JP4152567B2 - 定差圧弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は定差圧弁に関し、特に弁の前後の差圧がソレノイドにより設定された一定の差圧になるよう流量を制御する定差圧弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばカーエアコンの冷凍サイクルにアキュムレータおよび減圧装置を使用したシステムが知られている。このシステムでは、コンプレッサによって圧縮された高温・高圧のガス冷媒をコンデンサで凝縮し、凝縮された冷媒を減圧装置にて低温・低圧の液冷媒にし、この低温の液冷媒をエバポレータで蒸発させ、蒸発された冷媒をアキュムレータで気液分離し、分離されたガス冷媒をコンプレッサに戻すような構成になっている。このシステムの減圧装置として定差圧弁が使用されている。
【0003】
図14は従来の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
従来例として示した図示の定差圧弁は、炭酸ガスを冷媒とする冷凍サイクルのように流体圧力が非常に高い冷媒を制御できるようにしたパイロット作動式の流量調整弁の構成になっている。
【0004】
この差圧弁は、高圧の冷媒を受ける入口管11を有し、冷媒流路12を介して出口孔13に連通されている。この冷媒流路12の途中に、主弁座14が形成されている。この主弁座14の上流側の冷媒流路12内には、主弁座14に上流側から対向して主弁体15が配置され、スプリング16によって上流側から閉弁方向に付勢されている。
【0005】
主弁座14の下流側の冷媒流路12は、主弁座14より大きな内径を有するシリンダによって形成され、そこには、ピストン17が軸線方向に進退自在に嵌挿配置されている。ピストン17は、主弁座14の方向にスプリング18によって付勢されている。このピストン17は、主弁座14側の冷媒流路12とその背面側の空間とが連通するよう微小断面積のリーク孔19が穿設されている。
【0006】
ピストン17と主弁体15との間にはシャフト20が配置されており、ピストン17の動きを主弁体15に伝達して、主弁体15を主弁座14に対して接離する方向に駆動する。
【0007】
出口孔13側の冷媒流路12とピストン17の背面側の空間との間には、パイロット孔21が連通形成されており、そのパイロット孔21の途中には、パイロット弁座22が形成され、ピストン17の背面側の空間から対向してパイロット弁体23が配置されている。パイロット弁体23は、パイロット弁座22に対して接離する方向に進退自在に配置された伝達部材24を介してソレノイド25のプランジャ26に当接している。
【0008】
ソレノイド25は、スリーブ27内にその軸線方向に進退自在に配置されたプランジャ26と、一端がプランジャ26の端面と当接可能にスリーブ27内に固定配置されたコア28と、パイロット弁体23をパイロット弁座22に対して閉弁する方向にプランジャ26を付勢するスプリング29と、このスプリング29の付勢力に抗してプランジャ26をコア28に吸引させることによりパイロット弁の設定差圧を小さく制御する電磁コイル30とから構成されている。
【0009】
このように構成された定差圧弁において、まず、入口管11へ冷媒の導入がないときには、主弁体15はスプリング16により付勢されて主弁座14に着座され、パイロット弁体23はスプリング29により付勢されてパイロット弁座22に着座されている。また、電磁コイル30が通電されていない状態では、パイロット弁体23がスプリング29のばね荷重により閉弁方向へ付勢されていることにより、パイロット弁の制御差圧は最大に設定されている。
【0010】
ここで、入口管11へ冷媒が導入されると、その圧力は、パイロット孔21を介してパイロット弁に供給される。パイロット弁座22の上流側と下流側との差圧がある値を越えると、冷媒がパイロット弁体23を押し開く。これにより、ピストン17の背面側に圧力が導入され、ピストン17がシャフト20を介して主弁体15を開弁方向へ駆動し、主弁が開くことにより、入口管11に導入された冷媒が出口孔13に流出し、冷媒の圧力が下がる。
【0011】
入口管11に導入された冷媒の圧力が下がると、パイロット弁体23は、閉弁方向に移動し、これにより、ピストン17の背面側に導入される圧力が減少し、主弁体15を閉弁方向へ付勢しているスプリング16が主弁体15およびシャフト20を介してピストン17を押し戻すことで主弁体15を閉弁方向へ駆動し、これにより主弁が閉じる方向へ移動し、入口管11に導入された冷媒の圧力を上げる。このようにして、パイロット弁は、その前後差圧が一定になるよう制御し、結果として主弁の前後差圧を一定に制御する。
【0012】
