JP4127031B2 - 充電装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明はニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池等の2次電池を充電する充電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に充電可能な電池は、携帯用機器の電源として使用され、携帯用機器から取り外されて充電装置で充電された後、再び携帯用機器に装着され使用されるという作業を繰り返す。この作業の時使用者には、「充電開始時にどの位の時間で充電を完了するかを知りたい。」という要求がある。
【0003】
近年、この要求に対応するため、電池パックにマイコンを内蔵し、負荷電流と使用時間を積算し、その積算量と電池パックの定格容量とを比較演算することで電池パックの充電量(残容量)をLED等で表示する充電量表示付電池パックが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−116812号(請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の充電量表示付電池パックは、電流積算や演算をするマイコン等から構成する表示手段が電池パックに内蔵されているから可能であり、全ての電池パックがそのような手段を内蔵しているわけではなく、ほとんどの電池パックは上記の使用者の要求を満足させるものではない。
【0006】
本発明の目的は、かかる課題を解決するために、充電開始時にどの位の時間で充電を完了するかを表示する機能を充電装置で実現することである。
【0007】
【発明を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、前記電池パックの電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池パックを充電する充電電流を設定する充電電流設定手段と、該充電電流設定手段の出力に基づいて所定の充電電流に制御する充電電流制御手段と、前記電池温度検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階で判別する制御手段と、該制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を数段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度に基づいて前記表示手段に表示される充電完了までの充電時間を前記表示手段に出力して充電開始前に表示すると共に前記充電電流設定手段の充電電流設定値を前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の検出出力に基づいて変更するようにしたことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、該電池電圧検出手段は、充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧を検出し、前記制御手段は、検出された電池電圧に基づいて残容量の大小を判断し、残容量の大小に応じて充電完了までの充電時間の表示を修正できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項3記載の発明は、前記電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、電池パックの電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池温度検出手段及び前記電池電圧検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階で判別する制御手段と、制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を数段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度に基づいて電池パックの充電完了までの充電時間を数段階に判別した結果を表示手段に出力して充電開始前に表示させると共に充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧に基づいて残容量の大小を判断し、残容量が大きい時に電池パックの充電完了までの充電時間を修正した結果を前記表示手段に出力して表示手段の表示を修正できるようにしたことを特徴とする。
