JP4136137B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子基板,液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板などにエッチング,アッシング,CVD(Chemical Vapor Deposition )などの処理を施すプラズマ処理装置に関し、特にシリコン酸化膜のエッチングに用いられるプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSI製造プロセスでは、反応ガスに外部からエネルギーを与えてプラズマを発生させ、このプラズマを用いてエッチング,アッシング,CVDなどの処理を施すことが広く行なわれている。特に、プラズマを用いたドライエッチング技術は、このLSI製造プロセスにとって不可欠な基本技術となっている。
【0003】
このようなプラズマ処理を行なう装置として、高周波を用いてプラズマを発生させる装置、マイクロ波を用いてプラズマを発生させ、高周波を印加してそのプラズマを制御する装置などがある。高周波の適切な周波数を選択することにより、プラズマの発生及びプラズマ中のイオンの制御を容易に行なうことができる。
【0004】
しかしながら、高周波を用いたプラズマ処理装置は、反応容器の内壁面が化学的活性度が高いラジカル及びイオンを含むプラズマに常に曝される。このため、反応容器の内壁面の材料の選定が重要になる。内壁面の材料を適切に選択することにより又は適切な材料で被覆することにより、プラズマ処理特性が向上したり、内壁面の長寿命化が図られる。例えば、エッチング時に下地に対する選択比を向上させること、又は内壁面のスパッタによるパーティクルの発生を抑えることができる。
【0005】
例えば、エッチング室の内壁面の材料として高純度のアルミナ(Al2 3 )を用いたプラズマエッチング装置が提案されている(特開昭63−312642号公報、特開昭61−289634号公報)。また、内壁面の材料としてアルマイト処理したアルミニウムを用いたプラズマエッチング装置が提案されている(特開平4−299529号公報)。このように、エッチング対象物及び反応ガスの種類などに応じて反応容器内壁面に所定の絶縁膜を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通常、反応容器は電気的に接地されるために、内壁面は高周波に対する接地電極の役割も一部担っている。反応容器の内壁面を接地電極とすることにより、高周波でプラズマを発生させる場合はプラズマが安定する。また、試料を載置する載置台に高周波を印加して発生するバイアス電位によりプラズマを制御する場合は、バイアス電位が安定する。
【0007】
このように反応容器の内壁面が接地電極となることによりプラズマの状態が影響を受けるので、内壁面に絶縁膜を設ける場合は、その絶縁膜の厚みが重要となる。即ち、内壁面は絶縁膜がない場合は接地電極としてはたらき、絶縁膜が厚くなるに従って接地電極の効果は弱まり、所定の厚みを超えると接地電極としての役割を全く果たさなくなる。
【0008】
従って、反応容器の内壁面を接地電極とする場合に、特に対向電極を設けない場合は内壁面に設ける絶縁膜を薄くすることが必要である。しかしながら、絶縁膜が薄い場合は、内壁面がプラズマによりスパッタされて絶縁膜が剥がれ落ち、内壁面が露出する。その結果、反応容器の内壁面が露出するまでの寿命が短くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、反応容器の内壁面が接地電極としての機能を果たしつつ、内壁面の寿命を長く保つことができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るプラズマ処理装置は、接地電極となる容器内に高周波を印加し、プラズマにより試料を処理するプラズマ処理装置において、前記容器は内壁面を絶縁膜により被覆してあり、前記内壁面のうち、エッジ部分に他の部分と比較して前記絶縁膜を厚く形成し、かつ前記絶縁膜の厚みは100μm以上を有しており、前記容器は、内側上壁、内側下壁及び外側壁を連結してなり、前記エッジ部分は前記内側下壁に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本願発明者は、接地電極となる内壁面に設けられたエッジ部分は高周波の電界が集中するため、この部分が速くスパッタされると推測した。ここでエッジ部分とは、角部分,縁部分,先端部分のように容器の内壁面の形状が変化している部分を言い、具体的には、試料搬送口の縁部,内側壁下端の縁部,その他の開口部のエッジなどである。
