JP4125059B2 - 多軸傾斜検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2次元或いは3次元的な傾斜検出の可能な多軸傾斜検出装置に関し、特に、新規なジャイロスコープ構造を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ジャイロスコープは、航空機等における3次元傾斜センサの基本的構造として従来より様々な形で広く用いられている。従来から知られるジャイロスコープの構成例として、重心が中心にある車(コマ)を、ジンバルと呼ばれる2つの枠で軸支するものがある。これを、例えば航空機機体に固定的に設置すると、前記「コマ」の軸方向は該機体の運動には関係なく一定の方向を維持するため、前記機体の姿勢を知る基準となる。
また、従来から知られるの傾斜検出装置にはポテンショメータを用いたものが知られている。しかし、ポテンショメータにおいては、摺動接触子があるために耐久性の点で難があった。また、振り子状の可動部(重り)を傾斜又は振動に応じて揺動させ、この可動部の動きを検知することにより、検出対象の傾斜、振動、或いは加速度等を検出する装置も知られている。この場合は、検出対象の動きが激しい(加速度が大きい)場合等において、前記可動部の慣性的な動き・振動を抑制、緩衝しない限り誤検出の原因となる。2軸方向(2次元)又は3軸方向(3次元)の傾斜を検出する装置として、2軸(2次元)又は3軸(3次元)ジャイロスコープ構造における各軸の回動角度を測定する構造を採用することで、慣性動を抑制、緩衝することが考えられるが、一般にジャイロスコープは構造が極めて複雑であり、コスト高になってしまう。ところで、従来から知られる誘導型位置検出装置には、直線位置検出装置には差動トランスがあり、回転位置検出装置には、レゾルバがよく知られている。誘導型位置検出装置は、一般に、コイルと磁気応答部材(典型的には鉄等の磁性体又は銅のような導電体)の簡単な構成により実現でき、これを傾斜検出装置に適用できれば広い応用・用途が見込まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、比較的シンプルな構成でジャイロスコープ構造と同等の機能を持つ多軸傾斜検出装置を実現し、且つ、慣性動による影響を可及的抑制せしめたものを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る多軸傾斜検出装置は、外殻と、前記外殻内に所定の液体と共に封入された内球とを具備し、前記内球は重力方向を指向するように構成され、前記内球の比重を前記液体の比重と略等しく設定することで該内球を該液体中に浮かばせることにより、検出対象たる3次元的な動きに応じて前記外殻が前記内球に対して3次元的に相対変位することを可能とし、前記内球の体積を調整することで該内球の比重を調整する浮力調整手段と、水平面上で直交するX軸及びY軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きをそれぞれ検出する第1の検出手段と、重力方向に沿うZ軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きを検出する第2の検出手段とを更に具備し、前記第2の検出手段は、前記内球に配置されて該内球を地磁気方向に指向させる永久磁石と、前記外殻に設けられ地磁気方向に対して該外殻がなす角度を検出するフラックスゲート式検出手段とを含むことを特徴とする。
【0005】
これによると、前記内球が前記外殻内に所定の液体と共に封入され、前記内球の比重を前記液体の比重と等しく設定することで、該内球は該液体中に浮いた状態で前記外殻内に設置されることとなる。つまり、前記内球を前記外殻内に液体で封入し、該液体中に浮かばせることは、該内球が外殻に対して機械的に連結されずとも、該外殻内において所定個所に静止した状態で設置されることとなる。すなわち、内球が外殻の運動に関わりなく一定の指向方向すなわち重力方向を維持するというジャイロスコープ的構造を実現できることとなる。このような構成によれば、前記外殻に外部より加えられる動きに応じて該外殻が回動する際の内球に対する慣性動は抑制・緩衝される。従って、内球に対する外殻の相対的位置は、検出対象の傾き、旋回等の何らかの運動を正確に反映したものとなり、慣性動による検出誤差を効果的に抑制した正確な傾斜検出が問題なく行える。また、前記外殻内の液体中においてそれと同比重の内球が浮いた状態となっているため、前記外殻は前記内球に対して相対的に3次元での全方向的変位が可能であり、従って、内球に対する外殻の3次元の各軸についての相対的位置を第1及び第2の検出手段で検出することにより、外部から作用する3次元的な全方向での傾斜(3軸傾斜)を検出することができる。また、前記内球の体積を調整することで該内球の比重を調整する浮力調整手段を具備していることにより、内球の比重を容易に調整することができる。
【0006】
第1の検出手段は、前記外殻若しくは前記内球のいずれか一方の所定個所に配置された磁気応答部材と、他方の球面上に所定配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応じて出力信号を生じるコイル部を備えるものであってよい。このような磁気式検出手段は、外殻内に封入された液体と内球とで構成される本発明に係る新規なジャイロスコープ構造において好適なものであり、また、簡便且つ安価に製造することができ、加えて劣悪な環境下での使用にも耐えうるので、当該傾斜検出装置に磁気式検出手段を適用することは極めて有効である。
【0007】
