JP4125022B2 - ポリマー含有組成物、インク組成物および該インク組成物を用いた画像形成方法 - Google Patents

ポリマー含有組成物、インク組成物および該インク組成物を用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状物質と、溶媒と、イオン性官能基を有するポリマーを含有する組成物、その組成物からなるインク組成物および該インク組成物を用いた画像形成方法に関する。特に、本発明は、上記組成物のうち、溶媒が水であり、粒状物質が顔料である場合の顔料分散インク組成物、プリンターやディスプレイ等に利用されうる画像形成組成物およびそれらを用いた画像形成方法に関する
【0002】
【従来の技術】
粒状固体物質を含有する水性分散材料には、従来から機能性材料として、除草剤、殺虫剤等の農薬、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬、または粒状物質として着色剤を有するインク、トナー等の色材が良く知られている。近年、デジタル印刷技術は非常な勢いで進歩している。このデジタル印刷技術は、電子写真技術、インクジェット技術と言われるものがその代表例であるが、近年オフィス、家庭等における画像形成技術としてその存在感をますます高めてきている。
【0003】
インクジェット技術はその中でも直接記録方法として、コンパクト、低消費電力という大きな特徴がある。また、ノズルの微細化等により急速に高画質化が進んでいる。インクジェット技術の一例は、インクタンクから供給されたインクをノズル中のヒーターで加熱することで蒸発発泡し、インクを吐出させて記録媒体に画像を形成させるという方法である。他の例はピエゾ素子を振動させることでノズルからインクを吐出させる方法である。
【0004】
これらの方法に使用されるインクは通常染料水溶液が用いられるため、色の重ね合わせ時ににじみが生じたり、記録媒体上の記録箇所に紙の繊維方向にフェザリングと言われる現象が現れたりする場合があった。これらを改善する目的で顔料分散インクを使用することが検討されている(例えば米国特許第5085698号明細書)。しかしながら未だなお多くの改善が望まれている状況である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、粒状物質を溶媒に良好に分散したイオン性官能基を有するブロックポリマーを含む組成物を提供しようとするものである。
また、本発明は、粒状物質が顔料で、溶媒が水で、顔料の分散性が良好なインク組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
また、本発明は、溶媒中における顔料の粒状物質の分散性安定性が高く、さらには紙上での定着性及び擦過性に優れたインクジェット用の顔料分散インク組成物を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記のインクジェット用の顔料分散インク組成物を用いた画像形成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により解決される。
本発明の第一の発明は、粒状物質と、溶媒と、イオン性官能基、酸残基または塩基残基を末端に有するブロックポリマーとを含有するポリマー含有組成物であって、前記ブロックポリマーがA、B及びXのセグメントを含むブロックポリマーであり、前記Aがビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメント、前記Bが前記Aとは異なるビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメント、前記Xがイオン性官能基、酸残基または塩基残基からなる末端セグメントであることを特徴とするポリマー含有組成物である。
【0010】
前記Aのブロックセグメントが下記の一般式(1)で表される繰り返し単位からなるのが好ましい。
【0011】
【化5】
Figure 0004125022
【0012】
(式中、R1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7および−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
【0013】
pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
5 、R6 はそれぞれ独立に−Hもしくは−CH3 である。
【0014】
7 は−H、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2 CHO、−CO−CH=CH2 、−CO−C(CH3 )=CH2 、−CH2 COOR8 からなり、R7 が水素原子以外である場合、R7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。
8 は−Hまたは炭素数1から5のアルキル基である。
Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
【0015】
前記Bのブロックセグメントが下記の一般式(2)で表される繰り返し単位からなるのが好ましい。
【0016】
【化6】
Figure 0004125022
【0017】
(式中、R2 は−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 もしくは−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれる。p、m、n、R5 、R6 及びR7 は上記と同じものを表わす。)
【0018】
前記Xの末端セグメントのイオン性官能基、酸残基または塩基残基が、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、それらの金属塩またはアミン、アミンの酸塩から選ばれるのが好ましい。
【0019】
前記Xの末端セグメントが下記の一般式(3)で表されるセグメントであるのが好ましい。
【0020】
【化7】
Figure 0004125022
【0021】
(式中、Lはブロックポリマー末端との連結基であり、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−表わす。Mは置換されていてもよい、直鎖状または分岐状の炭素数1から30までのアルキレン基を表わす。R9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、COOR11、NR1112を表す。R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはカルボキシアニオンの対イオン基を表わす。Zは−COOH−COO-、−SO3−SO3 -、−OPO32 −OPO3-、−OPO3 2-、アミノ基またはアミノ基の酸塩を表わす。)
【0022】
前記粒状物質が顔料であるのが好ましい。
前記溶媒が水であるのが好ましい。
【0023】
また、本発明の第二の発明は、上記の組成物からなることを特徴とするインク組成物である。
