ガス噴出手段35の噴出孔は、ガス噴出手段35の延びる方向(上下方向Z)に長手状の長孔であって、この噴出孔に臨む内周面は、四角筒形状を有する。図6では、ガス噴出孔から噴出する不活性ガスの流れを矢符41にて示す。
前述したようにバッファ室本体19の第2方向Yの他側壁30には搬送孔23による開口37が形成される。この開口37は、第1方向Xに延び、第2方向Yの一方から見て、ガス噴出手段35の第1方向Xの他方に形成される。またこの開口37は、上下方向Zにおいて、ガス噴出孔の中央部に形成される。ガス噴出孔の延びる方向の幅の寸法W3(以下、ガス噴出孔の長手方向の幅の寸法W3という)は、他側壁30に形成される開口37のガス噴出手段35の延びる方向の幅の寸法W4(以下、開口37の短手方向の幅の寸法W4という)よりも大きい値に選ばれ、好ましくは前記開口37の短手方向の幅の寸法W4の1.5倍に選ばれる。このようにガス噴出孔の形状を設計することによって、前述したように搬送孔23に臨む内周面を延長した仮想平面によって囲まれる領域(図3では、開口37内の領域)において不活性ガスの流れに乱れが生じず、搬送孔23から流入する外気を効果的に排気孔34に排気することができる。これによって連通孔17を通って収容空間9に外気が流入することを防いで収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
また本実施の形態の基板製造装置1では、チャンバ3およびバッファ室6が第2軸線L2に対して線対称に形成されるとしたけれども、線対称でなくてもよい。この場合には、ガス供給手段15は、各不活性ガス流入孔16から流れる不活性ガスの流量を調整することによって、各バッファ室6の連通孔17を通って各バッファ空間25にそれぞれ流入する不活性ガスの流量が等しくなるように収容空間9に不活性ガスを供給する。これによって、前述したように収容空間9にバッファ空間25から外気が流入することを防ぐことができ、収容空間9の酸素濃度を低減することができる。
図7は、本発明の他の実施の形態の基板製造装置1のバッファ室6の断面図である。本実施の形態の基板製造装置1は、前述の実施の形態の基板製造装置1とバッファ室6の構造を除いて同様の構成であるので、対応する部分については同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
連通管20は、バッファ室本体19のチャンバ3寄りの端部からチャンバ3に向かって先細状に延びる。したがって連通孔17もバッファ空間25から収容空間9に近接するにしたがって先細状に形成される。すなわち連通管20の開口面積がバッファ空間25から収容空間9に近接するにしたがって小さくなるように形成される。
接続管22は、バッファ室本体19の上壁31から上方Z1に離間するにしたがって、上下方向Zに垂直な断面が広がるように形成される。したがって上下方向Zに垂直な排気孔34の断面の面積、すなわち接続管22の開口面積がバッファ室本体19から上方Z1に離間するにしたがって大きくなるように形成される。
搬送管21は、バッファ室本体19の他側壁30からチャンバ3とは反対側に離間するにしたがって、この搬送管21の延びる方向に垂直な断面が広がるように形成される。したがって搬送管21が延びる方向に垂直な搬送孔23の断面の面積、すなわち搬送管21の開口面積がバッファ室本体19から離間するにしたがって大きくなるように形成される。
ガスの流路による抵抗は、円管の場合、内径に反比例し、流速の2乗に比例する。したがってテーパ形状を有する流路の場合、流路の断面積が小さくなるにしたがって、内径が小さくなるとともに、流速が大きくなるので、流路による抵抗が大きくなる。すなわち流路の断面積が小さくなる方向よりも流路の断面積が大きくなる方向の方が、ガスは流れ易い。連通管20が前述したテーパ形状を有するので、バッファ空間25から連通孔17を通って収容空間9にガスが流れるよりも、収容空間9から連通管20を通ってバッファ空間25にガスが流れ易い。これによって外気がバッファ室本体19から収容空間9に流入することを防ぐことができ、収容空間9の酸素濃度を低い値に保つことができる。
また接続管22が前述したテーパ形状を有するので、排気管8によって形成される管路からバッファ空間25にガスが流入し難くなり、バッファ空間25から排気した酸素などを含むガスがバッファ空間25に逆流することを防ぐことができる。また搬送管21が前述したテーパ形状を有するので、外気が搬送孔23を通ってバッファ空間25に流入し難くなる。これらによってバッファ空間25の酸素濃度を低い値に保つことができ、ひいては収容空間9の酸素濃度を低い値に保つことができる。これによって前述したように基板12に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置1の長寿命化を図ることができる。