【0012】
第1発明にあっては、容器の内壁面で高周波の電界が特に集中しやすいエッジ部分の絶縁膜の厚みを他の部分よりも厚く形成している。絶縁膜が厚く形成されているエッジ部分は、接地電極としての作用が他の部分よりも弱くなるので電界集中が緩和される。これにより、エッジ部分の絶縁膜のスパッタ過剰が抑制される。また絶縁膜が単に厚く形成されたことによる長寿化の効果もある。さらに、絶縁膜の他の部分の厚みは通常通りであるので、内壁面の接地電極としての機能を十分に果たし、高周波印加を安定させる。
また、エッジ部分の絶縁膜の厚みが100μmより薄い場合は電界集中の緩和の効果が小さいので、100μm以上の厚みを有することが好ましい。
容器が内側及び外側の2重構造になっているのは、内側のみを効率良く安定して温度制御でき、また内側下壁のみを交換して使用できるためである。
【0013】
第2発明に係るプラズマ処理装置は、マイクロ波窓を設けてあり、接地電極となる容器内に、前記マイクロ波窓を介してマイクロ波を導入することによって前記容器内にプラズマを生成するとともに、前記容器内に設けた載置台に高周波を印加し、生成したプラズマを載置台に載置した試料に導いて前記試料を処理するプラズマ処理装置において、前記容器は内壁面が絶縁膜により被覆してあり、前記内壁面のうち、エッジ部分に他の部分と比較して前記絶縁膜を厚く形成し、かつ前記絶縁膜の厚みは100μm以上を有しており、前記容器は、内側上壁、内側下壁及び外側壁を連結してなり、前記エッジ部分は前記内側下壁に形成されていることを特徴とする。
【0014】
第2発明にあっては、マイクロ波の導入によりプラズマを発生させ、高周波印加によりプラズマを制御する装置について、容器内壁面の絶縁膜の厚みをエッジ部分で厚く形成している。反応容器は高周波に対して接地電極となっており、エッジ部分が速くスパッタされ易いが、絶縁膜の厚みを他の部分よりも厚く形成することにより電界集中が緩和される。これにより、エッジ部分のスパッタ過剰が抑制される。また絶縁膜が厚いので長寿化が可能であり、さらに、絶縁膜の他の部分で接地電極としての機能を十分に果たし、載置台に高周波バイアスを安定して発生させ、プラズマ処理特性を向上できる。
また、エッジ部分の絶縁膜の厚みが100μmより薄い場合は電界集中の緩和の効果が小さいので、100μm以上の厚みを有することが好ましい。
容器が内側及び外側の2重構造になっているのは、内側のみを効率良く安定して温度制御でき、また内側下壁のみを交換して使用できるためである。
【0015】
第3発明に係るプラズマ処理装置は、第1又は第2発明において、前記エッジ部分は、前記内壁面に形成された試料搬送口のエッジを含む領域であることを特徴とする。
【0016】
プラズマ処理装置には、試料を容器内に搬入して載置台に配し、プラズマ処理後に容器外に搬出するための試料搬送口が設けられている。第3発明にあっては、容器の内壁面に形成された前記試料搬送口のエッジを含む領域に、他の部分よりも厚い絶縁膜を形成している。エッジ部の絶縁膜を他の部分よりも厚く形成することにより電界集中が緩和される。これにより、エッジ部分のスパッタ過剰が抑制される。また絶縁膜が厚いので長寿化が可能であり、さらに、絶縁膜の他の部分で接地電極としての機能を十分に果たし、高周波印加を安定させる。
【0017】
第4発明に係るプラズマ処理装置は、第1,第2又は第3発明において、前記容器の内壁面のエッジ部分に形成される絶縁膜がアルミナを含むことを特徴とする。
【0018】
