JP4142388B2 - Pm光ファイバ融着接続機及びpm光ファイバの融着接続方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
PM(Polarization Maintaining:偏波保持)光ファイバを融着によって接続する光ファイバの融着機に関する。
【従来の技術】
【0002】
光ファイバを接続する方法としては、融着接続が永久接続法として、現在では最も信頼性が高く、広く適用されている。また、光ファイバを融着させるために光ファイバを加熱する必要があるが、電極からの放電を利用する方法が、最も一般的である。
【0003】
この融着においては、接続損失を最小限に留めるため、接続する光ファイバどうしの光軸を合わせることが重要になる。従って、この光軸を合わせるために、従来から様々な方法が試みられている。
【0004】
例えば、軸合わせのために、融着させる光ファイバを任意の位置に動かす必要があるので、移動装置によって光ファイバを拘束する必要がある。これを、ホルダで把持して行うことが特許第2078492号に開示されている。
また、光ファイバをホルダに挟持固定して、被覆の除去からファイバの切断までの前処理をすることも広く行われている。ファイバ先端の位置合わせが容易であることから、ホルダごと光ファイバをセットできるものも存在する。
【0005】
更に、PM(偏波保持)ファイバにおいては、偏波保持面の角度を合わせる必要があるため、下記に示すような装置が特許第2686810号に開示されている。
【0006】
V字型の溝の設けられたV溝台の溝に、PM光ファイバをセットし、上部から押さえ部材にてクランプする。その後、このV溝台を回転させて、PMファイバの位置合わせを行う融着接続機である。また、上記のV溝台に操作軸の両端を、V溝台の両側に突き出すように設けて、この操作軸の両端に操作レバーを設け、更に、この操作軸にクランプ押し上げカムを設けたクランプ機構を備えた融着接続機も開示されている。
【0007】
これらの融着接続機は、PM光ファイバを直接V溝台にセットする方法を採っているが、上述のホルダを組み合わせることも可能である。この場合、融着接続機にホルダを乗せるホルダ台を設けて、ホルダごと取り付けられることが考えられる。
この操作軸や操作レバーからなるクランプ機構を、そのまま融着接続機に残すことも可能であるし、ホルダ側に設置することも可能である。ホルダにPM光ファイバを載せる場合には、ホルダにV字型の溝の設け、ホルダの蓋によってPM光ファイバを押さえてクランプする方法も考えられる。
【0008】
【特許文献1】
特許第2078492号
【特許文献2】
特許第2686810号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の、回転機構、クランプ機構とホルダを組み合わせた融着接続機は、操作性も良好であるが、下記のような問題を有している。
操作軸や操作レバーからなるクランプ機構が融着接続機側に設置されている場合には、ホルダが回転した位置によっては、操作レバーがホルダの陰になって動かすことができず、PMファイバの拘束を開放できない場合がある。
【0010】
また、操作軸や操作レバーからなるクランプ機構をホルダ上に設ける場合には、被覆の除去やファイバの切断等の前処理中に、不用意に操作レバーを動かして、PM光ファイバのクランプをはずしてしまう恐れがある。
【0011】
融着接続機自体についても、ホルダの回転や、レバー操作で周囲の機器と干渉しないようにするために、このホルダ回転機構は周囲と十分離隔をとる必要があり、装置が大きくなる不都合が発生する。
【0012】
また、融着時には、作業者の安全と放電や加熱範囲の安全のために、風防で周囲を覆う。もし、PM光ファイバのクランプを解除する必要がある場合には、風防を開けてレバー操作を行い、回転機構をリセットするためには、安全のために再び風防を閉じてから、作業を行う必要がある。従って、作業が非常に煩雑になる。
【0013】
従って、この発明の目的は、従来の問題点を解決して、PM光ファイバのクランプをはずして、回転機構のリセット等の作業が行えるコンパクトな融着接続機を提供するものである。
【0014】
【課題を解決する手段】
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、ホルダ、クランプ装置、回転装置、融着装置を有する融着接続機であって、PM光ファイバの拘束(クランプ)をはずして、回転機構のリセットが行え、誤動作等も起こさず、光ファイバがホルダから飛び出して周囲機器や光ファイバ自身を傷つける恐れもない、コンパクトな融着接続機を知見した。
