JP4138365B2 - 地図表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーションシステム等において用いられる地図表示装置に関し、特に歩行者等が携帯して利用するのに適した地図表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在位置の周辺の地図情報を表示したり目的地へ案内したりするためのシステとしてカーナビゲーションシステムやポータブルナビゲーションシステム等のナビゲーション装置が数多く実用化されており、特に近年では歩行者等が利用することを想定した歩行者用ナビゲーションシステムやパーソナルナビゲーションシステムも実用化されている。これらのシステムでは、現在位置や現在向いている方位を検知する手段として、GPS(Global Positioning System)や方位センサを用いたり、あるいは現在位置近傍に設置されている位置情報発信機からの位置情報を受信する受信装置を用いたりしている。
【0003】
又、現在位置や現在方位情報を利用者(以後は利用者と記す)に通知する手段として、画面上に地図情報や文字や簡易図形を表示する携帯端末が用いられており、さらには画面を介して視覚的に通知する表示情報だけでなく、聴覚的に通知する音声情報によっても通知できるものが考案されている。
携帯端末のハード面での改良も進んでおり、携帯性に優れた小型・軽量の地図表示装置が開発されており、歩行者等が利用するのに適したものが普及してきている。
【0004】
これらの地図表示装置を利用すれば、初めて訪れた土地や不慣れな土地においても、利用者が現在いる位置の周辺の地図が地図表示装置の画面上に表示され、さらに画面上に現在位置と現在方位とが表示されることにより、自分の現在位置と現在方位とを把握することができる。
【0005】
地図表示装置における地図表示方法としては、方位の「北」が画面上方となるように表示する「北上方表示モード」と、地図表示装置に取り付けられた方位センサ等によって検知された地図表示装置の前方方向または画面上方の方位(一般的なナビゲーションシステムでは進行方位)を測定方位として測定方位の変化に応じて自動的に測定方位が画面上方となるように表示する「測定方位上方表示モード」があり、利用者の好みや状況に応じて任意に選択できるようにした地図表示装置も普及している。
【0006】
上記2つのモードのうち、北上方表示モードは広域地図のような縮尺の大きい地図を表示して現在位置や目的位置などを確認する場合に適しており、利用者が通常見慣れている北を上とした地図表示画面上で容易に地図情報を確認することができる。
また、測定方位上方表示モードは詳細地図のような縮尺の小さい地図を表示して地図表示画面上の道路や目標物を実際の道路や目標物と対応づけて確認する場合に適している。
【0007】
特開昭62−279720号公報では、設置位置周辺の地図を含む地理情報を送出するサインポストからの無線信号を受信して表示する携帯用受信装置にコンパスを内蔵して、地図等と検出方位を同時に表示したり、検出方位に合致した方向で地図を表示したりする技術が開示されている。
【0008】
また、特開平02−229866号公報では、車載用のナビゲーション装置において車両の進行方向が著しく、かつ、連続的に変化する場合には地図の回転を禁止し、進行方向が一定方向に安定した状態で地図の回転を行なう技術が開示されている。
【0009】
更には、特開2001−23076号公報では、歩行者用ナビゲーション機能を有する携帯端末において、表示画面上に現在地から見た目的地の方向や距離を矢印の向きと長さで表現する技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
初めて行った土地や不慣れな土地で地図表示装置を利用する場合、地図表示装置に表示された地図情報と利用者が実際に立っている位置の近傍の状況との対応関係を認知する必要がある。
しかし、北上方表示モードでの表示では、利用者の向いている方向が北もしくは北に近い方位である場合以外では、地図表示装置に表示された地図情報と実際の状況との対応を付けるのが難しい。
【0011】
そのため、測定方位上方表示モードを利用して地図表示装置に表示された地図情報の表示方位と利用者が実際に向いている方位とを一致させることにより、利用者に画面上の地図情報と近傍の状況との対応を認知しやすいようにしている。
【0012】
しかしながら、歩行者等が地図表示装置を携帯して利用する場合を想定すると、歩行者は車両の場合とは異なり、交差点等で道に迷った場合には、周囲の状況を確認するために歩行者自身が向いている方位が前後左右に頻繁に著しく変化する場合が多くなり、これに連動して地図表示装置の向く方位も大きく変化することとなる。
【0013】
このような状況のとき測定方位上方表示モードでは、地図表示装置に表示される地図情報が方位の変化に応じて頻繁に変更されるため、画面上の地図情報の視認性が著しく低下するという問題があった。例えば、上述した特開昭62−279720号公報に記載の装置では、携帯用受信装置に表示される地図は、内蔵したコンパスの検出方位に合致した方向に表示されるので、上記のような問題が生じることが考えられる。
【0014】
また、利用者が測定方位上方表示モードを利用して画面上の地図情報と近傍の状況との対応関係を認知した後、実際に目的地等に向かって移動を開始した時、特に山道等のようにカーブが連続しており、かつ、周囲に目印になるような特徴物もないような状況においては、方位が時時刻刻と変化し、画面上の地図情報の表示方位が変更されていくうちに、利用者は画面上の地図情報と近傍の状況との対応付けが困難になることがあり、場合によっては自分が進むべき方向にすら困惑するということになりかねなかった。
【0015】
また、測定方位上方表示モードにおいては、地図表示装置に表示される地図情報が方位の変化に応じてその都度、前方または画面上方の方位が画面上方になるように表示が更新されるので、方位が連続的に変化するような状況では地図表示装置の更新処理のための負荷が大きくなり、処理能力の低い(処理速度が遅い)携帯端末等で地図の描画に時間がかかってしまうような場合には、表示に遅れが生じてしまい、地図表示装置のある時点での実際の方位と画面に表示された地図情報の方位との間にズレが生じたり、地図情報の描画が遅いことによって視認性が低下したりする等、利用者にとって使い勝手が悪いという問題も生じかねなかった。
【0016】
また、地図の描画に時間がかからないような処理速度が速い地図表示装置であったとしても、実際に利用者が向いている方位の変化が、地図画面上でどの程度の方位変化となるのかを把握したい場合を考えると、地図情報の全てが詳細に表示されていると、かえって表示されている地図情報の中から方位の変化状況が認識できる情報(例えば道路部分など)を利用者自らが地図から抽出して読み取る必要があり、利用者にとっては煩わしく感じられることにもなりかねなかった。
【0017】
上記のような、方位が連続的に変化するような状況での問題を解決するための方法として、特開平02−229866号公報では、進行方向が著しく、かつ、連続的に変化するような状況では画面に表示される地図情報の表示方位は変化させずに一定にしておき、やがて方位が安定してから地図情報の表示方位を変更することが考案されている。
【0018】
このような方法は、車載用カーナビゲーションシステム等では、方位が変化する時、すなわち曲がり角やカーブを曲がる最中には、利用者は運転操作に集中していることから、地図表示装置に表示される地図情報は殆ど見ないために実用上の問題は少ないが、歩行者等が携帯して利用することを考えると、むしろ方位の変化が激しいときに地図情報を欲する場合がありうる。また、地図表示装置の方位、すなわち実際に歩行者が向いている方位の変化が地図画面上でどの程度の方位変化となるのかが把握できないという問題がある。
【0019】
さらに、従来からの地図表示装置においても、利用者が目的地に向かって移動する場合のために、画面上の地図情報に目的地への案内経路を重畳表示したり、もしくは音声情報等により進行方向や次の曲がり角の情報等を案内したりする経路案内機能がナビゲーションシステム等に搭載されている。
【0020】
この場合、車載用カーナビゲーションシステムにおける経路案内では、現在の進行方向(すなわち車両の向いている方向)を基準に案内がなされるので特に問題はないのであるが、歩行者用ナビゲーションシステムでは、利用者が画面上の地図情報と近傍の状況との対応関係を認知した上で、案内された情報によりどちらの方位に移動すればよいかを判断する必要があるため、直感的に自分が進むべき方位を把握し難い場合があった。
【0021】
特開2001−23076号公報では、歩行者用ナビゲーション機能を有する携帯端末において表示画面上に現在地から見た目的地の方向や距離が、矢印の向きと長さで表現されるようになっているが、利用者は画面に表示される矢印を見ながら、目的地の方向を確認することになるので、やはり直感的に自分が進むべき方位を把握し難いという問題があった。
【0022】
また、従来の地図表示装置では、画面に表示される地図情報のうち、道路や建築物等の固有名称などを表す文字データは、まとまった単位文字列として管理されている。そして、画面上に地図情報が表示される際に、画面上の所定の位置、すなわち画面上の道路や建築物等に対応した位置に必要な単位文字列が表示されるが、これらの文字列で画面の端部にあるものについては、画面からはみ出して単位文字列全体が表示されなかったり、一部分がはみ出す場合には、その単位文字列は表示されなくなったりする場合があり、正確な文字情報を得ることができなかったり、文字列の意味を理解できなかったり、はみ出す単位文字列が表示されない場合には十分な情報が得られなかったりするという問題があった。
【0023】
同様に、従来の地図表示装置では、画面上の地図表示範囲内に含まれる地図上の建築物や設置物を表すアイコンが、画面上の所定の位置、すなわち画面上の建築物や設置物などに対応した位置に表示されるが、これらのアイコンのうちで画面端部の位置にあるものについては、画面からはみ出してアイコン全体が表示されなかったり、一部分がはみ出す場合には、そのアイコンは表示されなくなったりするので、アイコン情報を得ることができなかったり、アイコンの種別を認識できなかったりするという問題があった。
【0024】
そこで、本発明は、歩行者が利用する際に使い勝手の優れた地図表示装置を提供することを目的とする。
また、以下に示す少なくとも1つ以上を目的とする。
即ち、特に歩行者等が利用することを配慮して、画面上の地図情報と現在の所在位置近傍の状況との対応付けが容易な表示モードを備えた地図表示装置を提供することを目的とする。
また、測定方位上方表示モードにおいても実際の利用者が向いている方位の変化が、画面上でどの程度の方位変化となるのかを把握し易くした地図表示装置を提供することを目的とする。
また、目的地に向かって移動を開始する場合にも直感的に自分が進むべき方位を把握し易くした地図表示装置を提供することを目的とする。
また、画面上の地図表示範囲内に含まれる道路や建築物等の固有名称等を表す文字データである単位文字列や地図上の建築物や設置物を表すアイコンが画面の端部にかかっても画面からはみ出したり、表示されなくなったりせずに利用者が地図表示範囲内に含まれるべき単位文字列やアイコンを正確に読み取ることができる地図表示装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明の地図表示装置は、地図情報を記憶する地図情報記憶部と、地図情報を画面上に表示する表示部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、地図表示装置の現在方位を決定する現在方位決定部と、現在位置検出部からの現在位置情報および現在方位決定部からの現在方位情報に基づいて地図情報記憶部に記憶された地図情報を表示部の画面に表示する地図表示制御部とからなる地図表示装置であって、表示モードの選択入力を含む各種の入力操作を行なうための入力部と、入力部からの表示モード選択入力に基づいて、北方位が画面上方となるように地図を表示する北上方表示モード、地図表示装置の現在方位が画面上方となるように地図を表示する測定方位上方表示モード、指定時点で地図表示装置が向いている方位を指定方位として指定方位が画面上方になるように地図を表示する指定方位上方表示モードのいずれかを選択する表示モード選択部と、北上方表示モードでは北方位を記憶し、測定方位上方表示モードでは現在方位を記憶し、指定方位上方表示モードでは指定時点での指定方位を記憶する表示方位記憶部とを備え、地図表示制御部は各モードに応じて表示方位記憶部に記憶された方位に基づいて画面上方を定めて表示部に地図の表示を行なうようにしている。