図8は、本発明のさらに他の実施の形態の基板製造装置51を示す断面図である。本実施の形態の基板製造装置51は、前述の各実施の形態の基板製造装置1に加えて、基板12の原料69を補給する補給手段52をさらに備える。本実施の形態の基板製造装置51は、前述の各実施の形態の基板製造装置1に補給手段52を加えた構成なので、対応する部分については同一の符号を付して、補給手段52についてのみ説明し、重複する説明を省略する。なお図8では、理解の容易のために運搬手段5、下地板4、搬送手段7およびガス供給手段15を省略している。
基板製造装置51は、下地板4を融液11に浸漬して融液11を結晶成長させることによって基板12を製造するので、基板12を製造する毎に基板12の原料69となる融液11が減少していく。補給手段52は、融液11が減少すると、この減少分の原料69を補うために、固体または液体の金属材料および半導体材料などの原料69を坩堝2に供給する。本実施の形態では補給手段52は、固体の原料69を坩堝2に供給する。
補給手段52は、チャンバ3の上方Z1に設けられる補給用バッファ室53と、補給用バッファ室53からチャンバ3の上方Z1の上壁54に形成される開孔を貫通して収容空間9に延びる補給用管55と、補給用バッファ室53の上方Z1の上壁56から上方Z1に延びる補給用搬送管57と、補給用バッファ室53の第2方向Yの他方の側壁61から第2方向Yの他方に延びて排気管8に接続される接続管62と、補給用バッファ室53の第2方向Yの一方の側壁63に配置されるガス噴出手段64と、補給用搬送管57によって形成される管路(以下、補給用搬送孔という)65を開閉可能なシャッタを備える開閉手段とを含んで構成される。
シャッタ66は、原料69を坩堝2に補給するときに補給用搬送孔65を開状態にし、それ以外のときに補給用搬送孔65を閉状態にする。補給用搬送孔65が開状態になると、原料69が補給用バッファ室53によって形成されるバッファ空間68に供給され、さらに補給用管55によって形成される管路70を通って、坩堝2に供給される。
ガス噴出手段64は、前述の各実施の形態のガス噴出手段35と同様に、接続管63によって形成される管路71に向かって不活性ガスを噴出することによって、ガス噴出手段64と接続管63との間を通過する原料69に向けて不活性ガスを噴出する。このようにガス噴出手段64が不活性ガスを噴出することによって、前述したように外気が収容空間9に流入することを防ぐことができ、収容空間9の酸素濃度を低い値に保つことができる。これによって、前述したように基板12に不純物が混入することを防ぐことができ、さらに基板製造装置1の長寿命化を図ることができる。
本実施の形態のさらに他の実施の形態の基板製造装置51では、前述した基板製造装置1の構成に加えて基板12の破片を回収する回収手段をさらに備える。下地板4の一表面4a上に形成される基板12は、融液11から離間すると、高温から低温に急激に冷却されるので、熱応力が発生して破損し、チャンバ3の下方Z2の下壁上に破片が落下する場合がある。回収手段は、チャンバの下壁に落下した基板12の破片を再利用するために回収する。
回収手段は、基板12の破片が落下する可能性の高い位置に配置されるトレーと、基板12の破片を収容したトレーを収容空間9から外に運ぶ搬送部とを含んで構成される。チャンバ3には、回収手段が通過する開口が形成されており、この開口を形成する開口部に前述した各実施の形態のバッファ室6と同様の構成のバッファ室6が接続される。さらにバッファ空間25に前述の各実施の形態と同様にガス噴出手段35が設けられるとともに、開閉手段24が設けられる。
前述したようにガス噴出手段35から噴出される不活性ガスによって、外気が搬送孔23からバッファ空間25および連通孔17を通って収容空間9に流入することを遮断する障壁が形成される。これによって、トレーをバッファ室6に搬入するまたはバッファ室6から搬出するときに、外気が収容空間9に流入することを防ぎ、収容空間9の酸素濃度を低い値に保つことができる。
