JP4122952B2 - 符号分割多元接続におけるダウンリンク用受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルラ通信システムに関し、詳しくはマルチパス伝搬環境における符号分割多元接続信号の受信方法に関する。更に、本発明は、これに限定されるものではないが、例えば第3世代セルラ通信システム等の符号分割多元接続システムにおける携帯電話機又はラップトップコンピュータ等の移動受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
符号分割多元接続(code division multiple access:以下、CDMAという。)信号は、時間的に及び周波数的に重なり合い、例えばウォルシュアダマール(Walsh-Hadamard)符号等の固有の拡散符号によって互いに識別される。原理的には、希望信号を含む受信した合成信号(composite signal)に、その希望信号に固有の拡散符号を乗算することにより、希望信号が再生される。この処理により、希望信号が得られ、他の成分は容易に排除される。この処理では、セル内で使用されている各符号が、そのセル内で基地局が他のユーザのために使用している他の符号に直交することを仮定している。この直交性が維持される完全な環境では、セル内で使用されている他の信号からの干渉を一切受けることなく、希望信号を再生することができる。セル内で使用されている信号には、その信号を他のセルからの信号から区別するための更なる符号もスーパーインポーズされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、マルチパス伝搬が存在する実際の環境では、受信信号の直交性は、著しく損なわれてしまう。この結果、希望信号には、セル内の他の信号から及び他のセルの信号からの干渉成分が含まれてしまう。このような現象は、多元接続干渉(multiple access interference:以下、MAIという。)と呼ばれ、MAIには、セル内MAI(セル内で使用されている信号からの干渉)とセル間MAI(他のセルで使用されている信号からの干渉)とがある。
【0004】
Rake受信機は、希望信号の信号対雑音比を高めるために使用されるが、MAIを低減するために特別に設計されたものではない。Rake受信機は、複数の入力端子を備え、入力合成信号(希望信号を含む)の複数のサンプルに希望信号の拡散符号を乗算し、希望信号をより良好に再生する。Rake受信機の各入力端子は、それぞれ独立したアンテナ素子に接続されており、各アンテナ素子で受信された希望信号のコピーは、他のアンテナ素子で受信された希望信号と相関が有り、一方、異なるアンテナ素子で受信される雑音は相関が無く、これによって、空間ダイバーシチが得られる。これに代えて、又はこれに加えて、Rake受信機の入力信号は、希望信号のコピーが異なる時刻に受信機に到着するマルチパス環境における通信システムの動作を補償するために、時間的に遅延される。Rake受信機の出力信号は、可干渉的に(coherently)結合され、これにより、希望信号がより正確に再生される。Rake受信機の具体例は、例えば、米国特許第5305349号及び第6026115号に開示されている。希望信号の信号対雑音比を高めることにより、ビット誤り率はある程度改善されるが、これらの種類のCDMA受信機においても、MAIは、重大な信号劣化要因となっている。
【0005】
これまで、様々なセル内MAI抑圧法が提案されているが、これらの手法は、MAIの一部を抑圧するものに過ぎず、特に、これらの手法は、セル間MAIを対象としていない。適応等化に大きく依存するMAI抑圧法の具体例は、IEEEビーキュラテクノロジコンファレンス1999(IEEE Vehicular TechnologyConference, 1999)、マーク・ジェイ・ヘイキラ(Markku J. Heikkila)著「適応チャンネル等化によるCDMAダウンリンクにおける干渉抑圧(InterferenceSuppression in CDMA Downlink through adaptive channel equalization)」、IEEEビーキュラテクノロジコンファレンス1999(IEEE Vehicular Technology Conference, 1999)、ステファン・ワーナ(Stefan Werner)、ジョルマ・リルベルグ(Jorma Lilleberg)著「ロングコードによるCDMAシステムにおけるダウンリンクチャンネル逆相関(Downlink channel decorrelation inCDMA systems with long codes)」、IEEEビーキュラテクノロジコンファレンス1998(IEEE