JP4139910B2 - 着色感光性樹脂組成物の保存方法 - Google Patents
着色感光性樹脂組成物の保存方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は着色感光性樹脂組成物の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
着色感光性樹脂組成物(カラーレジスト)は着色剤を含有していて着色されている感光性樹脂組成物(レジスト)であって、カラーフィルターを構成する着色パターンを形成するための材料として有用である。ここで、カラーフィルター(1)とは、液晶表示装置の表示画像をカラー化するために用いられたり、固体撮像素子により撮影される画像をカラー化するために用いられたりする光学素子である(図1)。着色パターン(2)とは、例えば色画素(2R、2G、2B)、ブラックマトリックス(2BM)などであり、線状であったり(図1(a))、モザイク状であったりする(図1(b))。
【0003】
かかる着色感光性樹脂組成物として、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有するものが知られている。かかる着色感光性樹脂組成物を基板(3)の上に塗布し、(E)溶剤を除去して得られる着色感光性層(4)はアルカリ性水溶液に可溶であるが(図2(a))、光線(6)を照射されることによって(図2(b))、(D)光重合開始剤から活性ラジカルまたは酸が発生し、この活性ラジカルまたは酸によって(C)光重合性化合物が重合し、着色感光性層がアルカリ性水溶液に不溶性となることから、この着色感光性樹脂組成物はネガ型レジストとして、着色パターン(2)を形成するための材料として用いられている(図2(c))。
【0004】
かかる着色感光性樹脂組成物は、(C)光重合性化合物および(D)光重合開始剤を含有しているために、長期間保存すると光重合性化合物の重合などによって品質が変化するとされていた。このため、カラーフィルターの製造の都度、必要な量の着色感光性樹脂組成物を製造し、カラーフィルターを製造する方法が採用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カラーフィルターの製造の都度、着色感光性樹脂組成物を製造することとすると、カラーフィルターの製造計画に合わせた着色感光性樹脂組成物の製造が必要となり、また必要な量の製造は一回あたりの製造量が少なくなるため、着色感光性樹脂組成物の生産性の点で不利である。
【0006】
本発明の目的は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物を長期間に亙って品質の大きな変化を招くことなく保存することができ、着色感光性樹脂組成物の一回の製造量を多くすることができ、該着色感光性樹脂組成物の生産性を向上することができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、鋭意検討した結果、−5℃以上15℃以下の温度で、かつ保存することとすれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち本発明は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物を−5℃以上15℃以下の温度で、かつ、着色感光性樹脂組成物を充てんして保存する容器において、該容器の内容積から着色感光性樹脂組成物の占める体積を除いた空隙部の体積と該容器の内容積との比率(空隙率)(%)が10〜20%であり、該空隙部雰囲気ガスの酸素分圧(hPa)が204hPaであり、前記の空隙率と前記の酸素分圧との積が2040〜4080(%・hPa)の雰囲気で、保存することを特徴とする前記着色感光性樹脂組成物の保存方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の方法で保存される着色感光性樹脂組成物は、(A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有するものである。
【0009】
(A)着色剤は、有機物である有機着色剤であってもよいし、無機物である無機着色剤であってもよい。有機着色剤は、顔料であってもよいし、染料であってもよい。また、着色剤は、天然色素であってもよいし、合成色素であってもよい。無機着色剤は、金属酸化物、金属錯塩、硫酸バリウムの無機塩(体質顔料)などの無機顔料であってもよい。かかる着色剤の中でも、有機着色剤、特には有機顔料が好ましく用いられる。
【0010】
有機顔料および無機顔料として具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている顔料が挙げられる。具体的には、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー53、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー173などの黄色顔料、
C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ42、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ65、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73などのオレンジ色顔料、
C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメンレッド264、C.I.ピグメントレッド265などの赤色顔料、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60などの青色顔料、
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38などのバイオレット色顔料、
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36などの緑色顔料、
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25などのブラウン色顔料、
