以下、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の封入球式遊技機は、本発明をパチンコ遊技機に応用したものであり、例えば、遊技内容等は、従来のパチンコ遊技機と同様とすることが可能となっているとともに、外形等のサイズも同様となっており、パチンコ遊技店の現状の島設備に設置可能となっているが、島設備の球供給機構や球排出機構を用いることがないものとなっている。すなわち、封入球式遊技機として、予め封入された遊技球を用い、貸球機等を介してカード等の記憶媒体から入力されたデータ(貸球数のデータ)等に基づく遊技球数、すなわち、持球数のデータに対応して遊技球を遊技領域に発射可能とされ、遊技球を発射すると発射された遊技球数に対応して持球数のデータが減算されるようになっている。また、発射された遊技球が各種入賞口や変動入賞装置等の入賞具に入賞して賞球(遊技球)が発生した場合は、実際の遊技球を払い出すことなく、前記持球数のデータに賞球数が加算されるようになっている。また、持球数のデータが0となると、遊技球の発射ができない状態となる。この状態でカード等の記憶媒体に記憶された金額のデータや貯球のデータ等に基づいて、持球数のデータに数値(すなわち、貸球数もしくは再プレイ球数)が加算されると再び遊技球の発射が可能となる。
また、発射された遊技球は、遊技領域に至って一部は、入賞して遊技盤の裏面側に導かれてセーフ球として回収されるとともに、残りの入賞しなかった遊技球はアウト球として回収され、これら回収された遊技球が循環経路を通って再び発射可能な状態となるようになっており、遊技球は封入球式遊技機内で循環するようになっている。また、ファールとなった遊技球も循環経路に回収される。
従って、この例の封入球式遊技機は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球を、発射位置から遊技領域に発射して遊技を行う一方、遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球を循環使用する循環経路を備えたものとなる。
図1から図3に示すように、本実施形態の封入球式遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、この機枠110の一側方には、該機枠110に対し回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸支されている。また、前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたガラス枠140と、前面枠本体130の前面のガラス枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110内にちょうど収まるように、概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部から前側に臨むようになっている。また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部に渡る部分を覆って前記ガラス枠140が配置されており、遊技盤1の前面と前記ガラス枠140に嵌め込まれたガラス板141,141との間で、遊技盤1の前面に設けられたガイドレール2に囲まれた部分が遊技球Bが発射されて流下する遊技領域1aとされている。
また、ガラス枠140の一方の側部(左側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、ガラス枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
ガラス枠140には、前面枠本体130の開口部をほぼ閉塞するように、該開口部に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球Bが流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、ガラス枠140において、封入球式遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。なお、前面枠本体130には、ガラス枠140が開放されたことを検出するガラス枠開放検出センサ142(図12に図示)が設けられている。
