JP4130617B2 - 動画像符号化方法および動画像符号化装置 - Google Patents

動画像符号化方法および動画像符号化装置 Download PDF

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Description

本発明は、画素ブロック毎に複数の符号化モードから適応的に1つのモードを選択することが可能な動画像符号化方法に関する。
複数の予測モードや、複数のブロック形状を持つ予測符号化を用いた動画像符号化方法が、ITU−TとISO/IECとの組み合わせにより、ITU−T Rec.H.264及びISO/IEC 14496−10として審議されている(以下、H.264)。
H.264のフレーム内予測符号化では、予測ブロック毎に、4×4の予測ブロックと16×16の予測ブロックの形状が選択可能であり、また、複数の予測モードから予測することが可能になっている。従来の符号化方式であるMPEG−1、MPEG−2、MPEG−4のフレーム内予測符号化では、選べる予測モードが少なかったが、H.264では予測ブロック形状が16×16画素ブロック、4×4画素ブロックのように小ブロック化されており、豊富な予測モードの中から画像の特徴に応じて最適な符号化モードを選択することが可能となっている。
フレーム間予測符号化においては、従来は8×8画素ブロックサイズ以上の予測が用いられていたが、H.264では4×4画素ブロックサイズでの予測が可能で、さらに既に符号化された複数枚の参照画像からの動き補償により、従来方法よりも高精度な予測が可能となっている。このように、ブロック毎に選択可能な予測モードの数を増やし、より予測効率の高い符号化モードを選択することで、符号化効率の向上が図られている。
また、発生符号量を拘束条件として、ラグランジュ未定乗数法を用いて符号化制御を行う符号量−符号化歪み最適化方法が提案されている。これは、実際に符号化して得られる発生符号量と、符号化歪み(例えば、原画像とローカルデコード画像の二乗誤差、平均二乗誤差等)から、符号化効率の最も高い符号化モードを選択する方法である。しかし、この方法の問題点として、符号化モード数及びブロック形状数が増大すると、モードの取り得る組み合わせの数だけ繰り返し符号化する必要が生じるため、実計算時間が増大する。
また、ラグランジュ未定乗数を用いた動画像符号化方法が提案されている(文献1)。この方法によると、フレーム間予測符号化において、動きベクトル情報を用い、符号化対象ブロックに関して他フレームからの参照の多少を被参照度として被参照度テーブルを作成する。この被参照度テーブルに符号量割り当てを決定する際、被参照度とラグランジュ未定乗数を1対1に対応させる。与えられた未定乗数からラグランジュコストを求めて繰り返し符号化を行う。この方法は未定乗数を被参照度を用いて決定し、発生符号量と符号化歪みは実測するために演算量が増加し、H.264のように予測モード、或いはブロック形状が増加した場合に対して高速化が図られていない。
また、雑音によって生じる画像データの劣化を抑制するために、1フレームに対する符号量が一定になるように、ブロック毎に量子化ステップを決定し、対象ブロックにおける発生符号量と符号化歪みを直前までに符号化されたデータから推定し、推定された発生符号量と符号化歪みの和が小さい予測モードを選択する動画像符号化方法が提案されている(文献2)。この方法はフレーム間予測符号化とフレーム内予測符号化のモード判定を考慮しているため、ある符号化モードに複数の予測モードが取りえた場合を考慮しておらず、符号化モードに対する推定値が予測モードにより変動しないため、符号化効率への改善が図られていない。
特開2001−320712公報 特開2002−218467公報
上述したように、ブロック毎に様々な符号化モードを選択することが可能な動画像符号化方法において、最適な符号化モードを選択するためには、予測モードの種類の増加に伴い、発生符号量や符号化歪みを得るための演算量が増大するという問題がある。また、目標符号量が小さくなればなるほど、隣り合うブロック間の画質特性の違いが顕在化し、主観画質が低下するという問題がある。
本発明では、複数の画素ブロックに対応する予測モード毎に、実際に符号化したときの発生符号量と符号化歪みを推定パラメータを用いて推定することにより、符号化効率を落とさずに、演算量の増大を抑えて、より高速な動画像符号化方法を提供することを目的とする。さらに、コスト関数に隣接ブロックとの誤差を減少させる関数を導入し、ブロック間の予測特性の違いによる画質劣化を低減し、主観画質を向上する。
本発明の第1局面は、入力画像信号を複数の画素ブロックに分割し、画素ブロック毎に複数の符号化モードから1つのモードを選択して、前記選択された符号化モードで、前記画素ブロック毎に符号化を行う動画像符号化方法において、画素ブロック毎及び符号化モード毎に異なる推定パラメータを生成し、該推定パラメータを用いて前記入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みを推定し、前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて、最適符号化モードを決定することを特徴とする動画像符号化方法を提供する。
本発明の第2局面は、画素ブロック毎及び符号化モード毎に異なる推定パラメータを生成する手段と、該推定パラメータを用いて入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みを推定する手段と、前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて、複数の符号化モードから最適符号化モードを決定する手段と、前記最適符号化モードで前記画素ブロック毎に符号化を行う手段とを具備することを特徴とする動画像符号化装置を提供する。