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などの黒色顔料などが挙げられる。これらの有機顔料および無機顔料は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0011】
これらの顔料のうち有機顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理、あるいは不純物を除去するための有機溶剤や水などによる洗浄処理が施されていてもよい。かかる顔料の粒径は概ね10nm以上150nm以下程度である。
【0012】
着色剤の含有量は、着色感光性樹脂組成物に含まれる揮発成分(溶剤)が揮発した後の固形分に対して質量分率で通常5%以上であり、十分に着色された着色パターンを形成し得る点で10%以上、さらには20%以上、特には30%以上であり、通常60%以下、好ましくは50%以下の範囲である。また、着色剤として有機顔料を用いる場合、該有機顔料の使用量は着色剤の全量に対して質量分率で通常50%以上、好ましくは55%以上であって、着色剤の全量(100%)が有機顔料であってもよい。
【0013】
(B)バインダーポリマーとしては、アクリル系共重合体が使用でき、例えばカルボキシル基含有モノマーおよびこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0014】
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの不飽和多価カルボン酸などの分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物、具体的には無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などであってもよい。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、具体的には、例えばこはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などであってもよい。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、具体的にはω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどであってもよい。かかるカルボキシル基含有モノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0015】
かかるカルボキシル基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物、
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類、
2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物、
アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類、
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類、
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類、
ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類などを挙げることができる。これらのモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0016】
かかる共重合体におけるカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、質量分率で通常10〜50%程度、好ましくは15〜40%程度、とりわけ好ましくは25〜40%程度である。
かかるアクリル系重合体としては、例えば(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートであることを示す。
【0017】
中でも(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、メチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体などが好ましく、とりわけ(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体が好ましい。
【0018】
かかるアクリル系重合体は、そのポリスチレン換算重量平均分子量が3,000〜400,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5,000〜100,000の範囲であり、とりわけ好ましくは20,000〜40,000である。かかるアクリル系重合体の酸価は30〜250が好ましく、より好ましくは60〜180の範囲であり、とりわけ好ましくは90〜160の範囲である。ここで酸価はアクリル系重合体1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常は水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
かかるバインダー樹脂は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常5%以上、好ましくは10%以上、とりわけ好ましくは20%以上であり、通常90%以下、好ましくは80%以下、とりわけ好ましくは70%以下程度の範囲で用いられる。
【0019】
(C)光重合性化合物は、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物であって、例えば重合性の炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
【0020】
かかる光重合性化合物は、4官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。4官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
【0021】
着色感光性樹脂組成物における光重合性化合物の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常1%以上60%以下、好ましくは3%以上50%以下である。
【0022】