第4発明にあっては、エッジ部分の絶縁膜の少なくとも表面側はアルミナ(Al2 3 )で形成されているので、スパッタされたときでも、重金属などの不純物による試料の汚染が低減される。
【0019】
第5発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記容器の内壁面に、陽極酸化法によりアルマイト膜を所定の厚みで形成した後に、前記エッジ部分にアルミナを溶射して前記絶縁膜を形成してあることを特徴とする。
【0020】
第5発明にあっては、内壁面の全域に、陽極酸化法によりアルマイト膜を形成し、エッジ部分のみに、アルマイト膜の表面にアルミナを溶射により被覆する。溶射法を用いることにより、緻密な膜を必要な厚みに形成することができる。従って、エッジ部分の絶縁膜が厚く、その他の部分が薄い絶縁膜を容易に形成できる。
【0021】
第6発明に係るプラズマ処理装置は、前記容器が、内側壁と外側壁との二重に構成してあり、前記エッジ部分は前記内側壁に形成されていることを特徴とする。
容器が内側及び外側の2重構造になっているのは、内側のみを効率良く安定して温度制御でき、また内側壁のみを交換して使用できるためである。
【0023】
発明に係るプラズマ処理装置は、第1乃至第発明のいずれかにおいて、前記試料上のシリコン酸化膜をエッチングするために用いられることを特徴とする。
【0024】
シリコン酸化膜のエッチングはイオンの制御が極めて重要である。シリコン酸化膜のエッチングは、大きな高周波電力を用いたり、周波数が2MHz又は400kHzのように従来の13.56MHzよりも低い高周波を用いたり、数十mTorr 以下の低圧力で行なったりする。このような処理条件は、高周波の電界集中のレベルを大きくし、エッジ部分の電界集中がさらに重大な問題になる。第7発明にあっては、シリコン酸化膜のエッチング処理時に、エッジ部分の絶縁膜を厚く形成した容器を用いることにより電界集中が緩和され、大きな効果を得る。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明に係る実施の形態のプラズマ処理装置の構造を示す側断面図である。図2は、図1に示されるA領域の拡大図である。図中11は有底円筒形状の反応容器であり、アルミニウム,ステンレス鋼等の導電性の金属で形成されている。後述するように、反応容器11は内側上壁11a,内側下壁11b及び外側壁11cを連結して構成してあり、その内側に反応室12を形成している。反応容器11が内側及び外側の2重構造になっているのは、内側のみを効率良く安定して温度制御でき、また内側のみを交換して使用できるためである。
【0026】
反応容器11の上部の開口は、マイクロ波導入窓14により、Oリング32を介在させて気密に封止されている。マイクロ波導入窓14は、耐熱性とマイクロ波透過性とを有して誘電損失が小さい石英ガラス(SiO2 ),アルミナ(Al2 3 )等の誘電体で形成されている。
【0027】
マイクロ波導入窓14の上方には所定間隔の空間層35を隔てて円盤状の誘電体層36が平行配置されており、誘電体層36の上部は例えばアルミニウム製の金属蓋板37で覆われている。誘電体層36の一側は導波管38を介してマイクロ波発振器39に連結されている。なお、誘電体層36は誘電損失が小さい材料、例えばフッ素樹脂,ポリエチレン,ポリスチレン等の合成樹脂で形成されている。マイクロ波の周波数は、例えば2.45GHzが用いられる。
【0028】
マイクロ波導入窓14の下面には、反応室12内に導入されるマイクロ波の導入領域を反応室12の中央部分に限定する限定プレート9が配されている。限定プレート9は導電性を有する環状板であり、限定プレート9の内周縁部が、マイクロ波導入窓14の下側に突設された環状のマイクロ波窓凸部14aに当接するように固定されている。限定プレート9及びマイクロ波窓凸部14aの下面は石英カバー10で被覆されて保護されている。限定プレート9の外周側にはヒータ31が埋め込まれている。
【0029】