本発明の請求項5に係る多軸傾斜検出装置は、外殻と、前記外殻内に所定の液体と共に封入された内球とを具備し、前記内球は重力方向を指向するように構成され、前記内球の比重を前記液体の比重と略等しく設定することで該内球を該液体中に浮かばせることにより、検出対象たる3次元的な動きに応じて前記外殻が前記内球に対して3次元的に相対変位することを可能とし、水平面上で直交するX軸及びY軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きをそれぞれ検出する検出手段を更に具備し、前記検出手段は、前記外殻若しくは前記内球のいずれか一方の所定個所に配置された磁気応答部材と、他方の球面上に所定配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応じて出力信号を生じるコイル部を備え、前記コイル部は、X軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むX軸用コイル部と、Y軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むY軸用コイル部とからなり、前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを前記X軸用及びY軸用コイル部により得るように構成し、前記X軸用コイル部のコイルと前記Y軸用コイル部のコイルが一部共用されており、前記X軸用及びY軸用コイル部とを時分割的に交流励磁し、これに応じて前記X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出すようにしたことを特徴とする。このように、X軸用及びY軸用コイル部とを時分割的に励磁し、これに応じて、X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出すようにすることは、X及びY軸成分位置の夫々の検出に際して、他の軸についての検出動作の影響を避けるという点で、効果的である。
更に3次元的な全方向での傾斜(3軸傾斜)を検出することができるようにするために、前記内球に対する前記外殻のZ軸方向についての相対的位置を検出する第2の検出手段を更に設けるとよい。この第2の検出手段の一例としては、前記内球に配置されて該内球を地磁気方向に指向させる永久磁石と、前記外殻に設けられ地磁気方向に対して該外殻がなす角度を検出するフラックスゲート式検出手段とを備える。
【0008】
本発明の傾斜検出装置に対する外力の与え方は、使用目的に応じて任意に設定してよい。例えば、この傾斜検出装置を対象物に固定して設置し、該対象物の傾斜に応じて前記傾斜検出装置が傾くことに基づき、対象物の傾斜を検出することができ、例えば航空機機体等に固定的に設置して、前記機体の姿勢を検知するのに好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
【0010】
図1(a)は本発明に係る多軸傾斜検出装置の一実施例を示す外観斜視図であり、(b)は該検出装置の正面断面の一例を示す断面略図である。この多軸傾斜検出装置は、全体として1個の球体形状を成したもの(これを「球体センサ」と呼ぶことも可能である)からなり、この1個の球体センサにより3軸(3次元)の傾斜を全て検出し得るものである。具体的には、外殻1と、外殻1内に所定の液体2aと共に封入された内球2とから構成されており、内球2の比重を前記液体2aの比重と略等しく設定することで該内球2を該液体2a中に浮かばせることにより、検出対象たる3次元的な動きに応じて外殻1が内球2に対して3次元的に相対変位し得るようになっている。外殻1は、例えば、対象物に固定的に設置される。該対象物の傾斜に応じて外殻1が(すなわち、当該検出装置全体が)傾くことに基づき、対象物の傾斜を内球2に対する外殻1の相対的位置関係の変位として検出することができる。
【0011】
外殻1は、全体的に球体形状を成し、その内部空間も球状スペースとなっており、そこには液体2aと共に内球2が液密に封入されている。ここで、液体2aに対する内球2の浮力を適切に設定することで、内球2は該液体2a中に浮いた状態で静止される。内球2の浮力は、内球2の比重と、液体2aの比重とが実質的に等しくなるよう設定すればよく、例えば、液体2aとして水を用いた場合は、内球2の比重を「1」とする。すなわち、外殻1の中心と内球2の中心が略一致した状態で、内球2の周囲全体を液体2aが等圧で押し付け、内球2と外殻1の内側との距離がどの位置でも略々等しくなる。このような状態を本実施例では内球2が液体2a中に浮いた状態という。内球2は、主たる材質が非磁性且つ非導電性すなわち非磁気応答性の適宜の材質からなり、その下面には後述するXY軸用検出手段の1要素として機能する所定の磁気応答部材3(例えば、鉄のような磁性体)が配置され、また、後述するZ軸用検出手段20の1要素としての方位磁石として機能する永久磁石30が適宜の個所に配置されている。これにより、内球2の重心がその中心よりも磁気応答部材3寄りに形成され、重力作用により磁気応答部材3を下面にして重力方向を指向する。
【0012】
従って、内球2は、外殻1の内部空間内において、外殻1に対して機械的に直接的に連結されることなく、液体2a中に浮いた状態で配置されることとなる。これにより、外殻1は内球2に対して相対的に全方向的に回動変位しうる。これに対して、内球2は、理想的には磁気応答部材3を下面にして重力方向を指向して静止状態を保つ。ここで、内球2の中心(浮力の中心)に対するその重心のズレ量が内球2の偶力を決定するので、この偶力が大きくならないように適切に設計する必要がある。例えば、内球2の重心が中心から離れるほど偶力が大きくなり、慣性運動による悪影響を受け易いので、重心位置は中心位置からあまり離れすぎない方が好ましい。すなわち、浮力中心の鉛直下部に重力中心が来るようにし、その距離は非常に小さな値として、加速度の影響を極力小さくする。
【0013】
ところで、図1(b)に示すように、内球2に適宜の浮力調整手段4を設けて、内球2の比重を調整できるようにするとよい。図示の例では、浮力調整手段4の一例として、内球2に穿孔したネジ穴部40と該穴部40に螺合するネジ栓部材41とを具備する。前記部材41はネジ作用により前記穴部40における相対的位置変更が可能であり、該部材41の位置を変更することで、内球2の体積を増減調節することができ、これに応じて浮力すなわち内球2の比重を細かく調整できる。勿論、穴部40と部材41との接合部分は液密になっており、精密な浮力調整を保証している。なお、図示の例では、該浮力調整手段4は一つしか設けられていないが、これに限らず、こうした浮力調整手段を複数設けるように構成してもよい。
【0014】
