JP4124614B2

JP4124614B2 - タービンディスクの側板

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Publication number: JP4124614B2
Application number: JP2002142278A
Authority: JP
Inventors: ピーター・エー・シメオン; ゲーリー・シー・リオッタ
Original assignee: General Electric Co
Current assignee: General Electric Co
Priority date: 2001-07-20
Filing date: 2002-05-17
Publication date: 2008-07-23
Anticipated expiration: 2022-05-17
Also published as: DE60205993T2; EP1277917A1; EP1277917B1; US6575703B2; JP2003065001A; US20030017050A1; DE60205993D1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却空気を回転タービンディスク組立体に噴射することで、ガスタービンエンジンのタービンロータディスク及びブレードを冷却することに関し、より具体的には、ディスク組立体のディスクの側面上にディスク側板を保持することに関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
ガスタービンエンジンにおいては、燃料が燃焼室内で燃焼されて、高温の燃焼ガスを生成する。ガスは、タービン部分内で膨張されて、固定ステータ羽根とタービンのロータブレードとの交互列を横切るガス流を生成し、使用可能な動力を生成する。羽根及びブレードの最初の列におけるガス流の温度は、一般に華氏２，０００度を超える。高温のガス流により損傷を受けやすいブレード及び羽根は、エンジン内の上流で圧縮されてタービンの部品に流れる空気により冷却される。ディスクリムに取り付けられたブレードを有する回転タービンディスク組立体を冷却するための一つの技術は、冷却空気をエンジン内の固定キャビティからディスク組立体に噴射し、タービンブレード内部に広がるようにするものである。冷却空気噴射ノズルは、エンジンの圧縮機から圧縮空気を受けて、周方向に間隔をおいて配置された通路を通して冷却空気を噴射するために用いられる公知の装置であり、この冷却空気噴射ノズルは、スワール運動を伝えて、噴射された冷却空気流が接線方向に回転タービンディスク組立体に指向されるようにする。一般的なタービンディスク組立体は、ディスクリムに取り付けられたタービンブレードと、ディスクの前面又は後面に取り付けられたディスク側板とを有し、該側板とディスクの間に冷却空気の通路を形成する。ディスクの半径方向内側位置から半径方向外側にあるディスクのリム及びブレード根元部まで半径方向に延びる、周方向に間隔をおいて配置されたディスク側板上の羽根を、プレートとディスクとの間に個々の通路を形成するために用いることができる。
【０００３】
プレートはまた、ディスクのリムにおけるダブテールスロットにはめ込まれたブレードを軸方向に保持し、１つ又はそれ以上の回転シールを支持するためにも用いられる。これらの機能を実行するために、一般的に、ディスク側板は、軸方向に拘束され、ディスクによって、応力場が一般的に高いリム近傍或いはウェブ上に、半径方向外向きに支持される。ディスク側板が内側及び外側回転シールを支持する場合、又はディスク側板の外側部分が更なる半径方向の支持を必要とする場合には、軸方向の保持及び半径方向の支持のための手段が、ディスクの低い半径方向内側部分においても必要とされるようになる。ディスク側板の拘束に普通に使用されるものは、バヨネット式マウントである。