JP4135053B2 - 電飾用記録材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンターで記録できる電飾用記録材に関し、さらに詳しくは各種顔料プリンターインクのインク印字性、耐摩耗性にも優れ、発色性良好で、カールが少なく、白色度の高い顔料プリンター対応のインクジェット電飾用記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特にフルカラー対応のインクジェットプリンターの需要が増加しているが、ワイドフォーマットプリンターで印刷される電飾広告関連は従来のシステムに比べ納期短縮が可能で、かつ宣伝効果が高いことから将来、広告看板市場での電飾用記録材の拡大が期待されている。しかしながら染料インクではそれなりの記録材はあるものの顔料インク対応の電飾用記録材は品質的に満足できるものが少ない。特に顔料プリンターで印刷された電飾広告は印字面を耐光性フィルムにてラミネーションして屋外でも使用されることが多いので耐久性、耐水性、またラミネーション適性等印刷性以外での各種作業性の良好なことが求められ、一般的にポリビニルアルコールに代表される水溶性樹脂と多孔質顔料との組み合わせでは満足できる物性の発現は困難である。
【0003】
耐久性からウレタンを用いるシステムが考えられるが、例えば 特開平9−39372には吸収性のウレタン系ポリマーとカチオン性のアクリル系ポリマー及びカルシウムまたはバリウムイオンを含む被記録材が示されている。一方 ウレタン系樹脂を用いる技術もいくつか提案されている。特公平3−42590にはイソシアネート化合物とポリエーテルポリオールの反応生成物を含有する被記録材が示されている。
【0004】
これらは概して染料インク吸収性が比較的良好で、かつ、インクの広がりが少なくなるよう薬剤について工夫されたものである。しかしながら昨今屋外向け看板使用、長期にわたっての初期発色濃度維持から顔料インクを用いたプリンターが市場で増加傾向にあるが、染料インクプリンターで印刷性能が良好な従来技術の被記録材が顔料インクプリンターで必ずしも良好とは限らないこと、更に顔料インク仕様は各社多種多様であり、顔料粒子が染料に比べ大きいことなどに起因して概して染料インクに比べ印刷性能(印刷性、インク吸収性、発色性等)を改良することが困難であることが言われている。
【0005】
また顔料インクを用いることは屋外向け看板等を想定した使い方であって耐光性、耐摩耗性、発色性等は十分なレベルではない。更に多孔質顔料を用いる電飾用記録材の製造ではバインダーの分散能力、強度、塗布面の平滑性が最終物性や作業性に大きく影響するので、従来の提案では満足できなかったのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に顔料インクプリンターでの印刷性能を向上させ、実用レベルの高精細性、インク吸収性、耐摩耗性、発色性を有し、かつ電飾用として印刷性能以外の各種作業性に優れる、インクジェット用電飾用記録材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点について鋭意研究した結果、5ミクロン以下の多孔質顔料と塩化マグネシウムと特定のポリウレタン樹脂、さらにこれにアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、さらにエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用することにより従来の問題点を解決することができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、光透過性を有する基材上に、平均粒子径が5ミクロン以下の多孔質顔料、塩化マグネシウム、分子中にポリカーボネート鎖又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖と、スルホン酸基とを有する水性ポリウレタン樹脂、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂、及び、アセトアセチル化ビニルアルコールを含有するインク受容層を形成してなる電飾用顔料インクジェット記録材に関する。
【0009】
本発明は、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂はカチオン系の樹脂であり、かつ塩化マグネシウムは塩であり一般的には併用不可能とされるがポリエーテルポリオールを用いない非吸収性のスルホン酸系のポリカーボネート鎖/又はポリエステル鎖を有する水性ポリウレタン等が水中に塩やカチオン樹脂と安定に存在し、かつ、この組成物を皮膜化したとき、透明性を損なわない超微多孔質膜が形成できるという効果があり、更に5ミクロン以下の湿式シリカを併用することで電飾用記録材として白色度、顔料印刷性、発色性、耐摩耗性、耐水性、ラミネーション適性等を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