本発明によれば、発生符号量Rと符号化歪みDを予測モード毎に異なる推定パラメータを用いて計算し、また、階層的な予測モード判定、或いは隣接画素の符号化歪みを考慮したモード判定を行うことにより、画質劣化を抑えつつ、モード判定に必要な演算量を大幅に減少させることが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係わる動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。
図1によると、動画像信号は符号化部114に入力される。この符号化部114の減算器101は入力信号を直交変換する直交変換部(例えば離散コサイン変換器)102および直交変換係数(DCT係数)を量子化する量子化部103を介して可変長符号化部111に接続される。量子化部103の出力端は局部復号器を構成する逆量子化部104、逆直交変換部105,加算器106を介してフレームメモリ107に接続される。フレームメモリ107の出力端は後述するフレーム間予測部108およびフレーム内予測部109の入力端に接続される。フレーム間予測部108およびフレーム内予測部109の出力端は後述するMB(マクロブロック)予測モード選択部115に接続される。このMB予測モード選択部115の出力端は減算器101および加算器106に夫々接続される。
可変長符号化部111の出力端は多重化部112を介して出力バッファ113に接続される。符号化制御部110は符号化部114を制御するために設けられている。
上記構成において、入力動画像信号は,複数の画素ブロックに分割され、画素ブロック毎にフレーム内予測部109及びフレーム間予測部108に入力される。フレーム内予測部109或いはフレーム間予測部108では、フレームメモリ107に記録された参照フレームを用いて、複数の予測モードの中から最適な予測モードが選択され、選ばれた予測モードを用いて予測画素信号が生成される。予測画素信号に基づいてMB予測モード選択部115により最適な予測モードが選択される。即ち、フレーム内予測部109により選択された最適予測モードにより生成された予測画素信号とフレーム間予測部108により選択された最適予測モードにより生成された予測画像信号に基づいてMB予測モード選択部115はフレーム間予測モードおよびフレーム内予測モードの一方の最適な予測モードを選択する。選択された予測モードに対応する予測画素信号が減算器101に入力される。減算器101により予測画素信号と入力画像信号との予測残差信号が計算される。この予測残差信号は直交変換部102に入力され、直交変換(例えばDCT変換)される。
直交変換係数は量子化部103により量子化され、量子化された直交変換係数は、MB予測モード選択部115から出力される予測モード情報、量子化係数等の予測方法に関する情報とともに、可変長符号化部111により可変長符号化される。これらの符号化データは多重化部112によりの多重化され、出力バッファ113を通して符号化データとして出力される。
また、量子化された直交変換係数は、逆量子化部104および逆直交変換部105を介して局部復号される。局部復号信号、即ち復号予測残差信号は加算器106において予測信号と加算されて、参照フレームとしてフレームメモリ107へと保存される。
符号化制御部110は発生符号量のフィードバック制御及び量子化特性制御などを行い、発生符号量の制御を行うレート制御や、予測部の制御、符号化全体の制御を行う。
図2から図6を用いて、具体的な予測モードの説明を行う。
本実施形態の予測符号化では、マクロブロック毎に複数のブロック形状があり、それぞれ予測モードを持っている。例えばH.264などのフレーム内予測における輝度信号では、16個の4×4画素ブロックを持つマクロブロックと、1個の16×16画素ブロックを持つマクロブロックとの2通りが提案されている。4×4画素ブロックには9つの予測モードがあり、16×16画素ブロックには4つの予測モードがある。
図5にH.264のフレーム内予測に用いられるマクロブロックのブロック形状が示されている。H.264などでは、符号化対象フレームを16個の16×16画素のマクロブロックに分割し、さらにフレーム内予測ではマクロブロックを16個の4×4画素ブロックへと分割する。4×4画素ブロックの場合、フレーム内予測は4×4予測が順次16回行われる。
図6はH.264のフレーム内予測の4×4画素ブロックにおける全予測モード、即ち垂直予測モード、水平予測モード、DC予測モード、直交左下予測モード、直交右下予測モード、垂直右予測モード、水平下予測モード、垂直左予測モードおよび水平上予測モードを示している。記号A〜Mは既に符号化されている参照画素信号である。例えば、垂直予測モードは垂直方向に沿ってそれぞれ参照画素A,B,C,Dから予測する。DC予測モードは参照画素A〜DとJ〜Mまでの平均値を求め、この平均値により4×4ブロックの全画素が予測される。
図2は図1のフレーム内予測部109の構成を示している。これによると、図1のフレームメモリ107から得られる参照画像信号205は、ブロック形状制御部201にて各画素ブロックで利用される形状に分割或いは整列される。画素ブロック形状に応じて画素ブロックフレーム内予測部211内の4×4ブロックフレーム内予測部202および16×16ブロックフレーム内予測部203によってフレーム内予測モード及び各画素ブロック形状でのブロックフレーム内予測モードが選択される。
ブロック内予測モード決定部204は画素ブロックフレーム内予測部202,203で得られる複数の予測モードの中からモード判定(例えば、復号画素信号と入力画像信号の二乗誤差の小さい予測モードの選択)を行う。即ち、ブロック内予測モード決定部204は最適予測モードを判定し、予測画素信号207、復号画素信号208、直交変換係数209、量子化パラメータ210、予測モード情報212を出力する。ブロック内予測モード決定部204は、上述したモード判定の代わりに後述する推定パラメータを用いたモード判定を用いても良いし、発生符号量と符号化歪みの実測値を用いたモード判定を行っても良い。
