JP4140094B2 - 光導波路素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光波送受信モジュール等に用いる光導波路素子及びその製造方法に関し、詳細には、平面基板上の導波路に交差する溝に干渉フィルタを挿入した光導波路素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広帯域・低損失・無誘導という優れた特徴を持つ光ファイバに、波長の異なる複数の光を伝搬して同一方向又は双方向の伝送容量を拡大する波長多重通信を行う際に、波長の合波並びに分波を司る光合分波器が必要となる。
【0003】
WDM(波長合分波回路)機能を有する光波送受信モジュールとして、例えば、導波路内に干渉フィルタとして誘電体多層膜フィルタを挿入した反射型WDMがある。
【0004】
図5は従来のこの種のモジュールの概略構成を示す図である。
【0005】
図5において、シリコン基板100上に光導波路101,102,103が形成され、光導波路101,102の交差する位置の近傍に溝104が設けられ、その溝の中に誘電体多層膜フィルタ105が挿入され固定されている。
【0006】
上記誘電体多層膜フィルタ105に対して光導波路101,102と反対側に形成されている光導波路103のフィルタ105に臨んだ部分の光軸は、光導波路101のフィルタ105に臨んだ部分の光軸と一致している。光導波路101と光導波路102はフィルタ105の法線を中心線としてある角度で分岐している。
【0007】
誘電体多層膜フィルタ105は、1.3μの光は透過して、1.55μの光は反射する特性を持つ。波長多重化された1.3μと1.55μの光が光導波路101に入射され、1.55μの光はフィルタ105で反射されて、光導波路102へ導かれる。1.3μの光はフィルタ105を透過し、Y分岐部で分かれて、それぞれの導波路はレーザダイオード(LD)、フォトダイオード(PD)に接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の誘電体多層膜フィルタを挿入した光導波路素子にあっては、平面導波路内に形成された溝の中に、誘電体多層膜フィルタを挿入する工程が難しく、その作業に時間を要するという問題点があった。
【0009】
すなわち、フィルタの厚みに対し、溝の幅をできるだけ近づければ、挿入損失を抑えることができ、しかも溝内部での倒れ角を小さくすることができる。しかし、微小なフィルタを溝の中に挿入することは非常に難しく、時間が掛かりコスト上昇の原因となっていた。一方、溝の幅を大きくすると、フィルタを挿入するのは容易になるが、溝の幅が広がることにより挿入損失が大きくなり、かつ溝の中での倒れ角が大きくなって、挿入損失が大きくなる欠点がある。
【0010】
これらの問題を改善するため、平面導波路内に形成された溝の中に、誘電体多層膜フィルタを挿入した光導波路素子として、例えば特開平9−105824号公報に開示されたものがある。この公報記載の素子は、反りのある光素子を挿入することによって溝へのフィルタの倒れ角を防止して、フィルタの挿入損失を安定化させることと、溝の挿入口を広げた構造とすることによりフィルタの溝への挿入の容易化を図ろうとする。
【0011】
しかし、この公報記載の素子においては、フィルタそのものは14μmの厚さ、1mm角程度の非常に小型で、かつ反りを有しているため、これをハンドリングして、狭い溝の中に挿入することは依然として難しい。
【0012】
本発明は、フィルタ素子を導波路の溝に挿入する際の作業性を向上させることができ、さらに、光導波路素子の基板に対し垂直性を保ち、特性のばらつきを小さくした光導波路素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光導波路素子の製造方法は、平面基板上に光導波路を形成するステップと、前記光導波路に交差するフィルタ用の溝を形成するステップと、波長分波機能を持つ干渉フィルタを挟み込む側の第1の面及び該第1の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第1のテーパ及び第2のテーパを有する第1の補強用ブロックの前記第1の面と、前記干渉フィルタを挟み込む側の第2の面及び該第2の