JP4131099B2 - 複列ラジアル玉軸受 - Google Patents

複列ラジアル玉軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP4131099B2
JP4131099B2 JP2001327293A JP2001327293A JP4131099B2 JP 4131099 B2 JP4131099 B2 JP 4131099B2 JP 2001327293 A JP2001327293 A JP 2001327293A JP 2001327293 A JP2001327293 A JP 2001327293A JP 4131099 B2 JP4131099 B2 JP 4131099B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outer ring
raceway
inner ring
ball bearing
double
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001327293A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003130060A5 (ja
JP2003130060A (ja
Inventor
淳太郎 佐原
宏敏 荒牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001327293A priority Critical patent/JP4131099B2/ja
Publication of JP2003130060A publication Critical patent/JP2003130060A/ja
Publication of JP2003130060A5 publication Critical patent/JP2003130060A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4131099B2 publication Critical patent/JP4131099B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/583Details of specific parts of races
    • F16C33/585Details of specific parts of races of raceways, e.g. ribs to guide the rollers

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の複列ラジアル玉軸受の改良に関する。特に、本発明の複列ラジアル玉軸受は、運転中に、荷重や軸の傾斜、振動が加わる様な条件で使用する場合でも、十分な耐久性確保を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に、例えば、図1に示す様な複列ラジアル玉軸受1を使用する。この複列ラジアル玉軸受1は、内周面にアンギュラ型の外輪軌道2、2を複列に形成した外輪3と、それぞれが外周面にアンギュラ型の内輪軌道4を形成した1対の内輪5、5と、上記各外輪軌道2、2とこれら各内輪軌道4、4との間にそれぞれ複数個ずつ、保持器9、9により保持した状態で転動自在に設けられた玉6、6とを備える。そして、図示の様に、上記各内輪5、5の軸方向端面同士を互いに突き合わせた状態で、上記各玉6、6に、図1に鎖線γで示す方向の接触角αを付与している。この様に構成する複列ラジアル玉軸受1により、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する場合には、例えば、上記外輪3を懸架装置を構成するナックルに内嵌固定すると共に、上記各内輪5、5を車輪と共に回転するハブに外嵌固定する。尚、この場合、上記外輪3が使用時にも回転しない固定輪となり、上記各内輪5、5が使用時に回転する回転輪となる。
【0003】
ところで、自動車の運転時に上述の様な複列ラジアル玉軸受1には、ラジアル荷重の他、大きなスラスト荷重やモーメント荷重が負荷される場合がある。一方、この様な場合に、上記複列ラジアル玉軸受1の各構成部材が弾性変形する等により、上記各玉6、6の転動面が上記各軌道2、4の幅方向端縁(これら各軌道2、4の幅方向片側に存在する肩部7、8側の端縁)に乗り上げる可能性がある。そして、この様な乗り上げが生じると、上記各玉6、6の転動面とこれら各軌道2、4との接触部に存在する接触楕円の一部が当該軌道2、4から外れ、エッジロードに基づき、上記各玉6、6の転動面と上記各軌道2、4との接触部の面圧が上昇する。尚、これら各玉6、6の転動面とこれら各軌道2、4との接触部が当該軌道2、4の幅方向端縁にまで達すると、接触部分の形状は楕円ではなくなる(楕円の一部が欠けた形状になる)。但し、本明細書では、説明の便宜上、接触楕円の一部が軌道から外れた場合でも「接触楕円」の語を用いる。