図3および図4は4×4ブロックフレーム内予測部202と16×16ブロックフレーム内予測部203を示している。図2のブロック形状制御部201にて4×4画素ブロックが選択されたときに、図3の4×4予測部301へ参照画素信号205が入力される。4×4予測部301は予測画素信号309を予測モード決定部304に入力すると、予測モード決定部304は選択された画素ブロックの最適予測モードを決定する。
即ち、このとき、予測画素信号309は減算器310により入力画像信号206から減算され、予測残差信号311が生成される。予測残差信号311は符号量推定部302および符号化歪み推定部303に送られる。符号量推定部302は、予測モード319と量子化パラメータ320及び予測残差信号311を用いて、発生符号量推定値R^(312)を計算する。同様に符号化歪み推定部303は予測モード319と予測画素信号309を用いて復号画素信号318と入力画像信号206の符号化歪み推定値D^(313)を計算する。推定発生符号量R^および推定符号化歪みD^を用いて予測モード決定部304はラグランジュ未定乗数法に従って各予測モードのコストを計算し、コストが最小となる予測モードを最適予測モードとして選択し、予測モード情報319を出力する。更に、予測モード決定部304は予測画素信号321および量子化パラメータ320を選択し出力する。
予測画素信号321は減算器314より入力画像信号から減算されて予測残差信号315が生成される。予測残差信号315は直交変換部305及び量子化部306によって直交変換され、量子化される。量子化データは逆量子化部307及び逆直交変換部308を介して加算器316に入力され、予測画素信号321と加算される。これにより、復号画素信号318が生成される。この復号画素信号318は次の4×4ブロックの参照画素信号として利用される。
予測残差信号315の計算は冗長であるため、推定部302,303に入力される予測残差信号を保存しておき、直交変換部305へと直接入力してもよい。マクロブロック内の4×4画素ブロック、即ち16個のブロックについて、それぞれ上記のモード判定処理を順次行う。4×4画素ブロックの予測モードはマクロブロックの4×4予測組み合わせ候補となりブロック内予測モード決定部204へと入力される。
図4の16×16ブロックフレーム内予測部203では、図2のブロック形状制御部201にて16×16画素ブロックが選択されたときに、16×16ブロック予測部401へ参照画素信号205が入力される。16×16ブロック予測部401は参照画像信号205を参照して予測画素信号409を生成する。予測画素信号409が16×16ブロック予測モード決定部404に入力されると、16×16ブロック予測モード決定部404は選択画素ブロックの形状の最適予測モードを決定する。
即ち、このとき、予測画素信号409が減算器410により入力画像信号206から減算されて予測残差信号411が生成される。この予測残差信号411は符号量推定部402及び符号化歪み推定部403に送られる。符号量推定部402は、予測モード419と量子化パラメータ420及び予測残差信号411を用いて、発生符号量推定値R^(412)を計算する。同様に符号化歪み推定部403は予測モード419と予測画素信号409を用いて復号画素信号418と入力画像信号206の符号化歪み推定値D^(413)を計算する。推定符号量R^および推定符号化歪みD^を用いて予測モード決定部404はラグランジュ未定乗数法に基づいて各モードのコストを計算し、コストが最小となる予測モードを最適予測モードとして選択し、予測モード情報419を出力する。更に、16×16ブロック予測モード決定部404は量子化パラメータ420および予測画素信号421を出力する。
予測画素信号421は減算器414で入力画像信号から減算されて予測残差信号415が生成される。予測残差信号415は直交変換部405及び量子化部406を通って直交変換および量子化される。量子化データは逆量子化部407及び逆直交変換部408を介して加算器416に入力され、予測画素信号421と加算される。これにより、復号画素信号418が生成される。復号画素信号418は次のマクロブロックの参照画素信号として利用される。
図3および図4の予測モード決定部304および404は上述したようにラグランジュの未定乗数法を用いる。ここでラグランジュコストをJ、発生符号量をR及び符号化歪みをDとする。λはラグランジュ乗数であり、量子化パラメータに依存する。
Figure 0004130617
ラグランジュ未定乗数法は、ある拘束条件を持つ最大化問題を拘束条件無しの最大化問題へと帰着させる手法であり、Thomas Wiegand and Berand Girod, “Multi-frame motion-compensated prediction for video transmission”, Kluwer Academic Publishers 2001に動画像符号化方法のモード選択が提案されている。
符号化歪みDは、予測残差信号(315,415)を直交変換し、量子化し、逆量子化し、逆直交変換した後に予測信号と加算されて得られるローカルデコード画像と原画像との誤差として計算される。また発生符号量Rは量子化した直後の直交変換係数を用いて符号化した後に得られるため、複数のモード、或いはブロック形状を有する場合、計算負荷が増大する。
本発明の実施形態の動画像符号化方法によると、推定符号化歪みD^および推定発生符号量R^でなる推定パラメータを予測残差信号の分散σ2および量子化パラメータQPから計算することにより、予測モードループ内での直交変換、量子化、逆量子化、逆直交変換等の処理が省かれる。また可変長符号化部、符号化歪み算出部などの構成要素を付加しないで、演算量やハードウェアコストを削減し、かつ画質劣化が抑えられる。