【0015】
上記を実現するためには、拘束をはずせる機構と、拘束をはずしても、PM光ファイバがホルダから飛び出さないようにする機構が必要である。
【0016】
これを実現する機構のひとつとしては、PM光ファイバの拘束及びこの拘束の解除を、ホルダの蓋の開閉によって行うことが考えられる。このホルダの蓋を開閉する機構としては、押込み棒の往復運動によるものや、回転板と回転装置の回転速度差を利用したもの、磁力を利用意したもの等が考えられる。
PM光ファイバが、解除時においても、ホルダから飛び出さないようにするための機構としては、ホルダの蓋が所定量以上開かないようにすることが考えられる。
【0017】
また、ホルダに摩擦力を付与する摩擦付与部材を動かして、PM光ファイバと接触させたり離したりすることで、PM光ファイバの拘束及びこの拘束の解除を行う機構も考えられる。この場合は、ホルダの蓋は閉じられたままなので、PM光ファイバがホルダから外へ飛び出す心配は無い。
【0018】
更に、PM光ファイバがホルダから飛び出さない位置まで回転を戻した後に、PM光ファイバの拘束を解く方法も考えられる。
【0019】
本発明のPM光ファイバ融着接続機の第1の態様は、上面に設けたV溝にPM光ファイバを載せるホルダと、
このホルダに保持するホルダ台と、
前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除するクランプ装置と、
前記ホルダ台を介して前記PM光ファイバと前記ホルダを一体に回転させる回転装置と、
前記PM光ファイバを融着接続する融着装置と、
を備えるとともに、
前記クランプ装置は、前記ホルダ台に対して相対移動可能に回転板を備え、
前記ホルダ台を回転させることで、これと一体のホルダを回転させて前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、
前記回転板と前記ホルダ台とに回転速度差を付与するように前記回転板と前記ホルダ台 との回転動作を調整することで、前記ホルダの外部から前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除することができるPM光ファイバ融着接続機である。
【0020】
本発明のPM光ファイバ融着接続機の第2の態様は、前記ホルダと前記クランプ装置と前記融着装置を覆う風防を備え、
前記風防を被せたままの状態で、前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除することができる請求項1に記載のPM光ファイバ融着接続機である。
【0021】
本発明のPM光ファイバ融着接続機の第3の態様は、前記クランプ装置が、前記ホルダの蓋の開閉によって拘束及びこの拘束の解除をするとともに、
前記拘束の解除時には、前記ホルダの蓋が所定量だけ開き、前記PM光ファイバが前記ホルダから飛び出すことを防ぐことができる請求項1または2に記載のPM光ファイバ融着接続機である。
【0022】
本発明のPM光ファイバ融着接続機の第4の態様は前記クランプ装置が、押込み棒の往復運動によって、前記ホルダの蓋の開閉を行う請求項3に記載のPM光ファイバ融着接続機である。
【0023】
本発明のPM光ファイバの融着接続方法の第1の態様は、ホルダの上面に設けたV溝にPM光ファイバを載せる工程と、
前記ホルダを保持するホルダ台に対して、相対移動可能に設けられた回転板を備えるクランプ装置で、前記ホルダと前記PM光ファイバを一体に拘束する工程と、
前記ホルダと前記PM光ファイバを、前記ホルダ台を介して回転装置で一体に回転させる工程と、
前記PM光ファイバを融着装置で融着接続する工程と、
前記ホルダと前記PM光ファイバの拘束を解除する工程と、
を備え、
前記回転装置で前記ホルダ台と一体のホルダを回転させて前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、
前記回転板と前記ホルダ台とに回転速度差を付与して前記クランプ装置で前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除するPM光ファイバの融着接続方法である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら下記に詳細を説明する。
(実施形態1)
図1に示すPM光ファイバ融着接続機の概要図と、図2(a)に示すホルダの概要図を用いて、実施形態1を説明する。実施形態1では、本発明の風防を被せたまま光ファイバの拘束及び解除を行うことが可能なPM光ファイバ融着接続機の基本的な態様を示す。