また、電磁コイル30を通電すると、プランジャ26がコア28へ吸引され、パイロット弁体23へのスプリング29の付勢力が減少され、パイロット弁の設定差圧を小さくする。電磁コイル30の通電電流値を増加すると、プランジャ26のコア28への吸引力が増加し、パイロット弁の差圧をさらに小さく設定することができる。
【0013】
このように、定差圧弁は、ソレノイド25の電磁コイル30に流す電流値によってパイロット弁の前後差圧の設定を制御し、これにより主弁もその前後差圧が一定になるように制御される。
【0014】
また、定差圧弁は、主弁の前後差圧がソレノイド25への電流値によって決められるが、その差圧は、差圧弁を流れる冷媒流量に関係なく一定であること、すなわち定差圧性が要求される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の定差圧弁では、パイロット弁体が差圧制御のために軸線方向に動くと、その動きに追従してプランジャも動き、コアとのギャップが変化して吸引荷重が変化してしまうため、パイロット弁の定差圧性が悪くなり、結果として主弁の定差圧性が悪くなるという問題点があった。
【0016】
また、プランジャはスリーブ内に進退自在に配置されており、電磁コイルによって形成される磁束回路内にある。したがって、電磁コイルに通電してプランジャをその軸線方向へ移動させる場合、プランジャはスリーブの内壁に吸引された状態で摺動しながら動くため、摺動抵抗が大きく、プランジャの進退動作にヒステリシスが生じて制御性を悪くしているという問題点があった。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、定差圧性がよく、制御性のよい定差圧弁を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、弁の前後の差圧がソレノイドにより設定された一定の差圧になるよう流量を制御する定差圧弁において、前記ソレノイドは、スリーブ内に進退自在に配置されたプランジャと固定配置されたコアとを有し、前記プランジャの前記コア側の端面に突起部が設けられ、前記コアの前記突起部に対向する端面に前記突起部に対応する凹部が設けられており、高圧の流体が流れる流路内に形成された主弁座に対向して前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に主弁体が配置された主弁と、前記主弁の下流側に前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に配置され前記主弁体を駆動するピストンと、前記主弁の上流側に連通され前記主弁体と一体に形成されたパイロット弁座に対向して前記ピストンの背面側に前記プランジャを支持するシャフトによって駆動されるパイロット弁体が配置されたパイロット弁とを有することを特徴とする定差圧弁が提供される。
【0019】
このような定差圧弁によれば、ソレノイドがプランジャおよびコアの対向面にそれぞれ突起部および凹部を備えたことにより、プランジャの位置によって変化する吸引荷重の変化量が低減され、定差圧性のよい定差圧弁を得ることができる。
【0020】
また、両端を軸受によって軸線方向に進退自在に軸支されたシャフトにプランジャを支持して、プランジャがスリーブに接触しないようにしている。これにより、プランジャがスリーブに接触しながら摺動することがないため、プランジャ作動時の摺動抵抗を低減することができ、制御性をよくすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の閉弁状態での構成例を示す断面図、図2は第1の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の開弁状態での構成例を示す断面図である。
【0022】
本発明による差圧弁は、そのボディ31の下端部に高圧の冷媒を受ける入口孔32が設けられている。この入口孔32は、冷媒流路33を介して出口孔34に連通接続されている。この冷媒流路33の途中には、主弁座35がボディ31と一体に形成されている。この主弁座35に上流側から対向して主弁体36が配置され、主弁座35とともに主弁を構成している。主弁体36は、その上流側からスプリング37によって閉弁方向に付勢されている。スプリング37は、主弁体36と反対側の端部をアジャストねじ38によって受けられている。アジャストねじ38は、その中央に冷媒流路33を構成する開口部を有し、その開口部にはストレーナ39が設けられている。また、主弁座35には、その上流側と下流側とを連通させる微小断面積を持った真空引き用孔40が穿設されている。
【0023】