図2は図1に示されるA領域の拡大図であり、反応容器の側壁の詳細な構造を示している。図2に示すように、反応容器11は、内側上壁11a,内側下壁11b及び外側壁11cで構成されており、アルミニウム製である。外側壁11cは略有底円筒形状を有しており、内側上壁11aと内側下壁11bとは上下に着設されて円筒形状をなし、外側壁11cの内側に配されている。内側上壁11aと外側壁11cとは分離手段23,25及び絶縁性のOリング24,26により着脱可能に連結されており、両者間は分離手段23,25で熱的に分離され、Oリング24,26により反応室12内の気密性が保持されている。また、内側上壁11a,内側下壁11b及び外側壁11cは電気的に接地されている。
【0030】
外側壁11cには、反応室12内にガスを導入するための外側反応ガス導入孔19aと、排気装置(図示せず)に接続される排気口20とが設けられている。また、試料Sを反応室12内に搬入したり、処理された試料Sを反応容器11外に搬出するための外側試料搬送口21aが、外側反応ガス導入孔19aよりも下側に設けられている。外側試料搬送口21aの開口は、この装置を用いてプラズマ処理される試料Sが通る寸法よりも少し大きな寸法を有している。
【0031】
さらに、外側壁11cには冷却ガス導入孔30a及び冷却ガス排気孔30bが設けられており、冷却ガス導入孔30aから例えばN2 ガスを導入し、冷却ガス排気孔30bから排出することにより、内側上壁11aと外側壁11cとの間の冷却空間28が冷却され、外側壁11cの温度上昇を抑えるようになっている。そして、内側上壁11aにはヒータ27が埋め込まれており、内側上壁11aの加熱温度制御が可能になっている。
【0032】
内側下壁11bは内側上壁11aの下面に着設されており、内側下壁11b及び内側上壁11aの内壁面は面一に形成されている。内側下壁11bは外側壁11cから内周側に僅かに離隔して垂設され、その下端部110は外側反応ガス導入孔19aよりも低い位置で、反応容器11の底面から所定長離隔している。内側下壁11bの上部には、外側反応ガス導入孔19aから通流可能な位置にガス供給路19cが全周にわたって設けられ、Oリング33により外側壁11cとの間の気密性を保持している。内側下壁11bの内壁面には、周方向に複数の内側反応ガス導入孔19b,19b…がガス供給路19cに連通して形成されている。内側下壁11bには、内側反応ガス導入孔19bの下側で外側試料搬送口21aに対向する位置に、内側試料搬送口21bが形成されている。内側試料搬送口21bの開口は外側試料搬送口21aと略同寸法又は僅かに大きい寸法を有している。
【0033】
内側上壁11a及び内側下壁11bの内壁面に、陽極酸化法によるアルマイト膜1が形成されている。図3は、内側下壁の絶縁膜の構成を示す部分断面拡大図である。図3に示すように、絶縁膜であるアルマイト膜1は、内側上壁11aに連続する内側下壁11bの内壁面と、内側試料搬送口21bの開口部と、内側下壁11bの下端部110とを覆って形成されている。またアルマイト膜1は、外側壁11cの外側試料搬送口21aよりも下側の内壁面を覆うように形成されている。
【0034】
そして絶縁膜であるアルミナ膜2が、前記エッジ部分、即ち、内側試料搬送口21bの開口部分の縁部を含む領域と、下端部110の縁部を含む領域とに溶射形成されている。開口部分の縁部を含む領域は、開口面、これに連続する内側下壁11bの内周面及び外周面である。また下端部110の縁部を含む領域は、下端面並びにこれに連続する内側下壁11bの内周面及び外周面である。アルミナ膜2はアルマイト膜1上に重ねて形成されており、本発明の特徴として、内側試料搬送口21bの縁部及び内側下壁11bの縁部は、その他の部分よりもアルミナ膜2の厚み分だけ絶縁膜が厚く形成されている。なお、本実施の形態では示していないが、排気口20の付近にアルミナ膜2を溶射し、縁部を覆う絶縁膜の厚みを他の部分よりも厚く形成してあっても良い。
【0035】