【0026】
この発明によれば、地図表示制御部は、現在位置検出部からの現在位置情報および現在方位決定部からの現在方位情報に基づいて地図情報記憶部に記憶された地図情報を表示部の画面に表示する。
その際、入力部から表示モードの選択命令を表示モード選択部に送ることにより、「北」が画面上方になるように地図を表示する北上方表示モード、地図表示装置の現在方位が画面上方になるように地図を表示する測定方位上方表示モード、指定時点で地図表示装置が向いている方位を指定方位として指定方位が画面上方になるように地図を表示する指定方位上方表示モードのいずれかを選択することができる。
表示モード選択部により表示モードが選択されると、地図表示制御部は選択された表示モードに対応して、北上方表示モードでは北の方位を、測定方位上方表示モードでは現在方位決定部から送られる現在方位を、指定方位上方表示モードでは指定時点での指定方位を表示方位記憶部から読み出す。
そして、地図表示制御部は表示方位記憶部から読み出した方位に基づいて画面上方を定めて表示する地図情報を編集した上で地図情報の表示を行なう。
【0027】
また、本発明は地図情報を記憶する地図情報記憶部と、地図情報を画面上に表示する表示部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、地図表示装置の現在方位を決定する現在方位決定部と、現在位置検出部からの現在位置情報および現在方位決定部からの現在方位情報に基づいて地図情報記憶部に記憶された地図情報を表示部の画面に表示する地図表示制御部とからなる地図表示装置であって、表示モードの選択入力を含む各種の入力操作を行なうための入力部と、入力部からの表示モード選択入力に基づいて、北方位が画面上方となるように地図を表示する北上方表示モード、地図表示装置の現在方位が画面上方となるように地図を表示する測定方位上方表示モード、指定時点で地図表示装置が向いている方位を指定方位として指定方位が画面上方になるように地図を表示する指定方位上方表示モードのいずれかを選択する表示モード選択部と、指定時点での地図表示装置が向いている方位を指定方位として記憶する第一表示方位記憶部と、現在方位決定部から送られる現在方位又は北の方位を記憶する第二表示方位記憶部と、表示モード選択部により指定方位上方表示モードが選択された時点で第一表示方位記憶部に記憶された方位と第二表示方位記憶部に記憶された方位を比較して不一致の場合には、第一表示方位記憶部に記憶された指定方位を維持するか、第二表示方位記憶部に記憶された方位を新たな指定方位として第一表示方位記憶部に更新記憶するかを選択できるようにするための指定方位更新選択部と、を備え、地図表示制御部は、指定方位上方表示モードの際に指定方位更新選択部により維持され又は更新された指定方位を画面上方として表示するようにしている。
【0028】
この発明によれば、指定方位が第一表示方位記憶部に記憶してあり、現在方位又は北の方位が第二表示方位記憶部に記憶してある。表示モード選択部により表示モードとして指定方位上方表示モードが選択されると、第一表示方位記憶部に記憶された方位と第二表示方位記憶部に記憶された方位とを比較して不一致の場合には、その時点で指定方位更新選択部がそのまま第一表示方位記憶部に記憶してある指定方位を用いて表示を行なうか、第二表示方位記憶部に記憶してある現在方位又は北の方位を新たな指定方位として第一表示方位記憶部に記憶させて指定方位を更新するかを利用者に選択できるようにする。これにより、既に設定されている指定方位を継続するか、新しい指定方位に更新設定するかを任意に選択することができるようになる。
【0029】
第一表示方位記憶部と第二表示方位記憶部とは、初期値として同一方位が記憶されるようにしてもよい。これによれば、第二表示方位記憶部に記憶されている方位が初期値と異なる方位に変更されない限りは、利用者が指定方位を設定しなくても、一般的な地図の上方方位である北(あるいは任意の方位)を上向きに自動的に設定することができ、第二表示方位記憶部に記憶されている方位が初期値と異なる方位に変更されても、適切な指定方位を利用者に選択的に設定させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の地図表示装置の実施形態について図面を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明では利用者は地図表示装置の画面上端を常に前方に向けて保持しているものとし、利用者が自らの向きを変えると地図表示装置も同じように向きが変わるものとする。
【0031】
図1は、本発明の一実施例である地図表示装置の全体ブロック構成図である。この地図表示装置1は、現在位置を検出する現在位置検出部2、地図表示装置の実際の方位を検出する方位検出部3a、各種のデータや命令を入力するための入力部4、地図情報を含む各種のデータや入力画面を表示する表示部5、表示する地図情報を記憶する地図情報記憶部6、地図表示装置に必要な制御を行なう制御部7、音情報を発するためのスピーカ14、制御・処理を行なうときのデータの一時記憶や作業領域として用いられるワークメモリ15とにより構成される。
【0032】
また、制御部7はCPUからなり、機能的に、現在方位決定部3、地図表示制御部8、表示モード選択部9、経路案内制御部10、方位一致通知部11、指定方位更新選択部12に分けることができる。
【0033】
現在位置検出部2は、外部の位置情報送信装置から送信されてくる位置情報を受信する受信装置からなる。位置情報の送信源としては、GPS(Global Positioning System)や、街角などに設置されるサインポスト等からの近距離無線通信が利用できる。受信装置では送信源から受信した位置情報から現在の地図表示装置1の位置、例えば経度、緯度を検出することができるようになっている。
【0034】
方位検出部3aは、方位を検出するための地磁気方位センサからなる。あるいは、地理情報を提供する装置、例えば街角などに設置されるサインポストなどから近赤外線など指向性のある近距離無線信号が発信される場合にはこの信号を受信できる受信装置を方位検出部3aとして利用するようにしてもよい。
方位検出部3aでは、地図表示装置1の上方(表示部5の上端側)を地図表示装置1が向いている「実際の方位」であるとして固定的に取り扱うことで、地磁気方位センサや受信装置から得た実際の方位のデータを元に、地図表示装置1が向いている実際の方位を出力する。出力された実際の方位は、後述する方位情報記憶部18にある方位角度記憶部18aに「方位角度」情報として記憶される。
【0035】
図27は地図表示装置1が実際に向いている方位を説明する図である。表示部5の画面上端側の向いている方位が、地図表示装置1の向いている「実際の方位」と定義される。図27の例では地図表示装置1画面上方が「西」の方位(コンパスで測定される実際の方位20)に向いているので「西」が地図表示装置1の向いている実際の方位となる。
【0036】
現在方位決定部3は、方位検出部3aからの実際の方位(後述する方位角度記憶部18aの方位角度データ)を元に、実際の方位とは別に「現在方位」を定義(決定)する。この現在方位は、地図情報を画面に表示するときの表示画面上での地図表示装置1が向いている方位を示すために用いる方位であり、必ずしも実際の方位とは完全に一致する必要はない。
現在方位は上述したように地図情報を画面表示するときの画面上での地図表示装置1が向いている方位として使用されるが、その方位はいろいろ定義することができる。
例えば、地図表示装置1が向いている実際の方位、即ち、方位検出部3aで検出された実際の方位をそのまま現在方位と定義(決定)してもよい。
【0037】
その場合、地図表示装置1の向きの変化に連動して現在方位が頻繁に変化することになるので、多少応答性を緩和する目的で後述するように(図22参照)方位検出部3aからの実際の方位を元にこれを加工して、現在方位が8方位(北、北東、東、南東、南、南西、西、北西の8方位)、16方位(8方位にさらに北北東、東北東等を加えた16方位)のみを取りうるものを現在方位と定義したり、さらに8方位、16方位の隣り合う境界付近でスレッシホルドを持たせたもの(図22のS1005)を現在方位と定義したりしてもよい。現在方位決定部3による現在方位決定のための具体的な判定フローの例は後述する。
要するに、地図表示装置1が向いている実際の方位と完全一致するか否かに関わらず、地図表示装置1の表示画面上で現在地図表示装置1が現在向いている方位として一義的に定めた方位を「現在方位」としている。
【0038】
入力部4は、スイッチやキーからなる。また、入力部4はタッチパネル等により構成してもよい。入力部4からは、地図の表示モードの選択、地図の表示内容のスクロール指示、地図表示装置1のメニュー画面表示状態からの目的の機能選択、後述する経路案内機能利用時の目的地設定、後述する方位一致通知部11による方位一致の通知を行なうか否かの設定、方位一致の通知を行なう場合の通知対象方位の設定、指定方位上方表示モードにおける方位を指定したい時点での方位指定の指示入力等、地図表示装置1が動作を行なうために必要な情報を入力したり機能を選択したりするための入力が行われる。
【0039】
表示部5は、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示装置からなる。表示部5の画面には、後述する地図表示制御部8で編集された地図や各種の入力用表示画面が表示される。
【0040】
地図情報記憶部6は、フラッシュメモリのような不揮発メモリ、CD-ROM、DVD-ROM等の記憶媒体からなり、地図データや後述する経路案内機能のための音声データを記憶している。
【0041】
地図表示制御部8は、現在位置検出部2からの現在位置情報と、現在方位決定部3からの現在方位情報とを得て、現時点での表示に必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出し、後述する表示モード選択部9で選択された表示モードに応じて表示方位記憶部16に記憶してある方位を参照して地図を表示部5に表示する制御を行なう。
そして、一定サイクルごとに現在位置情報と現在方位情報とを得る動作を繰り返し、それまでの現在位置や現在方位から変化していないときは表示をそのまま維持し、変化したときは表示内容を更新する制御を行なう。
また、地図表示制御部8は、後述する指定方位更新選択部12の動作に対応して、あるいは地図表示装置1が有している各種機能に対応して後述するような種々の表示制御を行なう。
【0042】
表示モード選択部9は、入力部4から入力される表示モードに基づいて、北を方位として北が画面上方になるように地図を表示する北上方表示モード、地図表示装置1の現在方位が画面上方になるように地図を表示する測定方位上方表示モード、指定された時点で地図表示装置1が向いている方位を指定方位として指定方位が画面上方になるように地図を表示する指定方位上方表示モードのいずれかを選択する。この選択により、地図表示制御部8は選択された表示モードでの表示が行われるように設定される。
【0043】