バヨネット式マウントの設計には、ディスク側板とディスクとが噛み合って、プレートに軸方向及び半径方向の保持がもたらされるように、ディスクのバヨネット腕部に断続的な切り込みが必要とされる。腕部におけるこれらの断続的な切り込みは、特に、フープ及び半径方向の応力場が高いディスク内において、３Ｄの応力上昇部を形成し、この応力上昇部は、しばしばディスク及びディスク側板の双方に寿命制限領域をもたらすようになる。この３Ｄの構成は、幾何学的に複雑であり、よって寿命を分析することもまた困難である。しかしながら、この断続的な切り込みがなくても、ディスクのバヨネット腕部は、断面厚さが急峻に変化するフィレットを有し、該フィレットは、２Ｄの半径方向の応力上昇部を形成する。一般的に、バヨネットの構成に含まれる半径方向のラベット部可変荷重も存在し、このことが、分析と設計を複雑にするものである。典型的なバヨネットの構成は、分析と設計を複雑にし、典型的なバヨネット腕部の保持の設計により、寿命が制限される可能性のあるいくつかの領域がもたらされる。寿命制限の懸念に加えて、バヨネットの構成は、一般的に機械加工するのが困難であり、費用がかかる。バヨネット腕部のポケットは、一般に、機械加工するための特別な工具を必要とし、欠陥の点検も困難である。この構成はまた、部品スクラップ化の共通の原因でもある。
【０００４】
当該技術において公知である別の低位の半径のディスク側板の保持には、十分な部品保持を提供するボルト継手が用いられるが、これは、結果的に部品数が多く、重くてかさばる形状になる。更に、ボルトの大きさは、エンジンの大きさに応じて縮小されることがないので、通常、小さなガス発生器には、このような継手のための空間がない。
【特許文献１】
特表２００２−５１０００９号公報
【０００５】
【課題を解決するための手段】
環状のディスクの側板は、環状のプレートハブと、該プレートハブから軸方向前方に延びる環状のプレートシャフト延長部とを含む。プレートウェブは、プレートハブから半径方向外向きに延び、プレートリムは、プレートウェブから半径方向外向きに延びる。ここに示される本発明の例示的な実施形態において、プレートリムは、プレートウェブから後方に向けて傾けられている。１つ又はそれ以上の軸方向に延びる環状のシーリングリッジ（ここに示される本発明の実施形態では、２つのシーリングリッジがある）が、プレートリムから後方に延びて、プレートと嵌り合うように設計されたディスクに対してシールを形成するようになっている。環状の溝が、シーリングリッジのうちの半径方向内側のものに配置され、ディスクに対してシールするために、シーリングリング又はシーリングワイヤが環状の溝内に配置される。側板は、ディスクに対するディスク側板の回転を防ぐための回転防止手段を更に含む。回転防止手段は、プレートシャフト延長部上に配置された要素を含んでおり、この要素は、半径方向に延びる周方向に離間して配置されたタブの周方向の列で例示されている。冷却空気開口又は穴は、側板のプレートウェブを通るように配置され、該プレートウェブを貫通して軸方向に延びる。ディスク側板は、プレートシャフト延長部の半径方向最内方にある内側円筒形面と、該内側円筒形面から半径方向外向きに間隔をおいて配置されたプレートシャフト延長部の外側円筒形面とを更に含む。環状のディスク側板は、軸方向後方にプレートハブ内に延び、半径方向外側のラベット継手コーナ部をもつ凹部を有する。半径方向外向きに延びる環状のリッジが、プレートシャフト延長部と凹部との間に直接配置されて、プレートシャフト延長部と環状のロータディスクの環状のディスクシャフト延長部との間にシーリングワイヤを閉じ込める。
【０００６】
