JP4132533B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4132533B2 JP4132533B2 JP2000019347A JP2000019347A JP4132533B2 JP 4132533 B2 JP4132533 B2 JP 4132533B2 JP 2000019347 A JP2000019347 A JP 2000019347A JP 2000019347 A JP2000019347 A JP 2000019347A JP 4132533 B2 JP4132533 B2 JP 4132533B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- resin composition
- photosensitive resin
- phenol
- wiring board
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温加工可能で、高い耐熱性を実現し、柔軟性や基材との接着性をも兼ね備えた感光性樹脂組成物であり、具体的には、特に半導体パッケージやプリント配線板等の製造に応用が可能な、レジスト用感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の携帯化などによる軽薄短小化や高機能化が急速度で進展している。これに伴い、これら機器内の回路で使用される半導体集積回路にも、小型化、高集積化が進行している。そのため、従来のパッケージに比べて配線ピン数が増大するのに、実装面積やパッケージ面積は逆に小さくなるといったジレンマがあるため、従来のパッケージ方式とは異なる、BGA(Ball Grid Array),さらにはCSP(Chip Scale Package)とよばれる、新しい形の実装密度の高いパッケージ方式が提案されている。これらの半導体パッケージ方式では、従来型半導体パッケージのリードフレームの代わりに、サブストレートあるいはインターポーザーと呼ばれる、プラスチックやセラミックス等各種材料を使って構成される半導体チップ搭載用プリント配線板を使用して、半導体チップの電極とプリント配線板の電気的接続を行っている。この半導体チップ搭載用プリント配線板上に構成される回路は、小型化・高密度化した半導体内に導入されるものであり、一般的なプリント配線板に比べて非常に細線化・高密度化が進んだものとなる。そこで、パッケージの形式によりこの微細配線を保護する必要が生じる。
従来、プリント配線板表面の導体配線パターンの保護と半田付け部のみへの半田の導入のため、種々樹脂組成のソルダーレジストが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このレジストが上記のような半導体パッケージに使用される場合、半導体チップ実装工程に耐えうる高い耐熱性や、逆に半導体チップ搭載用プリント配線板等他の材料にダメージを与えない低温加工性など一般的なプリント配線板表面に使用される場合に比べて、要求される特性は高度のものとなる。さらにパッケージが薄型化されると半導体チップ搭載用プリント配線板も薄型化し、半導体チップ搭載用プリント配線板及び半導体パッケージの加工工程中サブストレートの変形に追随できるだけの柔軟性も要求される。また、被保護回路面上で、回路接合部以外の部分にのみレジスト膜を形成する方法として、従来はスクリーン印刷によって保護膜のパターンを形成されていた。しかし、上記半導体チップ搭載用プリント配線板のような高密度の配線上に使用する場合にはパターンも高密度化するため、レジストパターンを写真製版によって形成すること(写真法)、すなわち感光性レジストを用いることが必要となってくる。現在、種々の配線保護用感光性レジストが市販されているが、このようなパッケージ用途に使用できるだけの上記特性、即ち耐熱性、低温加工性、柔軟性を十分満たすものがあるとは言えない。
【0004】
感光性レジストの前記問題点に鑑み、本発明は、写真法によりパターン精度の良いレジスト形成が、アルカリ水溶液を用いた現像で可能であり、また、低温での加工が可能で十分な耐熱性及び柔軟性を発現する感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、オルガノポリシロキサン、フェノールノボラック、希釈剤及び光重合開始剤を必須成分とする感光性樹脂組成物が、永久レジストとしての優れた特性と、効率よくプリント配線板を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、次の(イ)〜(ニ)の成分を必須成分として含有することを特徴とする感光性樹脂組成物である。
【0007】
(イ)構造式(1)で表される、エポキシ基含有有機基を有するオルガノポリシロキサン。
【0008】
【化2】
【0009】
式中、R1は1価炭化水素基、R2は1価炭化水素基又は水素原子、R3はエポキシ基含有有機基である。a/cは0〜4の数であり、b/cは0.05〜4の数であり、且つ(a+b)/cは0.2〜4の数である。
【0010】
(ロ)少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するフェノールノボラック。
【0011】
(ハ)光官能基を有する多官能モノマー、及び/又は光官能基と熱官能基を有する多官能モノマーからなる希釈剤。
【0012】
(ニ)光重合開始剤。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の最大の特徴は、感光性樹脂組成物中に、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン(イ)を使用することである。その分子は、ちょうど、かご状に緩く3次元化したオリゴシロキサンの表面にエポキシ基含有有機基が存在している構造をとっているものと考えられる。かご型に緩く3次元化したシリコーンが、樹脂組成物中で柔軟なミクロドメイン構造を形成し、その結果、樹脂組成物自体に柔軟性を与え、基材への接着性が向上する。