【0025】
図1において、PM光ファイバを拘束、開放するホルダ2は、ホルダ台6の上に設置される。ホルダ台6は、回転モータ13の回転軸に接合されており回転し、ホルダ2も共に回転する。
この回転装置により、ホルダ2に拘束されたPM光ファイバを回転させ、任意の偏波保持面の角度を調整することができる。
【0026】
ホルダ2の構造を、図2(a)に示す。ホルダの蓋1はホルダ2にヒンジ機構を介して接続されており、このヒンジを回転中心として、ホルダの蓋1の開閉が可能になっている。
また、ホルダ2の上面には、PM光ファイバをセットするためのV字型の溝4が設けられている。ホルダ蓋1を閉じることによって、ホルダの蓋1の下面と溝4の間で光ファイバを拘束する。また、ホルダの蓋1を開くことによって、その拘束を解くことができる。
更に、溝4の部分に、光ファイバを保持するための摩擦力を確保するため、摩擦付与部材3を備えることもできる。
【0027】
次に、風防に覆われたままの状態で、このホルダ蓋1を開閉を可能にし、光ファイバの拘束、解除を行うクランプ装置の説明を行う。
ホルダ台6上には押込み棒12が設置されており、押込み棒12は、ホルダ台6上を光ファイバの長手方向に往復運動する。
【0028】
ホルダ2をホルダ台6にセットするときには、押込み棒12は、通常は戻しバネ15によって待機位置に保持されており、ホルダ2に触れないようになっている。
そして、後述する中継棒8によって、押込み棒12が押し込み方向へ押されると、押し込み棒12の先端がホルダの蓋1の下へ入り、ホルダの蓋1を押し上げて開くことができる。この押込み棒12の先端は、スムーズにホルダ蓋1を押し上げられるように、楔型にしておくことが望ましい。このホルダ蓋1の開放によって、PM光ファイバの拘束を解くことができる。
ここで、ファイバホルダ2は長穴があいており、押し込み棒12の端がファイバホルダ2の上面に飛び出た位置にあるため、ホルダの蓋1を押し上げることができる。
【0029】
押込み棒12が待機位置にいる場合には、ホルダの蓋1は、ホルダ2に備えられた磁石5の磁力によって、閉じられた状態、つまり、PM光ファイバを拘束した状態に保つ。
また、押込み棒12で押し上げられた場合でも、この磁力によって、押込み棒12による押し上げ量以上は開かないようになっている。
【0030】
上述の中継棒8は、PM光ファイバ融着接続機本体に設置されており、やはり本体側に設置されたアクチュエータ14に接続されている。ホルダ台6とは異なり、回転はしない。従って、ホルダ台6が回転の初期位置にあるときにのみ、中継棒8はアクチュエータ14の力によって、押し込み棒12を押し込み、ホルダ蓋1を開けることができる。
【0031】
(実施形態2)
次に実施形態2を説明する。実施形態1では、押込み棒12は回転の初期位置にあるときのみに、押込み側へ押されホルダ蓋1を開けることができたが、実施形態2においては、任意の回転位置においてホルダの蓋1を開けることができる。
【0032】
押込み棒12のホルダの蓋1に接する側は傾斜して楔の形状を有し、その反対側の操作側には鍔を設けることで、ホルダ台6の回転位置にかかわらず押込み棒12を操作することが可能である。この鍔は、風防を閉じていても操作が可能な位置に設置されている。この押込み棒12を動かすためには、手動でも動力を用いても構わない。
押込み棒12は、この手動または動力によって、ファイバホルダ2の側面に沿って、ファイバの方向に往復運動を行い、ホルダの蓋1の開閉を行う。
【0033】
本実施例の場合、ホルダの蓋1は開放する側(つまりヒンジの反対側)の端が、ファイバホルダ2の反対よりも若干突き出ており、この突き出た部分の下に押込み棒12が入り込んで、ホルダ蓋1の開けることになる。
【0034】
従って、押込み棒12の作用点はホルダの蓋1の突き出た部分であるが、反作用点は、ホルダ2自体が浮き上がらないようにするためには、ホルダ2上に取ることが望ましい。図2(b)に示すように、ホルダ2の本体のホルダ台6に載る側も若干突き出させて、この部分を押込み棒12との摺動面として使用できるようにすることが望ましい。ただし、ホルダ2とホルダ台6を、ホルダ2の浮き上がりが問題とならない程度の十分な力で固定できれば、ホルダ台6上に半作用点を取っても問題はない。
【0035】
また、押込み棒12がホルダの蓋1と接触しない待機位置にある場合には、実施形態1と同様に、磁石5の磁力によって、ホルダの蓋1は閉じられた状態に保たれる。