本発明は、ディスクハブと、該ディスクハブから軸方向前方に延びる環状のディスクシャフト延長部とを備えた環状のロータディスクを有するロータ組立体を含むものである。ディスクウェブは、ディスクハブから半径方向外向きに延び、ディスクリムは、ディスクウェブから半径方向外向きに延びる。複数のロータブレードがディスクリム内に取り付けられ、そこから半径方向外向きに延びており、ディスクリムは、該ディスクリム上に前方に向いたシール面を有する。環状のディスク側板は、環状のディスクの前面側に取り付けられ、プレートシャフト延長部は、ディスクシャフト延長部に取り付けられる。側板を貫通して配置された冷却空気穴が、ディスク側板とディスクとの間の環状の半径方向の通路に通じており、この通路が冷却空気をロータブレードに通じる入口まで運ぶ。任意に、ディスク側板上の冷却用プレート羽根（図示せず）を使用することができる。冷却用プレート羽根は、半径方向外向きに延びて、半径方向通路のための周方向に間隔をおいて配置された壁を形成する。ディスクに対して押圧される側板の初期荷重をかけるための初期荷重付与手段は、プレートシャフト延長部をディスクシャフト延長部に固定することによって、環状のシーリングリッジにシール面に対するシールを形成させる。
【０００７】
第１の例示的な初期荷重付与手段には、ディスクシャフト延長部の半径方向外面における環状の溝と、該溝とプレートシャフト延長部に軸方向に係合するように該溝内に配置されたリングとが含まれる。リングは、溝の後方に向いた面に軸方向に係合し、プレートシャフト延長部の前方に向いた面に軸方向に係合する。例示的な回転防止手段が、プレート及びディスクシャフト延長部上に配置され、プレートシャフト延長部から半径方向内向きに垂下し、該プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第１タブを含む。ここに示される例示的な実施形態において、第１タブは、プレートシャフト延長部の前端部に配置されたパイロットから半径方向内向きに垂下する。回転防止手段は、ディスクシャフト延長部から半径方向外向きに垂下し、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第２タブを更に含み、第１タブの間に第１タブ空間を、及び第２タブの間に第２タブ空間を有する。第１タブが第２タブ空間内に配置され、第２タブが第１タブ空間内に配置されるように、第１及び第２タブは、周方向に互いにかみ合わされる。環状のカラー部材が、プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置され、溝内に配置されたリングの周りに環状のコーナ部を形成する半径方向内向きに垂下したフランジを有する。環状のカラー部材の後端部における半径方向外向きに延びる環状のフランジは、凹部内に配置され、半径方向外側のラベット継手コーナ部と共にラベット継手を形成する。本発明の例示的な実施形態において、環状のカラー部材は、その周りに配置された１つ又はそれ以上の環状のシールランド部を有すシールランナである。
【０００８】
第２の例示的なロータ組立体において、初期荷重付与手段は、プレートシャフト延長部から半径方向内向きに垂下し、該プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第１タブと、ディスクシャフト延長部から半径方向外向きに垂下し、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第２タブを含む。第１タブ空間が、第１タブの間に配置され、第２タブ空間が、第２タブの間に配置される。第１及び第２タブは、周方向に位置合わせされ、互いに押圧荷重がかけられる。回転防止手段は、軸方向に延びる複数の第３タブを含んでおり、この第３タブの各々は、第１タブの隣接するタブ間の第１タブ空間、及び第２タブの隣接するタブ間の第２タブ空間内に配置される。回転防止手段は、プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された環状のカラー部材を含むものであり、第３タブは、該カラー部材から半径方向内向きに垂下する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の上述の態様及びその他の特徴を、添付の図面に関連させて以下の説明において説明する。
【００１０】