【0004】
又、上述した様なエッジロードに基づく面圧上昇は、上記接触楕円の一部が当該軌道2、4から外れる割合(=当該一部の面積/当該一部を含む接触楕円全体の面積。以下、「玉の乗り上げ率」と言う。)が大きくなる程、大きくなる。この様な面圧上昇は、上記複列ラジアル玉軸受1の転がり疲れ寿命を低下させる原因となる為、実際の設計を行なう場合には、運転時の負荷荷重条件を考慮して、運転時に上記外輪3と上記各内輪5、5とに就いての上記各玉6、6の乗り上げ率がそれぞれ大きくなり過ぎない様に(例えば数%程度に抑えられる様に)している。又、上記外輪3と上記各内輪5、5とで、運転時の上記各玉6、6の乗り上げ率が互いにほぼ等しくなる様にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な複列ラジアル玉軸受1の場合、例えば自動車のタイヤが縁石等に勢い良く乗り上げた際に、上記各玉6、6の乗り上げ率が、設計上予定していた値よりも大きくなる可能性がある。そして、この事が原因となって、固定輪である外輪3の内周面に形成した外輪軌道2に早期に剥離が生じ、上記複列ラジアル玉軸受1の寿命が計算値よりも短くなると言った不都合を生じる場合がある。この為、この様な不都合を防止する技術の提供が望まれている。
【0006】
図2は、ラジアル玉軸受の転がり疲れ寿命(回転輪又は固定輪の寿命)と、運転時の玉の乗り上げ率との関係を調べる為に行なった実験の結果を示している。実験では、試料となるラジアル玉軸受として、外輪と内輪とで運転時の玉の乗り上げ率(計算値)が互いにほぼ等しく、且つ、玉の乗り上げが生じない前提での転がり疲れ寿命(計算値)が内輪に比べて外輪の方が長い、アンギュラ型のラジアル玉軸受を使用した。そして、この様なラジアル玉軸受を、外輪固定・内輪回転で、且つ、外輪と内輪とにそれぞれ玉の乗り上げが生じる状態で運転した。尚、この為に運転中、上記ラジアル玉軸受に、ラジアル荷重やモーメント荷重等の不等分布荷重を負荷した。尚、運転時の玉の乗り上げ率は、試料となる39個のラジアル玉軸受毎に少しずつ変えた。そして、これら各ラジアル玉軸受が寿命に達する(即ち、外輪と内輪とのうちの何れか一方の軌道輪の軌道面に剥離が生じる事に基づき、当該ラジアル玉軸受の振動又は温度が著しく上昇する)までの時間を測定すると共に、外輪と内輪とのうちの何れの軌道輪の軌道面に剥離が生じたかを調べた。
【0007】
実験の結果、図2に示す様に、玉の乗り上げが生じない前提での寿命の計算値が内輪に比べて外輪の方が長いにも拘らず、試料として用いた39個のラジアル玉軸受のうち、大半(30個)のラジアル玉軸受が、回転輪である内輪の軌道面(内輪軌道)よりも先に固定輪である外輪の軌道面(外輪軌道)に剥離を生じた。尚、一般的に、運転時にラジアル荷重やモーメント荷重等の不等分布荷重を受けるラジアル玉軸受の場合、回転輪よりも固定輪の方が軌道面に剥離を生じやすい。この理由は、回転輪の場合には、運転時に負荷圏が軌道面の円周方向に移動するのに対し、固定輪の場合には、運転時に負荷圏が軌道面の円周方向に移動せず、軌道面の同一個所で常に大きな繰り返し応力を受ける為である。
【0008】
又、図2に示した実験結果から明らかな通り、運転時の玉の乗り上げ率が大きくなる程、回転輪である内輪の軌道面よりも先に固定輪である外輪の軌道面に剥離が生じ易くなり、且つ、ラジアル玉軸受の相対寿命比(特定の試料の寿命を1としてそれに対する比率で表した、寿命を表す値)が小さくなる事が分かる。そこで、この様な実験結果を分析すると、固定輪である外輪に就いて運転時の玉の乗り上げ率が小さくなる様にすれば、この外輪の軌道面に剥離を生じにくくでき、ラジアル玉軸受全体としての寿命の延長を図れる事が分かる。
【0009】