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第3のテーパ及び第4のテーパを有する第2の補強用ブロックの前記第2の面に、接着剤を塗布する、又は、前記第1の面の前記干渉フィルタとの間及び前記第2の面の前記干渉フィルタとの間に接着剤を流し込むステップと、前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とで、前記接着剤を介して前記干渉フィルタを挟み付ける力を付与することによって、前記接着剤の余分な部分が、前記第1の補強用ブロックの前記第1のテーパ及び前記第2のテーパ並びに前記第2の補強用ブロックの前記第3のテーパ及び前記第4のテーパに逃げるように、且つ、前記干渉フィルタの一方の部分が前記第2のテーパ及び前記第4のテーパより外側に突出し且つ前記干渉フィルタの他方の部分が少なくとも前記第1のテーパ及び前記第3のテーパ内に位置するように、干渉フィルタブロックを形成するステップと、前記フィルタ用の溝に前記干渉フィルタの前記一方の部分が挿入されるように、前記干渉フィルタブロックを前記平面基板上に固定するステップとを有することを特徴としている。
【0015】
上記光導波路は、アンダークラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されて構成されており、フィルタ用の溝は、少なくとも光導波路のコア層の深さに形成されているものであってもよい。
【0016】
上記フィルタ用の溝は、ダイシング加工により形成されたものであってもよく、また、フォトリソグラフィ、及びエッチング加工により形成されたものであってもよい。
【0017】
本発明に係る光導波路素子は、平面基板と、前記平面基板上に形成された光導波路と、前記光導波路に交差して設けられたフィルタ用の溝と、波長分波機能を有する干渉フィルタと、前記干渉フィルタを挟み込む側の第1の面及び該第1の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第1のテーパ及び第2のテーパを有する第1の補強用ブロックと、前記干渉フィルタを挟み込む側の第2の面及び該第2の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第3のテーパ及び第4のテーパを有する第2の補強用ブロックと、前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と、前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とに塗布された、又は、前記第1の面の前記干渉フィルタとの間及び前記第2の面の前記干渉フィルタとの間に流し込まれた接着剤とを有し、前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とで、前記接着剤を介して付与された前記干渉フィルタを挟み付ける力によって、前記接着剤の余分な部分が、前記第1の補強用ブロックの前記第1のテーパ及び前記第2のテーパ並びに前記第2の補強用ブロックの前記第3のテーパ及び前記第4のテーパに逃げており、且つ、前記干渉フィルタの一方の部分が前記第2のテーパ及び前記第4のテーパより外側に突出し且つ前記干渉フィルタの他方の部分が少なくとも前記第1のテーパ及び前記第3のテーパ内に位置するように、干渉フィルタブロックを形成し、前記フィルタ用の溝に前記干渉フィルタの前記一方の部分が挿入されるように、前記干渉フィルタブロックを前記平面基板上に固定したことを特徴とする。
【0018】
上記干渉フィルタは、誘電体多層膜フィルタであってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は本発明の実施形態に係る光導波路素子(平面光集積回路)の構造を示す断面図であり、光導波路素子を光合分波に用いられるフィルタ型合分波光導波路素子に適用した例である。
【0021】
図1において、10はフィルタ型合分波光導波路の光導波路基板であり、光導波路基板10は、後述の光導波路と交差して誘電体多層膜フィルタ(干渉フィルタ)20が挿入される。
【0022】
干渉フィルタ20は、補強用ブロック31,32(第1及び第2の補強用ブロック)により両側から挟み込まれて接着剤で固定されており、干渉フィルタ20の一部は、補強用ブロック31,32の下側表面から所定の飛び出し量だけ突出するようにして固定されている。また、干渉フィルタ20を挟み込む補強用ブロック31,32の端面の上下部には、テーパ33〜36が形成されている。
【0023】
干渉フィルタ20を補強用ブロック31,32により挟んで固定した干渉フィルタブロック30は、光導波路基板10上において、平面導波路内の溝18に干渉フィルタ20を案内するように位置合わせされて接着材40で固定されている。この状態で干渉フィルタ20の突出部20aが溝18内に突出している。
【0024】
図1は光導波路基板10に干渉フィルタブロック30を載せた組立て後の構造を示している。
【0025】
図2は上記光導波路基板10の構造を示す平面図である。
【0026】
図2において、光導波路基板10は、シリコンの基板11の上に石英系のガラスを堆積して光導波路12が形成されている。この光導波路12はアンダークラッド層、コア層、クラッド層の順に積層されて構成されている。コア層はクラッド層よりも高屈折率となっており、その比屈折率差は0.2〜0.8%程度となっている。ここでは、アンダークラッド層を20μ、上クラッド層を20μとし、コアパターンの断面寸法、幅及び厚さは5〜10μmが好ましく、ここでは8μに設定した。
【0027】
上記積層構造を有する光導波路基板10は、平行な一対の端面13,14と、この端面13,14に対し直交する平行な一対の端面から形成された四辺形形状である。
【0028】
光導波路基板10の導波路となるコア層には、所望の光導波路コアパターンとして、光導波路基板10の一方の端面13に臨みフィルタ20に入射する光を導く入力導波路15と、フィルタ20を透過して出力される光を導く出力導波路16と、フィルタ20により反射されて出力される光を導く出力導波路17とが形成されている。
【0029】
また、上記各導波路15,16,17が交差する箇所には、フィルタ用の溝18が形成されている。このフィルタ用の溝18は導波路端面13,14と平行の位置関係にある。このフィルタ用の溝18の断面はフィルタ20の幅よりもやや広く加工して、一例として15μm幅の厚さのフィルタが挿入できるように、17〜20μmの幅、100μmほどの深さに加工されている。
【0030】
出力導波路16は、フィルタ用の溝18を挟んで入力導波路15の延長上にあり、端面13と反対側の端面14に臨んでいる。
【0031】
出力導波路17と入力導波路15とは、フィルタ用の溝面の法線を中心線として反対側にかつ法線に対して等しい角度θをなす位置関係にあり、出力導波路17と入力導波路15との交差角は2θである。
【0032】
ここで示した角度θは、フィルタの性能の点から6度から10度、好ましくは8度に設定するのがよい。
【0033】
入力導波路13には図示しない光ファイバから波長多重化された1.3μと1.55μの光が入射され、そのうち1.55μの光はフィルタ20で反射されて、一方の出力導波路17へ導かれる。1.3μの光はフィルタ20を透過し、他方の出力導波路16へ出力される。
【0034】
このように、本実施形態に係るフィルタ型合分波光導波路は、光導波路に交差して設けられたフィルタ用の溝18を有する光導波路基板10と、波長分波機能を有する干渉フィルタ20と、干渉フィルタ20の一部が表面から飛び出すように補強用ブロック31,32により両側から挟み込んで固定した干渉フィルタブロック30とを備え、干渉フィルタブロック30を、光導波路基板10上において、フィルタ用の溝18に干渉フィルタ20を案内するように位置合わせして接着材40により固定した構造となっている。
【0035】
以下、上述のように構成されたフィルタ型合分波光導波路の製造方法を説明する。
【0036】
まず、光導波路基板10の製造方法を説明する。
【0037】
シリコン基板母材(ウエハ)上にCVD法によりアンダークラッド層とコア層を形成を形成する。例えば、アンダークラッド層を20μ、上クラッド層を20μとし、コアパターンの断面寸法、幅及び厚さは5から10μmが好ましく、ここでは8μに設定した。
【0038】
アンダークラッド層とコア層が形成された後、光導波路コアパターンが描かれたフォトマスクパターンを用いてマスク材をパターン化するフォトリソグラフィ工程によりマスク材を作製する。
【0039】