【0014】
また、このオルガノポリシロキサンの表面に、エポキシ基含有有機基が、選択的に高濃度で存在するため、このオルガノポリシロキサンは、樹脂組成物中の他の成分と高い相溶性を示し、そのエポキシ基は高い反応性を示す。そのため、現像時に、未露光部の樹脂組成物中のオルガノシロキサンの除去が容易になり、加工後の樹脂組成物より、未反応のオルガノポリシロキサンの不均一化や浸み出しが発生せず、さらに、耐熱性、機械特性等の特性も向上されているものと考えられる。
【0015】
式(1)以外の構造の、エポキシ基含有有機基を有するオルガノポリシロキサンには、直鎖状のポリシロキサンの側鎖又は末端にエポキシ基含有有機基を導入したものが存在する。しかし、このオルガノポリシロキサンは、樹脂組成物中の他の成分との相溶性やエポキシ基の反応性に乏しく、本発明において必須成分(イ)の代わりに使用した場合、得られる樹脂組成物の耐熱性や機械特性は、本発明によるものと比較して著しく劣ったものしか得られない。
【0016】
本発明で用いる式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、以下の条件を満足させるものが好ましい。式(1)中、R1の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トルイル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、クロロメチル基等が挙げられる。
【0017】
式(1)中、R2の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トルイル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、クロロメチル基等が挙げられる。
【0018】
式(1)中、R3のエポキシ基含有有機基としては、例えば、グリシドキシエチル基、グリシドキシプロピル基、グリシドキシブチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル基、3,4−エポキシノルボルネニルエチル基である。
【0019】
式(1)中の、a/cは0〜4の数であり、b/cは0.05〜4の数であり、且つ(a+b)/cは0.2〜4の数である。(a+b)/cが4より大きくなると、樹脂組成物中のオルガノシロキサンのミクロドメインが小さくなりすぎ、柔軟性が発現しない。また、b/cが0.05より小さくなると、オルガノポリシロキサンの反応性が低くなり、良好な樹脂特性が発現しない。
【0020】
本発明に用いる少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するフェノールノボラック(ロ)は、分子中に1個又は2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物とホルムアルデヒドとを、酸性触媒下で縮合して得られる多官能フェノールを用いるのが好ましく、グリシジル基を有するアクリレート又はメタクリレートとを反応させて得られる。
【0021】
光重合しアルカリ現像性に優れた、パターン精度の良い感光性樹脂組成物を得るためには、フェノールノボラックのフェノール性水酸基に対して、30〜70%の比率でグリシジル基を有するアクリレート又はメタクリレートを反応させることが適当である。30%より小さいと光重合が不十分になり、現像時の耐現像性が劣る。また、70%より多いとアルカリ可溶性を示すフェノール性水酸基が不足し、アルカリ現像が劣る。
【0022】
分子中に2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型またはビスフェノールS型等が挙げられる。また、アルキルフェノールノボラックからのノボラックも使用することができるが、その場合のアルキル基は、炭素数が1〜4程度が好ましく、例えばメチル基、エチル基,n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、さらにはアリル基等であり、炭素数がそれ以上の場合は、親油性が増し、アルカリ現像性のために好ましくない。
【0023】
グリシジル基を有するアクリレート又はメタクリレートは、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが反応性、入手の容易さ等により好ましいものである。
【0024】
本発明に用いる希釈剤(ハ)としては、光官能基及び熱官能基を有する多官能モノマーである光重合及び熱反応性モノマーからなり、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有するアクリレート又はメタクリレート化合物が挙げられる。例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ブタンジオールモノアクリレートグリセロールメタクリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、又はグリセロールジメタクリレート等である。
【0026】
また、光官能基及び熱官能基を有する多官能モノマーと光官能基を有する光多官能モノマーとを併用することもできる。
【0027】
本発明において、希釈剤(ハ)の使用量としては、希釈剤に用いるモノマー中に含まれるエポキシ基の当量が、オルガノポリシロキサン(イ)とフェノールノボラック(ロ)との熱硬化反応後、残存するフェノール性水酸基の1〜5倍当量が好ましい。
【0028】
本発明に用いる光重合開始剤(ニ)としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン類、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソンなどのチオキサンソン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノンなどのアルキルアントラキノン類などを挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いられる。この光重合開始剤の添加量は、通常、本発明の樹脂組成物中、0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