前記インク組成物がインクジェット用インク組成物であるのが好ましい。
【0024】
また、本発明の第三の発明は、上記のインク組成物を使用することを特徴とする画像形成方法である。
インク吐出部からインクを吐出して被記録媒体上に付与して記録を行う画像形成方法において、前記インクが上記のインク組成物であるのが好ましい。
【0025】
前記インク組成物と、該インク組成物に刺激を与える刺激付与物質を接触することにより被記録媒体上でインク組成物が定着されて画像が形成されるのが好ましい。
前記刺激を与える刺激付与物質があらかじめ被記録媒体上に設けられているのが好ましい。
前記インク吐出部からのインクの吐出はインクに熱エネルギーを作用させて行うのが好ましい。
【0030】
さらに、本発明の特徴を説明する。
本発明では、前記粒状物質が顔料であり、また溶媒としては、水、水性溶剤、有機溶剤いずれを用いることも可能であるが、水が好ましく用いられ、本発明では、溶媒が水であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の組成物は刺激に対する応答性を有している場合、画像を形成する過程で刺激を与えることにより、インク特性を増粘したりすることで良好な定着性を付与することができる。刺激は、温度変化、電磁波への暴露、pHの変化、濃度の変化等の中から画像を形成する上で適当なものが選択され、本発明ではこれら刺激が2種以上組み合わさってもよい。
【0032】
本発明の組成物は好ましくはインクジェット用インクとして使用される。
また、本発明は、前記組成物を使用した画像形成方法である。例えばインク吐出部からインクを吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像形成方法である。
【0033】
また、前記刺激応答性の組成物を使用する場合、本発明の画像形成方法は刺激を与える手段を有する。例えば、前記刺激応答性インク組成物と該組成物に刺激を与える刺激付与物質を接触することにより被記録媒体上で該インク組成物が定着されて画像が形成される方法が挙げられる。
【0034】
前記刺激を与える刺激付与物質が本発明のインク組成物以外のインク組成物であってもよい。
また、前記刺激を与える刺激付与物質があらかじめ被記録媒体上に設けられていてもよい。
また、前記したインク吐出部からインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像形成方法として、例えばインク組成物に熱エネルギーを作用させてインクを吐出する方法、圧電素子を使用しインクを吐出する方法がある。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前記従来技術、課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
本発明のイオン性官能基を有するポリマーを含有する組成物(以降、「ポリマー含有組成物」とも記す)は、粒状物質と、溶媒と、イオン性官能基、酸残基または塩基残基を末端に有するポリマーとを含有することを特徴とする。
【0037】
本発明のポリマー含有組成物に含有される酸残基または塩基残基を末端に有するポリマーは、ブロックポリマーであるのが好ましい。
特に、本発明において、前記イオン性官能基、酸残基または塩基残基を末端に有するブロックポリマーが、A、BおよびXのセグメントを含むブロックポリマーであって、前記A及びBがビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメントであり、Xがイオン性官能基、酸残基または塩基残基からなる末端セグメントであるブロックポリマーが好ましい。
【0038】
本発明のポリマー含有組成物は、前記ブロックポリマーにより、所定の機能を有する粒状物質を溶媒中で均一に分散させることができ、さらに、本発明のポリマー含有組成物は、刺激に対する応答性を有する機能性材料である。
【0039】
本発明の代表的な例は、除草剤、殺虫剤等の農薬に利用可能な組成物、抗がん剤、抗アレルギー剤、消炎剤等の医薬として利用可能な組成物、口紅、ファンデーション、頬紅、保湿クリーム等の化粧品に利用可能な組成物、または、着色剤を有するインク、トナー等の色材として使用される組成物を挙げることができる。
【0040】
本発明において、粒状物質とは、本発明のポリマー含有組成物中に含まれ、希望する機能を発揮する化合物または組成物を意味する。例えば、上記の農薬であれば除草効果を有する活性化合物、殺虫効果を有する活性化合物等である。また、上記の医薬であれば、対象の症状を緩和または緩解する化合物、または医薬組成物である。さらに、上記の化粧品のようなコスメティックス分野では、所望の製品の中心物質、例えば保湿クリームであれば保湿作用を有する化合物等である。また、上記の色材としての利用では、顔料のような粒状固形物質、染料などである。
【0041】
本発明における好ましい粒状物質は、本発明のポリマー含有組成物の用途に応じて、顔料、金属、除草剤、殺虫剤、または、生体材料、例えば薬等を用いることができる。
本発明のポリマー含有組成物に含有される粒状物質の量は、組成物の重量に対して、0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%が望ましい。
【0042】
本発明のポリマー含有組成物に含まれる溶媒は、特に限定されないが、組成物に含まれる成分を溶解、懸濁、分散できる媒体を意味する。本発明では、直鎖状鎖、分岐状鎖、環状の各種脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、複素芳香族炭化水素などの有機溶媒、水性溶媒、水などが溶媒として含まれる。特に、本発明のポリマー含有組成物では水および水性溶媒を好適に使用することができる。
【0043】
水性溶媒の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を挙げることができる。また、インクの用途としては、紙での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
【0044】
本発明のポリマー含有組成物に含まれるブロックポリマーは、イオン性官能基、酸残基または塩基残基を末端に有するブロックポリマーであり、具体例としてはA、BおよびXのセグメントを含むブロックポリマーであって、前記A及びBがビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメントであり、Xがイオン性官能基、酸残基または塩基残基からなる末端セグメントであるブロックポリマーが挙げられる。
【0045】
本発明においては、ブロックポリマーはA、BおよびXのセグメントからなるが、末端セグメントのXセグメントが末端にあればよく、A、Bブロックセグメントの組み合わせに制限はない。例えば、ABX,BAX,ABAX,BABX,AABX,ABBX,その他のセグメントの組み合わでもよい。この本発明におけるブロックポリマーをABX型ブロックポリマーとして表わす。
【0046】
