JP4150788B2 - 徐放性香料担持樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、徐放性香料担持樹脂粒子及びその製造方法に関し、より詳細には、液体香料成分が、樹脂に安定に担持され、その香気が、持続して放出する徐放性に優れる徐放性香料担持樹脂粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
古今東西の昔から、我々人間は、生活する環境において、嫌気性、好気性を問わずサマザマな臭気を感知しながら生活している。その臭気が、悪臭又は異臭として、周囲に嫌悪感、不快感を及ぼすような場合には、その臭気を分解させたり、又は香気な成分を漂わせてマスキング又は希釈させる等の手段で軽減又は遮断させる。また、我々は、その生活環境においてサマザマな好気な臭気を漂わせて、生活環境を和ませながら生活を楽しむ習慣又はそのような知恵を持ち合わせている。近年は、このような生活習慣は、特に精神的にリラクゼイションを与えるだけでなく、肉体的にも健康体を維持させるためから必要であるとも言われている。
【0003】
我々は、日常、このような好気性成分としてサマザマな香料を含有する製品を生活必需品として利用している。例えば、石鹸、シャンプー、歯磨き剤、化粧品、整髪料、洗剤、入浴剤、各種の芳香剤又は各種のレトルト食品の香気香味添加剤等が挙げられ、これらに使用されている香料は、通常、液状か、固形状であって、その単体を含有する分散体として又はその単体を担持する複合体として利用されている。
【0004】
この香料は、蒸発又は昇華することで香気を発散(又は放出)させるものであるから、これらの香料をできるだけ持続させて蒸発又は華昇させるために、従来から、吸収、浸透、吸着、吸蔵させる各種の支持体に香料成分を担持させて使用されている。例えば、特開昭60−18171号公報には、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリスチレン、ポリエチレン等の香料含浸用の熱可塑性樹脂と、各種の無機多孔質体の香料含浸用の担体とからなる複合含浸体が記載されている。
【0005】
また、特開平3−41197号公報には、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニール等の水不溶性重合体単体に香料を分散させたコア粒子の外表面を脆砕性物質でシェル状に被覆(カプセル化)させた香料入りカプセル粒子が記載されている。
【0006】
また、特開平11−106629号公報には、分子量が5000〜100万であるランダム又はブロック共重合ポリエステルからなる生分解性樹脂に、溶融混練、浸漬等で香料を含有させた香料含有徐放性生分解性樹脂組成物が記載されている。
【0007】
更には、特開平10−17846号公報には、親水性多孔質体のセルロースビーズ等の細孔内に、レモン油、ラベンダー油、ジャスミン油、シトロネロール、メントール、ヒノキ油、キンモクセイ抽出油等の液体香料を、ワックス、高級アルコール、高級脂肪酸、シュガーエキス等の疎水性物質と一緒に混練させてその細孔内に吸蔵させた徐放性香料が記載されている。
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況にあって、上述する公報例にも記載されているように、従来から各種の香料を支持体に担持させて、その香気を持続させて放出させる徐放性香料担持剤が提案されている。しかしながら、香気を持続させて放出させるために、担持させた香料に徐放性を賦与させようとすると、その香料自体の香調を変調させたり、また担持量を低下させたり、更には香料分散マトリックスとして担持させることから、その香気成分の濃度(又は香気の強さ)が弱められてしまう傾向があった。
【0008】
また、特にその香料が液体である場合には、支持体に担持させて徐放性を賦与させようとすると、例えば、既に上述した特開平10−17846号公報に記載されている如く、液体の香料を、ワックス等の熱可塑性物中に分散固定させたワックス・マトリックスとして、支持体の細孔内に吸蔵(封じ込める)させる提案の如く、ワックス、高級アルコール等の疎水性物質の加温下又は混練下に包接固定させたり、また、特開昭60−18171号公報の提案のように、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリスチレン、ポリエチレン等の香料含浸用の熱可塑性樹脂に、溶融混練、又は浸透させて固定させることになる。
【0009】