【0029】
その他、本発明の樹脂組成物には必要に応じて、保存安定性のために紫外線防止剤、熱重合防止剤、可塑剤、硬化促進剤などが添加できる。また、粘度調整のためにアクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、ビニルモノマーなどを添加してもよい。また、硬化物特性の制御のため、本発明の特長である耐熱性・柔軟性・光加工性を損なわない範囲でエポキシ基を有する成分として、必須成分(イ)、(ハ)以外にエポキシ樹脂も併用することができる。この場合、このエポキシ樹脂と希釈剤(ハ)の使用量は、エポキシ樹脂と希釈剤(ハ)に用いるモノマー中に含まれるエポキシ基の合計の当量が、オルガノポリシロキサン(イ)とフェノールノボラック(ロ)との熱硬化反応後、残存するフェノール性水酸基の1〜5倍当量が好ましい。
【0030】
これらの成分からなる本発明の樹脂組成物は、高解像度でアルカリ水溶液による現像性に優れる。特に、アルカリ水溶液に対する溶解性については、少なくとも1個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するフェノールノボラック(ロ)の、フェノール性水酸基によるものである。そして前述のように、これらの官能基が残存する光硬化物は、耐アルカリ性、耐薬品性、電気特性等の悪いレジストとなるが、本発明の感光性樹脂組成物は、光硬化と、現像後の熱硬化反応が主体の樹脂組成物であり、後熱処理により、オルガノポリシロキサン(イ)及び希釈剤(ハ)の有するグリシジル基が、フェノールノボラック(ロ)の有するフェノール性水酸基と熱硬化反応し、要求諸特性に優れた主骨格を形成するものである。従って、耐熱性等に優れた感光性樹脂組成物の硬化物となる。
【0031】
本発明の感光性樹脂組成物を永久レジスト樹脂組成物として用いる方法は、一般的にプリント配線板上に1〜60μmの厚みで塗布し、60〜100℃、5〜20分間程度の熱処理により、溶剤を除去して固形化またはプレポリマー化し、レジスト層を形成する。また、予めキャリアーフィルム上に塗布し、上記と同様の条件で、プレポリマー化したフィルム状のものを、プリント配線板上に積層してもよい。この配線板に所定のパターンを載置して、高圧水銀灯露光装置を用い照射量100〜400mJ/cm2で露光し、次いで、アルカリ水溶液で現像する。水洗乾燥後、全面に1J/cm2の後露光をして、180℃、60分間熱処理することで永久メッキレジストとする。
【0032】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0033】
(実施例1)
フェノールノボラック(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトTD−2090−60M)の不揮発分70%MEK溶液600g(OH約4当量)を2lのフラスコ中に投入し、これにトリブチルアミン1g、およびハイドロキノン0.2gを添加し、110℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート284g(2モル)を30分間で滴下した後、110℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分約80%メタクリロイル基含有フェノールノボラック(メタクリロイル基変性率50%)Aを得た。 このメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)に、前述の式(1)で表される構造のオルガノポリシロキサン(R1:メチル、R2:メチル、R3:グリシドキシプロピル、a=0.8,b=3.0、c=1.0)11.2g(0.05モル)とメタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製、イルガキュア651)3gと熱硬化促進剤として トリフェニルフォスフィン 0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0034】
この樹脂組成物を、過硫酸ナトリウム溶液で約1μmの深さにソフトエッチ処理を施した2層フレキシブルプリント配線板の銅箔面上に10μmの厚みで塗布し、60℃で20分間熱処理し、レジスト上にカバーフィルムを接触させた。この配線板に所定のパターンを載置して、高圧水銀灯露光装置を用い照射量100mJ/cm2で露光した。次いで、水酸化ナトリウム水溶液により2Kg/m2のスプレー圧で現像した。この際現像残りもなく未露光部のパターンが現像液に溶解除去された。水洗乾燥後、全面に1J/cm2の後露光をして、180℃、60分間熱処理し、フレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作製した。
【0035】
このようにして得られたフレキシブルプリント配線板を、300℃の熱盤上に60秒間置いたが、樹脂層に変化は見られなかった。また、直径3mmの円筒の周囲に保護樹脂層を外側にして巻き付けたが、樹脂の割れ・折れは見られなかった。さらに、この保護樹脂層と銅箔との界面のピール強度を測定したが、780N/m(0.8kgf/cm)と大きなものであった。この保護樹脂層の樹脂を、熱重量測定装置中において、室温より1分間に10度の速度で昇温し、300度での熱重量減少率を測定したところ1.1%であった。
【0036】
(実施例2)
実施例1で得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)、前述の式(1)で表される構造のオルガノポリシロキサン(R2:メチル、R3:グリシドキシプロピル、a=0,b=3.0、c=1.0、エポキシ当量201g/mol)10.5g(0.1モル)とメタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として ベンジルジメチルケタール3gと熱硬化促進剤として トリフェニルフォスフィン0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0037】
