JP4138200B2 - 光触媒含有組成物、濡れ性変化皮膜、及び、濡れ性変化樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

光触媒含有組成物、濡れ性変化皮膜、及び、濡れ性変化樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定基板の表面を被覆し且つ当該基板の表面で光触媒反応によって親水化する濡れ性変化皮膜であって、基板表面の露光部と非露光部の間にパターン形成用材料に対する濡れ性に大きな差を生じさせて、基板表面の所望部位にパターン形成用材料を選択的に且つ正確に付着させることができると共に、感度が良好で、少ない露光量でも短時間のうちに濡れ性の差が大きくなる濡れ性変化皮膜に関する。また、本発明は、そのような光触媒反応性の濡れ性変化皮膜を形成するための組成物に関する。
【0002】
特に本発明は、カラー液晶ディスプレーに用いられるカラーフィルタ−の画素部(着色層)やブラックマトリックスをパターン形成するのに好適な濡れ性変化皮膜、及び、当該皮膜を形成するための組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に、携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルターに対するコストダウンの要求が高い。
【0004】
このようなカラーフィルターにおいては、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
【0005】
従来から行われているカラーフィルターの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
【0006】
また、他の方法としては顔料分散法が挙げられる。この方法は、先ず、基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらに、この工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルター層を形成する。
【0007】
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化性樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の染色法、顔料分散法では、各色の着色パターン形成ごとに、感光性樹脂をスピンコート等によって透明基板へ塗布する工程と、それに続く現像および洗浄工程を繰り返す必要があるので、塗布工程における材料ロスが避けられず、工程の簡略化も困難であり、製造コストを低減させることは困難であった。また、印刷法では、高精細なパターン形成が困難であり、電着法では形成可能なパターン形状が限定されるという問題があった。
【0009】
このような問題点を解決するために、本発明者らは、透明基板の上に、光触媒とバインダーとしてのオルガノポリシロキサンを含有する光触媒含有層を形成し、当該光触媒含有層を所定のパターン状に露光して露光部位を高親水性にし、高親水性の露光部位にブラックマトリックス用インキ又は着色層用インキを選択的に付着させてブラックマトリックス層又は着色層を形成し、その後、同じ光触媒含有層の上に、パターン状の露光とブラックマトリックス用インキ又は着色層用インキの選択的付着を繰り返すことにより、各色の着色層とブラックマトリックス層を備えたカラーフィルターを製造する方法を開発し、現在、その改良を続けている。
【0010】
この方法によれば、光触媒含有層を形成するための塗布工程は1回だけで済むので、塗布材料のロスを低減し、塗布工程を簡略化することができる。また、この方法によれば、露光部にパターン形成用材料(ブラックマトリックス用インキ又は着色層用インキ)を選択的に付着させることができるので、露光後の現像および洗浄工程を省略することができる。従って、生産効率が高く、しかも、高精細で白抜け等の欠陥のないカラーフィルターが得られる。
【0011】
しかしながら、カラーフィルターの生産効率をさらに向上させるためには、露光による高親水化が速やかに進行して、短時間のうちに露光部と未露光部の間に十分な濡れ性の差が生じるように、光触媒含有層の露光感度を上げる必要がある。
【0012】
光触媒含有層の感度を上げるひとつの方法としては、当該光触媒含有層に含有されているバインダーの分子構造中に存在するアルキル基等の撥水性原子又は撥水性原子団の量を減らすことが考えられる。例えば、光触媒含有層に含有されるオルガノポリシロキサンのアルキル基含有量を減らすということにより、感度を上げることができる。しかしながら、バインダー中の撥水性原子又は撥水性原子団を減らすと、光触媒含有層の撥水性が露光前からすでに低い状態にあるので、露光部と非露光部の間にパターン形成用材料に対する濡れ性の差を大きくとることができなくなり、露光部に対するパターン形成用材料の選択的付着性が悪くなる。その結果、着色層又はブラックマトリックス層のパターンの精細度が十分に上がらなくなり、また、着色層の白抜けが生じ易くなると言った問題が起こる。
【0013】
本発明は、上記したような実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、所定基板の表面を被覆し且つ当該基板の表面で光触媒反応によって親水化し、基板表面の露光部と非露光部の間にパターン形成用材料に対する濡れ性の差を十分に大きくとることができると共に、少ない露光量でも短時間のうちに濡れ性の差が大きくなる濡れ性変化皮膜を提供することにある。
【0014】
また、本発明の第二の目的は、そのような光触媒反応性の濡れ性変化皮膜を形成するために好適な塗工用組成物を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第三の目的は、上記濡れ性変化皮膜を形成する塗工用組成物の好適な製造方法を提供することにある。
【0016】
さらに、本発明の第四の目的は、カラー液晶ディスプレーに用いられるカラーフィルタ−の画素部(着色層)やブラックマトリックスをパターン形成するのに好適な濡れ性変化皮膜、及び、当該皮膜を形成するための塗工用組成物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明において提供される光触媒含有組成物は、光触媒反応により親水化する濡れ性変化皮膜を形成するための光触媒含有組成物であって、
当該光触媒含有組成物は少なくともバインダーと光触媒とを含有し、
当該光触媒含有組成物を用いて形成した、まだ親水化されていない皮膜の表面に、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成した時に、
当該濡れ標準試薬の実測された又はジスマンプロットにより決定された接触角(θ)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示し、且つ、
下記式
X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
(式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
で表される、前記接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)の絶対値(|X|)は、前記表面張力が20〜50mN/mの範囲において、0.02以下であることを特徴とする。
【0018】
上記の光触媒含有組成物を所定の基板の表面に塗布し、乾燥又は硬化させることによって、光触媒を含有する濡れ性変化層を有する本発明の濡れ性変化皮膜を形成することができる。
【0019】
好ましい態様において、本発明の光触媒含有組成物は、バインダーとして、加水分解縮合可能な珪素化合物、又は、当該加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部を加水分解及び/又は縮合させた反応物を含有する。
【0020】
前記の加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部が、フルオロアルキル基を有することが好ましい。