しかしながら、このような担持方法では、液体香料の香気を変調させてしまう傾向を完全に解消できないばかりか、また、香気成分(香料)の担持濃度を高めることが、極めて困難である。従って、従来から種々の徐放性香料担持体が提案されているが、特に、液体香料を支持体に安定に担持させて香気を持続させて放出させる徐放性担持体としては、未だ充分に満足されるには至っていないのが実状である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、液体香料を支持体に安定に担持させ、担持させた香料の香気を変調させず、担持量・担持濃度が高められ、しかも、香気を持続させて放出できる徐放性に優れる徐放性香料担持樹脂粒子及びその簡便な製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した課題に鑑みて、鋭意検討した結果、単体香料又は調香組成物の複合液体香料において、その香料成分が単体又はその単体数種の調香香料における成分のほとんどが、OH基等の極性基(又は官能基)を持っていることに着目し、例えば、支持体面との間で、水素結合等を介して液体香料を包接固定させようと試みた。そこで、OH基を有するモノマーを共重合させてOH基が導入された樹脂粒子に、液体香料を塗し処理させたところ、その液体香料が安定に担持されることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明によれば、被担持体樹脂粒子に、液体香料が安定に担持されて、香気を持続させて漂わせる徐放性に優れることを特徴とする徐放性香料担持樹脂粒子を提供する。 このような特性を発揮する本発明による被担持体樹脂粒子は、その表層及び/又はその粒子内にOH基が、0.1〜20重量%の範囲で介在しているのが特徴である。その結果、通常の液体香料が、この被担持体樹脂粒子の表層及び/又は表層近傍内に安定に担持されて、その香気(香り)を持続させて徐放させるものである。 すなわち、後述する実施例から理解される如く、70℃×10時間の恒温槽雰囲気曝露後の担持香料成分の残量(%)で表す徐放性が、60重量%以上の担持量を保持していることから、本願発明による被担持体樹脂粒子は、担持香料成分の徐放性に優れていることが評価される。
このような本発明における好適な被担持体樹脂粒子としては、例えば、アクリル系モノマーとヒドロキシビニルモノマーとからなる共重合体、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとヒドロキシビニルモノマーとからなる共重合体を提供することができる。
【0013】
また、本発明によれば、上述する香気を持続させて放出(漂わせる)させる徐放性香料担持体は、アクリル系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(A)、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(B)なる被担持体樹脂粒子を用いて、これらの被担持体樹脂粒子を転動する系に、後記する所定の液体香料を添加させて、塗(まぶ)し処理をすることを特徴とする徐放性に優れる香料担持樹脂粒子の製造方法を提供する。
【0014】
すなわち、これらの被担持体樹脂粒子は、重量基準で表わして、アクリル系モノマー、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの総和:OH基を有する重合性モノマー=100:1〜80の範囲で、共重合させて得られる共重合体樹脂粒子である。このように得られる被担持体樹脂粒子の表層及び/又はその内部には、OH基が0.1〜20重量%の範囲で介在するように調製されている。
次いで、この被担持体樹脂粒子を転動させている系に、注加された後記する所定の液体香料は、転動下に充分に塗(まぶ)し処理されて、被担持体樹脂粒子の外表層及び/又はその表層近傍内に安定に担持される。
【0015】
<作用>
本発明による香気を持続させて放出させる徐放性に優れる香料担持樹脂粒子は、既に上述する如く、液体香料を担持させている樹脂粒子が、例えば、アクリル系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとを、共重合されて得られる樹脂粒子を液体香料の被担持体樹脂粒子としていることが特徴である。また、このように調製する被担持体樹脂粒子は、その粒子の表層及び/又はその内部には、OH基が0.1〜20重量%の範囲で介在していることが特徴である。これによって、被担持体樹脂粒子に担持される液体香料は、その香料が有するOH基等の極性基(又は官能基)と、この粒子の外表層及び/又はその粒子の表層近傍内に介在するOH基と間で及ぼし合うと思われる水素結合等が関与して液体香料を安定に担持させていると理解される。
【0016】
本発明における上述する作用に関して、その詳細は不明であるが、その液体香料を、上述する被担持体樹脂粒子に担持させる方法である塗し処理下における液体香料との単なる物理的な接触処理であるにもかかわらず、後述する実施例の事実から明らかなように、単なる物理的な浸透等による吸蔵、被覆では得られない程の担持性の安定度を有している。以上から、本発明においては、粒子の外表層及び/又はその粒子の表層近傍内に介在するOH基と間に及ぼす両者間の作用としての水素結合等の関与が推定され、両者間には、半結合状態が形成されていることから、従来の単なる物理的な浸透及び吸蔵に比べて液体香量を安定に担持させ、しかも、その調香を全く変調させないで担持させるものと理解される。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による徐放性香料担持樹脂粒子及びその製造方法の実施の形態について説明する。