この樹脂組成物を、実施例1と同様の方法で加工することにより、フレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作製した。この際も現像時現像残りもなく、未露光部のパターンが現像液に溶解除去された。
【0038】
このようにして得られたフレキシブルプリント配線板を、300℃の熱盤上に60秒間置いたが変化は見られなかった。また、直径3mmの円筒の周囲に保護樹脂層を外側にして巻き付けたが、樹脂の割れ・折れは見られなかった。さらに、この保護樹脂層と銅箔との界面のピール強度を測定したが、880N/m(0.9kgf/cm)と大きなものであった。この樹脂の300度での熱重量減少率は0.9%であった。
【0039】
(実施例3)
ビスフェノ−ルAノボラック(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトLF−4871)の不揮発分約70%メチルエチルケトン溶液685g(OH約4当量)を、2lのフラスコ中に投入し、これにハイドロキノン0.2gとグリシジルメタクリレート284g(2モル)加え、110℃に加温した。その中へ、トリブチルアミン1gを添加した後、110℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分約80%メタクリロイル基含有フェノールノボラック(メタクリロイル基変性率50%)Bを得た。このメタクリロイル基含有フェノールノボラックB48g(0.1モル)に、前述の式(1)で表される構造のオルガノポリシロキサン(R1:メチル、R2:メチル、R3:グリシドキシプロピル、a=0.8,b=3.0、c=1.0、エポキシ当量223g/mol)11.2g(0.05モル)と、メタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として、ベンジルジメチルケタール3gと、熱硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィン0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0040】
この樹脂組成物を、実施例1と同様の方法で加工することにより、フレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作製した。この際も現像時現像残りもなく、未露光部のパターンが現像液に溶解除去された。
【0041】
このようにして得られたフレキシブルプリント配線板を、300℃の熱盤上に60秒間置いたが、樹脂層に変化は見られなかった。また、直径3mmの円筒の周囲に保護樹脂層を外側にして巻き付けたが、樹脂の割れ・折れは見られなかった。さらに、この保護樹脂層と銅箔との界面のピール強度を測定したが、690N/m(0.7kgf/cm)と大きなものであった。この樹脂の300度での熱重量減少率は1.1%であった。
【0042】
(比較例1)
実施例1で得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)に、ビスフェノールAエポキシ(油化シェルエポキシ(株)製、エピコート828)15g(0.08モ
ル)と、メタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として、ベンジルジメチルケタール3gと、熱硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィン 0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0043】
この樹脂組成物を、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作製した。
【0044】
このようにして得られたフレキシブルプリント配線板を、直径3mmの円筒の周囲に保護樹脂層を外側にして巻き付けたところ、樹脂層の割れが観察された。さらに、この保護樹脂層と銅箔との界面のピール強度を測定したが、200N/m(0.2kgf/cm)と非常に小さなものであった。この樹脂の300℃での熱重量減少率は5.4%とも大きなものであった。
【0045】
(比較例2)
実施例1で得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)に、α,ω−ビス(グリシジロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン15g(0.016モル)と、メタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として イベンジルジメチルケタール3gと、熱硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィン 0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0046】
この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作成した。しかし、塗布後の保護樹脂膜は不均一なもので、現像時には現像むらが生じ、硬化後、樹脂層表面に未反応シリコーンエポキシのしみ出しが見られた。
【0047】
(比較例3)
実施例1で得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)に、前述の式(1)で表される構造のオルガノポリシロキサン(R1:メチル、R2:メチル、R3:グリシドキシプロピル、a=0.8,b=4.0、c=1.0、エポキシ当量213g/mol)10.7g(0.05モル)と、メタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として、ベンジルジメチルケタール3gと、熱硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィン 0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0048】