【0021】
前記の加水分解縮合可能な珪素化合物が、YnSiX(4-n)(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。nは0〜3までの整数である。)で表される1種又は2種以上であって、且つ、その少なくとも一部がフルオロアルキル基を有していることが、特に好ましい。
【0022】
また、本発明において提供される濡れ性変化皮膜は、所定の基板表面を被覆し、光触媒反応により親水化する濡れ性変化皮膜であって、
当該濡れ性変化皮膜は、光触媒反応により親水化する濡れ性変化層と、当該濡れ性変化層の光触媒反応を引き起こす光触媒系とを備えており、
まだ親水化されていない当該濡れ性変化層の表面に、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成した時に、
当該濡れ標準試薬を用いて実測された、又は、ジスマンプロットにより決定された接触角(θ)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示し、且つ、
下記式
X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
(式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
で表される、前記接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)の絶対値(|X|)は、前記表面張力が20〜50mN/mの範囲において、0.02以下であることを特徴とする。
【0023】
光触媒系は、濡れ性変化層内に存在していてもよいし、濡れ性変化層から独立していてもよい。例えば、本発明の濡れ性変化皮膜は、光触媒を含有してなる前記濡れ性変化層を備えていてもよいし、或いは、光触媒を含有する光触媒含有層と、当該光触媒含有層の上に設けられた前記濡れ性変化層とを備えていてもよい。
【0024】
本発明においては、濡れ性変化層の表面に濡れ標準試薬の液滴を接触させると、当該濡れ標準試薬を用いて実測された接触角、又は、実測値に基づくジスマンプロットのグラフにより決定される接触角が、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において、30度以上を示す。いろいろな分野で使用されている各種のインキは、通常、20〜50mN/mの表面張力を有している。従って、この範囲の表面張力に対して、濡れ性変化層の非露光部が30度以上の接触角を示す場合には、非露光部の撥インキ性が十分であり、その結果、親水性(親インキ性)の露光部と撥インキ性の非露光部の間に、パターン形成用インキに対する濡れ性の差を大きくとることができる。
【0025】
さらに、本発明に属する濡れ性変化皮膜の濡れ性変化層は、まだ親水化されていない当該濡れ性変化層の表面に上記の濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成し、濡れ標準試薬を用いて実測された接触角(θ)、又は、ジスマンプロットにより決定された接触角(θ)からコサイン値(cosθ)を導き、コサイン値(cosθ)の平均減少率(X)を、下記式
X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
(式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
で表した時に、表面張力が20〜50mN/mの範囲において、算出される平均減少率(X)の絶対値(|X|)が0.02以下になるという特性も有する。
【0026】
このcosθの平均減少率(X)の絶対値(|X|)が0.02よりも大きい場合には、濡れ性変化層の露光感度が従来程度であり、光照射による高親水化を短時間のうちに完了させることが困難である。これに対して、このcosθの平均減少率(X)の絶対値(|X|)が0.02以下の場合には、濡れ性変化層の露光感度が高く、少ない露光量で短時間のうちに高親水化する。接触角のコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)が小さくなると、なぜ濡れ性変化層の露光感度が向上するのかは明らかでないが、おそらく、濡れ性変化層の臨界表面張力が小さくて撥水性(撥インキ性)が高い場合でも、接触角のコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)が小さければ水滴の接触角がそれほど大きくならないので、物理的吸着水を比較的多量に保有することができ、当該物理的吸着水によって光触媒反応が促進するものと推測される。
【0027】
このような本発明の濡れ性変化皮膜を用いて所定の基板の表面を被覆すると、光照射前には高撥水性を示し、光照射によって速やかに高親水性化する。そして、この濡れ性変化皮膜の表面を所定のパターン状に露光すると、露光部と非露光部の間にパターン形成用材料に対する濡れ性の差を十分に大きくとることができると共に、少ない露光量でも短時間のうちに濡れ性の差を大きくすることができる。従って、露光部と非露光部の間に濡れ性の大きな差があることを利用して、露光部又は非露光部にパターン形成用材料を選択的に付着させることができ、基板上に高精細で白抜けのないパターンを形成することができる。しかも、本発明の濡れ性変化皮膜は感度が高く速やかに高親水化するので、露光工程の時間を極めて短くすることができ、生産性が高い。
【0028】
さらに、本発明の濡れ性変化皮膜及び光触媒含有組成物を用いることにより、カラー液晶ディスプレー用の、高精細で白抜けのないカラーフィルターを効率よく製造することができる。
【0029】
本発明においては、まだ親水化されていない前記濡れ性変化層の臨界表面張力が、前記濡れ標準試薬を用いた時に40mN/m以下であることが好ましい。
【0030】
また、本発明においては、まだ親水化されていない前記濡れ性変化層の表面が、水に対して80度以下の接触角(θ)を示すことが好ましい。
【0031】
本発明において提供される濡れ性変化樹脂組成物の製造方法は、フルオロアルキル基含有珪素化合物を、酸と水の存在下で加水分解縮合させることを特徴とする。
【0032】
前記のフルオロアルキル基含有珪素化合物として、下記の一般式
pSiX(4-p)
(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。ただし、少なくとも一のYはフルオロアルキル基又はフルオロアルキル基を有する炭化水素基である。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。pは1〜3までの整数である。)
で表されるフルオロアルキル基含有珪素化合物を用いるのが好ましい。
【0033】
また、フルオロアルキル基含有珪素化合物を含有する反応系に前記の水と酸を添加して、前記フルオロアルキル基含有珪素化合物及び必要に応じて添加されるその他の加水分解縮合可能な珪素化合物の合計量に対する水の割合をモル比で200倍以上とし、且つ、反応系のpHを2以下に調節して加水分解縮合を行うことが好ましい。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明に係る濡れ性変化皮膜は、光触媒反応により親水化する濡れ性変化層と、当該濡れ性変化層の光触媒反応を引き起こす光触媒系とを備えている。光触媒系は、濡れ性変化層の光触媒反応を引き起こすことが可能な状態で共存しているかぎり、いかなる状態、あるいは、いかなる位置関係にあってもよい。例えば、濡れ性変化層に光触媒を含有させることができる。或いは、濡れ性変化層とは独立して光触媒含有層を設け、その上に濡れ性変化層を形成してもよい。
【0035】
(濡れ性変化層)
本発明の濡れ性変化皮膜においては、光触媒反応による親水化がまだ生じていない当該濡れ性変化層の表面に、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成した時に、