尚、上述の様に運転時の玉の乗り上げ率を小さくする方法、即ち、軌道の幅方向端縁に玉の転動面が乗り上がりにくくする方法としては、当該軌道の曲率半径を大きくして、当該軌道と上記玉の転動面との接触部に存在する接触楕円の面積を小さくする方法と、当該軌道の幅方向側方に存在する肩部の高さを高くする方法とがある。このうち、軌道の曲率半径を大きくする方法は、この軌道の曲率半径を大きくする事に伴って接触部の面圧が上昇する為、転がり疲れ寿命を確保する観点から採用するのが難しい場合がある。又、肩部の高さを高くする方法は、この肩部と保持器9(図1参照)等の他の部材との干渉防止を図る為、制限を受ける場合がある。従って、軌道の幅方向端縁に玉の転動面を乗り上がりにくくさせる設計は、当該軌道の曲率半径と上記肩部の高さとの双方の値を調整しつつ、行なう必要がある。一方、上述の様な場合に、固定輪である外輪と同じ分だけ、回転輪である内輪に就いても運転時の玉の乗り上げ率を小さくすれば、この内輪の寿命も延長する可能性がある。但し、現状のままで十分な寿命を有する、回転輪である内輪の寿命を更に延長すベく、玉の乗り上げ率を小さくしても、この回転輪が過剰品質となるだけでなく、接触部の面圧が上昇して、かえって別の面から寿命を短くしたり(内輪軌道の曲率半径を大きくした場合)、肩部と保持器とが干渉する(肩部の高さを大きくした場合)等の問題が生じる為、好ましくない。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、玉の転動面と各軌道との接触部の面圧上昇を抑えたり、肩部と、保持器等他の部材との干渉を防止しながら、固定輪である外輪と回転輪である内輪との軌道面の曲率半径及び肩部の高さを調節する事により、これら外輪内輪との寿命のバランスを取りつつ、複列ラジアル玉軸受全体としての寿命の延長を図るべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の複列ラジアル玉軸受は、前述の図1に示した複列ラジアル玉軸受1と同様、内周面にアンギュラ型の外輪軌道を複列に形成した外輪と、それぞれの外周面にアンギュラ型の内輪軌道を形成した1対の内輪と、上記各外輪軌道とこれら各内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数個の玉とを備える。そして、上記外輪が使用時にも回転しない固定輪であり、上記両内輪が使用時に回転する回転輪である。
特に、本発明の複列ラジアル玉軸受に於いては、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用し、上記複列に配置された上記各玉に背面組み合わせ型の接触角を付与している。そして、上記各外輪軌道の曲率半径をro とし、上記各内輪軌道の曲率半径を i とし、上記各玉の直径をDとし、これら各玉の転動面と上記外輪、内輪各軌道との接触角をαとし、上記各外輪軌道の幅方向側方に設けられた肩部の、当該軌道の溝底からの径方向高さをHo とし、上記各内輪軌道の幅方向側方に設けられた肩部の、当該軌道の溝底からの径方向高さをHi とした場合に、次の(1)、(2)の条件を満たす。
(1)上記各外輪軌道の曲率半径ro 及び上記各内輪軌道の曲率半径ri と上記各玉の直径Dとの比(ro /D)、(ri /D)が、それぞれ(ro /D)=0.51〜0.54、及び、(ri /D)=0.51〜0.54の範囲内にあり、且つ、(ro /D)>(ri /D)の関係を満たす。
(2) o が、H i よりも小さく、且つ、式「H o =(1.07〜1.15)×r o (1− cos (α+ sin -1 (r i sin cos -1 (1−H i /r i )−α)×(−7.215(r o /r i )+8.187)/r o )))」を満たす範囲内にある。
【0012】
【作用】
上述の様に構成する本発明の複列ラジアル玉軸受によれば、運転時の玉の乗り上げ率が回転輪である内輪に比べて固定輪である外輪の方で小さくなり、外輪軌道に早期に剥離が生じる事を防止できる。この結果、外輪内輪との寿命のバランスを取りつつ、複列ラジアル玉軸受全体としての寿命の延長を図れる。
【0013】
尚、複列ラジアル玉軸受を構成する外輪軌道と内輪軌道とのうちの内輪軌道は、円周方向に関して凸に湾曲している為、この内輪軌道と玉の転動面との接触部に存在する接触楕円の面積が(円周方向に存在する短径が短くなる為)小さくなり易い。この為、接触部の面圧上昇を抑えるべく、上記内輪軌道の曲率半径を玉の転動面の曲率半径に近付けて小さくし、上記接触楕円の面積を十分に確保する必要がある。ところが、この様に内輪軌道の曲率半径を小さくすると、上記接触楕円の(円周方向に対し直角方向に存在する)長径(この内輪軌道の幅方向に関する幅)が大きくなる為、この内輪軌道の幅方向端縁に上記玉の転動面が乗り上げ易くなる。
【0014】
これに対して、上記外輪軌道は、円周方向に関して凹に湾曲している為、この外輪軌道と玉の転動面との接触部に存在する接触楕円の(円周方向に存在する短径が長くなる為)面積を確保し易い。この為、この外輪軌道の曲率半径を多少大きくしても、接触部の面圧上昇を抑える事ができる。この様に外輪軌道の場合には、その曲率半径を上記内輪軌道の曲率半径に比べて大きくできる為、上記接触楕円の長半径(上記外輪軌道の幅方向に関する幅)が小さくなり、この外輪軌道の幅方向端縁に玉の転動面が乗り上がりにくくなる。