図1に示すように、反応室12内には、マイクロ波導入窓14と対面する位置に載置台15が配設されており、外側(内側)試料搬送口21a,21bから搬入された試料Sが載置台15上に載置されるようになっている。載置台15は反応容器11の底部に設けられた基台16上に固定され、反応容器11とは絶縁部材18により絶縁されている。載置台15には高周波電源40が接続されている。高周波電源40の周波数は、400kHZ,2MHz,13.56MHzなどが用いられる。また、載置台15は、試料Sを固定するための静電チャックのような吸着機構(図示せず)及び試料Sを恒温に保持するための媒体を循環させる循環機構(図示せず)を備えている。載置台15の周囲はプラズマシールド部材17で覆われている。なお、載置台15は、静電チャック機能を備えるために、アルミニウム製の電極本体の表面にアルミナが溶射された構造になっている。絶縁部材18及びプラズマシールド部材17にはアルミナが用いられている。
【0036】
以上の如き構成のプラズマ処理装置を用いて、試料Sの表面にプラズマ処理を施す場合は、まず、試料Sを載置台15に載置し、載置台15及び内側上壁11a及び内側下壁11bを所定の温度に保持する。次に、反応室12内を排気口20から排気して所定の圧力にした後、外側(内側)反応ガス導入孔19a,19bから反応室12内に反応ガスを供給する。そして、マイクロ波発振器39からマイクロ波が発振され、導波管38を介して誘電体層36にマイクロ波が導入される。これにより空間層35に表面波電界が形成され、マイクロ波導入窓14を透過して反応室12内にプラズマを発生せしめる。
【0037】
プラズマの発生と同時的に高周波電源40を用いて載置台15に高周波を印加し、試料Sの表面にバイアス電圧を発生させる。このバイアス電圧によってプラズマ中のイオンのエネルギーを制御しつつ、試料Sの表面にイオンを照射させて試料Sにプラズマ処理を施す。このとき、内側上壁11a及び内側下壁11bは接地電極としての機能を果たし、アルマイト膜1及びアルミナ膜2で形成された絶縁膜はプラズマによるスパッタを受ける。内壁面のエッジ部分、即ち内側試料搬送口21bのエッジ,内側下壁11bの下端部110には、他の部分よりもアルミナ膜2の厚み分だけ厚い絶縁膜が形成されているので、エッジ部分への電界集中は緩和され、過剰にスパッタされることがない。
【0038】
【実施例】
上述した本実施の形態のプラズマ処理装置を用いて反応容器11の内壁面の寿命と、そのときの試料S上のアルミニウム混入濃度とを試験した。実施例1の装置は、絶縁膜としてアルマイト膜1を陽極酸化処理により50μmの厚みで形成し、エッジ部分にアルミナ膜2を100μmの厚みで溶射形成した。従って、エッジ部分の絶縁膜の厚みは150μmである。比較のために、従来のプラズマ処理装置についても同様に寿命を試験した。従来装置は絶縁膜としてアルマイト膜1のみを内壁面及びエッジ部分に50μmの厚みで形成した。プラズマ処理条件は、放電条件は15mTorr ,マイクロ波パワーは1.6 kW,高周波パワーは1.4 kW,周波数400 kHz,反応ガスは、35sccnでCHF3 を供給した。
【0039】
試験の結果、従来装置の寿命は150時間程度であり、そのときのアルミニウム混入濃度は1.5 ×1014(atm/cm2 )であったが、実施例1の装置は寿命は300時間以上であり、そのときのアルミニウム混入濃度は6×1013(atm/cm2 )であった。この結果から、実施例1のプラズマ処理装置は、反応容器が接地電極としての機能を果たしつつ、内壁面の寿命を長く保持していることが判った。
【0040】
なお、上述した実施の形態では、反応容器11が内側壁と外側壁との二重に構成してある場合を説明しているが、これに限るものではなく、一重の容器であっても本発明は適用される。その場合は、容器の内壁面に開口された試料搬送口の縁部の絶縁膜を他の部分よりも厚く形成する。また、反応容器11の形状及び誘電体層36の形状は、上述した形状に限らない。
【0041】
また、上述した実施の形態では、エッジ部分に形成される絶縁膜はアルマイト膜1の表面にアルミナ膜2を形成した場合を説明しているが、これに限るものではなく、アルミナ膜2のみで形成してあっても良い。プラズマ処理時の試料Sの汚染を防止するためには、絶縁膜の少なくとも表面にアルミナ膜2を形成してあった方が好ましいが、電界集中を緩和するためにはこれに限るものではない。
【0042】