Vehicular Technology Conference, 1998)、イルファン・ガウリ(Irfan Ghauri)、ドリク・ディー・エム・スロック(Dirk T.M. slock)著「拡散シーケンスの直交性を利用したDS−CDMAダウンリンク用線形受信機(Linear Receivers for the DS-CDMA Downlink Exploiting Orthogonalityof Spreading Sequences)」、グロベコム’99(Globecom'99)、フーリ・ケイ(Hooli, K)、ラトバ−アホ・エム(Latva-aho, M)及びジュンチ・エム(Juntti, M)著「WCDMAダウンリンク受信機における線形クリップ等化器による多元接続干渉抑圧(Multiple access interference Suppression with linearclip equalizer in WCDMA downlink receivers)」、ビーキュラーテクノロジグロベコム’99(Vehicular Technology Globecom'99)、フーリ・ケイ(Hooli, K)、ラトバ−アホ・エム(Latva-aho, M)及びジュンチ・エム(Juntti, M)著「低拡散係数によるWCDMAシステムにおけるパス間干渉抑圧(Inter-path Interference Suppression in WCDMA Systems with Low Spreading Factors)」に開示されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、符号分割多元接続信号用の改善された又は少なくとも代替的な受信装置及び受信方法を提供する。包括的に言えば、本発明は、それぞれ単一の送信機から送信された信号を含む、所定数の空間的及び時間的に整合された合成信号サンプルを再生することを提案する。これにより、マルチパス伝搬環境において複数の基地局のうちの1つの送信機から送信されてきた信号におけるセル内MAI及び他の基地局の送信機からの信号に起因するセル間MAIの両方を低減することができる。合成信号サンプルは、複数の基地局からの合成信号を含む複数の信号サンプルを受信し、各基地局から受信した合成信号成分を分離する数学的処理を適用することにより再生される。各合成信号成分は、空間的及び時間的に整合し、このため、基地局からの希望信号の合成信号成分に希望信号の符号を乗算することにより、希望信号を簡単に求めることができる。
【0007】
この手法は、セル間MAI及びセル内MAIの両方を低減又は排除できることを含む様々な利点を有する。セル間MAIは、各基地局からの合成信号を分離することにより取り除かれる。また、分離された合成信号は、単一の基地局からの複数の時間的に整合された又は直交する信号であり、この合成信号を逆拡散することにより、希望信号のみが取り出せるため、セル内MAIも取り除かれる。
【0008】
本発明に基づく受信方法により、ソフトハンドオーバ(soft hand over)を行わなくても、セル間MAI及びセル内MAIを抑圧することができる。
【0009】
本発明の第1の側面である受信方法は、複数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされた信号から該符号分割多元接続の希望信号を受信する受信方法において、受信アンテナ配列(receiving antenna arrangement)からの受信信号サンプルの数を判定し、受信信号ベクトルを定義するステップと、基地局と受信アンテナ配列との間のマルチパスフェージングを推定し、チャンネル行列を定義するステップと、受信信号ベクトルに対し、チャンネル行列に基づく行列演算子を乗算し、各基地局からの合成信号を再生するステップと、合成信号の1つから希望信号を検出するステップとを有する。そして、行列演算子は、以下の式に基づいて繰り返し算出されることを特徴とする。
【0010】
【数3】
Figure 0004122952
【0011】
受信信号サンプルは、時間ダイバーシチサンプル及び/又は空間ダイバーシチサンプルである。空間ダイバーシチサンプルは、Nを送信機の数とし、M>Nとして、受信アンテナ配列のM本の異なるアンテナにより受信される。サンプリングレートは1チップである。
【0012】
一具体例においては、M=N+1である。なお、アンテナ素子の本数Mが多くなるほど、再生性能も高くなる。
【0013】
複数の空間的に離間したアンテナ素子に代えて、又はこれに加えて、サンプリングレートを高めて、単一の又はより少ない本数のアンテナ素子を使用してもよい。M本のアンテナ素子を1本のアンテナ素子に置換するためには、時間ダイバーシチサンプルは、t=(チップ期間)/M毎にサンプリングされる。