【0015】
外輪固定・内輪回転で使用される複列ラジアル玉軸受の場合には、内輪軌道の幅方向端縁よりも、外輪軌道の幅方向端縁に玉の転動面が乗り上がりにくくする。そして、この為に、外輪軌道の幅方向側方に設けられた肩部の高さを高くするが、上述した様に外輪軌道の幅方向端縁には、玉の転動面が乗り上がりにくくなっている。この為、上記内輪軌道の幅方向端縁よりも、上記外輪軌道の幅方向端縁に玉の転動面が乗り上がりにくくする場合には、上記肩部の高さを少しだけ高くすれば良い。従って、この肩部と保持器等の他の部材との干渉防止を考慮する必要がある場合でも、この肩部の高さを所望通りに高くし易い。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例に就いて説明する。本実施例では、前述の図1に示した複列ラジアル玉軸受1に本発明を適用し、各玉6、6と各軌道2、4との接触部の面圧上昇を抑えながら、内輪軌道の幅方向片側に設けた肩部の高さと、外輪軌道の幅方向片側に設けた肩部の高さとを調節する。これにより、運転時に上記各玉6、6が、上記内輪軌道の幅方向片側の端縁よりも上記外輪軌道の幅方向片側の端縁に乗り上がりにくい構造とする。そして、固定輪である外輪と回転輪である内輪との寿命を互いにほぼ等しくしつつ、上記複列ラジアル玉軸受1全体としての寿命の延長を図る。以下の実施例は、上述の図1に加えて、図3〜を参照しつつ説明する。
【0017】
本例は、上記図1に示した複列ラジアル玉軸受1を構成する各内輪5、5が使用時に回転する回転輪であり、外輪3が使用時にも回転しない固定輪である場合の実施例である。
本例では、上記玉6の直径D(図5)が9.5〜12.7mmの範囲にあり、玉列のピッチ円直径が44〜64.5mmの範囲にあり、外輪、内輪各軌道2、4と上記玉6の転動面との接触角α(図5)が40度であり、上記外輪軌道2の曲率半径ro (図3、6)及び上記内輪軌道4の曲率半径ri (図4、6)と上記玉6の直径Dとの比が、それぞれ(ro /D)=0.51〜0.54、(ri /D)=0.51〜0.54の範囲にある複列ラジアル玉軸受1を対象とする。
【0018】
この様な複列ラジアル玉軸受1の場合、上記外輪軌道2と上記玉6の転動面との接触部に存在する接触楕円(以下「外輪側の接触楕円」と言う。)の長軸方向の半径(以下「長半径」と言う。)をao (図5)とし、上記内輪軌道4と上記玉6の転動面との接触部に存在する接触楕円(以下「内輪側の接触楕円」と言う。)の長半径をai (図5)とした場合に、これら各長半径ao 、ai 同士の比(ao /ai )と、上記外輪、内輪各軌道2、4の曲率半径ro 、ri 同士の比(ro /ri )との間には、図7に示す様な直線関係(比例関係)、即ち、次の(1)式で表される関係が成立する。
(ao /ai )=−7.215(ro /ri )+8.187
−−−−−(1)
尚、上記各長半径ao 、ai の具体的数値は、玉軸受の技術分野で周知である、ヘルツの接触理論により求める事ができる。
【0019】
一方、内輪側の肩部8の高さ(上記内輪軌道4の溝底から、荷重を負荷可能な部分の端である、この肩部8の端縁までの径方向高さ)をHi (図4、6)とすると、上記内輪軌道4の曲率中心O4 を中心とする、この内輪軌道4の溝底と上記肩部8の端縁との間の角度θHi(図6)は、
θHi=cos -1(1−Hi /ri ) −−−−−(2)
となる。
又、上記外輪、内輪各軌道2、4と上記玉6の転動面との接触角はαであるから、上記内輪側の接触楕円の許容長半径(=上記玉6の転動面が内輪側の肩部8の端縁に乗り上げない範囲での、当該接触楕円の長半径ai の最大値)ai lim は、
i lim =ri ・sin (θHi−α) −−−−−(3)
となる。
【0020】
一方、上記内輪側の接触楕円の長半径ai が上記許容長半径ai lim である場合の、前記外輪側の接触楕円の長半径ao (この場合のao をao ilimとする)は、前記(1)式より、
o ilim=ai lim {−7.215(ro /ri )+8.187}
−−−−−(4)
となる。
【0021】
そして、この(4)式で表される長半径ao ilimが、上記外輪側の接触楕円の許容長半径(=上記玉6の転動面が外輪側の肩部7の端縁に乗り上げない範囲での、当該接触楕円の長半径ao の最大値)となる場合の、外輪側の肩部7の高さ(上記外輪軌道2の溝底からこの肩部7の端縁までの径方向高さ)Ho (図3、6。尚、この場合のHo を必要最低高さHo min とする)は、