また、ガラス枠140の前面側には、遊技領域1aの視認を妨げない位置に、図2に示すように、外部アピール装飾ランプ11,…、サイドランプ12,12、スピーカ13,13、エラー表示器14,14等が設けられている。外部アピール装飾ランプ11,…は、ガラス枠140の上部に、主に獲得遊技球数が大量となった場合に、これを周囲に報知するためのものである。例えば、入球数(遊技者が遊技機に打ち込んだ球数)と出球数(遊技球Bが入賞口等に入って出てきた賞球数)との差である差球数(差球数に遊技店が遊技者に貸した貸球数を加算した数値は、遊技者が持っている持球数であり、持球数は、ここでは、上述の遊技球Bの発射を可能とする遊技球数のデータとなる)に基づいて、差球数が高くなった場合に、外部アピール装飾ランプ11,…が点灯するようになっている。なお、上述のように封入球式遊技機100では、賞球の払い出しは行われず、上述の出球数、入球数、差球数、持球数(遊技球数)等は、実際の遊技球Bの個数ではなく、データ上の数値となる。すなわち、実際に使用される遊技球Bは、循環使用される限られた所定数(例えば、25個)しかなく、持球数は、例えば、遊技領域1aに発射される遊技球Bを検知してカウントした発射球数、発射されたが戻ってしまった遊技球Bを検知してカウントしたファール球数、遊技領域に発射されて回収された遊技球Bを検知してカウントした回収球数、入賞した場合の賞球数、遊技店から借りた貸球数等の数値から上述の入球数、出球数、差球数、持球数が得られる。
なお、ガラス枠140を開放して遊技球Bが外に出てしまう等のトラブルがない限り、発射球数=ファール球数+回収球数(改修球数がファール球数を含まない場合)となる。そして、入球数=回収球数=発射球数−ファール球数となり、出球数=賞球数(積算値)=入球数−貸球数(再プレイ球数)+持球数となり、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+出球数−入球数、出球数−入球数=差球数、持球数=貸球数(もしくは再プレイ球数)+差球数となる。以上のように封入球式遊技機100による遊技は、完全にデータ上の数値として行われることになり、遊技球Bをこぼしたり、遊技球Bを下皿や上皿に残したりすることによる誤差が生じることがなく、整数単位で確実に管理可能となる。しかし、多数の遊技球Bを得て、これを遊技球箱に溜めることにより遊技者が得られる満足感や優越感といったものが、持球数という数値の増加では得難い。そこで、外部アピール装飾ランプ11,…は、遊技者が満足感や優越感を得られるように用いられる。
外部アピール装飾ランプ11,…の動作をより具体的に説明すると、例えば、持球数もしくは差球数が1000個以上になると、外部アピール装飾ランプ11,…のうちの1つが所定の発光色(例えば緑)で点灯し、持球数もしくは差球数が2000個以上となると外部アピール装飾ランプ11,…のうちの2つが点灯するとともに、発光色を変更するといように、持球数もしくは差球数が所定数ずつ増えるたびに外部アピール装飾ランプ11,…の点灯数を増加し、かつ、発光色を変更し、遊技店内の遊技者等に差球数が多い台を知らせるとともに、その台で遊技する遊技者が多くの遊技球数を獲得していることをアピールするようになっている。
また、サイドランプ12,12は、遊技状態に対応して点灯、点滅、発光色の変更等の演出を行う。また、サイドランプ12,12とともに、外部アピール装飾ランプ11,…、エラー表示器14,14も演出としての発光を行うようにしても良い。また、エラー表示器14,14は、演出用の発光とは異なる色や点滅等の点灯方法で点灯することで、係員等に各種エラーを報知する機能を有する。
また、前面枠本体130の前面側のガラス枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150には、タッチパネル表示ユニット151、ハンドルタッチ検出部152、発射スライドボリューム153、見せ球装飾部154、スピーカ155、及びこれらの部材を保持するとともに後述する発射装置61の操作用のポケット上の凹部158(空間)を形成する発射操作空間形成枠159が設けられている。
タッチパネル表示ユニット151は、表示装置としての液晶ディスプレイを有するもので、基本的な機能として、持球数の情報、金額情報(カード等の記憶媒体に記憶された残額等)、貯球情報(景品と交換せずに遊技店側に貯蓄した遊技球数等)等の遊技情報を表示し、実際の遊技球Bの払い出しがなくても、いつでも、持球数を確認できるようにするとともに、遊技者や遊技店の店員等に対してエラーの発生を含む各種情報を表示可能となっている。また、タッチパネル表示ユニット151は、タッチパネルとして、表示切替や、その他の表示内容に対応した入力操作を可能とするものである。なお、タッチパネル表示ユニット151は、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転して傾きを調整できるようになっており、遊技者の体格等に対応して遊技者が見やすい角度に変更可能となっている。
また、本発明の封入球式遊技機100においては、従来のパチンコ遊技機に設けられた遊技球Bの発射を操作するための回転操作式の操作ハンドルに代えて、前記ハンドルタッチ検出部152,152及び発射スライドボリューム153を有する。
前記ハンドルタッチ検出部152,152には、従来の操作ハンドルに設けられていたタッチセンサを有するものであり、遊技者の手を接触させることにより、信号を発射制御装置63aに出力し、発射制御装置63aの制御の元に発射装置を作動させて遊技球Bを発射させるものである。