さらに、上述した実施の形態では、マイクロ波を用いてプラズマを発生せしめ、高周波の印加によりプラズマを制御するタイプの装置について説明しているが、これに限るものではなく、高周波を用いてプラズマを発生せしめる装置、所謂、平行平板型の装置に適用することもできる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、容器の内壁面のエッジ部分に他の部分よりも厚い絶縁膜を形成してあるので、容器が接地電極となる場合でもエッジ部分の電界集中が緩和される。これにより、スパッタによってエッジ部分の絶縁膜が他の部分よりも速く剥がれ落ちることを防止でき、容器の長寿命化が図られる。また、エッジ部分に形成された絶縁膜の少なくとも表面側をアルミナで形成することにより、重金属の不純物による試料の汚染が低減される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のプラズマ処理装置の構造を示す側断面図である。
【図2】図1のプラズマ装置が備える反応容器の側壁の拡大図である。
【図3】図2の側壁の絶縁膜の構成を示す部分断面拡大図である。
【符号の説明】
1 アルマイト膜
2 アルミナ膜
11 反応容器
11a 内側上壁
11b 内側下壁
11c 外側壁
14 マイクロ波導入窓
15 載置台
21a 外側試料搬送口
21b 内側試料搬送口
36 誘電体層
38 導波管
39 マイクロ波発振器
110 下端部
S 試料

Claims (7)

  1. 接地電極となる容器内に高周波を印加し、プラズマにより試料を処理するプラズマ処理装置において、
    前記容器は内壁面を絶縁膜により被覆してあり、前記内壁面のうち、エッジ部分に他の部分と比較して前記絶縁膜を厚く形成し、かつ前記絶縁膜の厚みは100μm以上を有しており、
    前記容器は、内側上壁、内側下壁及び外側壁を連結してなり、
    前記エッジ部分は前記内側下壁に形成されている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. マイクロ波窓を設けてあり、接地電極となる容器内に、前記マイクロ波窓を介してマイクロ波を導入することによって前記容器内にプラズマを生成するとともに、前記容器内に設けた載置台に高周波を印加し、生成したプラズマを載置台に載置した試料に導いて前記試料を処理するプラズマ処理装置において、前記容器は内壁面が絶縁膜により被覆してあり、前記内壁面のうち、エッジ部分に他の部分と比較して前記絶縁膜を厚く形成し、かつ前記絶縁膜の厚みは100μm以上を有しており、
    前記容器は、内側上壁、内側下壁及び外側壁を連結してなり、
    前記エッジ部分は前記内側下壁に形成されている
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 前記エッジ部分は、前記内壁面に形成された試料搬送口のエッジを含む領域である請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記容器の内壁面のエッジ部分に形成される絶縁膜がアルミナを含む請求項1,2又は3記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記容器の内壁面に、陽極酸化法によりアルマイト膜を所定の厚みで形成した後に、前記エッジ部分にアルミナを溶射して前記絶縁膜を形成してある請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記容器は、内側壁と外側壁との二重に構成してあり、
    前記エッジ部分は前記内側壁に形成されている
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記試料上のシリコン酸化膜をエッチングするために用いられる請求項1乃至のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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