このように、この多軸傾斜検出装置によれば、内球2を外殻1内部に液体2aと共に封入するというシンプルな構成で、外殻1の3次元的運動を可能にすると共に、内球2は一定の指向方向(重力方向)を維持する、というジャイロスコープ構造を実現できることとなる。このような構成にあって、外殻1を検出対象物に固定的に設置すると、該検出対象物の3次元的傾斜に伴い実質的に外殻1のみが3次元的に傾斜して、内球2は外殻1の傾斜変位に連動しないため、内球2に対する外殻1の3次元的(X,Y,Zの3軸的)な相対位置を検出することにより、検出対象物の3次元的(3軸的)傾斜を検出することができる。
【0015】
内球2に対する外殻1のX軸及びY軸についての相対的位置をそれぞれ検出するためにXY軸用検出手段10が設けられ、内球2に対する外殻1のZ軸についての相対的位置を検出するためにZ軸用検出手段20が設けられている。
XY軸用検出手段10は、内球2の下面に配置された磁気応答部材3と、外殻1の外周面に所定配置で設けられたコイルL1〜L6とを備える。符号101で示すX軸についての傾斜角(X軸の周りの回転位置)を検出するために、コイルL1,L2,L3及びL4からなる第1のコイルグループが使用される。符号102で示すY軸についての傾斜角(Y軸の周りの回転位置)を検出するために、コイルL5,L2,L6及びL4からなる第2のコイルグループが使用される。これらのコイルL1〜L6の配置例の展開図を示すと図2のようである。
第1のコイルグループについて説明すると、X軸を中心軸と見なしたときの外殻1の赤道に相当する該外殻1の外周上において4つのコイルL1,L2,L3及びL4が等間隔(90度間隔)で配置されている。図2において、線Rxは、これらのコイルL1〜L4の配列方向(第1の方向)を示し、X軸を中心軸と見なしたときの外殻1の赤道に相当する。第2のコイルグループについては、Y軸を中心軸と見なしたときの外殻1の赤道に相当する該外殻1の外周上において4つのコイルL5,L2,L6及びL4が等間隔(90度間隔)で配置されている。図2において、線Ryは、これらのコイルL5,L2,L6,L4の配列方向(第2の方向)を示し、Y軸を中心軸と見なしたときの外殻1の赤道に相当する。明らかなように、第1及び第2のコイルグループにおいて、コイルL2とL4はそれぞれ共用されている。図2においては便宜上、第1のコイルグループのコイルL4と第2のコイルグループのコイルL4は別々に描かれているが、両者は共通のものであり、よって一方のコイルL4を点線で示した。また、図1(a)においては、図示の都合上、コイルL3が表れていないがこれはコイルL1の対向面側に設けられている。各コイルL1〜L6は、外殻1の面に略直交する方向に磁束が生じるよう、該外殻1の外表面に貼付けされている。勿論、これらのコイルとして薄型のものを用いたり、更に、その上から非磁性体物質でモールドして表面を滑らかに形成する等、適宜に製造・加工してよいが、この点は設計事項であるから特に説明しない。なお、XY軸用検出手段10のコイルL1〜L6は、外殻1の内表面側に設けてもよく、この場合も非磁性体モールドして表面を滑らかに形成する等、適宜に製造・加工してよい。
【0016】
内球2の下面に配置された磁気応答部材3は、例えば鉄やフェライトのような磁性体からなり、XY軸用検出手段10のコルL1〜L6と磁気的に結合する。内球2に対する外殻1のX軸及びY軸についての相対的な回動位置に応じて、磁気応答部材3に対する個々のコイルL1〜L6の近接位置関係が変化する。この近接位置関係の変化に応じて、個別のコイルL1〜L6と磁気応答部材3との磁気結合の度合いが変化し、これに応じて、各コイルL1〜L6の自己インダクタンスが変化する、つまり、各コイルL1〜L6の電気的インピーダンスが変化する。個々のコイルL1〜L6において、磁気応答部材3に対する近接量が大きいほど、磁気結合の度合いが増し、個々のコイルL1〜L6におけるインダクタンスが増加し、該コイルL1〜L6の電気的インピーダンスが増加する。反対に、コイルL1〜L6と磁気応答部材3とが離れているほど、両者間の磁気結合の度合いが減少し、コイルL1〜L6のインダクタンスが減少していくので、該コイルL1〜L6の電気的インピーダンスは小さくなる。なお、磁気応答部材3の形状及びサイズ(つまり、内球2の下面を占める磁気応答部材3の面積範囲)は、コイルL1〜L6のサイズや所望のインピーダンス変化の特性に従って適切に設定してよい。
【0017】
例えば、第1のコイルグループの磁気応答部材3に対する相対変位(つまりX軸周りの回転変位)においてコイルL1に生じるインピーダンス変化を考えると、コイルL1が磁気応答部材3に最も近接している(重合している)状態では、コイルL1に生じるインピーダンスは最大値となる。この状態から外殻1の回転変位(傾斜)に伴い、コイルL2(又はコイルL4)が磁気応答部材3に接近するに連れ、コイルL1に対する磁気応答部材3の近接量が減少して行くので、コイルL1コイルL1に生じるインピーダンスは減少して行く。そして磁気応答部材3がコイルL3と最も重合する位置において、コイルL1は磁気応答部材3から最も隔離するので、コイルL1のインピーダンスは最小値となる。ここからコイルL4(又はコイルL2)が磁気応答部材3に接近して行くに連れて、コイルL1と磁気応答部材3の近接量が再び増してゆくので、コイルL1のインピーダンスは再び増加する。つまり、外殻1が内球2に対してX軸の周りで1回転した場合、コイルL1のインピーダンスは磁気応答部材3の近接量に応じて最大値から最小値の間で周期的な変化特性を示す。他のコイルL2,L3,L4におけるインピーダンスも同様に、磁気応答部材3の近接量に応じて最大値から最小値の間で周期的な変化特性を示す。これらコイルL1〜L4のインピーダンス変化の特性は、後述するようにコイル(L1〜L6)は1相の交流信号で共通に励磁されるため、電気的位相が同相であり、外殻1の内球2に対する1回転(すなわち360度)に相当する変位量(回動角)θを1サイクル(位相角360度の範囲)とする振幅関数になぞらえることができる。
【0018】