次に、このマスク材を用いて反応性イオンエッチング(RIE)により石英系コア層の不要部分を除去し、光導波路コアパターンを形成する。
【0040】
次に、その光導波路コアパターン上に再度CVDにより上クラッド層を形成し、光導波路コア部を埋め込む。
【0041】
この製造方法によると、一枚のフォトマスクパターンを用いて導波路コアパターンが形成されるため、その相対位置精度は非常に高い。
【0042】
ここまでの工程により、導波路基板上に図2に示す光導波路コアパターンが形成される。
【0043】
導波路基板母材に同一回路パターンの光導波路基板を多数隣接して形成した後、所定の位置にフィルタ用の溝18を通すための溝切り加工を行う。この溝切り加工には、例えばダイシング装置を用いる。このフィルタ用の溝18の断面は、フィルタ20の幅よりもやや広く加工して、一例として15μm幅の厚さのフィルタが挿入できるように、17〜20μmの幅とし、深さは100μmほどにダイシングする。
【0044】
また、本実施形態では、ダイシングにより溝を形成しているが、溝の深さを小さくすることができるので、ダイシングのような機械加工でなく、フィルタ溝パターンが描かれたフォトマスクパターンを用いてフォトリソグラフィ、エッチングでも溝形成は可能である。
【0045】
次に、上記母材を所定の分割枠に沿って切断し、多数の四辺形の光導波路基板を形成する。
【0046】
以上の工程により、図2に示す光導波路コアパターン及びフィルタ用の溝18が形成された導波路基板10が得られる。
【0047】
次に、干渉フィルタブロック30の製作方法について説明する。
【0048】
図3は干渉フィルタブロック30の構造を示す断面図、図4はその平面図である。
【0049】
図3及び図4に示すように、干渉フィルタブロック30の組立て用ステージとなる平面度が高い固定用ベース50上に、補強板である補強用ブロック31,32を載せ、その補強用ブロック31,32の間に干渉フィルタ20を挟み込む。この時、固定用ベース50上に補強用ブロック31,32の一方の面、及び干渉フィルタ20の一方の端面が固定用ベース50の上面に当接して、干渉フィルタ20に傾きがないように合せ込む。
【0050】
干渉フィルタ20を挟んで固定した補強用ブロック31,32が干渉フィルタブロック30となる。
【0051】
干渉フィルタブロック30は、上方から見たときの外形が光導波路基板10の外形と略等しく、干渉フィルタ20を挟み込んで固定した状態で光導波路基板10表面を覆うことができる。
【0052】
補強用ブロック31,32は、光導波路と同じ材質が好ましく、ここではガラス板を用いた。また、補強用ブロック31,32は、干渉フィルタ20を挟み込んで固定した場合に、干渉フィルタ20の突出部20aがその表面から所定の飛び出し量21突出する厚みに加工する。例えば、約1.6mmの高さを有する干渉フィルタ20を用いる場合には、補強用ブロック31,32の厚さを約1.5mmに加工することにより、フィルタ突出部20aの飛び出し量21を約0.05〜0.1mm飛び出すようにする。
【0053】
補強用ブロック31,32は、固定用ベース50の表面に対し垂直な端面を有し、干渉フィルタ20を挟み込む端面は精密に垂直度が保たれる。
【0054】
補強用ブロック31,32と干渉フィルタ20は接着剤を用いて固定する。接着剤の塗布方法は、挟み込む前に、補強用ブロック31,32のフィルタ20と対向する面に塗布した。この他に、合せ込んだ後、干渉フィルタ20と補強用ブロック31,32との間に接着剤を流してもよい。接着剤には、紫外線硬化型のものを使用する。
【0055】
次に、紫外線光源を上部から照射して硬化固定させる。この硬化中、両側の補強用ブロック31,32から適度な圧力Fをかけて、接着剤の厚さが均等かつ、適正な厚さになるようにする。この圧力Fにより、干渉フィルタ20にあった反り、曲がりなどが矯正され、フラットな面にすることができる。このときの余分な接着剤は補強用ブロック31,32の角に形成したテーパ33,34,35,36に逃げるようにする。
【0056】
固定用ベース50の材料はこの接着作業で接着しないよう、非接着性の材料、例えばテフロン系の材料を用いた。2つの補強用ブロック31,32と、干渉フィルタ20の高さ寸法は精度高いものを用意し、補強用ブロック31,32の表面からの干渉フィルタ20の突出部20aの飛び出し量21を調整した。
【0057】
一例として、補強用ブロック31,32には、パイレックスガラスを使用し、その厚さは1.5mm、干渉フィルタ20の厚さは15μ、その高さは1.6mmに設定してフィルタ突出部20aの飛び出し量21を80μに設定した。この飛び出し量21は0.05〜0.1mmの範囲を目標にした。
【0058】
次に、上述のようにして製作された光導波路基板10及び干渉フィルタブロック30の組立てについて説明する。
【0059】
図1は光導波路基板10に干渉フィルタブロック30を載せた組立て後の様子を示している。
【0060】
まず、干渉フィルタブロック30の搭載前に導波路基板10のフィルタ用の溝18の内部と基板10の上面に接着剤40を適量塗布する。接着剤40には、紫外線硬化型のものを使用する。
【0061】
次に、導波路基板10のフィルタ用の溝18に、干渉フィルタブロック30のフィルタ突出部20aを挿入するように載せる。すなわち、図3に示す干渉フィルタブロック30を、飛び出し量21で示されるフィルタ突出部20aが下になるようにひっくり返し、フィルタ用の溝18にフィルタ突出部20aを挿入するようにして載せる。
【0062】
フィルタ用の溝18に干渉フィルタブロック30のフィルタ突出部20aを挿入するように載せることがフィルタ20の装着作業となるが、この作業は、フィルタ20と一体化された干渉フィルタブロック30を担持して行うものであるため、フィルタ単体を溝に挿入する従来のフィルタ挿入する場合に比べ、作業が極めて容易となる。
【0063】
次に、紫外線光源を干渉フィルタブロック30の上方から照射して接着剤40を硬化させ、光導波路と干渉フィルタブロック30を固定して組み立てを完了する。本実施形態では、フィルタ20は干渉フィルタブロック30の下部から80μほど突き出しており、光導波路上面から20〜30μほどに位置するコア部に対応した位置まで延びている。
【0064】
なお、フィルタ用の溝18の深さは、フィルタ突出部20aの挿入深さより大きければよく、一致する必要はない。フィルタ20の保持は補強用ブロック31,32で行うからである。
【0065】
以下、上述のように構成されたフィルタ型合分波光導波路の動作を説明する。
【0066】
入力導波路15には図示しない光ファイバから波長多重化された1.3μと1.55μ光が入射され、フィルタ20には入射角θで入射される。
【0067】
そのうち、1.3μの光はフィルタ20を透過し、出力導波路16へ出力される。1.55μの光はフィルタ20で反射されて、出力導波路17へ導かれる。出力導波路16,17から導波路端面13,14へ出射される光は、それぞれ図示しない光ファイバへと出射される。
【0068】
以上説明したように、実施形態に係るフィルタ型合分波光導波路は、光導波路に交差して設けられたフィルタ用の溝18を有する光導波路基板10と、波長分波機能を有する干渉フィルタ20と、干渉フィルタ20の一部が表面から飛び出すように補強用ブロック31,32により両側から挟み込んで固定した干渉フィルタブロック30とを備えた構成とし、その製造方法は、平面度が高い固定用ベース50上に、干渉フィルタ20と、干渉フィルタ20を挟んで保持する補強用ブロック31,32とを載せ、補強用ブロック31,32により干渉フィルタ20の一部が飛び出し量21だけ突出するように挟んで固定し、干渉フィルタ20を固定した干渉フィルタブロック30を、光導波路のフィルタ用の溝18に、干渉フィルタ20の突出部20aが挿入されるように位置合わせし、光導波路素子上に干渉フィルタブロック30を接着材40により固定するようにしているので、フィルタ20の装着作業は、補強用ブロック31,32で一体化された干渉フィルタブロック30を担持して行うことになりその作業性が極めて良好となる。その結果、フィルタ用の溝18への挿入に要する時間を大幅に短縮することができ、また、ハンドリング中にフィルタが破損するような事故を少なくすることができた。
【0069】
また、干渉フィルタブロック30は、上方から見た形状が光導波路基板10の外形と略等しいものとしたので、光導波路基板10上に干渉フィルタブロック30を固定して一体化した場合に、干渉フィルタブロック30の端面と光導波路基板10の導波路端面とが同一面上で揃い、結果として光導波路基板10端面の面積を拡大したようになるため、光ファイバを保持する光ファイバ保持部材と結合する際の強度を強める機能を得ることができる。
【0070】
また、フィルタ20の保持は補強板である補強用ブロック31,32が行うため、光導波路素子の溝へのフィルタ20の挿入深さは小さくてよい。この場合、フィルタ20の溝への突き出し量は、光導波路のコア部に対応する位置に延在すればよく、溝の深さをより浅く抑えた方が、溝の幅のばらつきが小さくでき、損失変動を少なくできる。溝の深さが従来より浅くてよいので、ダイシングブレードの切断時の振れなどにより発生する溝幅ばらつきを抑えることができる。その結果、挿入損失を小さくし、そのばらつきも抑えることができる。
【0071】
さらに、溝の深さを小さくすることができることから、溝はシリコン基板まで入り込む必要はなく、石英部だけでも十分であり、ダイシング加工のような機械加工でなく、導波路パターンを形成したフォトリソグラフィ、及びエッチングも可能である。このようなフォトリソ、エッチングで製作すると、溝の加工精度を大幅に高めることができる。
【0072】
したがって、本実施形態では、フィルタの挿入に掛かる時間が短縮され、低コストで、歩留まりが高い、誘電体多層膜フィルタを用いた波長合分波光導波路が実現できる。
【0073】
このような優れた特長を有する光導波路素子を、反射型WDM光導波路素子に適用すれば、導波路全体の損失を少なくすることができ、製造工程の効率化及びコスト低減を図ることができる。
【0074】
なお、上記実施形態では、石英系導波路を用いた場合について説明したが、これに限定されず、石英系導波路以外の拡散ガラス導波路、有機ポリマ系導波路等どのような埋込み型導波路に対しても適用可能である。
【0075】
また、光ファイバから波長多重化された1.3μと1.55μの光を入射し、1.3μの光を透過し、1.55μの光を反射する波長合分波器に適用して説明したが、それ以外の波長領域の波長合分波器としても使用できる。
【0076】
また、上記光導波路素子を構成する基板、コア層、クラッド層、光導波路コアパターン、干渉フィルタ、補強用ブロック等の種類などは上述した実施形態に限られない。
【0077】
【発明の効果】
本発明に係る光導波路及びその製造方法では、平面基板上に形成された光導波路と、光導波路に交差して設けられたフィルタ用の溝と、波長分波機能を有する干渉フィルタと、干渉フィルタの一部が突出するように、該干渉フィルタを挟んで固定する干渉フィルタブロックとを備え、フィルタ用の溝に干渉フィルタが挿入されるように、干渉フィルタブロックを位置合わせして、光導波路上に干渉フィルタブロックを固定するようにしたので、フィルタ素子を導波路の溝に挿入する際の作業性を向上させることができ、さらに、光導波路面に対し垂直性を保ち、特性のばらつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施形態に係る光導波路素子の構造を示す断面図である。
【図2】上記光導波路素子の光導波路基板の構造を示す平面図である。
【図3】上記光導波路素子の干渉フィルタを取り付けた干渉フィルタブロックの構造を示す断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】従来の光送受信モジュールの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10 光導波路基板、11 シリコンの基板、12 光導波路、13,14 端面、15 入力導波路、16,17 出力導波路、18 フィルタ用の溝、20 誘電体多層膜フィルタ(干渉フィルタ)、20a フィルタ突出部、21 飛び出し量、30 干渉フィルタブロック、31,32 補強用ブロック(第1及び第2の補強用ブロック)、40 接着材、50 固定用ベース

Claims (6)

  1. 平面基板上に光導波路を形成するステップと、
    前記光導波路に交差するフィルタ用の溝を形成するステップと、
    波長分波機能を持つ干渉フィルタを挟み込む側の第1の面及び該第1の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第1のテーパ及び第2のテーパを有する第1の補強用ブロックの前記第1の面と、前記干渉フィルタを挟み込む側の第2の面及び該第2の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第3のテーパ及び第4のテーパを有する第2の補強用ブロックの前記第2の面に、接着剤を塗布する、又は、前記第1の面の前記干渉フィルタとの間及び前記第2の面の前記干渉フィルタとの間に接着剤を流し込むステップと、