ガスタービンエンジンのタービン部分１０の一部が図１に示され、このタービン部分は、エンジンの中心線１５の周りに配置されたステータ組立体１２と、ロータ組立体１４とを含む。高温ガスのための流路１６が、燃焼チャンバ２２の下流に設けられ、環状の外側流路壁１７及び環状の内側流路壁１９を含むステータ組立体１２によって定められる。流路１６は、ステータ羽根１８の列とロータブレード２０の列との間を軸方向に延びる。環状のキャビティ２４が、ステータ組立体１２内に形成されており、該キャビティは、タービンの冷却空気用のリザーバとして、部分的に機能する。ステータ羽根１８の列の直ぐ下流には、支持ロータディスク２６から半径方向外向きに延びるロータブレード２０の列が配置される。ロータディスク２６は、ディスクハブ５０と、該ディスクハブから軸方向前方に延びる環状のディスクシャフト延長部１２４と、該ディスクハブから半径方向外向きに延びるディスクウェブ５２と、該ディスクウェブから半径方向外向きに延びるディスクリム５６とを有する。ロータブレード２０は、ディスクリム５６内に取り付けられ、そこから半径方向外向きに延びる。ブレード２０は、支持ロータディスク２６に取り付けられたロータブレード根元部２１のそれぞれから、半径方向外向きに延びる冷却可能な中空の翼形部２７を有する。ロータディスク２６は、複数の入口２８を含み、その各々は、ブレード２０の根元部２１の内部流路２３と連通している。エンジン作動中に冷却空気は、入口２８、内部流路２３を通って、ブレード２０の冷却可能な中空の翼形部２７へと流れ、ブレード２０を冷却する。環状のディスク側板３０は、ディスク２６と共に回転するように、該ディスクの環状の前面側１３４に取り付けられる。
【００１１】
環状のディスク側板３０は、環状のプレートハブ９０と、該プレートハブから軸方向前方に延びる環状のプレートシャフト延長部９２とを含む。プレートウェブ９６は、プレートハブ９０から半径方向外向きに延び、プレートリム９８は、プレートウェブから半径方向外向きに延びる。ここに示される本発明の例示的な実施形態において、プレートリム９８は、プレートウェブ９６から後方に向けて傾けられている。冷却空気開口（又は穴）８８が、側板３０のプレートウェブ９６を通るように配置され、該プレートウェブを貫通して軸方向に延びる。冷却空気噴射ノズル３８は、冷却空気をディスクの回転方向に対して接線方向にディスクに噴射するために用いられる。回転方向に向いて接線角度に指向された、周方向に離間して配置された複数の流路４６が、キャビティ２４から側板３０のプレートウェブ９６の空気穴８８を通して、環状及び半径方向の流路３４内に、冷却空気を噴射する。１つ又はそれ以上のシーリングリッジ１００（ここに示される本発明の例示的な実施形態には、２つのシーリングリッジがある）が、プレートリム９８から後方に延びる。シーリングリッジ１００は、プレートと嵌り合うように設計されたディスクに対してシールを形成するように設計される。環状の溝１０１が、シーリングリッジ１００のうちの半径方向内側のものに配置され、シーリングリング又はシーリングワイヤ１０２が環状の溝内に配置されて、ディスク２６に対してシールを形成する。環状のシーリングリッジ１００は、ディスクリム５６の前方に向いたシール面５８に対してシールを形成し、半径方向内側のシーリングリッジは、その間にあるシーリングワイヤ１０２を使用する。
【００１２】
図２及び図３をより詳細に参照すると、側板３０は、ディスク２６に対するディスク側板３０の回転を防ぐための回転防止手段１１０を更に含む。回転防止手段１１０には、プレートシャフト延長部９２上に配置された要素が含まれ、この要素は、半径方向に延びる周方向に離間して配置されたタブ１１２の周方向の列によって例示されている。ディスク側板３０は、プレートシャフト延長部９２の半径方向最内方の内側円筒形面１０４と、該内側円筒形面から半径方向外向きに間隔をおいて配置された、プレートシャフト延長部の外側円筒形面１０６とを更に含む。パイロット９４は、プレートシャフト延長部９２の前端部９５に配置される。環状のディスク側板３０は、軸方向後方にプレートハブ９０内に延びる凹部１１４を有し、かつ応力除去フィレット１１７を備える半径方向外側のラベット継手コーナ部１１６を有する。半径方向外向きに延びる環状のリッジ１２０が、プレートシャフト延長部９２と凹部１１４との間に直接配置される。