経路案内制御部10は、入力部4からの入力指示により経路案内機能が選択された場合に、地図表示制御部8を介して表示部5に目的地設定画面の表示を行い、入力部4からの入力指示により目的地の設定がなされたら、現在位置、現在方位から目的地までの案内経路を地図情報記憶部6から読み出した地図データを元に生成して、生成した案内経路を地図表示制御部8に送る。なお、地図表示制御部8は案内経路を受けると画面上の地図情報に重畳表示する。
【0044】
また、経路案内制御部10は、刻々と変化する現在位置検出部2と現在方位決定部3からの現在位置情報と現在方位情報を適宜(例えば交差点や曲がり角にさしかかった時点)、地図情報記憶部6から読み出した音声データにより、目的地への案内情報(例えば「次の交差点を右です」など)としてスピーカ14から出力する。
【0045】
尚、経路案内情報の生成は、制御部7内に経路案内制御部10を設けるのではなく、例えば地図表示装置1に通信手段を備えて、外部の情報提供装置等から送られる案内経路情報を受信する構成としてもよい。
なお、経路案内機能が不要な地図表示装置の場合には、あえて上述した経路案内制御部や通信手段を備える必要はない。
【0046】
方位一致通知部11は、入力部4から入力方位一致の通知を行なうよう入力設定がなされた場合に、入力部4からの入力指示により設定された通知対象方位と方位検出部3aが取得した実際の方位、具体的には後述する方位情報記憶部18の方位角度記憶部18aに記憶される方位角度とが一致するかを逐次比較し、一致した場合には地図表示制御部8に通知する。なお、通知を受けると地図表示制御部8は方位が一致したことを示すメッセージの表示制御が行われる。また、方位一致通知部11は地図情報記憶部6から読み出した音声データにより、一致したことを示す音声情報(例えば「目的地はこの方向です」等)をスピーカ14から出力する。また、地図情報表示装置がスピーカ14以外に振動により情報を発するバイブレータを備えていれば、方位が一致したことを示すために、バイブレータの振動により通知を行なうようにしてもよい。
【0047】
指定方位更新選択部12は、表示モード選択部9により指定方位上方表示モードが選択された時点で、後述する表示方位記憶部16にある第1表示方位記憶部16aに記憶された指定方位と第2表示方位記憶部16bに記憶された方位とを比較し、両者が不一致の場合には、第1表示方位記憶部16aの指定方位を維持するか第2表示方位記憶部16bに記憶されている方位を新たな指定方位として第1表示方位記憶部16aの方位を更新するかを利用者が選択できるようにする。具体的には指定方位継続又は更新のための選択画面を表示部5に表示する。なお、この設定に応じて、第1表示方位記憶部16aに記憶された指定方位はそのまま維持されあるいは更新される。
【0048】
スピーカ14は、経路案内制御部10や方位一致通知部11から出力された音声データを音声情報として出力する。
【0049】
ワークメモリ15は、D-RAMやS-RAM等の高速ランダムアクセスメモリで構成される。ここは作業領域、一次記憶領域として使用されるものであり、地図表示制御部8が使用する表示方位記憶部16、方位一致通知部11が使用する通知方位記憶部17、現在方位決定部3が使用する方位情報記憶部18が含まれている。
【0050】
図25はワークメモリ15のデータ構造を示す概念ブロック図である。メモリ内には、地図表示制御部8の使用エリアである表示方位記憶部16、方位一致通知部11の使用エリアである通知方位記憶部17、現在方位決定部3の使用エリアである方位情報記憶部18が設けられている。
【0051】
そして、表示方位記憶部16内には、指定方位を記憶する第1表示方位記憶部16a、測定方位又は北方位を記憶する第2表示方位記憶部16bが設けられており、通知方位記憶部17内には、方位一致の通知を行なうか否かの設定情報が格納される方位一致通知設定記憶部17a、通知を行なうときの通知対象方位が格納される通知対象方位記憶部17bが設けられており、方位情報記憶部18内には、方位検出部3aで検出した実際の方位を「方位角度」として記憶する方位角度記憶部18a、検出した方位角度を8方位、16方位等に分類分けするときの基準となる基準角度を記憶する基準角度記憶部18b、基準角度を元にして現在方位の決定が行われ、決定した現在方位を「現在方位データ」として記憶する現在方位データ記憶部18cが設けられている。
以下に、本発明の動作・処理について順次説明する。
【0052】
現在方位決定処理
現在方位決定部3による現在方位の決定処理について、図を用いて説明する。ここで行われる処理は、方位検出部3aにより検出した方位角度が2つの隣り合う基準角度の境界付近にある場合に、微妙な角度変化や測定誤差などによって、どちらの方位になるかが安定せず2つの方位間で方位が頻繁に切替わるのを防ぐための処理である。
【0053】
図22は現在方位決定部3の処理を示すフロー図であり、図23は基準角度と方位の関係を示す図である。ここで基準角度とは図23に示すように8方位の北からの角度を表すもので、北を0°として45°単位で示す。基準角度を中心として±22.5°をその基準角度に含まれる方位角度範囲とする。この基準角度は、地図表示装置1の現在方位を8方位で表示するときの基準となるものである。
なお、本実施例では8方位であるとしているが、これに限らず、16方位、32方位など更に細分化してもよい。但し、細分化が進むにつれて処理が煩雑になるので、8方位又は16方位程度が好ましい。
【0054】
(S1001)
基準角度の初期設定を行なうために、まず方位検出部3aにより実際の方位が検出され、これが方位角度として方位角度記憶部18aに記憶される。方位角度は図23に示すように、北を0°として時計回りに(北→東→南→西)0°〜359°までの1°刻みの角度として求められる。続いてS1002に進む。
【0055】
(S1002)
S1001で記憶した方位角度から初期の基準角度が決定される。基準角度は図25に示すように基準角度記憶部18bに格納される。基準角度の決定は、方位角度が、図23のどの基準角度の方位角度範囲に含まれるかにより定められる。例えば23°ならば「北東」と決定される。以上で基準角度の初期設定を終了し、続いてS1003に進む。
【0056】
(S1003)
以後、適当なサイクルで方位検出部3aによる検出が繰り返されることにより、方位角度の更新が行われ、検出結果の方位角度が逐次方位角度記憶部18aに格納される。なお、検出サイクルの時間間隔が長すぎると、方位角度記憶部18aに格納された方位角度と実際の方位との間に大きな角度差が生じて問題になるので、検出サイクルの時間間隔は十分に短くしてリアルタイム性が損なわれないようにする。方位角度記憶部18aに記憶された方位角度データは地図表示装置1が向いている実際の方位が必要となる処理(例えば後述する第4実施形態例での方位一致の検出)をするときに利用される。続いてS1004に進む。
【0057】
(S1004)
方位角度記憶部18aに格納されている方位角度と基準角度記憶部18bに格納されている基準角度との比較が行われ、続いてS1005に進む。
【0058】
(S1005)
基準角度と方位角度との角度差が±30°以上であるかどうかが判定される。“±30°”としている理由は以下のとおりである。即ち、本実施例では方位を8方位としており、1方位あたり45°単位となることから、各基準角度に含まれる方位角度範囲は各方位の基準角度に対して、±22.5°以内となるが、これをそのまま適用すると、方位角度が8方位の境界付近(例えば東と南東との境界の112.5°)にある場合には、微妙な角度変化や測定誤差などによって、どちらの方位になるかが安定せず、結果的に2方位間で頻繁に方位が切替わることになってしまうため、基準角度から±30°以内で判定することにより、近隣の方位に切替わる際には7.5°のスレッシホルドを持たせることにより、境界付近にあっても2方位間で頻繁に方位が切替わることを回避するようにしている。なお、値を±30°としたのは方位の切替わりに違和感を与えやすいか否かを考慮して選定した数値であるが、±30°以外の数値(たとえば±40°等)としてもよい。
S1005での判定がNO、即ち角度差±30°以上の場合にはS1006に進み、判定がYES、即ち角度差±30°以上でない場合にはS1007に進む。
【0059】
(S1006)
そのときの方位角度から新たな基準角度が決定され、基準角度記憶部18bに格納されることにより基準角度が更新される。続いてS1007に進む。
【0060】
(S1007)
基準角度記憶部18bに格納された基準角度から、地図表示装置1が向く実際の方位とは別に現在方位の決定が行われ、決定した現在方位が「現在方位データ」として現在方位データ記憶部18cに格納される。現在方位データ記憶部18cに記憶された現在方位データがその時点における「現在方位」として用いられるようになる。 続いてS1003に戻り、同様のフローがリアルタイム性を損なわない程度の短い時間間隔で繰り返される。
【0061】
基準角度から現在方位を決定する際には、図24に示す方位データ・テーブルを参照して決定される。
図24の方位データ・テーブルでは、各方位と基準角度および現在方位を示す現在方位データの値との関連付けが定義されており、例えば基準角度が180°であれば方位は南となり、図25に示す現在方位データ記憶部18cに格納される現在方位データの値は“04h”となることを示している。
以上のフローを繰り返し実行することにより、現在方位決定部3は、地図表示装置1の方位に関するデータとして、方位角度記憶部18aにある方位角度のデータ(方位検出部3aにより検出された結果である方位角度)や、現在方位データ記憶部18cにある現在方位データを必要に応じて出力する。
【0062】
表示モードの選択処理
次に、地図表示制御部8による表示モードの選択処理について説明する。図2は地図表示制御部8における表示モードの選択処理を説明するフロー図である。以下のフローを実行することにより、3つの表示モードのいずれかによって表示部5に地図が表示される。
【0063】
(S201)
まず、電源ON後の初期設定として、指定方位上方表示モードにおける指定方位となる第1表示方位の初期値として“北”を設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第1表示方位記憶部16aに方位データ“00h”を格納する。次にS202に進む。
【0064】
(S202)
同様に、指定方位上方表示モード以外の表示モードでの、画面上方の方位となる第2表示方位の初期値として“北”を設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに方位データ“00h”を格納する。
なお、S201とS202において初期の指定方位を自動的に設定できるようにするため、第1表示方位と第2表示方位との初期値が同一となるように北を設定しているが、同一であれば他の方位であってもかまわない。以上で初期設定を終え、次にS203に進む。
【0065】
(S203)
表示モード選択部9で現在選択されている表示モードを参照して、S204に進む。
(S204)
現在選択されている表示モードが北上方表示モードであるか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS205に進み、NOの場合はS206に進む。
【0066】
(S205)
北上方表示モードでの地図の表示制御を行なう。S205の処理は、次に表示モードが変更されるまでは継続して行われ、表示モードの変更がなされるとS203に戻る。以後同様の処理を繰り返す。
(S206)
現在選択されている表示モードが測定方位上方表示モードであるか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS207に進み、判定がNOの場合にはS208に進む。
【0067】
(S207)
測定方位上方表示モードでの地図の表示制御を行なう。S207の処理は、次に表示モードが変更されるまでは継続して行われ、表示モードの変更がなされるとS203に戻る。以後同様の処理を繰り返す。