当該濡れ標準試薬の実測された接触角(θ)、又は、ジスマンプロットにより決定された接触角(θ)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示し、且つ、
前記接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)を、下記式
X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
(式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
で表した時に、算出される平均減少率(X)の絶対値(|X|)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲において、0.02以下になる。
【0036】
ここで、上記の濡れ標準試薬は、JIS K 6768に準拠して調製する。ただし、72〜73mN/m付近の最終測定ポイントにおいては、水滴の接触角を測定してもよい。また、本発明において接触角とは、マイクロシリンジから濡れ標準試薬の液滴又は水滴を滴下して30秒後に接触角測定器(例えば、協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した値、及び、表面張力の複数ポイントで実測した接触角を後述するジスマンプロット上にプロットしてグラフを作成し、このグラフを用いて決定された各表面張力における接触角をいう。
【0037】
このような本発明の特徴を、図1のジスマンプロット(Zisman plot)を参照して説明する。ジスマンプロットとは、試験サンプルの表面に、所定の表面張力を有する濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、濡れ標準試薬の表面張力を横軸にとり、一方、各表面張力において測定された接触角(θ)又はそのコサイン値(cosθ)を縦軸にとってプロットしたグラフである。
【0038】
図1のジスマンプロットは、本発明に属する濡れ性変化皮膜の一例(a)と、本発明前に本発明者らによって開発されていた4種の濡れ性変化皮膜(b、c、d、e)を被験サンプルとし、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、各表面張力における接触角(θ)及びそのコサイン値(cosθ)をプロットしたものである。各皮膜サンプルは、バインダーに光触媒を混合してなる単層皮膜、すなわち、光触媒を含有する濡れ性変化層である。
【0039】
本発明に属する濡れ性変化層の表面に濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成すると、実測された接触角(θ)又はジスマンプロットにより決定される接触角(θ)は、図1中のaに示すように、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において、30度以上の接触角を示す。この接触角は、20〜40mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示すのが好ましく、25〜35mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示すのが特に好ましい。さらに、この接触角は、20〜50mN/mの全範囲において30度以上の接触角を示すのが最も好ましい。
【0040】
いろいろな分野で使用されている各種インキ、例えば、カラーフィルターの着色層を形成するためのインキ、ブラックマトリックス層を形成するためのインキ、一般的な印刷インキなどは、通常、20〜50mN/mの表面張力を有し、20〜40mN/mの表面張力を有するものが多く、25〜35mN/mの表面張力を有するものが特に多い。従って、この範囲の表面張力を有する液体に対して、濡れ性変化層の非露光部が30度以上の接触角を示す場合には、非露光部の撥インキ性が十分であり、その結果、親水性(親インキ性)の露光部と撥インキ性の非露光部の間に、パターン形成用インキに対する濡れ性の差を大きくとることができる。
【0041】
また、図1のジスマンプロットにおいて接触角(θ)が0(ゼロ)であるか又はcosθが1になる時の表面張力は臨界表面張力と称され、その値が小さいほど撥水性(撥インキ性)が高い。従って、露光前のまだ親水化されていない濡れ性変化層の臨界表面張力が40mN/m以下である場合には、非露光部の撥インキ性が極めて高くなるので、好ましい。
【0042】
本発明に属する濡れ性変化皮膜の濡れ性変化層は、上述したように、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において、接触角が30度以上になるという特性を有する。これに加えて、本発明に属する濡れ性変化皮膜の濡れ性変化層は、まだ親水化されていない当該濡れ性変化層の表面に上記の濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定してジスマンプロットのグラフを作成した時に、実測された接触角(θ)、又は、ジスマンプロットにより決定された接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)の絶対値(|X|)が非常に小さいという特性も有している。すなわち、本発明において濡れ性変化層は、接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)を、下記式
X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
(式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
で表した時に、表面張力が20〜50mN/mの範囲において算出される平均減少率(X)の絶対値(|X|)が、0.02以下になる。この平均減少率(X)とは、図1のジスマンプロットにおいて、プロットにより得られた線の傾きを意味している。図1から明らかなように、本発明に属する濡れ性変化皮膜の濡れ性変化層aは、他の濡れ性変化層b、c、d、eと比べて、cosθの平均減少率(X)の絶対値(|X|)が非常に小さく、グラフ上の傾きが緩やかである。
【0043】
このcosθの平均減少率(X)の絶対値(|X|)が0.02よりも大きい場合には、濡れ性変化層の露光感度が従来程度であり、光照射による高親水化を短時間のうちに完了させることが困難である。接触角のコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)が小さくなると、なぜ濡れ性変化層の露光感度が向上するのかは明らかでないが、おそらく、濡れ性変化層の臨界表面張力が小さくて撥水性(撥インキ性)が高い場合でも、接触角のコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)が小さければ水滴の接触角がそれほど大きくならないので、物理的吸着水を比較的多量に保有することができ、当該物理的吸着水によって光触媒反応が促進するものと推測される。その結果、露光部と非露光部の間でインキに対する濡れ性の差を大きくとることができると共に、光照射の工程が短時間で済むと推測される。
【0044】
また、濡れ性変化層が十分に低い臨界表面張力を有し、しかも、cosθの平均減少率(X)の絶対値(|X|)が0.02以下になる場合には、水滴の接触角も、従来の濡れ性変化層と比べてかなり小さくなり、好ましいものでは、水滴の接触角は、80度以下になる。
【0045】
このような濡れ性変化層に用いられる材料としては、光触媒反応によって親水化して濡れ性が変化する材料で、且つ、光触媒の光励起により劣化や主鎖の分解などが起こさないような高い結合エネルギーを有するもののなかから、皮膜にした時に上記したような特性が得られるものを選ぶ。
【0046】
例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン化合物、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン化合物等を挙げることができる。