【0017】
このようにして調製される共重合体としての本発明による被担持体樹脂粒子は、特にその重合反応性モノマー種には限定されないが、本発明においては、好ましくは、アクリル系モノマーと、又はアクリル−スチレン系モノマーと、被担持体樹脂粒子の表層及び/又はその粒子内部にOH基を導入させるため、それぞれヒドロキシビニルモノマー等のOH基を有する重合反応性モノマーとの共重合体を挙げることができる。
【0018】
そこで、アクリル系モノマーとヒドロキシビニルモノマーとの系においては、その反応モノマーが、重量基準で表わしてアクリル系モノマー:ヒドロキシビニルモノマー=100:1〜80重量部の範囲において適宜好適に得られる。このヒドロキシビニルモノマーの反応量が、下限値以下では香料を充分に担持させることが困難であって、また、所望する徐放性を有する香料担持体が得られない。一方、上限値を超える反応量では、ヒドロキシビニルモノマーに重合物が可溶性となり安定な樹脂粒子が形成されない傾向にある。従って、好ましくは、そのヒドロキシビニルモノマー割合は、100:5〜70重量部の範囲にあり、特に好ましくは、100:9〜50重量部の範囲にあれば、樹脂粒子の安定性及び香料の担持量、その担持性等から望ましい。また、本発明において、ヒドロキシビニルモノマーの割合が、50重量部を超えてもその割には、香料の担持量を増加させるものではなく、単に経済的に不利になる傾向にある。
【0019】
また、本発明において、この被担持体樹脂粒子を形成する反応モノマーが、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの合量と、ヒドロキシビニルモノマーとの系においては、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの合量が、重量基準で表わしてアクリル系モノマー:スチレン系モノマー=10〜90:90〜10の範囲において、ヒドロキシビニルモノマーを1〜80重量部の範囲において得られる共重合体樹脂粒子が適宜好適に徐放性香料担持樹脂粒子として用いることができる。本発明においては、既に上述した、アクリル系モノマーとヒドロキシビニルモノマーとの場合と同様の理由から、アクリル系モノマーとスチレン系モンマーとの合量100重量部に対するヒドロキシビニルモノマーの反応量は、好ましくは、5〜70重量部の範囲であって、特に好ましくは9〜50重量部の範囲にあることが望ましい。
【0020】
そこで、本発明におけるアクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリールエステル類、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル類、多価アクリル酸エステル類、脂環式アルコールのメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
【0021】
これらのモノマーの種類に係わっては、特に限定することなく適宜好適に選択使用することができるが、本発明においては、原料として比較的に低廉で、しかも、モノマー種が多く、強度等の特性を所望する値にコントロールし易い等の観点から、好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の単独又は(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を主成分にして、他のアクリル系モノマー類の少なくとも1種を適宜好適に組合わせて使用することができる。
【0022】
そこで、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類に他のモノマー類を組合わせて使用する場合、その配合割合は、香料担持体の用途、発現させる特性にもよるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の100重量部に対して、他のアクリル系モノマー類の少なくとも1種を10〜100重量部の範囲で適宜用いることができる。
【0023】
また、被担持体樹脂粒子であるアクリル系重合体樹脂粒子は、強靭なゲルを形成するに足る分子量を有するべきであって、本発明においては、通常、8万〜150万の範囲にあれば適宜好適であり、好ましくは10万〜120万の範囲にあればよく、特に下限値の8万以下では、ヒドロキシビニルモノマー系において重合物が溶解し、一方、上限値を超えても、反って香料の担持性及び徐放性の観点から望ましくない。
【0024】
また、本発明においては、アクリル系樹脂粒子の重合段階で(粒子形成において)、必ずしも架橋構造を導入させる必要がないが、非架橋体であっても又架橋体であってもよいが、液体香料の担持性、また、その香気を持続させて徐放させる観点から、好ましくは微架橋体であって、特に好ましくは非架橋体であることが望ましい。
【0025】
そこで、これらのアクリル系モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等のアクリル酸アルキルエステルが挙げられ、これらの単独又は少なくとも2種の複合モノマーを適宜用いることができる。