(S208)
指定方位上方表示モードでの地図の表示制御を行なう。S208の処理は、次に表示モードが変更されるまでは継続して行われ、表示モードの変更がなされるとS203に戻る。以後同様の処理を繰り返す。
【0068】
北上方表示モードの処理
次に、北上方表示モードの処理について説明する。図3は北上方表示モードでの処理を説明するフロー図である。
【0069】
(S300)
北上方表示モードにおける画面上方の方位となる第2表示方位を“北”に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに方位データ“00h”を格納する。次にS301に進む。
【0070】
(S301)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた現在位置と現在方位にもとづいて、必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出して、第2表示方位(すなわち北)が画面上方になるようにした現在位置周辺の地図を表示部5に表示する。次にS302に進む。
【0071】
(S302)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた地図表示装置1の現在位置とそのときの現在方位を地図画面上に示すための位置方位アイコン21(図7参照)を地図情報に重畳して表示部5に表示する。この位置方位アイコン21の表示は、表示部5に表示している現在位置周辺の地図画面上における、現在位置の表示座標の算出を行い、この表示座標を中心点として、地図画面上における現在方位の方向を示す向きで表示する。(位置方位アイコン21は後述するフロー図においても同様である)。次にS303に進む。
【0072】
(S303)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には北上方表示モードの処理を終了して、図2のS203に進む。S303での判定がNOの場合には、S304に進む。
【0073】
(S304)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS301に戻り、新しい現在位置周辺の地図の表示を行なう。S304での判定がNOの場合には、S305に進む。
【0074】
(S305)
地図表示制御部8により、現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS302に戻り、新しい現在方位を地図画面上に示す位置方位アイコン21(図7参照)の表示を行なう。
S305での判定がNOの場合には、表示内容を変更する必要がないのでそのままの表示を維持しつつS303に戻る。
【0075】
測定方位上方表示モードの処理
次に、測定方位上方表示モードの処理について説明する。図4は測定方位上方表示モードでの処理を説明するフロー図である。
【0076】
(S400)
現在方位決定部3により現在方位を決定し、これを測定方位として第2表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに現在方位決定部3が決定した現在方位データを格納する。次にS401に進む。
【0077】
(S401)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた現在位置と現在方位にもとづいて、必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出して、第2表示方位(すなわち測定方位)が画面上方になるようにした現在位置周辺の地図情報を表示部5に表示する。次にS402に進む。
【0078】
(S402)
表示部5に表示される地図の画面上において、地図表示装置1の現在位置と現在方位とを示す位置方位アイコン21(図8参照)を地図情報に重畳して表示する。次にS403に進む。
【0079】
(S403)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが、変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には測定方位上方表示モードの処理を終了して、図2のS203に進む。S403での判定がNOの場合には、S404に進む。
【0080】
(S404)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS400に戻り、新しい現在位置周辺の地図情報の表示を行なう。S404での判定がNOの場合には、S405に進む。
【0081】
(S405)
地図表示制御部8により、現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS400に戻り、新しい現在方位をS400にて第2表示方位記憶部16bに再設定して(この方位を測定方位として再設定して)この方位が画面上方となるようにして現在位置周辺の地図情報の表示を行なう。この判定がNOの場合には、S403に戻る。
【0082】
指定方位上方表示モードの処理
次に、指定方位上方表示モードの処理について説明する。図5は指定方位上方表示モードでの処理を説明するフロー図である。
【0083】
(S501)
指定方位更新選択部12により、第1表示方位(指定方位)と第2表示方位(直前の表示モードでの画面上方の表示方位)とが、一致するか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS506に進み、NOの場合にはS502に進む。
【0084】
(S502)
今回の指定方位として、第1表示方位(既に設定されている指定方位)を継続するか、又は第2表示方位(今回の指定方位上方表示モードが選択される直前の表示モードにおける画面上方の方位)を新たな指定方位として第1表示方位に設定するかを、利用者に任意に選択させるための確認画面を表示する。この確認画面を図6に示す。
今回の指定方位上方表示モードが選択される直前の表示モードにおける画面上方の方位(すなわち第2表示方位)を指定方位として新たに設定する場合には、利用者は入力部4により、図6に示す「現在表示されている地図の表示方位を継続する」ボタン61を選択し、又、既に設定されている指定方位(すなわち第1表示方位)を継続する場合には、「前回の指定方位を継続する」ボタン62を選択する。ボタン61又はボタン62のどちらか選択された側には、選択されていることを示す黒丸のチェックマークが表示される(図6においては61側が選択されている)。
【0085】
(S503)
図6の確認画面に対する利用者の選択が終了したか否かが判定される。具体的には、図6における「OK」ボタン63が入力部4により入力されたか否かにより判定され、この判定がYESの場合にはS504に進み、NOの場合にはS503に戻り、ボタン63が入力部4により入力されるのを待つ。
【0086】
(S504)
確認画面に対する利用者の選択結果が判定される。具体的には「前回の指定方位を継続する」ボタン62が選択されたか否かにより判定され、この判定がYESの場合にはS506に進み、NOの場合にはS505に進む。
【0087】
(S505)
第2表示方位(直前の表示モードでの画面上方の表示方位)に設定されている方位データを、新たな指定方位として第1表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第1表示方位記憶部16aに、第2表示方位記憶部16bに格納されている方位データをコピーする。
【0088】
(S506)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた現在位置と現在方位にもとづいて、今現在の地図を表示するのに必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出して、地図上の指定方位が画面上方となるようにした現在位置周辺の地図情報を表示部5に表示する。
【0089】
(S507)
表示部5に表示される地図の画面上において、地図表示装置1の現在位置と現在方位とを示すための位置方位アイコン21(図9参照)を地図に重畳して表示部5に表示する。次にS508に進む。
【0090】
(S508)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には指定方位上方表示モードの処理を終了して、図2のS203に進む。S508での判定がNOの場合には、S509に進む。
【0091】
(S509)
入力部4から指定方位を変更する指示入力があるか否かが判定される。この判定がYESの場合にS512に進み、S509での判定がNOの場合にはS510に進む。
【0092】
(S510)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合はS506に戻り、新しい現在位置周辺の地図情報を表示する。この判定がNOの場合はS511に進む。
【0093】
(S511)
地図表示制御部8により、現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS507に戻り、新しい現在方位を地図画面上に示す位置方位アイコン21を表示する。判定がNOの場合には表示内容を変える必要がないのでS508に戻る。
【0094】
(S512)
S509の判定がYESの場合に、現在方位決定部3から現在方位データを抽出し、これを新しい指定方位として第1表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第1表示方位記憶部16aに現在方位データ記憶部18cに格納されている現在方位データの値を格納する。そしてS506に戻り、新しい指定方位にて現在位置周辺の地図情報の表示を行なう。
【0095】
図7は、北上方表示モードの表示例である。20は地図表示装置1が向いている実際の方位(表示部5の上端側の方位)を示しており、22は地図上の方位を示す方位マーク(黒側の先端が北)である。この図では地図表示装置1の実際の方位(表示部5の上端側の方位)が西を向いている状態において、表示部5には地図上の北が画面上方となるように表示している。21は現在位置検出部2と現在方位決定部3とにより得られた地図表示装置1の現在位置と現在方位とを地図上に示すための位置方位アイコンであり、地図表示装置が実際に向いている「西」を指している。
【0096】
図8は、測定方位上方表示モードの表示例である。地図表示装直1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が西を向いている状態において、表示部5には現在方位決定部3により得られた現在方位(この図においては地図上の西)が画面上方になるように表示しており、位置方位アイコン21は地図表示装置が実際に向いている「西」を指している。
【0097】
図9は、指定方位上方表示モードの表示例である。地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が西を向いている状態において、表示部5には地図表示制御部8に設定されている指定方位(この図においては地図上の南)が画面上方となるように表示しており、位置方位アイコン21は地図表示装置が実際に向いている「西」を指している。
【0098】
測定方位上方表示モードと指定方位上方表示モードとの比較
次に、これまで説明した測定方位上方表示モードと指定方位上方表示モードについて、さらに具体的な動作例を示しながら詳しく説明する。
【0099】
図10は、地図表示装置1を携帯した利用者が、ある道路を進行しているときの当該道路の周辺を説明する図である。以下に、図10に示す道路を進行したときの表示部5に表示される画面表示が、測定方位上方表示モードと指定方位上方表示モードでは具体的にどうような差異となって表われるかを説明する。
【0100】
図11は図10の道路を進行中に、表示部5に表示される測定方位上方表示モードにおける画面表示遷移の例を示す図である。また、図12は表示部5に表示される指定方位上方表示モードにおける画面表示遷移の例を示す図である。
【0101】
図10では、図の上方が北であり、A地点からB地点に向かって進行(すなわちA地点から見て南東方向のB地点に向かって進行)するものとする。進行途上における途中地点として、C地点、D地点、E地点の3地点について以下に説明するが、この3地点においてそれぞれ向いている方位(すなわち地図表示装置1の実際の方位)は各地点を示す3角マークの先端方向(すなわちC地点では南東、D地点では南西、E地点では北東)とする。
【0102】
最初の直線部分であるC地点で、測定方位上方表示モードにて表示部5に表示される画面表示を図11(a)に示す。
この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が南東を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の南東が画面上方となるように表示しており(地図上の方位マーク22の南東が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の南東を向いている。
【0103】
また、同じくC地点で、指定方位上方表示モードにて入力部4から方位指定指示入力を行った場合に表示部5に表示される画面表示を図12(a)に示す。この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が南東を向いている状態において、表示部5には指定方位である地図上の南東が画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の南東が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の南東を向いている。
【0104】
両者を比較すると、C地点において測定方位上方表示モードを使用した場合と指定方位上方表示モードにて方位指定指示入力を行った場合では、表示部5に表示される画面は同じになる。
但し、測定方位上方表示モードの場合においては、利用者がC地点において自らの向き(すなわち地図表示装置1の実際の方位)を変えると向いている方位に応じて表示部5に表示される地図の表示方位も変更されることになる。
【0105】
図10に示す道路では、A地点からB地点に向かって進行する途中にカーブが連続する区間があり、このカーブ区間においては進行方位が頻繁に変化することになるが、A地点から見たB地点への平均的な方位(図10の破線矢印で示されるA−B間の平均方位)は、C地点における現在方位と同じであるため(すなわち南東)、B地点に到達するまでは指定方位上方表示モードにおける指定方位はC地点で指定した方位をそのまま利用することとして指定方位を変更しないものとする。
【0106】
次にカーブが連続する区間の途中地点であるD地点で、測定方位上方表示モードにて表示部5に表示される画面表示を図11(b)に示す。
この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が南西を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の南西が画面上方となるように表示しており(地図上の方位マーク22の南西が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の南西を向いている。
【0107】
また同じくD地点で、指定方位上方表示モードにて表示部5に表示される画面表示を図12(b)に示す。この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が南西を向いている状態において、表示部5にはC地点で設定された指定方位である地図上の南東が画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の南東が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の南西を向いている。
【0108】
次にカーブが連続する区間の途中地点であるE地点で、測定方位上方表示モードにて表示部5に表示される画面表示を図11(c)に示す。
この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が北東を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の北東が画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の北東が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の北東を向いている。
【0109】
また同じくD地点で、指定方位上方表示モードにて表示部5に表示される画面表示を図12(c)に示す。
この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が北東を向いている状態において、表示部5にはC地点で設定された指定方位である地図上の南東を画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の南東が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の北東を向いている。
【0110】
D地点やE地点における例からも分かるように、測定方位上方表示モードはカーブが連続するような状況においては、向いている方向が変わる毎に画面上の地図情報の表示方位が変更されることになる。そのため、実際に向かうべき方向とは異なる方向が画面上方になるように表示されている場合には、自分が進むべき方向に困惑する可能性がある。
【0111】
これに対して指定方位上方表示モードの場合には、自分が進むべき方向を基準に画面上の地図情報の表示方位を任意に設定できるため、カーブが連続するような状況においても自分が進むべき方向に困惑する可能性は極めて低くなる。
【0112】
なお、上記の例はカーブが連続する状況を示したが、歩行者等が利用する場合においては、歩行者が道に迷った場合に周囲の状況を確認するために、向いている方向を前後左右に変化させるような状況においても、指定方位上方表示モードの場合には、あらかじめ設定した方向を基準に画面上の地図情報の表示方位を任意に設定できることから、自分が進むべき方向に困惑する可能性は極めて低くなる。
【0113】
第2実施形態例
次に、第2の実施形態における測定方位上方表示モードについて説明する。
図13は地図表示制御部8における第2の実施形態の処理を説明するフロー図である。この第2実施形態の処理では、現在方位が連続的に変化している際に簡略化された画面表示がなされる。
【0114】
(S600)
現在方位決定部3により現在方位を決定し、これを測定方位として第2表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに現在方位決定部3が決定した現在方位データを格納する。次にS601に進む。
【0115】
(S601)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた現在位置と現在方位にもとづいて、必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出して、第2表示方位(すなわち測定方位)が画面上方となるようにした現在位置周辺の地図情報を表示部5に表示する(図14(a)参照)。次にS602に進む。
【0116】
(S602)
表示部5に表示される地図の画面上において地図表示装置1の現在位置と現在方位を、地図画面上に示す位置方位アイコン21を地図情報に重畳して表示部5に表示する。次にS603に進む。
【0117】
(S603)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には測定方位上方表示モードの処理を終了して図2のS203に進む。S603での判定がNOの場合にはS604に進む。
【0118】
(S604)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS600に戻り、新しい現在位置周辺の地図情報の表示を行なう。S604での判定がNOの場合には、S605に進む。
【0119】
(S605)
現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが地図表示制御部8により判定される。この判定がYESの場合(前回の現在方位データの基準角度から±30°以上の方位角度の変化があったため現在方位データが変更されている場合)には、方位が連続的に変化している状態であると判定してS606に進み、判定がNOの場合には表示内容を変更する必要がないので、S603に戻る。
なお、現在方位が変化しているか否かの判定を正確に行なう目的で、ここでの判定の基準を連続して変化することを条件としてもよい。具体的には、「現在方位が変化あり」(すなわち1回のみの変化でよい)との判定基準に代えて、「現在方位が続けて2回(3回以上でもよい)変化あり」を判定基準にしてもよい。
【0120】
(S606)
S605で検出した新しい現在方位を示す現在方位データを測定方位として第2表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに新しい現在方位データを格納する。次にS607に進む。
【0121】
(S607)
第2表示方位(すなわち測定方位)が画面上方になるようにした現在位置周辺の地図を簡易表示する。
例えば、すべての地図データのうち、道路部分だけを表示部5に表示する。
【0122】
図26は通常の地図情報の表示とともに簡易な地図情報を表示できるようにするための地図情報記憶部6にある地図データの構成の例を説明する図である。図26(a)に示すように、地図表示装置1により表示される全領域はエリア1からエリアnに分割して管理される。また、各エリアごとのデータとともにすべてのエリアに共通利用されるアイコン図形データを記憶する領域が設けられている。
【0123】
そして図26(a)のあるエリア(例えばエリア1)の地図データには、図26(b)に示すように「道路データ」と「図形データ(道路以外)」と文字情報を含む「施設データ」が含まれている。そして図26(b)の「施設データ」には図26(c)に示すように「管理番号」「分類」「種別」「名称」「アイコン番号」「緯度」「経度」「出入口情報」等の情報がテーブル状に記憶してある。このうち「アイコン番号」は図26(a)のアイコン図形データを呼び出すことができるように番号で対応付けられている。
【0124】
S601の場合のような通常の地図表示(簡易表示ではない場合)においては、図26(a)の「エリア1」を表示する場合にエリア1に含まれる道路データ、図形データ、施設データ、アイコンデータの全ての地図情報を表示するのに対して、S607の簡易な地図表示においては、処理負担を軽減するために図26(a)のエリア1の地図データに対応する図26(b)に示すデータのうち「道路データ」のみを表示する。次にS608に進む。
【0125】
(S608)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とからの検出結果により得られた、地図表示装置1の現在位置とその現在方位を地図画面上に示すための位置方位アイコン21(図14(b)参照)を地図情報に重畳して表示部5に表示する。次にS609に進む。
【0126】
(S609)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には測定方位上方表示モードの処理を終了して図2のS203に進む。S609での判定がNOの場合にはS610に進む。
【0127】
(S610)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS606に戻る。S610での判定がNOの場合にはS611に進む。
【0128】
(S611)
現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが地図表示制御部8により判定される。この判定がYESの場合にはS606に戻る。判定がNOの場合(現在方位決定部3において前回の現在方位データの基準角度から±30°以上の方位角度の変化がなかった場合)には、測定方位が一定方向に安定したと判断してS600に戻る。
本実施形態において、方位が変化しているか否かを判定する処理(S605とS611)は、一例であり他の判定方法でもあってもよい。
【0129】
図14は、第2の実施形態での測定方位上方表示モードにおける表示部5に表示される画面表示遷移の例を示す図である。
図14(a)は、ある地点において利用者が北向きに静止している状態で表示部5に表示される画面の例を示しており、この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が北を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の北が画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の北が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3からの検出結果により得られた方位である地図上の北を向いている。
なお、静止しているため画面に表示される地図情報は、道路部分の他にも建築物や歩道、文字情報などを含む情報が通常(簡易表示でない)に表示されている。
【0130】
この状態から、現在位置に留まった状態で利用者が西向きに方位を変えた場合、表示部5に表示される画面表示は、図14(b)〜(d)に順次示されるように変化する。即ち、方位が連続的に変化する状況にある図14(b)〜(c)においては、画面に表示される地図情報は、方位変化を表現するのに必要最小限な道路部分のみの簡易な地図情報が表示され、その後、方位が安定したとき(この例では西向きに静止したとき)に、図14(d)に示すように通常の地図情報が表示される。
【0131】
第3実施形態例
次に、第3の実施形態における測定方位上方表示モードについて説明する。
図15は地図表示制御部8における第3の実施形態の処理を説明するフロー図である。この第3実施形態の処理では、現在方位が連続して変化する際に、一時的に地図情報の表示方向を固定し、画面上に表示される位置方位アイコンの表示態様を変化させて回転表示する。
【0132】
(S700)
現在方位決定部3により現在方位を決定し、これを測定方位として第2表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに現在方位決定部3が決定した現在方位データを格納する。次にS701に進む。
【0133】
(S701)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた現在位置と現在方位にもとづいて、必要な地図データを地図情報記憶部6から読み出して、第2表示方位(すなわち測定方位)が画面上方となるようにした現在位置周辺の地図情報を表示部5に表示する(図16(a)参照)。次にS702に進む。
【0134】
(S702)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた地図表示装置1の現在位置とその現在方位を地図画面上に示す位置方位アイコン21を地図情報に重畳して表示部5に表示する。次にS703に進む。
【0135】
(S703)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には測定方位上方表示モードの処理を終了して図2のS203に進む。S703での判定がNOの場合にはS704に進む。
【0136】
(S704)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS700に戻り、新しい現在位置周辺の地図情報の表示を行なう。S704での判定がNOの場合には、S705に進む。
【0137】
(S705)
現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが地図表示制御部8により、判定される。この判定がYESの場合(前回の現在方位データの基準角度から±30°以上の方位角度の変化があったため現在方位データが変更されている場合)には方位が連続的に変化している状態であると判定してS706に進み、判定がNOの場合には、表示内容を変更する必要がないのでS703に戻る。
なお、現在方位が変化しているか否かの判定を正確に行なう目的で、ここでの判定の基準を連続して変化することを条件としてもよい。具体的には、「現在方位が変化あり」(すなわち1回のみの変化でよい)との判定基準に代えて、「現在方位が続けて2回(3回以上でもよい)変化あり」を判定基準にしてもよい。
【0138】
(S706)
S705で検出した新しい現在方位を示す現在方位データを測定方位として第2表示方位に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の第2表示方位記憶部16bに新しい現在方位データを格納する。次にS707に進む。
【0139】
(S707)
第2表示方位を測定方位とする。ただし、地図はこれまでのものをそのまま表示部5に表示する。同時に、表示態様が異なる(例えば表示色が異なる)方位マーク24(図16(b)参照)を表示部5に表示する。次にS708に進む。
【0140】
(S708)
現在位置検出部2と現在方位決定部3とから得られた地図表示装置1の現在位置とその現在方位を示す位置方位アイコンを、通常の表示の際の位置方位アイコン21から、表示態様を変えた(例えば表示色が異なる)位置方位アイコン23に変化させて地図情報に重畳して表示部5に表示する。次にS709に進む。
【0141】
(S709)
地図表示制御部8により、表示モード選択部9で選択された表示モードが変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合には測定方位上方表示モードの処理を終了して図2のS203に進む。S709での判定がNOの場合にはS710に進む。
【0142】
(S710)
地図表示制御部8により、現在位置検出部2からの検出結果により得られた現在位置が変更されているか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS706に戻る。S710での判定がNOの場合にはS711に進む。
【0143】
(S711)
現在方位決定部3から得られた現在方位が変更されているか否かが地図表示制御部8により判定される。この判定がYESの場合にはS706に戻る。判定がNOの場合(現在方位決定部3において前回の現在方位データの基準角度から±30°以上の方位角度の変化がなかった場合)には、測定方位が一定方向に安定したと判断してS700に戻る。
なお、方位が変化しているか否かを判定する処理(S705とS711)は、一例であり他の判定方法でもあってもよい。
【0144】
図16は、第3の実施形態での測定方位上方表示モードにおける表示部5に表示される画面表示遷移の例を示す図である。
図16(a)は、ある地点において利用者が北向きに静止している状態で表示部5に表示される画面の例を示しており、この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が北を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の北が画面上方になるように表示しており(地図上の方位マーク22の北が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3からの検出結果により得られた方位である地図上の北を向いている。
なお、静止しているために画面に表示される地図情報の位置方位アイコン21と方位マーク22とは通常の表示態様で表示されている。
【0145】
この状態から、現在位置に立ち止まった状態で、利用者が西向きに方位を変えた場合、表示部5に表示される画面表示は、図16(b)〜(d)に順次示されるように変化する。即ち、方位が連続的に変化する状況にある図16(b)〜(c)においては、画面に表示される地図情報の位置方位アイコン23と方位マーク24は、通常とは異なる表示態様(表示色が異なる)で測定方位に連動した方位で表示され、方位が安定したとき(この例では西向きに静止したとき)に、図16(d)に示すように通常の表示態様で表示されている。
【0146】
第4実施形態例
次に、第4の実施形態の動作について説明する。第4の実施形態では図1に示す方位一致通知部11により地図表示装置1が向いている実際の方位が特定の通知対象方位であるときに利用者に通知を行なうようにする。
【0147】
方位一致通知部11が動作するタイミング(モード)については特に規定されるものではないが、各表示モードにおいて位置方位アイコンを地図画面上に表示した直後に行なうのが好適であり、位置方位アイコンを表示する毎に方位一致通知部11が1回動作するものとする。
なお、これまで説明してきた実施形態の処理を示すフロー図では、方位一致通知部11の処理については省略している。
【0148】
方位一致通知部11の電源ON後の初期設定処理と、入力部4による通知対象方位の設定処理が動作するタイミングについて、以下に説明する。
図17(a)は電源ON後の方位一致通知部11の初期設定処理を示すフロー図である。この処理は電源ON直後に1回だけ行われる。具体的には、図2のS201の直前、もしくはS202の直後に行なうものとする。なお、図2のフロー図では、方位一致通知部11の初期設定処理については省略している。
【0149】
(S801A)
まず、むやみに通知機能を働かせるのを避けるため、方位一致通知部11による方位一致の通知を行なうか否かの初期設定を「行なわない」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の方位一致通知設定記憶部17aに「行なわない」を示すデータ“FFh”を格納する。
なお、通知機能が常に働くことが気にならない場合には、初期設定を「行なう」に設定してもよい。
【0150】
(S802A)
同様に、続くS802Aにおいて、方位一致通知部11による方位一致の通知対象方位の初期設定を「目的地方位」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の通知対象方位記憶部17bに「目的地方位」を示すデータ “01h”を格納する。
なお、初期設定を「目的地方位」に設定しているが、その他の設定にしてもよい。以上で電源ON後の初期設定処理を終了する。
【0151】
図17(b)は、入力部4からの入力による方位一致通知部11の設定変更処理を示すフロー部である。この処理は利用者により入力部4から方位一致通知部11の設定変更入力が行われる毎に、(例えば割込み処理等により)実施される。
【0152】
(S801B)
まず、入力部4からの設定入力が、方位一致通知を「行なう」であるか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS802Bに進み、NOの場合にはS803Bに進む。
【0153】
(S802B)
方位一致通知部11による方位一致の通知を「行なう」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の方位一致通知設定記憶部17aに「行なう」を示すデータ“00h”を格納する。次にS804Bに進む。
【0154】
(S803B)
方位一致通知部11による方位一致の通知を「行なわない」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の方位一致通知設定記憶部17aに「行なわない」を示すデータ“FFh”を格納する。そして、処理を終了する。
【0155】
(S804B)
入力部4からの設定入力が「目的地方位」を通知対象方位とするか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS805Bに進み、判定がNOの場合には、S806Bに進む。
【0156】
(S805B)
通知対象方位を「目的地方位」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の通知対象方位記憶部17bに「目的地方位」を示すデータ“01h”を格納し、処理を終了する。
【0157】
(S806B)
入力部4からの設定入力が「進行方位」を通知対象方位とするか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS807Bに進み、判定がNOの場合にはS808Bに進む。
【0158】
(S807B)
通知対象方位を「進行方位」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の通知対象方位記憶部17bに「進行方位」を示すデータ“02h”を格納し、処理を終了する。
【0159】
(S808B)
通知対象方位を「探索対象物」に設定する。具体的には、図25に示すワークメモリ15の通知対象方位記憶部17bに「探索対象物方位」を示すデータ“03h”を格納し、処理を終了する。
【0160】
次に、方位一致通知部11による通知処理について説明する。図17(c)は方位一致通知部11の通知処理を示すフロー図である。
【0161】
(S801C)
方位一致通知設定が「行なう」に設定されているかが判定される。具体的には図25に示すワークメモリ15の方位一致通知設定記憶部17aが「行なう」を示すデータ“00h”であるか否かが判定される。
この判定がYESの場合にはS802Cに進み、NOの場合には方位一致通知部11の処理を終了し、現在の表示モードの、次のステップに進む。
【0162】
(S802C)
現在位置検出部2からの検出結果により得られた地図表示装置1の現在位置と、方位検出部3aにより検出された実際の方位を記憶した方位角度(方位角度記憶部18aに記憶された方位角度)を確認し、S803Cに進む。この方位角度は方位一致のときの判断基準に用いられる。
なお、これまでの実施形態1から実施形態3のときのように現在方位(現在方位データ記憶部18cに記憶された現在方位データ)を基準に用いて判断するのではなく、実際の方位(方位角度記憶部18aに記憶された方位角度)を基準に用いているのはできるだけ正確な方位一致を検出するためである。
【0163】
(S803C)
ワークメモリ15の通知対象方位記憶部17bに設定されている通知対象方位の、現在位置から見た方位角度を算出し、S804Cに進む。
例えば、通知対象方位が目的地方位の場合には(通知対象方位記憶部17bが「目的地方位」を示すデータ“01h”の場合)、経路案内制御部10から得た地図上の目的地が現在位置から見てどの方位になるかを算出する。また、通知対象方位が進行方位の場合には(通知対象方位記憶部17bが「進行方位」を示すデータ“02h”の場合)、経路案内制御部10から得た案内経路で示される利用者が進むべき進行方向が、現在位置から見てどの方位になるかを算出する。また通知対象方位が探索対象物の方位の場合には(通知対象方位記憶部17bが「探索対象物方位」を示すデータ“03h”の場合)、入力部4からの入力指示により適宜指定された地図上の目印や目標となる建築物などの探索対象物の位置が、現在位置から見てどの方位になるかを算出する。
【0164】
なお、目的地または探索対象物が建築物や敷地などである場合には、建築物や敷地などの出入口を通知対象方位とすることもできる。さらに出入口が複数ある場合には最も適した出入口を通知対象方位とすることもできる。ここで「最も適した出入口」とは、現在位置から近い方、または車椅子でも利用できるなど、利用者の条件に合致した出入口を示す。
【0165】
目的地または探索対象物を出入口とする場合には、必要なデータが地図情報記憶部6に記憶できるようになっている。
図26の地図データ構成の例を用いて説明すると、図26(c)の施設データの中に、その施設の出入口の数に応じた出入口情報を持ち、各出入口にその位置を示す情報(緯度・経度)や条件(車椅子の可否など)が対応付けて記憶されている。この情報を元にして、より適切な出入口の現在地から見た方位を通知対象方位として選定する。
例えば、施設の出入口情報に付帯条件(例えば車椅子可等の条件)が合わせて記憶されている場合に、入力部4から出入口についての付帯条件を入力することにより、施設に設けられている複数の出入口の中から入力された付帯条件を満足する出入口を抽出してこれを最適出入口として選択し、通知対象方位とすることもできる。次にS804Cに進む。
【0166】
(S804C)
S802Cで検出した方位角度(すなわち実際の方位)とS803Cで得られた通知対象方位角度との2つの方位角度を比較し、S805Cに進む。
(S805C)
2つの方位角度が一致するか否かが判定される。この判定がYESの場合にはS806Cに進み、判定がNOの場合にはS808Cに進む。
【0167】
(S806C)
方位が一致したことを示す通知メッセージ26(図18参照)を地図表示制御部8により表示部5に表示する。次にS807Cに進む。
(S807C)
方位が一致したことを示す通知音(または音声)28をスピーカ14に1回出力し、方位一致通知部11の処理を終了して現在の表示モードの、次のステップに進む。
【0168】
(S808C)
S805Cでの判定がNOの場合には、S806Cで表示部5に表示した方位が一致したことを示す通知メッセージ26を、地図表示制御部8によりクリアし、方位一致通知部11の処理を終了して現在の表示モードの、次のステップに進む。
【0169】
図18は、方位一致通知部11の動作例を示す図である。この例では地図表示装置1は測定方位上方表示モードで動作している。
図は、地図表示装置1が向いている実際の方位が目的地である市役所の出入口28を向いている場合に、表示部5に表示されている地図画面上に位置方位アイコン21が地図上の目的地である市役所の出入口25の方位を向いている状態を示しており、地図表示装置1の実際の方位と目的地方位とが一致することから、表示部5には方位が一致したことを示す通知メッセージ26(この例では「目的地はこの方向です」)が表示され、また通知音声27(この例では「目的地はこの方向です」との音声)がスピーカ14から出力される。なお、地図表示装置1がバイブレータを搭載している場合には、音声とともに振動によっても方位一致したことが示される。
【0170】
第5実施形態例
次に、第5の実施形態の動作について説明する。第5の実施形態では目印となる道路や建築物や設置物のアイコンや名称を表示部5の地図上に表示する際に、これらのアイコンや名称が常に表示部の画面表示範囲内に収まるように表示する。
【0171】
地図表示制御部8により表示される道路や建築物等の名称を表す単位文字列の表示処理、および地図上の建築物や設置物を表すアイコンの表示処理は、各表示モードにおいて現在位置周辺の地図を表示するステップの中で行なうものであり、第2の実施形態における測定方位上方表示モードにおいて、方位が変動中で道路部分等の方位変化を表現するのに必要最小限な部分のみの簡易地図表示(S607参照)がなされている場合には、この単位文字列・アイコンの表示処理は適用されないようにしてある。
図19は地図表示制御部8における単位文字列・アイコンの表示処理を示すフロー図である。
【0172】
(S901)
表示する地図情報のうち、地図を図示的に構成する道路部分や建築物、歩道、山や海や川を示す地形部分などの図形データ(図26(b)の道路データおよび図形データの部分)を表示部5に表示する。この処理は、単位文字列・アイコンの表示処理自体とは直接関係するものではないが、処理の流れを分かりやすくするために加えている。次にS902に進む。
【0173】
(S902)
画面表示範囲内に含まれる単位文字列およびアイコンの標準的な表示座標の算出を行なう。
ここで「標準的な表示座標」とは、単位文字列やアイコンが、これらに対応する地図上の図形(対象部分)を説明したり位置を示したりするのに適した地図上の位置座標である。具体的には、対応する地図上の図形内に単位文字列やアイコンが収まる場合にはその図形内が位置座標となる(図21の31、32参照)。図形が小さい場合で図形内に単位文字列やアイコンが収まらない場合には、アイコンの一部分が図形に重ね書きされる位置がアイコンの位置座標となり、このアイコンの近隣位置またはアイコンに重なる位置が単位文字列の位置座標となる(図21の34、35参照)。次にS903に進む。
【0174】
(S903、S904)
S903では、算出した単位文字列やアイコンの「標準的な表示座標」と表示部5の画面に表示できる範囲とを比較して、画面表示範囲内からはみ出す単位文字列およびアイコンを抽出する。次にS904に進んではみ出しがあるか否かが判定される。この判定がYESの場合はS905に進み、NOの場合はS906に進む。
【0175】
(S905)
画面表示範囲内に含まれる単位文字列およびアイコンが画面表示範囲内に収まるよう表示座標の調整を行なう。
具体的には、画面表示範囲からはみ出す単位文字列やアイコンについて画面の中心や内側方向にシフトさせて、はみ出さなくなる位置に座標を調整する。
但し、位置座標をシフトしたことにより、他の単位文字列やアイコンとの重なりや干渉(異なる2つの単位文字列が隣接することにより、誤って1つの文字列と誤認される可能性がある状態など)が生じる場合には、その対象となる他の単位文字列やアイコンの表示座標も調整し、画面表示範囲内に含まれるべき単位文字列およびアイコンが全て画面表示範囲内に収まり、且つ他の単位文字列やアイコンとの重なりや干渉が生じなくなるまで座標調整を行なう。次にS906に進む。
【0176】
(S906)
表示座標を調整した後の単位文字列およびアイコンを表示部5に表示し、単位文字列・アイコンの表示処理を終了する。
【0177】
図20は単位文字列・アイコンの表示座標の調整を説明する図である。図20(a)は画面表示範囲内に含まれる単位文字列およびアイコンの標準的な表示座標を算出した状態を示している。
この例においては、画面表示範囲40を示す破線の矩形枠の左側部分には、駅を示すアイコンの表示座標(41aと41bの2点で囲まれる範囲)と、駅名を示す単位文字列「未来駅」の表示座標(42aと42bの2点で囲まれる範囲)があり、駅を示すアイコンの表示座標の左端(41a側)と、駅名を示す単位文字列の表示座標の左端(42a側)は、画面表示範囲40を示す破線の矩形枠の左側部分よりも左側に位置するため、画面からはみ出すことが判別できる。
【0178】
同様に画面表示範囲40を示す破線の矩形枠の右側部分には、銀行を示すアイコンの表示座標(43aと43bの2点で囲まれる範囲)と、銀行名を示す単位文字列「明日銀行」の表示座標(44aと44bの2点で囲まれる範囲)があり、銀行を示すアイコンの表示座標の右端(43b側)と、銀行名を示す単位文字列の表示座標の右端(44b側)は、画面表示範囲40を示す破線の矩形枠の右側部分よりも右側に位置するため、画面からはみ出すことが判別できる。
【0179】
図20(b)は、図20(a)で示された画面表示範囲内に含まれる単位文字列およびアイコンの標準的な表示座標から、画面表示範囲内に単位文字列およびアイコンが収まるよう表示座標を調整した後の状態を示している。
【0180】
この図においては、駅を示すアイコンの表示座標の左端(41a側)と、駅名を示す単位文字列の表示座標の左端(42a側)は、画面表示範囲40を示す破線の矩形枠左側部分の位置まで、画面の内側方向(すなわち右方向)にシフトされたことにより、画面からはみ出さないよう調整されている。
同様に銀行を示すアイコンの表示座標の右端(43b側)と、銀行名を示す単位文字列の表示座標の右端(44b側)は、画面表示範囲40を示す破線の矩形枠右側部分の位置まで、画面の内側方向(すなわち左方向)にシフトされたことにより、画面からはみ出さないよう調整されている。
【0181】
図21は、現在位置を変化せずに現在方位を変化したときの単位文字列・アイコンの画面表示の変化を説明する図である。
図21(a)は、ある地点において利用者が北向きに静止している状態で、測定方位上方表示モードによって表示部5に表示される画面の表示例を示す図である。この図では地図表示装置1の実際の方位20(表示部5の上端側の方位)が北を向いている状態において、表示部5には測定方位である地図上の北が画面上方となるように表示されており(地図の方位マーク22の北が上)、位置方位アイコン21は現在方位決定部3から得られた方位である地図上の北を向いている。
【0182】
画面に表示される地図においては、駅を示す図形30の中に、駅を示すアイコン31と、駅名を示す単位文字列32が表示され、銀行を示す図形33の中に、銀行を示すアイコン34と、銀行名を示す単位文字列35が表示されている。
【0183】
この状態から利用者の現在位置はそのままで、かつ、利用者の現在方位が東向きに変わった場合の表示部5に表示される画面表示について、従来技術の場合(単位文字列とアイコンの座標調整を行なわない)と本発明(単位文字列とアイコンの座標調整を行なう)の場合をそれぞれ図21(b)、図21(c)に示す。
【0184】
単位文字列とアイコンの座標調整を行なわない従来技術を用いた表示の場合、図21(b)に示すように駅を示す図形30は画面の左端に位置しており、駅を示すアイコン31や駅名を示す単位文字列32は左側が画面からはみ出している。また、銀行を示す図形33は、画面の右端に位置しており、銀行を示すアイコン34と銀行名を示す単位文字列35とは右側がはみ出している。
【0185】
一方、単位文字列とアイコンの座標調整を行なう本発明を用いた表示の場合、図21(c)に示すように駅を示す図形30は画面の左端に位置しており、駅を示すアイコン31と駅名を示す単位文字列32は右側(画面の内側方向)にシフトされて画面内に収まるよう表示されている。また、銀行を示す図形33は、画面の右端に位置しており、銀行を示すアイコン34と銀行名を示す単位文字列35とは左側(画面の内側方向)にシフトされて画面内に収まるよう表示されている。
【0186】
なお、本発明は、これまで説明した実施形態における内容に限定されるものではない。本発明の主旨を変えない範囲で広く適用することができる。
【0187】
【発明の効果】
以上のように本発明の地図表示装置によれば、各実施形態に見られるように以下の少なくとも1つの効果が得られる。
利用者の好みや状況に応じて、地図の表示モードを北上方表示モード、測定方位上方表示モードだけでなく、指定方位上方表示モードも含めた3つのモードの中から任意に選択することができる。例えば、広域地図のような縮尺の大きい地図を表示して、現在位置や目的位置などを確認する場合には通常見慣れた北を上とした北上方表示モードを使用したり、詳細地図のような縮尺の小さい地図を表示して、地図表示画面上の道路や目標物を、実際の道路や目標物と対応づけて確認する場合には測定方位上方表示モードを使用したりすることができ、さらに、カーブが連続するような状況や、利用者が道に迷って周囲の状況を確認するために利用者自身が向いている方向を前後左右に変化させるような状況においては、あらかじめ指定した方位で表示される指定方位上方表示モードを使用すれば、自分が進むべき方向に困惑する可能性は極めて低くなり、かつ、画面に表示される地図情報が方位の変化に応じて頻繁に変化することもなくなるため、画面上の地図情報の視認性が向上する。
【0188】
また、指定方位上方表示モードを選択した時に、直前の表示モードにおける画面上方の方位と、既に設定されている指定方位が異なる場合には、既に設定されている指定方位を継続するか若しくは指定方位上方表示モードが選択される直前の表示モードにおける画面上方の方位を指定方位として新たに設定するかを任意に選択することができるようにして、状況に合わせて指定方向を簡単に設定することができる。
【0189】
また、第一表示方位記憶部と第二表示方位記憶部とに初期値として記憶させる方位を同一にするようにしておくことにより、第二表示方位記憶部に記憶されている方位が初期値と異なる方位に変更されない限りは、利用者が指定方位を設定しなくても、一般的な地図の上方方位である北(あるいは任意の方位)を上向きに自動的に設定することができ、第二表示方位記憶部に記憶されている方位が初期値と異なる方位に変更されても、適切な指定方位を利用者に選択的に設定させることができる。
【0190】
また、測定方位上方表示モードにおいて、方位が(連続的に)変化する状況では、道路部分など方位変化を表現するのに必要最小限の部分のみの簡易な地図情報が表示されるようにすることにより、方位の変化状況が認識できる情報以外の他の情報は表示されないため視認性を向上させることができ、利用者が向いている現在方位の変化が、画面上でどの程度の方位変化となるのかを簡単に把握することができる。
【0191】
また、測定方位上方表示モードにおいて、方位が(連続的に)変化する状況では、地図の表示方位を変更せずに、地図上に表示される地図表示装置が向いている方位を示すマークのみ方位変動に連動して回転表示されるようにすることにより、地図表示装置を保持している利用者が向いている方位の変化が、画面上でどの程度の方位変化となるのかを簡単に把握することができる。
【0192】
また、移動する際に、地図表示装置が向いている実際の方位と利用者が向かう目的地の方位や進行方位または探索対象物等の方位が一致したとき、一致したことを画面上に表示して通知したり、音声により通知したりするようにすれば、直感的に自分が進むべき方位を簡単に把握することができる。
【0193】
例えば、目的地や探索対象物が建築物や敷地などで出入口を有する場合には(出入口が複数ある場合には現在位置から近い方、またはスロープがあるなど利用者の条件に合致する方)、現在位置からの出入口の方位を通知対象方位として設定することにより出入口の方位が通知されるので、更に利便性を高めることができる。
【0194】
また、地図情報に含まれる各種施設データの文字情報の単位文字列、地図上の建築物や設置物を表すアイコンが表示画面範囲内に収まるように表示位置を調整するようにすれば、画面上の地図表示範囲内に含まれる単位文字列やアイコンが画面端部にかかっても画面からはみ出したり、表示されなくなったりすることがなくなり、地図表示範囲内に含まれるべき単位文字列を正確に読み取ることができ、アイコンを正確に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である地図表示装置の全体構成ブロック図。
【図2】本発明の一実施形態である地図表示装置の表示モードの選択処理を示すフロー図。
【図3】本発明の一実施形態である地図表示装置の北上方表示モードの処理を示すフロー図。
【図4】本発明の一実施形態である地図表示装置の測定方位上方表示モードの処理を示すフロー図。
【図5】本発明の一実施形態である地図表示装置の指定方位上方表示モードの処理を示すフロー図。
【図6】指定方位上方表示モードにおける指定方位設定確認画面を説明する図。
【図7】北上方表示モードの画面表示を説明する図。
【図8】測定方位上方表示モードの画面表示を説明する図。
【図9】指定方位上方表示モードの画面表示を説明する図。
【図10】進行中のある道路の周辺を説明する図。
【図11】測定方位上方表示モードでの画面表示の遷移を説明する図。
【図12】指定方位上方表示モードでの画面表示の遷移を説明する図。
【図13】本発明の一実施形態である第2実施形態における測定方位表示モードの処理を示すフロー図。
【図14】本発明の一実施形態である第2実施形態における測定方位表示モードでの画面表示の遷移を説明する図。
【図15】本発明の一実施形態である第3実施形態における測定方位表示モードの処理を示すフロー図。
【図16】本発明の一実施形態である第3実施形態における測定方位表示モードでの画面表示の遷移を説明する図。
【図17】本発明の一実施形態である第4実施形態における方位一致通知部での処理を示すフロー図。
【図18】本発明の一実施形態である第4実施形態における動作を説明する図。
【図19】本発明の一実施形態である第5実施形態における単位文字列・アイコンの表示処理を示すフロー図。
【図20】本発明の一実施形態である第5実施形態における単位文字列・アイコンの表示座標の調整を説明する図。
【図21】本発明の一実施形態である第5実施形態における単位文字列・アイコンの画面表示の変化を説明する図。
【図22】現在方位決定部が実行する処理を示すフロー図。
【図23】基準角度と方位との関係を説明する図。
【図24】方位と基準角度と現在方位データとを対応付けるテーブルを示す図。
【図25】ワークメモリのデータ構造を説明する図。
【図26】地図情報記憶部の地図データのデータ構造を説明する図。
【図27】地図表示装置が向いている方位を説明する図。
【符号の説明】
1:地図表示装置
2:現在位置検出部
3:現在方位決定部
3a:方位検出部
4:入力部
5:表示部
6:地図情報記憶部
7:制御部
8:地図表示制御部
9:表示モード選択部
10:経路案内制御部
11:方位一致通知部
12:指定方位更新選択部
14:スピーカ
15:ワークメモリ
16:表示方位記憶部
16a:第1表示方位記憶部
16b:第2表示方位記憶部
17:通知方位記憶部
17a:方位一致通知設定記憶部
17b:通知対象方位記憶部
18:方位情報記憶部
18a:方位角度記憶部
18b:基準角度記憶部
18c:現在方位データ記憶部
20:方位
21:位置方位表示アイコン(通常)
22:方位マーク
23:位置方位表示アイコン(方位変動時)
24:方位マーク
25:出入口
26:通知メッセージ
27:通知音声

Claims (2)

  1. 地図情報を記憶する地図情報記憶部と、地図情報を画面上に表示する表示部と、
    現在位置を検出する現在位置検出部と、
    地図表示装置の現在方位を決定する現在方位決定部と、
    現在位置検出部からの現在位置情報および現在方位決定部からの現在方位情報に基づいて地図情報記憶部に記憶された地図情報を表示部の画面に表示する地図表示制御部とからなる地図表示装置であって、表示モードの選択入力を含む各種の入力操作を行なうための入力部と、
    入力部からの表示モード選択入力に基づいて、北方位が画面上方となるように地図を表示する北上方表示モード、地図表示装置の現在方位が画面上方となるように地図を表示する測定方位上方表示モード、指定時点で地図表示装置が向いている方位を指定方位として指定方位が画面上方になるように地図を表示する指定方位上方表示モードのいずれかを選択する表示モード選択部と、
    指定時点での地図表示装置が向いている方位を指定方位として記憶する第一表示方位記憶部と、
    現在方位決定部から送られる現在方位又は北の方位を記憶する第二表示方位記憶部と、
    表示モード選択部により指定方位上方表示モードが選択された時点で、第一表示方位記憶部に記憶された方位と第二表示方位記憶部に記憶された方位を比較して不一致の場合には、第一表示方位記憶部に記憶された指定方位を維持するか、第二表示方位記憶部に記憶された方位を新たな指定方位として第一表示方位記憶部に更新記憶するかを選択できるようにするための指定方位更新選択部とを備え、
    地図表示制御部は、指定方位上方表示モードの際に指定方位更新選択部により維持され又は更新された指定方位を画面上方として表示するようにしたことを特徴とする地図表示装置。
  2. 第一表示方位記憶部と第二表示方位記憶部とは、初期値として同一方位が記憶されることを特徴とする請求項に記載の地図表示装置。
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