また、本発明では、ブロックポリマーにおけるブロックセグメントが共重合体、グラフトポリマーまたはグラジュエーションポリマーであってもよい。
【0047】
本発明に用いられるABX型ブロックポリマーの合成方法の具体例としては、各種リビング重合法、グループトランスファー重合法、マクロ連鎖移動剤を用いる重合法による方法を挙げることができる。リビング重合としてはアニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合があり、これによると、Aセグメントを構成するモノマーを重合したのち、Bセグメントを構成するモノマーの追加重合を継続してABブロックポリマーを合成する。最後に重合末端に結合可能なX成分となる化合物を導入することによりABXブロックポリマーを合成することができる。グループトランスファー重合法、マクロ連鎖移動剤を用いる重合法でも同様に合成することが可能である。本発明では好ましくはカチオンリビング重合法が用いられる。カチオンリビング重合法は青島らによる方法が良く知られている(例えばJournal of Polymer Science PartA Polymer Chemistry 39巻、746頁、2001年)。ビニルエーテル系、スチレン系のモノマーが用いられ、開始剤としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、過塩素酸等のプロトン酸や、BF3、AlCl3、TiCl4、SnCl4、FeCl3、RAlCl2、R1.5AlCl1.5等のルイス酸とカチオン源の組み合わせ(カチオン源としてはプロトン酸や水、アルコール、ビニルエーテルとカルボン酸の付加体などがあげられる。)が例として挙げられる。これらの開始剤を、好ましくはカルボカチオンを安定化する作用をもつ酢酸エチルやテトラヒドロフラン等のルイス塩基と共存させてモノマーを重合する。
【0048】
本発明のポリマー含有組成物に含まれるブロックポリマーは、各ブロックセグメントまたはユニットの繰り返し単位構造の特性をほぼ保持し、共存する形で特性を発揮することが可能である。とりわけ刺激応答性を有するブロックセグメントまたはユニット部分が有効に機能し、ランダムポリマーと比べ、その機能性を効率よく発揮ですることができる。
【0049】
また、本発明で用いられる、ABX型ブロックポリマーは、親水性、疎水性を示すブロックセグメントをそれぞれ有することが好ましい。さらに、それぞれのブロックセグメントのうち少なくとも一方の親水性ブロックが刺激に対して応答すること(例えば親水性から疎水性への変化)により、組成物が変性する。逆に、ある条件下で疎水性を示していたブロックセグメントが刺激に対して応答し、親水性のブロックセグメントに変化することにより組成物が変性する場合もある。
【0050】
このようなブロックポリマーの刺激応答の好ましい例は、本発明のポリマー含有組成物に含まれるABX型ブロックポリマーで、その少なくとも一種のブロックセグメントが刺激応答性を示す場合である。このような組成物では、この刺激応答性を有するブロックセグメントが、ある条件下で疎水性の場合には低粘性のミセル状で溶媒中に分散し、刺激が与えられると、該刺激応答性ブロックセグメントが親水性に変性し、低粘性の分散状態から高粘性のポリマー溶液状態へ変性する。このようにして、ある刺激により本発明のポリマー含有組成物の特性が変化する。
【0051】
以上のように、本発明において、溶剤として水を使用した場合に非常に好ましい刺激応答性を発現させることが可能である。本発明では、ブロックポリマーのブロックの形態をABX型に限定して説明したが、本発明は、粒状物質を溶媒中で均一に分散させ、刺激により本発明のポリマー含有組成物の特性を変化させるものであればABX型に限定する必要はなく、ABDX、ADBX型等のブロックポリマー、または、A、Bブッロクセグメントが、他の繰り返し構造を含むランダム構造をとってもよい。さらに、それぞれのブロックセグメントがグラフトポリマーまたはグラジュエーションポリマーであってもよい。DはA、Bと異なるブロックセグメントを示す。
【0052】
本発明に用いられるABX型ブロックポリマーの構造は限定されないが、具体的には、Aブロックセグメントのビニルエーテル構造の繰り返し単位構造が、下記の一般式(1)で表される繰り返し単位からなるのが好ましく、下記のビニルエーテル構造を2種類以上組み合わせた構造でもよい。
【0053】
【化9】
Figure 0004125022
【0054】
一般式(1)中、R1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7および−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
【0055】
pは1から18の整数である。
mは1から36の整数である。
nは0または1である。
5 、R6 はそれぞれ独立に−Hもしくは−CH3 である。
【0056】
7 は−H、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2 CHO、−CO−CH=CH2 、−CO−C(CH3 )=CH2 、−CH2 COOR8 からなり、R7 が水素原子以外である場合、R7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。
【0057】
8 は−Hまたは炭素数1から5のアルキル基である。
Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。
【0058】
本発明に用いられるABX型ブロックポリマーのBブロックセグメントのビニルエーテル構造の繰り返し単位構造が、下記の一般式(2)で表される繰り返し単位からなるのが好ましく、下記のビニルエーテル構造を2種類以上組み合わせた構造でもよい。
【0059】
【化10】
Figure 0004125022
【0060】
一般式(2)中、R2 は−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 もしくは−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれる。
p、m、n、R5 、R6 及びR7 は上記と同じものを表わす。
【0061】
本発明に用いられるABX型ブロックポリマーのXの末端セグメントが下記の一般式(3)で表されるセグメントが好ましい。
【0062】
【化11】
Figure 0004125022
【0063】
一般式(3)中、Lはブロックポリマー末端との連結基であり、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−表わす。
Mは置換されていてもよい、直鎖状または分岐状の炭素数1から30、好ましくは2から20、さらに好ましくは2から15までのアルキレン基を表わす。
【0064】
9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、COOR11、NR1112を表す。R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはカルボキシアニオンの対イオン基を表わす。