(D)光重合開始剤としては、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、酸を発生する酸発生剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えばアセトフェノン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
【0023】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
【0024】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0025】
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0026】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0027】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0028】
活性ラジカル発生剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0029】
酸発生剤としては、例えば4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
【0030】
また、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えばトリアジン系光重合開始剤などの活性ラジカル発生剤は、酸発生剤としても使用される。
【0031】
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。かかる光重合開始剤のなかでも、アセトフェノン系光重合開始剤、とりわけ2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オンや、トリアジン系光重合開始剤、とりわけ2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジンなどが好ましく用いられる。
【0032】
本発明における着色感光性樹脂組成物は、光重合開始助剤を含有していてもよい。光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて用いられ、光重合性化合物の重合を促進するために含有される化合物である。光重合開始助剤としては、例えばアミン系光重合開始助剤、アルコキシアントラセン系光重合開始助剤などが挙げられる。
【0033】
アミン系光重合開始助剤としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0034】
アルコキシアントラセン系光重合開始助剤としては、例えば9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0035】
かかる光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は、光重合開始剤1モルあたり通常10モル以下、好ましくは0.01モル以上5モル以下である。
【0036】
光重合開始剤および光重合開始助剤の使用量は、その合計量がバインダーポリマーおよび光重合性化合物の合計量100質量部に対して通常3質量部以上48質量部以下、好ましくは5質量部以上36質量部以下である。
【0037】
(E)溶剤としては、通常の着色感光性樹脂組成物に用いられるものと同様の溶剤、例えばエーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
【0038】
エーテル類としては、例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えばアセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
エステル類としては、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが挙げられる。
【0039】
かかる溶剤の中でも、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノンなどが好ましく用いられる。
【0040】
かかる溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は溶剤で希釈された状態の着色感光性樹脂組成物における含有量が質量分率で通常50%以上90%以下、好ましくは60%以上85%以下となる程度である。
【0041】
着色感光性樹脂組成物は、着色剤として顔料を含有する場合には、顔料分散剤を含有していてもよい。顔料分散剤を含有することにより、顔料を均一に分散された状態で含有することができ、均一に着色された着色パターンを得ることができる。かかる顔料分散剤としては、例えばポリエステル系高分子分散剤、アクリル系高分子分散剤、ポリウレタン系高分子分散剤などの分散剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などの界面活性剤などが挙げられ、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。かかる顔料分散剤を含有する場合、その含有量は着色剤1質量部あたり通常0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上であり、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。
【0042】
着色感光性樹脂組成物は、充填剤、バインダーポリマー(B)以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミノ化合物、硬化剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0043】
充填剤としては、例えばガラス、アルミナなどの微粒子が挙げられる。
【0044】
高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレートなどが挙げられる。
【0045】
密着促進剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0046】