また請求項4記載の発明は、電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、電池パックの電池温度を判別する電池温度検出手段と、前記電池温度検出手段及び前記電池電圧検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階に分けて判別する制御手段と、制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を短い、中程度、長いと少なくとも3段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度が所定範囲内にない時に前記充電時間が長いと充電開始前に表示させると共に前記電池温度が所定範囲内にある時に前記充電時間が中程度と充電開始前に表示させ、充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧が残容量が多いと判断される第1所定値以上の時に前記充電時間が短いと初期充電後に表示を変更させると共に前記電池電圧が第1所定値より小さい第2所定値以上の時に前記充電時間が中程度と初期充電後に表示させるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態を示す回路図である。図において、1は交流電源、2は複数の電池セルを直列に接続した電池組2aと電池セルに接触または近接して電池温度を検出する例えばサーミスタ等からなる温度検出素子2bを内蔵する電池パック。3は電池パック2に流れる充電電流を検出する電流検出抵抗、4は抵抗4a、4bからなる出力電圧検出回路で、電源回路の2次側整流平滑回路30の出力電圧を抵抗4a、4bで分圧し、出力電圧制御回路80に入力する。5は2次側整流平滑回路30の出力電圧制御信号及び充電電流制御信号をSW制御IC23に帰還する信号伝達手段で、ホトカプラ等から構成される。6は抵抗6a、6bからなる出力電圧設定回路で、抵抗6a、6bの分圧比で設定された電圧値が基準電圧になり、2次側整流平滑回路30の出力電圧に相当する。
【0010】
7は抵抗7a〜7eからなる充電電流設定回路で、抵抗7a、7bの分圧比で設定された電圧値を、抵抗7c、抵抗7d、抵抗7eに連なる夫々の出力ポートをハイ又はローレベルに選択することで8種の充電電流値に相当する電圧値を選択できる。
【0011】
8は抵抗8a、8bからなる電池温度検出手段で、抵抗8aと抵抗8b及び温度検出素子2との分圧比によって決定される分圧電圧がマイコン50のA/Dコンバータ55に入力され、電池温度に応じて温度検出素子2bの抵抗値が変化することで、電池温度に応じて分圧電圧がマイコン50のA/Dコンバータ55に入力される。
【0012】
10は全波整流回路11と平滑用コンデンサ12からなる1次側整流平滑回路、20は高周波トランス21、MOSFET22とSW制御IC23、SW制御IC用定電圧回路24、起動抵抗25からなるスイッチング回路であり、高周波トランス21は1次巻線21a、2次巻線21b、3次巻線21c、4次巻線21dからなり、直流の入力電圧が印加される1次巻線21aに対し、2次巻線21bはSW制御IC23用の出力巻線、3次巻線21cは電池パック2を充電するための出力巻線、4次巻線21dはマイコン50、充電電流制御手段60等の電源用の出力巻線である。なお1次巻線21aに対し、2次巻線21b、4次巻線21dは同極性で、3次巻線21cは逆極性である。SW制御IC23はMOSFET22の駆動パルス幅を変えて出力電圧を調整するスイッチング電源ICである。また、SW制御IC用定電圧回路24はダイオード24a、3端子レギュレータ24b、コンデンサ24c、24dから構成されており、2次巻線21bからの出力電圧を定電圧化する。
【0013】
30はダイオード31、平滑用コンデンサ32、抵抗33からなる2次側整流平滑回路、40は抵抗41、42からなる電池電圧検出回路で、電池パック2の端子電圧を分圧する。50は演算手段(CPU)51、ROM52、RAM53、タイマ54、A/Dコンバータ55、出力ポート56、リセット入力ポート57からなる制御手段であるマイコンである。CPU51は、A/Dコンバータ55の入力データに基づいて、所定のサンプリングごとに最新の電池電圧及び電池温度と複数サンプリング前の電池電圧及び電池温度とを比較し、その結果に基づいて電池パック2の充電状態が、満充電間際又は満充電であるか否かを判別する。RAM53はサンプリングした最新の電池電圧までの所定数のサンプリングした電池電圧及び電池温度を記憶する。
【0014】
60は演算増幅器61、62、抵抗63〜67、ダイオード68からなる充電電流制御回路で、充電電流検出抵抗3に流れる充電電流を検出し、充電電流に対応する電圧を反転増幅させた出力電圧と充電電流設定回路7で設定された充電電流設定基準電圧との差を増幅し、信号伝達手段5を介してSW制御IC23に帰還をかけ制御する。すなわち、充電電流が大きい場合はパルス幅を狭めたパルスを、逆の場合はパルス幅を広げたパルスを高周波トランス21に与え整流平滑回路30で直流に平滑し、充電電流を一定に保つ。すなわち電流検出抵抗3、充電電流制御回路60、信号伝達手段5、スイッチング回路20、整流平滑回路30を介して充電電流を設定電流値となるように制御する。
【0015】
70はダイオード71、コンデンサ72、平滑コンデンサ73、3端子レギュレータ74、リセットIC75からなる定電圧回路で、マイコン50、充電電流制御手段60等の電源となる。リセットIC75はマイコン50を初期状態にするためにリセット入力ポート57にリセット信号を出力する。
【0016】
80は演算増幅器81、抵抗82〜85、ダイオード86からなる出力電圧制御回路であり、出力電圧検出回路4からの検出出力電圧と出力電圧設定回路6からの設定電圧との差を増幅し、信号伝達手段5を介してSW制御IC23に帰還をかけ出力電圧を設定値に制御する。
【0017】
90はLED91、92、抵抗93〜96からなる表示手段で、LED91、92は、例えば赤色及び緑色からなるLEDで、マイコン50の出力ポート56の出力によって赤色及び緑色が点灯し、また両方の色を同時に発光させることで橙色の発光も可能なタイプである。本実施形態ではLED91は充電開始前及び充電完了を夫々赤色及び緑色で表示し、LED92は充電中にどの位の時間で充電を完了するかを3段階表示するLEDであり、充電時間が長いと判別された段階から赤色、橙色及び緑色と色を変えて表示する。また、電池温度が所定値以上である時は充電を行わず、待機するが、その時は、LED92を0.5秒周期で点滅させる。
【0018】
次に図1の回路図、図2及び図3のフローチャートを参照して本発明充電装置の動作を説明する。
電源を投入すると、マイコン50は電池パック2の接続待機状態となり、電池パック2の接続は電池電圧検出手段40、電池温度検出手段8の信号により判別する(ステップ201)。
【0019】
電池パック2が接続されるとRAM53の記憶データの電池状態を判別するフラグである電池高温Flag、電池低温Flag、電池の放電状態を判別するLED92赤点灯Flag及び電池電圧検出による満充電判別用のΔVFlagをイニシャルセットする(ステップ202)。
【0020】
次いで充電開始前の電池電圧V0を電池電圧検出手段40で分圧した電圧をA/Dコンバータ55に入力しA/D変換し取り込む(ステップ203)。また電池パック2の充電開始前の電池温度T0を、マイコン50のA/Dコンバータ55に入力される電圧をA/Dコンバータ55でA/D変換することにより取り込む(ステップ204)。電池温度検出手段8の出力電圧は、温度検出素子2bとの分圧比によって決定される分圧電圧がマイコン50のA/Dコンバータ55に入力され、電池温度に応じて温度検出素子2bの抵抗値が変化することで、電池温度に応じて分圧電圧は変化する。
【0021】
次にマイコン50は充電開始前の電池温度T0が55℃以上であるか否かの判別を行う(ステップ205)。
ステップ205において、充電開始前の電池温度T0が55℃以上である場合は、充電中の発熱による電池寿命の劣化を考慮すると、充電を行うには適していないので、充電を行わず待機状態とし、出力ポート56を介してLED92を0.5秒周期で点滅させる(ステップ206)。LED92を0.5秒周期で点滅させた後は、ステップ203にジャンプし、再びステップ203においては、充電開始前の電池電圧V0を、ステップ204においては充電開始前の電池温度T0を取込む。この処理は、ステップ205において充電開始前の電池温度T0が55℃以下になるまで行う。尚、高温待機時において取込まれる充電開始前の電池電圧V0、充電開始前の電池温度T0は、電池温度が55℃以下になるまで最新のデータを更新し、電池温度が55℃になる直前の最新のデータをV0及びT0として後の処理に用いる。
【0022】
ステップ205において、充電開始前の電池温度T0が55℃以下の場合は、充電開始前の電池温度T0が50℃以上か否かの判別を行う(ステップ207)。
ステップ207において、充電開始前の電池温度T0が50℃以上の場合は、残容量の少ない電池パック2を高温状態でも対応できる比較的小さい充電電流で充電し、充電時間が長時間かかると仮定して、RAM53の電池高温Flagを1にセットし(ステップ208)、その後出力ポート56を介してLED92を赤点灯させ(ステップ209)、LED92の赤点灯Flagを1にセットする(ステップ210)。ステップ207において、充電開始前の電池温度T0が50℃以上でないと判別した場合は、引き続き充電開始前の電池温度T0が−10℃以下か否かの判別を行う(ステップ211)。充電開始前の電池温度T0が−10℃以下の場合は、残容量の少ない電池パック2を低温状態でも対応できる比較的小さい充電電流で充電し、充電時間が長時間かかると仮定して、RAM53の電池低温Flagを1にセットし(ステップ212)、出力ポート56を介してLED92を赤点灯させ(ステップ209)、LED92の赤点灯Flagを1にセットする(ステップ210)。
【0023】
また、ステップ211において、充電開始前の電池温度T0が−10℃以下でないと判別された場合は、残容量の少ない電池パック2を比較的大きい充電電流で充電し、充電時間が中程度であると仮定し、出力ポート56を介してLED92を橙点灯させる(ステップ213)。
次に、セル数判別用充電電流I0で充電を開始し(ステップ214)、t1時間経過した時点での(ステップ215)電池電圧Voffを検出する(ステップ216)。
次にステップ216において検出した電池電圧Voffを基準電圧Vaで除算することにより電池パック2のセル数nを求める(ステップ217)。なおステップ217においては電池パック2内の電池セル数が2の倍数であると仮定している。
【0024】
次に、ステップ216において検出した電池電圧Voff及びステップ217において求めたセル数nから電池パック2の前記電池電圧Voffのセル電圧を演算する。前記セル電圧は、前記電池電圧Voffをセル数nで除算することで求められる。まず、前記セル電圧Voffが1.45V/セル以上か否かの判別を行う(ステップ218)。セル電圧が1.45V/セル以上の場合は、電池パック2は残容量が多いと判別しすなわち、充電完了までの時間が短いと判別し、出力ポート56を介してLED92を緑点灯させ(ステップ219)、RAM53のLED92赤点灯Flagを0にセットし(ステップ220)た後ステップ224へジャンプする。ステップ218において、前記セル電圧が、1.45V/セル以上でない場合は、充電開始前の電池電圧V0のセル電圧が1.275V/セル以上であるか否かを判別する(ステップ221)。尚、充電開始前の電池電圧V0のセル電圧は、前記電池電圧V0をステップ217において求めたセル数nと除算することで求める。セル電圧が1.275V/セル以上である場合は、電池パック2は残容量が中程度であると判別し、出力ポート56を介してLED92を橙点灯させ(ステップ222)、LED92赤点灯Flagを0にセットする(ステップ223)。
【0025】
ステップ221において、セル電圧が1.275V/セル以上でない場合は、電池残残容量が少ないと判別する。この場合既にステップ209及びステップ213において電池残容量が少ないと仮定してLED92の点灯がなさせているので、LED92の表示は変化させない。
【0026】
次に、RAM53の電池高温Flagが1であるか否かを判別する(ステップ224)。電池高温Flagが1である場合は、電池パック2は、高温と判別し、電池パック2の高温状態で対応できる充電電流I3で充電を開始し(ステップ225)、ステップ229へジャンプする。
【0027】
電池高温Flagが1でない場合は次に電池低温Flagが1であるか否かを判別する(ステップ226)。電池低温Flagが1である場合は、電池パック2は、低温と判別し、電池パック2の低温状態で対応できる充電電流I2(I2<I3)で充電を開始し(ステップ227)、ステップ229へジャンプする。
【0028】
電池低温Flagが1でない場合は、電池パック2は常温と判別し、充電電流I1(I2<I3<I1)で充電を開始する(ステップ228)。
【0029】
充電電流の制御は、ステップ228の充電電流I1で充電を開始する時は、マイコン50は出力ポート56を介して、充電電流I1に対応する充電電流設定基準電圧V1を、充電電流設定手段7の抵抗7c、7d、7e端をハイレベルに選択することで設定でき、充電電流設定基準電圧V1を演算増幅器62に印加し、充電電流I1で充電を開始する。充電開始と同時に電池パック2に流れる充電電流を電流検出抵抗3により検出し、検出充電電流に対応する電圧と出力ポート56の出力に対応した充電電流設定手段7からの基準電圧V1との差を充電電流制御手段60より信号伝達手段5を介して、PWM制御IC23に帰還をかける。すなわち、充電電流が大きい場合はパルス幅を狭め、逆の場合はパルス幅を広げ、パルス幅に比例したパルスを高周波トランス21に与え整流平滑回路30で直流に平滑し、充電電流I1を一定に保つ。すなわち電流検出抵抗3、充電電流制御手段60、充電電流信号伝達手段5、スイッチング回路20、整流平滑回路30を介して充電電流を所定電流値I1となるように制御する。
【0030】
また、充電電流I2の制御も同様であり、充電電流I2に対応する充電電流設定基準電圧V2を、充電電流設定手段7の抵抗7c端をローレベル(残りの7d、7e端をハイレベル)に選択することで設定でき、充電電流設定基準電圧V2を演算増幅器62に印加し、充電電流I2で充電を開始し制御する。
【0031】
同様に、充電電流I3は、充電電流I3に対応する充電電流設定基準電圧V3を、充電電流設定手段7の抵抗7d端をローレベル(残りの7c、7e端をハイレベル)に選択することで設定でき、充電電流設定基準電圧V3を演算増幅器62に印加し、充電電流I3で充電を開始し制御する。
【0032】
充電開始後、マイコン50はタイマ54を使用して充電開始からのタイマをスタートし(ステップ229)、引き続き充電開始からのタイマが所定時間経過したか否かの判別を行い(ステップ230)、所定時間経過している時はLED92赤点灯Flagが1であるか否かの判別を行い(ステップ231)、LED92赤点灯Flagが1の場合は、LED92が赤点灯されることにより充電時間が長いと判断した状態から、所定時間経過したので、LED92赤点灯Flagを0にセットしなおし(ステップ232)、出力ポート56を介してLED92を橙色点灯させる(ステップ233)。
【0033】
ステップ230において、充電開始から所定時間経過していない時は、ステップ234までジャンプする。同様にステップ231においてLED92赤点灯Flagが1でない場合は、ステップ234までジャンプする。
【0034】
次いで電池パック2の満充電間際判別及び満充電判別処理に必要なデータ処理を行う。まず、充電中における電池パック2の最新の電池温度Tinを、電池温度検出手段8からの電圧をA/Dコンバータ55に入力し、A/D変換することにより取り込む(ステップ234)。また、サンプリングした充電中の電池温度データを比較することにより、充電中の電池温度の最小値Tminを演算し記憶する(ステップ235)。
【0035】
引き続き、電池パック2の最新の電池電圧Vinを電池電圧検出手段40で分圧した電圧をA/Dコンバータ55に入力しA/D変換し取り込む(ステップ236)。
またサンプリングして記憶した充電中の電池温度データから所定サンプリング幅の最新の電池温度勾配dT/dtを演算する(ステップ237)と共に最新の電池温度勾配dT/dtのデータと記憶してある以前の電池温度勾配dT/dtを比較することにより、所定サンプリング幅の電池温度勾配dT/dtの最小値dT/dt(min)を演算し記憶する(ステップ238)。
【0036】
さらに、マイコン50は電池電圧検出手段40の出力に基づいて、充電中の電池電圧データから所定サンプリング幅の最新の電池電圧勾配ΔVを演算し(ステップ239)、また、演算した電池電圧勾配ΔVのデータを比較することにより、所定サンプリング幅の電池電圧勾配最小値ΔVminを演算し記憶する(ステップ240)。
【0037】
次いで電池パック2の満充電間際判別処理を行う。ステップ234〜240の処理データに基づいて、まず最新の電池電圧勾配ΔVと、充電中にサンプリングし演算した電池電圧勾配最小値ΔVminを比較演算し、最新の電池電圧勾配ΔVが、電池電圧勾配最小値ΔVminから予め設定した所定値R1以上上昇したか否かの判別を行い(ステップ241)、所定値R1以上上昇した場合は、電池パック2は満充電間際と判別し、ΔVFlagを1にセットし(ステップ242)、この場合は充電完了までの時間は短かくなっていると判断し、LED92を緑点灯させ(ステップ243)ステップ246ジャンプする。
【0038】
ステップ241において、最新の電池電圧勾配ΔVが、電池電圧勾配最小値ΔVminより予め設定した所定値R1以上上昇していない場合は、引き続き最新の電池温度勾配dT/dtと電池温度勾配最小値dT/dt(min)を比較演算し、最新の電池温度勾配dT/dtが、電池温度勾配最小値dT/dt(min)から予め設定した所定値Q1以上上昇したか否かの判別を行い(ステップ244)、所定値Q1以上上昇した場合は、電池パック2は満充電間際と判別し、この場合は充電完了までの時間は短かくなっていると判断し、LED92を緑点灯させ(ステップ243)、ステップ246にジャンプする。
【0039】
また、ステップ244において、最新の電池温度勾配dT/dtが、電池温度勾配最小値dT/dt(min)から、予め設定した所定値Q1以上上昇していない場合は、引き続き最新の電池温度Tinと電池温度最小値Tminを比較演算し、最新の電池温度Tinが電池温度最小値Tminから予め設定した所定値P1以上上昇したか否かの判別を行い(ステップ245)、所定値P1以上上昇した場合は電池パック2は満充電間際と判別し、この場合は充電完了までの時間は短かくなっていると判断し、LED92を緑点灯させ(ステップ243)、ステップ246にジャンプする。
【0040】
次いで、電池パック2の満充電判別処理を行う。まず最新の電池温度Tinが電池温度最小値Tminから予め設定した所定値P2(P2>P1)以上上昇したか否かの判別を行い(ステップ246)、所定値P2以上上昇した場合、電池パック2は満充電と判別し、充電停止状態と同様な状態であるトリクル充電に移ると共にLED92を消灯する(ステップ250)。トリクル充電は、周知の如く、自然放電によって容量減少するのを防止するために、電池パック2が充電器に挿入されている間、所定時間ごとに非常に小さい充電電流すなわちトリクル充電電流で所定時間充電するもので、トリクル充電電流に対応する充電電流設定基準電圧を、充電電流設定手段7の抵抗7c、7d、7e端をローレベルに選択することで設定し、この充電電流設定基準電圧を演算増幅器62に印加することにより行われる。次いで電池パック2が取り出されたか否かの判別を行い(ステップ251)、電池パック2が取り出されたならステップ201に戻り、次の充電のために待機する。
【0041】
ステップ246において、最新の電池温度Tinが、電池温度最小値Tminから、所定値P2以上上昇していない場合は、引き続き最新の電池温度勾配dT/dtと電池温度勾配最小値dT/dt(min)を比較演算し、最新の電池温度勾配dT/dtが、電池温度勾配最小値dT/dt(min)から予め設定した所定値Q2(Q2>Q1)以上上昇したか否かの判別を行い(ステップ247)、所定値Q2以上上昇した場合は、電池パック2は満充電と判別し、上述したステップ250、251の処理を行う。
ステップ247において、最新の電池温度勾配dT/dtが、電池温度勾配最小値dT/dt(min)から、所定値Q2以上上昇していない場合は、ΔVFlagが1であるか否かの判別を行い(ステップ248)、ΔVFlagが1でない場合は、電池パック2は満充電になっていないと判別し、ステップ230に戻る。
【0042】
ステップ248において、ΔVFlagが1の場合は、引き続き最新の電池電圧勾配ΔVが予め設定された所定値R2以下か否かの判別を行い(ステップ249)、所定値R2以下の場合は、電池パック2は満充電と判別し、上述したステップ250、251の処理を行う。
ステップ249において、最新の電池電圧勾配ΔVが所定値R2以下になっていない場合はステップ230に戻る。
【0043】
上記実施形態において、満充電間際判別及び満充電判別の判別方法を、電池温度、電池温度勾配、電池電圧勾配とも、夫々の充電中の最小値データと比較し、その結果から判別するようにしたが、これに限るものではなく、例えば単純に演算算出した最新のデータと、それに対応する予め設定した所定値との比較によって判別しても構わない。
【0044】
また、上記実施形態では、表示手段90のLED91の動作について言及しなかったが、例えば、LED91を充電待機前の時は赤色点灯、充電終了(トリクル充電に移行)時は、緑色点灯といった使用が可能である。
【0045】
なお、本実施形態において満充電後はトリクル充電(微少電流)に制御するようにしたが、本実施形態の効果には関係なく、例えば制御系の電源を別電源から供給し、充電完了後は主電源を停止して、充電電流を完全に停止させても問題は全くない。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、充電開始時にどの位の時間で充電を完了するかを表示する機能を充電装置で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の回路構成を示す回路図。
【図2】本発明の一実施形態の動作説明用フローチャート。
【図3】本発明の一実施形態の動作説明用フローチャート。
【符号の説明】
2は電池パック、7は充電電流設定手段、8は電池温度検出手段、40は電池電圧検出手段、50はマイコン、60は充電電流制御手段、90は表示手段である。
Claims (4)
- 複数の電池セルを直列に接続した電池パックの充電を制御すると共に充電状態を検出してその状態を表示する充電装置であって、
前記電池パックの電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池パックを充電する充電電流を設定する充電電流設定手段と、該充電電流設定手段の出力に基づいて所定の充電電流に制御する充電電流制御手段と、前記電池温度検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階で判別する制御手段と、該制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を数段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度に基づいて前記表示手段に表示される充電完了までの充電時間を前記表示手段に出力して充電開始前に表示すると共に前記充電電流設定手段の充電電流設定値を前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度に基づいて変更するようにしたことを特徴とする充電装置。 - 前記電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段を設け、該電池電圧検出手段は、充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧を検出し、前記制御手段は、検出された電池電圧に基づいて残容量の大小を判断し、残容量の大小に応じて充電完了までの充電時間の表示を修正できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
- 複数の電池セルを直列に接続した電池パックの充電を制御すると共に充電状態を検出してその状態を表示する充電装置であって、
電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、電池パックの電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池温度検出手段及び前記電池電圧検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階で判別する制御手段と、制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を数段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度に基づいて電池パックの充電完了までの充電時間を数段階に判別した結果を表示手段に出力して充電開始前に表示させると共に充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧に基づいて残容量の大小を判断し、残容量が大きい時に電池パックの充電完了までの充電時間を修正した結果を前記表示手段に出力して表示手段の表示を修正できるようにしたことを特徴とする充電装置。 - 複数の電池セルを直列に接続した電池パックの充電を制御すると共に充電状態を検出してその状態を表示する充電装置であって、
電池パックの電池電圧を検出する電池電圧検出手段と、電池パックの電池温度を検出する電池温度検出手段と、前記電池温度検出手段及び前記電池電圧検出手段の出力に基づき電池パックの充電完了までの充電時間を数段階で判別する制御手段と、制御手段の出力に応じて充電完了までの充電時間を短い、中程度、長いと少なくとも3段階で表示する表示手段とを備え、前記制御手段は、前記電池温度検出手段が検出した充電開始前の電池温度が所定範囲内にない時に前記充電時間が長いと充電開始前に表示させると共に前記電池温度が所定範囲内にある時に前記充電時間が中程度と充電開始前に表示させ、充電初期に所定時間所定充電電流で充電した後の電池電圧が残容量が多いと判断される第1所定値以上の時に前記充電時間が短いと初期充電後に表示を変更させると共に前記電池電圧が第1所定値より小さい第2所定値以上の時に前記充電時間が中程度と初期充電後に表示させるようにしたことを特徴とする充電装置。
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