Zは−COOH−COO-、−SO3−SO3 -、−OPO32 −OPO3-、−OPO3 2-、アミノ基またはアミノ基の酸塩を表わす。
【0065】
本明細書で、−Phはフェニル基、−Pyrはピリジル基、−Ph−Phはビフェニル基、および−Ph−Pyrはピリジルフェニル基を表す。ピリジル基、ビフェニル基及びピリジルフェニル基については、可能な位置異性体のいずれのものであってもよい。
【0070】
Aブロックセグメントは上記の一般式(1)で表される繰り返し単位からなるセグメントを、Bブロックセグメントは上記の一般式(2)で表される繰り返し単位からなるセグメントと同じものを表わす。
【0071】
本発明の高分子化合物は、ブロックポリマーはA、BおよびYのセグメントからなるが、末端セグメントのYセグメントが末端にあればよく、A、Bブロックセグメントの組み合わせに制限はない。この本発明の高分子化合物をABY型ブロックポリマーとして表わす。
【0072】
上述の本発明に用いられるブロックポリマーの、A、Bブロックセグメントに含まれる繰り返し単位構造として、下記にビニルエーテル構造の例を挙げるが、本発明に用いられる構造は、これらに限定されない。
【0073】
【化13】
Figure 0004125022
【0074】
なお、式中、Meはメチル基、Etはエチル基、i−Prはイソプロピル基を表す。
【0075】
以下に、これらのビニルエーテル構造を含む、本発明の組成物に含まれるブロックポリマーの構造を例示するが、本発明に用いられるポリマーは、これらに限定されない。
【0076】
【化14】
Figure 0004125022
【0077】
【化15】
Figure 0004125022
【0078】
【化16】
Figure 0004125022
【0079】
【化17】
Figure 0004125022
【0080】
【化18】
Figure 0004125022
【0081】
【化19】
Figure 0004125022
【0082】
以下に、本発明に用いられるブロックポリマーのXの末端セグメントの末端構造のさらに別のものを例示するが、Xの末端セグメントは、これらに限定されない。
【0083】
【化20】
Figure 0004125022
【0084】
以上のポリビニルエーテルにおいて、繰り返し単位数u、v、wがそれぞれ独立に、1以上10,000以下であることが好ましく、またその合計(u+v+w)が、10以上20,000以下であることがより好ましい。
【0085】
本発明に用いられるブロックポリマーおよび高分子化合物の分子量は、数平均分子量で500から2,000,000の範囲である。好ましくは1,000から500,000の範囲である。500未満では高分子としての分散特性が十分でない場合があり、2,000,000を越える場合は粘性が大きくなりすぎる場合がある。
【0086】
本発明のポリマー含有組成物中に含有される前記ブロックポリマーの含有量は、0.1〜50質量%が好ましい。ブロックポリマーの量が0.1質量%未満となると、本発明の組成物中に含まれる粒状物質を十分に分散させることができない場合があり、50質量%を超えると粘性が大きくなりすぎる場合がある。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
【0087】
本発明のポリマー含有組成物は、種々の刺激に対してその状態(特性)を変化させる。例えば、状態の変化としてはゾル状態からゲル状態への相変化、溶液状態から固体状態への相変化、化学構造の変化などを挙げることができる。また、本発明では、該刺激は温度の変化、電場の印加、紫外線、可視光線、赤外線のような光(電磁波)への暴露、組成物のpHの変化、化学物質の添加、組成物の濃度変化などを挙げることができる。
【0088】
本発明における刺激応答性とは、上記のような刺激に対して本発明の組成物がその物性を変化することを意味する。すなわち、刺激応答性とは、電磁波への暴露、電場印加、温度変化、pH変化、化学物質の添加、組成物の濃度変化など、組成物へ刺激を付与することにより、この刺激(環境変化)に応じて組成物の形状や物性が著しく変化することを意味する。本発明における刺激は2種以上組み合わさってもよく、物性の変化は本発明の組成物の使用目的に応じて種々選択することができる。
【0089】
例えば医薬として利用する場合、刺激により化学構造、特に化学結合が変化し、所定の機能を奏する物質を放出することが挙げられる。また、化粧品としての利用では刺激により組成物の相状態が変化し、所望の機能を奏する物質の揮発を抑えるように働くことが挙げられる。さらに、色材としての利用では、組成物を被記録媒体に付着させたときに刺激により組成物が相変化(例えばゾルからゲルへの変化)を起こし、にじみやフェザリングを抑えるように働き、さらに、被記録媒体への定着性を向上させることが挙げられる。
【0090】
本発明のポリマー含有組成物は、上記のように農薬、医薬、化粧品、色材等の種々の用途があるが、特に顔料または染料を含有し、溶媒として水または溶剤を用いたインク材料としての用途が好適である。本発明の組成物を用いれば、インク材料の定着性を始めとする種々の特性を改善することが可能である。
【0091】
本発明のポリマー含有組成物の好ましい実施形態であるインク組成物の場合は、通常粒状物質としては顔料を用いる。以下に本発明のポリマー含有組成物をインク組成物として使用する場合の顔料の具体例を示す。
【0092】
顔料は、有機顔料および無機顔料のいずれでもよく、インクに用いられる顔料は、好ましくは黒色顔料と、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料を用いる。なお、上記に記した以外の色顔料、無色または淡色の顔料、または金属光沢顔料等を使用してもよい。また、本発明において、市販の顔料を用いてもよいし、あるいは新規に合成した顔料を用いてもよい。また、染料と併用して用いても良い。
【0093】
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
【0094】
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0095】
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、 C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
また、本発明のインク組成物では、水に自己分散可能な顔料も使用できる。水分散可能な顔料としては、顔料表面にポリマーを吸着させた立体障害効果を利用したものと、静電気的反発力を利用したものとがあり、市販品としては、CAB−0−JET200、CAB−0−JET300(以上キャボット社製)、Microjet Black CW−1(オリエント化学社製)等が挙げられる。
【0099】
本発明のインク組成物に用いられる顔料は、インク組成物の重量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。顔料の量が、0.1質量未満であると、十分な画像濃度を得られなくなり、50質量%を超えると顔料が凝集し分散できなくなる。さらに好ましい範囲としては0.5〜30質量%の範囲である。