o min =ro (1−cos θHo) −−−−−(5)
となる。尚、この(5)式の右辺中のθHoは、図6に示す様に、上記外輪軌道2の曲率中心O2 を中心とする、この外輪軌道2の溝底と上記肩部7の端縁との間の角度であり、
θHo=α+sin-1 ( ao ilim/ro ) −−−−−(6)
で表される。
【0022】
ここで、上記(5)式に、上記(2)〜(4)及び(6)式を代入すると、上記外輪側の肩部7の必要最低高さHo min は、
o min =ro (1−cos (α+sin -1(ri ・sin (cos-1 (1−Hi /ri )−α)×(−7.215(ro /ri )+8.187)/ro )))
−−−−−(7)
と表されるが、この(7)式を、(ro /D)=0.51〜0.54、(ri /D)=0.51〜0.54の範囲にある、諸元の異なる幾つかの複列ラジアル玉軸受1に就いて計算すると、図8に示す様な結果が得られ、この結果に示す直線関係(比例関係)から、次の近似式が得られる。
o min =Hi {−6.131(ro /ri )+7.105}
−−−−−(8)
【0023】
そこで、本実施例では、回転輪である内輪5の肩部8の高さをHi とした場合に、固定輪である外輪3の肩部7の高さHo を上記必要最低高さHo min よりも大きくする(Ho >Ho min )事により、運転時に複数個の玉6、6が、上記回転輪である内輪5の肩部8の端縁よりも上記固定輪である外輪3の肩部7の端縁に乗り上げにくい構造として、上記複列ラジアル玉軸受1の長寿命化を図る。例えば、Ho =(1.07〜1.15)×Ho min とすれば、上記複列ラジアル玉軸受1の長寿命化を図れると共に、上記外輪軌道2と上記内輪軌道4との実際の転がり疲れ寿命を互いにほぼ等しくできる(バランスの良い設計を行なえる)。
【0024】
上述の計算に基づいて設計を行なった複列ラジアル玉軸受1の6例(軸受a〜f)を、以下の表1に示す。
【表1】
Figure 0004131099
尚、これら各軸受a〜fとも、外輪、内輪各軌道2、4の曲率半径ro 、ri と玉6の直径Dとの比を、(ro /D)=0.53、(ri /D)=0.5175とし、接触角αを(前述した通り)40度とした。尚、上記内輪軌道4は、円周方向に関して凸に湾曲している為、この内輪軌道4と上記玉6の転動面との接触部に存在する接触楕円の面積が小さくなり易い。この為、当該接触部の面圧上昇を抑えるべく、上述の様に内輪側の比(ri /D)を、外輪側の比(ro /D)に比べて小さくした。一方、この様に比(ri /D)を小さくした分、上記接触楕円の長径(この内輪軌道4の幅方向に関する幅)が長くなり、この接触楕円の一部が上記内輪軌道4から外れ易くなる為、これを有効に防止すべく、回転輪である内輪5の肩部8の高さHi は、上記玉6の直径Dの42%(Hi =0.42×D)とした。又、固定輪である外輪3の肩部7の高さHo は、Ho ≒1.1×Ho min とした。
この結果、上述した各軸受a〜fとも、本発明による肩部の寸法規制を行なう前に比べて、軸受全体の転がり疲れ寿命を1.5〜3倍程度伸ばす事ができた。
【0025】
【発明の効果】
本発明の複列ラジアル玉軸受は、以上に述べた通り構成され作用するので、固定輪である外輪と回転輪である内輪との寿命のバランスを取りつつ、複列ラジアル玉軸受全体としての寿命の延長を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複列ラジアル玉軸受の1例である、アンギュラ型の複列ラジアル玉軸受の半部断面図。
【図2】 運転時の玉の乗り上げ率が回転輪と固定輪とで等しいラジアル玉軸受の耐久試験の結果を示す図。
【図3】 アンギュラ型の複列ラジアル玉軸受を構成する外輪の半部断面図。
【図4】 同じく、1対の内輪の半部側面図。
【図5】 接触角αと、接触楕円の長半径ai 、ao とを表した図。
【図6】 軌道の曲率半径ri 、ro と、肩部の高さHi 、Ho と、軌道の溝底と肩部の端縁との間の角度θHi、θHoとを表した図。
【図7】 外輪、内輪両軌道の曲率半径同士の比(ro /ri )と外輪側、内輪側両接触楕円の長半径同士の比(ao /ai )との関係を示すグラフ。
【図8】 外輪、内輪両軌道の曲率半径同士の比(ro /ri )と、外輪側の肩部の必要最低高さと内輪側の肩部の高さとの比(Ho min /Hi )との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 複列ラジアル玉軸受
2 外輪軌道
3 外輪
4 内輪軌道
5 内輪
6 玉
7 肩部
8 肩部
9 保持器

