JP4138748B2 - 遠心ポンプのための羽根車 - Google Patents

Description

本発明は、遠心ポンプのための羽根車並びに当該羽根車の使用に関する。

遠心ポンプのための羽根車は公知である。この羽根車は羽根を備えている。この羽根によって、垂直に羽根へ導入される圧送したい媒体は、半径方向で変向され、側方で羽根車から遠心ポンプの圧力管片へ導出される。この場合、羽根の設計上の構成は、特別に極めて重要である。『流体機械』（"Stroemungsmaschinen"）（Karl Pfleiderer著、Hartwig Petermann発行、 第６版、１５６〜１６５頁）では、羽根が設計上準拠して構成されなければならない観点が説明される。この場合、例えば、羽根の吸込縁部の経過が次のように選択されるようにする、すなわち、この経過が吐出縁部から十分な間隔を保って側壁に、できるだけ急勾配の角度を備えて続くように選択されるようにすることが、強調される。

本発明は、より小さい構造上の構成でも比較的に高い効率が達成され得るようになっている、遠心ポンプのための羽根車を提供するという課題に基づいている。

本発明の基礎を成している前記課題は、前方のカバープレートと後方のカバープレートとの間に、少なくとも３つの羽根が配置されており、少なくとも１つの羽根の吸込縁部の弧が、圧送したい媒体の入口側の平面図で見て、唯一の変曲点Ｗを備えて正弦状に経過している、遠心ポンプのための羽根車によって解決される。この場合、吸込縁部とは、各羽根の、流動媒体に向けられた縁部のことである。圧送したい媒体として、液体、ガスまたは例えば懸濁液も使用することができる。変曲点とは、前記弧の、異なる湾曲の２つの部分を分割する点のことである。この場合、圧送したい媒体の入口側の平面図で見て、観察者に呈示される、弧状の経過が考えられている。驚くべきことに、当該羽根車は、より小さい設計上の構成でも比較的に高い効率を有していることが判った。この結果は、例えば、羽根車の直径が５〜６ｃｍである場合に得られた。遠心ポンプのための当該羽根車が設計上大きく設定されていればいるほど、効率はますます高くなる。この場合、効率とは例えば、導出された液圧的な出力を、供給された動力で割った商を意味しており、しかも、導出された液圧的な出力とは、流量と圧力差との積のことである。このことによって、大抵の場合、流量の増加と圧力差の増大とを達成することができる。

本発明の有利な１実施態様は、変曲点Ｗが、吸込縁部の弧の外側端部Ａよりも吸込縁部の弧の内側端部Ｂの近くに位置していることにある。この構成によって効率をさらに高めることができる。

本発明の別の有利な実施態様によれば、７個〜１５個の羽根が配置されている。このことによって、遠心ポンプのための当該羽根車は、様々な使用目的に特別有利に適している。

本発明のさらに別の有利な実施態様によれば、全ての羽根の吸込縁部の弧が、同形式に形成されていることが考えられている。この場合、同形式の形成とは、全ての羽根の吸込縁部の弧が、圧送したい媒体の入口側の平面図で見て、唯一の変曲点Ｗを備えて正弦状に経過しているという意味である。この構成によってやはり効率が高められると同時に、羽根車の製作が簡単になる。

本発明のさらに別の有利な実施態様によれば、吸込縁部の弧の全ての内側端部Ｂが、圧送したい媒体の入口側の平面図に関して、１つの円上に位置していることが考えられている。これにより、遠心ポンプのための当該羽根車の内部における流れ挙動が、最適化される。

本発明のさらに別の有利な実施態様によれば、後方のカバープレートの、圧送したい媒体の流れ方向に向けられた面は、凸状に形成されている。この場合、ビード状の突出部の形状の、通常汎用の流入スピンナ（Einlaufspinner；intake spinner）を配置することは、省かれる。前記凸状の形成によって、後方のカバープレートの領域における流れ特性が改善される。

本発明のさらに別の実施態様によれば、後方のカバープレートの、圧送したい媒体の流れ方向に向けられた面は、平坦な面を中央に有している。この形式によって、平坦な面に堰止め室（Stauraum）が形成され、この堰止め室内で渦流が生ぜしめられる。この渦流によって、流動媒体は側方で羽根車の出口に、有利な方式で到達することができる。