【0100】
溶媒としては、水、水性溶剤、有機溶剤いずれを用いることも可能であるが、水が好ましく用いられる。水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
【0101】
水は本発明のインク組成物中に好ましくは5〜99質量%含有される。さらに好ましくは10〜90質量%未満含有される。5質量%未満では色材の分散が充分でない場合がある。また、99質量%を越えると他の成分の機能や性能が発揮されない場合がある。
【0102】
水性溶剤の例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類;および、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を挙げることができる。また、インクの用途としては、紙(被記録媒体)上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
【0103】
水性溶剤は本発明のインク組成物中に好ましくは0.1〜50質量%含有される。さらに好ましくは0.5〜40質量%未満含有される。0.1質量%未満では水性溶剤の機能が十分発揮されない場合があり、50質量%を越える場合、粘度が高くなりすぎる場合がある。
【0104】
本発明のインク組成物中に含有される前記ブロックポリマーの含有量は、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%が望ましい。ブロックポリマーの量が0.1質量%未満となると、本発明のインク組成物中に含まれる顔料を十分に分散させることができない場合があり、50質量%を超えると粘性が大きくなりすぎる場合がある。
【0105】
上記インク組成物は刺激に対する応答性を有することができる。その刺激応答性によって、画像を形成する過程で刺激を与えることにより、インク特性を増粘したりすることで良好な定着性を付与することができる。その刺激は、温度変化、電磁波への暴露、pHの変化、濃度の変化等のなかから画像を形成する上で適当なものが選択される。
【0106】
本発明で特に好ましいのは、刺激により特性が変化するインク組成物として利用される場合であり、顔料の分散安定性が高く、被記録媒体に付着させたときのにじみやフェザリングが改善され、さらには定着性、擦過性に優れた顔料分散インク材料として使用することができる。このため、本発明の顔料分散インク材料としてのインク組成物は、高画質、低消費エネルギー、高速の画像形成材料として利用することができる。
【0107】
本発明のポリマー含有組成物は、種々の刺激に応答してその状態(特性)を変化させる。本発明では、「刺激」としては、温度の変化;電場の印加;紫外線、可視光線または赤外線のような光(電磁波)への暴露;組成物のpHの変化;化学物質の添加;および組成物の濃度変化などを挙げることができる。本発明における好ましい刺激は以下に挙げるものがある。
【0108】
その第1は、温度変化であり、温度変化の範囲が、組成物の相転移温度の前後に渡る範囲である。第2に、電磁波への暴露であり、電磁波の波長範囲が100から800nmであることが好ましい。第3に、組成物のpH変化であり、pH変化の範囲がpH3からpH12の範囲であることが好ましい。第4に、組成物の濃度の変化であり、例えば、組成物の溶媒が蒸発または吸収されることにより、または組成物中の溶解されたポリマーの濃度を変化することにより、組成物の濃度が変化するような場合を挙げることができる。前記濃度の変化は、前記組成物が相転移を起こす濃度の前後に渡る範囲であることが好ましい。本発明においては、2種以上の刺激を組み合わせて付与してもよい。
【0109】
本発明のインク組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。また、インク組成物の添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明のインク組成物は、前記イオン性官能基を有するブロックポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することも可能である。
【0110】
親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。親水性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸のモノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等を含む。疎水性モノマーは、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等を含む。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
【0111】
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。
【0112】
アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、スルホコハク酸ジアルキル塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0113】
非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。
【0114】
カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0115】
両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
【0116】
本発明のインク組成物中に含まれてもよい添加剤の例としては、熱または電磁波の印加により活性化される架橋剤、酸発生剤、重合開始剤等を挙げることができる。
【0117】
本発明においてインク組成物中に添加することができるその他の添加剤は、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤;記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤;インク内での黴の発生を防止する防黴剤;インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤;記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤;酸化防止剤;粘度調整剤;導電剤;紫外線吸収剤;および、水溶性染料、分散染料あるいは油溶性染料のような着色剤等を含んでもよい。
【0118】
本発明のインク組成物は好ましくインクジェット用インクとして使用される。次に、本発明におけるインクジェット用インクの作成方法について説明する。
[インクジェット用インクの作成方法]