【００１３】
ここに示される例示的な実施形態において、プレートシャフト延長部９２は、プレートハブ９０からパイロット９４まで測定された軸方向の縮径長Ｌと、エンジンの中心線１５から、それぞれ内側円筒形面１０４と外側円筒形面１０６との間のプレートシャフト延長部９２のシャフト壁厚Ｔの半ばにある中央線９７まで測定された縮径半径Ｒとを有する。側板３０が半径方向に大きくなるのを縮径させるために、軸方向の縮径長Ｌは、少なくとも縮径半径Ｒとシャフト壁厚Ｔとの積の平方根のおよそ１．２５倍と等しくすべきである。
【００１４】
第１の例示的なロータ組立体１４が、図２及び図３に示され、そこでは、第１の例示的な初期荷重付与手段１４０が、ディスクシャフト延長部１２４の半径方向外面１４４における環状の溝１４２と、該溝及びプレートシャフト延長部９２に軸方向に係合するように該溝内に配置された分割型リング１４５とを有する。このリング１４５は、溝１４２の後方に向いた面１４７に軸方向に係合し、プレートシャフト延長部９２の前方に向いた面１４９に軸方向に係合する。ロータ組立体１４が組み立てられる時、プレートハブ９０は、環状のディスク側板３０に対して押圧された状態で位置決めされ、初期荷重付与手段１４０は、該組立体を押圧状態に保持する。プレートシャフト延長部９２は、リング１４５を介してディスクシャフト延長部１２４に押し付けられるか、或いは該ディスクシャフト延長部１２４に対して付勢されており、環状のシーリングリッジ１００は、ディスクリム５６の前方に向いたシール面５８に対して付勢され、シール面５８に対するシールを形成する。第１の例示的な回転防止手段１１０は、プレート及びディスクシャフト延長部９２及び１２４に配置され、プレートシャフト延長部９２から半径方向内向きに垂下し、該プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第１タブ１４８を含む。ここに示される例示的な実施形態において、第１タブ１４８は、パイロット９４から半径方向内向きに垂下する。回転防止手段１１０は、ディスクシャフト延長部１２４から半径方向外向きに垂下し、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第２タブ１５０を更に含み、この回転防止手段は、第１タブ間の第１タブ空間１５２と、第２タブ間の第２タブ空間１５４とを有する。図３において具体的にわかるように、第１タブが第２タブ空間１５４内に配置され第２タブが第１タブ空間１５２内に配置されるように、第１タブ１４８及び第２タブ１５０は、図３に示すように、周方向に互いにかみ合わされる。
【００１５】
図２を参照すると、環状のカラー部材１５６が、プレートシャフト延長部９２の周りに周方向に配置され、このカラー部材は、該カラー部材の前端部１５７において半径方向内向きに垂下したフランジ１５８を有し、溝１４２内に配置されたリング１４５の周りに環状のコーナ部１５９を形成する。環状のカラー部材１５６の後端部１６２における半径方向外向きに延びる環状のフランジ１６０が、凹部１１４内に配置され、半径方向外側のラベット継手コーナ部１１６と共にラベット継手１６６を形成する。半径方向内向きに垂下したフランジ１５８は、カラー部材１５６から半径方向内向きに垂下し、該カラー部材の周りに周方向に配置された複数の第４タブ１８８を含む。複数の第５タブ１９０が、第２タブ１５０の軸方向前方にあるディスクシャフト延長部１２４から半径方向外向きに延び、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置される。第４タブ空間１９２が、第４タブの間に配置され、第５タブ空間１９４が、第５タブ１９０の間に配置される。図６に示されるように、第５タブが第４タブ空間１９２内に配置され、第４タブが第５タブ空間１９４内に配置されるように、第４タブ１８８及び第５タブ１９０は、周方向に互いにかみ合わされる。本発明の例示的な実施形態において、環状のカラー部材１５６は、その周りに配置された１つ又はそれ以上の環状のシールランド部１６８を有するシールランナであり、該シールランド部は、冷却空気固定噴射ノズル３８から半径方向内向きに配置された第1ブラシシール６０に係合する。ディスク側板３０は、環状のシールランド部７０を備える環状の棚状突起６２を有し、このシールランド部７０は、噴射ノズル３８から半径方向外向きに配置されたブラシシール７２に係合する。
【００１６】
最初に、プレートシャフト延長部９２上の第１タブ１４８を、これに対応する第２タブ１５０間の第２タブ空間１５４と位置合わせすることによって、第１の例示的なロータ組立体１４を組み立てる。組立体の軸方向の干渉を克服して、側板３０をロータディスク２６に対して軸方向に押圧するために、組み立て用工具が用いられる。次に、分割型リング１４５を溝１４２内に組み立てて、該リングが、該溝及びプレートシャフト延長部９２に軸方向に係合し、プレートハブ９０を環状のディスクの側板３０に押圧された状態に固定するようにする。これにより、プレートシャフト延長部９２にディスクシャフト延長部１２４上での軸方向の保持も与えられるようになる。次に、環状のカラー部材１５６の後端部１６２における環状のフランジ１６０が、凹部１１４のラベット継手コーナ部１１６内に配置されて、ラベット継手１６６を形成するように、カラー部材１５６（シールランナ）をプレートシャフト延長部９２の上で摺動させる。第４タブが第５タブ空間１９４内に配置されるように、周方向に互いにかみ合うようにされた第４タブ１８８及び第５タブ１９０によって、カラー部材１５６の回転防止がもたらされる。カラー部材１５６は、部分１９６により、高位レベルのロータ又はシャフト組立体１９８内に閉じ込められる。
【００１７】
図４、図５及び図６に示すのは、第2の例示的なロータ組立体１１８であり、ここでは、初期荷重付与手段１４０は、プレートシャフト延長部９２から半径方向内向きに垂下し、該プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第１タブ１４８と、ディスクシャフト延長部１２４から半径方向外向きに垂下し、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第２タブとを含むものであり、第１タブは、一般にバヨネット式マウントと呼ばれる締まり嵌めで第２タブに係合する。第１タブ空間１５２が、第１タブの間に配置され、第２タブ空間１５４が、第２タブの間に配置される。第１タブ１４８及び第２タブ１５０は、周方向に位置合わせされ、互いに押圧荷重がかけられる。回転防止手段１１０は、軸方向に延びる複数の第３タブ１７０を含み、各々の第３タブが、第１タブ１４８の隣接するタブ間の第１タブ空間１５２、及び第２タブ１５０の隣接するタブ間の第２タブ空間１５４内にそれぞれ配置される。回転防止手段１１０は、プレートシャフト延長部９２の周りに周方向に配置された環状のカラー部材１５６を更に含み、第３タブは、該カラー部材から半径方向内向きに垂下する。
【００１８】
最初に、プレートシャフト延長部９２上の第１タブ１４８を、これに対応する第２タブ１５０間の第２タブ空間１５４と位置合わせすることによって、第２の例示的なロータ組立体１１８を組み立てる。組立体の軸方向の干渉を克服して、側板３０をロータディスク２６に対して軸方向に押圧するために、組み立て用工具が用いられ、次に、側板をロータディスク２６に対して押圧させた状態で、該側板を回転させて、第１及び第2タブ１４８、１５０と周方向に位置合わせする。これにより、第１タブ及び第２タブは、互いに押圧荷重がかけられ、プレートハブ９０は、環状のディスク側板３０に押圧状態で固定され、プレートシャフト延長部９２にディスクシャフト延長部１２４上での軸方向の保持が与えられるようになる。次に、環状のカラー部材１５６の後端部１６２における環状のフランジ１６０が、凹部１１４のラベット継手コーナ部１１６内に配置されて、ラベット継手１６６を形成するように、カラー部材１５６（シールランナ）をプレートシャフト延長部９２の上に摺動させ、各々の第３タブが、第1タブ１４８の隣接するタブ間の第1タブ空間１５２、及び第2タブ１５０の隣接するタブ間の第2タブ空間１５４内に配置される。第３タブの各々が、第１及び第２のタブ空間１５２、１５４内に配置されることによって、カラー部材１５６の回転防止がもたらされる。カラー部材１５６は、部分１９６により、高位レベルのロータ１９８内に閉じ込められる。