本発明の実施の一形態の基板製造装置1の構成を模式的に示す断面図である。 セクションIIの拡大断面図である。 図2の切断面線III−IIIから見たバッファ室6の断面図である。 ガス噴出手段35から噴出される不活性ガスの流量と、収容空間9の酸素濃度との関係を示す図である。 チャンバ流量と、収容空間9の酸素濃度との関係を示す図である。 ガス噴出手段35をバッファ室本体19の第1方向Xの一側壁39に設けたときのバッファ室6の断面図である。 本発明の他の実施の形態の基板製造装置1のバッファ室6の断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態の基板製造装置51を示す断面図である。 他の従来の技術の基板製造装置101を示す断面図である。
符号の説明
1,51 基板製造装置
2 坩堝
3 チャンバ
4 下地板
5 運搬手段
6 バッファ室
7 搬送手段
8 排気管
9 収容空間
11 融液
12 基板
15 ガス供給手段
17 連通孔
20 連通管
21 搬送管
22,62 接続管
23 搬送孔
24,67 開閉手段
25,68 バッファ空間
26 連結部
33,66 シャッタ
34 排気孔
35 ガス噴出手段
52 補給手段
53 補給用バッファ室
55 補給用管
57 補給用搬送管
64 ガス噴出手段
65 補給用搬送孔

Claims (9)

  1. 基板の原料を加熱溶融した融液に冷却体を浸漬し、前記冷却体の表面上に前記原料を凝固成長させて基板を製造する基板製造装置であって、
    前記融液を貯留する坩堝を備え、前記坩堝が収容される収容空間を形成するチャンバと、
    前記収容空間に不活性ガスを供給するガス供給手段と、
    前記収容空間に連通し、かつ冷却体が通過可能な連通孔、排気孔、および外部空間に連なり、かつ冷却体が通過可能な搬送孔が形成され、前記連通孔、排気孔および搬送孔に連通するバッファ空間を形成するバッファ室と、
    前記搬送孔を開閉可能なシャッタを備える開閉手段と、
    前記連通孔および搬送孔を通って、収容空間に冷却体を搬入し、かつ収容空間から冷却体を搬出する搬送手段と、
    バッファ空間に収容され、搬送手段によってバッファ空間を搬送される冷却体に向けて不活性ガスを噴出するガス噴出手段とを含み、
    前記収容空間および前記バッファ空間の圧力は、大気圧よりも高く、
    前記排気孔からは、前記ガス供給手段から前記収容空間に供給されて、前記連通孔を介して前記バッファ室に流入する不活性ガス、および前記ガス噴出手段によって噴出されたガスが排気されることを特徴とする基板製造装置。
  2. 複数の前記バッファ室を有し、
    前記ガス供給手段は、各バッファ室の連通孔を通って各バッファ空間にそれぞれ流入する不活性ガスの流量が等しくなるように前記収容空間に不活性ガスを供給することを特徴とする請求項1記載の基板製造装置。
  3. 前記バッファ室の容積は、前記チャンバの容積の0%を超えてかつ10%以下に選ばれることを特徴とする請求項1または2記載の基板製造装置。
  4. 前記ガス噴出手段は、バッファ空間で搬送孔寄りに近接して設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板製造装置。
  5. 前記開閉手段は、前記搬送孔に近接して設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の基板製造装置。
  6. 前記ガス噴出手段は、排気孔に向けて不活性ガスを噴出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の基板製造装置。
  7. 前記ガス噴出手段は、前記搬送孔に臨む内周面を延長した仮想平面によって囲まれる領域に、前記領域の外方にわたってガスを噴出することを特徴とする請求項6記載の基板製造装置。
  8. 前記ガス噴出手段は、不活性ガスが噴出する方向に垂直な予め定める方向に延びて形成され、不活性ガスが噴出する噴出孔を有し、
    ガスが噴出する方向および前記予め定める方向に垂直な方向の前記噴出孔の幅の寸法は、0.05mm以上かつ0.2mm未満に選ばれることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の基板製造装置。
  9. 前記ガス噴出手段から噴出される不活性ガスは、希ガスおよび窒素ガスのうちの少なくともいずれか一方に選ばれることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の基板製造装置。
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