また、ハンドルタッチ検出部152,152は、ガラス枠140の下側で前側に膨出した状態の発射操作空間形成枠159の左右側部で、膨出した部分にポケット状の凹部158を形成し、この凹部158の内面のうち、主に遊技機の前方側で後方を向いた部分にタッチセンサを形成したものがハンドルタッチ検出部152,152となっている。また、ポケット状の凹部158の底面部分は、遊技者の手をおけるように凹部内より外側に延出した状態となっており、凹部に手を入れてタッチセンサに触れた状態で楽に手を凹部の底面におけるようになっている。すなわち、凹部の底面は、アームレスト158a(ハンドレスト)として機能する。また、ハンドルタッチ検出部152,152は、封入球式遊技機100の下部の発射操作ユニット150の左右にそれぞれ設けられているので、右手でも左手でも遊技球Bの発射の操作が可能となっている。
また、従来、発射勢の調整は、操作ハンドルを回転することにより行われていたが、この例の封入球式遊技機100では、上下にスライド移動可能な操作レバー156を備えた発射スライドボリューム153により発射勢を調整できるようになっており、上下に移動可能な発射スライドボリューム153の操作レバー156を上もしくは下に移動すると発射勢が強くなり、逆に移動すると発射勢が弱くなるようになっている。なお、操作レバー156は、任意の位置で止められるようになっており、手を離してもバネ等により発射勢を最低とする位置に戻ることがないので、一度、遊技者が発射勢を決めたら、操作レバー156から手を離して、ハンドルタッチ検出部152,152に手を触れるだけで遊技球Bが発射可能となる。
見せ球装飾部154は、遊技球Bを払い出すパチンコ遊技機における上皿に溜まった遊技球Bの減少や増加による流動等を仮想的に表現するものである。
すなわち、遊技球Bを順次発射した際や、遊技球Bが入賞した際に、タッチパネル表示ユニット151に表示される持球数の増減だけで、パチンコ遊技機の上皿に溜まった遊技球Bの発射による減少や、賞球の払い出しによる増加を実感しずらいので、見せ球装飾部154で、遊技球Bの移動を仮想的に再現することで、遊技者に対して遊技球Bの増減を実感しやすい状態とする。
なお、見せ球装飾部154は、例えば、遊技球Bの増減を遊技球Bの移動で表現するものであり、実際の遊技球Bを循環移動させることにより表示しても良いし、ディスプレイとして画像により遊技球Bの移動を表示するものとしても良いし、擬似的にランプ(LED)の点滅等で遊技球Bの移動を表現するものとしても良い。この例では、見せ球装飾部154は、擬似的に内部にLEDを備えた球状の発光部材により遊技球Bの増減の変化を示すようになっている。
スピーカ155は、そのエンクロージャー157となる部分が、図3に示すように後から向かって左側(前から向かって右側)に延出した状態となっており、エンクロージャー157が、右のハンドルタッチ検出部152と前後に重なるようになっている。これにより、スピーカ155により発生する振動を右のハンドルタッチ検出部152に触れている遊技者の手に伝えて、遊技者が手で音に基づく振動を体感可能となっており、ボディソニックの一種となっている。
そして、以上のような封入球式遊技機において、前面枠本体130の開口部に嵌め込まれた遊技盤1の前面側の遊技領域1aにおいて遊技が行われることになる。
すなわち、封入球式遊技機100は、図1に示す、遊技盤1のガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に遊技球B(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うものであり、該遊技領域1aには、図1に示すように、普図始動ゲート6,6、この普図始動ゲート6,6を遊技球Bが通過して普図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を表示する普図始動記憶表示器(図示略)、普通図柄(普図)の変動表示ゲームを表示する普図変動表示器(図示略)、普通変動入賞装置9、この普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞して特図変動表示ゲームが未処理となっている未処理回数を点灯表示する特図始動記憶表示器(図示略)、特別図柄(特図、識別情報)の変動表示ゲームの表示等を行う変動表示装置4、特別変動入賞装置5、一般入賞口8,…、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示省略)などが設けられている。
なお、本発明の封入球式遊技機100の遊技盤1においては、遊技領域1aをその下端部まで流下しても入賞しなかった遊技球Bとしてのアウト球を遊技領域1aの下端部において遊技盤1の裏面側に導くアウト穴が設けられておらず、その代わりに遊技盤1の前面で遊技領域1aを囲むガイドレール2が、遊技領域1aの下端部で設けられていない構成、すなわち、ガイドレール2の遊技領域1aの下側を囲む部分に、切欠部が設けられる構成となっており、入賞しなかった遊技球Bは、遊技盤1の下端部の中央部分で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aからそのまま遊技領域1aの外側(下側)に流下する構成となっている。
