JP4125981B2 - 車両用冷却水のエア抜き装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用冷却水のエア抜き装置に係り、特に、ラジエータキャップに設けた負圧バルブの誤動作を回避することができるエア抜き装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
車両用冷却装置にあっては、設置スペースの関係からエンジンのエア抜き経路から延設したエア抜き管の先端をラジエータキャップで開閉される注水口の上端近傍に開口させることが多い（例えば、特許文献などを参照）。
【０００３】
しかしながら、従来のように単にエア抜き管の先端を注水口の上端近傍に開口させたのみでは、エア抜き管から戻された水がその注水口の内壁面との衝突で跳ね返って上方に流れて負圧バルブの背部に流れ込むために、エンジン冷却系が負圧になっていない場合でも負圧バルブが強制的に開かれ、あるいは、エンジン冷却系が正圧に戻された後も負圧バルブが閉弁復帰し難くなるという誤動作を起こすことが懸念される。
【０００４】
【特許文献】
特開平１１−７２０２０号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、エア抜き管から戻された水による負圧バルブの誤動作を回避することができる車両用冷却水のエア抜き装置を提供することを課題としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、エンジンのエア抜き経路から延設したエア抜き管の先端を、負圧バルブを備えたラジエータキャップを取り付けた注水口の上端近傍に開口させた車両用冷却水のエア抜き装置において、前記エア抜き管の先端開口より高所において水平方向に張り出すガイドを注水口におけるエア抜き管の先端開口との対向部位に設けたことを特徴としている。
【０００７】
なお、前記エア抜き管の先端開口を上部の一部において閉塞する障壁を設けることにより、エア抜き管より注水口に戻された水を、その先端開口の上半分を覆う障壁により下方に向って偏流案内させることが望ましい。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。図１は本発明に係る車両用冷却水のエア抜き装置の一実施形態を示す要部の断面図であり、図示しないエンジンに設けたＥＧＲクーラのエア抜きポートから延設したエア抜き管１の先端を、負圧バルブ３を備えたラジエータキャップ２で開閉される注水口４の上端近傍に水平方向から開口させている。
【０００９】
また、前記エア抜き管１の先端開口５を上半分程度だけ閉塞する障壁６を設けるとともに、注水口４における前記エア抜き管１の先端開口５との対向位置に、注水口４より高所において水平方向に張り出すガイド７を設けている。
【００１０】
従って、エア抜き管１より戻された水は、その先端開口５の上半分を覆う障壁６により下方に向って偏流案内されて注水口４に流入する。また、エア抜き管１から注水口４に戻された水は比重差により上方に向って流れようとするが、エア抜き管１の先端開口５との対向部位には、該先端開口５より高所において水平方向に張り出すガイド７を設けている。
【００１１】
このために、エア抜き管１から流入した水が比重差などにより注水口４内を上方に向って流れようとしても、ガイド７の反射作用を受けて下方に偏流案内されることになり、エア抜き管１から戻された水の動圧が万一にもラジエータキャップ３に設けた負圧バルブ３の背部に回り込むことがなく、負圧バルブ３の誤作動が予防される。
【００１２】
なお、上記実施形態においてはエア抜き管１の先端開口５から注水口４への水の流入方向を下方に偏流案内する障壁６の他に、注水口４内を上昇しようとする水を反射させて下方に向けて偏流案内するガイド７を設けてエア抜き管１から注水口４に戻された水による負圧バルブ３への影響をより確実に回避するようにしているが、少なくともガイド７を設けることで所期の目的を達成することができる。
【００１３】
また、上記実施形態では注水口４の壁面の一部を利用してエア抜き管１の先端開口５の上半分を閉塞する障壁６を構成するとともに、注水口４の内壁の一部を水平方向に張出形成してガイド７を構成しているが、障壁６およびガイド７の具体的な構造は実施形態のものに限定されるものではなく、障壁６およびガイド７を別部品で構成することもできる。さらに、実施形態ではＥＧＲクーラのエア抜き管の場合について説明しているが、エンジンの他の部分のエア抜き管の場合も同効である。
【００１４】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように請求項１に係る発明は、エア抜き管の先端開口より高所において水平方向に張り出すガイドを注水口におけるエア抜き管の先端開口との対向部位に設けることにより、エア抜き管から注水口内に戻された水をガイドの反射作用で下方に向けて偏流案内させるようにしたものであるから、エア抜き管から戻された水の動圧が万一にもラジエータキャップに設けた負圧バルブに作用して該負圧バルブを誤作動させることがない。特に、請求項２に係る発明のようにエア抜き管の先端開口を上部の一部において閉塞する障壁を設けてエア抜き管から注水口に戻される水を下方に向って偏流案内させるようにした場合は、ガイドによる反射作用との相乗効果でより的確な誤作動防止効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車両用冷却水のエア抜き装置の一実施形態を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
１ エア抜き管
２ ラジエータキャップ
３ 負圧バルブ
４ 注水口
５ 先端開口
６ 障壁
７ ガイド

Claims (2)

1. エンジンのエア抜き経路から延設したエア抜き管（１）の先端を、負圧バルブ（３）を備えたラジエータキャップ（２）を取り付けた注水口（４）の上端近傍に開口させた車両用冷却水のエア抜き装置において、前記エア抜き管（１）の先端開口（５）より高所において水平方向に張り出すガイド（７）を注水口（４）におけるエア抜き管（１）の先端開口（５）との対向部位に設けたことを特徴とする車両用冷却水のエア抜き装置。
2. エンジンのエア抜き経路から延設したエア抜き管（１）の先端を、負圧バルブ（３）を備えたラジエータキャップ（２）を取り付けた注水口（４）の上端近傍に開口させた車両用冷却水のエア抜き装置において、前記エア抜き管（１）の先端開口（５）を上部の一部において閉塞する障壁（６）を設けたことを特徴とする請求項１記載の車両用冷却水のエア抜き装置。

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