主弁体36は、主弁座35の開口部を介して軸線方向に延びるシャフト41およびこのシャフト41の先端部に位置するパイロット弁座42と一体に成形され、その軸線位置には連通孔43が設けられている。パイロット弁座42の連通孔43には、パイロット弁体44が配置され、パイロット弁座42とともにパイロット弁を構成している。
【0024】
主弁座35の下流側の冷媒流路33には、主弁座35より大きな内径を有するシリンダが主弁の軸線と同一軸線上に形成され、そのシリンダ内には、ピストン45が軸線方向に進退自在に嵌挿配置されている。ピストン45は、パイロット弁座42の肩部に係止され、スプリング46により主弁の方向へパイロット弁座42を付勢している。このピストン45は、主弁側の冷媒流路33とその背面側の空間とが連通するよう断面積の小さなバイパス孔47が設けられており、さらに外周には2条のシール溝48が形成されている。
【0025】
ピストン45の上には、連通孔49を有する軸受50が配置され、ボディ31の上端に嵌合されたキャップ51によってボディ31内に固定されている。このキャップ51には、ソレノイド52が設けられている。
【0026】
ソレノイド52は、スリーブ53と、その中に軸線方向に進退自在に配置されたプランジャ54と、スリーブ53の上端部を塞ぐように固定配置されたコア55と、プランジャ54の軸線位置に貫通配置され、パイロット弁側が軸受50によって軸支され、上端部がコア55に形成された凹部に軸支されたシャフト56と、プランジャ54およびシャフト56を介してパイロット弁体44を閉弁方向に付勢するスプリング57と、スリーブ53の外側に配置された電磁コイル58とから構成されている。ここで、プランジャ54は、コア55側の端面に突起部59を有し、しかも、シャフト56を軸受50とコア55の凹部との2点支持にして外周面がスリーブ53の内壁とは接触しない構造にしている。
【0027】
このように構成された定差圧弁において、まず、電磁コイル58が通電されておらず、入口孔32に冷媒が導入されていないときには、図1に示したように、主弁体36はスプリング37によって主弁座35に着座され、主弁は閉じた状態にある。パイロット弁体44もまた、スプリング57によってパイロット弁座42に着座され、パイロット弁は閉じた状態にある。
【0028】
ここで、入口孔32に高圧の冷媒が導入されると、その圧力は、主弁体36およびシャフト41に形成された連通孔43を介してパイロット弁に供給される。パイロット弁の前後差圧がある値を越えると、図2に示したように、冷媒がパイロット弁体44を押し開き、ピストン45の背面側に圧力が導入されるようになる。これにより、ピストン45が主弁側に移動し、主弁体36を開弁方向へ駆動する。主弁が開くことにより、入口孔32に導入された冷媒が主弁を通って出口孔34に流出し、主弁の上流側の冷媒圧力が下がる。
【0029】
入口孔32に導入された冷媒の圧力が下がると、パイロット弁体44は、閉弁方向に移動する。これにより、ピストン45の背面側に導入される圧力が減少するため、ピストン45はソレノイド側へ移動し、これに伴って、主弁体36はスプリング37により閉弁方向へ付勢されるため、主弁は冷媒の流量を絞り、主弁の上流側の冷媒圧力を上げる。以上の動作を繰り返すことで、主弁の前後差圧が一定に制御される。
【0030】
また、電磁コイル58を通電すると、プランジャ54がコア55へ吸引され、パイロット弁体44を付勢しているスプリング57のばね力が減少され、パイロット弁の設定差圧を小さくする。電磁コイル58の通電電流値を増加すると、プランジャ54のコア55への吸引力が増加し、パイロット弁の差圧をさらに小さく設定することができる。
【0031】
図3はソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。
以上の構成の定差圧弁において、電磁コイル58に流す電流値を大きくすることにより、プランジャ54はコア55に吸引されて、ばね力を弱めるようになるため、図3に示したように、差圧を小さく設定することができ、逆に、電流値を小さくする程、差圧を大きく設定することができる。このようにして、ソレノイド52の電磁コイル58に流す電流値によってパイロット弁の前後差圧の設定が制御され、このパイロット弁の前後差圧に応じて、主弁もその前後差圧が一定になるように制御される。
【0032】
ここで、コア55側端面に突起部59を有するプランジャ54の吸引特性について説明する。
図4はプランジャとコアとの間のギャップに対する吸引力の変化を示す図である。
【0033】