【0026】
また、本発明においては、上記アクリル系モノマーと共重合できる他のビニル系モノマーとして、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,n−酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,ピバリン酸ビニル,カプロン酸ビニル,パーサティック酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、塩化ビニリデン、クロロヘキサンカルボン酸ビニル、アクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸−2−クロロエチル等が挙げられる。また、アクリル酸シクロヘキシル等の脂環式アルコールのアクリル酸エステルや、メタクリル酸シクロエキシル等の脂環式アルコールのメタクリル酸エステル等が挙げられる。このような他のモノマーを併用させて被担持体樹脂粒子を製造する場合に、アクリル系モノマー100重量部当りに対して、これらその他のモノマーを、アクリル系重合体の特性を損なわない限りにおいて、通常、100重量部以下で、好ましくは、0.1〜50重量部の範囲で適宜使用することができる。
【0027】
また、本発明において、スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン,メチルスチレン,ジメチルスチレン,トリメチルスチレン,エチルスチレン,ジエチルスチレン,トリエチルスチレン,プロピルスチレン,ブチルスチレン,ヘキシルスチレン,ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等のアルキルスチレン,フロロスチレン,クロルスチレン,ブロモスチレン,ジブロモスチレン,クロルメチルスチレン等のハロゲン化スチレン,ニトロスチレン,アセチルスチレン,メトキシスチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができる。
【0028】
また、本発明における水酸基(OH;ヒドロキシル基)を含有する重合反応性モノマーとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル,アクリル酸2−ヒドロキシプロピル,1,1,1-トリヒドロキシメチルエタントリアクリレート,1,1,1-トリスヒドロキシメチルメチルエタントリアクリレート,1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート;ヒドロキシビニルエーテル,ヒドロキシプロピルビニルエーテル,ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、本発明においては、これらの単独又は2種以上の複合モノマーを適宜好適に使用することができる。
【0029】
また、本発明においては、重合性不飽和基を複数個(2〜6個)有するヒドロキシル基含有重合性多官能モノマーも適宜好適に使用することができ、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0030】
また、本発明においては、必要に応じて本発明による被担持体樹脂粒子の表面又は粒子内部に介在させる水酸基(OH基)の他に、例えば、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基等の官能基を導入させることができる。本発明においては、これらのOH基以外のその他の官能基の導入は、香料を担持させる担持体樹脂として、導入された官能基を有するモノマー自体が有する固有臭に起因して、少なくともその担持香料の調香を変調させない限りにおいて、上述するOH基以外のその他の官能基をOH基に併せて適宜導入させることができる。
【0031】
そのような官能基を有するモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、また、これらの誘導体として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピル、マレニルイミド等が挙げられる。また、例えば、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタアクリル酸グリシジルエーテル、アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、メタアクリル酸−2−エチルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびグシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびアルキルグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等のエポキシ基含有重合性モノマーが挙げられ、また、例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアリルアミン系誘導体、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレンなどのアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミド等のアミノ基含有エチレン性不飽和結合を有するモノマーが挙げられる。
【0032】
本発明による液体香料を担持させて、香気を持続させて漂わせる徐放性に優れる香料担持樹脂粒子の被担持体樹脂粒子は、既に上述したアクリル系モノマーと、又はアクリル−スチレン系モノマーとそれぞれヒドロキシビニルモノマーとの共重合体として、既に上述したモノマーを液相で反応させることにより適宜製造することができる。この液相反応で用いられる反応媒体としては、水、水溶性の有機溶媒、又は上述したモノマー種を液相で水性媒体に分散させる乳化剤及び分散安定剤等を用いることができる。
【0033】
これらの反応方法としては、通常の乳化重合、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、またはシード重合等を挙げることができる。例えば、乳化重合においては、その乳化剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ビニル基、アクリロイル基、アリル基等の反応性基を有する反応性乳化剤、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩等の水溶性高分子化合物、これらの乳化剤や分散安定化剤を、アクリル系モノマー等の反応モノマー100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部の量で使用される。
【0034】
これらの方法で製造される本発明による被担持体樹脂粒子の平均粒子径は、通常、体積基準で表わして0.1〜100μmの粒子を適宜好適に調製することができる。本発明においては、その液体香料の担持の安定性、その担持量等が香料担持樹脂粒子の用途によっても相違することから、その粒子径は、好ましくは0.5〜60μm、特に好ましくは2〜20μmであれば適宜好適に使用することができる。また、特に、所望する粒子径及びその均斉度を求める場合には、通常、乳化重合法にあっては、乳化剤の種類及びその添加量等に影響され、ソープフリー乳化重合法にあっては、分散安定剤として界面活性剤等を用いずに水系の反応媒体中に、溶解したモノマーを、水溶性開始剤により攪拌混合下に重合させることから、一般的に、その粒子径は、溶解度の高いモノマーにおいて、生成する粒子径が小さくなり、溶解度の低いモノマーにおいて、その粒子径が大きくなる傾向にある。本発明においては、好ましくは、懸濁重合法において、油溶性重合開始剤を溶解する反応モノマーに、乳化剤を溶解する水性媒体を所定の攪拌速度・加温下に介在させて、液体香料の担持性に優れる所望する粒子径を有する本発明による被担持体樹脂粒子である重合体樹脂粒子の分散液(エマルジョン)を適宜容易に調製することができる。
【0035】
本発明においては、このように得られた被担持体樹脂粒子は、その粒子表面及び/又はその内部には、0.1〜20重量%の範囲で、所定量のOH基を有している。本発明においては、この被担持体樹脂粒子を転動させている系に、所望の液体香料を注加させながら転動させることで、充分に塗し処理がされて、添加された液体香料の略全量を、被担持体樹脂粒子の表層及び/又は表層近傍内に担持される。本発明においては、その用途によっても異なるが、この被担持体樹脂粒子100重量部当り、所望の液体香料を0.1〜50重量部の範囲で担持された、徐放性香料担持樹脂粒子を製造することができる。
【0036】
本発明において用いられる液体香料としては、例えば、環状エーテル類、ケトン類、アルコール類、ラクトン類、エステル類、アルデヒド類等の芳香単体、植物性天然香料、イランイラン様調合香料、シクラメン様調合香料、フローラル様調合香料、バイニードル様調合香料、ヒバ油様調合香料、柑橘系様調合香料等を挙げることができる。
【0037】
<各種の芳香単体として>
環状エーテル類としては、ヘキサメチルヘキサヒドロシクロペンタベンゾピラン,ローズオイサイド;ケトン類としては、α−イソメチルイオノン;アルコール類としては、ジピロピレングリコール,シス−3−ヘキセノール,リナロール,ジヒドロファルネソール;ラクトン類としては、デカラクトン,γ−ウンデカラクトン;エステル類としては、酢酸ゲラニル,酢酸イソボルニル,サルチル酸ヘキシル;アルデヒド類としては、シトロネラール,α−ヘキシルシンナミックアルデヒド,p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を調香させて使用することができる。
【0038】
<植物性香料としては>
ヒノキチオール,アルモオゼ,レモン,ライム,オレンジテルペン,ローズマリー,ラベンダー,ジャスミン等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を調香させて使用することができる。
【0039】
<天然抽出精油としては>
ヒバ油,ヒノキ油,竹エキス,ヨモギエキス,キリ油,キンモクセイ油,ツバキ油,ユーカリ油等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を調香させて使用することができる。
【0040】
<合成香料としては>
ピネン,リモネン,カンフェン,テルビノーレン;リナノール,ゲラニオール,シトロネロール,メントール;シトラール,バニリン,ベンズアルデヒドケトン;カルボン,メントン,ベンゾフェノン,クマリン;アニソール,チモール,オイゲノール,アネトール;安息香酸,恒産桂皮酸,ヒドロ桂皮酸,フェニル酢酸;酢酸エチル,酢酸ゲラニル,プロピオン酸イソアミル等が挙げられ、これらの単独又は2種以上を調香させて使用することができる。
【0041】
また、通常、これらの各種の芳香単体、植物性香料、天然抽出精油及び合成香料等を適宜調香させて各種の香気を発する所定の調合香料を調製することができ、以下に公知の調合香料例を挙げるが、その他ゼラニウム様調合香料、イランイラン様調合香料、シクラメン様調合香料、フローラル様調合香料、バイニードル様調合香料、ヒバ油様調合香料等を挙げることができ、本発明において、これらの一例である調香液体香料も適宜使用することができる(下記の括弧内は、重量部数を示す)。
【0042】
<ローズ様調合香料>
リモネン(20)、リナロール(70)、ウンデシレニックアルデヒド(30)、シトロネロール(250)、ゲラニオール(200)、ヒェニルエチルアルコール(200)、ヒドロキシシトロネロール(20)、n−ヘキシルアルコール(40)、t−2−ヘキセニルッセテート(30)、t−2−ヘキセノール(60)、エチルカプロエート(30)、フェニルエチルフェニルアセテート(30)、フェニルエチルアセテート(20)である。
【0043】
<キンモクセイ様調合香料>
メチルジヒドロジャスモネート(20)、γ−デカラクトン(20)、α−イオノン(50)、ベンジルアルコール(50)、ゲラニオール(80)、リナロール(250)、シス−3−ヘキセニルイソバレレート(10)、リナロールオキサイド(80)、ノニルアルデヒド(20)、n−ヘキシルアルコール(90)、アミルプチレート(160)、エチルカプロエート(30)、シス−3−ヘキセノール(100)、エチルエナンテート(40)である。
【0044】
また、本発明による徐放性香料担持樹脂粒子には、必要に応じてそれ自体公知のその他の添加剤(配合剤)である、例えば、充填剤、消泡剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗菌・防カビ剤、蛍光剤、染料、顔料等をそれ自体公知の処方によって配合することができる。これらの添加剤の添加量は、その用途によっても異なり、特に限定されないが、担持させた香料の調香の変調、その担持量及びその徐放性の低下等を来さない範囲において添加することができる。
【0045】
また、本発明による徐放性香料担持樹脂粒子の用途及びその使用方法としては、それ自体そのまま芳香剤として、懸濁分散液として、練り込んでクリーム状又はペースト状として、繊維に紡糸させて、更には、各種のフィルム又はテープ等の成形体上にファッション塗膜として、香気を賦与させる商品等に広汎に使用することができる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
実施例1
コンデンサー、窒素ガス導入管、温度計、撹拌装置を備えた容量1リットルの四つ口丸底フラスコに、アクリル系モノマーであるメチルメタアクリレート(MMA)[の(A)成分のメタクリル酸アルキルエステルであるメタクリル酸メチル(MMA)]の100重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)の10重量部と、過酸化物開始剤であるパーロイルL(ラウリルパーオキサイド、日本油脂(株)製)の2重量部を注加させて全体を溶解させる。更に、乳化剤であるポリビニルアルコール(PVA−420、(株)クラレ製)の5%水溶液の40重量部と、重合禁止剤の亜硝酸ナトリウムの0.1重量部と、水200重両部を添加し、攪拌下で10分間混合した。
次いで、充分に窒素パージをした後、攪拌下に加温させて、75℃×2時間反応させ、つづいて90℃×2時間反応させて、重合体樹脂粒子の分散液を得た。得られた重合体樹脂粒子の体積基準の平均粒子は、20μmで、略真球状の粒子であった。また、反応分散液中の固形分濃度が33%であったことから、反応モノマーの略全量が重合体樹脂粒子として固形分化していると言える。
次いで、このエマルジョン(重合体樹脂粒子の分散液)を濾過、乾燥させて、本発明による被担持体樹脂粒子であって、OH基量が1.3重量%を有する球状樹脂粒子の試料NO−1を得た。
この試料NO−1を3等分して、それぞれ乳鉢内に入れて、100重量部当り、液体香料(TF−17576、アイエフエフ日本(株)製)をそれぞれ10、20、40重量部を添加させて、転動させながら15分間塗し処理を行って液体香料を担持させた本発明による徐放性香料担持樹脂粒子のそれぞれ試料1A、試料1B、試料1Cを調製した。なお、この塗し処理によって、特に液体香料40重量部を添加させた試料1Cにおいても、略全量の香料が担持されていた。また、担持前後の液体香料の調香に変調がなかった。
【0048】
<徐放性の評価>
得られた試料1A、1B、1Cについて、70℃の恒温槽内に10時間放置させた後、それぞれ、重量減を測定した結果、それぞれの香料分の残量は、85%、78%、70%であった。また、その前後の香気の感応性を定性的に5人のパネラーによって、評価したが、何れのパネラーもほとんど差を感じなかった。
<担持性>
得られた試料1A、1B、1Cを水中に24時間浸漬させた後、脱水、風乾させたものの香気について、多少減退しているものの、その臭気は持続して放出している。
【0049】
実施例2
実施例1において、体積基準での平均粒子径が、それぞれ3μmと10μmになるようにそれぞれ実施例1よりも早い攪拌速度下に変えた以外は実施例1と同様にして本発明による被担持体樹脂粒子で、OH基量がそれそれ1.3重量%、1.3重量%を有する球状樹脂粒子の試料NO−2、−3を得た。以下、実施例1と同様にして、それぞれ香料5重量部、30重量部を担持させた本発明による徐放性香料担持樹脂粒子のそれぞれ試料2D、試料3Eを調製した。
<徐放性の評価>
得られた試料2D、3Eについて、70℃の恒温槽内に10時間放置させた後、それぞれ、重量減を測定した結果、それぞれの香料分の残量は、85%、78%であった。また、その前後の香気の感応性を定性的に5人のパネラーによって、評価したが、何れのパネラーもほとんど差を感じなかった。
【0050】
実施例3
実施例1で使用したフラスコに、MMA重量部/スチレン重量部が、それぞれ90/10、50/50、20/80について、2−HEMAをそれぞれ80、10、2重量部と、過酸化物開始剤であるパーロイルL(ラウリルパーオキサイド、日本油脂(株)製)の2重量部を注加させて全体を溶解させる。更に、乳化剤であるポリビニルアルコール(PVA−420、(株)クラレ製)の5%水溶液の40重量部と、重合禁止剤の亜硝酸ナトリウムの0.1重量部と、水200重両部を添加し、実施例1と同程度の攪拌下で10分間混合した。
次いで、充分に窒素パージをした後、攪拌下に加温させて、75℃×2時間反応させ、つづいて90℃×2時間反応させて、重合体樹脂粒子の分散液を得た。得られた重合体樹脂粒子の体積基準の平均粒子は、20μmで、略真球状の試料粒子であった。また、反応分散液中の固形分濃度が32%であったことから、反応モノマーの略全量が重合体樹脂粒子として固形分化していると言える。
次いで、このエマルジョン(重合体樹脂粒子の分散液)を濾過、乾燥させて、本発明による被担持体樹脂粒子で、OH基量がそれぞれ10.4重量%、1.3重量%、0.26重量%を有する球状樹脂粒子の試料NO−4、−5、−6を得た。
以下、実施例1と同様にして、それぞれ香料45重量部、30重量部、5重量部を担持させた本発明による徐放性香料担持樹脂粒子のそれぞれ試料4F、試料5G、試料6Hを調製した。
【0051】
<徐放性の評価>
得られた試料4F、5G、6Hについて、70℃の恒温槽内に10時間放置させた後、それぞれ、重量減を測定した結果、それぞれの香料分の残量は、70%、76%、85%であった。また、その前後の香気の感応性を定性的に5人のパネラーによって、評価したが、何れのパネラーもほとんど差を感じなかった。
【0052】
比較例1
実施例1において、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)の代わりにカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸を用いた以外は、実施例1と同様にして球状樹脂粒子を調製し、実施例1と同様にして液体香料を10重量部を担持させた後、同様にして、70℃の恒温槽内に10時間放置させて徐放性を評価したが、その香料分の残量は、9%であった。
【0053】
【発明の効果】
以上から、本発明によれば、その粒子の表層及び/又はその粒子内部に介在するOH基を介することで、従来法に比べて著しく簡便な単なる物理的処理である液体香料の担持法として塗し処理法によって、液体香料が、安定に担持されて、その香気を持続させて徐放させることができる本発明による被担持樹脂粒子を提供することができる。
【0054】
また、このような被担持樹脂粒子を用いることによって、粒子の外表層及び/又はその粒子の表層近傍内に介在するOH基と間に及ぼす液体香料との両者間の作用として、水素結合等が関与し、両者間には、半結合状態として関与することから、単なる物理的担持法にもかかわらず、しかも、従来法に比べても、液体香量が安定に担持されて、しかも、その調香を全く変調させない徐放性に優れる液体香料担持樹脂粒子を提供することができる。
Claims (4)
- 被担持体樹脂粒子に担持される液体香料を持続させて香気を漂わせる徐放性に優れる香料担持樹脂粒子において、
前記被担持体樹脂粒子は、アクリル系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(A)、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(B)であって、
前記アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
前記スチレン系モノマーは、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロルメチルスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、α−メチルスチレンからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
前記OH基を有する重合性モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
且つ重量基準で表して、前記共重合体(A)においてはアクリル系モノマー100重量部当たりに対し、又は前記共重合体(B)においてはアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの総和で100重量部当たりに対し、前記OH基を有する重合性モノマーが1〜80重量部との共重合体樹脂粒子であって、
且つ前記液体香料は、環状エーテル類の芳香単体、ケトン類の芳香単体、アルコール類の芳香単体、ラクトン類の芳香単体、エステル類の芳香単位、アルデヒド類の芳香単体、植物性天然香料、イランイラン様調合香料、シクラメン様調合香料、フローラル様調合香料、バイニードル様調合香料、ヒバ油様調合香料、柑橘系様調合香料のいずれからなり、
且つその共重合体樹脂粒子の表層及び/又はその内部に、OH基が0.1〜20重量%の範囲で介在してなる前記被担持体樹脂粒子の表層及び/又は表層近傍内に、前記被担持体樹脂粒子100重量部当り、前記液体香料が0.1〜50重量部の範囲で担持され、
且つ70℃×10時間の恒温槽雰囲気曝露後の担持香料成分の残量(%)で表す徐放性値が、60重量%以上であることを特徴とする徐放性香料担持樹脂粒子。 - 前記アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの合量重量比が、10〜90:90〜10の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の徐放性香料担持樹脂粒子。
- 前記被担持体樹脂粒子の体積基準で表わされる平均粒子径が、0.1〜100μmの範囲にある球状粒子であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の徐放性香料担持樹脂粒子。
- アクリル系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(A)、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとOH基を有する重合性モノマーとからなる共重合体(B)である被担持体樹脂粒子に担持される液体香料の香気を持続させて漂わせる徐放性値が、「70℃×10時間の恒温槽雰囲気曝露後の担持香料成分の残量(%)」で表して60重量%以上である徐放性に優れる香料担持樹脂粒子の製造方法において、
前記アクリル系モノマーは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
前記スチレン系モノマーは、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロルメチルスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン、α−メチルスチレンからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
前記OH基を有する重合性モノマーは、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレートからなる群の単独又は少なくとも2種の複合モノマーであって、
重量基準で表わして、[アクリル系モノマー、又はアクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの総和]:[OH基を有する重合性モノマー]=100:1〜80の範囲でこれらのモノマーを共重合させ、得られる前記共重合体(A)又は前記共重合体(B)であるそれぞれの前記被担持体樹脂粒子の表層及び/又はその内部に、OH基を0.1〜20重量%の範囲になるように介在させ、
次いで、前記被担持体樹脂粒子を転動させながら、転動下に、環状エーテル類の芳香単体、ケトン類の芳香単体、アルコール類の芳香単体、ラクトン類の芳香単体、エステル類の芳香単位、アルデヒド類の芳香単体、植物性天然香料、イランイラン様調合香料、シクラメン様調合香料、フローラル様調合香料、バイニードル様調合香料、ヒバ油様調合香料、柑橘系様調合香料のいずれからなる液体香料を注加させて充分に塗(まぶ)し処理をさせ、
て前記液体香料を前記共重合体(A)及び(B)である被担持体樹脂粒子の表層及び/又は表層近傍内に担持させることを特徴とする徐放性香料担持樹脂粒子の製造方法。
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