本発明の分子中にポリカーボネート鎖を含有するポリウレタン樹脂エマルジョンは、公知の製造法にて製造することができる。すなわち、具体的には、例えばポリカーボネート鎖を含むポリオール(以下ポリカーボネートポリオールという)とジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化することにより製造することができる。
【0011】
予めジイソシアネートとポリカーボネートポリオールとが高分子量化され、かつジイソシアネートの反応性は既にない状態の水分散体を塗布することになるので、実用皮膜を形成させるための熟成は不要であり、品質のばらつきはまったくないし、生産性の向上を図ることができる。
【0012】
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,4ーブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニールカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0013】
ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0014】
これらのジイソシアネートのうち、安定性と耐光性等の点から脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
【0015】
脂肪族ジイソシアネートとしては、上記で掲げたジイソシアネートのうち、脂肪族ジイソシアネートに属するものがそのまま使用できる。
本発明の実施にあたっては、一般に市販されているポリカーボネート鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを使用することができる。使用に当たっては、皮膜強度や耐水性の問題から、乳化剤含有量のできるだけ少ないものを選定する必要がある。
【0016】
ポリウレタン樹脂エマルジョンのポリウレタン樹脂の平均粒子径は、樹脂エマルジョンの透明性や安定性や耐水性の点から、3.0ミクロン以下とすることが好ましい。粒子径が3.0ミクロンを越えると、耐水性や安定性、透明性、印刷光沢等が若干劣ることになるため好ましくないが限定されるものではない。
本発明の分子中にポリカーボネート鎖を含有するポリウレタン樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば大日本インキ化学工業(株)製の「ボンディック」(商品名)、「ハイドラン」(商品名)やバイエル社製の「インプラニール」(商品名)等が挙げられる。
【0017】
分子中にポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂エマルジョンは、公知の製造法にて製造することができる。すなわち、具体的には、例えばポリカーボネートポリオール、ポリエステル鎖を有するポリオール(以下ポリエステルポリオールという)とジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、 エマルジョン化することにより製造するか、ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、 エマルジョン化したものとポリエステルポリオールとジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、 エマルジョン化したものとを混合することにより製造することができる。
【0018】
ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートは、上記で挙げた化合物をそのまま用いることができる。
またポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキサイド付加体等のグリコール成分とコハク酸、
【0019】
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p'−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られるポリエステル、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0020】
上記ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールの他に、これら以外のポリオールを使用することができる。
上記以外のポリオールとしては、例えばアルキレンオキサイド鎖を有するポリオールがある。アルキレンオキサイド鎖とは、代表的なものとしてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、これら単独又は2種以上組み合わされていてもよい。アルキレンオキサイド鎖の含有量に特に制限はないが、一般には他のポリオール成分と併用することで、皮膜の機械的強度が実用レベルになる。
【0021】