この樹脂組成物を、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作製した。
【0049】
このようにして得られたフレキシブルプリント配線板を、直径3mmの円筒の周囲に保護樹脂層を外側にして巻き付けたところ、樹脂層の割れが観察された。さらに、この保護樹脂層と銅箔との界面のピール強度を測定したが、200N/m(0.2kg/cm)と小さなものであった。
【0050】
(比較例4)
実施例1で得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックA44g(0.1モル)に、前述の式(1)で表される構造のオルガノポリシロキサン(R1:メチル、R2:メチル、R3:グリシドキシプロピル、a=3.0,b=0.01、c=1.0、エポキシ当量30500g/モル)15gと、メタクリル酸グリシジル14.2g(0.1モル)を混合し、光開始剤として ベンジルジメチルケタール3gと、熱硬化促進剤として、トリフェニルフォスフィン 0.2gを添加して、樹脂組成物とした。
【0051】
この樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント配線板上に保護樹脂層を作成した。しかし、塗布後の保護樹脂膜は不均一なもので、現像時には現像むらが生じ、硬化後、樹脂層表面に未反応シリコーンエポキシのしみ出しが見られた。
【0052】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、高解像度で、かつ、アルカリ水溶液による現像が容易であるにもかかわらず、低温での加工で、はんだ付け工程等の300℃前後までの温度にも耐える耐熱性、さらには柔軟性をも備えた半導体パッケージ等への応用が可能なプリント配線板用保護膜を得ることができる。
Claims (4)
- 少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するフェノールノボラック(ロ)が、分子中に1個又は2個のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物とホルムアルデヒドとを、酸性触媒下で縮合して得られる多官能フェノールからなることを特徴とする、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 多官能フェノールのフェノール性水酸基の30〜70%をグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートと反応させたことを特徴とする、請求項2記載の感光性樹脂組成物。
- 少なくとも1個のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するフェノールノボラック(ロ)が、アルキルフェノールノボラックからなることを特徴とする、請求項1記載の感光性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000019347A JP4132533B2 (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 感光性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000019347A JP4132533B2 (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 感光性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001209183A JP2001209183A (ja) | 2001-08-03 |
JP4132533B2 true JP4132533B2 (ja) | 2008-08-13 |
Family
ID=18546058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000019347A Expired - Fee Related JP4132533B2 (ja) | 2000-01-27 | 2000-01-27 | 感光性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4132533B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4651935B2 (ja) * | 2003-12-10 | 2011-03-16 | 東レ・ダウコーニング株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン樹脂組成物、光伝送部材および光伝送部材の製造方法 |
KR101150533B1 (ko) * | 2005-06-30 | 2012-06-04 | 에스케이하이닉스 주식회사 | 하드마스크용 조성물 및 이를 이용한 패턴 형성 방법 |
JP2007293075A (ja) * | 2006-04-26 | 2007-11-08 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 感放射線性樹脂組成物及びその用途 |
WO2008153082A1 (ja) * | 2007-06-12 | 2008-12-18 | Sumitomo Bakelite Company Limited | 樹脂組成物、埋め込み材、絶縁層および半導体装置 |
JP5445005B2 (ja) * | 2009-10-05 | 2014-03-19 | 日立化成株式会社 | エポキシ樹脂組成物、半導体封止充てん用樹脂組成物及び半導体装置 |