前記普通変動入賞装置9は左右一対の開閉部材とこの開閉部材を動作させる普電ソレノイド9a(図12に図示:普電SOL)とを具備し、この開閉部材は、常時は遊技球Bが1個流入可能な程度の間隔で閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示器の普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置9に遊技球Bが流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。
この普通変動入賞装置9は、特図の始動入賞口も兼ねている。すなわち、普通変動入賞装置9の内部(入賞領域)に備えられた始動口センサ9b(図12に図示)により遊技球Bを検出することに基づき始動条件が成立し、特図の変動表示ゲームが開始されるようになっている。
また、普図始動ゲート6,6内には、該普図始動ゲート6,6を通過した遊技球Bを検出するためのゲートセンサ6a(図12に図示:普図始動センサ)が設けられている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが、普図始動ゲート6,6内を通過すると、普図変動表示器において普図の変動表示ゲームが行われる。
ここで、普図変動表示器は、例えば、LEDなどによって構成され、普通図柄(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)の変動表示ゲームは、普図変動表示器の点灯状態を所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようになっている。
この普図の変動表示ゲームの結果、普図変動表示器における停止表示が特別の結果態様となれば、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置9の開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)上述のように開放される。これにより、普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞しやすくなり、特図の変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、特図の変動表示装置4(特別図柄表示装置)は、例えば、液晶ディスプレイ41を備え、表示内容が変化可能な表示画面42を有している。この表示画面42における表示内容は、表示制御手段としての機能を有する演出制御装置51(図12図示)となる演出制御基板50(サブ基板、盤用演出基板)により制御されるようになっている。
そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが特図の始動口を兼ねる普通変動入賞装置9へ進入して始動条件が成立することに基づき、表示画面42にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特別図柄の変動表示ゲームを実行可能となっている。なお、特図の変動表示ゲームは、表示画面42において、複数種類の識別情報を所定時間変動表示させることにより行う。
そして、この特図の変動表示ゲームの結果として、表示画面42の表示態様が特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。
ここで、特別変動入賞装置5は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカー形式の開閉扉によって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球Bの流入を容易にさせるサイクル遊技が、所定回数(所定ラウンド数)を限度に行われる。なお、開閉扉は、大入賞口ソレノイド5a(図12に図示:大入賞口SOL)により駆動される。
また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球Bを検出するためのカウントセンサ5bと、大入賞口に入った遊技球Bのうち継続入賞領域(V入賞領域)に流入した遊技球Bを検出するためのV入賞センサ5cが配設されている。
なお、各一般入賞口8,…の内部(入賞領域)には、該入賞口8,…に入った遊技球Bを検出するための入賞口センサ8aが配設されている。
ここで、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球Bが、一般入賞口8、普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5の大入賞口等の入賞口(入賞具)の何れかに流入して入賞が発生すると、該入賞した遊技球Bが各入賞口のセンサにより検出され、該検出に基づき、各入賞口に対応して設定された所定の賞球数が、上述の遊技球数(持球数)のデータに加算される。
従って、特別遊技状態中に上記のサイクル遊技を行うことにより、遊技者は高い遊技球数(特定の遊技価値)の獲得機会を得る。
すなわち、封入球式遊技機100はパチンコ遊技機として、特図変動表示ゲームの結果、予め定められた特別結果態様となった場合に(大当りとなった場合に)、遊技者に特定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生可能に構成されている。
また、前記遊技盤1の裏面側には、図3に示すように、前記液晶ディスプレイ41の後側にボックス52に納められた状態で前記演出制御基板50が配置され、その下側にボックス22に収納された状態で遊技を制御する遊技制御装置21となる遊技制御基板20が配置されている。遊技制御装置21は、遊技球Bの入賞をセンサで検知した場合に、後述する枠制御装置83へ入賞(賞球数)を示す信号を出力するとともに、普図始動ゲート6,6を遊技球Bが通過したのをゲートセンサ6aが検知した場合に、普図の変動表示ゲームの開始の制御を行うとともに、普図の変動表示ゲームの当り外れの判定の制御を行う。そして、遊技制御装置21は、普図の変動表示ゲームが当たりとなった場合に、普通変動入賞装置9(普電ソレノイド9a)を作動させる制御を行う。また、遊技制御装置21は、普通変動入賞装置9に遊技球Bが入賞した場合に特図の変動表示ゲームの制御を前記演出制御装置51を介して行う。すなわち、遊技制御装置21は、演出制御装置51に変動表示装置4の表示制御を行わせるとともに、大当りと外れの判定の制御を行う。
なお、遊技盤1に、遊技に係わるセンサやソレノイドや表示装置等が設けられるとともに、これらを制御する遊技制御装置21や演出制御装置51が設けられているので、遊技盤1を変更することにより、封入球式遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
また、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる開口部の下側となる前面枠本体130の下部は、その前面側に上述の発射操作空間形成枠159を有する発射操作ユニット150が取り付けられるとともに、図3に示すように、その裏面側に遊技球Bを発射するための発射装置61及び発射レール62等を備えた発射ユニット60が取り付けられる取付盤131となっている。なお、取付盤131を備える前面枠本体130は、樹脂により一体成型されるとともに、各種部材の取付部材やリブ等が形成されたものである。
前面枠本体130下部の取付盤131の裏面側には、上述の発射ユニット60が備えられるとともに、発射装置61を制御する発射制御装置63aとなる発射制御基板63(ボックス631内に配置)、発射装置61により遊技領域1aに発射された遊技球Bを回収して再び発射装置61に供給する封入球循環ユニット200(封入球循環装置)、封入球式遊技機100内の各装置に電力を供給する電源供給装置72となる電源基板71(ボックス71a内に配置)、遊技盤1以外の前面枠120に備えられた装置の制御を行う第1枠制御基板81(ボックス81a内に配置)及び第2枠制御基板82(ボックス82a内に配置)が取り付けられている。これら第1枠制御基板81及び第2枠制御基板82が枠制御装置83として機能し、遊技盤1に取り付けられた装置を除く、前面枠120の例えば、外部アピール装飾ランプ11,…、タッチパネル表示ユニット151、見せ球装飾部154、封入球循環ユニット200、外部とのデータの通信装置等を制御する枠制御装置83となる。なお、第1枠制御基板81は、遊技制御基板20及び演出制御基板50からの制御に基づいて第2枠制御基板82及び発射制御基板63を制御するようになっている。
なお、取付盤131を有する前面枠本体130は、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
従って、封入球式遊技機100の裏面側下方部には、回収した遊技球Bを再び発射位置に導出するための封入球循環装置としての封入球循環ユニット200が備えられている。
発射ユニット60は、取付盤131に取り付けられる取付プレート64と、取付プレート64にレール取付ベースを介して取り付けられる発射レール62と、発射レール62上の遊技球Bを打撃して遊技球Bを発射させる発射杵66等を備えた発射装置61とを備える。
そして、発射レール62は、遊技球Bを発射レール62に沿って案内するように断面V字状に形成され、遊技盤1より下で、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの真下となる位置に配置されるとともに、遊技領域1aの下部の例えば左側で発射された遊技球Bをガイドするようにガイドレール2が外側と内側とに二重に配置された部分の下端部に発射装置61に打撃された遊技球Bを導くように、封入球式遊技機100の左右方向に沿って左右に延在するとともに、封入球式遊技機100の前から見て右端部より左端部が高くなるように斜めに配置されている。