比較のために従来のソレノイドに採用されている、コア側の端面が平らな、平プランジャの特性を破線で示してある。平プランジャは、その吸引力の特性曲線がギャップの大きさに反比例して指数関数的に減少する曲線を有している。これに対し、突起部59を有するプランジャ54は、実線で示したような特性曲線を有し、ギャップが変化しても吸引力があまり変化しない領域を有している。このため、平プランジャでは、プランジャ位置によって吸引力が変化し、それが定差圧性を損ねていたが、突起部59を有するプランジャ54では、ギャップの大きさに拘らず、吸引力をほぼ一定にできることから、パイロット弁の定差圧性をよくすることができる。また、プランジャ位置によって吸引力があまり変化しないため、パイロット弁体44を付勢しているスプリング57のばね定数を小さくすることができ、これがスプリング57の影響を小さくするため、パイロット弁の定差圧性をよくすることができ、結果として、主弁の定差圧性をよくすることができる。
【0034】
図5は設定された差圧に対する冷媒流量の変化を示す図である。
ソレノイド電流値をたとえば電流値Aにして、差圧をAに設定した場合、従来の平プランジャの場合は、パイロット弁体を付勢しているスプリングのばね定数を大きくしているため、ある冷媒流量を流すのに差圧を設定差圧Aより大きくしてやらないと流れないため、破線で示したように、特性的には曲線の傾斜が小さくなっていた。これに対し、突起部59を有するプランジャ54では、パイロット弁体44を付勢しているスプリング57のばね定数が小さいため、冷媒流量に関係なくほぼ一定の差圧になり、実線で示したように、傾斜の大きな特性曲線になり、この定差圧弁の定差圧性をよくすることができる。
【0035】
この特性は、ソレノイド電流値を変えた場合も同じであり、たとえば少ない電流値Bにして差圧をBにした場合にも同様の特性を得ることができる。
また、プランジャ54は、これを貫通するシャフト56が軸受50およびコア55に形成された凹部に軸支されており、スリーブ53とは接触しない構成にしている。これにより、プランジャ54が進退動作したとしても、軸受部での摺動抵抗のみとなる。したがって、プランジャ54が動くときの摺動抵抗を少なくすることができるため、プランジャ54の動きをスムーズにすることができる。
【0036】
図6は第2の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。図6において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0037】
この第2の実施の形態の定差圧弁は、パイロット弁および主弁の構成は第1の実施の形態のものと同じであるが、ソレノイド52の構成が異なっている。すなわち、スリーブ53内において、パイロット弁側にコア55が固定配置され、その反対側にプランジャ54が配置されている。コア55は、プランジャ54に貫通配置されたシャフト56を軸支する軸受機能を持たせている。スリーブ53の上端にはキャップ60が嵌合されており、このキャップ60は、シャフト56の軸受機能とスプリング57のばね受け機能とを有している。プランジャ54のコア55側端面には突起部59が形成され、これに対応してコア55の対向端面にはその突起部59を遊嵌するような凹部が形成されている。
【0038】
以上のように構成されたソレノイドを有する定差圧弁のソレノイド電流値に対する差圧の変化を図7に示す。
図7はソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。
【0039】
ソレノイド52を、パイロット弁側からコア55およびプランジャ54の順になるよう配置した構成にすることにより、電磁コイル58に流す電流値を大きくすると、プランジャ54はコア55に吸引されてパイロット弁体44が閉弁方向へ付勢される力が強くなり、図7に示したように、差圧を大きく設定することができ、逆に、電流値を小さくする程、差圧を小さく設定することができる。つまり、ソレノイド電流値に比例した差圧を得ることができる。
【0040】
図8は第3の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。図8において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0041】
この第3の実施の形態の定差圧弁は、パイロット弁、主弁およびソレノイド52の構成は第1の実施の形態のものと同じであるが、主弁を駆動するピストン45のシール構造が異なっている。すなわち、ピストン45の外周面に溝が周設されており、その溝にピストンリング61を嵌合してある。これにより、ボディ31とピストン45との間は、ピストンリング61によってシールされ、ピストン45の背面側の調圧室の冷媒をバイパス孔47を介して出口孔34側の低圧の冷媒流路33へ流すようにしている。
【0042】
図9は第4の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。図9において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0043】