図11のフローチャートを参照してフレーム内予測部108の処理を説明する。最初に最小コストを更新する変数min_costを初期化する。予測モードループ内では、フレーム内予測(ステップ2)、符号量推定(ステップ4)、符号化歪み推定(ステップ5)、コストJ評価(ステップ6)を順次行う。この後、min_cost>Jが判定される(ステップ8)。この判定がYESであると、最小コストが更新され(ステップ9)、予測モードが更新される(ステップ10)。
予測モード更新後およびmin_cost>Jの判定がNOのとき、予測終了が決定される(ステップ11)。ステップ2〜10の予測モードループが存在する予測モードの数だけ繰り返されると、予測ループが終了する。
予測ループが終了し、最小コストを与える予測モードが決定されると、直交変換(ステップ12)、量子化(ステップ13)、逆量子化(ステップ14)および逆直交変換(ステップ15)が順次行われ、参照画素が更新される(ステップ16)。この後、処理は終了する。
本実施形態では、コスト最小の予測モードによってのみ、上記の変換処理が行われればよい。また符号量を推定しているために可変長符号化を行う必要が無い。従って、従来方法に比較して処理が大幅に高速化できる。
次に符号量推定と符号化歪み推定方法について説明する。符号化歪みは量子化パラメータQPと予測モードIにより次式のように近似する。
Figure 0004130617
発生符号量は、予測モード、量子化パラメータ、入力画像信号などに依存するが、フレーム内予測に対しては次式で近似することが出来る。
Figure 0004130617
ここでIは予測モード、aΙ,bΙ,cΙ,dΙは予測モードIに依存する推定パラメータであり、σ2は予測残差信号の分散を表す。推定符号化歪みをD^、推定符号量をR^、量子化パラメータをQPで表している。符号化歪み及び発生符号量の推定に、予測モード毎に異なる推定パラメータを用いることによって、推定精度をより向上させることが可能となる。
上記推定パラメータaΙ,bΙ,cΙ,dΙは、下記のように予め複数のサンプル画像を用いて学習して決定しておくことが可能である。まず、サンプル画像の画素ブロック毎に予測モードを固定し、種々のサンプル画像に対して量子化パラメータを順次変えながら符号化を行い、その画像における発生符号量−符号化歪みの関係を求め、同時に予測残差信号の分散を測定する。
図7は符号化歪み推定例を示している。横軸が量子化パラメータQPの値を示しており、縦軸は実測値から得られる符号化歪みDである。点は符号化して得られる実測値であり、実線は近似曲線を表している。符号化歪みの推定に関しては、量子化パラメータの値毎に上記固定した予測モードで得られる符号化歪みの実測値Dと量子化パラメータの関係を指数近似し、該予測モードの推定パラメータを決定する。ブロック毎の発生符号量の推定においては、上記固定の予測モードで得られる符号量とlog(σ2/D^ )の関係を線形近似、或いは指数近似し、該予測モードの推定パラメータを決定する。このように予め決定された上記の推定パラメータを用いて、符号化歪み推定値と発生符号量推定値を予測残差信号の分散、量子化パラメータQPから計算する。これにより、予測モードループ内での複雑な処理を省き、演算量やハードウェアコストを削減し、かつ画質劣化を抑えた動画像符号化方法を提供することができる。
また、推定パラメータを用いてモード判定を行う別の実施形態では、符号化の際に、基準となる複数の量子化パラメータを用いて、数フレームだけ実際に符号化する。符号化対象画像の発生符号量Rと符号化歪みDを測定する。得られた符号量−符号化歪み曲線を近似し、マクロブロック毎の推定パラメータaΙ,bΙ,cΙ,dΙを計算する。ここで得られた推定パラメータを用いて符号化する。このように符号化前に数フレームを符号化して推定パラメータを決定することによって、符号化対象に合った推定パラメータのセットを用いることができ、符号化効率の高い画質が得られる。
次に、第2の実施形態を説明するが、第2の実施形態では、第1の実施形態で導入した推定パラメータを用いたモード判定手法を画素ブロック毎に階層化して用いる。即ち、入力画像信号を複数の大画素ブロックに分割し、さらに大画素ブロックを複数の小画素ブロックに分割する。例えばH.264などのフレーム内予測では、図5に示すように、マクロブロックを16×16画素の大画素ブロックと4×4画素の小画素ブロックに分割する。
16×16画素ブロックにおいては、予測モード数は4通りと少ないが、4×4画素ブロックでは9通りも存在する。4×4画素ブロックでは、1マクロブロックの予測を得るために、莫大な組み合わせが考えられ、演算量が増大する。そのため計算回数の多い小画素ブロックでは、演算量の増加を抑えるために上述した推定パラメータを導入した発生符号量推定値と符号化歪み推定値を用いたモード判定を用いる。大画素ブロックでは予測モード数が少ないので画質向上のために、それぞれ発生符号量と符号化歪みを符号化処理する。この時、発生符号量と符号化歪みを実際に測定することによりモード判定を行う。大画素ブロック、小画素ブロックのような階層構造を用いることによって画質劣化を防ぎ、演算量を大幅に削減することが可能である。
小画素ブロックにおいて、推定パラメータを用いて発生符号量推定値と符号化歪み推定値を計算し、モード判定を行う例が図3に示す形態であり、そのときの処理過程が図11のフローチャートに示される。この方法では予測モード毎に異なる推定パラメータを用いて推定を行うため精度が良い。また予測モードループ内で煩雑な処理を行わないので符号化処理が非常に高速である。
一方、大画素ブロックにおいては、発生符号量と符号化歪みを実測し、モード判定を行う実施形態は図8に示す形態であり、このときの処理過程は図12のフローチャートに示される。
図8は図2の画素ブロックフレーム内予測部203を示す。これによると、参照画素信号205が16×16予測部501へ入力されると、16×16予測部501は予測画素信号512を出力する。予測画素信号512は減算器509により入力画像信号206から減算され、予測残差信号511が生成される。この予測残差信号511は直交変換部502によって直交変換(例えばDCTなど)される。直交変換により得られた直交変換係数は量子化部503によって量子化される。量子化変換係数は可変長符号化部506へと送られ、ここで可変長符号化されて発生符号量実測値R(513)が求められる。
また、量子化直交変換係数は逆量子化部504によって逆量子化され、さらに逆直交変換部505によって復号化され、局部復号信号が生成される。この局部復号信号は予測部501から得られる予測画素信号512と加算される。加算結果は復号画素信号516として符号化歪み算出部507へと入力される。符号化歪み算出部507は入力画像信号206と復号画素信号516とに基づいて符号化歪み実測値D(514)と発生符号量実測値R(513)を算出する。符号化歪み実測値D(514)と発生符号量実測値R(513)は16×16画素ブロック予測モード決定部508へ入力される。
16×16画素ブロック予測モード決定部508はラグランジュ未定乗数法を用いて符号化歪み実測値D(514)と発生符号量実測値R(513)からラグランジュコストを算出し、コスト最小の予測モードを最終予測モードとして、復号画素信号516、直交変換係数515、量子化パラメータ519などとともに出力する。
図12に示すフローチャートによると、先ず、最小コストを更新する変数min_costを初期化する(ステップ01)。フレーム内予測(ステップ02)が実施されると、予測モードループにおいて、直交変換(ステップ12)、量子化(ステップ13)、逆量子化(ステップ14)、逆直交変換(ステップ15)、可変長符号化(ステップ17)及び符号化歪み計算(ステップ18)が順次行われる。この場合、予測モードが増えるとそれに伴って演算量が増大する反面、正確な発生符号量と符号化歪みが計算でき、符号化効率の高い高画質な符号化画像が得られる。
この後、符号化歪みDに基づきコスト評価が行われ(ステップ06)、min_cost>Jが判定される(ステップ8)。この判定がYESであると、最小コストが更新され(ステップ9)、予測モードが更新される(ステップ10)。
予測モード更新後およびmin_cost>Jの判定がNOのとき、予測終了が決定される(ステップ11)。ステップ2〜10の予測モードループが予測モードの数だけ繰り返されると、予測ループが終了する。その後、参照画素が更新され(ステップ16)、処理は終了する。
実際に符号化を行い発生符号量Rと符号化歪みDを計算するモード判定法は、予測モード数の多い小画素ブロックに対しては演算量の増大を招くが、大画素ブロックに対してはモード数が少ないため、大きな演算量の増加とはならない。このように大画素ブロックと小画素ブロックの特徴を生かして、計算量の増加する可能性のある小画素ブロックでは、推定パラメータを導入した第1の実施例で述べた発生符号量推定値と符号化歪み推定値を用いたモード判定が行われる。大画素ブロックでは画質向上のために、それぞれ発生符号量と符号化歪みを実測値から計算することにより正確なラグランジュコストを求めたモード判定を行う。このように階層構造を用いてモード判定を行うことによって符号化効率の低下を抑えつつ演算量を大幅に削減することができ、ハードウェアコストを削減することができる。
画質向上のための別の実施形態では、小画素ブロックの最適な予測モードの組み合わせをただ1つに限定せず、上述した推定パラメータを用いたモード判定を行い、小画素ブロックで複数の組み合わせ候補の中から選ばれた、複数の予測モード情報を大画素ブロックへと送る。大画素ブロックでは、上述した実測値によるモード判定を用いて大画素ブロックの予測モードで予測された予測候補と、小画素ブロックから送られてきた小画素ブロックの予測候補の組み合わせ候補の中から、最適な予測モード、或いは予測モードの組み合わせを判定する。これにより、推定パラメータを用いて計算された発生符号量と符号化歪みの推定値が外れたときの符号化効率を上げることができる。
図9はH.264における図2のブロック内予測モード決定部204の例を示している。図2の画素ブロックフレーム内予測部211においては、4×4ブロックフレーム内予測部202によって予測された4×4画素ブロックの組み合わせ候補(4×4予測モードの組み合わせ)がブロック内予測モード決定部204へ送られる。即ち、4×4画素組み合わせ候補1(601),4×4画素組み合わせ候補2(602),4×4画素組み合わせ候補3(603)が候補データ制御部608へ入力される。
図4の16×16ブロックフレーム内予測部203では、符号量推定部402、符号化歪み推定部408、直交変換部405、量子化部406、逆量子化部407、逆直交変換部408を通らず、16×16予測部401から、16×16予測モード0(604)、16×16予測モード1(605),16×16予測モード2(606),16×16予測モード3(607)の予測情報を候補データ制御部608を介して、可変長符号化部609と符号化歪み算出部610へ送る。可変長符号化部609と符号化歪み算出部610は発生符号量R(614)と符号化歪みD(615)をそれぞれ実測し、これらの値を用いてラグランジュコストを計算し、モード判定を行い、最適な予測モード、或いは予測モードの組み合わせを決定し、復号画素信号613、予測モード情報616、及び直交変換係数617、量子化パラメータ618を出力する。ここで、16×16ブロック予測モード決定部203では予測モードの中から1つだけを選択しても良いし、全予測モードを出力しても良い。このように複数の小画素ブロックの組み合わせ候補と大画素ブロックの予測候補を用いて、発生符号量と符号化歪みを実測して計算し、モード判定を行うことにより、小画素ブロックのモード判定の精度が向上し画質向上効果が得られる。
第3の実施形態では、主観画質の向上のために新しいコスト関数を導入する。符号化器の様式は第1の実施形態、或いは第2の実施形態を用いても良く、モード判定におけるコスト関数に、主観画質を考慮した隣接ブロックとの符号化歪みの誤差を導入する。
符号量RがRcよりも小さいという拘束条件の下で最適な復号画素信号LDを得る確率を最大化する。
Figure 0004130617
ここで、確率P(LD│I,QP)はギブス分布を仮定し、Bayesの定理を用いて次式に展開する。
Figure 0004130617
ここでC=P(I,QP)であり、予測モードI,量子化パラメータQPがともに与えられる結合確率は定数となる。上記の第1項の尤度関数と第2項の事前関数はそれぞれギブス分布となり、そのエネルギー関数(コスト)はR<Rcの拘束条件の下で次式で定義する。
Figure 0004130617
Figure 0004130617
尤度関数は従来のラグランジュコストを表しており、拘束条件R<Rcの下で符号化歪みを最小にするラグランジュ未定乗数法の枠組みに合致する。また、事前確率関数は現ブロックと隣接ブロックとの相関の強さを表しており、隣接ブロックと現ブロックの符号化歪みをある範囲内に保つことで画像全体の主観的な画質向上効果が得られる。ここでD(I,QP)は符号化歪み、Sは画素ブロック中の全画素、またNは隣接画素ブロックの全画素を表している。図10は隣接画素ブロックの関係を示している。符号化対象ブロックの左ブロック、上ブロック、左上ブロック、右上ブロック、さらに符号化済み参照フレームの、符号化対象ブロックと同位置の参照ブロックを隣接ブロックとして符号化歪みを計算する。尤度関数ηは相関の強度を変更する乗数であり、例えば次式で表す。
Figure 0004130617
隣接ブロックとの誤差が閾値θthより小さいときはλαが選ばれ、大きいときはλβが選ばれる。ηはラグランジュコストの符号化歪みに隣接ブロックとの相関の強度を導入するパラメータを示す。これによって画質の特徴が似たブロックでは符号化歪みが近い予測モードを取りやすくなるようλαを設定し、画質の特徴が大きく異なるブロックでは従来のラグランジュコストに大きな影響を与えないよう小さなλβを設定する。これらのパラメータを効果的に変えることで、現画素ブロックと隣接画素ブロックの符号化歪みを一定に保ち、また同時に特徴の異なるブロックの相関を弱める。これは符号化歪みに対する拘束条件としてラグランジュコストを2つの拘束条件を持つ最大化問題へと拡張していることと等価である。[数6]、[数7]を[数5]に代入し、平均場近似を行うことで次式が得られる。
Figure 0004130617
ここで、両辺に対してRsで偏微分すると、平均場近似により第二項は本式に影響を与えず、
Figure 0004130617
つまりラグランジュ未定乗数法の枠組みに合致する。これにより、上述したラグランジュ未定乗数法の枠組みを変えることなく、画質の特徴が似たブロックでは符号化歪みを一定に保ち、画質の特徴が大きく異なるブロックではコストに大きな影響を与えないようになるため、ブロックノイズを視覚的に低減し、画像フレーム全体の主観画質を向上することが可能となる。
上述したように本発明によると、複数の符号化モードがあってブロック毎およびモード毎に異なるパラメータが設定されている。入力画像信号に応じてこのパラメータを用いて最適な符号化モードを推定する。
また、本発明では、フレームが大きいブロックから小さいブロックへと階層構造に分けられ、階層毎に異なる符号化モードが設定される。この場合、下階層に行くに従ってモード数が増えるので下階層では推定パラメータを用いて符号化モードが決定される。即ち、高速の推定アルゴリズムによってモード判定が行われる。上階層では候補の数が少ないので実際に符号化して発生した発生符号量と符号化歪みに基づいてモード判定を行う。即ち、モード数の組み合わせが多い階層では推定パラメータにより高速にモード判定を行い、モード数の少ない階層では実測により高精度なモード判定を行う。
更に、本発明では、モード判定にラグランジュ未定乗数法という手法を用い、ラグランジュ未定乗数法の枠組みを変えることなくラグランジュコスト計算に新たな項を導入してブロック同士の歪みが出ないような符号化モード判定が行われる。
上述のような本発明による動画像符号化装置は、動画像伝送システムおよび動画像記録装置における画像圧縮処理に適している。
本発明の実施形態に係わる動画像符号化装置のブロック回路図。 図1のフレーム内予測部のブロック回路図。 図2に示される、推定パラメータを用いた4×4画素ブロックのフレーム内予測部のブロック回路図。 図2に示される、推定パラメータを用いた16×16画素ブロックのフレーム内予測部のブロック回路図。 本発明の実施形態に係わる画素ブロックの分割例と予測モードを示す図。 本発明の実施形態に係わるH.264における4×4画素ブロックの予測モード例を示す図。 本発明の実施形態に係わる推定パラメータを選択する例を示す図。 本発明の実施形態に係わる符号量と符号化歪みを実測してモード判定を行う例を示す図。 本発明の実施形態に係わる複数候補からモード判定を行うモード判定を示す図。 本発明の実施形態に係わるコスト関数の隣接画素ブロックの例を示す図。 本発明の実施形態に係わる推定パラメータを用いたフレーム内予測を示すフローチャート図。 本発明の実施形態に係わる符号量と符号化歪みを実測してモード判定を行うフレーム内予測のフローチャート図。
符号の説明
101…減算器、102…直交変換部、103…量子化部、104…逆量子化部、105…逆直交変換部、106…加算器、107…フレームメモリ、108…フレーム間予測部、109…フレーム内予測部、110…符号化制御部