【0014】
この具体例では、必要なアンテナ素子の本数を減らすことができ、したがって移動端末装置における受信アンテナ配列のサイズを小型化することができる。この利点は、技術及び市場価値の観点から小型化が重要となるハンドヘルド型の端末装置において特に重要である。
【0015】
チャンネル行列の推定は、推定器を用いて、周知の手法により実行される。ここでは、既知のパイロットトーンを用いて、送信アンテナと受信アンテナとの間の振幅及び移相伝達関数が推定される。
【0016】
希望信号の検出は、この信号に対し、例えばウォルシュアダマール符号等の固有の符号を乗算することにより実行される。この処理は、当分野で周知であり、特に逆拡散として知られている。
【0017】
行列演算子は、好ましくは、チャンネル行列の共役転置行列に、チャンネル行列とチャンネル行列の共役転置行列との積の逆行列を乗算したものとする。
【0018】
端末装置において必要とされる演算パワーを小さくするために、行列演算子は、好ましくは繰り返し算出される。
【0019】
本発明の第2の側面である受信装置は、複数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされた信号から符号分割多元接続の希望信号を受信する受信装置において、受信アンテナ配列からの受信信号サンプルの数を判定し、受信信号ベクトルを定義する受信信号サンプル数判定手段と、基地局と受信アンテナ配列との間のマルチパスフェージングを推定し、チャンネル行列を定義するマルチパスフェージング推定手段と、受信信号ベクトルに対し、チャンネル行列に基づく行列演算子を乗算し、各基地局からの合成信号を再生する合成信号再生手段と、合成信号の1つから希望信号を検出する検出手段とを備える。そして、行列演算子は、合成信号再生手段により、以下の式に基づいて繰り返し算出されることを特徴とする
【0020】
【数4】
Figure 0004122952
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、マルチパス伝搬環境における基地局1及び移動端末装置7を示している。マルチパス効果は、特に、移動端末装置7が建物や乗り物等の信号拡散オブジェクトによって取り囲まれている都市の中心部やそれに類似する環境において生じやすい。これらの信号拡散オブジェクトを図1では「X」により示している。これらのパスの特性は、移動端末装置7及びこの移動端末装置7の周囲のオブジェクトが動き回ることにより、時刻毎に変化する。この所謂「フェージング」の影響は、基地局1及び移動端末装置7の一方又は両方に2本以上のアンテナを設けることにより改善される。これにより、少なくとも空間ダイバーシチが実現され、更に、これらのアンテナは、例えば時空間符号化等のより高度な無線通信技術に利用することもできる。
【0022】
基地局1の送信アンテナTと移動端末装置7の受信アンテナRとの間には、2つの信号伝搬パスP11a,P11bが示されている。実際には、一対の送信アンテナと受信アンテナの間には、これより多くのパスが存在することが多い。図1に示すように、信号伝搬パスP11aは、信号伝搬パスP11bより短く、したがって、送信アンテナTから送信された希望信号の2つのコピーが時間的にずれて受信アンテナRで受信される。信号伝搬パスP12aは、基地局1の送信アンテナTと移動端末装置7の第2の受信アンテナRとの間のパスを示している。移動端末装置7の第2のアンテナRは、希望信号の受信信号パワーを更に高めるための受信機空間ダイバーシチを実現している。ここで、上述のような時間的にずれた希望信号のコピーを可干渉的に結合するためには、何らかのメカニズムが必要である。
【0023】
図2は、移動端末装置7においてRake受信機8を用いた従来の無線通信システムを示している。上述のように、CDMAシステムにおいて、セル内の各データチャンネル又は音声チャンネルは、より高い周波数の符号で拡散されており、セル内で使用されている各符号は、互いに直交している。移動端末装置7が備えるRake受信機8は、複数のRakeフィンガ(Rake finger)を有し、各Rakeフィンガは、アンテナR及びアンテナRが受信した入力合成信号に対し、移動端末装置7に対応する希望チャンネル固有の符号を乗算する乗算器9を備えている。更に、各Rakeフィンガは、乗算器9における符号の乗算の前に、それぞれ異なる遅延量を与える遅延素子10を備えている。各遅延は、伝搬環境のマルチパス特性に起因する、希望信号の各コピー間の時間的なずれに対応するように設定される。Rakeフィンガの各出力信号は、結合器11において、希望信号の各コピーの遅延を考慮して可干渉的に結合され、希望信号が生成される。
【0024】