酸化防止剤としては、例えば4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどが挙げられる。
【0047】
紫外線吸収剤としては、例えば2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート系などが挙げられる。
【0048】
凝集防止剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0049】
有機酸としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸類、
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸などの脂肪族トリカルボン酸類、
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸などの芳香族モノカルボン酸類、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類、
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸類、
フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸などが挙げられる。
【0050】
有機アミノ化合物としては、例えばn―プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、sec−ブチル、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミンなどのモノアルキルアミン類、
シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなどのモノシクロアルキルアミン類、
メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、sジec−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミンなどのジアルキルアミン類、
メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルモノシクロアルキルアミン類、
ジシクロヘキシルアミンなどのジシクロアルキルアミン類、
ジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリsec−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミンなどのトリアルキルアミン類、
ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミンなどのジアルキルモノシクロアルキルアミン類、
メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミンなどのモノアルキルジシクロアルキルアミン類、
トリシクロヘキシルアミンなどのトリシクロアルキルアミン類、
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノールなどのモノアルカノールアミン類、
4−アミノ−1−シクロヘキサノールなどのモノシクロアルカノールアミン類、ジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタノールアミンジアルカノールアミン類、ジn−ヘキサノールアミンなどのジアルカノールアミン類、
ジ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのジシクロアルカノールアミン類、
トリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタノールアミン、トリn−ヘキサノールアミンなどのトリアルカノールアミン類、トリ(4−シクロヘキサノール)アミンなどのトリシクロアルカノールアミン類、
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオールなどのアミノアルカンジオール類、
4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオールなどのアミノシクロアルカンジオール類、
1−アミノシクロペンタノンメタノール、4−アミノシクロペンタノンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカノンメタノール類、
1−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−アミノシクロヘキサノンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなどのアミノ基含有シクロアルカンメタノール類、
β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酢酸、3−アミノイソ酢酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸などのアミノカルボン酸類、
アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリンなどの芳香族アミン類、
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなどのアミノベンジルアルコール類、
o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなどのアミノフェノール類、
m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸などのアミノ安息香酸類などが挙げられる。
【0051】
硬化剤としては、例えば加熱されることによってバインダーポリマー(B)中のカルボキシル基と反応してバインダーポリマーを架橋することができる化合物が挙げられる。また、それ単独で重合して着色パターンを硬化させ得る化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばエポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0052】