最後に、本発明の対象は、前記羽根車を、自動車における冷却水を圧送するための遠心ポンプ内で使用することである。これにより、自動車における冷却を最適化することができる。このことは、遠心ポンプのための前記羽根車によって効率が高められた直接の結果である。

以下に、本発明を図面（図１〜図３）につき詳しくかつ例示的に説明する。

図１には、遠心ポンプのための羽根車を平面図で示してある。羽根車は複数の羽根１を有している。この場合、羽根１の吸込縁部の弧２は、唯一の変曲点Ｗを備えて正弦状に経過している。この正弦状の経過は、横座標Ｘおよび縦座標Ｙを備えた座標システムによって明確に示される。この場合、吸込縁部の所属の弧２は、ボールド印刷で強調されている。この場合、変曲点は、吸込縁部の弧２の外側端部Ａよりも吸込縁部の弧２の内側端部Ｂの近くに位置している。全部で７つの羽根１が配置されている。この場合、全ての羽根１の吸込縁部の弧２は、同形式に形成されている。吸込縁部の弧２の全ての内側端部Ｂは、圧送したい媒体の入口側の平面図に関して、１つの円７上に位置する。

図２には、遠心ポンプのための羽根車を横断面図で示してある。この羽根車は、圧送したい媒体のための出口側を中央に有している。圧送したい媒体は、遠心ポンプのための羽根車を通流し、羽根車４の出口４を介して遠心ポンプの圧力管片（図示せず）に到達する。後方のカバープレート６の、圧送したい媒体の流れ方向に向けられた面６′は、凸状に形成されていて、平坦な面６″を中央に有している。この平坦な面６″には、運転中、圧送したい媒体のための堰止め室が形成される。このことによって、圧送したい媒体は、より迅速に羽根車の出口側４に到達することができる。個々の羽根１は、前方のカバープレート５と後方のカバープレート６との間に配置されている。

図３には、遠心ポンプのための羽根車を三次元で示してある。この羽根車は、通常、プラスチックから製作される。この場合、特別に有利な形式では、熱硬化性プラスチックが使用される。羽根車は、特別に有利には、自動車における冷却水を圧送するための遠心ポンプ内で使用される。この場合、羽根車の直径は４〜７ｃｍである。このような羽根車が比較的に小さく構成されているにもかかわらず、遠心ポンプの、比較的に高い効率が達成され得る。

遠心ポンプのための羽根車の平面図である。 遠心ポンプのための羽根車の横断面図である。 遠心ポンプのための羽根車を三次元で示す図である。

Claims (8)

1. 遠心ポンプのための羽根車において、前方のカバープレート（５）と後方のカバープレート（６）との間に、少なくとも３つの羽根（１）が配置されており、少なくとも１つの羽根（１）の吸込縁部の弧（２）が、圧送したい媒体の入口側（３）の平面図で見て、唯一の変曲点Ｗを備えて正弦状に経過していることを特徴とする、遠心ポンプのための羽根車。
2. 変曲点Ｗが、吸込縁部の弧（２）の外側端部Ａよりも吸込縁部の弧（２）の内側端部Ｂの近くに位置している、請求項１記載の羽根車。
3. ７個〜１５個の羽根（１）が配置されている、請求項１または２記載の羽根車。
4. 全ての羽根（１）が同じ形状を有している、請求項１から３までのいずれか１項記載の羽根車。
5. 吸込縁部の弧（２）の全ての内側端部Ｂが、圧送したい媒体の入口側（３）の平面図に関して、１つの円（７）上に位置している、請求項１から４までのいずれか１項記載の羽根車。
6. 後方のカバープレート（６）の、圧送したい媒体の流れ方向に向けられた面（６′）が、凸状に形成されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の羽根車。
7. 後方のカバープレート（６）の、圧送したい媒体の流れ方向に向けられた面（６′）が、平坦な面（６″）を中央に有している、請求項５または６記載の羽根車。
8. 自動車における冷却水を圧送するための遠心ポンプ内で使用される、請求項１から７までのいずれか１項記載の羽根車。

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