また、押込み棒12で押し上げられた場合でも上述の磁力によって、押込み棒12による押し上げ量以上は開かないようになっている。
【0036】
以上のように、この実施形態2においては、ホルダ台6の回転位置にかかわらず、風防を閉じたままの状態で、押込み棒12の操作側に設けられた鍔を、手動又は動力によって動かすことによって、ホルダ蓋1の開閉を行うことができる。
【0037】
(実施形態3)
次に、図3に実施形態3を示す。実施形態3は、回転板と回転装置の回転速度の差を利用してホルダの蓋1を開閉させるクランプ装置である。
【0038】
ホルダ2には、ヒンジ機構を介してホルダの蓋1が取り付けられており、開閉するようになっている。また、ホルダ2の上面には、V字型の溝が設けられており、ホルダの蓋1を開閉することによって、PM光ファイバを拘束、解除することができる。また、ホルダ2には磁石が備えられていて、通常は、ホルダ蓋1は閉じられている。
【0039】
このホルダ2は、ホルダ台6の上に設置され、このホルダ台6は、ファイバホルダ2と共に、回転モータ13を動力とする回転装置によって回転される。
【0040】
ホルダの蓋1とホルダ2との間に、開放爪11が設けられる。通常、開放爪11は、戻しバネ15によって、ホルダ蓋1とは接触しない位置に保持されている。この場合、ホルダの蓋1は閉じられている。
一方、回転板10上に備えられた押込み棒12によって、開放爪11が押されたときには、開放爪11は、ホルダ蓋1とファイバホルダ2の間に押し込まれるように動き、ホルダの蓋1は開く。
【0041】
この回転板10は、クラッチを介して開放モータ14によって回転する。この開放モータ14による回転板10の回転速度は、回転装置(回転モータ13)によるホルダ台6の回転速度よりも若干速い。
クラッチが切れているときには、回転板戻しバネ16によって、押込み棒12が開放爪11とは接触しない位置に保持されたまま、回転板10は、ホルダ台6と一体となって回転する。従って、ホルダの蓋1は閉じたままの状態に保持される。
【0042】
ここでクラッチが入ると、回転板10は、ホルダ台6よりも速く回転するため、回転板10上に備えられた押込み棒12によって、開放爪11は、ホルダの蓋1とファイバホルダ2の間に押し込まれるように動き、ホルダの蓋1は開く。
【0043】
ホルダの蓋1の開く量は、開放爪11によって持ち上げられる量に限られ、ホルダ2に設置された磁石によって引き付けられるため、それ以上開くことはなく位置を保持される。
【0044】
再びクラッチを切れば、開放爪11は、戻しバネ15によって、ホルダの蓋1とは接触しない位置に戻される。ホルダ蓋1は、上記の磁力によって引き付けられ、再び閉じられる。
【0045】
以上によって、回転装置(回転モータ13)、開放モータ14とクラッチの動作によって、風防を閉じたまま、光ファイバを拘束、解除させたり、PM光ファイバを回転させることができる。
【0046】
(実施形態4)
実施形態3では、クラッチによって開放モータ14の動力の断続を行っているが、このクラッチを使用せずに、開放モータ14の回転速度を変えることでも実現可能である。これを、実施形態4とする。
【0047】
開放モータ14の回転速度を、2種類の回転速度を有するようにして、回転板10とホルダ台6が同期して回転する状態と、回転板10の方が、ホルダ台6よりも速く回転する状態を作る。
【0048】
開放モータ14と回転モータ13の回転速度が、回転板10とホルダ台6が、同期して回転するような回転速度のときには、開放爪11は動かず、ホルダ蓋1は閉じたままである。
また、開放モータ14の回転速度を速めて、回転板10がホルダ台6よりも速く回るようにすれば、開放爪11はホルダ蓋1とファイバホルダ2の間に押し込まれるように動き、ホルダ蓋1は開く。
以上によって、実施形態4では、実施形態3と同様の働きを果すことができる。其の他の機構は、実施形態3と同様である。
【0049】
(実施形態5)
図4に実施形態5を示す。ホルダの蓋1は、先端(1a)と中央又は後端(1b)との2箇所あり、各々のホルダ蓋は、共通の軸でつながれて、連動して開閉する。
先端のホルダ蓋1aは風防の中にあるが、他のホルダ蓋1bは、風防の外に位置するように設置される。
【0050】
ホルダ台の回転等の諸機構は、風防内及び融着機内に収められており、融着機上の表面は平坦である。従って、ホルダ蓋1aの開閉に干渉するものは無く、任意の回転位置にホルダ台があっても、風防を閉じたままホルダ蓋1bを開閉することによって、軸でつながったホルダ蓋1aを開閉することができる。
【0051】
(実施形態6)
次に図5に実施形態6を示す。ホルダの蓋1のPM光ファイバをはさむ側の面が、片側の極を有する永久磁石になっている。ホルダ2は、磁性体18を備え、この磁性体18は、ホルダの蓋1と接する上面から、ホルダ台6に接する下面にまで貫通している。また、この磁性体18から所定の距離を隔てた上方位置に永久磁石17を備える。更にホルダ2を載せるホルダ台6の上部(ホルダ2に接する側)に電磁石19を備える。
【0052】
仮にホルダの蓋1の永久磁石の極をN極とする。ここで、電磁石19のホルダ2に接する側の極をS極とすると、磁性体18のホルダ台6と接する側はN極となり、反対側の磁性体18のホルダの蓋1と接する側の極はS極となる。従って、ホルダの蓋1は、ホルダ2に引き付けられて、閉じた状態になる。よって、PM光ファイバは、拘束された状態となる。
【0053】
一方、電磁石19の極性を逆にすると、磁性体18の極性も逆になり、ホルダの蓋1の永久磁石と磁性体18は反発して、ホルダの蓋1は開いた状態になる。しかし、ホルダの蓋1は、所定の離れた位置にある永久磁石17に引き付けられるため、所定量以上には開かずにその位置に保持される。従って、PM光ファイバは、開放されてもホルダから飛び出すことはない。
【0054】
(実施形態7)
次に、図6に実施形態7を示す。実施形態7では、ホルダ蓋の開閉ではなく、摩擦付与部を動かすことによって、PM光ファイバの拘束、解除を行う。
この摩擦付与部3は板バネ状になっており、一端がホルダ2に接続され、もう一端は自由端になっている。また、PM光ファイバと接する側に、摩擦力を増すためのゴム20を張ることも可能である。
【0055】
ホルダ台2に、先端が楔状になった押込み棒12を備え、この押込み棒12は、往復運動ができるようになっている。また、この押込み棒12は、板バネ状の摩擦付与部3とホルダ2の間に入るようになっている。
【0056】
押込み棒12が、摩擦付与部3と接しない位置にいる時には、摩擦付与部3のバネ力によって、PM光ファイバを拘束するように働く(図6a参照)。また、押込み棒12が、板バネ状の摩擦付与部3とホルダ2の間に入ると、摩擦付与部3は押し下げられて、PM光ファイバの拘束を解除する((図6b参照)。
【0057】
この押込み棒12の、摩擦付与部3と接する側の反対側の端に、実施例2のように鍔を設ければ、風防を閉じたまま、光ファイバの拘束、解除することが可能である。また、この摩擦付与部の往復運動は、手動で行うことも動力によって行うことも可能である。
【0058】
また、ホルダ蓋を閉めたまま、PM光ファイバを拘束、解除することができるので、開放時にPM光ファイバが、ホルダの外へ飛び出す恐れもない。
【0059】
(実施形態8)
摩擦付与部の動きによるPM光ファイバの拘束、解除を行う機構として、更に、下記のような実施形態8も考えられる。
【0060】
摩擦付与部は柱状の弾性体で、常時は、圧縮手段によって圧縮されている。この圧縮によって、摩擦付与部は、ホルダ台の開口部からファイバホルダ内部へ飛び出している。圧縮手段としては、圧縮棒による方法や、ネジ込みによる方法等、様々な方法が考えられる。
【0061】
従って、ホルダ蓋を閉めると、PM光ファイバは、ホルダ蓋とファイバホルダ内部へ飛び出した摩擦付与部に挟まれて拘束される。
一方、この摩擦付与部への圧縮を解くと、摩擦付与部は、ファイバホルダ内部への張り出しがなくなり、PM光ファイバの拘束を解くこととなる。
【0062】
また、ホルダ蓋を閉めたまま、PM光ファイバを拘束、開放することができるので、開放時にPM光ファイバが、ホルダの外へ飛び出す恐れもない。
【0063】
本実施態様では、主にPM光ファイバの融着に関して記載したが、本発明のPM光ファイバ融着接続機は、PM光ファイバだけでなくあらゆる種類の光ファイバに関して適用が可能である。
【0064】
本実施形態においては、主に風防を閉じた状態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、融着途中で風防を開けた状態であっても、稼動部や放電部に手を近づけることなく光ファイバを取り出せる状態にリセットすることができる。また、本発明は、上述した各実施例に限定されることなく、更に様々な実施態様が考えられる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によって、以下の効果を得ることができる。
【0066】