発射装置61は、取付盤131とこの取付盤131に取り付けられた取付プレート64との間に形成された収納空間に収納されるように、取付プレート64の前面側に取り付けられた図示しないモータ(ステッピングモータ)と、このモータに接続されて回転駆動されることにより、遊技球Bを打撃して遊技球Bを発射する発射杵66と、発射杵66の回転角度を規制するストッパ部材67と、発射レール62上に後述するように封入球循環ユニット200から供給された遊技球Bを、発射レール62の下端部上の発射杵66により打撃可能な所定位置に停止させる球位置決め部材(図示略)とを備える。
そして、発射レール62の後端部(傾斜下端部)上の球位置決め部材により遊技球Bが保持される位置が遊技球Bを発射する発射位置となる。
発射ユニット60においては、発射装置61及び発射レール62の前側が取付プレート64により閉塞され、取付プレート64が取り付けられた取付盤131の取付プレート64の周囲に形成されたリブにより、発射レール62を通って発射される発射球(遊技球B)の経路を除いた上下左右が略閉塞されているが、発射ユニット60の裏面側(後方側)は、開放された状態となっている。しかし、取付盤131の発射ユニット60の裏面側には、後述するように発射ユニット60と前後に略重なって封入球循環ユニット200が取り付けられ、封入球循環ユニット200の前面により発射ユニット60の発射レール62及び発射装置61の部分の後方側がほぼ覆われてほぼ閉塞された状態となっている。
また、遊技領域1aには、上述の外側と内側との二つのガイドレール2,2からなる発射球の誘導路となる部分の下端部に発射球の導入口であり、かつ、発射球が遊技領域1aを流下せずにファール球として戻った場合の戻り口となる発射球導入部がある。一方、図1に示すように、前面枠本体130の遊技盤1が取り付けられる部分の下枠となる部分、すなわち、前面枠本体130の取付盤131の上側縁部には、ガラス枠140の後方側のガラス板141の裏面と、遊技盤1の前面との間の遊技領域1aの下部を閉塞する底壁部134が形成されている。そして、前面枠本体130の底壁部134の上述の遊技領域1aの発射球導入部に対向する部分に、発射球通過口135が設けられている。
そして、発射装置61により発射されて発射レール62上を斜め上方に向かって移動した後に遊技領域1aの発射球導入部から遊技領域1a内に向かう遊技球Bが発射球通過口135を通過するようになっているとともに、上述のファール球が取付盤131側に戻る際に発射球通過口135を通過するようになっている。なお、発射レール62の先端面は、発射球通過口135の直下より手前に配置され、発射球通過口135に戻るファール球は、発射レール62上に戻らずに、発射レール62の前に流下し、後述する封入球循環ユニット200のファール球回収部257上に至るようになっている。
封入球循環ユニット200は、図4から図11に示すように、遊技領域1aに発射された遊技球B(アウト球、セーフ球を含み、ファール球を除く)を回収する回収口211を有する回収部材210と、回収口211から発射装置61の遊技球Bの発射位置まで遊技球Bを導いて遊技球Bを循環使用する循環経路220と、この循環経路220の上流側の一部として、回収口211から後述の待機流路221まで遊技球Bを流下させる回収球流路280と、この回収球流路280を流下する遊技球Bを検出する回収球検出手段としての回収球センサ212と、循環経路220の下流側の一部分であり、発射位置に送られる前の遊技球Bを待機させる待機流路221と、待機流路221に待機する遊技球Bの不足状態を検出する球不足状態検出手段としての球不足検出センサ264と、待機流路221の下流側の端部に設けられ、発射装置61の発射レール62の下端部(遊技球Bの発射位置)に球供給口247を介して遊技球Bの発射のタイミングに応じて順次遊技球Bを一個宛送球する球送り装置240とを備える。
なお、待機流路221は、球送り装置240により発射位置に送られる前の遊技球Bを待機させる部分であり、循環経路220のうちの後述する補充用の遊技球Bを除いた循環使用される遊技球Bが溜まる範囲である。なお、この範囲は、遊技球Bの発射を停止して、全ての循環使用される遊技球Bが封入球循環ユニット200内にある場合に最大となる。この例では、循環経路220において循環使用される遊技球Bが溜まる最大の範囲となる部分を待機流路221とする。すなわち、循環使用される遊技球Bの全てが待機した状態を示す図7を参照して説明すると、回収口211から回収球センサ212を越えた下側の後述する球貯留部262の球貯留板261の高さ位置の近傍までを回収球流路280とし、回収球センサ212の下の球貯留板261の高さ位置から球送り装置240までを待機流路221とする。