各コイルL1〜L4の配置位置からも明かなように、コイルL1のインピーダンス変化に対して、コイルL3のインピーダンス変化は、逆相(位相角にして180度)の、つまり差動的な特性を示す。また、コイルL2のインピーダンス変化に対して、コイルL4のインピーダンス変化は、逆相つまり差動的である。そして、コイルL1のインピーダンス変化に対して、コイルL2のインピーダンス変化は、1/4サイクル(位相角にして90度)ズレた特性を示す。例えば、コイルL1に生じるインピーダンス変化がサイン関数(図2でSを付記する)に相当するものとすると、これに対して差動的なコイルL3に生じるインピーダンス変化は、マイナスサイン関数(図で/S(Sバー)を付記する)、コイルL2に生じるインピーダンス変化はコサイン関数(図2でCを付記する)、コイルL4に生じるインピーダンス変化はマイナスコサイン関数(図で/C(Cバー)に、それぞれ相当することになる。なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で表記するが、これは図中のバー記号に対応する。
【0019】
第2のコイルグループ(コイルL5,L2,L6,L4)の磁気応答部材3に対する相対変位(つまりY軸についての回転変位)においても上記と同様に、各コイルL5,L2,L6,L4のインピーダンスは、Y軸についての回動変位に関して、図2に示すように夫々360度範囲のサイン関数特性S、コサイン関数特性C、マイナスサイン関数特性/S、マイナスコサイン関数特性/Cに相当する周期的な変化特性を示す。
【0020】
ここで、内球2に対する外殻1のX軸についての回動位置(傾斜角)を角度変数θを用いて示し、コイルL1に生じる理想的なサイン関数特性のインピーダンス変化A(θ)を示すと、
A(θ)=P0+Psinθ
のような式で等価的に表せる。インピーダンス変化は負の領域に入らないため、上記式においてオフセット値P0は振幅関数Pよりも大きく(P0≧P)、「P0+Psinθ」は負の値を取らない。これに対して、コイルL1に生じるインピーダンス変化A(θ)に対して差動的変化を示すコイルL3に生じる生じる理想的なマイナスサイン関数特性のインピーダンス変化C(θ)を示すと、
C(θ)=P0−Psinθ
のような式で等価的に表せる。
一方、コイルL2に生じる理想的なコサイン関数特性のインピーダンス変化B(θ)を示すと、
B(θ)=P0+Pcosθ
のような式で等価的に表せる。これに対して、このコイルL2に生じるインピーダンス変化B(θ)に対して差動的変化を示すコイルL4に生じる理想的なマイナスコサイン関数特性のインピーダンス変化D(θ)を示すと、
D(θ)=P0−Pcosθ
のような式で等価的に表せる。
なお、上記「P」は1と見なして省略しても説明上不都合はないので、以下の説明ではこれを省略することにする。
【0021】
図3(a)及び(b)は、図2に示すコイルL1〜L6の電気回路例を示す。なお、図示の都合上、電気回路を(a)と(b)に分割して示すが、実際には(a)及び(b)における端子t1〜t6(但し、(b)においては便宜上端子t1〜t4のみを図示する)が各々接続される一つの回路である。図3(a)において、各コイルL1〜L6は、可変インダクタンス要素として等価的に示されており、電源60から与えられる所定の交流信号(便宜上sinωtで示す)によって1相で定電圧励磁される。本実施例では、第1及び第2のコイルグループにおいて一部のコイル(コイルL2とL4)がそれぞれ共用されているので、第1及び第2のコイルグループとは時分割的に励磁及び検出動作がなされるよう構成され、これに応じて、後述する演算処理により生成したX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出す。
【0022】
X軸検出用の各コイルL1〜L4に生じる電圧をVA,VB,VC,VDで示すとすると、夫々対応する端子t1〜t4で取り出された電圧VA〜VDは、下記のように、内球2に対する外殻1の傾斜角(すなわち、磁気応答部材3に対する各コイルL1〜L4の相対位置)に対応する角度変数θに応じた各コイルL1〜L4毎のインピーダンス値に応じた大きさを示す。
VA=A(θ)sinωt=(P0+sinθ)sinωt
VB=B(θ)sinωt=(P0+cosθ)sinωt
VC=C(θ)sinωt=(P0−sinθ)sinωt
VD=D(θ)sinωt=(P0−cosθ)sinωt
図4(a)は、各コイルL1〜L4に生じる電圧VA,VB,VC,VDをθ成分についてのみ模式的に示すグラフである(時間の成分は示していない)。
【0023】
先ず、X軸についての回転位置(傾斜角)検出について説明すると、第1のコイルグループ(コイルL1〜L4)は時分割制御クロック信号Xによりゲート回路(図中Gで示す)を介してX軸用の検出タイミングで時分割的に励磁される。図3(b)において、コイルL1〜L4で生じた出力電圧VA〜VDは、端子t1〜t4を介してゲート回路(図中Gで示す)に夫々入力され、時分割制御クロック信号Xに応じてX軸用の検出タイミングで該ゲート回路Gから出力され、演算器61,62に入力される。演算器61には、コイルL1に生じた出力電圧VAと、これに対して差動変化するコイルL3に生じた出力電圧VCが入力され、演算器62には、コイルL2に生じた出力電圧VBと、これに対して差動変化するコイルL4に生じた出力電圧VDが入力される。
【0024】
演算器61では、下記のように、出力電圧VAと出力電圧VCの差を求め、角度変数θのサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。
Figure 0004125059
一方、演算器62では、下記のように、出力電圧VBと出力電圧VDの差を求め、角度変数θのコサイン関数特性の振幅係数を持つ交流出力信号を生成する。
Figure 0004125059
【0025】
こうして、X軸についての傾斜角(回動位置)に対応する角度変数θを含む2つの周期的振幅関数(sinθ及びcosθ)によってそれぞれ振幅変調された、2相の交流出力信号「2sinθsinωt」と「2cosθsinωt」が得られる(以下係数「2」は省略する)。これは、従来からレゾルバとして知られた検出器のサイン相出力信号sinθsinωt及びコサイン相出力信号cosθsinωtと同等のものである。図4(b)は、演算器61及び62から出力されるサイン相出力信号sinθsinωt及びコサイン相出力信号cosθsinωtを、θ成分についてのみ模式的に示すグラフである(時間の成分は示していない)。なお、サイン相及びコサイン相という呼称、及び2つの交流出力信号の振幅関数のサイン、コサインの表し方は便宜的なものであり、一方がサインで他方がコサインでありさえすれば、どちらをサインまたはコサインと称してもよい。すなわち、VA−VC=cosθsinωt、VB−VD=sinθsinωtである、と表現してもよい。
【0026】
本実施例では、演算器61,62から出力される2つの交流出力信号sinθsinωt及びcosθsinωtに基づき、位相検出方式で位置検出を行えるうようになっている。この場合の位相検出方式としては例えば本出願人に係る特開平9−126809号公報に示された技術を用いて構成するとよい。例えば、一方の交流出力信号sinθsinωtをシフト回路63で電気的に90度シフトすることで、交流信号sinθcosωtを生成し、これと他方の交流出力信号cosθsinωtを加算器64及び減算器65で加算合成及び減算合成することで、sin(ωt+θ)及びsin(ωt−θ)なる、θに応じて進相及び遅相方向に位相シフトされた2つの交流信号(位相成分θを交流位相ズレに変換した信号)を生成する。そして、位相シフトされた交流信号sin(ωt+θ)及びsin(ωt−θ)のゼロクロスをコンパレータ66,67で検出し、進相の検出交流信号sin(ωt+θ)のゼロクロス検出パルスLpと、遅相の検出交流信号sin(ωt−θ)のゼロクロス検出パルスLmとを生成して、ディジタル処理装置70に入力する。ディジタル処理装置70では、時分割制御クロック信号Xに応じたX軸用検出タイミングに対応して入力される上記ゼロクロス検出パルスLp及びLmに基づき、基準信号sinωtのゼロ位相時点から進相のゼロクロス検出パルスLpの発生時点までの時間差を計測することで、進相の位相ズレ量+θをディジタル検出し、基準信号sinωtのゼロ位相時点から遅相のゼロクロス検出パルスLmの発生時点までの時間差を計測することで、遅相の位相ズレ量−θをディジタル検出する。ディジタル処理装置40において、進相及び遅相の位相検出値+θ,−θ同士を加算又は減算することを含む所定の演算を行うことで、位相検出データθを得ることができる。こうして、X軸用の時分割タイミングに対応して入力された検出データに基づきディジタル処理装置40にて生成した位相検出データθは、X軸成分位置検出信号θ(x)として出力される。
【0027】
一方、Y軸検出用の各コイルL5,L2,L6,L4に生じる電圧をVE,VB,VF,VDで示すとすると、夫々対応する端子t5,t2,t6,t4で取り出された電圧VE,VB,VF,VDは、下記のように表せる。
VE=E(θ)sinωt=(P0+sinθ)sinωt
VB=B(θ)sinωt=(P0+cosθ)sinωt
VF=F(θ)sinωt=(P0−sinθ)sinωt
VD=D(θ)sinωt=(P0−cosθ)sinωt
但し、角度変数(θ)は、便宜上、X軸もY軸も同じθを用いて示すが、実際は夫々異なる。
【0028】
Y軸についての回転位置(傾斜角)検出について説明すると、第2のコイルグループ(コイルL5,L2,L6,L4)は時分割制御クロック信号Yによりゲート回路Gを介してY軸用の検出タイミングで時分割的に励磁される。なお、時分割制御クロック信号XとYは異なる時分割タイミングで発生される。図3(b)において、コイルL5,L2,L6,L4で生じた出力電圧VE,VB,VF,VDは、端子t5,t2,t6,t4を介してゲート回路Gに夫々入力され、時分割制御クロック信号Yに応じてY軸用の検出タイミングで該ゲート回路Gから出力され、演算器61,62に入力される。演算器61には、コイルL5に生じた出力電圧VEと、これに対して差動変化するコイルL6に生じた出力電圧VFが入力され、演算器62には、コイルL2に生じた出力電圧VBと、これに対して差動変化するコイルL4に生じた出力電圧VDが入力される。
【0029】
これによりY軸用の検出タイミングにおいては、演算器61では、
Figure 0004125059
なる演算を行い、一方、演算器62では、
Figure 0004125059
なる演算を行う。
【0030】
こうして、Y軸用の検出タイミングにおいては、Y軸についての傾斜角(回動位置)に対応する2相の交流出力信号「sinθsinωt」と「cosθsinωt」が得られる。各演算器61,62の出力は、前述と同様に、シフト回路63、加算器64、減算器65及びコンパレータ66,67で処理され、Y軸についての傾斜角θに応じた進相のゼロクロス検出パルスLpと遅相のゼロクロス検出パルスLmとが生成される。ディジタル処理装置70では、時分割制御クロック信号Yに応じたY軸用検出タイミングに対応して入力される上記ゼロクロス検出パルスLp及びLmに基づき、前述と同様に、Y軸についての傾斜角の進相の位相ズレ量+θ及び遅相の位相ズレ量−θをディジタル検出し、これに基づきY軸用の位相検出データθを生成し、これがY軸成分位置検出信号θ(y)として出力される。
【0031】
本実施例のように、第1及び第2のコイルグループとを時分割的に励磁し、これに応じて、X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出すようにすることは、X及びY軸成分位置の夫々の検出に際して、他の軸についての検出動作の影響を避けるという点で、効果的である。
なお、ディジタル処理装置70は、専用回路(例えば集積回路装置)で構成してもよいし、プログラム可能なプロセッサまたはコンピュータを使用して所定のソフトウェアを実行することにより位相検出処理を行うようにしてもよい。また、上述実施例において、コイル出力を差動演算したことで、コイルの温度ドリフト誤差が完全に補償され、温度ドリフトによるコイルインピーダンス変化の影響を受けないものとなり、更に、進相及び遅相の位相検出値+θ,−θを演算したことで、前記コイル出力を差動演算することで除去しきれなかった温度ドリフト誤差成分を完全に除去することができるので、温度ドリフト特性が補償されることになる。
【0032】
こうして、XY軸用検出手段10では、内球2に対する外殻1のX軸及びY軸についての2次元的相対的位置(2軸傾斜)を検出できる。なお、上述の実施例では、外殻1にXY軸用検出手段10を設け、内球2にこれと磁気結合する磁気応答部材3を設けるようにしたが、逆に、内球2側にXY軸用検出手段10を設けて、外殻1に磁気応答部材3を設けるように構成してもよい。
【0033】
次に、内球2に対する外殻1のZ軸についての相対的位置検出について説明する。図5はZ軸用検出手段20の一実施例を示す上面図である。図5において、Z軸用検出手段20は拡大して示されており、また、外殻1及び内球2は一点鎖線で描かれている。Z軸用検出手段20は、内球2に配置されて内球2を地磁気Hex方向に指向させる永久磁石30と、外殻1に設けられた地磁気Hexの南北方向に対して外殻1がなす角度を検出するフラックスゲート式検出手段とを含む。このフラックスゲート式検出手段は、地磁気Hexの南北方向に対して外殻1がなす角度を測定することで、外殻1の内球2に対するZ軸についての相対的回転位置を検出するものであって、外殻1の外周に配置(図1(a)及び(b)参照)されたリング状の磁性体コア21と、その周囲に亘って適宜の配置で巻回された励磁コイルP1〜P4と、4つのコイルが互いに等間隔(90度間隔)に巻回された検出コイルS1〜S4とを備える。なお励磁コイルP1〜P4は磁性体コア21を周期的に飽和(過飽和)・不飽和させるためのものであるから、その目的を達成し得るようになっていればよく、配置及び数は図示のものに限定されない。磁性体コア21は、地磁気Hexの微少な変化によってヒステリシス曲線がシフトするような高透磁率材料からなるものであって、例えば、比透磁率が大きく保磁力の小さな珪素鋼や、鉄などから形成された円環状に形成したものである。なお、磁性体コア21の形状は、円環状の珪素鋼以外にも、例えば珪素鋼板を積層して形成された直方体の鉄心、或いは細い針金状のもの等、どのようなものであってもよい。また、図5において、地磁気Hexの向きを上から下向きとしたことから、磁性体コア21の上側が北、下側が南、左側が西、右側が東を、それぞれ示すことになる。
【0034】
永久磁石30は、方位磁石として機能するもので、内球2内で適宜に固定的に設置される。内球2は、上述の通り外殻1内において液体2a中に浮いた状態で設置されているので、永久磁石30の指向方向(地磁気Hexの向き)に倣って、地磁気Hex方向を常時指向することになる。このように、内球2が地磁気Hex方向を一貫して指向することに鑑みて、地磁気Hex方向をZ軸についての回動変位における任意の基準位置(すなわち、Z軸についての回動角0°の位置)と定めれば、外殻1の前記基準位置からの回動角θを測定することで、外殻1の内球2に対するZ軸についての傾斜角(回動位置)が検出できる。
【0035】
磁性体コア21は、図1(a)に符号103で示すZ軸についての傾斜角(Z軸の周りの回転位置)を検出するために、Z軸を中心軸と見なしたときの外殻1の赤道に相当する該外殻1の外周上において固定的に配置され、外殻1の回動に連動して地磁気Hexに対して任意の角度θを指向しうるようになっており、つまり、両矢印Qのどちらにも回動しうる。検出コイルS1〜S4は、前記外周上に90度間隔で配列されることになり、磁性体コア21が角度θ回動すると、各々の相対的位置関係を変化させることなく、つまり、検出コイルS1〜S4も磁性体コア21と共に同じ角度θで回動する。励磁コイルP1〜P4及び検出コイルS1〜S4の結線状態を示すと図6のようである。図6に示すように、励磁コイルP1〜P4は、1相の交流信号(便宜上sinωtで示す)によって共通に交流励磁されるもので、例えば隣接する検出コイルS1〜S4の間に挟まれるよう、夫々分散して配置される。このような配置は、励磁コイルP1〜P4によって磁性体コア21に引き起こされる磁気飽和・不飽和状態を、各検出コイルS1〜S4の配置された個所に対して有効に及ぼすという点で好ましい。検出コイルS1〜S4は、検出コイルS1と検出コイルS3、検出コイルS2と検出コイルS4、が夫々差動的に動作するよう結線される。
【0036】
磁性体コア21を過飽和させるに十分な振幅を持つ交流電流(sinωt)で励磁コイルP1〜P4を励磁することで、磁性体コア21に発生する磁束の周期的な飽和(過飽和)・不飽和を繰り返させる。この飽和(過飽和)・不飽和に応じて、磁性体コア21の透磁率が可変(オン・オフ)され、各検出コイルS1〜S4の個所において磁性体コア21に対する地磁気Hexの収束と解放が繰り返される。このときの各検出コイルS1〜S4の個所に収束する地磁気Hexに基づく磁束密度(磁界)に応じた誘起電圧が各検出コイルS1〜S4に生じる。
この点につき、図5に示すように磁性体コア21の回転位置が検出コイルS2,S4を結ぶ直線が地磁気Hexの方向に一致している場合を基準にして動作を説明すると、例えば磁性体コア21内部において励磁コイルP1〜P4の交流励磁により左回りの磁束Φが発生するとき、各検出コイルS1〜S4の位置における磁束を夫々磁束ΦA〜ΦDで示すと、地磁気Hexの方向に対して平行な磁束ΦA及びΦCの個所においては、地磁気Hexが最大のバイアス磁界として作用し、且つΦAに対しては正方向、ΦCに対しては逆方向に作用する。従って、磁性体コア21の磁束ΦAの個所における磁界Haは地磁気Hexに応じた正の最大値(Ha=Hex)となり、磁束ΦCの個所における磁界Hcは地磁気Hexに応じた負の最大値(Hc=−Hex)となる。一方、地磁気Hexの方向に対して垂直な磁束ΦB、ΦDの個所においては、地磁気Hexがバイアス磁界として作用せず、従って、磁性体コア21の磁束ΦBの個所における磁界Hbは最小値(Hb=0)、磁束ΦDの個所における磁界Hdも最小値(Hd=0)である。
【0037】
このように、検出コイルS1〜S4の個所で生じる磁束ΦA〜ΦDが地磁気Hexに対してなす角度及び方向に応じて、該個所における地磁気Hexに基づくバイアス磁界の大きさが決まる。このバイアス磁界の大きさは地磁気Hexの南北方向に対して外殻1がなす角度θに応じて定まり、各検出コイルS1〜S4の個所で生じる磁束ΦA〜ΦDはθに応じて概ね下記のように表せる。
ΦA=Hex(sinθ)
ΦB=Hex(cosθ)
ΦC=Hex(−sinθ)
ΦD=Hex(−cosθ)
従って、各検出コイルS1〜S4に生じる出力電圧Va〜Vdは概ね下記のように表せる。
Va=Hex・sinθsinωt
Vb=Hex・cosθsinωt
Vc=−Hex・sinθsinωt