【００１９】
本発明を、図解的な手法で説明してきた。使用した用語は、限定するためではなく、説明のための言葉の性質をもつように意図されていることを理解されたい。ここでは、本発明の好ましく例示的な実施形態と考えられるものについて説明してきたが、当業者には、ここでの教示により本発明の他の変更が明らかであり、従って、本発明の技術思想及び技術的範囲内に含まれるそのような全ての変更は保護されることが望まれる。特許請求の範囲において示される参照番号は、本発明の範囲を狭めるためではなく、それらを容易に理解するように意図したものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のタービンディスク組立体の例示的な実施形態を有するガスタービンエンジンのタービン部分の一部を示す軸方向部分断面図。
【図２】図１のディスク組立体のディスクに対するディスク側板の初期荷重をかける手段の、第1の例示的な実施形態の軸方向拡大断面図。
【図３】図２の線３−３に沿って切り取った半径方向断面図。
【図４】図１のディスク組立体のディスクに対するディスク側板の初期荷重をかける手段の、第２の例示的な実施形態の軸方向拡大断面図。
【図５】図４のディスク組立体のディスクに対するディスク側板の初期荷重をかける手段の、第2の例示的な実施形態の分解断面図。
【図６】図４のディスク組立体のディスクに対するディスク側板の初期荷重及び回転防止のために用いられるタブの部分的分解斜視図。
【符号の説明】
１２ステータ組立体
１４ロータ組立体
３０側板
８８冷却空気穴
９０プレートハブ
９２プレートシャフト延長部
９６プレートウェブ
９８プレートリム
１００シーリングリッジ
１１０回転防止手段
１１４凹部
１２４ディスクシャフト延長部
１４０初期荷重付与手段
１４２溝
１４５リング
１６６ラベット継手
１４８第１タブ
１５０第２タブ
１５２第1タブ空間
１５４第２タブ空間
１６８シールランド部
１７０第３タブ

Claims

環状のディスク側板（３０）であって、
周りを該環状のディスク側板（３０）が囲んでいる中心線（１５）と、
環状のプレートハブ（９０）と、
該プレートハブから軸方向前方に延びる環状のプレートシャフト延長部（９２）と、
前記プレートハブから半径方向外向きに延びるプレートウェブ（９６）と、
該プレートウェブから半径方向外向きに延びるプレートリム（９８）と、
該プレートリムから軸方向後方に延びる少なくとも一つの環状のシーリングリッジ（１００）と、
前記プレートシャフト延長部上に配置された、前記側板の回転を防止するための回転防止手段（１１０）と、
前記側板を貫通して配置された冷却空気穴（８８）と、
前記プレートシャフト延長部（９２）の半径方向最内方にある内側円筒形面（１０４）と、
該内側円筒形面（１０４）から半径方向外向きに間隔をおいて配置された、前記プレートシャフト延長部（９２）の外側円筒形面（１０６）と、
を備え、
前記プレートシャフト延長部（９２）は、該プレートシャフト延長部（９２）のシャフト壁厚（Ｔ）のおよそ半ばの位置にある中央線（９７）から前記中心線（１５）まで測定された縮径半径（Ｒ）と、前記シャフト壁厚（Ｔ）との積の平方根の少なくとも１．２５倍に等しい軸方向の縮径長（Ｌ）を有する
ことを特徴とする環状のディスク側板（３０）。
前記冷却空気穴（８８）が、前記プレートウェブ（９６）を貫通して軸方向に延びることを特徴とする、請求項１に記載の環状のディスク側板（３０）。
前記回転防止手段（１１０）が、半径方向に延びる周方向に離間して配置されたタブ（１１２）の周方向の列を含むことを特徴とする、請求項１又は請求項２に記載の環状のディスク側板（３０）。
軸方向後方に前記プレートハブ（９０）内まで延び、半径方向外側のラベット継手コーナ部（１１６）を有する凹部（１１４）を更に備えることを特徴とする、請求項１に記載の環状のディスク側板（３０）。
ディスクハブ（５０）と、該ディスクハブ（５０）から軸方向前方に延びる環状のディスクシャフト延長部と、前記ディスクハブから半径方向外向きに延びるディスクウェブ（５２）と、該ディスクウェブから半径方向外向きに延びるディスクリム（５６）と、該ディスクリムに取り付けられ、該ディスクリムから半径方向外向きに延びる複数のロータブレードと、前記ディスクリム（５６）上で前方に向いたシール面とを備える環状のディスクと、
環状のプレートハブ（９０）と、該プレートハブから軸方向前方に延び、前記ディスクシャフト延長部上に取り付けられた環状のプレートシャフト延長部（９２）と、前記プレートハブから半径方向外向きに延びるプレートウェブ（９６）と、該プレートウェブから半径方向外向きに延びるプレートリム（９８）と、該プレートリムから後方に延びる少なくとも一つの環状のシーリングリッジ（１００）と、を含み、回転防止手段（１１０）がその回転を防止し、冷却空気穴（８８）がそれを貫通して配置され、前記ディスクの前方に向いた面の側に取り付けられた環状のディスク側板（３０）と、
前記プレートシャフト延長部を前記ディスクシャフト延長部に軸方向に固定することによって、前記ディスクに対して押圧される前記側板の初期荷重をかけ、前記環状のシーリングリッジ（１００）に前記シール面に対するシールを形成させるための初期荷重付与手段（１４０）と、
を備え、
前記ディスク側板（３０）は、該環状のディスク側板（３０）で周りを囲う中心線（１５）と、前記プレートシャフト延長部（９２）の半径方向最内方にある内側円筒形面（１０４）と、該内側円筒形面（１０４）から半径方向外向きに間隔をおいて配置された、前記プレートシャフト延長部（９２）の外側円筒形面（１０６）と、
を備え、
前記プレートシャフト延長部（９２）は、該プレートシャフト延長部（９２）のシャフト壁厚（Ｔ）のおよそ半ばの位置にある中央線（９７）から前記中心線（１５）まで測定された縮径半径（Ｒ）と、前記シャフト壁厚（Ｔ）との積の平方根の少なくとも１．２５倍に等しい軸方向の縮径長（Ｌ）を有する
ことを特徴とするロータ組立体（１４）。
前記初期荷重付与手段（１４０）が、前記ディスクシャフト延長部（１２４）の半径方向外面にある環状の溝（１４２）と、該溝内に配置され、該溝及び前記ディスクシャフト延長部に軸方向に係合したリング（１４５）とを含むことを特徴とする、請求項５に記載のロータ組立体（１４）。
前記回転防止手段（１１０）が、前記プレートシャフト延長部及びディスクシャフト延長部上に配置されていることを特徴とする、請求項５又は６に記載のロータ組立体（１４）。
前記回転防止手段（１１０）が、
前記プレートシャフト延長部（９２）から半径方向内向きに垂下し、該プレートシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第１タブ（１４８）と、
前記ディスクシャフト延長部（１２４）から半径方向外向きに垂下し、該ディスクシャフト延長部の周りに周方向に配置された複数の第２タブ（１５０）と、
前記第１タブの間の第１タブ空間（１５２）と、
前記第２タブの間の第２タブ空間（１５４）と、
を備え、
前記第１タブが前記第２タブ空間内に配置され、前記第２タブが前記第１タブ空間（１５２）内に配置されるように、該第１及び第２タブが周方向に互いにかみ合わされる、
ことを特徴とする、請求項７に記載のロータ組立体（１４）。
前記リング（１４５）が、前記溝の後方に向いた面（１４７）と軸方向に係合し、前記プレートシャフト延長部（９２）の前方に向いた面（１４９）に軸方向に係合するようにされていることを特徴とする、請求項８に記載のロータ組立体（１４）。