最終的な信号を生成するために、希望信号の複数のコピー又はサンプルを用いているので、最終的な信号の信号対雑音比は、この手法を用いない場合に比べて向上する。しかしながら、マルチパス伝搬環境においては、基地局1からの希望信号のコピーと他の信号のコピー間ではチップ同期(chip alignment)が維持されないことがある。これにより、他のチャンネルの成分が希望信号のサンプルに重なり、チャンネル間の直交性が完全でなくなる。この結果、図2においてIcとして示すセル内多元接続干渉(intra-cell multiple access interference:以下、MAIという。)が生じる。更に、マルチパス伝搬環境では、時間的にずれた他の基地局1からの信号の複数のコピーが希望信号に重なり、これらの信号間の直交性が損なわれるという現象も生じる。この結果、図2においてIbとして示すセル間(inter-cell)MAIが生じる。セル間MAIは、セル内MAIとは異なるマルチパス伝搬によって引き起こされるものであり、Rake受信機8によって希望信号の信号対雑音比は改善されるが、MAIの問題は解消されない。
【0025】
図3は、セル内MAIを最小化する適応等化(adaptive equalization)を用いる従来の無線通信システムの構成を示している。この無線通信システムは、基地局1’から送信されてくるパイロットトーン3を用いる。パイロットトーン3は、システム内の移動端末装置7にとって既知である。移動端末装置7は、チャンネル推定器6を備え、チャンネル推定器6は、受信したパイロットトーン3を用いて、一対の送信アンテナと受信アンテナ間の合成チャンネル特性(composite channel characteristic)を決定する。合成チャンネル特性は、例えばアンテナTとアンテナRとの間の伝搬パスP11a,P11bによって定義される。次に、チャンネル行列Hが推定される。チャンネル行列Hの要素Htrは、送信アンテナ(アンテナT)と受信アンテナ(アンテナR,R)との間で伝送される信号の伝達関数を定義する。チャンネル推定器6によってこのチャンネル行列Hが推定されると、その逆行列H−1が決定される。この機能(H−1)は、等化器12を用いて、受信アンテナR,Rで受信された入力信号のサンプルr,rに逆チャンネル行列H−1を乗算することにより実行される。この処理により、基地局1’のアンテナT1から送信された元の信号(s)が結合され、時間的に整合(time aligned)されたサンプル(r)が算出される。これにより、チャンネル信号は直交し、図3に示すように合成信号サンプル(r)に希望チャンネル固有の符号を乗算することにより、希望チャンネル(4)を容易に抽出することができる。この処理により、セル内MAI(Ic)を実質的に低減することができる。しかしながら、ここでは、セル間MAI(Ib)は取り除かれない。セル間MAIは、全体のMAIの1/3に達することもあり、これが重大な干渉源となってシステムの性能を劣化させることがある。
【0026】
セルラCDMAシステムのダウンリンクを図4に示す。この具体例では、端末装置27は、3つの基地局20からの信号(s)を強く受信している。端末装置27は、更に遠く離れた基地局(図示せず)からの信号も受信していることがある。セル間信号(s〜s)は、MAIの原因となり、このMAIは既知のシステムでは抑圧されない。
【0027】
図5aは、本発明に基づくセルラCDMAシステムを示している。また、図5bは、本発明に基づく受信機の具体的構成を示している。端末装置27は、複数の基地局又は送信機(20〜20)からの信号(s〜s)を受信する。各基地局からの信号(s)は、各基地局に固有の疑似ランダム符号によって符号化されている。多くの場合、受信機に強い影響を与える基地局の数は、少なく、通常2〜3個である。基地局が受信機から十分遠ければ、その信号は十分弱く、MAIに大きな影響を与えることはない。
【0028】
端末装置27は、複数の(M本の)アンテナ素子と、それぞれ基地局(20〜20)に対応する複数の(N個の)チャンネル推定器が組み込まれた信号処理回路26と、行列算出器25とを備える。更に、端末装置27は、希望信号を得るためのデスクランブラ又は逆拡散器を備える。
【0029】
アンテナ素子(R〜R)は、空間的に離間して配設されており、これにより入力合成信号(s+s+・・・+s)の空間ダイバーシチサンプル(r〜r)が得られる。サンプリングレートは1チップ又は拡散符号内の各サンプル分に相当する。アンテナ素子は、搬送波の波長の1/2以上離間して配設する必要がある。アンテナ素子の本数は、MAIに強い影響を有する送信機20の数をNとして、N+1以上設けられる。一般的なセルラシステムの場合、アンテナ素子の本数は、例えば4である。
【0030】
これに代えて、単一のアンテナ(R)を用い、異なるサンプルを異なる時刻に受信するようにしてもよい。ここでは、空間的に離間して配設された複数のアンテナ素子が受信するサンプルに代えて、時間ダイバーシチサンプルが使用される。ここで、サンプリングレートは、時間ダイバーシチを用いない場合に必要とされるアンテナ素子の本数をMとして、(1チップ)/Mである。また、空間ダイバーシチサンプルと時間ダイバーシチサンプルとを組み合わせて使用してもよい。
【0031】
複数のチャンネル推定器を備える信号処理回路26は、チャンネル行列H’を生成する。チャンネル行列H’の各要素H’nmは、それぞれ基地局の送信アンテナ(T〜T)の1つと、受信アンテナ(R〜R)の1つとの間の合成チャンネル特性を表している。チャンネル推定の手法は周知であり、ここでは、適切ないかなる手法を用いてもよい。
【0032】
所望のユーザの受信機のm番目のアンテナ素子(R)によって受信される信号は、下記式(1)のように表される。
【0033】
【数5】
Figure 0004122952
【0034】
ここで、Sは、各基地局(20)からの合成信号を表す。所望のユーザの受信機のM本のアンテナによって受信される信号全体は、下記式(2)のように表される。
【0035】
【数6】
Figure 0004122952
【0036】
所望のユーザに送信された信号は、基地局からの合成信号S,S,・・・,Sのうちの1つの信号に含まれる。一般性を損なうことなく、希望信号が合成信号Sに含まれるとする。すなわち、合成信号S〜Sは、所望のユーザにとってセル間MAIであり、合成信号S内の希望信号以外の部分は、所望のユーザにとってセル内MAIである。
【0037】
この具体例におけるMAI抑圧法の手順は、以下の通りである。
1.全てのアンテナで受信された信号を、式(2)で示すrとして整理する。
2.それぞれ異なる基地局(セル)からのパイロット信号を用いて、H11〜HMNを推定する。
3.式(2)に示す所望のユーザに対して整理された信号に対して、式(3)に示す行列Hを生成する。
【0038】
【数7】
Figure 0004122952
【0039】
ここで、( )は、共役転置行列を表し、( )−1は逆行列を表す。
4.式(4)に示すように、Hに対し、式(2)に示す受信信号rを右から乗算し、拡散合成信号S,S,・・・,Sを再生する。
【0040】
【数8】
Figure 0004122952
【0041】
ここで,合成信号S,・・・,Sを無視し、合成信号Sのみを抽出する。これにより、セル間MAIは、完全にキャンセルされる。
5.合成信号Sを直接デスクランブル及び逆拡散する。合成信号S内の全ての全ての信号は互いに直交するため、セル内MAIは、デスクランブル及び逆拡散の処理によってキャンセルされる。
【0042】
端末装置のアンテナ(R〜R)で受信されたサンプル信号(r〜r)には、チャンネル行列演算子Hが左からから乗算され、これにより、各基地局又は送信機20からの個々の、時間的及び空間的に整合された合成信号(s〜s)が再生される。各基地局と端末装置の受信アンテナ(R)との間の合成チャンネル特性又はフェージングHmnを補正することにより、基地局からの信号は、時間的に整合し、各基地局からの信号の符号の直交性が維持される。
【0043】
所望の基地局(20)からの全ての信号(s)は直交するため、この合成信号(s)に単に所定の符号を乗算するのみで、希望信号が算出される。このようにして、希望信号からセル間MAI及びセル内MAIの両方が取り除かれる。
【0044】
信号処理回路26におけるチャンネル推定処理及び行列算出器25における行列の算出は、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)等のハードウェアにより実行してもよく、端末装置内に設けられたプロセッサによりソフトウェアとして実行してもよい。
【0045】
行列の演算は、簡単にするために、例えば反復アルゴリズムを用いて実現するとよい。疑似逆チャンネル行列(pseudo-inverse channel matrix)Hのための好ましい反復演算は、以下の通りである。
【0046】
=[Hn−1]をM×n行列とする。ここで、M≧nであり、Hn−1はHの第1のn−1行を含む行列であり、hはHのn番目の行であり、ランク(H)はnである。
【0047】
【数9】
Figure 0004122952
【0048】
これらに代えて、受信信号サンプルの行列(r〜r)に作用して、各基地局又は送信機(T)からの合成信号(s〜s)を算出する他の行列演算子を用いてもよい。すなわち、希望信号を含む合成信号の時間的及び空間的に整合(aligned)されたサンプルは、個別に導出された後、単純に希望信号の符号が乗算され、通常の手法で希望信号が得られる。行列演算子は「高い(tall)」必要があり、すなわち、1つの拡散データ用の非相関サンプルの数をMとし、送信機の数をNとして、行数Mは列数Nより大きな数である必要がある。
【0049】
図6は、図5に示す受信機における信号対雑音比(Eb/N0)に対するビット誤り率(Bit-error-rate:BER)と、Rake受信機(図2)を用いた従来の受信機におけるそれとを比較して示すグラフである。図6から分かるように、Rake受信機のBERは、信号対雑音比が高くなっても余り小さくならないが、図5に示す受信機では、信号対雑音比が高くなると、BERは良くなる。これは、図5に示す受信機では、MAIが排除されるためである。
【0050】
図5に示すシステムは、上述のように、単に受信機空間ダイバーシチモードで使用してもよく、又は各基地局において複数の送信アンテナTが同じ信号を送信する送信機ダイバーシチに使用してもよい。更なる変形例として、基地局の各アンテナTから異なる複素シンボルが送信される時空間符号化技術を用いてもよい。但し、この手法では受信機側で更なるアンテナが必要となり、例えば、送信アンテナの本数を2倍にすると、受信アンテナの本数も2倍にする必要がある。
【0051】
以上、本発明を好ましい実施の形態を用いて説明した。当業者にとって明かな変形及び修正は、本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マルチパス伝搬環境において動作する移動通信システムを示す図である。
【図2】 Rake受信機を組み込んだ従来の受信機の構成を示す図である。
【図3】 適応等化を用いる従来の受信機の構成を示す図である。
【図4】 複数の基地局を備えるセルラWCDMAシステムを示す図である。
【図5a】 本発明に基づくセルラWCDMAシステムを示す図である。
【図5b】 本発明に基づく受信機の構成を示す図である。
【図6】 図5bに示す受信機のBER対Eb/N0を図2に示す受信機のそれと比較して示す図である。

Claims (6)

  1. 複数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされた信号から該符号分割多元接続の希望信号を受信する受信方法において、
    受信アンテナ配列からの受信信号サンプルの数を判定し、受信信号ベクトルを定義するステップと、
    上記基地局と上記受信アンテナ配列との間のマルチパスフェージングを推定し、チャンネル行列を定義するステップと、
    上記受信信号ベクトルに対し、上記チャンネル行列に基づく行列演算子を乗算し、上記各基地局からの合成信号を再生するステップと、
    上記合成信号の1つから希望信号を検出するステップとを有し、
    上記行列演算子は、以下の式に基づいて繰り返し算出されることを特徴とする受信方法。
    Figure 0004122952
  2. 上記受信信号サンプルは、時間ダイバーシチサンプル及び/又は空間ダイバーシチサンプルであることを特徴とする請求項1記載の受信方法。
  3. 上記空間ダイバーシチサンプルは、Nを送信機の数とし、M>Nとして、上記受信アンテナ配列のM本の異なるアンテナにより受信されることを特徴とする請求項2記載の受信方法。
  4. 上記時間ダイバーシチサンプルは、Nを送信機の数とし、M>Nとして、t=(チップ期間)/M毎にサンプリングされることを特徴とする請求項2又は3記載の受信方法。
  5. 上記行列演算子は、上記チャンネル行列の共役転置行列に、チャンネル行列とチャンネル行列の共役転置行列との積の逆行列を乗算したものであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の受信方法。
  6. 複数の基地局から送信されてくる、符号分割多元接続の希望信号と符号分割多元接続の他の信号とが組み合わされた信号から該符号分割多元接続の希望信号を受信する受信装置において、
    受信アンテナ配列からの受信信号サンプルの数を判定し、受信信号ベクトルを定義する受信信号サンプル数判定手段と、
    上記基地局と上記受信アンテナ配列との間のマルチパスフェージングを推定し、チャンネル行列を定義するマルチパスフェージング推定手段と、
    上記受信信号ベクトルに対し、上記チャンネル行列に基づく行列演算子を乗算し、上記各基地局からの合成信号を再生する合成信号再生手段と、
    上記合成信号の1つから希望信号を検出する検出手段とを備え、
    上記行列演算子は、上記合成信号再生手段により、以下の式に基づいて繰り返し算出されることを特徴とする受信装置。
    Figure 0004122952
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