Claims (1)

  1. 内周面にアンギュラ型の外輪軌道を複列に形成した外輪と、それぞれの外周面にアンギュラ型の内輪軌道を形成した1対の内輪と、上記各外輪軌道とこれら各内輪軌道との間にそれぞれ転動自在に設けられた複数個の玉とを備え、上記外輪が使用時にも回転しない固定輪であり、上記両内輪が使用時に回転する回転輪である複列ラジアル玉軸受に於いて、この複列ラジアル玉軸受が、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものであり、上記複列に配置された上記各玉には背面組み合わせ型の接触角が付与されており、上記各外輪軌道の曲率半径をro とし、上記各内輪軌道の曲率半径を i とし、上記各玉の直径をDとし、これら各玉の転動面と上記外輪、内輪各軌道との接触角をαとし、上記各外輪軌道の幅方向側方に設けられた肩部の、当該軌道の溝底からの径方向高さをHo とし、上記各内輪軌道の幅方向側方に設けられた肩部の、当該軌道の溝底からの径方向高さをHi とした場合に、
    (1)上記各外輪軌道の曲率半径ro 及び上記各内輪軌道の曲率半径ri と上記各玉の直径Dとの比(ro /D)、(ri /D)が、それぞれ(ro /D)=0.51〜0.54、及び、(ri /D)=0.51〜0.54の範囲内にあり、且つ、(ro /D)>(ri /D)の関係を満たし、
    (2) o が、H i よりも小さく、且つ、式「H o =(1.07〜1.15)×r o (1− cos (α+ sin -1 (r i sin cos -1 (1−H i /r i )−α)×(−7.215(r o /r i )+8.187)/r o )))」を満たす範囲内にある、事を特徴とする複列ラジアル玉軸受。
JP2001327293A 2001-10-25 2001-10-25 複列ラジアル玉軸受 Expired - Fee Related JP4131099B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327293A JP4131099B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 複列ラジアル玉軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001327293A JP4131099B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 複列ラジアル玉軸受