エポキシ化合物としては、例えばビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、他の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油等のエポキシ樹脂や、これらのエポキシ樹脂の臭素化誘導体、エポキシ樹脂およびその臭素化誘導体以外の脂肪族、脂環族または芳香族のエポキシ化合物、ブタジエンの(共)重合体のエポキシ化物、イソプレンの(共)重合体のエポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0053】
オキセタン化合物としては、例えばカーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
【0054】
本発明における着色感光性組成物は、硬化剤としてエポキシ化合物、オキセタン化合物などを含有する場合には、エポキシ化合物のエポキシ基、オキセタン化合物のオキセタン骨格を開環重合させ得る化合物を含んでいてもよい。かかる化合物としては、例えば多価カルボン酸類、多価カルボン酸無水物類、酸発生剤などが挙げられる。
【0055】
多価カルボン酸類としては、例えばフタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸類、
こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸類、
ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸類などが挙げられる。
【0056】
多価カルボン酸無水物類としては、例えば、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物類、
無水イタコン酸、無水こはく酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸無水物類、
無水ヘキサヒドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水ハイミック酸、無水ナジン酸などの脂環族多価カルボン酸無水物類、
エチレングリコールビストリメリテイト酸、グリセリントリストリメリテイト無水物などのエステル基含有カルボン酸無水物類などが挙げられる。
【0057】
カルボン酸無水物類として、エポキシ樹脂硬化剤として市販されているものを用いてもよい。かかるエポキシ樹脂硬化剤としては、例えば商品名「アデカハードナーEH−700」(旭電化工業(株)製)、商品名「リカシッドHH」(新日本理化(株)製)、商品名「MH−700」(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
【0058】
かかる硬化剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
かかる着色感光性樹脂組成物において、(A)着色剤として顔料を用いた場合には、かかる顔料は通常、組成物中に分散されている。また、(A)着色剤として染料を用いた場合には、かかる染料は組成物中に分散されていてもよいし、(E)溶剤に溶解されていてもよい。(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物および(D)光重合開始剤は、(E)溶剤に溶解されている。
【0060】
本発明の保存方法は、かかる着色感光性樹脂組成物を−5℃以上15℃以下の温度で保存する。15℃を越えると、長期間の保存の間に粘度が変化し易い傾向にあり、好ましくは8℃以下である。−6℃未満では、ゲル状物を生じ易い傾向にある。
【0061】
本発明の保存方法は、かかる着色感光性樹脂組成物を充てんして保存する容器において、該容器の内容積から着色感光性樹脂組成物の占める体積を除いた空隙部の体積と該容器の内容積との比率(空隙率)(%)が10〜20%であり、該空隙部雰囲気ガスの酸素分圧(hPa)が204hPaであり、前記の空隙率と前記の酸素分圧との積が2040〜4080(%・hPa)の雰囲気で保存する。空隙部雰囲気ガスの酸素分圧(hPa)との積が2000(%・hPa)より小さいと、ゲル状物を生じ易い傾向にある。
【0062】
本発明の保存方法では、着色感光性樹脂組成物を光の透過率が250nm〜440nmの波長範囲で8%以下である容器の中で保存することが好ましく、さらに好ましくは5%以下である。440nmを超える波長範囲での光の透過率は8%を超えていてもよいが、8%以下であることが好ましく、さらに好ましくは5%以下である。かかる容器は、250〜440nmの波長範囲の光を完全に遮断する容器(透過率は0%)であってもよい。
【0063】
かかる環境で保存するには、例えば外からの光の透過率が250nm〜440nmの波長範囲で8%以下である容器、例えば着色されたガラス瓶などの中に着色感光性樹脂組成物を直接充てんして保存すればよい。また、光の透過率が250nm〜440nmの波長範囲で8%を超える容器、例えば無色透明のガラス瓶、無色透明のプラスチック容器などに着色感光性樹脂組成物を入れておき、該容器を光の透過率が250nm〜440nmの波長範囲で8%以下、好ましくは5%以下である容器、例えばダンボール箱、黒色のポリ袋、着色されたプラスチック製の保管容器、金属製の保管容器などの中に入れてもよい。
【0064】
本発明の保存方法によれば、保存期間が3月でも、好ましくは6月でも、さらに好ましくは12月でも保存中に着色感光性樹脂組成物の品質がほとんど変化しない。また、ゲル状物を生ずることもない。このため、製造直後の着色感光性樹脂組成物を用いて着色パターンを形成するのと同じ条件で、同様の着色パターンを形成することができる。また、着色感光性樹脂組成物の生産性を向上できる効果は、保存期間が3月、6月、12月と長くなるほど大きくなる。
【0065】
保存後の着色感光性樹脂組成物から着色パターンを形成するには、例えば通常と同様に保存後の着色感光性樹脂組成物をパターンニングすればよい。具体的には、保存後の着色感光性樹脂組成物を基板(3)の上に塗布し、(E)溶剤を除去して、着色感光性層(4)を形成し(図2(a))、該着色感光性層(4)を露光したのち(図2(b))、現像する方法によって形成される(図2(c))。
【0066】