111…可変長符号化部、112…多重化部、113…出力バッファ、114…符号化部、115…MB予測モード選択部、201…ブロック形状制御部、202…4×4ブロックフレーム内予測部、203…16×16ブロックフレーム内予測部、204…ブロック内予測モード決定部、205…参照画像信号、206…入力画像信号、207…予測画素信号、208…復号画素信号、209…直交変換係数、210…量子化パラメータ、211…画素ブロックフレーム内予測部

Claims (8)

  1. 入力画像信号を複数の画素ブロックに分割し、画素ブロック毎に複数の予測モードから1つのモードを選択して、前記選択された予測モードで予測を行って、前記画素ブロック毎に予測符号化を行う動画像符号化方法において、
    複数の画像を用いて、画素ブロック毎の予測残差信号の分散値と、予測モード毎および画素ブロック毎の複数の量子化パラメータでの符号化歪みの実測値および発生符号量の実測値を求め、
    量子化パラメータと符号化歪みの実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータから予測モード毎の符号化歪みを推定するための関数を規定する第1の推定パラメータを求め、
    前記第1の推定パラメータを用いて符号化歪みの推定値を予測モード毎に求め、
    前記符号化歪みの推定値に対する前記ブロック毎の予測残差信号の分散の比の値の対数値と前記発生符号量の実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータおよび予測残差信号の分散から予測モード毎およびブロック毎の発生符号量を推定するための関数を規定する第2の推定パラメータを求め、
    前記入力画像信号から求めた予測残差信号の分散と、前記画素ブロックを符号化する際の前記量子化パラメータから前記入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みとを前記第1および前記第2の推定パラメータにより規定される関数を用いて推定し、
    前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて計算される符号化コストが最小値となる予測モードを最適予測モードとして決定することを特徴とする動画像符号化方法。
  2. 動画像信号を複数の第1の画素ブロックに分割し、前記第1の画素ブロックを複数の第2の画素ブロックに分割し、前記画素ブロックのサイズ毎に、複数の予測モードから1つの予測モードを選択し、前記選択された予測モードで予測を行って、前記画素ブロック毎に予測符号化を行う動画像符号化方法において、
    複数の画像を用いて、画素ブロック毎の予測残差信号の分散値と、予測モード毎および画素ブロック毎の複数の量子化パラメータでの符号化歪みの実測値および発生符号量の実測値を求め、
    量子化パラメータと符号化歪みの実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータから予測モード毎の符号化歪みを推定するための関数を規定する第1の推定パラメータを求め、
    前記第1の推定パラメータを用いて符号化歪みの推定値を予測モード毎に求め、
    前記符号化歪みの推定値に対する前記ブロック毎の予測残差信号の分散の比の値の対数値と前記発生符号量の実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータおよび予測残差信号の分散から予測モード毎およびブロック毎の発生符号量を推定するための関数を規定する第2の推定パラメータを求め、
    前記第2の画素ブロックに関しては、前記入力画像信号から求めた予測残差信号の分散と、前記画素ブロックを符号化する際の前記量子化パラメータから前記入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みとを前記第1および前記第2の推定パラメータにより規定される関数を用いて推定し、
    前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて計算される符号化コストが最小値となる予測モードを、前記複数の予測モードから、又は前記複数の予測モードの組み合わせから選択し、選択モードを最適予測モードとして決定し、
    前記第1の画素ブロックに関しては、各予測モードでの発生符号量及び符号化歪みの実測値に基づいて、前記複数の予測モードから1つの候補、又は複数の予測モードの組み合わせ候補を用いて最適予測モードの決定を行うことを特徴とする動画像符号化方法。
  3. 前記符号化対象の画素ブロックの符号化コストは、
    (A)発生符号量、
    (B)符号化歪み、および、
    (C)前記画像フレーム内で符号化対象の画素ブロックに隣接する符号化済み画素ブロックの第1の符号化歪み及び前記符号化対象画素ブロックと同一位置にある符号化済み画像フレームの符号化済み画素ブロックの第2の符号化歪みのうちの少なくとも1つと、前記符号化対象画素ブロックの符号化歪みとの差分、
    に基づいて、前記差分が小さくなるほど前記符号化コストが小さくなるように計算されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の動画像符号化方法。
  4. 入力動画像信号の各画像フレームを複数の画素ブロックに分割し、画素ブロック毎に複数の予測モードから1つの予測モードを選択して、前記選択された予測モードによる予測を行って、前記画素ブロック毎に予測符号化を行う動画像符号化方法において、
    前記画像フレーム内で符号化対象の画素ブロックに隣接する符号化済み画素ブロックの第1の符号化歪みを検出し、
    前記符号化対象画素ブロックと同一位置にある符号化済み画像フレームの符号化済み画素ブロックの第2の符号化歪みを検出し、
    各画素ブロックの予測モードの符号化コストを、
    (A)発生符号量、
    (B)符号化歪み、および、
    (C)前記第1および第2の符号化歪みの少なくとも1つと前記符号化対象画素ブロックの符号化歪みとの差分、
    に基づいて、前記差分が小さくなるほど前記符号化コストが小さくなるように計算し、
    前記符号化コストが最小値となる予測モードを最適予測モードとして決定することを特徴とする動画像符号化方法。
  5. 複数の画像を用いて、画素ブロック毎の予測残差信号の分散値と、予測モード毎および画素ブロック毎の複数の量子化パラメータでの符号化歪みの実測値および発生符号量の実測値を求める手段と、
    量子化パラメータと符号化歪みの実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータから予測モード毎の符号化歪みを推定するための関数を規定する第1の推定パラメータを求める手段と、
    前記第1の推定パラメータを用いて符号化歪みの推定値を予測モード毎に求める手段と、
    前記符号化歪みの推定値に対する前記ブロック毎の予測残差信号の分散の比の値の対数値と前記発生符号量の実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータおよび予測残差信号の分散から予測モード毎およびブロック毎の発生符号量を推定するための関数を規定する第2の推定パラメータを求める手段と、
    前記入力画像信号から求めた予測残差信号の分散と、前記画素ブロックを符号化する際の前記量子化パラメータから前記入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みとを前記第1および前記第2の推定パラメータにより規定される関数を用いて推定する手段と、
    前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて計算される符号化コストが最小値となる予測モードを、複数の予測モードから選択し、最適予測モードとして決定する手段と、
    前記最適予測モードで前記画素ブロック毎に符号化を行う手段と、
    を具備することを特徴とする動画像符号化装置。
  6. 動画像信号を複数の第1の画素ブロックに分割し、前記第1の画素ブロックを複数の第2の画素ブロックに分割する手段と、
    複数の画像を用いて、画素ブロック毎の予測残差信号の分散値と、予測モード毎および画素ブロック毎の複数の量子化パラメータで符号化歪みの実測値および発生符号量の実測値を求める手段と、
    量子化パラメータと符号化歪みの実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータから予測モード毎の符号化歪みを推定するための関数を規定する第1の推定パラメータを求める手段と、
    前記第1の推定パラメータを用いて符号化歪みの推定値を予測モード毎に求める手段と、
    前記符号化歪みの推定値に対する前記ブロック毎の予測残差信号の分散の比の値の対数値と前記発生符号量の実測値との関係を予測モード毎に線形近似又は指数近似することにより量子化パラメータおよび予測残差信号の分散から予測モード毎およびブロック毎の発生符号量を推定するための関数を規定する第2の推定パラメータを求める手段と、
    前記第2の画素ブロックに関しては、前記入力画像信号から求めた予測残差信号の分散と、前記画素ブロックを符号化する際の前記量子化パラメータから前記入力画像信号の画素ブロックの発生符号量と符号化歪みとを前記第1および前記第2の推定パラメータにより規定される関数を用いて推定する手段と、
    前記推定された発生符号量と符号化歪みに基づいて計算される符号化コストが最小値となる予測モードを、複数の予測モードから、又は複数の予測モードの組み合わせから選択し、選択予測モードを最適予測モードとして決定する手段と、
    前記第1の画素ブロックに関しては、各予測モードでの発生符号量及び符号化歪みの実測値に基づいて、前記複数の予測モードから1つの候補、又は複数の予測モードの組み合わせ候補を用いて最適予測モードを決定する手段と、
    決定した予測モードで画素ブロック毎に符号化を行う手段と、
    を具備することを特徴とする動画像符号化装置。
  7. 前記符号化対象の画素ブロックの符号化コストは、
    (A)発生符号量、
    (B)符号化歪み、および、
    (C)前記画像フレーム内で符号化対象の画素ブロックに隣接する符号化済み画素ブロックの第1の符号化歪み及び前記符号化対象画素ブロックと同一位置にある符号化済み画像フレームの符号化済み画素ブロックの第2の符号化歪みのうちの少なくとも1つと、前記符号化対象画素ブロックの符号化歪みとの差分、
    に基づいて、前記差分が小さくなるほど前記符号化コストが小さくなるように計算されることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の動画像符号化装置。
  8. 入力動画像信号の各画像フレームを複数の画素ブロックに分割し、画素ブロック毎に複数の予測モードから1つのモードを選択して、前記選択された予測モードで、前記画素ブロック毎に符号化を行う動画像符号化装置において、
    画像フレーム内で符号化対象の画素ブロックに隣接する符号化済み画素ブロックの第1の符号化歪みを検出する手段と、
    前記符号化対象画素ブロックと同一位置にある既符号化画像フレームの符号化済み画素ブロックの第2の符号化歪みを検出する手段と、
    前記第1および第2の符号化歪みの少なくとも1つと前記符号化対象画素ブロックの符号化歪みとの差分が小さくなる予測モードを決定する手段と、
    決定した予測モードで画素ブロック毎に符号化する手段と、
    を具備することを特徴とする動画像符号化装置
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