本発明のインクジェット用インク組成物の作成方法としては、顔料、本発明のブロックポリマー、及び添加剤等をイオン交換水中に加え、分散機を用いて分散させた後、遠心分離機等により粗大粒子を除去し、次いで水または溶剤および添加剤等を添加し、攪拌、混合、濾過を行うものを例として挙げることができる。
【0119】
分散機としては、例えば、超音波ホモジナイザー、ラボラトリーホモジナイザー、コロイドミル、ジェットミル、ボールミル等があり、これらを単独もしくは組み合わせて用いてもよい。
【0120】
また、自己分散顔料を用いた場合においても、上記の方法と同様の操作により作成することができる。
【0121】
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
[画像形成方法]
本発明のインク組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法により描画することができ、インクジェット法において用いることが特に好ましい。
【0122】
用いられるインクジェット法は、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式のような周知の方法であってもよい。また、コンティニュアス型またはオンデマンド型のいずれの方法を用いてもよい。また、本発明のインク組成物は、中間転写体にインクを印字した後、紙等の最終被記録媒体に転写する記録方式に用いることもできる。
【0123】
本発明の刺激応答性を有するインク組成物をインクジェット用インクとして用いる場合、本発明では、例えば、以下のような態様で使用することができる。以下の(a)から(d)の刺激によりインクを凝集することができる。
【0124】
(a)温度刺激に応答するインクとして用いる場合
インクタンク内のインクの温度と、吐出により付着した記録媒体上でのインクの温度との差による温度刺激により、本発明のインクジェット用インク組成物が相変化を起こし、急激に増粘あるいは不溶成分の凝集が起こる。
(b)電磁波刺激に応答するインクとして用いる場合
インクタンク内を暗室とし、吐出により可視光にさらす方法、またはインクジェット記録装置内に設けた電磁波照射部から電磁波を照射する方法により電磁波刺激を与えることができる。その電磁波刺激により、本発明のインクジェット用インク組成物に含まれる重合官能基が重合し、増粘あるいは不溶成分の凝集が起こる。
【0125】
(c)pH変化による刺激に応答するインクとして用いる場合
インク組成物が記録媒体に付着することにより、記録媒体の影響を受けてインク組成物のpHが変化し、そのpH変化により、本発明のインクジェット用インク組成物が相変化を起こし、増粘あるいは不溶成分の凝集が起こる。
(d)濃度変化による刺激に応答するインクジェット用インクを用いた場合
インクタンク内のインク組成物の濃度と、吐出されたインク組成物に含まれる水および水性溶剤が蒸発または被記録媒体に吸収された後の濃度との差によるインク組成物の濃度変化により、本発明のインクジェット用インク組成物が相変化を起こし、増粘あるいは不溶成分の凝集が起こる。
【0126】
これらインク組成物の特性の変性により、色にじみやフェザリングを改善することが可能となり、優れた定着性を発現させることが可能となる。なおインク組成物の変性は上述した増粘あるいは不溶成分の凝集に限定されるものではない。
【0127】
また、刺激を与える方法については、様々な方法が適用し得る。好ましい一つの方法としては、刺激となる刺激付与物質を前述してきた刺激応答性のインク組成物と混合または接触させる方法がある。例えば前記(c)のpH応答性インク組成物に対して、相当するpHの刺激付与物質を混合する方法として、インクジェット法を適用することが可能である。特開昭64−63185号公報に記載されているように、インクジェットヘッドにより画像を形成する領域全面にわたって刺激となる刺激付与物質を打ち込むようにすることもできるし、特開平8−216392号公報に記載の方法のように刺激となる刺激付与物質の量を制御して、より優れた画像を形成することもできる。
【0128】
また、刺激となる刺激付与物質を染料あるいは顔料を含有するインク組成物と兼用することも可能である。例えば、カラーインクジェット法において用いられるシアン−マゼンタ−イエロー−ブラック(CMYK)インクのいずれかに刺激を与えるインクを用い、CMYKインクの他のいずれかに刺激に応答するインクを使用することで色にじみを改善することが可能である。CMYKのいずれに刺激応答性インクを用い、他のいずれに刺激を与えるインクを用いるかについては、様々な組み合わせが可能であるが、本発明ではそのいずれの組み合わせを用いてもよく、組み合わせの選択を限定するものではない。また、刺激を与える刺激付与物質と刺激応答インク組成物の種類としては前述した刺激応答のパターン全てで行うことが可能であり、特に限定されるものではない。
【0129】
次に、本発明の画像記録装置について説明する。
[画像記録装置]
本発明のインク組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像形成方法を利用した画像形成装置に使用でき、インクジェット記録装置において用いることが特に好ましい。
【0130】
本発明のインクジェット用インクを用いるインクジェット記録装置は、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行う熱インクジェット方式等のようなインクジェット記録装置を含む。
【0131】
図1に、インクジェット記録装置の概略的機能図を示す。50はインクジェット記録装置の中央処理ユニット(CPU)である。CPU50を制御するためのプログラムは、プログラムメモリ66に記憶されていてもよいし、あるいはいわゆるファームウェアとしてEEPROM(不図示)等の記憶手段に記憶されていてもよい。インクジェット記録装置は、記録データ作成手段(不図示、コンピュータなど)から、プログラムメモリ66に記録データを受容する。記録データは、記録すべき画像あるいは文字の情報そのものでもよいし、それら情報の圧縮されたものでもよいし、または符号化された情報であってもよい。圧縮または符号化された情報を処理する場合には、CPU50に伸長または展開を行わせて記録すべき画像あるいは文字の情報を得ることができる。Xエンコーダ62(例えば、X方向または主走査方向に関する)およびYエンコーダ64(例えば、Y方向または副走査方向に関する)を設けて、被記録媒体に対するヘッドの相対位置をCPU50に通知することができる。
【0132】
CPU50は、プログラムメモリ66、Xエンコーダ62およびYエンコーダ64の情報に基づいて、画像を記録するための信号をXモータ駆動回路52、Yモータ駆動回路54およびヘッド駆動回路60に送信する。Xモータ駆動回路52はX方向駆動モータ56を、Yモータ駆動回路54はY方向駆動モータ58をそれぞれ駆動し、ヘッド70を被記録媒体に対して相対的に移動させ、記録位置に移動させる。ヘッド駆動回路60は、ヘッド70が記録位置に移動した時点で、各種インク組成物(Y、M、C、K)あるいは刺激となる刺激付与物質の吐出を行わせるための信号をヘッド70に送信し、記録を行う。ヘッド70は、単色のインク組成物を吐出するためのものであってもよいし、複数種のインク組成物を吐出するためのものであってもよいし、あるいは刺激となる刺激付与物質を吐出する機能を併せて有していてもよい。