基板(3)としては、例えばガラス基板、シリコン基板、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板などの表面が平坦な基板が挙げられる。かかる基板は、シランカップリング剤などの薬品による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング処理、スパッタリング処理、気相反応処理、真空蒸着処理などの前処理が施されていてもよい。基板としてシリコン基板などを用いる場合、該シリコン基板などの表面には電荷結合素子(CCD)、薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)などが形成されていてもよい。
【0067】
着色感光性樹脂組成物を塗布するには、着色感光性樹脂組成物を均一な厚みで基板上に塗布し得る方法、例えば回転塗布法(スピンコート法)、流延塗布法、ロール塗布法、スリット&スピンコート法などの通常の塗布方法で塗布すればよい。塗布後、(E)溶剤を除去するには、例えば加熱すればよい。かくして形成される着色感光性層(4)は、着色感光性樹脂組成物から(E)溶剤などの揮発成分を除いた固形分からなる層である。
【0068】
次いで、着色感光性層(4)を露光する(図2(b))。露光するには、例えばフォトマスク(5)を介して光線(6)を照射すればよい。光線(6)としては通常、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)と呼ばれる紫外線などが用いられる。光線はフォトマスクを介して照射されるが、ここでフォトマスク(5)は、例えばガラス板(51)の表面に光線を遮蔽する遮光層(52)が設けられたものである。ガラス板のうちの遮光層が設けられていない部分は光線が透過する透光部(53)であって、この透光部のパターンに従ったパターンで着色感光性層(4)が露光されて、光線が照射されなかった未照射領域(41)と、光線が照射された照射領域(42)とが生ずる。照射領域(42)における光線の照射量は、用いた(A)着色剤の種類や含有量、(B)バインダーポリマーの重量平均分子量、含有量、単量体単位組成、(C)光重合性化合物の種類、含有量、(D)光重合開始剤の種類、含有量などによって適宜選択される。
【0069】
露光後、現像する(図2(c))。現像するには、例えば露光後の着色感光性層(4)を現像液と接触させればよく、具体的にはその表面上に着色感光性層(4)が形成された状態の基板(3)を現像液に浸漬すればよい。現像液としては通常、アルカリ性水溶液が用いられる。アルカリ性水溶液としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどのアルカリ性化合物の水溶液などが挙げられる。現像によって、着色感光性層のうちの光線が照射されなかった未照射領域(41)は除去される。その一方で、光線照射領域(42)はそのまま残って着色パターン(2)を構成する。
【0070】
現像後、通常は水洗し、乾燥することにより、目的とする着色パターン(2)を得ることができるができる。乾燥後、加熱してもよい。着色パターンを加熱することによって硬度が増して、その機械的強度が向上する傾向にあり、着色感光性樹脂組成物として硬化剤を含有するものを用いた場合には、機械的強度をより向上することができる。加熱温度は通常180℃以上、好ましくは200℃以上であり、通常250℃以下である。
【0071】
かくして着色パターン(2)が形成された基板(3)の上に、さらに異なる色の着色剤を含有して異なる色に着色された着色感光性樹脂組成物を塗布し、溶剤を除去して、着色感光性層(4')を形成し(図3(a))、該層(4')を露光したのち(図3(b))、現像することによって(図3(c))、さらに着色パターン(2')を形成することができる。さらに、異なる色に着色された着色感光性樹脂組成物を用いて上記操作を繰り返し行なうことによって、順次着色パターン(2”)を形成することができ(図4)、着色パターン(2)を有するカラーフィルター(1)を製造することができる(図1)。ここで用いられる着色感光性樹脂組成物は、製造直後のもの、または短期間保存されたものであってもよいし、本発明の方法で保存されたものであってもよい。
【0072】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
【0073】
なお、以下の実施例および比較例において、着色感光性樹脂組成物の品質は、粘度変化率およびゲル状物の有無で評価した。粘度の測定は、液温23℃において、E型粘度計コーンプレートを使用して、50rpmで測定した。粘度変化率は、保存開始前に測定した粘度(η0)と保存後に測定した粘度(η)とから式(1)
【数1】
によって算出した。着色感光性樹脂組成物のゲル状物の有無は目視で観察して評価した。
【0074】
実施例1〔緑色の着色感光性樹脂組成物〕
(A)顔料〔C.I.ピグメントグリーン36、粒径は約30〜80nmの範囲〕0.740質量部、
(A)顔料〔C.I.ピグメントイエロー150、粒径は約30〜80nmの範囲〕0.340質量部、
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との組成比は物質量比(モル比)で35:65、重量平均分子量(Mw)は35,000、酸価は135〕0.787質量部、
(C)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.472質量部、
(D)光重合開始剤〔2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン〕0.189質量部、
光重合開始助剤〔4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン〕0.063質量部、
(E)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート約11.8質量部、エポキシ化合物〔オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、「スミエポキシESCN−195XL−80」(住友化学工業(株)製)〕0.315質量部および
ノニオン系界面活性剤0.318質量部
を含む着色感光性樹脂組成物(緑色)を保存容器〔250nm〜440nmでの光の透過率が5%以下となるように遮光されている〕に入れ、封をして、−5℃、5℃および10℃のそれぞれの温度で静置して保存した。6月経過後および12月経過後の着色感光性樹脂組成物の粘度変化率を表1に示す。なお、6月経過時および12月保存後の着色感光性樹脂組成物には、いずれの温度で保存したものにも、ゲル状物は生じていなかった。
【0075】
上記で12月保存した後の着色感光性樹脂組成物は、これを基板(3)の上に塗布し、溶媒を揮発させて着色感光性層(4)を形成し(図2(a))、該層(4)を露光したのち(図2(b))、現像することによって(図2(c))、保存開始前の着色感光性樹脂組成物を用いて同様にして形成される着色パターンと同様の緑色で透明な着色パターン(2)を与える。
【0076】
比較例1〔緑色の着色感光性樹脂組成物〕
実施例1で用いたものと同様の着色感光性樹脂組成物を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、−8℃、20℃および30℃でそれぞれ静置して保存した。−8℃で保存したものは、1週間経過後にはゲル状物が生じていた。3月経過後、6月経過後および12月経過後の粘度変化率を表1に示す。なお、20℃で保存したものは6月保存後もゲル状物は生じておらず、30℃で保存したものは、1月保存後のものにも、3月保存後のものにもゲル状物は生じていなかった。
【0077】
実施例2〔赤色の着色感光性樹脂組成物の長期保存〕
(A)顔料〔C.I.ピグメントレッド254、粒径は約30〜40nmの範囲〕0.794質量部、
(A)顔料〔C.I.ピグメントイエロー139、粒径は約30〜80nmの範囲〕0.211質量部、
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で27:73、重量平均分子量は30,000、酸価は102〕0.860質量部、
(C)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.546質量部、
(D)光重合開始剤〔2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン〕0.082質量部、
(D)光重合開始剤〔2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン〕0.082質量部、
光重合開始助剤〔2,4−ジエチルチオキサントン〕0.082質量部、
(E)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート約12.0質量部および
ノニオン系界面活性剤0.352質量部
を含む着色感光性樹脂組成物(赤色)を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、封をして、−5℃、5℃および10℃のそれぞれの温度で静置して保存した。6月経過後および12月経過後の粘度変化率を表1に示す。なお、6月経過時および12月保存後の着色感光性樹脂組成物には、いずれの温度で保存したものにも、ゲル状物は生じていなかった。
【0078】
上記で12月保存した後の着色感光性樹脂組成物は、これを基板(3)の上に塗布し、溶媒を揮発させて着色感光性層(4)を形成し(図2(a))、該層(4)を露光したのち(図2(b))、現像することによって(図2(c))、保存開始前の着色感光性樹脂組成物を用いて同様にして形成される着色パターンと同様の赤い色で透明な着色パターン(2)を与える。
【0079】
比較例2〔赤色の着色感光性樹脂組成物〕
実施例2で用いたものと同様の着色感光性樹脂組成物を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、20℃および30℃でそれぞれ静置して保存した。3月経過後、6月経過後および12月経過後の粘度変化率を表1に示す。なお、20℃で保存したものには、6月保存後もゲル状物は生じておらず、30℃で保存したものには、1月保存後も、3月保存後もゲル状物は生じていなかった。
【0080】
実施例3〔青色の着色感光性樹脂組成物〕
(A)顔料〔C.I.ピグメントブルー15:6、粒径は約30〜90nmの範囲〕1.030質量部、
(A)顔料〔C.I.ピグメントバイオレット23、粒径は約20〜60nmの範囲〕0.016質量部、
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で30:70、重量平均分子量は25,000、酸価は113〕0.756質量部、
(C)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.887質量部、
(D)光重合開始剤〔2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン〕0.197質量部、
光重合開始助剤〔2,4−ジエチルチオキサントン〕0.099質量部、
(E)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート約11.7質量部および
ノニオン系界面活性剤0.314質量部
を含む着色感光性樹脂組成物(青色)を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、封をして、−5℃、5℃および10℃のそれぞれの温度で静置して保存した。6月経過後および12月経過後の着色感光性樹脂組成物の粘度変化率を表1に示す。なお、6月経過時および12月保存後の着色感光性樹脂組成物には、いずれの温度で保存したものにも、ゲル状物は生じていなかった。
【0081】
上記で12月保存した後の着色感光性樹脂組成物は、これを基板(3)の上に塗布し、溶媒を揮発させて着色感光性層(4)を形成し(図2(a))、該層(4)を露光したのち(図2(b))、現像することによって(図2(c))、保存開始前の着色感光性樹脂組成物を用いて同様にして形成される着色パターンと同様の青色で透明な着色パターン(2)を与える。
【0082】
実施例4〔緑色の着色感光性樹脂組成物〕
(A)顔料〔C.I.ピグメントグリーン36、粒径は約30〜80nmの範囲〕0.540質量部、
(A)顔料〔C.I.ピグメントイエロー138、粒径は約30〜60nmの範囲〕0.540質量部、
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比は物質量比(モル比)で35:65、重量平均分子量は35,000、酸価は135〕0.787質量部、
(C)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.472質量部、