この第4の実施の形態の定差圧弁は、パイロット弁を使用しない直接駆動式の定差圧弁を構成し、冷媒圧力の小さい冷凍サイクルに適用することができる。すなわち、入口孔32から出口孔34に連通する冷媒流路33の途中に、ボディ31と一体に弁座62が形成され、この弁座62に下流側から対向して弁体63が配置されている。この弁体63は、弁座62の開口部を通って流れる冷媒流量が多く、その冷媒により転動しないよう弁押し部材64によって保持されている。この弁押し部材64は、ピストン状の形状を有し、ボディ31内に形成されたシリンダ内をその軸線方向に進退自在に嵌挿配置されている。この弁押し部材64を収容するシリンダの近傍には、弁の下流側における圧力をすべて同じにするための連通孔65が穿設されている。
【0044】
弁押し部材64は、ソレノイド52によって駆動される。このソレノイド52においても、プランジャ54は、コア55側の端面に突起部59を有することにより、吸引曲線をギャップが変化しても吸引力があまり変化しないようにし、また、シャフト56を軸受50およびコア55の凹部の2点にて軸支することで、スリーブ53とは接触しない構成にして摺動抵抗を低減するようにしている。
【0045】
図10は第5の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。図10において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0046】
この第5の実施の形態の定差圧弁は、ピストンとコアとの相対位置を固定することにより吸引力が変化しないようにしたものである。パイロット弁および主弁の構成は、第1の実施の形態のものと同じであるが、ソレノイド52の構成が異なっている。
【0047】
すなわち、スリーブ53内には、プランジャ54および可動コア55aが軸線方向に進退自在に嵌挿配置されている。プランジャ54および可動コア55aを貫通するシャフト56は、軸受50とスリーブ53の上端に固着されたキャップ66との2点で軸支され、プランジャ54および可動コア55aは、スリーブ53の内壁面とは接触しないようにしている。また、可動コア55aとピストン45との間に、プランジャ54および軸受50の連通孔49を介してロッド67が配置され、キャップ66と可動コア55aとの間にスプリング68が設けられている。
【0048】
可動コア55aは、ロッド67を介してピストン45の上に載った形になっている。また、可動コア55aは、スプリング68によりピストン45の方に付勢されているため、ピストン45、ロッド67および可動コア55aは一体化されており、ピストン45の動きに追従して一緒に動くようになる。これは、ソレノイド52の電磁力に関係なく、ピストン45の動きに可動コア55aが追従して動く。
【0049】
ここで、電磁コイル58がある電流値で通電されていて、入口孔32に供給された冷媒の入口圧力と出口孔34における出口圧力との差圧を一定に制御しているとする。この状態で、入口圧力が上昇すると、その圧力は主弁体36の連通孔43を介してパイロット弁に導入される。すると、パイロット弁が開く方向に移動してプランジャ54がスプリング57のばね力と釣り合う位置まで移動する。一方、パイロット弁が開くことによりピストン45の背面に圧力が導入されてピストン45は主弁側に移動して主弁を開く方向に駆動する。このとき、ピストン45の移動に追従して可動コア55aが移動し、同時に、ピストン45の移動に追従して、プランジャ54、シャフト56およびパイロット弁体44も、プランジャ54と可動コア55aとの間隔を保ったままスプリング57のばね力により移動する。すなわち、この移動の間、プランジャ54と可動コア55aとの間のギャップは変化しないため、吸引荷重の変化がなく、定差圧性はよい。
【0050】
また、プランジャ54および可動コア55aを支持しているシャフト56は、これらをスリーブ53と接触しないよう軸受50およびキャップ66の凹部に軸支されているため、これらが軸線方向へ移動するときの摺動抵抗が小さく、制御性がよい。
【0051】
図11は第6の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図、図12はソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。図11において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0052】