【0133】
また、本発明のインク組成物は、被記録媒体に直接インクを付着させる直接記録方式を用いる装置に用いることもできるし、潜像を形成した中間転写体にインクにより像形成した後、紙等の最終被記録媒体に転写する記録方式等を用いた間接記録装置にも用いることができる。また、直接記録方式による中間転写体を利用した装置にも適用することができる。
【0134】
次に、本発明の被記録媒体について説明する。
[被記録媒体]
本発明の刺激応答性を有するインク組成物に対して、被記録媒体上に刺激を設けることができる。
【0135】
前述のように刺激となる刺激付与物質を、刺激応答性を有するインク組成物と混合または接触させることもできるが、あらかじめ被記録媒体上に刺激を与える仕組みを施しておくことも可能である。例えば、pH応答性インク組成物として酸性応答性インク組成物を用いて、酸性紙に記録を行う方法;刺激応答性インク組成物としてpH応答性インク組成物を用い、熱、電磁波あるいは圧力の印加に応答してpHを変化させる物質を放出する被記録媒体に記録を行う方法;架橋または重合可能な官能基を含有する刺激応答性インク組成物を用い、熱、電磁波あるいは圧力の印加に応答して架橋剤または重合開始剤を放出する被記録媒体に記録を行う方法などを挙げることができる。本発明では、被記録媒体はいずれの公知の形態であってもよい。例えば、普通紙、感熱紙、酸性紙等を挙げることができる。
【0136】
直接記録方式を用いる場合には、上記の被記録媒体を最終被記録媒体として用いる。一方、間接記録方式を用いる場合には、上記の被記録媒体を中間転写体として用いてもよいし、あるいは最終被記録媒体として用いてもよい。
【0137】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。以下の実施例では、本発明のイオン性官能基を有するブロックポリマーを合成する方法、水性分散物の例として顔料分散インク組成物を取り上げて説明する。なお、これらポリマー合成および顔料分散インクでの実施例では、実施したうちのいくつかの具体例を記すのみであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0138】
実施例1
<ブロックポリマーの合成>
2−エトキシエチルビニルエーテル(EOVE)、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)とHO(CH25 COOHとからなるABX型ブロックポリマーの合成。
【0139】
ポリ[EOVE(2−エトキシエチルビニルエーテル)−b−MOVE(メトキエチルビニルエーテル)]−O(CH25 COOH(ここで、bはブロックポリマーであることを示す記号である)を、以下の手順により合成した。
【0140】
三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃に加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、EOVE12mmol(ミリモル)、酢酸エチル16mmol、1−イソブトキシエチルアセテート0.1mmol、及びトルエン11mlを加え、反応系を冷却した。系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロリド(ジエチルアルミニウムクロリドとエチルアルミニウムジクロリドとの等モル混合物)を0.2mmol加え重合を開始した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分(EOVE)の重合の完了を確認した。
【0141】
次いで、B成分(MOVE)を12mmol添加し、重合を行った。GPCを用いるモニタリングによって、B成分の重合の完了を確認した後、HO(CH25 COOEtを30mmol添加して、重合反応を停止した。反応混合物溶液をジクロロメタンにて希釈し、0.6M塩酸で3回、次いで蒸留水で3回洗浄した。得られた有機相をエバポレーターで濃縮・乾固して、ポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH25 COOEtのブロクポリマーを得た。
【0142】
合成した化合物の同定は、GPCとNMRにより行なった。特に末端に結合している部分の同定にはNMRのDOSY法による測定により、高分子量体のスペクトル中に末端部位の存在することを確認することによって行なった。Mn=2.1×104 、Mn/Mw=1.4であった。Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である。
【0143】
得られたポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH25 COOEtの末端のエステル部位を加水分解し、NMRにて同定を行ったところ、目的物であるABX型ブロックポリマーである、ポリ[EOVE−b−MOVE]−O(CH25 COOHが得られた。
【0144】
実施例2
上記実施例1で合成したと同様の合成方法を用いて、イソブチルビニルエーテルの重合体の末端に−O(CH25 COOHが結合したポリマー化合物を合成した。数分子量6,000、分子量分布Mw/Mn=1.11を得た。
【0145】
実施例3
実施例1で得たカルボン酸末端のブロックポリマー26重量部をpH11の水酸化ナトリウム水溶液200重量部とともに3日間攪拌し、カルボン酸ナトリウム塩ポリマーとした。
【0146】
この溶液を25重量部とジエチレングリコール10重量部と2−ピロリドン5重量部とカーボンブラック(商品名MOGUL−L、キャボット社製)を3重量部とイオン交換水57重量部を混合し、ホモジナイザーを用いて混合した。粗大粒子をフィルタリング除去して顔料分散インク組成物を調整した。
【0147】
このインク組成物とpH2に調整したポリメタクリル酸5質量%溶液を接液すると黒色のゲルが直に生成し、刺激に対して応答性があることがわかった。
【0148】
また、このインク組成物を10℃に冷却すると、見た目に粘度が上昇していることがわかった。これは使用したブロックポリマーのAブロックセグメントであるEOVEブロックが親水性へ変性し、ブロックポリマーが全て分子溶解したためと考えられる。
【0149】
実施例4
実施例3に記載したpH2のポリメタクリル酸溶液をあらかじめ普通紙に噴霧して置いた。この紙にインクジェットプリンタ(商品名BJF800、キヤノン社製)の印刷ヘッドに実施例3で作成したインクを充填し記録した。
【0150】
記録1分後に印刷部に別の白紙の普通紙を4.9×104 N/m2 の荷重で押し付け、白紙の普通紙にインクが付着するか否かにより、定着強度の評価を行った。白紙の普通紙へのインクの付着は見られなかった。5回同じ試験を行なったが、同じ結果を得た。
【0151】
実施例5
実施例4と同様の実験を被記録媒体の普通紙をそのまま用いて、インクジェットプリンタにおける吐出インクの着弾部を約10℃に冷却して記録を行った。
実施例4と同様に定着強度の評価を5回おこなったが、うち2回はわずかに黒色が付着したのが観察された。
【0152】
比較例1
自己分散顔料(商品名CAB−0−JET300、キャボット社製)5質量部、界面活性剤(ノニオンE−230、日本油脂社製)0.5質量部、エチレングリコール5質量部、及びイオン交換水89.5質量部を混合し、インク組成物を調製した。該インク組成物を用いて、実施例4と同様に記録および定着強度を評価した。白紙の普通紙へのインクの付着が見られた。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粒状物質を溶媒に良好に分散したイオン性官能基を有するブロックポリマーを含む組成物を提供することができる。
また、本発明は、分散性の良好な機能性組成物、水性分散物を提供することができる。
【0154】
また、本発明は、粒状物質が顔料で、溶媒が水で、該顔料の分散性が良好なインク組成物を提供することができる。
また、本発明は、溶媒中における顔料の粒状物質の分散性安定性が高く、さらには紙上での定着性及び擦過性に優れたインクジェット用の顔料分散インク組成物を提供することができる。
【0155】
また、本発明は、上記のインクジェット用の顔料分散インク組成物を用いた画像形成方によれば、定着性の優れた印刷画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像記録装置の概略の機構を示す図である。
【符号の説明】
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (14)

  1. 粒状物質と、溶媒と、イオン性官能基、酸残基または塩基残基を末端に有するブロックポリマーとを含有するポリマー含有組成物であって、前記ブロックポリマーがA、B及びXのセグメントを含むブロックポリマーであり、前記Aがビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメント、前記Bが前記Aとは異なるビニルエーテル構造を繰り返し単位とするブロックセグメント、前記Xがイオン性官能基、酸残基または塩基残基からなる末端セグメントであることを特徴とするポリマー含有組成物。
  2. 前記Aのブロックセグメントが下記の一般式(1)で表される繰り返し単位からなる請求項1に記載のポリマー含有組成物。
    Figure 0004125022
    (式中、R1 は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 および−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれ、芳香環中の水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基と、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換していてもよい。
    pは1から18の整数、mは1から36の整数、nは0または1である。
    5 、R6 はそれぞれ独立に−Hもしくは−CH3 である。
    7 は−H、炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、−Ph、−Pyr、−Ph−Ph、−Ph−Pyr、−CHO、−CH2 CHO、−CO−CH=CH2 、−CO−C(CH3 )=CH2 、−CH2 COOR8 からなり、R7 が水素原子以外である場合、R7 中の炭素原子に結合している水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基または−F、−Cl、−Brと、また芳香環中の炭素原子は窒素原子とそれぞれ置換することができる。
    8 は−Hまたは炭素数1から5のアルキル基である。
    Phはフェニル基、Pyrはピリジル基を表わす。)
  3. 前記Bのブロックセグメントが下記の一般式(2)で表される繰り返し単位からなる請求項1に記載のポリマー含有組成物。
    Figure 0004125022
    (式中、R2 は−Pyr、−(CH(R5 )−CH(R6 )−O)p −R7 もしくは−(CH2m −(O)n −R7 から選ばれる。p、m、n、R5 、R6 及びR7 は上記と同じものを表わす。)
  4. 前記Xの末端セグメントのイオン性官能基、酸残基または塩基残基が、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、それらの金属塩またはアミン、アミンの酸塩から選ばれる請求項1に記載のポリマー含有組成物。
  5. 前記Xの末端セグメントが下記の一般式(3)で表される請求項1または4に記載のポリマー含有組成物。
    Figure 0004125022
    (式中、Lはブロックポリマー末端との連結基であり、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CONH−または−NHCO−表わす。Mは置換されていてもよい、直鎖状または分岐状の炭素数1から30までのアルキレン基を表わす。R9 、R10はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、COOR11、NR1112を表す。R11、R12はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基またはカルボキシアニオンの対イオン基を表わす。Zは−COOH、−COO-、−SO3H、−SO3 -、−OPO32、−OPO3-、−OPO3 2-、アミノ基またはアミノ基の酸塩を表わす。)
  6. 前記粒状物質が顔料である請求項1に記載のポリマー含有組成物。
  7. 前記溶媒が水である請求項1に記載のポリマー含有組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のポリマー含有組成物からなることを特徴とするインク組成物。
  9. 前記インク組成物がインクジェット用インク組成物である請求項8に記載のインク組成物。
  10. 請求項8または9に記載のインク組成物を使用することを特徴とする画像形成方法。
  11. インク吐出部からインクを吐出して被記録媒体上に付与して記録を行う画像形成方法において、前記インクが請求項8または9に記載のインク組成物であることを特徴とする画像形成方法。
  12. 前記インク組成物と、該インク組成物に刺激を与える刺激付与物質を接触することにより被記録媒体上でインク組成物が定着されて画像が形成される請求項10または11に記載の画像形成方法。
  13. 前記刺激を与える刺激付与物質があらかじめ被記録媒体上に設けられている請求項12に記載の画像形成方法。
  14. 前記インク吐出部からのインクの吐出はインクに熱エネルギーを作用させて行う請求項11に記載の画像形成方法。
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