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003130060A JP2003130060A (ja) 2003-05-08
JP2003130060A5 JP2003130060A5 (ja) 2005-05-19
JP4131099B2 true JP4131099B2 (ja) 2008-08-13

Family

ID=19143544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001327293A Expired - Fee Related JP4131099B2 (ja) 2001-10-25 2001-10-25 複列ラジアル玉軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4131099B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1722115B1 (en) 2005-05-12 2015-10-07 NTN Corporation Wheel support bearing assembly
JP5166755B2 (ja) * 2007-04-04 2013-03-21 Ntn株式会社 車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置
DE112008000830T5 (de) 2007-04-04 2010-02-18 Ntn Corporation Radlager und Radlagervorrichtung mit dem Radlager
JP5097479B2 (ja) * 2007-08-29 2012-12-12 Ntn株式会社 車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置
JP6376212B2 (ja) * 2014-02-27 2018-08-22 日本精工株式会社 アンギュラ玉軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003130060A (ja) 2003-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100554005C (zh) 轮毂和接头单元
US8167501B2 (en) Separator for bearing assemblies with cyclic loads
CN102171469A (zh) 小齿轮轴用旋转支承装置
US8376625B2 (en) Rolling bearing unit for wheel support
JP4131099B2 (ja) 複列ラジアル玉軸受
JPH11303882A (ja) 等速ジョイント
CA2153199C (en) Ball bearing block having self-contained bearings
KR102311257B1 (ko) 하중 가변형 구름 베어링 및 하중 가변형 구름 베어링용 전동체
JP4067191B2 (ja) 等速ジョイント及び等速ジョイント付転がり軸受ユニット
JP2012202453A (ja) 自動調心ころ軸受
JP3905283B2 (ja) 回転軸支持構造
JP4225006B2 (ja) 車輪用複列アンギュラ型玉軸受
JP2000161368A (ja) ホイール用軸受
JP2003049848A (ja) プーリ支持用玉軸受
JP2007177858A (ja) 玉軸受および玉軸受アセンブリ
CN113767227A (zh) 大型滚动轴承
JP3892213B2 (ja) 4点接触玉軸受
JP2001090736A5 (ja)
CN206812794U (zh) 汽车传动轴中间支承结构
JP2600054Y2 (ja) ミニチュア玉軸受用冠形合成樹脂製保持器
JP2002120508A (ja) 自動車用ハブユニット
US4035043A (en) Side race ball bearing
JP2001082462A (ja) 複列玉軸受
JP2000158905A (ja) ホイール用軸受
JP2000038003A (ja) 車輪用転がり軸受ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040709

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080212

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080411

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080430

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080513

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4131099

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees