JP4145223B2 - 金属薄板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子化合物層を付与した磁性金属薄板およびその製造方法に関する。
従来、磁性金属材料を薄板として使用する場合は、単板の薄板を複数枚積層して用いられてきた。たとえば、磁性金属材料として非晶質金属薄帯を用いるような場合には、その厚さが10〜50μm程度の厚さであるため、非晶質金属薄帯の表面に特定の接着剤を均一に塗布し、これを積層することが行われている。特開昭58−175654号公報(特許文献1)には、高耐熱性高分子化合物を主成分とする接着剤を塗布した非晶質金属薄帯を積み重ね、圧下ロールで圧着し、加熱接着することを特徴とする積層体の製造方法について記載されている。
非晶質金属薄帯を複数枚重ねて積層する場合、積層体に積層ずれが生じる場合があった。このような積層ずれが生じると、寸法安定性が悪く好ましくないので、磁気コアやモータコアなどの磁気応用製品に適用することが困難な場合がある。また、非晶質金属薄帯を矩形に切断するため、シャーリング切断を使用する際、金属薄帯を押さえつけ時に金属薄帯がずれ、切断した形状の寸法安定性が悪くなる等の問題が生じる場合があった。これらの問題は、種々の磁気応用製品に応用する上で障害となっていた。
これらの問題は、金属と金属を積層するために高分子化合物などの接着剤を用いると、金属と高分子化合物の膨張係数の違いなどから熱収縮率が異なり、金属が反ってしまうということが原因と考えられる。特開昭64−80534号公報(特許文献2)には、重合体と金属箔からなる長尺状のフレキシブル金属薄薄積層板のカール矯正および寸法安定性改良法について、幅方向に対して0〜80度の角度で設けられた第1のバーの曲面上に、金属箔を内側にして緊張状態で長手方向に滑られせる工程を用いたカール矯正および寸法安定性改良法が提案されているが、非晶質金属材料などの素材を用いる場合には、非晶質金属の表面には凹凸があり摩擦が大きく、非晶質金属薄帯にエッジ部があると薄帯が破損しやすいという点から好ましくない。
特開昭58−175654号公報 特開昭64−80534号公報
そこで、本発明では、積層体の積層ずれや、シャーリング切断時の押さえつけ時の寸法安定性の低下を解決することを課題とする。また、積層ずれ防止に重要な因子となる最大そり率を脆弱な金属であっても抑える方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、積層体を磁気コア等の用途で用いる場合、積層ずれや、シャーリング加工時の切断ずれに対して、樹脂層を付与した金属薄板のJIS C 6481で規定される最大反り率が重要な相関因子であることを見出した。
すなわち、本発明は、 高分子化合物層を設けた金属薄板であって、JIS C 6481に基づいて測定される最大反り部分の試料片の長さに対する最大反り量の比で表される最大反り率が10%以下であることを特徴とする金属薄板を提供する。
本発明は、かかる金属薄板を用いた積層体を提供する。
本発明の金属薄板としては、非晶質金属を用いることが好ましく、上記最大反り率が金属薄板の10%以下である非晶質金属の金属薄板を用いた積層体は、積層ずれがなく、また切断時のずれがないので、非晶質金属積層体の磁気コアを提供する。
上記金属薄板は、金属薄板に液状の高分子化合物を塗工し、塗工面を湾曲して外側面としながら溶剤を除去することにより製造できる。
上記製造方法の好ましい態様として、上記高分子として反応すると硬化する樹脂を用い、塗工面を湾曲して外側面とて溶剤を除去しながら、または除去した後に硬化反応を起こさせる方法を挙げることが出来る。上記高分子として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。また、反応すると硬化する樹脂としてポリアミドのワニスを挙げる事が出来る。ポリアミドのワニスは、溶剤を除去してさらにイミド化樹脂を用いることができる。
本発明の方法により、JIS C 6481で規定される最大反り率を10%以下とすることで、積層ずれや、シャーリング加工時の切断ずれに著しい改善効果を見出し、本発明に至った。
(磁性金属薄板)
本発明に用いられる金属磁性材料は、公知の金属磁性体であれば用いることができる。具体的には、ケイ素の含有量が3%から6.5%の実用化されているケイ素鋼板、パーマロイ、ナノ結晶金属磁性材料、非晶質金属磁性材料を挙げることができる。特に板厚が10μm〜50μm程度の極めて薄い、非晶質金属磁性材料、ナノ結晶金属磁性材料は、外力に対して変形しやすく、樹脂付与時に、樹脂の硬化収縮等で反り易く、積層時に積層ずれやシャーリング加工時の切断ずれが生じやすかった。本発明の反り率とすることで、好適に用いられる。
(高分子化合物)
本発明に用いられる高分子化合物は、公知のいわゆる樹脂と呼ばれるものが用いられる。特に金属磁性材料の磁気特性向上のために200℃以上の熱処理が必要な場合には、弾性率の低い耐熱樹脂を複合することが、優れた性能を発揮する上で効果的である。また非晶質金属磁性材料やナノ結晶金属磁性材料に比べて損失が大きく、発熱温度が高くなるケイ素鋼板などの材料では、モータやトランス等のパワーエレクトロニクス用途において、耐熱樹脂を適用することで、定格温度を向上でき、定格出力の向上、機器の小型化につながる。本発明に用いられる耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯やナノ結晶金属磁性薄帯の磁気特性を向上させる最適熱処理温度で熱処理される場合があるので、当該熱処理温度で熱分解の少ない材料を選定することが必要になる。例えば非晶質金属薄帯の熱処理温度は、非晶質金属薄帯を構成する組成および目的とする磁気特性により異なるが、良好な磁気特性を向上させる温度は概ね200〜700℃の範囲にあり、さらに好ましくは300℃〜600℃の範囲である。
本発明に用いられる耐熱性樹脂としては、熱可塑性、非熱可塑性、熱硬化性樹脂を挙げることができる。中でも熱可塑性樹脂を用いることにより、硬化収縮が少なく金属薄帯の反りが少ないため好ましい。
本発明に用いられる耐熱性樹脂としては、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際のDTA−TGを用いて測定した重量減少量が、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
また本発明において200℃以上の耐熱性を必要としない場合、これに限定されないが、本発明に用いられる熱可塑性樹脂を具体的に挙げるとすれば、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン等々あるが、この中でも、望ましくは、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ゴム系樹脂(クロロプレンゴム、シリコンゴム)等を用いることができる。
(反り量)
本発明で規定する最大反り率W1(%)はJIS C 6481に準拠した方法により測定され、式W1=(D1/L1)×100(ここにD1:最大反り量(mm)、L1:最大反り部分の試料片長さ(mm))により計算することができる。
本発明では評価試験片サイズは100mm×30mmの矩形とし、金属薄板の長手方向と評価試験片の長辺100mmが平行になるように切断した。
実験の結果、JIS C 6481で規定される最大反り量が、10%以下であるときに、積層ずれや、シャーリング切断時に寸法安定性の低下が抑制できることが明らかになった。
さらに好ましくは最大反り量が5%以下であることが望ましい。
さらに好ましくは最大反り率が1%以下であることが望ましい。
(塗工方法)
本発明で規定する最大反り量を実現するための製造方法の一例を以下に記すが、この製造方法に限定されるものではない。本発明の磁性金属薄板「積層体」は、まず磁性金属薄板の原反にロールコータなどのコーティング装置により、薄板上に有機溶剤に樹脂を溶解させた樹脂ワニスの塗膜を作り,これを乾燥させて非晶質金属薄帯に高分子化合物を付与する方法で作製できる。ここでいう樹脂ワニスとは樹脂もしくは樹脂の前駆体が有機溶剤に分散または溶解した状態の液体を指す。塗布量は、使用する金属薄板と高分子化合物の種類によって異なるが、樹脂が乾燥時、硬化時等で収縮する際に金属薄板と樹脂間に発生する応力が平衡で反りが起こらないようにすることが重要である。コーティングするワニス塗膜厚は、通常0.1μmから1mm程度に塗布することが好ましい。
このとき通常、樹脂が乾燥時、硬化時等で収縮する際に金属薄と樹脂間に応力が発生し、反りが生じる。本発明ではこの反り量を抑える方法として、以下の方法が有効であることを見出した。すなわち、
(イ)コーティングするワニス塗膜厚を0.1μm〜1mm程度に薄く塗布することである。
(ロ)樹脂層の乾燥、硬化時に、金属薄が反る方向と逆方向に力を引加し、乾燥終了後、室温でこの力を開放し、金属と樹脂の応力が釣り合い平面になるようにすることである。
(ニ)樹脂層の乾燥、硬化後に反りが発生した後であっても、反りと逆方向に反らせ、反りを緩和する等により、本発明の最大そり率の範囲に収めることができる。
そして、これらの方法は、おのおの単独で用いても良いし、2つ以上組み合わせて用いても良い。
また樹脂ワニスの粘度は、樹脂層の厚みが均一になるように、0.005〜200Pa・sの濃度範囲が好ましい。さらには,0.01〜50Pa・sの濃度範囲が好ましく,より好ましくは,0.05〜5Pa・sの範囲にある方が良い。そして、本発明の樹脂層の厚みは、通常、0.1μm〜1mmの範囲であり、好ましくは0.5μm〜10μm、さらに好ましくは1μm〜6μmが良い。そのためには、ワニス塗膜厚を0.1〜1mm程度とすることになる。
さらに具体的には、次のように製造することができる。すなわち、磁性金属薄板を送り出したロール部2と巻取りロール部6との間において、コーティング部の下流側に反り矯正ロールを設置する。反り矯正ロールは、楕円球構造を持っているので、磁性金属薄板を沿わせることによりコーティング面を外側になるように湾曲させる。使用する高分子化合物の性質に応じ、例えば、反応により硬化するような樹脂を用いて、反りロールを加熱、冷却することにより、溶剤を除去したり、必要であれば熱硬化等の反応やポリアミドのイミド化反応を行わせたりすることに用いることができる。
次に実施例を用いて説明する。
(実施例1)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2605TCA(商品名)、幅約142mm,厚み約25μmであるFe7813Si(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。このとき、140℃および260℃の乾燥加熱する際、樹脂がコートされた金属薄板を幅方向に樹脂面と反対側に丸め、室温に戻すまでその状態を保持した。その結果、最大反り率は1%とした。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄板の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、370℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層体の最上面と最下面のずれ量をノギスで測定し、積層ずれ量として評価した。
(実施例2)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2605TCA(商品名)、幅約142mm,厚み約25μmであるFe7813Si(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。その後、樹脂がコートされた金属薄板の反りを矯正するため、反りと反対に丸めて、最大反り率を5%とした。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄板の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4 角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、370℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層体の最上面と最下面のずれ量をノギスで測定し、積層ずれ量として評価した。
(実施例3)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2714A(商品名)、幅約50mm,厚み約15μmであるCo66FeNi(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。
このとき、140℃および260℃の乾燥加熱する際、樹脂がコートされた金属薄板を幅方向に樹脂面と反対側に丸め、室温に戻すまでその状態を保持した。その結果、最大反り率は1%にした。
その後、樹脂がコートされた金属薄板の反りを矯正するため、反りと反対に丸めて、最大反り率を2%とした。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃、10MPaで30分加圧し積層一体化した後、400℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(実施例4)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2714A(商品名)、幅約50mm,厚み約15μmであるCo66FeNi(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。その後、樹脂がコートされた金属薄板の反りを矯正するため、反りと反対に丸めて、最大反り率を8%にした。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃、10MPaで30分加圧し積層一体化した後、400℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(実施例5)
金属薄板として、日立金属(株)製、ファインメット(商品名)、FT−3幅約35mm,厚み約18μmであるFe、Cu、Nb、Si、Bの元素組成を持つナノ結晶磁性金属薄帯を使用した。実施例1と同様の樹脂をコートした。
このとき、140℃および260℃の乾燥加熱する際、樹脂がコートされた金属薄板を幅方向に樹脂面と反対側に丸め、室温に戻すまでその状態を保持した。その結果、最大反り率は3%にした。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、550℃1MPaで1.5hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(実施例6)
金属薄板として、日立金属(株)製、ファインメット(商品名)、FT−3幅約35mm,厚み約18μmであるFe、Cu、Nb、Si、Bの元素組成を持つナノ結晶磁性金属薄帯を使用した。実施例1と同様の樹脂をコートした。その後、樹脂がコートされた金属薄板の反りを矯正するため、反りと反対に丸めて、最大反り率を9%にした。次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、550℃1MPaで1.5hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(実施例7)
金属薄板として、新日本製鉄、薄手ハイライトコア(商品名)、20HTH1500幅約150mm,厚み約200μmである珪素鋼板を使用した。実施例1と同様に樹脂をコートした。このとき、140℃および260℃の乾燥加熱する際、樹脂がコートされた金属薄板を幅方向に樹脂面と反対側に丸め、室温に戻すまでその状態を保持した。その結果、最大反り率は2%にした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(実施例8)
金属薄板として、新日本製鉄、薄手ハイライトコア(商品名)、20HTH1500幅約150mm,厚み約200μmである珪素鋼板を使用した。実施例1と同様に樹脂をコートした。その後、樹脂がコートされた金属薄板の反りを矯正するため、反りと反対に丸めて、最大反り率を3%にした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(比較例1)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2605TCA(商品名)、幅約142mm,厚み約25μmであるFe7813Si(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。
最大反り率を測定したろころ、18%であった。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃、10MPaで30分加圧し積層一体化した後、370℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(比較例2)
金属薄板として、ハネウェル社製、Metglas:2714A(商品名)、幅約50mm,厚み約15μmであるCo66FeNi(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定したときに、25℃で、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液をロールコータで塗工し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約4ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与した。ポリイミド樹脂は、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルと3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合で混合し、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。通常は、ポリアミド酸としてジアセチルアミド溶液として用いた。
最大反り率を測定したろころ、15%であった。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃、10MPaで30分加圧し積層一体化した後、400℃、1MPaで2hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
(比較例3)
金属薄板として、日立金属(株)製、ファインメット(商品名)、FT−3幅約35mm,厚み約18μmであるFe、Cu、Nb、Si、Bの元素組成を持つナノ結晶磁性金属薄帯を使用した。実施例1と同様の樹脂をコートした。
最大反り率を測定したろころ、21%であった。
次に耐熱樹脂を付与した非晶質金属薄帯を幅方向に30mm薄帯の長手方向に100mmにシャーリング切断し、JIS C 6481で規定される最大反り量と、矩形の4角のうち最大角度を測定し、90度との差を切断ずれとした。
さらに30mm×100mmの試験片を50枚積層した後、窒素雰囲気中で270℃10MPaで30分加圧し積層一体化した後、550℃1MPaで1.5hr熱処理した。その後、評価のため、積層ずれ量を評価した。
Figure 0004145223

表より、本発明の磁性金属積層体は、本発明の反り量とすることにより、積層ずれが少なく、またシャーリング時の寸法安定性が高いことが明らかになった。
本発明は、軟磁性材料が用いられる多くの用途に磁気コアとして適用することが可能である。例えば、インダクタンス、チョークコイル、高周波トランス、低周波トランス、リアクトル、パルストランス、昇圧トランス、ノイズフィルター、変圧器用トランス、磁気インピーダンス素子、磁歪振動子、磁気センサ、磁気ヘッド、電磁気シールド、シールドコネクタ、シールドパッケージ、電波吸収体、モータ、発電器用コア、アンテナ用コア、磁気ディスク、磁気応用搬送システム、マグネット、電磁ソレノイド、アクチュエータ用コア、プリント配線基板磁気コアなどの様々な電子機器や電子部品の機能を支える材料として用いられる。
本発明の金属磁性薄板の製造方法を示す図である。
符号の説明
1 磁性金属薄板
2 送り出しロール部
3 コーティング部
4 樹脂面
5 反り矯正ロール
6 巻取りロール部

Claims (5)

  1. 高分子化合物層を設けた磁性金属薄板であって、前記高分子化合物が、前処理として120℃で4時間乾燥を施した後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の、DTA−TGを用いて測定した重量減少が1%以下である耐熱性樹脂であり、該対熱性樹脂からなる高分子化合物層を設けるため粘度が0.005〜200Pa・sの濃度範囲の樹脂ワニスを塗工厚が0.1μm〜1mmとなる様塗工した後に硬化させ、JIS C 6481に基づいて測定される最大反り部分の試料片の長さに対する最大反り量の比で表される最大反り率が10%以下であることを特徴とする、高分子化合物層を設けた厚さが10〜50μmのナノ結晶磁性金属薄板。
  2. 高分子化合物層を設けた磁性金属薄板であって、前記高分子化合物が、前処理として120℃で4時間乾燥を施した後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の、DTA−TGを用いて測定した重量減少が1%以下である耐熱性樹脂であり、該対熱性樹脂からなる高分子化合物層を設けるため粘度が0.005〜200Pa・sの濃度範囲の樹脂ワニスを塗工厚が0.1μm〜1mmとなる様塗工した後に硬化させ、JIS C 6481に基づいて測定される最大反り部分の試料片の長さに対する最大反り量の比で表される最大反り率が10%以下であることを特徴とする、高分子化合物層を設けた厚さが10〜50μmの非晶質磁性金属薄板。
  3. 高分子化合物層を設けた磁性金属薄板であって、前記高分子化合物が、前処理として120℃で4時間乾燥を施した後、窒素雰囲気下、300℃で2時間保持した際の、DTA−TGを用いて測定した重量減少が1%以下である耐熱性樹脂であり、該対熱性樹脂からなる高分子化合物層を設けるため粘度が0.005〜200Pa・sの濃度範囲の樹脂ワニスを塗工厚が0.1μm〜1mmとなる様塗工した後に硬化させ、JIS C 6481に基づいて測定される最大反り部分の試料片の長さに対する最大反り量の比で表される最大反り率が10%以下であることを特徴とする、高分子化合物層を設けた厚さが100〜400μmの珪素鋼板である磁性金属薄板。
  4. 磁性金属薄板に、粘度が0.005〜200Pa・sの濃度範囲の樹脂ワニスを塗工厚が0.1μm〜1mmとなる様塗工し、塗工面を湾曲して外側面としながら溶剤を除去することを特徴とする、請求項1乃至のいずれかに記載した高分子化合物層を設けた磁性金属薄板の、製造方法。
  5. 請求項に記載の高分子化合物層を設けた磁性金属薄板の製造方法であって、上記高分子化合物として、反応すると硬化する樹脂ワニスを用い、塗工面を湾曲して外側面として溶剤を除去しながら、または除去した後に硬化反応を起こさせることを特徴とする、高分子化合物層を設けた磁性金属薄板の、製造方法。
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