JP6375952B2 (ja) | 2013-01-07 | 2018-08-22 | 株式会社ニコン | 組成物、積層体、積層体の製造方法、トランジスタおよびトランジスタの製造方法 |
JP6877202B2 (ja) * | 2016-12-28 | 2021-05-26 | 太陽インキ製造株式会社 | ネガ型光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 |
WO2018123826A1 (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-05 | 太陽インキ製造株式会社 | ネガ型光硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 |
-
2000
- 2000-01-27 JP JP2000019347A patent/JP4132533B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001209183A (ja) | 2001-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1687678A2 (en) | Chemically amplified positive photosensitive thermosetting resin composition method of forming cured article and method of producing functional device | |
CN109073969A (zh) | 固化性树脂组合物、干膜、固化物和印刷电路板 | |
JP2000298352A (ja) | 電子部品用材料およびその使用方法 | |
JP2770252B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物、封止材用エポキシ樹脂組成物、積層板用エポキシ樹脂組成物及びソルダーレジスト用エポキシ樹脂組成物 | |
JP4132533B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
GB2278845A (en) | Resin composition | |
WO2010053207A1 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性接着フィルムおよび受光装置 | |
JP3928620B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2000105457A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
KR100494865B1 (ko) | 후막 포토레지스트층 적층체, 후막 레지스트 패턴의제조방법 및 접속단자의 제조방법 | |
TWI249078B (en) | Photoimageable composition comprising photopolymerizable binder oligomer having tetra-acrylate functionality | |
JP4639505B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2006098606A (ja) | 光導波路用の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、及びその硬化物並びに光・電気混載基板 | |
JP2010155954A (ja) | 硬化性樹脂組成物、これを用いた永久レジスト、プリプレグ、金属張積層板、封止材、感光性フィルム、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板 | |
JP2835539B2 (ja) | 感光性熱硬化性樹脂組成物およびパターン形成方法 | |
TW525039B (en) | Photoimageable composition containing flexible oligomer | |
TW202146505A (zh) | 環氧丙烯酸酯樹脂、鹼可溶性樹脂、含有其的樹脂組成物及其固化物 | |
JP3214297B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2000171973A (ja) | 感光性樹脂組成物及びソルダーレジスト用感光性樹脂組成物 | |
JP2001217528A (ja) | 感光性絶縁樹脂フィルムを用いたソルダーレジストの形成方法 | |
JP2003195499A (ja) | 感光性樹脂組成物及びプリント配線板 | |
JP4753454B2 (ja) | 光熱硬化性樹脂組成物 | |
JP3132331B2 (ja) | 感光性樹脂と感光性樹脂組成物 | |
JP2006343384A (ja) | 感光性樹脂組成物およびソルダーレジスト | |
JP3241452B2 (ja) | 不飽和基含有カルボン酸樹脂組成物およびソルダーレジスト樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060725 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080117 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080417 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080520 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080602 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |