JP4138173B2 - 不揮発性半導体記憶装置およびその消去方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその消去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フローティングゲート型の記憶素子を有する不揮発性半導体記憶装置ならびにその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図25は、従来のフラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置におけるメモリセルアレイを示す回路構成図であって、NOR型フラッシュメモリの一例を示すものである。
【0003】
図25において、ワードラインWLn−1〜WLn+1およびビット線BLn−1〜BLn+1の交点に、いわゆるフローティングゲート型メモリセルトランジスタが配置されている。各ワード線は、メモリセルトランジスタのゲートに、各ビット線はメモリセルトランジスタのドレインに接続している。
【0004】
一方、同一のメモリセル列に属するメモリセルトランジスタのソースは、ソース線SLに共通に接続されている。
【0005】
(1)フラッシュメモリ過消去状態
以下では、まず、フラッシュメモリの過消去状態について説明する。
【0006】
フラッシュメモリセルの構成において、上述したNOR型、もしくは、後に説明するDINOR(Divided bit line NOR)型と呼ばれるアレイ構造を持つものでは、同一ビット線上にしきい値電圧Vthがデプレッション状態(Vth<0)のセルが1つでも存在すると、そのビット線上の他のすべてのセルのVth測定が正しくできなくなる。つまり、当該ビット線に接続されるメモリセルについては、正常な読出動作を行なうことが困難になる。
【0007】
たとえば、図25において、ビット線BLnおよびワード線WLnの交点に配置されたメモリセルのしきい値電圧Vthがデプレッション状態の場合、ビット線BLn上の他のセルのしきい値電圧Vthがエンハンス状態(Vth>0)であったとしても、ビット線BLnおよびワード線WLnの交点に位置するセルの影響で、この他のセルのしきい値電圧Vthの測定ができない。言換えると、すべてのしきい値電圧が、見かけ上0V以下と測定されてしまうことになる。
【0008】
図26は、このような過消去状態のメモリセルが存在する場合におけるメモリセルトランジスタの見かけ上のしきい値電圧分布を示す図である。図26では、しきい値Vthであるメモリセルの個数(ビット数)の分布を示している。
【0009】
上述のように過消去状態(しきい値電圧Vthがデプレッション状態)であるメモリセルが存在する場合、メモリセルアレイでのしきい値Vthの分布を調べると、同一ビット線上のセル数に比例したセルがしきい値電圧Vthが0未満であると判定されてしまう。
【0010】
このため、見かけ上、図26に示すようにしきい値電圧Vthが0に相当するビット数が、このような過消去状態のメモリセルが存在するビット線に結合されたメモリセルの総数に相当する値となる。
【0011】
このようなデプレッション状態のセルは、フラッシュメモリでフローティングゲートから電子を引抜く際に偶発的に過剰に電子が引抜かれることにより発生し得るものである。
【0012】
(2)過消去セルの救済方法
つぎに、過消去状態となったメモリセルを消去動作後に救済する方法として、過消去状態にあるメモリセルのしきい値を選択的にエンハンスメント状態に戻す従来のいくつかの方法について説明する。
【0013】
以下では、過消去セルのしきい値電圧Vthをエンハンス状態に戻すことを「書戻し」と称する。
【0014】
書戻し処理の方法については、いくつかの方法が報告されている。
(2−1) 過消去ビットを選択し、CHE方式によって電子を注入する方法フラッシュメモリでセルのフローティングゲートへの電子注入法の1つとして、チャネルホットエレクトロン(以下、CHE(Channel Hot Electron)と称する)を用いた方法が知られている。
【0015】
ここで、CHEによる書込とは、メモリセルのドレイン近傍の急峻な電界で加速されたチャネル電子のうち、酸化膜のバリア高さ以上に加速された高エネルギ電子をフローティングゲートFGに注入する方式である。
【0016】
図27は、CHEによる過消去ビット書戻しを説明するためのフラッシュメモリセルの断面概略図である。
【0017】
図27を参照して、P型半導体基板11上に、ゲート酸化膜13、多結晶シリコン等からなるフローティングゲート14、リーク対策のため酸化膜、窒化膜、酸化膜の3層構造を有したONOと呼ばれる絶縁膜15、および多結晶シリコン等からなるコントロールゲート16が、積層されている。また、P型半導体基板11上の上記積層ゲートに近接して、それぞれNチャネルのソース領域12aおよびドレイン領域12bが自己整合的に形成されている。
【0018】
ソース領域にはソース電圧Vsが、ドレイン領域にはドレイン電圧Vdが、コントロールゲートにはコントロール電圧Vcgが、基板11には基板電圧Vsubがそれぞれ印加されている。なお、コントロール電圧Vcgはドレイン電圧Vdよりも高く設定するのが通常である。
【0019】
過消去状態のセルに対して、CHE方式を用いて書戻し動作を行なうことで、メモリセルのしきい値電圧Vthをエンハンス状態にすることができる。
【0020】
しかしながら、CHE方式を用いた書戻しでは、以下のような問題点が存在する。
【0021】
まず第1に、過消去セルを選択する必要がある。言換えると、過消去セルの選別を行なった上で書戻し動作を行なうために、過消去セルの選択を実現するための回路構成が複雑になるという問題がある。
【0022】
第2には、ドレイン・ゲート間にCHE方式による書戻し動作を実現するための所望の電圧を設定する必要があるという問題がある。この所望の電圧は、一般的にセルを書込状態にする電位配置とは異なる電位配置が必要となってしまう。このように異なる電位配置が必要となるのは、書戻しを行なうべきメモリセルのしきい値電圧Vthを変動させる幅が、従来の書込動作における変動幅とは異なることになるためである。
【0023】
第3には、書戻し時にチャネル電流をドライブする必要があることである。
このようなチャネル電流の駆動用としては、メモリセルトランジスタのドレイン電流Idとして、1セルあたり数十μAの電流が必要になる。
【0024】
(2−2) 過消去ビットを自己選択的に書戻す方法
(2−2−1) ドレインアバランシェゲート電流による書戻し
CHE方式による書戻し動作では、上述のとおり過消去セルを選択を行なうことが可能な回路構成が必要である。
【0025】
これに対して、このようなビット選択を行なわなくてもよい方法として、ドレインアバランシェホットエレクトロン(以下、DAHEと称す)、ドレインアバランシェホットホール(以下、DAHHと称す)によるゲート電流を用いた書戻し方法が、ヤマダらによる「アバランシェフォトキャリア注入を使用したNOR型フラッシュEEPROMROM用の自己収束消去法」(文献1:IEEE Trans. Electron Devices, Vol.43, p. 1937,1996)に報告されている。
【0026】
CHE方式を用いるフラッシュメモリでは、CHEの効率を高めるため、ドレイン近傍では濃いP+基板濃度(〜1018cm-3程度)と濃いN+拡散層(〜1020cm-3程度)を備えている。空乏層の広がりをP型基板領域のみで抑え、CHE効率を高める構成となっている。
【0027】
上述した文献1にも、ドレインの注入量はAs5×1015cm-2と記載されており、このような注入条件では、熱処理後のN+拡散層濃度は1020cm-3以上となる。
【0028】
図28は、このようなドレイン構造を有するフラッシュメモリセルでのドレイン電流Idの対数値およびゲート電流Igの対数値のゲート電圧Vg依存性を示す概念図である。
【0029】
ゲート電流Igは、図28に示すようにチャネル電流が流れるゲート電圧領域において、ゲート電圧Vgが低い側から、DAHH、DAHE、CHEの各モードの電流が観測されることが知られている。
【0030】
このような様子は、上述の文献1や他の文献、たとえば、文献2:Y. NISSAN-COHEN著「MOSトランジスタにおける極小ホール・電子ゲート電流測定に対する新規なフローティングゲート法」J. Electron Device Letter. Vol. EDL.7 No.10 Oct. p.561−563,1986、あるいは、米国特許5,546,340、または、文献3:P. Cappelletti他著「プログラム/消去サイクルにおけるフラッシュセルの不良メカニズム」IEDM94,p.291−294等に記載されている。
【0031】
以下に説明するように、このDAHH/DAHEの電流モードを利用することで、自己収束的に過消去状態のセルを書戻すことが可能となる。
【0032】
図29は従来のDAHE/DAHHによる過消去ビット書戻しを説明するためのフラッシュメモリセルの断面概略図である。図29において、そのメモリセル構成は上記CHEによるメモリセルと同様でありその説明は繰り返さない。
【0033】
ただし、電極に対する印加電圧のかけ方に相違点があり、Vcgに対してGNDレベルを印加し、Vsubに対してGNDまたは負バイアスを印加するものである。
【0034】
図30は、DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻し方法での書戻しを単体セルにおいてしきい値電圧の時間変化として評価した結果を示す図である。セル構造は、図29で説明したものであり、文献1に示されたものと同等のものである。
【0035】
しきい値電圧Vthを約0Vまで過消去したセル(図中白丸)を、ドレイン電圧Vd=5V,コントロールゲート電圧Vcg=0V(Vs=Vsub=GND)の条件で放置すれば、約0.1sec後に収束しきい値電圧Vthc〜1.75Vまで書戻されている。センスアンプの電流感度は、30μAに設定している。
【0036】
すなわち、この書戻し方法では、CHE方式で問題であったビット選択の必要がなく、アレイ全体のビット線にドレイン電圧を印加し、ゲート電位(ワード線電位)は0Vに設定して放置すればよい。
【0037】
さらに、この方法で特徴的なことは、収束しきい値電圧Vthより高いしきい値電圧Vthを有する状態のメモリセル(図30中、白三角(上向き)印)においても、そのしきい値電圧が収束しきい値電圧Vthcに変動することである。
【0038】
すなわち、しきい値電圧が収束しきい値電圧Vthc以下のセルでは、図28に示すDAHEの注入(電子注入)が起こり、フローティングゲート電位が図28において、電位Vg*にまで下がる。この結果、セルしきい値電圧Vthは収束しきい値電圧Vthcにまで書戻される。
【0039】
一方、収束しきい値電圧Vthc以上のしきい値電圧を有するセルでは、図28に示すDAHHの注入(ホール注入)が起こり、フローティングゲート電位が、図28において、電位Vg*にまで上昇する。この結果、セルしきい値電圧Vthは、収束しきい値電圧Vthcにまで下がることになる。
【0040】
すなわち、収束しきい値電圧Vthでは、DAHEによる電子注入とDAHHによるホール注入が釣り合った状態となっている。さらに言換えれば、このようにコントロールゲートの電位がVg*となっているメモリセルにおいては、フローティングゲートに対して、電子およびホールの両方が注入され続ける状態となって平衡状態となっている。
【0041】
図31は、DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻し方法におけるドレイン電圧依存性を示す図である。ドレイン電圧がVd=6VからVd=4Vに低下するに従い、書戻しに要する時間が増加する。
【0042】
図32は、DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻し方法で、収束しきい値電圧Vthcにまで達したセルでのゲート電圧−ドレイン電流特性(Vg−Id特性)を示す図である。
【0043】
この図32を参照すると、ゲート電位Vg=0Vにおいても、書戻されたセルでは電流が流れていることがわかる。この測定は、ドレイン電圧Vd=1Vで行なっており、実際の書戻し時(Vd〜5V印加時)には、数μA/ビットの電流が流れている。これは、書戻し条件をVd=4Vで1secとした場合も、Vd=6Vで1secとした場合も同様である。
【0044】
DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻し方法で、ビット線選択を行なわない代わりに、アレイ全体を選択した場合、仮にアレイブロックサイズが256ビット(1ビット線あたり)×2048ビット(1ワード線あたり)=512Kビットであるものとし、さらに、収束しきい値電圧Vthcでのセル電流を1μA/ビットと仮定しても、この書戻し方法では1ブロックあたり500mA程度の電流が流れてしまうことになる。
【0045】
すなわち、このような方法では書戻し動作時の駆動電流が大きくなってしまうことが問題であった。
【0046】
さらに、上述の文献3(P. Cappelletti他著「プログラム/消去サイクルにおけるフラッシュセルの不良メカニズム」IEDM94,p.291−294)を参照すると、DAHE/DAHHゲート電流による書戻しでは、チャネルコンダクタンスが劣化するということも報告されている。
【0047】
これは、収束しきい値電圧Vthにおいて電子・ホールの両方が酸化膜を介してフローティングゲートに注入され続けるため、ゲート酸化膜が劣化するためである。
【0048】
(2−2−2) サブスレッショルドCHEによる書戻し
ワード線を非選択状態に設定し、選択されたビット線上の過消去セルを自己選択的に書戻す方法としてサブスレッショルドCHEによる書戻し方法が本願発明者等により提案されている。
【0049】
図33は、このような書戻しを行なうためのメモリセルトランジスタのドレイン部分断面の構造を示す概念図である。
【0050】
後に詳しく説明するように、P型基板主表面のP+領域上にゲート酸化膜を介してフローティングゲート4が設けられる。図27の構成とは異なり、N++ドレイン領域2bbとフローティングゲート4との中間に電界緩和のためのN+ドレイン領域2bが設けられる構成となっている。
【0051】
図33のような構成とすることでCHE書込効率をさらに高めていくと、より低いドレイン電圧でのCHE書込が可能となる。
【0052】
この場合、従来のDAHE/DAHHによる書戻しを行なう場合よりも低いドレイン電圧においては、チャネル電流がドレイン近傍の高電界領域にてエネルギ的に加速され、結果として2次的に発生したDAHE/DAHHの一部がゲート酸化膜に注入されることによるゲート電流Ig成分よりも、スレッショルド領域に流れるチャネル電流がドレイン近傍の高電界領域においてエネルギ的に加速され、そのチャネル電流の一部がゲート酸化膜に注入されることによるCHE成分によるゲート電流の方が大きくなることが見出されている。
【0053】
図34は、このようなサブスレッショルドCHEによる書戻しを可能とする動作条件でのゲート電流Igのゲート電圧Vg依存性を示す図である。
【0054】
図34では、比較のために図28に示した特性も併せて示している。
図28に示したDAHE/DAHHによる自己選択的な書戻しとの違いは、スレッショルドCHEによる書戻しでは、電子しか注入されないことにある。
【0055】
この様子は、収束後のVg−Id特性を見ればよくわかる。
DAHE/DAHHによる自己選択的な書戻しでは、電子とホールの両方が釣り合うところにしきい値電圧Vthは収束する。したがって、図32に示したように、収束後のメモリセルのVg−Id特性において、コントロールゲート電位Vcg=0Vの場合にもチャネル電流が流れている。言換えれば、メモリセルトランジスタは、Vcg=0Vの場合もカットオフされていない。
【0056】
図35は、サブスレッショルドCHEによる過消去ビット書戻し方法で、収束しきい値電圧Vthcにまで達したセルでのゲート電圧−ドレイン電流特性(Vg−Id特性)を示す図である。
【0057】
図35において、白丸印は初期特性を、白三角(上向き)印はサブスレッショルドCHEによる書戻しをドレイン電圧4V、Vcg=0Vの条件で、1msec行なった後の特性を、▽印はサブスレッショルドCHEによる書戻しを1sec行なった後の特性をそれぞれ示す。
【0058】
サブスレッショルドCHEによる過消去ビット書戻しの場合は、コントロールゲート電位Vcg=0Vの場合にわずかに流れるチャネル電流がゲートに注入されるため、収束後のメモリセルのVg−Id特性においては、チャネル電流がカットオフされる。
【0059】
したがって、サブスレッショルドCHEによる自己選択的な書戻しの場合には、収束しきい値電圧Vthcよりも高いしきい値Vthにあるセル、すなわち、チャネル電流がカットオフされているセルのしきい値電圧Vthは変動せず、収束Vthよりも低い位置にあるセル、すなわち、チャネル電流がカットオフされていないセルのみがしきい値電圧Vthの上昇を引き起こす。
【0060】
図36は、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の時間変動の初期しきい値依存性を示す図である。
【0061】
上述のとおり、チャネル電流がカットオフされていないセルのみがしきい値電圧Vthの上昇を引き起こすことがわかる。
【0062】
図37は、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束時間を説明するための図である。
【0063】
初期しきい値が、0Vと1Vのメモリセルトランジスタについて、ドレイン電圧Vd=4V、Vcg=0Vの条件では、ほぼ10msec経過するとしきい値は、収束値に漸近していることがわかる。
【0064】
図38は、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束の印加ドレイン電圧依存性を説明するための図である。
【0065】
図39は、図38よりもさらに低いドレイン電圧領域で、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束の印加ドレイン電圧依存性を説明するための図である。
【0066】
図40は、256Kビットアレイに対して、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった後のしきい値電圧の分布を示す図である。
【0067】
図40においては、消去動作後の特性を白丸印で示し、ドレイン電圧Vd=4.5V、コントロールゲート電圧Vcg=0Vの条件で、50msec経過後の特性を白三角(上向き)印で示す。
【0068】
このようなサブスレッショルドCHEによる自己選択的な書戻し方法では、電子のみが注入されるため、DAHE/DAHHによる書戻しで問題となるチャネルコンダクタンスの劣化は生じない。
【0069】
以上のような書戻し方式に対する特徴をまとめると以下のようである。
I) CHE方式による書戻し法
この場合、セルへの書込動作時と異なる電位発生を要する点が問題であり、かつ過消去セルのビット選択が必要となる。
【0070】
さらに、書戻し時の駆動電流が大きいという問題点がある。これは、チャネル電流を積極的に流すことにより生じたCHEをフローティングゲートに注入するという方式によるためである。
【0071】
II) DAHE/DAHHゲート電流による自己選択的な書戻し法
この場合、ビット選択は不要であり、かつ自己収束的に書戻すことができるという長所を有する。電位発生も書込時とほぼ同じ設定でよい。
【0072】
しかし、電圧低下を起こすと収束に至るまでの時間が長くなるという問題点がある。たとえば、0.1secから1sec程度の時間が必要となる場合がある。
【0073】
さらに、書戻し時の駆動電流は大きい必要があるという問題がある。これは、収束電流がアレイ全体で流れることに起因する。さらに、電子注入とホール注入が同時に起こることによりセルのチャネルコンダクタンスが劣化するという問題がある。
【0074】
III) スレッショルドCHEゲート電流による自己選択的な書戻し法
ビット選択が不要で、自己収束的に書戻せるという長所がある。電位発生も書込時とほぼ同じ設定でよい。
【0075】
ただし、電圧低下を起こすと収束に至るまでの時間が長くなる点は、DAHE/DAHHゲート電流による自己選択的な書戻し方法と同様である。
【0076】
この場合、典型的には、書戻しに要する時間は、100msec程度になる。
書戻しが進むにつれ、チャネル電流がカットオフされていくため、駆動電流は減少するという傾向があり、かつ電子のみが注入されるためチャネルコンダクタンスは劣化しないという利点がある。
【0077】
以上3つの方法について比べると、少なくとも自己収束的(自己選択的)な書戻し手法の方が、過消去状態セルのビット特定に要する回路規模が小さくなり、低コスト化には有利である。
【0078】
【発明が解決しようとする課題】
ただし、サブスレッショルドCHE方式あるいはDAHE/DAHH方式による自己選択的な書戻しも、以下に説明するような問題点がある。
【0079】
近年、単一電源フラッシュメモリへの要求が強まっており、ビット線への電位をチャージポンプ回路CPで駆動する必要性がある。
【0080】
この場合、自己選択的な書戻し手法では、メモリセルのオフリークに十分な注意を払わなければ書戻しが行なわれなくなるという問題点がある。
【0081】
図41は、自己選択的な書戻しを用いた書戻しの消去シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0082】
従来の自己選択的な書戻しの消去シーケンスでは、消去シーケンスが開始されると(ステップS100)、消去前の書込み動作(ステップS104)を行なった後、消去後しきい値電圧Vth分布において、最もしきい値が高いビットのしきい値電圧Vthが、消去ベリファイレベル以下になるまで、消去パルスの印加(ステップS106)と、消去ベリファイ動作(ステップS108)が繰り替えされる。
【0083】
つづいて、消去動作の完了後、書戻しパルスを加え、ビット線電位が与えられたビット線上に存在する過消去状態にあるビットを自己選択的に書戻す(ステップS110)ということが行なわれる。
【0084】
この手法では、センス電流感度や書戻し動作を一括して行なうアレイサイズ等に十分注意した設計を行なわないと、書戻しが機能しないという場合が存在し得る。
【0085】
図42は、消去状態にある単位セルのゲート電位ドレイン電流特性Vg−Id特性である。
【0086】
フラッシュメモリの回路においては、セル電流値がある規格値に達したときのゲート電位Vgの値においてしきい値電圧Vthを定義している。
【0087】
シングルエンドのセンスアンプの場合、このセル電流規格値を30μAとした場合、図42に示したセルでの消去後のしきい値電圧Vthは、2.4Vとなる。
【0088】
注目するべきことは、このセルではゲート電位Vg=0Vにおいても、〜数nA程度のオフリーク電流(以下、Ioff)が流れていることである。
【0089】
したがって、自己選択的な書戻し手法を用いた書戻し動作時(典型的には、ドレイン電圧Vd=5Vかつゲート電位Vg=0Vの動作条件)においては、しきい値電圧Vth=2.4Vと非過消去状態にあるセルでさえ、微小なオフリーク電流が流れることになる。
【0090】
すなわち、従来の消去方法では、消去ベリファイ後に書戻しを行なうため、サブスレッショルドCHEを用いる自己収束的な書戻しを行なう場合においても、書戻し動作に入った際に消去後のしきい値電圧Vth分布によっては無視できないオフリークIoffが存在する。すなわち、ワード線電位が0Vの状態においても、全セルがカットオフされているとは限らないため、このようなオフリークIoffが流れることになる。
【0091】
このオフリーク値に対する考慮が書戻し動作を機能させるためには重要である。以下、このオフリーク電流値の問題を例を挙げてさらに詳しく説明する。
【0092】
図43は、消去後のしきい値電圧Vthの分布を示す図である。図43においては、測定値を白丸印で示す。また、図43において、黒丸印、黒三角(上向き)印、黒四角印、黒三角(下向き)印は、それぞれ、しきい値を2.4V,2V、1.6V、1.2Vとしたときのガウシアン分布を示す。テイルビット(分布の裾のビット)のふるまいを除けば、ほぼしきい値電圧Vthの分布がガウシアン分布で近似できることがわかる。
【0093】
図44は、このような近似の下に、消去しきい値Vth分布(1Mビットのメモリセルについての分布)でのオフリークの総和を計算した結果を示す図である。消去しきい値Vth分布の位置に依存して、オフリーク値は変化する。
【0094】
図44では、各消去しきい値Vth分布において、それぞれのしきい値Vthに位置するビットオフリークの総和を縦軸に示している。消去しきい値Vth分布が低Vth側にシフトするのに従い、オフリーク値は増加する。
【0095】
図45は、センス電流感度30μAでしきい値電圧Vthを定義した場合に、64KB(512Kビット)ブロックの消去後しきい値電圧Vth分布全体のオフリークの総和を示す図である。すなわち、図45においては、図44における各しきい値電圧Vthの値を足し合せたものを縦軸に示している。
【0096】
この図45でのブロック内オフリークの総和を計算するにあたり、消去しきい値Vth分布はガウシアンであるものと近似し、横軸は消去しきい値Vth分布のピーク位置を示している。
【0097】
しきい値分布におけるピーク値Vth.peak(2.5V)の場合、オフリークの総和は4mAに達している。この4mAという値は、以下の意味で、通常の回路構成に対して大きすぎる値である。
【0098】
つまり、上述のとおり、一般に、フラッシュメモリの製品規格としては外部単一電源が要求されている。このため、書込動作時のビット線電流駆動にはチャージポンプ回路CPが用いられている。チャージポンプの方式・面積にもよるが、電流値にして数mA程度がチャージポンプ駆動の上限である。
【0099】
駆動上限以上の電流値になると、チャージポンプからの所望の電圧を取出すことができなくなり、その出力電圧が降下してしまう。書戻し動作時にも、ビット線には、このチャージポンプ回路CPによって電圧が印加されている。
【0100】
通常、消去しきい値Vthの消去ベリファイ値、すなわち消去しきい値Vth分布において最もしきい値Vthが高いビットの値は、3.5V程度に設定されている。また、消去しきい値Vth分布の広がりは、半値幅で〜1V程度であるため、(図43を参照)、消去しきい値分布のピーク値Vth.peakは2.5V程度になり得る。
【0101】
すなわち、通常の消去を行なった状態で、図45により、既に消去しきい値Vth分布のオフリークの総和がチャージポンプの駆動電流の上限値程度となってしまう。
【0102】
チャージポンプがドライブできる電圧は、その駆動電流上限値以上になると極端に低下する。一方、サブスレッショルドCHEによる書戻し特性は、図38および図39に示したように、ビット線電圧が低下すると極端に遅くなる。
【0103】
したがって、上述のように通常の消去を行なった状態で、既に消去しきい値Vth分布のオフリークの総和がチャージポンプの駆動電流の上限値程度になるような場合には、ビット線にドライブされる電圧が低下し、結果として書戻しが十分に機能しない、すなわち過消去不良が救済されないことが起こり得る。
【0104】
以上をまとめると、消去しきい値Vthのオフリークの総和により、ビット線電位が低下し書戻しが機能しなくなることが自己選択的な書戻し動作においては問題となる。
【0105】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、自己選択的な書戻しを消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置であって、オフリーク電流によって、書戻し動作時のビット線電位の低下を抑制することが可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
【0106】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に形成される不揮発性半導体記憶装置であって、外部電源電位を受けて、内部電源電位を生成する内部電源回路と、コマンド信号に応じて、不揮発性半導体記憶装置の動作を制御する制御回路と、複数のフローティングゲート型のメモリセルトランジスタが行列状に配置されたメモリセルアレイとを備え、メモリセルアレイは、それぞれ、一括したメモリセルトランジスタへの消去パルス印加と消去ベリファイ動作とを繰り返すことにより、消去動作を行なう単位となる複数のメモリセルブロックに分割され、メモリセルトランジスタのしきい値判定のための基準電位を生成するための基準電位生成回路と、メモリセルトランジスタを選択し、消去ベリファイ動作において選択されたメモリセルトランジスタに基準電位を、消去ベリファイ完了後に行なわれる書戻し動作において選択されたメモリセルトランジスタに内部電源電位を、それぞれ選択的に供給するためのセル電位供給回路と、選択されたメモリセルトランジスタからデータの読出を行ない、かつ、書戻し動作において選択されたメモリセルトランジスタを介して流れる電流値に基づいてしきい値判定を行なうための複数のセンスアンプを含むセンスアンプ部とをさらに備え、センスアンプのしきい値判定における電流感度は、消去ベリファイ完了後において、書戻し動作を一括して行なう複数のメモリセルトランジスタのオフ状態でのリーク電流の総和が、内部電源回路の電流駆動能力の範囲内となるように設定される。
【0107】
請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置は、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置の構成に加えて、各メモリセルトランジスタは、半導体基板の表層部に第1導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第1および第2の拡散層と、第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコントロールゲートを有する2層ゲート電極と、第1および第2の拡散層とチャネル領域との間に、2層ゲート電極とはオーバラップしないように形成される第2導電型の電界緩和層とを含む。
【0108】
請求項3記載の不揮発性半導体記憶装置は、請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置の構成に加えて、書戻し動作においては、コントロールゲートの電位を不活性レベルに保持し、第1および第2の拡散層の一方は接地電位に、第1および第2の拡散層の他方は所定の電位に設定して、サブスレッショルドチャネルホットエレクトロン電流による自己選択的な書戻しを行なう。
【0109】
請求項4記載の不揮発性半導体記憶装置は、半導体基板上に形成される不揮発性半導体記憶装置であって、外部電源電位を受けて、内部電源電位を生成する内部電源回路と、コマンド信号に応じて、不揮発性半導体記憶装置の動作を制御する制御回路と、複数のフローティングゲート型のメモリセルトランジスタが行列状に配置されたメモリセルアレイとを備え、メモリセルアレイは、それぞれ、一括したメモリセルトランジスタへの消去パルス印加と消去ベリファイ動作とを繰り返すことにより、消去動作を行なう単位となる複数のメモリセルブロックに分割され、メモリセルトランジスタのしきい値判定のための基準電位を生成するための基準電位生成回路と、メモリセルトランジスタを選択し、消去ベリファイ動作において選択されたメモリセルトランジスタに基準電位を、消去ベリファイ完了後に行なわれる書戻し動作において選択されたメモリセルトランジスタに内部電源電位を、それぞれ選択的に供給するためのセル電位供給回路と、選択されたメモリセルトランジスタからデータの読出を行ない、かつ、書戻し動作において選択されたメモリセルトランジスタを介して流れる電流値に基づいてしきい値判定を行なうための複数のセンスアンプを含むセンスアンプ部とをさらに備え、基準電位は、消去ベリファイ完了後において、書戻し動作を一括して行なう複数のメモリセルトランジスタのオフ状態でのリーク電流の総和が、内部電源回路の電流駆動能力の範囲内となるように設定される。
【0110】
請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置は、請求項4記載の不揮発性半導体記憶装置の構成に加えて、各メモリセルトランジスタは、半導体基板の表層部に第1導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第1および第2の拡散層と、第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコントロールゲートを有する2層ゲート電極と、第1および第2の拡散層とチャネル領域との間に、2層ゲート電極とはオーバラップしないように形成される第2導電型の電界緩和層とを含む。
【0111】
請求項6記載の不揮発性半導体記憶装置は、請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置の構成に加えて、書戻し動作においては、コントロールゲートの電位を不活性レベルに保持し、第1および第2の拡散層の一方は接地電位に、第1および第2の拡散層の他方は所定の電位に設定して、サブスレッショルドチャネルホットエレクトロン電流による自己選択的な書戻しを行なう。
【0118】
請求項記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルブロックに対する一括した消去動作を行なうステップと、ワード線を非選択状態として、選択されたビット線上において過消去状態にあるメモリセルに対する自己選択的な書戻し動作を、複数のメモリセルトランジスタに対して一括して行なうステップと、メモリセルトランジスタのしきい値が所定のベリファイレベル以下となるまで、消去動作と書戻し動作を繰り返すステップと、消去動作を所定回数行なうまでは、消去動作とメモリセルトランジスタのしきい値が所定のベリファイレベル以下となるかを判定する動作を繰り返すステップとを備える。
【0120】
請求項記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、請求項記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法の構成に加えて、消去動作の回数の増加にともなって、消去動作においてメモリセルトランジスタに与えられる消去パルスのパルス幅を減少させるステップをさらに備える。
【0121】
請求項記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法は、メモリセルブロック内のメモリセルトランジスタのしきい値が第1の所定のベリファイレベル以下となるまで、メモリセルブロックに対する一括した消去動作を繰り返すステップと、メモリセルブロック内のメモリセルトランジスタのしきい値が第1の所定のベリファイレベル以下となった後に、メモリセルブロックに対する一括した消去動作を行なうステップと、ワード線を非選択状態として、選択されたビット線上において過消去状態にあるメモリセルに対する自己選択的な書戻し動作を、複数のメモリセルトランジスタに対して一括して行なうステップと、メモリセルトランジスタのしきい値が第1の所定のベリファイレベルよりも低い第2の所定のベリファイレベル以下となるまで、消去動作と書戻し動作を繰り返すステップとを備える。
【0123】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
[不揮発性半導体記憶装置の構成]
図1は、本発明の不揮発性半導体記憶装置1000の構成を示す概略ブロック図である。
【0124】
図1を参照して、半導体記憶装置1000は、内部にROMを用い、このROMに保持しているプログラムコードと外部から与えられるコマンド信号に基づき書込および消去の制御を行なうCPU20と、CPU20より制御されて、出力電位Vout+を発生させる正電圧発生回路40と、CPU20に制御されて、出力電位Vout−を発生させる負電圧発生回路80と、ベリファイ動作においてワード線に供給するベリファイ電圧Vveを発生するベリファイ電圧発生回路100と、ワード線駆動電位VWLを発生させるワード線ブースト回路120と、CPU20によって制御され、出力電位Vout+、Vout−および電位VWLを受けて、各内部回路に分配するディストリビュータ140とを含む。
【0125】
正電圧発生回路40および負電圧発生回路80は、接地電位GNDと外部電源電位Vccとを受けて動作するチャージポンプ回路を含む。
【0126】
半導体記憶装置1000は、さらに、メモリセルアレイ260を含む。メモリアレイ260は、それぞれが分離されたウェル(WELL)の内部に形成されるメモリブロックMBL0〜MBLnを含む。不揮発性半導体記憶装置1000の消去動作は、このメモリブロックMBL0〜MBLnの各々を単位として行なわれる。
【0127】
メモリブロックMBL0は、メモリセル30、32と、セレクトゲート28とを含む。メモリブロックMBL0では、Xデコーダ180によって選択されたセレクトゲート線SGL、ワード線WL0、WL1およびソース線SLに対応するメモリセルが選択される。書込み動作においては、この選択されたメモリセルは、メインビット線MBLからセレクトゲート28およびサブビット線SBLを介して、データに対応する信号を受けてデータ保持を行なう。
【0128】
図1では、選択されたセレクトゲート線SGL、ワード線WL0、WL1およびソース線SLに対応するメモリセル30,32およびセレクトゲート28が代表的に図示されている。
【0129】
すなわち、図1に示したメモリセルアレイ260は、ビット線がメインビット線MBLとサブビット線SBLに階層化された、いわゆるDINOR型のメモリセルアレイ構造を有する。
【0130】
半導体記憶装置1000は、さらに、アドレス信号ADRを受けるアドレスバッファ160と、アドレスバッファからアドレス信号を受けて、ディストリビュータから電位の供給を受け、セレクトゲートSGL、ワード線WL0、WL1、ソース線SLおよびウェルの各電位を決定するXデコーダ180と、データ入出力信号DIOを授受するための入出力バッファ220と、アドレスバッファ160からのアドレス信号を受けデコードするYデコーダ200と、読出動作時にデータ読出しを行ない、ベリファイ動作時に選択されたメモリセルトランジスタのしきい値判定を行なうための複数のセンスアンプを含むセンスアンプ帯210と、Yデコーダ200の出力に応じてデータ入出力信号に対応しメインビット線MBLに高電圧を印加し、また、読出し動作ではカラム選択を行ない、メインビット線MBLとセンスアンプとを選択的に接続するためのコラム系制御回路240とを含む。
【0131】
Xデコーダは、図示しないが、ワード線を選択するためのWLデコーダと、セレクタゲートを選択するためのSGデコーダと、選択されたメモリブロックに対応するウェル領域を選択するWELLデコーダと、ソース線を選択するためのSLデコーダとを含む。
【0132】
YK制御回路240は、ラッチ回路を有しラッチしているデータに基づき書込時にメインビット線MBLに高電圧を印加するかどうかを決定するページバッファとを含む。
【0133】
WLブースト回路120は、高速アクセスを実現するために読出時に選択されたワード線WLおよび選択されたセレクトゲートSGに与える周波数電位を発生する回路である。
【0134】
以上の説明では、便宜上、メモリセルアレイは、DINOR型構成を有するものとしたが、以下の説明で明らかとなるように、本発明はこのような場合に限定されることなく、たとえば、いわゆる、NOR型メモリセルアレイを有する不揮発性半導体記憶装置にも好適に適用可能であって、より一般的にフローティングゲート構造を有するメモリセルトランジスタで構成される不揮発性半導体装置に適用可能なものである。
【0135】
図1に示したメモリセルトランジスタ30、32等は、前述したサブスレッショルドCHE書戻し動作が可能な構造を有しているものとする。以下に、その構造と製法について簡単に説明する。
【0136】
図2は、図1に示したメモリセル30の構造を示す断面概略図である。
また、図3は図2中で点線の円Xで示した部分を拡大して示す断面図である。
【0137】
図3は、セルトランジスタのドレイン近傍のセル構造における不純物プロファイルを示している。
【0138】
さらに、図4(a)〜(d)は図2のメモリセルトランジスタの製造手順を示す工程図である。
【0139】
図2および3を参照して、P型半導体基板(半導体基板)1の主表面に、高濃度のP型領域即ちP+領域(第1導電型領域)1aが設けられる。このP+領域1a上に、第1のゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜)3、多結晶シリコン等により構成されるフローティングゲート4、リーク防止対策のため酸化膜、窒化膜、酸化膜の3層構造を有しONOと略称される第2のゲート絶縁膜5、多結晶シリコン等により構成されるコントロールゲート6が積層された後、ゲート形状に加工されている。ソース側、ドレイン側には、それぞれ絶縁膜であるサイドウォール7a,7bが設けられている。これらのフローティングゲート4、第2のゲート絶縁膜5、コントロールゲート6により2層ゲート電極が構成される。
【0140】
2層ゲート電極に近接して、高濃度のN型領域、即ちN+領域2b、2b’が設けられる。N+領域2b’は電界緩和層としてのN+ドレイン領域であり、サイドウォールをスペーサとして、それぞれ更に高濃度のN型ソース領域およびドレイン領域、即ちN++ソース領域2aa、ドレイン領域2bbが設けられる。
【0141】
以下、図4を参照して、メモリセルトランジスタ30の製造方法を説明する。まず、チャネル領域即ちP+領域1aの構造を作成するため、図4(a)に示すように、P型半導体基板1の表面層におけるP濃度が1×1018cm-3程度にボロンB等のイオン注入によりチャネルドープを行なう。例えば、ドープ後の熱処理の条件にもよるが、注入されたボロンはP型半導体基板1にその表面から約0.4μm程度の深度まで熱処理の結果拡がりP+領域1aが形成できる。具体的には、ボロンを4×1013cm-2以上注入すれば、P+領域1aのP濃度は4×1013/0.4μm=1×1018cm-3となる。
【0142】
次に、図4(b)に示すように、P型半導体基板1に第1のゲート絶縁膜3を介してフローティングゲート4を形成し、さらに第2のゲート絶縁膜5を介してコントロールゲート6を形成したのち2層電極を完成する。これに続けて、セルドレイン構造を形成するため、この2層電極をマスクとして砒素As等をイオン注入してN+ドレイン領域2bを作成して熱処理をすれば、N+ドレイン領域2bが表層より約0.2μm程度の深度にまで拡がる。
【0143】
例えば、次工程のサイドウォール7a,7bの形成前(図4(b)参照)に砒素As等を1×1015cm-2以下で注入すれば、約5×1019cm-3程度の濃度を有するN+ドレイン領域2bが得られる。
【0144】
次に、図4(c)に示すように、これらの上面に所定の厚さの絶縁膜を形成し、この酸化膜を異方性全面エッチングするとサイドウォール7a,7bがゲート電極の側面に形成される。この表面構成に対して、図4(d)に示すように、高濃度のAs等をイオン注入すれば、2層電極およびサイドウォールがマスクとなって更に高濃度のN++ソース、ドレイン領域2aa,2bbが得られるとともに、電界緩和層としてのN+ドレイン領域2b’がこれに隣接して得られる。
【0145】
その後、図示しないが、全面に層間絶縁膜を形成し、N++のソース領域2aaおよびドレイン領域2bbの存在するP型半導体基板1に到達するように層間絶縁膜の一部を開口し、コンタクト孔を形成する。さらに、アルミニウム等の金属膜を蒸着法、スパッタ法、化学気相成長法等により成膜し、レジスト等でパターニングしてソース電極Vsおよびドレイン電極Vdを形成すれば、当該発明による不揮発性半導体記憶装置(たとえば、、フラッシュメモリ)のセル構造が完成する。
【0146】
以下、さらに、このフラッシュメモリのセル構造における特徴部分について説明する。
【0147】
図2と図3の不純物プロファイルに関しては、トランジスタのホットキャリア劣化(ドレインアバランシェ電流の発生)を抑制するためには、LDD(Lightly Doped Drain)構造を用いれば良いことが一般的に知られている。そこで、図1の不揮発性半導体記憶装置1000では、CHEにより電子書込みを行なうフラッシュメモリのメモリセル(以下、単にセルという)において、P+領域1aと接するN+ドレイン領域2bのサイドウォール下部近傍で、N+拡散層の濃度を低下したN+ドレイン領域2b’を生成しドレインアバランシェの発生を抑えるとともに、これに隣接するP+領域1aの濃度を高くしてCHE効率を稼ぐようにしている。
【0148】
例えば、図5はこの発明のセル構造のドレイン端部近傍におけるチャネル表面での不純物分布を示すグラフ図であり、従来セル構造と比較して掲載してある。図5において、caは従来セル構造のカーブで、cbはこの発明のセル構造のカーブであり、表層位置P1〜P2がサイドウォール7b(SW領域)下方部に相当する。ここで、N+ドレイン領域2bの形成としては、砒素As濃度をAs<1×1015cm-2程度に注入量を抑えた。この結果、サイドウォール7b下部のN+ドレイン領域2bの濃度は1×1019cm-3以上は確保したが、従来の1×1020cm-3に比べ低い設定で済んでいる。
【0149】
また、N+ドレイン領域2bのN+濃度を下げたことによりドレイン近傍での電界が緩和されCHE効率が下がるという不具合に対しては、P+領域1aの濃度を従来の1×1018cm-3以下より濃く形成(1×1018cm-3以上)とすることにより回避した。
【0150】
さらに、NOR型フラッシュメモリのセル構造としては、ドレイン近傍にて隣接するP+領域1aの濃度が1×1018cm-3以上であり、かつそのP+領域1aに接するN+ドレイン領域2bの濃度が1×1020cm-3以下となるように設定した。その結果、収束Vthでチャネル電流がカットオフされる特徴が得られた。
【0151】
[実施の形態1の書戻し動作]
次に上記セル構造の動作について説明する。
【0152】
セルへの書込みは、CHE方式によるもので、ドレイン近傍の急峻な電界で加速されたチャネル電子のうち、第1のゲート絶縁膜3のバリア高さ以上に加速された高エネルギ電子をフローティングゲート4に注入することにより行なう。一方、セルへの書戻しは、アレイ全体のビット線に対して書込み時と同じドレイン電圧Vdを与え、かつゲート電位Vcgは例えばGNDレベル(0V)に保持する(Vs=Vsub=GND)ことにより行なう。
【0153】
この結果、収束時のチャネル電流がカットオフされるように自己収束的に過消去セルを書き戻すことが可能となる。また、基板にバックゲート電位(負バイアス)を加えCHEの書込み効率を高める(Vs=GND,Vsub<0V)こともできる。
【0154】
図2に示したメモリセルトランジスタは上記のセル構造を備えたので、従来のようなセルアレイのビット線全体に電位を与え、コントロールゲートを全てGNDレベルに保持したまま、過消去セルを選択するという段階を踏む必要なしに、選択的に収束Vth以下のセルのVthを収束Vthcまで高速に書き戻すことができる。しかも、収束Vthc状態ではセル電流がカットオフされるため、Vthが収束するにしたがい消費電流を抑制することができる。
【0155】
実施の形態1では、以下に説明するように、不揮発性半導体記憶装置1000の構成において、ワード線が非選択状態であってビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻しを行なう不揮発性半導体記憶装置であって、かつ、上記書戻し動作を消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置において、オフリークの観点からメモリセルのしきい値電圧Vthを規定するセンス電流アンプの電流感度を決めることを特徴とする。
【0156】
図45に示したように、セルカップリングが0.7程度(セルVg−Id特性が図42に示すような特性を有する)においては、センス電流感度30μAでの消去しきい値Vthピークが2.5Vの場合に、消去しきい値Vth分布のオフリークは4mA程度と、チャージポンプの駆動電流上限値となる。
【0157】
ここで、セルカップリングαcgとは、Conoをコントロールゲート電極とフローティングゲート電極との間の容量とし、Csubをフローティングゲート電極と基板との間の容量とし、Cdをフローティングゲート電極とドレイン領域との間の容量とし、Csをフローティングゲート電極とソース領域との間の容量とするとき、以下の式で表される。
【0158】
αcg=Cono/(Cono+Cd+Csub+Cs)
セルカップリングを大きくすることは、コントロールゲート電極に印加する電圧が効率良くフローティングゲート電極に伝わり、ひいては、ゲート酸化膜にも電界が効率良く印加されること意味する。このことは、また、消去動作等においてコントロールゲート電極に印加する電圧の絶対値を小さくすることができることを意味する。
【0159】
通常、セル特性を維持するためにセルカップリングは0.7を保つようにトンネル酸化膜厚・ONO膜厚・チャネル幅などのセル形状因子はスケーリングされている。
【0160】
また、消去後しきい値電圧Vth分布の広がりを制御することは困難であり、大量生産時の製造ばらつき等を考慮すると、その半値幅は〜1V程度は見込んでおく必要がある。
【0161】
したがって、上記センス電流感度30μAという値が、消去しきい値電圧Vthのピーク位置Vth.peakを規定することになる。
【0162】
そこで、本発明に係る自己選択的な書戻しを消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置では、センス電流感度の上限値を以下に説明するようにして規定する。
【0163】
図6は、センス電流感度を図45の場合よりも、さらに下げた場合の64KB(512Kビット)ブロックの消去後しきい値電圧Vth分布全体のオフリークの総和のピークしきい値電圧Vth.peak依存性を示す図である。
【0164】
センス電流感度を20μAと下げたことにより、チャージポンプの駆動電流上限値4mAとなるしきい値電圧のピーク値Vth.peakの値は2.1Vとなる。すなわち、センス電流感度が30μAの場合に比べ、そのピークしきい値電圧Vth.peakの値は0.4V程度低くなる。すなわち、より消去しきい値Vth分布が低い状態にシフトしたとしても、サブスレッショルドCHEによる書戻しが十分に機能することを示している。
【0165】
つまり、従来は、センスアンプの電流感度は、第1にアクセス速度の向上という観点からは、センス電流感度(センス判定を行なうドレイン電流値Id)を上昇させることが望ましく、第2にセンスアンプの消費電流の低減という観点からは、センス電流感度を低減することが望ましいというトレードオフにより規定されていた。
【0166】
これに対して、実施の形態1の不揮発性半導体記憶装置1000においては、上記第1および第2の条件に加えて、ビット線をチャージポンプ回路CPにより駆動し、かつ、自己選択的な書戻しを行なうにあたり、消去動作完了後のしきい値電圧Vthの分布に対応する消去ブロック(図1のメモリブロックMBL0〜MBLnの各々)あたりのオフリークの総和が、チャージポンプ回路CPの駆動能力よりも低いこととの第3の条件により、センス電流感度を規定するものである。
【0167】
通常、消去ベリファイレベルを3.5Vに設定した場合のしきい値電圧ピークVth.peak=2.5Vという条件では、オフリーク値がチャージポンプ駆動限界に比べて十分低い。したがって、チャージポンプ出力電圧が所望の値、たとえば5V程度の値を確実に維持することができるので、十分な書戻しを行なうことが可能となる。
【0168】
[実施の形態2]
実施の形態2では、以下に説明するように、不揮発性半導体記憶装置1000の構成において、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻しを行なう不揮発性半導体記憶装置であって、かつ、上記書戻し動作を消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置において、オフリークの観点から消去ベリファイレベルの下限を決めることを特徴とする。
【0169】
すなわち、実施の形態2の不揮発性半導体記憶装置の構成としては、以下に説明する消去ベリファイレベルの設定以外は、実施の形態1の不揮発性半導体記憶装置1000と同様の構成を有する。
【0170】
すなわち、実施の形態1で述べたとおり、図45に示すようにセルカップリングが0.7程度(セルVg−Id特性が図42に示すような特性を有する)の場合、センス電流感度30μAにおいて、消去ベリファイレベルを3.5Vと設定し、かつ、消去分布の半値幅を〜1Vと仮定した消去Vthピークが2.5Vである場合には、消去しきい値Vth分布のオフリークは4mA程度とチャージポンプの駆動電流上限値となる。
【0171】
通常、セル特性を維持するためにせるカップリングは0.7を保つようにトンネル酸化膜厚、ONO膜厚、チャネルは場などのセル形状因子はスケーリングされている。また、上述のとおり、消去後しきい値Vth分布の広がりの半値幅は〜1Vを見込む必要がある。
【0172】
したがって、上記消去ベリファイレベルの3.5Vという値が、消去Vthのピーク位置Vth.peakを規定することになる。
【0173】
そこで、実施の形態2におけるサブスレッショルドCHEによる書戻しを消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置においては、消去ベリファイレベルの下限値を以下のように規定する。
【0174】
すなわち、図45において、消去ベリファイレベル(消去ベリファイ動作時にワード線に印加する電位)の下限値を3.5Vとすれば、センス電流感度が30μAの条件でも、しきい値分布の半値幅は〜1V程度であるので、それに対応するVthピークの値は2.5Vととなり、オフリーク値がチャージポンプ駆動限界に比べて十分低い。それ以上の消去ベリファイレベルの場合、オフリークの総和は4mA以下となり、サブスレッショルドCHEによる書戻しが十分に機能することになる。
【0175】
図7は、以上の説明したような消去後のしきい値分布を規定する要因を示す概念図である。
【0176】
図7を参照して、読出し動作においてワード線に印加される電位をVWLとするとき、従来においては、ベリファイレベルを規定していたのは、第1には、読出し動作時において電位VWLが設計値から±δVWL振れることを見越した上で、消去後のしきい値分布の上限に対して、VWL―δVWLから値CV1だけマージンがあるようにベリファイレベルを設定する必要があるという条件であり、第2には、消去後のしきい値分布の下限に対して、消去後のしきい値分布のうち低しきい値のメモリセルについて過消去が生じないように値CV2についてのマージンが必要であるとの条件である。
【0177】
これに対して、実施の形態2の不揮発性半導体記憶装置1000においては、上記第1および第2の条件に加えて、ビット線をチャージポンプ回路CPにより駆動し、かつ、自己選択的な書戻しを行なうにあたり、消去動作完了後のしきい値電圧Vthの分布に対応する消去ブロック(図1のメモリブロックMBL0〜MBLnの各々)あたりのオフリークの総和が、チャージポンプ回路CPの駆動能力よりも低いとの第3の条件を満たすような消去後しきい値分布を得られるように、消去後しきい値分布のピークに対して値CV3のマージンを与えるとの条件により、ベリファイレベルを規定するものである。
【0178】
このようにしてベリファイレベルを規定することでも、簡単な回路構成で、安定した書戻し動作を実現できる。
【0179】
図8は、メモリセル単体のしきい値電圧Vthとオフリークの大きさとの関係を示す図である。
【0180】
しきい値電圧Vth(センスアンプ電流感度30μA)の増加に伴ない、オフリーク電流は単調に減少しており、このことから、たとえば、消去ブロック内のしきい値分布における下限のしきい値Vthの値が、オフリーク電流をいくらに抑えるかと言う観点から規定されることが分かる。
【0181】
また、図9は、しきい値Vth(センスアンプ電流感度30μA)の書戻し時間依存性を示す図である。
【0182】
図9においては、ドレイン電圧Vdをパラメータとし、Vd=4.00V,4.25V,4.50V,5.00Vの各場合を示している。
【0183】
ドレイン電圧Vd>4Vであれば、書戻し時間は1msec程度で十分であり、従来法に比べて高速な書戻しを行なうことが可能であるのが分かる。
【0184】
[実施の形態3]
実施の形態3の不揮発性半導体記憶装置においては、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻しを行なう不揮発性半導体記憶装置であって、かつ、前記書戻し動作を消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶素子において、オフリークの観点から書戻しを一括して行なうサブブロックのビット数が、そのサブブロックが属し一括して消去される消去ブロックのビット数よりも少ないことを特徴とする。
【0185】
フラッシュメモリでは、消去動作はビット数に対して一括して行なわれる。それらビットの集合をブロックと称する。ユーザの利便性等を考慮すると、64KB(512Kビット)程度の大きさが1ブロックとして取扱われることが多い。
【0186】
しかし、図45により、セルカップリングが0.7程度であって、センス電流感度30μAにおいて消去ベリファイレベルを3.5Vと設定し、かつ、消去分布の半値幅を〜1Vと仮定したときの消去しきい値Vthピークが2.5Vとなる場合には、消去しきい値Vth分布のオフリークは4mA程度とチャージポンプの駆動電流上限値となっていた。
【0187】
すなわち、このブロックを一括して書戻す場合、消去しきい値Vth分布の微妙な変動、たとえば低しきい値Vth側へのシフト等が、書戻し特性に大きく影響を与えることになる。
【0188】
そこで、実施の形態3のサブスレッショルドCHEによる書戻しを消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶装置では、消去ブロックに比べて、書戻しを行なう際に同時にビット線電位が与えられるビットの数を少なく設定する。これを、「書戻しのサブブロック」と以下称することとし、消去動作を一括しておこなう「消去ブロック」と区別する。
【0189】
図10および図11は、サブブロックサイズを2KBとした場合のオフリークの総和のしきい値電圧ピーク依存性を計算した結果を示す図である。
【0190】
図10はセンスアンプの電流感度が30μAの場合を、図11はセンスアンプの電流感度が20μAの場合をそれぞれ示す。
【0191】
チャージポンプ駆動電流律速に達するしきい値電圧ピークVth.peakの値を2.1Vと下げることができている。
【0192】
すなわち、実施の形態3の手法においては、64KB消去ブロックを、たとえば、2KBブロック×32分割し、各サブブロックごとに書戻しを行なう構成とする。
【0193】
このような方法では、オフリーク値が十分に低くできるため、各サブブロックごとの書戻し時間は、消去ブロックを一括して書戻す場合に比べて、より短く設定することが可能である。
【0194】
[実施の形態4]
実施の形態4の不揮発性半導体記憶装置においては、ワード線が非選択状態にあってビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻しを行なう不揮発性半導体記憶装置であって、かつ、前記書戻し動作を消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶素子であって、さらに、オフリークの観点から書戻しを一括して行なうサブブロックのビット数が、そのサブブロックが属し一括して消去される消去ブロックのビット数よりも少ないことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置において、上記サブブロックにおいては、そのサブブロックに属するビットが共通したセンスアンプによって読出されることを特徴とする。
【0195】
フラッシュメモリでは、ブロック内のビットを複数のセンスアンプ210を使って読出す。言換えると、センスアンプ210を使って、各メモリセルのしきい値電圧Vthの状態を判定している。
【0196】
図12は、実施の形態4のメモリセルアレイとセンスアンプの配置を示す概略ブロック図である。
【0197】
すなわち、図1に示した不揮発性半導体記憶装置1000の構成において、消去単位であるメモリブロックMBL0〜MBLnの各々は、たとえば、32個のサブブロックSBK0〜SBK31に分割されている。
【0198】
各サブブロックには64本のサブビット線SBLが配置され、各メモリブロックに共通にメインビット線MBLが設けられているものとする。すなわち、例えば、列方向に配置される(n+1)個のサブブロックSBK0に共通に64本のメインビット線MBLが設けられている。
【0199】
また、コラム系制御回路240には、各サブブロックに対応して、Yゲート部YG0〜YG31が設けられ、センスアンプ帯210も各サブブロックに対応してセンスアンプサブブロックSA0〜SA31に分割されているものとする。
【0200】
つまり、Yゲート部YG0〜YG31の各々は、64本のメインビット線を選択し、対応するセンスアンプサブブロックSA0〜SA31のうちの一つのセンス回路に接続する。つまり、センスアンプサブブロックSA0〜SA31の各々は、他のセンスアンプサブブロックに対して独立して動作可能な構成となっている。
【0201】
書戻しの際に、このセンスアンプサブブロックを共通とするサブブロックのメインビット線をYゲート部で一括して選択することにより、少ないオフリークによって書戻し動作を確実に行なうことが可能となる。
【0202】
なお、以上の説明では、不揮発性半導体記憶装置1000のメモリセルアレイがDINOR型であることに対応して、センスアンプサブブロックおよびYゲート部は、複数のメモリブロックMBL0〜MBLnに共通に設けられる構成とした。
【0203】
しかしながら、たとえば、NOR型のメモリセルアレイに対しては、各メモリブロックMBL0〜MBLnごとに、センスアンプサブブロックおよびYゲート部が設けられる構成としても良い。この場合も、センスアンプサブブロックに対応する書戻しサブブロックのビット線をYゲート部で一括して選択することにより、少ないオフリークによって書戻し動作を確実に行なうことが可能となる。
【0204】
[実施の形態5]
実施の形態5の不揮発性半導体記憶装置においては、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻しを行なう不揮発性半導体記憶装置であって、かつ、書戻し動作を消去ベリファイ完了後に行なう不揮発性半導体記憶素子で、さらに、オフリークの観点から書戻しを一括して行なうサブブロックのビット数が、そのサブブロックが属し、一括して消去される消去ブロックのビット数よりも少ないことを特徴とする不揮発性半導体素子であって、上記サブブロックは、そのサブブロックに属するビットが共通したセンスアンプによって読出されることを特徴とする不揮発性半導体記憶素子において、サブブロックのオフリーク値をセンスアンプによって判定し、ある臨界値以上となっているサブブロックに対してのみ書戻しを行なうことを特徴とする。
【0205】
実施の形態4で説明したサブブロック分割の方法では、サブブロック分割を行なわない場合に比べて書戻し回数が増える。すなわち、(1サブブロックの書戻し時間)×(サブプログラム数)だけ、書戻し動作に時間を要することになってしまう。
【0206】
そこで、書戻し動作の初期に、書戻しを行なうかどうかの判定をセンスアンプを用いて行なう。
【0207】
図12において、Yゲート部YG0〜YG31にてサブブロックを全選択し、センスアンプによりそのオフリーク値を測定する、たとえば、2KBのサブブロックに分割されている場合、センス電流感度が30μAにおいて、しきい値ピーク値Vth.peak=3.0Vの場合のオフリークの総量は、図10から約1μA程度となる。
【0208】
そこで、センスアンプにおいて、通常リード時(センス電流感度30μA)より低い書戻しブロック判定電流(たとえば5μA)を判定できる回路を付加する。
【0209】
図13は、このようなセンス電流感度を可変なセンス回路2100の構成を示す回路図である。
【0210】
図13を参照して、センス回路2100は、電源電位Vccと接地電位GNDとの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタP11、NチャネルMOSトランジスタN11およびN13を含む。トランジスタP11のゲートはプリチャージ信号PREを受ける。
【0211】
トランジスタN11と並列に、ゲートに接地電位を受けるPチャネルMOSトランジスタP12が設けられ、トランジスタN13と並列に、ゲートにプリチャージ信号PREを受けるNチャネルMOSトランジスタP13が設けられる。
【0212】
センス回路2100は、さらに、電源電位Vccとメインビット線MBLとの間に直列に設けられるNチャネルMOSトランジスタN14、N15およびN16を含む。
【0213】
電源電位Vccと結合するトランジスタN14のソースとトランジスタN11のゲートとが接続され、内部ノードNBLと結合するトランジスタN14のドレインとトランジスタN13のゲートとが接続される。
【0214】
トランジスタN15およびN16は、対応するYゲート部に含まれ、ゲートにYデコーダ200からの信号YGL1およびYGL2をそれぞれ受ける。
【0215】
センス回路2100は、さらに、電源電位Vccと内部ノードNBLとの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタP13、P14、P15、P16およびNチャネルMOSトランジスタN18とを含む。トランジスタP13、P14、P15のゲートは、通常の読出動作時には、活性状態(“L”レベル)となる信号/CHを受ける。トランジスタP16のゲートは、センス動作の活性化を指示するために活性状態(L”レベル)となる信号/SEを受ける。
【0216】
センス回路2100は、さらに、電源電位VccとトランジスタP15とP16の接続ノードとの間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタP17およびP18を含む。トランジスタP17のゲートは、通常の読出動作時には、非活性状態(“H”レベル)となり、書戻しブロック判定動作時には活性状態(“L”レベル)となる信号CHを受ける。トランジスタP18のゲートは接地電位と結合する。
【0217】
したがって、通常の読出動作モードでは、図13の経路PAを通って電流が供給されるのに対し、書戻しブロック判定動作時には経路PBを通って電流が供給される。
【0218】
センス回路2100は、さらに、電源電位Vccと接地電位との間に直列に接続されるPチャネルMOSトランジスタP19、P20およびNチャネルMOSトランジスタN19およびN20とを含む。トランジスタN19は、信号/SEを受け、トランジスタN19のゲートは、信号/SEの反転信号の信号SEを受ける。トランジスタP20およびN19のゲートは、ともに、トランジスタP16とトランジスタN18の接続ノードと結合する。
【0219】
センス回路2100は、さらに、トランジスタP20およびN19の接続ノードと入力ノードが結合するインバータ2102と、インバータ2102の出力ノードと入力ノードが結合し、インバータ2102の入力ノードと出力ノードが結合してラッチ回路を構成するインバータ2104と、インバータ2102の出力を受けて、読出データSDを出力するインバータ2106とを含む。
【0220】
なお、トランジスタN17は、信号BLDに応じて導通状態となり、たとえば、消去動作においてフローティング状態に維持され、高電圧となっているビット線を放電するためのものである。
【0221】
センス回路2100がこのような構成をとる結果、書戻しサブブロックに分割されたメモリセルアレイに対する書戻し動作において、書戻し時にまずサブブロックを全選択した状態でビット線に読出電圧、たとえば1Vを加え、その読出電流が書戻し判定電流値、たとえば5μA(>正常な消去分布幅を持つ場合のサブブロックのオフリークの総量)より多い場合は、そのサブブロック内に過消去状態セルが存在する、もしくは、過消去には至ってはいないが、過消去状態に近いセルが複数個同一ビット線上に存在し、結果として過消去と誤判定されてしまう状態にあると判定できる。
【0222】
このようにして、過消去セルが存在するサブブロックのみに書戻しを行なうようにすることにより、書戻し時間を短縮することができる。言換えると、書戻しを行なう回数を減らすことができることになる。
【0223】
[実施の形態6]
実施の形態6における書戻し方法は、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻す方法を採用したフラッシュメモリにおいて、消去パルス+書戻しをセットとして行なうことを特徴としている。
【0224】
従来の書戻し手法では、図41に示すように消去ベリファイ完了後に書戻しを行なっている。この場合、上述のようにオフリークが増大すると、チャージポンプの駆動電流の観点から書戻しが正常に機能しない場合が存在し得る。
【0225】
そこで、実施の形態6では、消去ベリファイが完了する前、すなわち、ピークしきい値Vth.peakが高いVth値に存在し、オフリーク値が少ない状態から書戻しを行なうことにより過消去状態を救済する。
【0226】
図14は、実施の形態6の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0227】
消去および書戻しシーケンスが開始されると(ステップS200)、まず、コマンド入力により、以下に行なわれるシーケンス動作の指示が行なわれる(ステップS202)。
【0228】
続いて、消去前の書込み動作により、メモリセルのしきい値が高いレベルに設定され(ステップS204)、各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれる(ステップS206)。その後、各書戻しブロックに対して書戻しパルスが印加される(ステップS210)。
【0229】
ここで、書戻しブロックは、消去ブロックと同一でも良いし、あるいは、消去ブロックがさらに分割されていてもよい。分割されている場合は、消去パルスが与えられた消去ブロック内の書戻しブロックについて順次書戻しパルスが印加される。
【0230】
続いて、消去ベリファイ動作が行なわれ、消去ブロック内のメモリセルのしきい値が所定値に達していないと判断されると(ステップS212)、処理はステップS206に復帰し、すべてのメモリセルのしきい値が所定レベルとなったと判断されると(ステップS212)、処理は終了する(ステップS214)。
【0231】
このように消去動作と書戻し動作を連続的に行なうことで、チャージポンプ回路が正常に動作可能な範囲で書戻し動作を行なうことができるので、低しきい値側のメモリセルの発生が抑制され、良好な消去後のしきい値分布を得ることが可能である。
【0232】
[実施の形態7]
実施の形態7の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法では、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻す方法を採用した不揮発性半導体記憶装置において、その書戻し方法として、消去+書戻しをセットとして行なうことを特徴とした書戻しであって、消去動作の初期には書戻しを行なわないことを特徴とする。
【0233】
実施の形態6の書戻し方法では、消去パルス+書戻しを毎回の消去パルスごとに繰返した場合は、デバイスとしての消去時間が書戻し動作のために長くなってしまう。
【0234】
たとえば、消去5msec、書戻し1msecのパルス幅で行なうとして、通常の消去では、〜1sec(消去パルス200回)で消去が完了するとすると、実施の形態6の方法ではデバイスとしての消去時間が1.2secとなってしまう。((5msec+1msec)×200=1.2sec)
そこで、実施の形態7では、デバイスとしての消去時間が短くなるように、消去初期には書戻しを行なわない構成としている。
【0235】
図15は、実施の形態7の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0236】
消去および書戻しシーケンスが開始されると(ステップS200)、まず、コマンド入力により、以下に行なわれるシーケンス動作の指示が行なわれる(ステップS202)。
【0237】
続いて、消去前の書込み動作により、メモリセルのしきい値が高いレベルに設定され(ステップS204)、各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれる(ステップS206)。
【0238】
その後、消去動作の回数が所定の回数分終了しているかが判断され、いまだ消去動作の回数が所定回数に達していないと判断されると(ステップS208)、処理はステップS212の消去ベリファイ動作に移行する。一方、消去動作の回数が所定回数以上になっていると判断されると(ステップS208)、各書戻しブロックに対して書戻しパルスが印加される(ステップS210)。
【0239】
ここで、実施の形態7でも、書戻しブロックは、消去ブロックと同一でも良いし、あるいは、消去ブロックがさらに分割されていてもよい。分割されている場合は、消去パルスが与えられた消去ブロック内の書戻しブロックについて順次書戻しパルスが印加される。
【0240】
消去ベリファイ動作では、消去ブロック内のメモリセルのしきい値が所定値に達していないと判断されると(ステップS212)、処理はステップS206に復帰し、すべてのメモリセルのしきい値が所定レベルとなったと判断されると(ステップS212)、処理は終了する(ステップS214)。
【0241】
図16は、以上のような消去シーケンスで消去動作を行なった場合のメモリセルの最大しきい値と最小しきい値の時間変化を示す図である。
【0242】
図16においては、時刻t=250msecからから消去処理(ステップS206〜S210)中で、書戻し処理(ステップS210)を追加して行なった場合を示している。
【0243】
図16中で、白丸印は、書戻しを行なわない場合の最小しきい値の変化を示し、白三角(上向き)印は、書戻しを行なわない場合の最大しきい値の変化を示す。
【0244】
一方、黒丸印は、書戻しを行なった場合の最小しきい値の変化を示し、黒三角(上向き)印は、書戻しを行なった場合の最大しきい値の変化を示す。
【0245】
書戻しとしては、サブスレッショルドCHEによる自己選択的な書戻しを用いている。また、消去パルスのパルス幅が5msecであり、書戻しパルスのパルス幅を1msecとしている。
【0246】
アレイサイズは1Mビットである。実施の形態7の書戻し手法を用いない場合、すなわち、単純に消去パルスの印加のみを繰返した場合は、時刻〜800msec後には、最大しきい値電圧Vth.maxは〜3.9Vであり、最小しきい値電圧Vth.mimは〜1.0Vとなっている。
【0247】
一方、時刻250msecの後から、図15において説明したのと同様な「消去パルス+書戻しの動作」を実施した場合には、時刻〜800msec後には、最大しきい値Vth.max〜3.9Vであり、かつ最小しきい値電圧Vth.mimは、〜1.7Vと、低Vth側の裾が高い値に制御されている。
【0248】
これに対して、高いしきい値Vth側の裾は、従来の消去法と本質的に変化していない。
【0249】
すなわち、実施の形態7の書戻し方法を行なうことにより、過消去状態を救済する書戻しを行なうことが可能となっている。
【0250】
実施の形態7の書戻し方法では、ピークしきい値電圧Vth.peakが高い(すなわちオフリークが少ない状態)から書戻しを行なっているので、図16に示すように短い書戻しパルスを与えるだけで確実に消去分布の低Vth側の書戻しが行なわれる。
【0251】
図17は、実施の形態7の方法での書戻しを行なった場合の消去しきい値Vth分布を示す図である。
【0252】
図17において、白丸印は上述のような書戻し処理を行なわなかった場合を示し、白三角(上向き)印は書戻し処理を追加した場合を示す。
【0253】
低しきい値側のメモリセルの発生が抑制され、良好な消去後のしきい値分布が得られている。
【0254】
さらに、図16に示すように、消去の初期には過消去状態のメモリセルの発生する可能性は少ない。そこで、図16に示すように、適当に消去が進んだ状態が書戻しを追加することにより、確実に過消去を救済し、かつ、消去時間を短くすることができる。
【0255】
[実施の形態8]
実施の形態8の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法では、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻す方法を採用した不揮発性半導体記憶装置で、その書戻し方法として消去+書戻しをセットとして行なうことを特徴とした書戻し方法において、消去動作の初期の消去パルス幅を消去周期に比べ長くしたことを特徴とする。
【0256】
図18は、メモリセルのしきい値電圧Vthをセンスアンプ感度電流20μAで評価した場合において、消去時間としきい値電圧Vthの変化との関係を示す図である。
【0257】
図18より、最初の100msecで消去パルスによるしきい値電圧Vthの変動は、ほぼ飽和していることがわかる。
【0258】
実施の形態8においても、上記実施の形態7と同様にデバイスとしての消去時間を短くすることを目的とする。図16に示すように、消去の初期には低Vth側の裾が過消去となることは比較的少ない。そこで、消去パルス幅をたとえば以下のように変化させる。
【0259】
i)1回目の消去パルス:消去時間100msec+書戻し1msec
ii)2〜10回目:消去時間20msec+書戻し1msec
iii)11回目以降:消去時間5msec+書戻し1msec
図19は、実施の形態8の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0260】
消去および書戻しシーケンスが開始されると(ステップS300)、まず、コマンド入力により、以下に行なわれるシーケンス動作の指示が行なわれる(ステップS302)。
【0261】
続いて、消去前の書込み動作により、メモリセルのしきい値が高いレベルに設定される(ステップS304)。
【0262】
一方、消去パルスの印加回数をカウントするための変数ciの値が1に初期化されるとともに、消去時間(パルス幅)τeが100msecに、書戻し時間τwbが1msecにそれぞれ初期化される(ステップS306)。
【0263】
つづいて、カウント変数ciの値が1よりも大きいか否かの判断が行なわれ、変数ciの値が1よりも大きくはない場合、つまり、ci=1の場合、各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれる(ステップS316)。つづいて、変数ciの値が1だけインクリメントされる(ステップS318)。
【0264】
その後、各書戻しブロックに対して書戻しパルスが印加される(ステップS320)。
【0265】
ここで、実施の形態8でも、書戻しブロックは、消去ブロックと同一でも良いし、あるいは、消去ブロックがさらに分割されていてもよい。分割されている場合は、消去パルスが与えられた消去ブロック内の書戻しブロックについて順次書戻しパルスが印加される。
【0266】
消去ベリファイ動作では、消去ブロック内のメモリセルのしきい値が所定値に達していないと判断されると(ステップS322)、処理はステップS308に復帰し、すべてのメモリセルのしきい値が所定レベルとなったと判断されると(ステップS322)、処理は終了する(ステップS324)。
【0267】
ところで、ステップS308において、変数ciの値が1よりも大きいと判断されると、つづいて、変数ciが10よりも大きいか否かが判断される(ステップS310)。変数ciが、10よりも大きくない場合は、消去時間(パルス幅)τeが20msecに変更されて、処理はステップS316に移行する。
【0268】
一方、変数ciが、10よりも大きい場合は、消去時間(パルス幅)τeが5msecに変更されて、処理はステップS316に移行する。
【0269】
以後は、上述した変数ci=1の場合の動作と消去時間が異なる以外は、同様の処理が行なわれる。
【0270】
このような消去パルスの時間配分とすることで、実施の形態6と同様に、消去パルスとセットで、毎回書戻しを行なったとしても、消去初期にはパルス幅が長いため、消去時間の増大を抑えることが可能となる。
【0271】
[実施の形態9]
実施の形態9の不揮発性半導体記憶装置では、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻す方法を採用した不揮発性半導体記憶装置に対して、その書戻し方法として、消去パルス+書戻しをセットとして行なうことを特徴とした書戻し方法であって、かつ、消去動作の初期には書戻しを行なわないことを特徴とした駆動方法において、消去後Vth分布の高い側のしきい値電圧Vthがある値に達したことを検知して、書戻しパルスの追加を行なうことを特徴とする。
【0272】
言い換えると、実施の形態9においては、実施の形態7の構成において、書戻しを始めるタイミングを最大しきい値Vth.maxがある臨界値以下に達したことを検知して開始することを特徴とする。
【0273】
このような検知の方法としては、たとえば、図14における消去ベリファイを2値のベリファイレベルで判定すればよい。
【0274】
このような検知方法を説明するにあたり、まず、図14における消去ベリファイについて簡単にまとめておく。
【0275】
図20は、プログラム(書込み)ベリファイレベルおよび消去ベリファイレベルとメモリセルトランジスタのしきい値分布との関係を示す概念図である。
【0276】
すなわち、図14に示した例では、プログラムベリファイレベルも、消去ベリファイレベルもそれぞれ1つの値である。
【0277】
プログラム動作では、ベリファイレベル発生回路100から出力されるプログラムベリファイレベルがワード線に与えられ、このレベルにおいてメモリセルトランジスタがカットオフするまで書込みパルスがメモリセルトランジスタに与えられる。
【0278】
一方、消去動作では、ベリファイレベル発生回路100から出力される消去ベリファイレベルがワード線に与えられ、このレベルにおいてメモリセルトランジスタがカットオフするまで消去パルスがメモリセルトランジスタに与えられる。このばあい、過消去ビットが発生することに対応して、しきい値電圧Vth=0に対しても、一定数のメモリセルが分布している。
【0279】
図21は、実施の形態9における消去方法における、プログラム(書込み)ベリファイレベルおよび消去ベリファイレベルとメモリセルトランジスタのしきい値分布との関係を示す概念図である。
【0280】
実施の形態9では、ベリファイレベル発生回路100が2種類の消去ベリファイレベルを発生し、かつ、書込み&消去制御回路20が消去アドレスポインタを2つ持つ、言い換えるとアドレスカウンタを2つ持つ構成となっている。
【0281】
第1の消去ベリファイレベルは通常の消去ベリファイレベルと同様であり、第2の消去ベリファイレベル(書戻しベリファイレベル)は、第1の消去ベリファイレベルより高いレベルを設定しておき、すべてのメモリセルのしきい値電圧Vthがその第2の消去ベリファイよりも低いVthに達したことを感知して書戻しパルスの追加を開始する。
【0282】
図22は、実施の形態9の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0283】
消去および書戻しシーケンスが開始されると(ステップS400)、まず、コマンド入力により、以下に行なわれるシーケンス動作の指示が行なわれる(ステップS402)。
【0284】
続いて、消去前の書込み動作により、メモリセルのしきい値が高いレベルに設定される(ステップS404)。
【0285】
一方、消去ベリファイを行なうアドレスを指定するための2つのポインタ変数Cad1およびCad2の値が1に初期化される(ステップS406)。
【0286】
各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれる(ステップS408)。つづいて、変数Cad1の値とアドレスの最大値AddMaxとの比較が行なわれる(ステップS410)。
【0287】
変数Cad1の値が最大値AddMaxよりも小さい場合、この変数Cad1に相当するアドレスのビット対して、書戻しベリファイレベル(図中ベリファイレベル1)での判定を行なう(ステップS412)。 メモリセルトランジスタのしきい値が、書戻しベリファイレベル以下の場合(ステップS412)、変数Cad1をインクリメントし(ステップS414)、処理はステップS410に復帰する。メモリセルトランジスタのしきい値が、書戻しベリファイレベルを超えている場合(ステップS412)、消去パルスを再び加え(ステップS408)、再度そのアドレスでの判定を行なう(ステップS412)。そのアドレスのしきい値電圧Vthが消去ベリファイレベル以下となれば、変数Cad1をインクリメントして(ステップS414)、ステップS410に処理が復帰し、次のアドレスの判定に進む。ステップS410において、変数Cad1の値が最大値AddMaxよりも大きくなり、アドレスが最終アドレスまで達したと判定されると、ステップS416に処理が移行する。
【0288】
各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれ(ステップS416)、各書戻しブロックについて書戻し動作が行なわれる(ステップ418)。つづいて、変数Cad2の値とアドレスの最大値AddMaxとの比較が行なわれる(ステップS420)。
【0289】
変数Cad2の値が最大値AddMaxよりも小さい場合、この変数Cad2に相当するアドレスのビット対して、書戻しベリファイレベルよりも所定値だけ小さい消去ベリファイレベル(図中ベリファイレベル2)での判定を行なう(ステップS422)。メモリセルトランジスタのしきい値が、消去ベリファイレベル以下の場合(ステップS422)、変数Cad2をインクリメントし(ステップS424)、処理はステップS420に復帰する。メモリセルトランジスタのしきい値が、消去ベリファイレベルを超えている場合(ステップS422)、消去パルスを再び加え(ステップS416)、書戻し処理を行なって(ステップS418)、再度そのアドレスでの判定を行なう(ステップS422)。そのアドレスのしきい値電圧Vthが消去ベリファイレベル以下となれば、変数Cad2をインクリメントして(ステップS424)、ステップS420に処理が復帰し、次のアドレスの判定に進む。ステップS420において、変数Cad1の値が最大値AddMaxよりも大きくなり、アドレスが最終アドレスまで達したと判定されると、処理が終了する(ステップS426)。
【0290】
ここで、実施の形態9でも、書戻しブロックは、消去ブロックと同一でも良いし、あるいは、消去ブロックがさらに分割されていてもよい。分割されている場合は、消去パルスが与えられた消去ブロック内の書戻しブロックについて順次書戻しパルスが印加される。
【0291】
従来の消去動作においては、デバイスの構成にもよるが、通常、1Mビットを消去するのに要するベリファイ時間は〜33msec程度である。
【0292】
たとえば、2048(WL方向のビット数)×512(BL上のビット数)÷16(ベリファイを同時に行なうビット数)×500nsec(1回のベリファイに要する時間)は32.7msecである。
【0293】
これに対して、2値化したベリファイを行なう場合、すべてのベリファイに要する時間は〜66msec程度となる。たとえば、図16の場合と同様に、消去パルス幅5msecにおいて最大しきい値Vth.maxの値が4Vになった場合に書戻しを始めるとすると、〜800msecまで、すなわち消去パルスが160回の間は書戻しを省略することができる。
【0294】
書戻し時間を1回当り1msecとすると、書戻し時間160msecを短縮し、その書戻し開始の判定に33msec使っただけであるので、〜130msecを短縮できたことになる。
【0295】
この結果、消去しきい値Vth分布の状態を判定しながら、書戻しを的確、確実かつ消去時間の増大を抑えることが可能となる。
【0296】
[実施の形態10]
実施の形態10の不揮発性半導体記憶装置の書戻し手法は、ワード線が非選択状態においてビット線を選択し、選択されたビット線上において過消去状態にあるセルのみを自己選択的に書戻す方法を採用した不揮発性半導体記憶装置に対して、その書戻し方法として消去パルス+書戻しをセットとして行なうことを特徴とした書戻し方法であって、かつ、消去動作の初期には書戻しを行なわないことを特徴とした駆動方法において、消去後しきい値Vth分布の低い側のしきい値Vthがある値以下に達したことを検知して、書戻しパルスの追加を行なうことを特徴とする。
【0297】
すなわち、実施の形態10の消去および書戻し方法では、実施の形態7の書戻し手法において、書戻しを始めるタイミングを最小しきい値電圧Vth.mimがある臨界値以下に達したことを検知して開始する構成となっている。
【0298】
この検知の方法としては、たとえば、実施の形態4または5に示した構成のようにセンスアンプを共通とするサブブロックでのオフリーク値の総和を用いることで可能となる。
【0299】
すなわち、図12に示したように、一般にある消去ブロックはセンスアンプを共通とするサブブロックに分割できる。実施の形態10の消去および書戻し方法において、書戻し動作の際に各ブロックごとにYゲート部がそのサブブロックの全ビット線を選択し、オフリークの総量をセンスアンプを用いて判定する。
【0300】
図6または図10に示したように、消去の初期、すなわち、ピークしきい値電圧Vth.peakが高いVth状態にある場合には、オフリークの総量は1μA以下となる。
【0301】
しかし、消去が進み、ピークしきい値Vth.peakが低くなるとオフリークの値は増加する。その増加は、図6または図10に示すように予想することが可能である。
【0302】
一方、そのサブブロック内に過消去状態のセルが存在すると、または、過消去ではないが過消去状態に近いオフリークが流れるようなセルが何ビットが同一のビット線上に存在する場合には、オフリークの総量はその予測よりも大き目の値となる。
【0303】
そこで、たとえば、図13に示したように、センスアンプにおいて、書戻し判定用のセンス電流感度を変更する回路を設け、言換えると、通常の読出状態よりも少ないセンス電流感度に設定できる回路を設け、サブブロックのオフリーク値の総量がその値に達したかどうかで、各サブブロックごとへの書戻しパルスの追加の要否を判定することができる。
【0304】
図23は、実施の形態10の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0305】
消去および書戻しシーケンスが開始されると(ステップS500)、まず、コマンド入力により、以下に行なわれるシーケンス動作の指示が行なわれる(ステップS502)。続いて、消去前の書込み動作により、メモリセルのしきい値が高いレベルに設定される(ステップS506)。
【0306】
各消去ブロック内のメモリセルに対して消去パルスの印加が行なわれる(ステップS508)。
【0307】
続いて、オフリークの総量の判定を行なうサブブロックを指定するためのポインタ変数SBiの値が1に初期化される(ステップS510)。つぎに、変数SBiの値とサブブロックの個数NSBとの比較が行なわれる(ステップS512)。
【0308】
変数SBiの値がサブブロックの個数NSBよりも小さい場合、この変数SBiに相当するサブブロックに対して、センスアンプの電流感度を変更した上でオフリークの量が所定値以上であるかの判定を行なう(ステップS514)。オフリークの量が、所定値未満の場合(ステップS514)、変数SBiをインクリメントし(ステップS518)、処理はステップS512に復帰する。オフリークの量が、所定値以上である場合(ステップS514)、変数SBiに対応するサブブロックに対して書戻しを行なう(ステップS516)。書戻しを行なった後、変数SBiをインクリメントして(ステップS518)、ステップS512に処理が復帰し、次のサブブロックの判定に進む。ステップS512において、変数SBiの値がサブブロックの個数NSBよりも大きくなり、最後のサブブロックまで書戻し処理が終わったと判定されると、ステップS520に処理が移行する。
【0309】
消去ベリファイ動作では、消去ブロック内のメモリセルのしきい値が所定値に達していないと判断されると(ステップS520)、処理はステップS508に復帰し、すべてのメモリセルのしきい値が所定レベルとなったと判断されると(ステップS520)、処理は終了する(ステップS522)。
【0310】
もちろん、1サブブロックでも、その判定値に達したことにより、ブロック全体に消去パルス+書戻しパルスの印加を開始してもよい。
【0311】
図24は、このような場合の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【0312】
ステップS600からステップS616までの処理においては、オフリークの値が所定値以上となるサブブロックが出現するまで、消去動作および消去ベリファイ動作が繰り返される。
【0313】
オフリークの値が所定値以上となるサブブロックが1つでも発生すると、処理は、ステップS618に移行し、以後は、図14で説明したのと同様にして、消去および書戻しが行なわれる。
【0314】
さらに、実施の形態10の判定手法を用いれば、一度書戻しパルスを加えて、オフリークが判定値以下になれば、すなわち、過消去状態数が書戻されれば、さらに新たな過消去状態セルの発生があるまで書戻しパルスの印加を止めるように設計することも可能である。
【0315】
この結果、確実な過消去状態セルの判定と、確実な書戻し動作、かつ、消去時間の増大を抑制することが可能となる。
【0316】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0317】
【発明の効果】
請求項1ないし9記載の不揮発性半導体記憶装置では、消去後しきい値Vth分布の設定によって発生するオフリーク電流の増大を抑制して確実に書戻し動作を行なうことが可能となる。
【0318】
請求項3および6記載の不揮発性半導体記憶装置では、さらに、非選択状態にワード線を設定したままセルアレイのビット線に電位を与え、その電位が与えられたビット線上に存在する過消去セルを自己選択的に確実に書戻し動作を行なうことが可能となる。
【0319】
請求項10ないし17記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法では、消去後しきい値Vth分布の設定によって発生するオフリーク電流の増大を抑制して確実に書戻し動作を行なうことが可能となる。しかも、非選択状態にワード線を設定したままセルアレイのビット線に電位を与え、その電位が与えられたビット線上に存在する過消去セルを自己選択的に確実に書戻し動作を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の不揮発性半導体記憶装置1000の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示したメモリセル30の構造を示す断面概略図である。
【図3】 図2中で点線の円Xで示した部分を拡大して示す断面図である。
【図4】 図2のメモリセルトランジスタの製造手順を示す工程図である。
【図5】 セル構造のドレイン端部近傍におけるチャネル表面での不純物分布を示すグラフ図である。
【図6】 消去後しきい値電圧Vth分布全体のオフリークの総和のピークしきい値電圧Vth.peak依存性を示す図である。
【図7】 消去後のしきい値分布を規定する要因を示す概念図である。
【図8】 メモリセル単体のしきい値電圧Vthとオフリークの大きさとの関係を示す図である。
【図9】 しきい値Vth(センスアンプ電流感度30μA)の書戻し時間依存性を示す図である。
【図10】 オフリークの総和のしきい値電圧ピーク(センスアンプ電流感度30μA)依存性を計算した結果を示す図である。
【図11】 オフリークの総和のしきい値電圧ピーク(センスアンプ電流感度20μA)依存性を計算した結果を示す図である。
【図12】 実施の形態4のメモリセルアレイとセンスアンプの配置を示す概略ブロック図である。
【図13】 センス回路2100の構成を示す回路図である。
【図14】 実施の形態6の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図15】 実施の形態7の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図16】 消去シーケンスで消去動作を行なった場合のメモリセルの最大しきい値と最小しきい値の時間変化を示す図である。
【図17】 実施の形態7の方法での書戻しを行なった場合の消去しきい値Vth分布を示す図である。
【図18】 消去時間としきい値電圧Vthの変化との関係を示す図である。
【図19】 実施の形態8の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図20】 プログラム(書込み)ベリファイレベルおよび消去ベリファイレベルとメモリセルトランジスタのしきい値分布との関係を示す概念図である。
【図21】 プログラムベリファイレベルおよび消去ベリファイレベルとメモリセルトランジスタのしきい値分布との関係を示す概念図である。
【図22】 実施の形態9の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図23】 実施の形態10の消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図24】 消去および書戻しシーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図25】 従来のフラッシュメモリ等の不揮発性半導体記憶装置におけるメモリセルアレイを示す回路構成図である。
【図26】 過消去状態のメモリセルが存在する場合におけるメモリセルトランジスタの見かけ上のしきい値電圧分布を示す図である。
【図27】 CHEによる過消去ビット書戻しを説明するためのフラッシュメモリセルの断面概略図である。
【図28】 フラッシュメモリセルでのドレイン電流Idの対数値およびゲート電流Igの対数値のゲート電圧Vg依存性を示す概念図である。
【図29】 従来のDAHE/DAHHによる過消去ビット書戻しを説明するためのフラッシュメモリセルの断面概略図である。
【図30】 DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻しを単体セルにおいてしきい値電圧の時間変化として評価した結果を示す図である。
【図31】 DAHE/DAHHによる過消去ビット書戻し方法におけるドレイン電圧依存性を示す図である。
【図32】 収束しきい値電圧Vthcにまで達したセルでのゲート電圧−ドレイン電流特性(Vg−Id特性)を示す図である。
【図33】 書戻しを行なうためのメモリセルトランジスタのドレイン部分断面の構造を示す概念図である。
【図34】 サブスレッショルドCHEによる書戻しを可能とする動作条件でのゲート電流Igのゲート電圧Vg依存性を示す図である。
【図35】 サブスレッショルドCHEによる過消去ビット書戻し後のセルでのゲート電圧−ドレイン電流特性(Vg−Id特性)を示す図である。
【図36】 スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の時間変動の初期しきい値依存性を示す図である。
【図37】 スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束時間を説明するための図である。
【図38】 スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束の印加ドレイン電圧依存性を説明するための図である。
【図39】 スレッショルドCHEによる書戻しを行なった際のしきい値の収束の印加ドレイン電圧依存性を説明するための図である。
【図40】 256Kビットアレイに対して、スレッショルドCHEによる書戻しを行なった後のしきい値電圧の分布を示す図である。
【図41】 自己選択的な書戻しを用いた書戻しの消去シーケンスを説明するためのフローチャートである。
【図42】 消去状態にある単位セルのゲート電位ドレイン電流特性Vg−Id特性である。
【図43】 消去後のしきい値電圧Vthの分布を示す図である。
【図44】 消去しきい値Vth分布(1Mビットのメモリセルについての分布)でのオフリークの総和を計算した結果を示す図である。
【図45】 消去後しきい値電圧Vth分布全体のオフリークの総和を示す図である。
【符号の説明】
1 P型半導体基板(半導体基板)、1a P+領域(第1導電型領域)、1b P+ポケット領域(第1導電型領域)、2b,2b’ N+ドレイン領域(電界緩和層)、2aa,2bb N++ソース、ドレイン領域(第1、第2の拡散層)、3 第1のゲート絶縁膜(ゲート絶縁膜)、4 フローティングゲート、6 コントロールゲート、7a,7b サイドウォール、20 書込み&消去制御回路、28 ゲートトランジスタ、 30,32 メモリセルトランジスタ、40 正電圧発生回路、80 負電圧発生回路、100 ベリファイ電圧発生回路、140 デストリビュータ、160 アドレスバッファ、180 Xデコーダ、200 Yデコーダ、210 センスアンプ帯、220 入出力バッファ、240 コラム系制御回路、260 メモリセルアレイ、1000 不揮発性半導体記憶装置。

Claims (9)

  1. 半導体基板上に形成される不揮発性半導体記憶装置であって、
    外部電源電位を受けて、内部電源電位を生成する内部電源回路と、
    コマンド信号に応じて、前記不揮発性半導体記憶装置の動作を制御する制御回路と、
    複数のフローティングゲート型のメモリセルトランジスタが行列状に配置されたメモリセルアレイとを備え、
    前記メモリセルアレイは、それぞれ、一括した前記メモリセルトランジスタへの消去パルス印加と消去ベリファイ動作とを繰り返すことにより、消去動作を行なう単位となる複数のメモリセルブロックに分割され、
    前記メモリセルトランジスタのしきい値判定のための基準電位を生成するための基準電位生成回路と、
    前記メモリセルトランジスタを選択し、消去ベリファイ動作において前記選択されたメモリセルトランジスタに前記基準電位を、前記消去ベリファイ完了後に行なわれる書戻し動作において選択された前記メモリセルトランジスタに前記内部電源電位を、それぞれ選択的に供給するためのセル電位供給回路と、
    選択された前記メモリセルトランジスタからデータの読出を行ない、かつ、書戻し動作において前記選択されたメモリセルトランジスタを介して流れる電流値に基づいてしきい値判定を行なうための複数のセンスアンプを含むセンスアンプ部とをさらに備え、
    前記センスアンプの前記しきい値判定における電流感度は、前記消去ベリファイ完了後において、前記書戻し動作を一括して行なう複数の前記メモリセルトランジスタのオフ状態でのリーク電流の総和が、前記内部電源回路の電流駆動能力の範囲内となるように設定される、不揮発性半導体記憶装置。
  2. 各前記メモリセルトランジスタは、
    前記半導体基板の表層部に第1導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第1および第2の拡散層と、
    前記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコントロールゲートを有する2層ゲート電極と、
    前記第1および第2の拡散層と前記チャネル領域との間に、前記2層ゲート電極とはオーバラップしないように形成される第2導電型の電界緩和層とを含む、請求項1記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記書戻し動作においては、前記コントロールゲートの電位を不活性レベルに保持し、前記第1および第2の拡散層の一方は接地電位に、前記第1および第2の拡散層の他方は所定の電位に設定して、サブスレッショルドチャネルホットエレクトロン電流による自己選択的な書戻しを行なう、請求項2記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 半導体基板上に形成される不揮発性半導体記憶装置であって、
    外部電源電位を受けて、内部電源電位を生成する内部電源回路と、
    コマンド信号に応じて、前記不揮発性半導体記憶装置の動作を制御する制御回路と、
    複数のフローティングゲート型のメモリセルトランジスタが行列状に配置されたメモリセルアレイとを備え、
    前記メモリセルアレイは、それぞれ、一括した前記メモリセルトランジスタへの消去パルス印加と消去ベリファイ動作とを繰り返すことにより、消去動作を行なう単位となる複数のメモリセルブロックに分割され、
    前記メモリセルトランジスタのしきい値判定のための基準電位を生成するための基準電位生成回路と、
    前記メモリセルトランジスタを選択し、消去ベリファイ動作において前記選択されたメモリセルトランジスタに前記基準電位を、前記消去ベリファイ完了後に行なわれる書戻し動作において選択された前記メモリセルトランジスタに前記内部電源電位を、それぞれ選択的に供給するためのセル電位供給回路と、
    選択された前記メモリセルトランジスタからデータの読出を行ない、かつ、書戻し動作において前記選択されたメモリセルトランジスタを介して流れる電流値に基づいてしきい値判定を行なうための複数のセンスアンプを含むセンスアンプ部とをさらに備え、
    前記基準電位は、前記消去ベリファイ完了後において、前記書戻し動作を一括して行なう複数の前記メモリセルトランジスタのオフ状態でのリーク電流の総和が、前記内部電源回路の電流駆動能力の範囲内となるように設定される、不揮発性半導体記憶装置。
  5. 各前記メモリセルトランジスタは、
    前記半導体基板の表層部に第1導電型のチャネル領域を介して対向する第2導電型の第1および第2の拡散層と、
    前記第1導電型のチャネル領域上にゲート絶縁膜を介して形成されたフローティングゲートおよびコントロールゲートを有する2層ゲート電極と、
    前記第1および第2の拡散層と前記チャネル領域との間に、前記2層ゲート電極とはオーバラップしないように形成される第2導電型の電界緩和層とを含む、請求項4記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 前記書戻し動作においては、前記コントロールゲートの電位を不活性レベルに保持し、前記第1および第2の拡散層の一方は接地電位に、前記第1および第2の拡散層の他方は所定の電位に設定して、サブスレッショルドチャネルホットエレクトロン電流による自己選択的な書戻しを行なう、請求項5記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、
    複数のメモリセルトランジスタを含むメモリセルブロックに対する一括した消去動作を行なうステップと、
    ワード線を非選択状態として、選択されたビット線上において過消去状態にあるメモリセルに対する自己選択的な書戻し動作を、複数の前記メモリセルトランジスタに対して一括して行なうステップと、
    前記メモリセルトランジスタのしきい値が所定のベリファイレベル以下となるまで、前記消去動作と前記書戻し動作を繰り返すステップと、
    前記消去動作を所定回数行なうまでは、前記消去動作と前記メモリセルトランジスタのしきい値が所定のベリファイレベル以下となるかを判定する動作を繰り返すステップとを備える、不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
  8. 前記消去動作の回数の増加にともなって、前記消去動作において前記メモリセルトランジスタに与えられる消去パルスのパルス幅を減少させるステップをさらに備える、請求項記載の不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
  9. 不揮発性半導体記憶装置の消去方法であって、
    メモリセルブロック内のメモリセルトランジスタのしきい値が第1の所定のベリファイレベル以下となるまで、前記メモリセルブロックに対する一括した消去動作を繰り返すステップと、
    前記メモリセルブロック内のメモリセルトランジスタのしきい値が第1の所定のベリファイレベル以下となった後に、前記メモリセルブロックに対する一括した消去動作を行なうステップと、
    ワード線を非選択状態として、選択されたビット線上において過消去状態にあるメモリセルに対する自己選択的な書戻し動作を、複数の前記メモリセルトランジスタに対して一括して行なうステップと、
    前記メモリセルトランジスタのしきい値が前記第1の所定のベリファイレベルよりも低い第2の所定のベリファイレベル以下となるまで、前記消去動作と前記書戻し動作を繰り返すステップとを備える、不揮発性半導体記憶装置の消去方法。
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