【0047】
上記の(1)の場合、一般式:
nSiX(4-n)
(ここで、Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。nは0〜3までの整数である。)
で表される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0048】
上記一般式で表される珪素化合物は、Yとしての置換基を有していてもよい炭化水素基を少なくとも一つ有しているのが好ましい。
【0049】
上記一般式において、未置換の炭化水素基、又は、置換された炭化水素基の炭化水素基部分としては、例えば、メチル、エチルその他のアルキル等の直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基;シクロヘキシル等の脂環式炭化水素基;ビニル等の不飽和炭化水素基;フェニル等の芳香族炭化水素基などを例示でき、これらの炭化水素基又は炭化水素基部分の炭素数は1〜20の範囲内であることが好ましい。
【0050】
また、上記一般式において置換基を有していてもよい炭化水素基としては、フルオロアルキル等のフッ素含有炭化水素基;グリシドキシアルキルやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルのようなエポキシ含有炭化水素基;(メタ)アクリロイルオキシアルキルのようなアクリロイルオキシ又はメタクリロイルオキシ含有炭化水素基;アミノアルキルのようなアミノ含有炭化水素基;メルカプトアルキルのようなメルカプト含有炭化水素基;N−フルオロアルキルスルホニルアミノアルキル等のN−フルオロアルキルスルホンアミド基含有炭化水素基をはじめとするフルオロアルキル含有炭化水素基などを例示できる。
【0051】
また、Xで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
【0052】
具体的には、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;
トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部分加水分解物;および、それらの混合物を使用することができる。
【0053】
また、オルガノポリシロキサン化合物として、特にフルオロアルキル基を有するものが好ましい。フルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサン化合物を用いて濡れ性変化層を形成すると、フルオロアルキル基の作用により非露光部の撥水性、撥インキ性が高くなり、高親水化した露光部と高撥水性の非露光部との間に、インキに対する濡れ性の差を大きくとることができる。
【0054】
具体的には、前記一般式YnSiX(4-n)で表される珪素化合物を縮合単位とする加水分解縮合物、又は、共加水分解縮合物であって、縮合単位の全部又は少なくとも一部が、下記のフルオロアルキルシランのようなフルオロアルキル基含有珪素化合物の1種または2種以上であるものを使用することができる。下記のフルオロアルキルシランは、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られている。
【0055】
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF24CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF26CH2CH2Si(OCH33
(CF32CF(CF28CH2CH2Si(OCH33
CF3(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF25(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF27(C64)C24Si(OCH33
CF3(CF23CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF25CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF27CH2CH2SiCH3(OCH32
CF3(CF29CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF24CH2CH2SiCH3(OCH32
(CF32CF(CF26CH2CH2Si CH3(OCH32
(CF32CF(CF28CH2CH2Si CH3(OCH32
CF3(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF25(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF27(C64)C24SiCH3(OCH32
CF3(CF23CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF25CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF27CH2CH2Si(OCH2CH33
CF3(CF29CH2CH2Si(OCH2CH33;および
CF3(CF27SO2N(C25)C24CH2Si(OCH33
【0056】
オルガノポリシロキサンをバインダーとして含有する濡れ性変化層は、加水分解縮合可能な珪素化合物、又は、当該加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部を加水分解及び/又は縮合させた反応物を含有する濡れ性変化層形成用樹脂組成物を用いて形成することができる。すなわち、加水分解縮合可能な珪素化合物の一種又は二種以上を、必要に応じて光触媒などの他の成分と混合して塗工液を調製し、基板又は光触媒含有層の上に塗布して塗工膜を形成し、当該塗工膜を加熱して加水分解縮合を進行させてから或いは進行させながら乾燥することにより、オルガノポリシロキサンをバインダーとして含有する濡れ性変化層を形成することができる。
【0057】
また、縮合単位となり得る珪素化合物の一種又は二種以上を、必要に応じて光触媒などの他の成分と混合した液を加熱するなどして加水分解させることにより、珪素化合物の少なくとも一部が加水分解及び/又は縮合した反応液を調製し、それを基板又は光触媒含有層の上に塗布し、乾燥させることによっても濡れ性変化層を作成できる。珪素化合物の少なくとも一部が加水分解及び/又は縮合した反応液を基板等に塗布する場合でも、塗工膜を加熱乾燥させると、基板上で加水分解縮合がさらに進行して珪素化合物を十分に縮合させることができる。
【0058】
オルガノポリシロキサンをバインダーとして含有する濡れ性変化層を形成するための樹脂組成物は、塗工液の状態に調製されて基板等へ塗工される。塗工液には、珪素化合物を加水分解させるために適量の水が配合される。また、基板等への塗工を容易にするために、濡れ性変化層用樹脂組成物の塗工液を、適切な溶剤を用いて希釈してもよい。
【0059】
また、バインダーとしてのオルガノポリシロキサンと共に光触媒を含有する濡れ性変化層を形成したい場合には、光触媒と共に、上記したようなバインダー成分、すなわち、加水分解縮合可能な珪素化合物、又は、当該加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部を加水分解及び/又は縮合させた反応物、を含有する濡れ性変化層形成用樹脂組成物(光触媒含有組成物)を調製し、当該光触媒含有組成物を基板等の上に塗布し、形成された塗工膜を必要に応じて加熱し、乾燥させればよい。
【0060】
フルオロアルキル基を含有するオルガノポリシロキサンを形成するために、加水分解縮合可能な珪素化合物としては、フルオロアルキル基を有する珪素化合物を使用するのが好ましく、二種以上の珪素化合物を組み合わせて用いる場合には、その少なくとも一部がフルオロアルキル基含有珪素化合物であることが好ましい。
【0061】