この第6の実施の形態では、高圧の冷媒をパイロット作動式で制御する定差圧弁において、ソレノイドの電流値を変化させても差圧が所定値以上にならないようにしたもので、図1および図2に示した第1の実施の形態の定差圧弁に圧力逃し弁を付加した構成になっている。
【0053】
すなわち、図11に示したように、ボディ31に、主弁をバイパスするようにバイパス路69が形成され、そのバイパス路69の途中に、弁座70が形成されている。この弁座70の下流側には、弁座70に下流側から対向して弁体71が配置され、その弁体71を下流側からスプリング72によって閉弁方向に付勢している。このような構成にすることにより、圧力逃し弁を構成している。
【0054】
ソレノイドの電流値によって、主弁の差圧が小さいときには、スプリング72の付勢力によって圧力逃し弁は、閉じた状態を維持する。したがって、この定差圧弁は、第1の実施の形態の定差圧弁とまったく同じ動作をする。しかし、ソレノイドの電流値を小さくして、主弁の差圧を大きくなるよう設定していくと、所定の設定差圧以上で、圧力逃し弁が開き、入口孔32の圧力を出口孔34側へバイパスさせるので、差圧をそれ以上高くすることができなくなる。
【0055】
したがって、ソレノイド電流値に対する差圧の変化特性は、図12に示したように、ソレノイド電流の減少に従って差圧が大きくなる途中で、差圧の上昇を止めることができるため、この定差圧弁をあらかじめ決められた圧力の安全領域内でのみ動作させることができる。また、入口孔32に供給される冷媒圧力が異常に高圧になった場合にも、この圧力逃し弁の作用により出口孔34側へバイパスさせることができ、高圧破壊などの事故を未然に防止することができる。
【0056】
図13は第7の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。図13において、図1および図2に示した構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0057】
この第7の実施の形態により定差圧弁は、第6の実施の形態に係る定差圧弁が主弁側に圧力を逃す機構を設けたのに対し、パイロット弁側に圧力を逃す機構を設けている。
【0058】
すなわち、シャフト56とパイロット弁体44との間に所定値以上の高い圧力で動作するスプリング73を介挿配置している。このスプリング73は、軸受50に形成されている空間に配置された伝達部材74に収容されている。シャフト56の下端は、スプリング73を受けているプレート75に当接され、伝達部材74の下端は、パイロット弁体44を保持している。
【0059】
ここで、差圧が小さいときには、スプリング73の付勢力が大きいため、伝達部材74はリジッドな部材として作用し、この定差圧弁は、第1の実施の形態の定差圧弁とまったく同じ動作をする。圧力が高くなって、高圧がパイロット弁体44にかかると、パイロット弁体44は、スプリング73の付勢力に抗してシャフト56側に移動され、パイロット弁体44が開くようになる。すると、高圧がピストン45の背面側に導入され、ピストン45を主弁側に移動させて主弁を開き、高圧を出口孔34の低圧側へ逃して圧力を低下させる。これにより、たとえ差圧弁に許容耐圧以上の圧力がかかったとしても、圧力を逃して圧力を下げるように作用するので、破壊などの事故を防止することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、差圧を設定するソレノイドにおいて、プランジャのコア側端面に突起部を有する構成にした。これにより、プランジャの位置によって変化する吸引荷重の変化量を小さくすることができ、定差圧性をよくすることができる。また、プランジャを保持するシャフトを軸受で軸支してプランジャをスリーブと接触させないような構成にした。これにより、プランジャがスリーブに接触しながら制御することがなくなるため、摺動抵抗を小さくすることができ、制御性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の閉弁状態での構成例を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の開弁状態での構成例を示す断面図である。
【図3】ソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。
【図4】プランジャとコアとの間のギャップに対する吸引力の変化を示す図である。
【図5】設定された差圧に対する冷媒流量の変化を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図7】ソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。