    前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とで、前記接着剤を介して前記干渉フィルタを挟み付ける力を付与することによって、前記接着剤の余分な部分が、前記第1の補強用ブロックの前記第1のテーパ及び前記第2のテーパ並びに前記第2の補強用ブロックの前記第3のテーパ及び前記第4のテーパに逃げるように、且つ、前記干渉フィルタの一方の部分が前記第2のテーパ及び前記第4のテーパより外側に突出し且つ前記干渉フィルタの他方の部分が少なくとも前記第1のテーパ及び前記第3のテーパ内に位置するように、干渉フィルタブロックを形成するステップと、
    前記フィルタ用の溝に前記干渉フィルタの前記一方の部分が挿入されるように、前記干渉フィルタブロックを前記平面基板上に固定するステップと
    を有することを特徴とする光導波路素子の製造方法。
  2. 前記光導波路を形成するステップは、前記平面基板側から、アンダークラッド層と、コア層と、上クラッド層とをこの順に積層するように形成するステップを含み、
    前記フィルタ用の溝は、少なくとも前記光導波路の前記コア層の深さに形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光導波路素子の製造方法。
  3. 前記フィルタ用の溝を形成するステップは、ダイシング加工により実行されることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の光導波路素子の製造方法。
  4. 前記フィルタ用の溝を形成するステップは、フォトリソグラフィ、及びエッチング加工により実行されることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の光導波路素子の製造方法。
  5. 前記干渉フィルタは、誘電体多層膜フィルタであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光導波路素子の製造方法。
  6. 平面基板と、
    前記平面基板上に形成された光導波路と、
    前記光導波路に交差して設けられたフィルタ用の溝と、
    波長分波機能を有する干渉フィルタと、
    前記干渉フィルタを挟み込む側の第1の面及び該第1の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第1のテーパ及び第2のテーパを有する第1の補強用ブロックと、
    前記干渉フィルタを挟み込む側の第2の面及び該第2の面の上の角及び下の角にそれぞれ形成された第3のテーパ及び第4のテーパを有する第2の補強用ブロックと
    前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と、前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とに塗布された、又は、前記第1の面の前記干渉フィルタとの間及び前記第2の面の前記干渉フィルタとの間に流し込まれた接着剤と
    を有し、
    前記第1の補強用ブロックの前記第1の面と前記第2の補強用ブロックの前記第2の面とで、前記接着剤を介して付与された前記干渉フィルタを挟み付ける力によって、前記接着剤の余分な部分が、前記第1の補強用ブロックの前記第1のテーパ及び前記第2のテーパ並びに前記第2の補強用ブロックの前記第3のテーパ及び前記第4のテーパに逃げており、且つ、前記干渉フィルタの一方の部分が前記第2のテーパ及び前記第4のテーパより外側に突出し且つ前記干渉フィルタの他方の部分が少なくとも前記第1のテーパ及び前記第3のテーパ内に位置するように、干渉フィルタブロックを形成し、
    前記フィルタ用の溝に前記干渉フィルタの前記一方の部分が挿入されるように、前記干渉フィルタブロックを前記平面基板上に固定した
    ことを特徴とする光導波路素子。
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