本発明のPM光ファイバとホルダを拘束及びこの拘束を解除することができるPM光ファイバ融着接続機によって、融着途中であっても、稼動部や放電部に手を近づけることなく光ファイバを取り出せる状態にリセットすることができる。更に、本発明のPM光ファイバ融着接続機によって、風防を閉じたままPM光ファイバの拘束を解いて、ホルダの回転位置をリセットすることができる。従って、作業の安全性が高まり、PM光ファイバ融着接続機の内部を不用意に触って調整を狂わせる恐れや、光学系を汚す恐れがない。
【0067】
更に、本発明のPM光ファイバ融着接続機では、PM光ファイバとホルダを拘束及びこの拘束を解除するレバー操作が不要なので、回転時におけるレバーの干渉を避けたり、操作スペースを確保するための余分なスペースが不要である。従って、非常にコンパクトなPM光ファイバ融着接続機を供給することができる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に記載された、押出し棒を利用したクランプ装置を備えるPM光ファイバ融着接続機の構造を示す概要図。
【図2】(a)実施形態1に記載されたホルダの構造を示す概要図。
(b)実施形態2に記載されたホルダの構造を示す概要図。
【図3】実施形態3に記載された、回転板と回転装置の回転速度の差を利用してホルダの蓋を開閉させるクランプ装置の構造を示す概要図。
【図4】実施形態5に記載された、共通の軸につながれたホルダ蓋を備えるホルダの構造を示す概要図。
【図5】実施形態6に記載された、磁力を用いたクランプ装置の構造を示す概要図。
【図6】実施形態7に記載された、摩擦付与部を動かすことを用いたクランプ装置の構造を示す概要図。
【0069】
【符号の説明】
1 ホルダの蓋
2 ホルダ
3 摩擦付与部材
4 溝
5 磁石
6 ホルダ台
7 ホルダ全体
8 中継棒
9 PM光ファイバ
10 回転板
11 開放爪
12 押込み棒
13 回転モータ
14 開放モータ
15 戻しバネ
16 回転板戻しバネ
17 永久磁石
18 磁性体
19 電磁石
20 ゴム
Claims (5)
- 上面に設けたV溝にPM(Polarization Maintaining:偏波保持)光ファイバを載せるホルダと、
このホルダに保持するホルダ台と、
前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除するクランプ装置と、
前記ホルダ台を介して前記PM光ファイバと前記ホルダを一体に回転させる回転装置と、
前記PM光ファイバを融着接続する融着装置と、
を備えるとともに、
前記クランプ装置は、前記ホルダ台に対して相対移動可能に回転板を備え、
前記ホルダ台を回転させることで、これと一体のホルダを回転させて前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、
前記回転板と前記ホルダ台とに回転速度差を付与するように前記回転板と前記ホルダ台との回転動作を調整することで、前記ホルダの外部から前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除することができるPM光ファイバ融着接続機。 - 前記ホルダと前記クランプ装置と前記融着装置を覆う風防を備え、
前記風防を被せたままの状態で、前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除することができる請求項1に記載のPM光ファイバ融着接続機。 - 前記クランプ装置が、前記ホルダの蓋の開閉によって拘束及びこの拘束の解除をするとともに、
前記拘束の解除時には、前記ホルダの蓋が所定量だけ開き、前記PM光ファイバが前記ホルダから飛び出すことを防ぐことができる請求項1または2に記載のPM光ファイバ融着接続機。 - 前記クランプ装置が、押込み棒の往復運動によって、前記ホルダの蓋の開閉を行う請求項3に記載のPM光ファイバ融着接続機。
- ホルダの上面に設けたV溝にPM光ファイバを載せる工程と、
前記ホルダを保持するホルダ台に対して、相対移動可能に設けられた回転板を備えるクランプ装置で、前記ホルダと前記PM光ファイバを一体に拘束する工程と、
前記ホルダと前記PM光ファイバを、前記ホルダ台を介して回転装置で一体に回転させる工程と、
前記PM光ファイバを融着装置で融着接続する工程と、
前記ホルダと前記PM光ファイバの拘束を解除する工程と、
を備え、
前記回転装置で前記ホルダ台と一体のホルダを回転させて前記PM光ファイバの偏波保持面の角度を調整し、
前記回転板と前記ホルダ台とに回転速度差を付与して前記クランプ装置で前記PM光ファイバと前記ホルダを拘束及びこの拘束を解除するPM光ファイバの融着接続方法。
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