【図8】第3の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図9】第4の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図10】第5の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図11】第6の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図12】ソレノイド電流値に対する差圧の変化を示す図である。
【図13】第7の実施の形態に係る本発明の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【図14】従来の定差圧弁の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
31 ボディ
32 入口孔
33 冷媒流路
34 出口孔
35 主弁座
36 主弁体
37 スプリング
38 アジャストねじ
39 ストレーナ
40 真空引き用孔
41 シャフト
42 パイロット弁座
43 連通孔
44 パイロット弁体
45 ピストン
46 スプリング
47 バイパス孔
48 シール溝
49 連通孔
50 軸受
51 キャップ
52 ソレノイド
53 スリーブ
54 プランジャ
55 コア
55a 可動コア
56 シャフト
57 スプリング
58 電磁コイル
59 突起部
60 キャップ
61 ピストンリング
62 弁座
63 弁体
64 弁押し部材
65 連通孔
66 キャップ
67 ロッド
68 スプリング
69 バイパス路
70 弁座
71 弁体
72 スプリング
73 スプリング
74 伝達部材
75 プレート

Claims (6)

  1. 弁の前後の差圧がソレノイドにより設定された一定の差圧になるよう流量を制御する定差圧弁において、
    前記ソレノイドは、スリーブ内に進退自在に配置されたプランジャと固定配置されたコアとを有し、前記プランジャの前記コア側の端面に突起部が設けられ、前記コアの前記突起部に対向する端面に前記突起部に対応する凹部が設けられており、
    高圧の流体が流れる流路内に形成された主弁座に対向して前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に主弁体が配置された主弁と、前記主弁の下流側に前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に配置され前記主弁体を駆動するピストンと、前記主弁の上流側に連通され前記主弁体と一体に形成されたパイロット弁座に対向して前記ピストンの背面側に前記プランジャを支持するシャフトによって駆動されるパイロット弁体が配置されたパイロット弁とを有することを特徴とする定差圧弁。
  2. 弁の前後の差圧がソレノイドにより設定された一定の差圧になるよう流量を制御する定差圧弁において、
    前記ソレノイドは、スリーブ内に進退自在に配置されたプランジャおよび可動コアを有し、
    高圧の流体が流れる流路内に形成された主弁座に対向して前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に主弁体が配置された主弁と、前記主弁の下流側に前記プランジャと同一軸線方向に進退可能に配置され前記主弁体を駆動するピストンと、前記主弁の上流側に連通され前記主弁体と一体に形成されたパイロット弁座に対向して前記ピストンの背面側に前記プランジャを支持するシャフトによって駆動されるパイロット弁体が配置されたパイロット弁とが同一軸線上に配置され、
    前記可動コアは、前記ピストンとの間隔を一定に保ちながら前記ピストンと一体になって前記スリーブ内に前記軸線方向に進退可能に配置されていることを特徴とする定差圧弁。
  3. 前記プランジャは、両端を軸受によって軸線方向に進退自在に軸支されたシャフトに支持されて前記スリーブとは接触しないようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の定差圧弁。
  4. 前記可動コアは、前記シャフトに軸線方向に進退自在に支持されて前記スリーブとは接触しないようにしたことを特徴とする請求項2記載の定差圧弁。
  5. 前記主弁をバイパスするバイパス通路に下流側からスプリングによって付勢された弁体を有する、高圧回避用の圧力逃し弁を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の定差圧弁。
  6. 前記パイロット弁体と前記シャフトとの間に高圧回避用のスプリングを介挿配置したことを特徴とする請求項1記載の定差圧弁。
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