加水分解縮合可能で且つフルオロアルキル基を含有する珪素化合物の好ましい例としては、前記一般式YnSiX(4-n)(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。nは0〜3までの整数である。)で表される1種又は2種以上の珪素化合物からなり、且つ、その少なくとも一部がフルオロアルキル基を有する珪素化合物で占められている珪素化合物の単体或いは混合物を挙げることができる。
【0062】
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
【0063】
【化1】
Figure 0004138200
【0064】
ただし、mは2以上の整数であり、R1,R2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0065】
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
【0066】
本発明において光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOLBL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
【0067】
また、光触媒含有層には上記の界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を含有させることができる。
【0068】
本発明においては、濡れ性変化層に光触媒を含有させてもよい。濡れ性変化層に光触媒を含有させる場合には、上記したオルガノポリシロキサン化合物のような適切なバインダーに光触媒を混合して光触媒含有組成物を調製し、これを基板上に塗布し、乾燥又は硬化させるのが好ましい。
【0069】
後述するような酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。そして、本発明においては、このキャリアが濡れ性変化層中のバインダーやその他の化合物に作用を及ぼして、高親水化させるものと思われる。
【0070】
本発明で使用する光触媒としては、光半導体として知られる例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0071】
本発明においては、特に酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
【0072】
このようなアナターゼ型酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0073】
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下のものが好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ましく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非露光部の撥インキ性が低下し、また露光部の親インキ性の発現が不十分となるため好ましくない。
【0074】
濡れ性変化層に光触媒を添加する場合の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。
【0075】
このような濡れ性変化層は、上述した成分を、必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板又は光触媒含有層の上に塗布することにより形成できる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより濡れ性変化層を形成することかできる。
【0076】
本発明においては、濡れ性変化層の厚みは、濡れ性変化層に光触媒を含有させるのか、或いは、独立して設けた光触媒含有層の上に濡れ性変化層を形成するのかによって、適宜調節されるが、一般的には、0.001μm〜1μmであることが好ましく、特に好ましくは0.001μm〜0.2μmの範囲内である。
【0077】
本発明においては、露光前の濡れ性変化層が、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の接触角(θ)、及び、当該接触角から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率の絶対値(|X|)が、上記所定の範囲内に入るように、材料を選んで濡れ性変化層を形成する必要がある。
【0078】
このような特性を有する濡れ性変化層を作成する好適な方法としては、次のような方法がある。すなわち、フルオロアルキル基を含有する珪素化合物の1種又は2種以上を、酸と水の存在下で加水分解縮合又は共加水分解縮合させることによって濡れ性変化層用組成物を調製する。加水分解縮合可能なフルオロアルキル基含有珪素化合物としては、上記一般式YnSiX(4-n)で表される珪素化合物の中からフルオロアルキル基を含有するもの、すなわち下記一般式
pSiX(4-p)
(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。ただし、少なくとも一のYはフルオロアルキル基又はフルオロアルキル基を有する炭化水素基である。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。pは1〜3までの整数である。)
で表される珪素化合物を選んで用いることができる。
【0079】
また、フルオロアルキル基含有珪素化合物は、必要に応じて、加水分解縮合可能な珪素化合物、好ましくは上記一般式YnSiX(4-n)で表される珪素化合物であってフルオロアルキル基を含有しないもの、と混合して共加水分解縮合させてもよい。
【0080】
上記したようなフルオロアルキル基含有珪素化合物、好ましくは上記一般式YpSiX(4-p)で表される珪素化合物、及び、必要に応じてその他の珪素化合物を、イソプロピルアルコールのような水溶性溶剤に投入し、2規定程度の塩酸などの適当な酸を用いて必要量の水と酸を加えると、酸性pHの水性反応系が得られる。この水性反応系の調製液を、適当な温度で適当な時間、攪拌することによりゾルゲル反応させると、フルオロアルキル基含有珪素化合物が加水分解縮合し、濡れ性変化層用組成物が得られる。フルオロアルキル基含有珪素化合物、その他の珪素化合物、溶剤、水、酸などの各材料の混合順序は特に制限されない。
【0081】
フルオロアルキル基含有珪素化合物は、過剰の水と酸の存在下でゾルゲル反応させることによって加水分解縮合させるのが好ましい。具体的には、反応系において、フルオロアルキル基含有珪素化合物及び必要に応じて混合されるフルオロアルキル基を含有しない珪素化合物を含む、加水分解縮合可能な珪素化合物の合計量に対して、水の割合がモル比で通常は200倍以上、好ましくは300倍以上、さらに好ましくは400倍以上となり、且つ、反応系のpHが2以下となるように調節する。
【0082】
フルオロアルキル基含有珪素化合物を含有し且つ水と酸を添加された水性反応系の調製液は、通常25〜100℃、好ましくは50〜100℃に加熱しながら、10分〜24時間、好ましくは1時間〜8時間、攪拌しながらゾルゲル反応を進行させる。
【0083】
ゾルゲル反応させて得られた反応液は、フルオロアルキル基含有珪素化合物、その他の珪素化合物、それらの加水分解物、及び、それらの脱水縮合物の混合物である。このようにして得られた反応液は、そのまま濡れ性変化層用組成物として使用することができる。或いは、ゾルゲル反応によって得られた反応液から、必要に応じて水を除去し、塗工用溶剤に溶解・分散させ、その他の添加剤を加えて、濡れ性変化層用組成物を調製してもよい。このようにして得られた濡れ性変化層用組成物を基板又は光触媒含有層の上に塗布し、乾燥させることによって、フルオロアルキル基含有珪素化合物を縮合単位とする加水分解縮合物又は共加水分解縮合物からなる濡れ性変化層が形成される。濡れ性変化層用組成物を基板又は光触媒含有層の上に塗布した後で加熱することにより、塗膜の乾燥中に加水分解縮合反応がさらに進行するので、珪素化合物を十分に縮合させることができる。このようにして形成された濡れ性変化層は、上記特定の接触角(θ)及びcosθの平均減少率の絶対値(|X|)を示す。
【0084】
また、上記調製法によって、光触媒を含有する濡れ性変化層用組成物(光触媒含有組成物)を形成したい場合には、上記反応系に光触媒を混合して加水分解縮合を行ってもよいし、加水分解縮合によって得られた濡れ性変化層用組成物に光触媒を混合してもよい。例えば、上記したようなフルオロアルキル基含有珪素化合物に光触媒の微粉末を投入し、この混合物を水と酸の存在下でゾルゲル反応させて加水分解縮合させることにより、光触媒含有組成物が得られる。或いは、フルオロアルキル基含有珪素化合物を水と酸の存在下でゾルゲル反応させて加水分解縮合させた後、得られた反応液、又は、反応液から水を除去して得られた加水分解縮合物、又は、当該縮合物を再び溶剤に溶解又は分散した液体に、光触媒を混合してもよい。このようにして得られた光触媒含有組成物を基板の上に塗布し、乾燥又は硬化させることによって、光触媒を含有し、且つ、上記特定の接触角(θ)及びcosθの平均減少率の絶対値(|X|)を示す濡れ性変化層を形成することができる。
【0085】
(光触媒含有層)
本発明においては、上記したような光触媒を含有する光触媒含有層を、濡れ性変化層とは独立して設けてもよい。この光触媒含有層は、光触媒含有層中の光触媒がその上に形成された濡れ性変化層の濡れ性を変化させるような構成であれば、特に限定されるものではなく、光触媒とバインダーとから構成されているものであってもよいし、光触媒単体で成膜されたものであってもよい。また、その表面の濡れ性は特に親インキ性であっても撥インキ性であってもよいが、この光触媒含有層上に、濡れ性変化層等を形成する都合上、親インキ性であることが好ましい。
【0086】
光触媒含有層を光触媒単独で形成する場合、例えば二酸化チタンの場合は、基板上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
【0087】
また、光触媒含有層にバインダを用いる場合は、バインダの主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものが好ましく、例えばこのようなバインダとしては、前述したようなオルガノポリシロキサン化合物等を挙げることができる。
【0088】
このようにオルガノポリシロキサン化合物をバインダとして用いた場合は、光触媒とオルガノポリシロキサン化合物を必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に溶解、分散して塗布液を調製し、この塗布液を基板上に塗布することにより、光触媒含有層を形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形成することかできる。
【0089】
また、バインダとして無定形シリカ前駆体を用いることができる。この無定形シリカ前駆体は、一般式SiX4で表され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
【0090】
具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメトキシシラン等が挙げられる。また、この場合には、無定形シリカの前駆体と光触媒の粒子とを非水性溶媒中に均一に分散させ、基板上に空気中の水分により加水分解させてシラノールを形成させた後、常温で脱水縮重合することにより光触媒含有層を形成できる。シラノールの脱水縮重合を100℃以上で行えば、シラノールの重合度が増し、膜表面の強度を向上できる。また、これらの結着剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0091】
光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0092】
さらに、光触媒含有層には上記の光触媒、バインダの他にも、濡れ性変化層に添加できるような各種の界面活性剤、樹脂、樹脂以外のポリマー、オリゴマー等を添加することができる。
【0093】
(パターン形成体の製造)
所定の基板の表面に、本発明の濡れ性変化皮膜を形成し、所定のパターン状に光を照射すると、露光部位が高親水性になり、露光部位と非露光部位の間にパターン形成用材料に対する濡れ性の差が生じる。そこで、露光部位又は非露光部位に対して適切な濡れ性を有するパターン形成用材料を、インクジェットなどの方法で皮膜表面(基板表面)に供給すると、露光部位又は非露光部位にパターン形成用材料を選択的に付着させることができ、所望のパターンが形成される。
【0094】
濡れ性変化皮膜を露光する際には、濡れ性変化皮膜の上方から光を照射してもよいし、或いは、基板の光線透過率が高い場合には基板側から光を照射してもよい。
【0095】
本発明において用いられる光触媒は、そのバンドギャップによって触媒反応を開始する光の波長が異なる。例えば、硫化カドニウムであれば496nm、また酸化鉄であれば539nmの可視光であり、二酸化チタンであれば388nmの紫外光である。したがって、用いる光触媒に合わせて、適切な波長の光線を用いてパターン状露光を行う。光触媒として二酸化チタンを用いる場合には、光線中に400nm以下の範囲、好ましくは380nm以下の範囲の紫外成分が含まれることが好ましい。このような紫外光を含む光の光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の種々の紫外線光源を挙げることができる。
【0096】
露光した濡れ性変化皮膜の表面に、露光パターン又はそのネガパターンに合わせて選択的に付着させるパターン形成用材料としては、用途に応じて、インキその他の塗工材料を使用することができる。本発明の濡れ性変化皮膜に光を照射すると、得られる露光部位は、20〜50mN/mの表面張力を有するインキに対して良好な濡れ性を示す親インキ性領域となる。一方、濡れ性変化皮膜の非露光部位は、光照射を行う前と変わらず撥インキ性領域のままである。ここで、親インキ性領域とは、インキとの接触角が小さい領域であり、一般的な印刷インキ、インクジェット用インキ、カラーフィルターの着色層用或いはブラックマトリックス用インキ、又は、マイクロレンズ形成用組成物等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥インキ性領域とは、インキとの接触角が大きい領域領域であり、上記インキに対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
【0097】
従って、本発明の濡れ性変化皮膜を所定のパターン状に露光し、露光部に20〜50mN/mの表面張力を有するインキをインクジェット等の方法により選択的に付着させることにより、高精細で白抜けのないパターンが得られる。
【0098】
特に好適には、本発明の濡れ性変化皮膜は、カラーディスプレーに用いられるカラーフィルターの画素部(着色層)やブラックマトリックス層を形成するのに用いられる。すなわち、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板、透明樹脂板等の透明基板を準備し、当該透明基板の表面に、光触媒を含有する濡れ性変化層を形成するか、又は、光触媒含有層と濡れ性変化層とを順次形成することにより、本発明の濡れ性変化皮膜を設ける。次に、当該濡れ性変化皮膜の表面に、フォトマスクを介して光を照射したり、或いは、レーザーで描画することにより、所定のパターン状に露光する。そして、高親水性にされた露光部位にブラックマトリックス用インキ又は着色層用インキをインクジェット等の方法で選択的に付着させてブラックマトリックス層又は着色層を形成し、その後、同じ濡れ性変化皮膜の上に、パターン状の露光とブラックマトリックス用インキ又は着色層用インキの選択的付着を繰り返す。このような方法によって、基板上に各色の着色層とブラックマトリックス層を順次形成し、高精細で、白抜けのないカラーフィルターを効率よく製造することができる。
【0099】
【実施例】
(実施例1)
3gのイソプロピルアルコール、0.020gのフルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−Nエチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)、2gのアルコキシシラン含有酸化チタンゾル無機コーティング剤(石原産業製ST−K03)、4gの2規定塩酸水を混合した。得られた混合液は、合計0.0005モルの加水分解縮合可能な珪素化合物(フルオロアルキルシランとアルコキシシラン)及び0.23モルの水を含有し、pH1だった。この混合液を、100℃で120分間攪拌した。
【0100】
得られた反応液を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有膜を得た。
【0101】
この光触媒含有膜表面の濡れ標準試薬(31、40、47、56mN/m)及び水に対する接触角を、接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し、その実測値を用いてジスマンプロットを行ったグラフを、図1にグラフaとして示す。
【0102】
また、この光触媒含有膜表面に格子状のフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより15mW/cm2(254nm)の照度で紫外線照射を行い、水に対する接触角が0度になるまでに要した時間を表1に示す。
【0103】
【表1】
Figure 0004138200
【0104】
(比較例1)
3gのイソプロピルアルコール、0.030gのフルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−Nエチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)、2gの酸化チタンゾル(石原産業製STS−01)を混合し、100℃で20分間攪拌した。この溶液に、シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴム製)0.6g、アルキルアルコキシシランであるHPC402H(日本合成ゴム製)0.2gを混合した。得られた混合液は、合計0.0015モルの加水分解縮合可能な珪素化合物(フルオロアルキルシランとアルキルアルコキシシラン)及び0.095モルの水を含有し、pH1.9だった。この混合液を、25℃で20分間攪拌した。
【0105】
得られた反応液を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有膜を得た。
【0106】
この光触媒含有膜表面の濡れ標準試薬(31、40、47、56mN/m)に対する接触角を、接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し、その実測値を用いてジスマンプロットを行ったグラフを、図1にグラフbとして示す。
【0107】
また、この光触媒含有膜表面に格子状のフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより15mW/cm2(254nm)の照度で紫外線照射を行い、水に対する接触角が0度になるまでに要した時間を表1に示す。
【0108】
(比較例2)
3gのイソプロピルアルコール、0.030gのフルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−Nエチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)、2gの酸化チタンゾル(石原産業製STS−01)、シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴム製)0.6g、アルキルアルコキシシランであるHPC402H(日本合成ゴム製)0.2gを混合した。得られた混合液は、合計0.0015モルの加水分解縮合可能な珪素化合物(フルオロアルキルシランとアルキルアルコキシシラン)及び0.095モルの水を含有し、pH1.9だった。この混合液を、100℃で20分間攪拌した。
【0109】
得られた反応液を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有膜を得た。
【0110】
この光触媒含有膜表面の濡れ標準試薬(31、40、47、56mN/m)に対する接触角を、接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し、その実測値を用いてジスマンプロットを行ったグラフを、図1にグラフcとして示す。
【0111】
また、この光触媒含有膜表面に格子状のフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより15mW/cm2(254nm)の照度で紫外線照射を行い、水に対する接触角が0度になるまでに要した時間を表1に示す。
【0112】
(比較例3)
3gのイソプロピルアルコール、0.030gのフルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−Nエチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)、2gの酸化チタンゾル(石原産業製STS−01)、シリカゾルであるグラスカHPC7002(日本合成ゴム製)0.3g、アルキルアルコキシシランであるHPC402H(日本合成ゴム製)0.1gを混合した。得られた混合液は、合計0.00075モルの加水分解縮合可能な珪素化合物(フルオロアルキルシランとアルキルアルコキシシラン)及び0.086モルの水を含有し、pH1.8だった。この混合液を、100℃で20分間攪拌した。
【0113】
得られた反応液を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有膜を得た。
【0114】
この光触媒含有膜表面の濡れ標準試薬(31、40、47、56mN/m)に対する接触角を、接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し、その実測値を用いてジスマンプロットを行ったグラフを、図1にグラフdとして示す。
【0115】
また、この光触媒含有膜表面に格子状のフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより15mW/cm2(254nm)の照度で紫外線照射を行い、水に対する接触角が0度になるまでに要した時間を表1に示す。
【0116】
(比較例4)
3gのイソプロピルアルコール、0.020gのフルオロアルキルシラン(トーケムプロダクツ製MF−160E:N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−Nエチルパーフルオロオクタンスルホンアミドのイソプロピルエーテル50重量%溶液)、2gのアルコキシシラン含有酸化チタンゾル無機コーティング剤(石原産業製ST−K03)を混合した。得られた混合液には、合計0.0005モルの加水分解縮合可能な珪素化合物(フルオロアルキルシランとアルコキシシラン)及び0.056モルの水を含有し、pH1.9だった。この混合液を、100℃で20分間攪拌した。
【0117】
得られた反応液を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板上にスピンコーティング法によりコートし、厚さ0.15μmの光触媒含有膜を得た。
【0118】
この光触媒含有膜表面の濡れ標準試薬(31、40、47、56mN/m)及び水に対する接触角を、接触角測定器(協和界面科学製CA−Z型)により測定し、その実測値を用いてジスマンプロットを行ったグラフを、図1にグラフeとして示す。
【0119】
また、この光触媒含有膜表面に格子状のフォトマスクを介して超高圧水銀ランプにより15mW/cm2(254nm)の照度で紫外線照射を行い、水に対する接触角が0度になるまでに要した時間を表1に示す。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定基板の表面を被覆し、光照射前には高撥水性を示し、光照射によって速やかに高親水性化する濡れ性変化皮膜、及び、そのような濡れ性変化皮膜を形成するのに好適な光触媒含有組成物が提供される。この濡れ性変化皮膜の表面を所定のパターン状に露光すると、露光部と非露光部の間にパターン形成用材料に対する濡れ性の差を十分に大きくとることができると共に、少ない露光量でも短時間のうちに濡れ性の差を大きくすることができる。従って、露光部と非露光部の間に濡れ性の大きな差があることを利用して、露光部又は非露光部にパターン形成用材料を選択的に付着させることができ、基板上に高精細で白抜けのないパターンを形成することができる。しかも、本発明の濡れ性変化皮膜は感度が高いので、露光工程の時間を極めて短くすることができ、生産性が高い。
【0121】
さらに、本発明の濡れ性変化皮膜及び光触媒含有組成物を用いることにより、カラー液晶ディスプレー用の、高精細で白抜けのないカラーフィルターを効率よく製造することができる。
【0122】
さらに、上記したような特性を有する濡れ性変化層を作製するための濡れ性変化層用組成物は、フルオロアルキル基を含有する珪素化合物の1種又は2種以上を、酸と水の存在下で加水分解縮合又は共加水分解縮合させることによって調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濡れ性変化皮膜の特性を説明するためのジスマンプロットである。グラフ中のaは本発明の濡れ性変化皮膜を示し、b〜eは本発明には属さない濡れ性変化皮膜を示す。

Claims (15)

  1. 光触媒反応により親水化する濡れ性変化皮膜を形成するための光触媒含有組成物であって、
    当該光触媒含有組成物は少なくともバインダーと光触媒とを含有し、
    当該光触媒含有組成物を用いて形成した、まだ親水化されていない皮膜の表面に、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成した時に、
    当該濡れ標準試薬の実測された又はジスマンプロットにより決定された接触角(θ)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示し、且つ、
    下記式
    X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
    (式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
    で表される、前記接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)の絶対値(|X|)は、前記表面張力が20〜50mN/mの範囲において、0.02以下であることを特徴とする、光触媒含有組成物。
  2. 前記光触媒含有組成物を用いて形成した、まだ親水化されていない皮膜の臨界表面張力が、前記濡れ標準試薬を用いた時に40mN/m以下であることを特徴とする、請求項1に記載の光触媒含有組成物。
  3. 前記光触媒含有組成物を用いて形成した、まだ親水化されていない皮膜は、水に対する接触角(θ)が80度以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光触媒含有組成物。
  4. 前記の光触媒が、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、及び、酸化鉄(Fe)の中から選択される1種又は2種以上の物質であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の光触媒含有組成物。
  5. 前記のバインダーとして、加水分解縮合可能な珪素化合物、又は、当該加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部を加水分解及び/又は縮合させた反応物を含有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の光触媒含有組成物。
  6. 前記の加水分解縮合可能な珪素化合物の少なくとも一部が、フルオロアルキル基を有することを特徴とする、請求項5に記載の光触媒含有組成物。
  7. 前記の加水分解縮合可能な珪素化合物が、YnSiX(4−n)(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。nは0〜3までの整数である。)で表される1種又は2種以上であって、且つ、その少なくとも一部がフルオロアルキル基を有することを特徴とする、請求項6に記載の光触媒含有組成物。
  8. 所定の基板表面を被覆し、光触媒反応により親水化する濡れ性変化皮膜であって、
    当該濡れ性変化皮膜は、光触媒反応により親水化する濡れ性変化層と、当該濡れ性変化層の光触媒反応を引き起こす光触媒系とを備えており、
    まだ親水化されていない当該濡れ性変化層の表面に、ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルを混合してなる濡れ標準試薬の液滴を接触させて接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフを作成した時に、
    当該濡れ標準試薬の実測された又はジスマンプロットにより決定された接触角(θ)は、表面張力が20〜50mN/mの範囲の全部又は一部において30度以上を示し、且つ、
    下記式
    X=(cosθ(A)−cosθ(B))÷(A−B)
    (式中、Xはcosθの平均減少率、Aは平均減少率を求める範囲の始点における表面張力(mN/m)、Bは平均減少率を求める範囲の終点における表面張力(mN/m)、θ(A)は始点の表面張力Aにおける接触角、θ(B)は終点の表面張力Bにおける接触角をそれぞれ示す。)
    で表される、前記接触角(θ)から導かれるコサイン値(cosθ)の平均減少率(X)の絶対値(|X|)は、前記表面張力が20〜50mN/mの範囲において、0.02以下であることを特徴とする、濡れ性変化皮膜。
  9. 前記の濡れ性変化皮膜が、光触媒を含有してなる前記濡れ性変化層を備えていることを特徴とする、請求項8に記載の濡れ性変化皮膜。
  10. 前記の濡れ性変化皮膜が、光触媒を含有する光触媒含有層と、当該光触媒含有層の上に設けられた前記濡れ性変化層とを備えていることを特徴とする、請求項8に記載の濡れ性変化皮膜。
  11. まだ親水化されていない前記濡れ性変化層の臨界表面張力が、前記濡れ標準試薬を用いた時に40mN/m以下であることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれかに記載の濡れ性変化皮膜。
  12. まだ親水化されていない前記濡れ性変化層の表面は、水に対する接触角(θ)が80度以下であることを特徴とする、請求項8乃至11のいずれかに記載の濡れ性変化皮膜。
  13. 前記濡れ性変化層が、バインダーとしてオルガノポリシロキサン化合物を含有していることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれかに記載の濡れ性変化皮膜。
  14. 前記のオルガノポリシロキサン化合物が、フルオロアルキル基を有することを特徴とする、請求項13に記載の濡れ性変化皮膜。
  15. フルオロアルキル基を有する前記のオルガノポリシロキサン化合物は、YnSiX(4−n)(Yは水素、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じであっても異なってもよい。Xはアルコキシル基、アセチル基又はハロゲンを示す。一分子中の複数のXは互いに同じであっても異なってもよい。nは0〜3までの整数である。)で表される珪素化合物の1種又は2種以上を縮合単位とし、且つ、当該縮合単位としてフルオロアルキル基を有する珪素化合物を含有している加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であることを特徴とする、請求項14に記載の濡れ性変化皮膜。
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