(D)光重合開始剤〔2、4−ビス(トリクロロメチル)−ピペロニル−1,3,5−トリアジン〕0.189質量部、
(E)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート約11.8質量部およびエポキシ化合物〔オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、「スミエポキシESCN−195XL−80」(住友化学工業(株)製)〕0.315質量部および
ノニオン系界面活性剤0.318質量部
を含む着色感光性樹脂組成物(緑色)を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、封をして、−5℃、5℃および10℃のそれぞれの温度で保存した。6月経過後および12月経過後の着色感光性樹脂組成物の粘度変化を表2に示す。なお、6月経過時および12月保存後の着色感光性樹脂組成物には、いずれの温度で保存したものにも、ゲル状物は生じていなかった。
上記で12月保存した後の着色感光性樹脂組成物は、これを基板(3)の上に塗布し、溶媒を揮発させて着色感光性樹脂組成物層(4)を形成し(図2(a))、該層(4)を露光したのち(図2(b))、現像することによって(図2(c)、保存開始前の着色感光性樹脂組成物を用いて同様にして形成される着色パターンと同じ緑色で透明な着色パターン(2)を与える。
【0083】
比較例3〔緑色の着色感光性樹脂組成物〕
実施例4で用いたものと同様の着色感光性樹脂組成物を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、−8℃、20℃および30℃でそれぞれ静置して保存した。−8℃で保存したものは、1週間経過後にはゲル状物が生じていた。3月経過後、6月経過後および12月経過後の粘度変化率を表1に示す。なお、20℃で保存したものは6月保存後もゲル状物は生じておらず、30℃で保存したものは、1月保存後のものにも、3月保存後のものにもゲル状物は生じていなかった。
【0084】
実施例5
実施例4で用いたものと同様の着色感光性樹脂組成物を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、酸素分圧204hPaの空気雰囲気下で、空隙率10%となるように封入した後、5℃で保管した。3月後、容器を取り出し、容器内の溶液を確認したところ、粘度の増加や凝集物の発生もなく初期の状態を保っていた。
【0085】
実施例6
実施例4で用いたものと同様の着色感光性樹脂組成物を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、酸素分圧204hPaの空気雰囲気下で、空隙率20%となるように封入した後、5℃で保管した。3月後、容器を取り出し、容器内の溶液を確認したところ、粘度の増加や凝集物の発生もなく初期の状態を保っていた。
【0086】
比較例4
実施例5において、空隙率を5%に変更した以外は、実施例5と同様に保管した。30日後、容器内の溶液を確認したところ、粘度の増加や凝集物の発生が確認された。
【0087】
比較例5
実施例5において、空気雰囲気に代えて窒素雰囲気下で封入する以外は、実施例5と同様に保管した。30日後、容器内の溶液を確認したところ、粘度の増加や凝集物の発生が確認された。
【0088】
参考例1
実施例1において、(A)顔料〔C.I.ピグメントグリーン36〕、(A)顔料〔C.I.ピグメントイエロー150〕およびノニオン系界面活性剤を含まない以外は実施例1で用いたものと同じ組成の感光性樹脂組成物(無色)を実施例1で用いたものと同様の保存容器に入れ、封をして、−10℃で静置して保存した。12月経過後の着色感光性樹脂組成物には、ゲル状物は生じていなかった。
【表1】
【0089】
【発明の効果】
本発明の保存方法によれば、品質の大きな変化を招くことなく長期間、着色感光性樹脂組成物を保存することができ、一回の製造量を多くすることができて、着色感光性樹脂組成物の生産性を向上することことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルターの一例を示す模式図である。
【図2】着色パターンの形成工程を示す模式図である。
【図3】着色パターンの形成工程を示す模式図である。
【図4】着色パターンの形成工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1 :カラーフィルター
2 :着色パターン 2BM:ブラックマトリックス
2R :赤色画素
2’:着色パターン 2G :緑色画素
2”:着色パターン 2B :青色画素
3 :基板
4 :着色感光性層
4’:着色感光性層
4”:着色感光性層
5 :フォトマスク 51:ガラス板
52:遮光層
53:透光部
6 :光線
Claims (4)
- (A)着色剤、(B)バインダーポリマー、(C)光重合性化合物、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物を−5℃以上15℃以下の温度で、かつ、着色感光性樹脂組成物を充てんして保存する容器において、該容器の内容積から着色感光性樹脂組成物の占める体積を除いた空隙部の体積と該容器の内容積との比率(空隙率)(%)が10〜20%であり、該空隙部雰囲気ガスの酸素分圧(hPa)が204hPaであり、前記の空隙率と前記の酸素分圧との積が2040〜4080(%・hPa)の雰囲気で、保存することを特徴とする前記着色感光性樹脂組成物の保存方法。
- 請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物を保存する容器において、光の透過率が250nm〜440nmの波長範囲で8%以下である容器の中で保存する請求項1に記載の保存方法。
- (A)着色剤が、C.I.ピグメントグリーン36およびC.I.ピグメントイエロー150を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の保存方法。
- (A)着色剤が、C.I.ピグメントレッド254およびC.I.ピグメントイエロー139を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の保存方法。
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