Vd=−Hex・cosθsinωt
但し、角度変数(θ)は、便宜上、X及びY軸と同じθを用いて示すが、実際は異なるものである。すなわち、ここで示すθはZ軸についての回動角に対応している。
【0038】
各検出コイルS1〜S4に生じる出力電圧Va〜Vdは、前記と同様に、サイン相出力電圧Vaとマイナスサイン相出力電圧Vcとを差動的に合成することでサイン関数の振幅関数を持つ出力交流信号A(2Hex・sinθsinωt)が得られ、また、コサイン相出力電圧Vbとマイナスコサイン相出力電圧Vdとを差動的に合成することでコサイン関数の振幅関数を持つ出力交流信号B(2Hex・cosθsinωt)が得られる。こうして、Z軸用検出手段20では、外殻1の前記基準位置からの回動角θ(つまりZ軸についての傾斜角)に対応する2相の交流出力信号A(省略して示すと「sinθsinωt」)と信号B(省略して示すと「cosθsinωt」)が得られる。この2相の交流出力信号A及びBを、例えば、前述のXY軸検出手段10での説明と同様に、図3(b)に示したシフト回路63、加算器64、減算器65及びコンパレータ66,67と同様の回路で処理して、Z軸についての傾斜角θに応じた進相のゼロクロス検出パルスLpと遅相のゼロクロス検出パルスLmとが生成し、これをディジタル処理装置70にて、上記ゼロクロス検出パルスLp及びLmに基づき、前述と同様に、Z軸についての傾斜角の進相の位相ズレ量+θ及び遅相の位相ズレ量−θをディジタル検出し、これに基づきZ軸用の位相検出データθを生成し、これがZ軸成分位置検出信号θ(z)として出力される。
こうして、Z軸用検出手段20では、内球2に対する外殻1のZ軸についての相対的位置(傾斜角)を検出できる。
【0039】
なお、Z軸用検出手段20とXY軸用検出手段10とを時分割的に励磁して、これに応じて、Z軸成分位置検出信号とX及びY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出すようにするようにすると、Z軸用検出手段20に対するXY軸用検出手段10の影響を回避させることができ、Z軸成分位置の検出に際して他の軸についての検出動作の影響を避けるという点で、効果的である。この場合は、それぞれ時分割タイミングで発生される3つの時分割制御クロック信号X,Y及びZにより動作が時分割制御されることになる。
【0040】
なお、XY軸用検出手段10において、X軸成分の傾斜検出に際して、他方のY軸成分との相対的位置関係に応じて該X軸成分の出力信号に対する重み補正を行うようにし、またY軸成分の傾斜検出に際しても同様に、他方のX軸成分との相対的位置関係に応じて該Y軸成分の出力信号に対する重み補正を行うようにするとよい。これは、図1及び2に示す構成のXY軸用検出手段10においては、一方の軸X又はYに関して生じた傾斜(回転位置)が他方の軸Y又はXに関する傾斜(回転位置)の検出精度に影響(誤差)を及ぼす恐れがあるからであり、この影響(誤差)を取り除くためにこの重み補正を行う。例えば、Y軸に関する傾斜が0の時は、図2に示す第1のコイルグループL1〜L4の直線的並び方向Rx上に磁気応答部材3が位置し、X軸に関して検出した傾斜(回転位置)の検出値は正確な値を示すのに対して、Y軸に関する傾斜が0以外の場合は、図2に示す第1のコイルグループL1〜L4の直線的並び方向RxからY軸傾斜量分だけ磁気応答部材3が偏位し、各コイルL1〜L4のインピーダンスに誤差が生じ、そのままではX軸に関して検出した傾斜(回転位置)の検出値は誤差を示す。そこで、X軸成分の傾斜検出に際して、該X軸成分の現在位置と他方のY軸成分との相対位置関係(Y軸成分の傾斜)に応じて該X軸成分検出用の各コイルL1〜L4のインピーダンス誤差分を補償するように該各コイルL1〜L4の出力信号の重み補正を行う。Y軸成分の検出に際しても、該Y軸成分の現在位置と他方のX軸成分との相対位置関係(X軸成分の傾斜)に応じて同様のインピーダンス補償、すなわち重み補正を行う。そのためには、例えば、直前に検出されたX及びY軸成分位置検出信号θ(x),θ(y)に基づき、X軸検出用の第1のコイルグループL1〜L4の各々の重み補正係数を生成し、X軸検出時において各コイルL1〜L4の出力に演算することで各コイルL1〜L4の出力信号の重み補正を行う。同様に、直前に検出されたX及びY軸成分位置検出信号θ(x),θ(y)に基づき、Y軸検出用の第2のコイルグループL5,L2,L6,L4の各々の重み補正係数を生成し、Y軸検出時において各コイルL5,L2,L6,L4の出力に演算することで各コイルL5,L2,L6,L4の出力信号の重み補正を行えばよい。なお、X軸及びY軸成分位置の2位置をパラメータとして4つの各コイル毎に重み補正係数を予め記憶した記憶手段またはテーブル等を備えることで、適切な重み補正係数を発生させることができる。
【0041】
上述の実施例では、XY軸用検出手段10として、X軸用の第1のコイルグループとY軸用の第2のコイルグループにより2軸傾斜を検出する例を示したが、XY軸用検出手段10の別の構成例として、近接検出用コイルを多数設けたものを図7に示す。これは、外殻1の球面上に比較的緊密に配置された複数の近接検知コイル100を交流励磁し、個別の該コイル100において内球2に設けた磁気応答部材(磁性体)3の近接に応じたインピーダンス変化に応じた検出出力を得るようにすることで、磁気応答部材3に最も近接したコイルを検知するようにしたものである。この場合は、個々の近接検出用コイル100の外殻1の球面上における配置が夫々固有のX軸座標位置及びY軸座標位置に対応しており、どのコイル100に磁気応答部材3が最も近接したかを検出することで2軸的傾斜を検出できる。
また、Z軸用検出手段20は、上述のようなフラックスゲート式センサに限らず、例えば、XY軸用検出手段10のようなコイルと磁気応答部材とで構成するようにしてもよい。また、外殻1をZ軸について回転可能に枢支する支持軸をフレーム等を介して設け、この支持軸に関する外殻1の回転位置を検出する適宜の回転位置検出手段をZ軸用検出手段として設けるようにしてもよい。
【0042】
なお、上述の実施例において、検出手段として磁気的検出原理による例を示したが、本発明はこれに限らず、光学式検出原理等その他適宜の検出原理に従う検出手段を使用してもよい。
なお、Z軸用検出手段20を設けずに、XY軸用検出手段10のみを設けて2軸傾斜検出装置として実施する形態も本発明の範囲に含まれる。
なお、本発明の多軸傾斜検出装置において、使用する媒介液体2aの粘度は適宜に設定してよく、検出対象の傾斜運動に対する応答性と不要な慣性動の抑制との兼ね合いで、適切な粘度を設定するとよい。すなわち、媒介液体2aの粘度に応じて、慣性動に対するダンピング時間を制御することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、比較的シンプルな構成によりジャイロスコープ構造と同等の機能を持つ構造を実現して、簡便に3軸傾斜検出を行うことができ、また、これにより慣性動を効果的に抑制・緩衝して、検出誤差の少ない高精度な傾斜検出が行えるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多軸傾斜検出装置の一実施例を示す図であって、(a)は外観略図、(b)は同実施例に係る多軸傾斜検出装置の略断面図。
【図2】 同実施例に係るXY軸用検出手段の配置例を示す展開図。
【図3】 (a)及び(b)は図2に示すXY軸用検出手段の電気回路例を示す図。
【図4】 (a)は図2に示すXY軸用検出手段の各コイルに生じる電圧をθ成分についてのみ模式的に示すグラフ、(b)はサイン相に対応する合成出力例及びコサイン相に対応する合成出力例を示すグラフ。
【図5】 同実施例に係るZ軸用検出手段の概略構成を示す概略上面図。
【図6】 図5に示すZ軸用検出手段の励磁コイル及び検出コイルの結線回路図。
【図7】 XY軸用検出手段の別の構成例を示す外観略図。
【符号の説明】
1 外殻
2 内球
3 磁気応答部材
4 浮力調整手段
10 XY軸用検出手段
20 Z軸用検出手段

Claims (7)

  1. 外殻と、前記外殻内に所定の液体と共に封入された内球とを具備し、前記内球は重力方向を指向するように構成され、前記内球の比重を前記液体の比重と略等しく設定することで該内球を該液体中に浮かばせることにより、検出対象たる3次元的な動きに応じて前記外殻が前記内球に対して3次元的に相対変位することを可能とし、
    前記内球の体積を調整することで該内球の比重を調整する浮力調整手段と、
    水平面上で直交するX軸及びY軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きをそれぞれ検出する第1の検出手段と
    重力方向に沿うZ軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きを検出する第2の検出手段と
    を更に具備し、
    前記第2の検出手段は、前記内球に配置されて該内球を地磁気方向に指向させる永久磁石と、前記外殻に設けられ地磁気方向に対して該外殻がなす角度を検出するフラックスゲート式検出手段とを含むことを特徴とする多軸傾斜検出装置。
  2. 前記浮力調整手段は、前記内球に設けた穴と、この穴の容積を可変調節する手段とを含む請求項1に記載の多軸傾斜検出装置。
  3. 前記第1の検出手段は、前記外殻若しくは前記内球のいずれか一方の所定個所に配置された磁気応答部材と、他方の球面上に所定配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応じて出力信号を生じるコイル部を備える請求項1又は2に記載の多軸傾斜検出装置。
  4. 前記コイル部は、X軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むX軸用コイル部と、Y軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むY軸用コイル部とからなり、
    前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを前記X軸用及びY軸用コイル部により得ることを特徴とする請求項3に記載の多軸傾斜検出装置。
  5. 外殻と、前記外殻内に所定の液体と共に封入された内球とを具備し、前記内球は重力方向を指向するように構成され、前記内球の比重を前記液体の比重と略等しく設定することで該内球を該液体中に浮かばせることにより、検出対象たる3次元的な動きに応じて前記外殻が前記内球に対して3次元的に相対変位することを可能とし、
    水平面上で直交するX軸及びY軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きをそれぞれ検出する検出手段を更に具備し、
    前記検出手段は、前記外殻若しくは前記内球のいずれか一方の所定個所に配置された磁気応答部材と、他方の球面上に所定配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応じて出力信号を生じるコイル部を備え、
    前記コイル部は、X軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むX軸用コイル部と、Y軸を中心とした前記球面の周囲に配置された複数のコイルを含むY軸用コイル部とからなり、前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを前記X軸用及びY軸用コイル部により得るように構成し、
    前記X軸用コイル部のコイルと前記Y軸用コイル部のコイルが一部共用されており、前記X軸用及びY軸用コイル部とを時分割的に交流励磁し、これに応じて前記X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを時分割的に取り出すようにしたことを特徴とする多軸傾斜検出装置。
  6. 重力方向に沿うZ軸周りの前記内球に対する前記外殻の傾きを検出する第2の検出手段を更に具える請求項に記載の多軸傾斜検出装置。
  7. 前記第2の検出手段は、前記内球に配置されて該内球を地磁気方向に指向させる永久磁石と、前記外殻に設けられ地磁気方向に対して該外殻がなす角度を検出するフラックスゲート式検出手段とを含むことを特徴とする請求項6に記載の多軸傾斜検出装置。
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