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂エマルジョンはスルホン酸基を有するジオール、ジアミン、ジイソシアネート等、いわゆるポリカーボネートポリオールとジイソシアネートの反応時に併用することで導入される。通常、末端イソシアネートを有するプレポリマーの高分子量(鎖伸長工程)化でジアミン、ジオールの形で導入したりできる。一般的にはカルボン酸を有するケースが多々あるが、スルホン酸基タイプを使用するメリットは塗布シートのカール性にある。一般にはカルボン酸基を大量に含有タイプはカールが生じやすいが特に、カルボン酸基を少量、スルホン酸基と併用することはかまわない。
【0022】
一方、顔料インクプリンターでの印刷性能良好な本発明の電飾用記録材は、光透過性基材に5ミクロン以下の湿式シリカ等の多孔質顔料と、塩化マグネシウムと水性ウレタンを含有するインク受容層を塗布することによって得られる。
【0023】
上記水性ウレタンとしては、特にポリカーボネート鎖/ポリエステル鎖を有する水分散体ウレタン エマルジョンが好ましい。一般にポリカーボネート/ポリエステル鎖を有する水性ポリウレタン等は水素結合が経時で強くなる傾向にあり、これが印刷性能に影響することが判明しているが、本発明にいう塩化マグネシウムを併用することで水素結合をコントロールし、顔料印刷適性が向上したものと推定される。
【0024】
これにさらにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂の如くカチオン性樹脂を配合することによってもゲル化することなく安定な組成物が得られる。このカチオンとアニオン性樹脂とのイオン的なミクロ凝集がもたらす微細な凝集構造体の形成により、本発明の特徴である、顔料インクの印刷性が優れた電飾用記録材が得られるものと思われる。
【0025】
尚本考察は本発明の作用機構を理解する一助となるものであり、本考察が本発明の態様を何ら限定するものでないことは勿論である。さらに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを配合することにより、これを各種基材へ塗布した場合には更に基材の耐摩耗性等各種耐久性を向上させることができる。
【0026】
本発明で使用する多孔質顔料の代表的なものは湿式シリカ、すなわち湿式法で製造される無定型シリカである。平均粒子径は5ミクロン以下、好ましくは2〜5ミクロンの範囲のものを使用する。平均粒子径が5ミクロン以上となると白色度と表面平滑性に影響し、電飾向けには好ましくない。平均粒子径が5ミクロン以下の湿式シリカは、白色度発現の役割と顔料インク吸収能力を担うが、一般的には「塗布剤のシリカ/その他成分」の比が1以上とシリカリッチな組成が良好な印刷に有利である。しかしながら、バインダー力不足から耐摩耗性や耐久性への問題が生じる。
【0027】
本発明の方式は、「平均粒子径5ミクロン以下の湿式シリカ/その他成分」比が1以下であっても、カチオン/アニオンで形成されるイオン的なミクロ凝集がもたらす微細な構造体の形成から、インク吸収速度が低下することもなく良好な印刷性と白色度が得られることが特徴である。シリカ含有比が少ないと耐摩耗性、ラミネーション適性、粘度、粘性コントロールが良好になり電飾用として実用化できるのである。本発明に用いることのできる湿式シリカに粒子径以外では特に制約はないが、富士シリシアのサイリシア、水沢化学のミズカシル、日本シリカのニップシル等がある。
【0028】
本発明で使用する塩化マグネシウムは、一般には凍結融解剤として用いられているもので、工業用、試薬用等純度で限定されるものではなく、一般化学式MgCl2で表される塩である。使用量としては特に限定されるものではないが、強度面を考慮すると電飾用記録材の塗布量に対して5〜30%が好ましい。
【0029】
本発明で使用するエピクロルヒドリンポリアミド樹脂は、一般には紙力増強剤として知られているものである。この樹脂は公知の方法で製造することができ、例えばアジピン酸とジエチレントリアミンの脱水重縮合により得られる公知公用のものが使用できる。この樹脂の市販品としては日本PMC(株)の「WS525」、「WS535」や「WS570」等を挙げることができる。
【0030】
エピクロルヒドリンポリアミド樹脂はカチオン系の樹脂であるが、一般にはアニオン系のポリウレタン樹脂 エマルジョンとは混和できない。特定のポリウレタン樹脂 エマルジョンを用いると、カチオン系の樹脂と凝集物を形成することなく、安定に水に分散できる状態となり、印刷性と光沢性が両立可能となる。その理由の詳細は明らかではないが、カチオンとアニオンとの極ミクロ凝集(光沢性、透明性に影響ないレベルの孔)が形成されて、印刷性が向上するものと推定される。
【0031】
すなわちポリウレタン樹脂 エマルジョンとして、ポリカーボネート鎖、又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有する特定のポリウレタン樹脂 エマルジョンを用いることによりカチオン系樹脂とエマルジョン状態で安定に存在し(カチオンとアニオンが混在した エマルジョンとして安定でないものは印刷性として満足いく結果は得られていない)、その乾燥皮膜が印刷可能なミクロ多孔質を形成するため、これに更に平均粒子径5ミクロン以下の湿式シリカを併用することで本発明の目的とす
る効果が得られるものと考えられる。
【0032】
水系の エマルジョンの形態であるからこそ、ミクロ凝集が形成でき、その良好な分散能力から更に湿式シリカとの併用により、光透過性基材との組み合わせで電飾用への展開が可能であった。一方発色性はポリカーボネート鎖、又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有する特定のポリウレタン樹脂 エマルジョンを用いることにより他アクリル系エマルジョンよりも良好であり、かつカールが非常に少ないことも確認されている。ウレタンの極性が発色に有利に働いていると考えられる。尚本考察は本発明の作用機構を理解する一助となるものであり、本考察が本発明の態様を何ら限定するものでないことは勿論である。
【0033】
本発明で使用する水溶性エポキシ化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリチリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシデルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグルシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレン/プロピレングリコールジグリシジルエーテル等各種のものが使用できるが、好ましくは3官能以上のソルビトール系ポリグリシジルエーテルが好ましい。
【0034】
水溶性ポリエポキシ化合物は、任意に配合でき、その配合割合は特に制限されないが、好ましくはポリカーボネート鎖、又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂の水分散液等からなる樹脂組成物100重量部に対して0.1〜20重量部である。
【0035】
本発明使用するアセトアセチル化ポリビニルアルコールとは、一般にポリビニルアルコール系樹脂の溶液あるいは粉末に、液状、またはガス状のジケテンを添加反応させて製造されるものをいう。このアセトアセチル化ポリビニルアルコールの配合割合は、特に制限されないが、ポリカーボネート鎖を有するポリウレタン水分散液100重量部に対し、50〜500重量部使用される。
【0036】
またアセトアセチル化ポリビニルアルコールの市販品としては、日本合成化学(株)製の「ゴーセファイマーZ−100」、「ゴーセファイマーZ−200」(いずれも商品名)等が挙げられ、これらを使用することができる。
水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビニルアルコールを併用することにより耐久性向上という効果がある。
【0037】
本発明の電飾用記録材には、他の添加剤をインクジェット印字性やその他の印刷性を阻害しない範囲で配合することができる。
他の添加剤としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム等、各種酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは上記組成物とともに混合し、分散させる。
【0038】
本発明の電飾用記録材は各種基材を用いることができる。 基材としては、光を透過する半透明な紙、板紙、透明フィルム等が主であるが、その他不織布、スパンボンド等各種繊維基材等が挙げられる。
本発明の電飾用記録材を基材に塗布する方法としては、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布、グラビア塗布、含浸、サイズプレス塗工、ゲートロール塗工等が挙げられる。
この系では塗布厚としてドライで20g/m2以上が電飾用に用いる場合白色度と顔料印刷性向上に効果がある。ドライで20g/m2以下になると白色度の低下と若干顔料印刷性がインク吐出量が400%でにじむ/または印刷面のクラック傾向がある。
【0039】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を説明する。なお例中の部および%はすべて重量基準とする。
【0040】
実施例1
透明PET(100ミクロン)上に2.5ミクロンのシリカサイリシア(436)を150部と塩化マグネシウムを10部、ボンディック2250[大日本インキ化学工業(株)製 ポリカーボネート鎖を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径0.2ミクロン]50部とWS535[日本PMC(株)製 エピクロルヒドリンポリアミド樹脂 50部を配合し、ゲル化することなく安定な、組成物を得た。更にZ200[日本合成化学(株)製アセトアセチル化ポリビニルアルコール]を固形分として50部配合したインクジェット用組成物を得た。
【0041】
この組成物を固形分30%でコンマコーターにより)に塗布し、乾燥温度120℃、30秒で乾燥し、電飾用記録材を得た(以下記録材Aという)
得られた記録材はインクジェットワイドプリンター;デザインジェット3800CP(ヒューレットパッカード、UVインク)を用いて評価した。結果は表1に示す。いずれも印字、印刷適性が優れていることがわかる。
【0042】
実施例2
光が透過できる繊維織物上に5ミクロン以下の湿式シリカとしてミズカシルP−78Aを120部と塩化マグネシウム10部とハイドランHW−970[大日本インキ化学工業(株)製 ポリカーボネート鎖含有、スルホン酸基を含むポリウレタン水性分散液]を固形分として30部配合し、ゴーセファイマー Z−200[日本合成化学(株)製 アセトアセチル化ポリビニルアルコール]を固形分として70部配合、WS535[日本PMC(株)製エピクロルヒドリンポリアミド樹脂]30部を配合したインクジェット用組成物を得た。
実施例1と同様にフィルムに塗布(以下記録材Bという)して評価した。結果は表1に示す。実施例1と同様各種印字適性に優れていることがわかる。
【0043】
実施例3
実施例1で得た安定なAの固形分100部に水溶性エポキシ化合物であるCR−5L[大日本インキ化学化学工業(株)製]を固形分で5部添加して組成物を得た。
実施例1と同様に透明PETに塗布し(以下記録材Cという)評価した。結果は表1に示す。実施例1と同様各種印字適性に優れていることがわかる。
【0044】
実施例4
ハイドランHW−930[大日本インキ化学化学工業(株)製 ポリエステルポリオール鎖、スルホン酸基を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径2.0ミクロン)とハイドランHW970[大日本インキ化学化学工業(株)製 ポリカーボネートポリオール鎖を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径0.1ミクロン)とを固形分換算で50:50に混合したものをボンディック2250の替わりに使用する以外は実施例1同様にフィルムに塗布(以下記録材Dという)して評価した。結果は表1に示す。各種印刷性に優れていることがわかる。
【0045】
実施例5
実施例2においてWS535を使用せず塩化マグネシウムとHW−970のみでフィルムへ塗工して評価(以下記録材Eという)した。結果は表1に示す。実施例2に比べ劣るものであるが実用レベルにある。
【0046】
【表1】
Figure 0004135053
【0047】
インクジェット顔料(GO)印刷性の評価
ノバジェットGOインクでC(100%)、M(100%)、Y(100%)、K(100%)、CM(200%)、CY(200%)、MY(200%)、CMY(300%)、CMYK(400%)ベタ印字での印刷外観、にじみの確認、印字後1分後PPCを重ねインクの転移量の確認
【0048】
発色性の評価
グレタグ反射濃度計で上記ベタ部を測定、値の総合計の高いものを良好とする。
【0049】
耐摩耗性の評価
上記印字面を綿棒でこすり色落ちのないことを確認
【0050】
耐水性
印刷物を1日水中に放置しその後綿棒でこすり色落ちや塗布面の脱落のないこと目視評価
【0051】
表面平滑性
表面上にぶつのないこと:○ 多少ざらざら:△ 微ぶつ多数あり:X
【0052】
比較例1
実施例2において塩化マグネシウムを用いることなく、塩化バリウムを用い、かつハイドランHW−970の代わりにハイドランHW−301[大日本インキ化学工業(株)製 カルボキシル基含有ポリエステルポリウレタン水性分散液]に置き換えて組成物(以下記録材Fという)を作成し乾燥温度90℃で処理し、同様に顔料印刷性を評価したが実用に耐えるものではなかった。
【0053】
比較例2
比較例1において塩化カルシウムを用いた(以下記録材E)。結果は表2に示す。実施例2に比べ劣るものであった。
【0054】
【表2】
Figure 0004135053
【0055】
【発明の効果】
本発明の電飾用記録材は、顔料インクのインクジェット印字性に優れる、かつ耐摩耗性、発色性、及び表面平滑性に優れるものえだる。

Claims (3)

  1. 光透過性を有する基材上に、平均粒子径が5ミクロン以下の多孔質顔料、塩化マグネシウム、分子中にポリカーボネート鎖又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖と、スルホン酸基とを有する水性ポリウレタン樹脂、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂、及び、アセトアセチル化ビニルアルコールを含有するインク受容層を形成してなる電飾用顔料インクジェット記録材。
  2. インク受容層の塗布膜厚がドライ20g/m2以上である請求項に記載の電飾用顔料インクジェット記録材。
  3. 顔料インクのインクジェットプリンターでインク受容層形成面に印字し、光透過性を有する基材裏面から光を照射する請求項1に記載の電飾用顔料インクジェット記録材。
JP2000198514A 2000-06-30 2000-06-30 電飾用記録材 Expired - Lifetime JP4135053B2 (ja)

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