以上のことから、封入球式遊技機100は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球Bを、発射位置から遊技領域1aに発射して遊技を行う一方、遊技領域1aを経た遊技球Bを回収して発射位置に導いて遊技球Bを循環使用し、前記遊技領域1aを経て回収された遊技球Bを流下案内する回収球流路280と、前記回収球流路280の下流側に位置し前記発射位置に送られる前の遊技球Bを所定数宛待機させる待機流路221とを連通状態にして循環経路220を構成したものであり、さらに、前記待機流路221に待機している遊技球Bを前記発射位置へ遊技球Bを一個宛送球する球送り装置240と、前記待機流路221に待機する遊技球Bの不足状態を検出する球不足状態検出手段(球不足検出センサ264)とを設けたものである。
なお、循環経路220には、後述の球送り装置240の下流側の供給流路245が含まれるとともに、後述のファール球流路252を含むものとしても良い。
また、封入球循環ユニット200は、ファール球回収手段250として、発射装置61により上述の内側のガイドレール2及び外側のガイドレール2との間に発射されたにも係わらず、再び発射装置61側に向かって戻ってしまったファール球(ガイドレール2同士の間に至らなかった発射球Bも含む)を回収するファール球回収口251と、回収されたファール球を検知するファール球センサ253と、ファール球回収口251から回収されたファール球(遊技球B)を待機流路221(循環経路220)に流下させるファール球流路252とを備える。すなわち、ファール球回収手段250は、発射された遊技球Bが遊技領域1aに到達せずにファールとなった遊技球Bを待機流路に案内するファール球流路252と、ファール球流路252を流下する遊技球Bを検出するファール球検出手段としてのファール球センサ253とを備える。
また、封入球循環ユニット200は、待機流路221を遊技球Bの発射毎に移動する遊技球Bの付着物を除去する付着物除去手段400と、循環経路220内の球を抜く球抜き装置230とを備える。
また、封入球循環ユニット200は、封入球循環ユニット200内に通常循環使用される遊技球B以外に補給用の遊技球Bを貯留し、遊技中に循環する遊技球Bが減少した場合に補給する球補充装置260と、遊技球Bの入れ替え用の所定数の遊技球B(例えば、30球で上述の補給用の遊技球Bを含む)が収納された球交換カセット(図示略)を取り付けるとともに、球交換カセット内の遊技球Bを封入球循環ユニット200内に供給するための球交換カセット取付部270とを備える。
また、封入球循環ユニット200の主要部は、図4に示すように、主要部の前面側を構成する前壁部材310と、主要部の裏面側を構成する後壁部材320とから概略箱状に形成され、主要部の内部に上述の循環経路220(回収球流路280、待機流路221を含む)、ファール球流路252とが形成されている。なお、基本的に前壁部材310側に上述の遊技球Bの経路を構成する部材が形成されるとともに、センサ、ソレノイド等を取り付ける部材が形成され、後壁部材320には、各部材の取付を補助する部材や、封入球循環ユニット200の外周を囲う外周壁326を有する。また、前壁部材310及び後壁部材320は、それぞれ透明な合成樹脂により一体成型されており、封入球循環ユニット200内の遊技球Bや、封入球循環ユニット200の前側の遊技球Bや発射ユニット60等を透視可能となっており、封入球式遊技機100の裏面側から遊技球Bの詰まり等を目視で確認可能となっている。また、前壁部材310と後壁部材320とは、着脱自在に接合されている。
また、封入球循環ユニット200は、その下端部に前面枠本体130の取付盤131の発射レールの取付位置より下方となる所定部位に設けられた左右の取付部132,132(図3に図示、)に、着脱可能かつ回動可能に接続する左右の接続部材201,201を備えており、封入球式遊技機100の左右方向に設定された回転軸回りに回転可能となっている。そして、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面(取付盤131の裏面)に沿った垂直な状態(使用状態)から前記接続部材201,201を中心に上端が後方側に倒れるように回動して略水平な状態(メンテナンス状態)に回動可能となっている。
また、封入球循環ユニット200の接続部材201,201は、取付盤131の取付部132,132の軸となる突起が回動可能に挿入される筒状の形状を有するとともに、筒状部分にはスリットが形成され、スリット201a,201aから軸を出入可能とされることにより、接続部材201,201が取付部132,132から着脱自在とされ、封入球循環ユニット200を前面枠本体130の取付盤131から取り外し可能(着脱自在)となっている。
後壁部材320の左右両端部には、後壁部材320の前側に前壁部材310を取り付けた状態で、後壁部材320を着脱自在に取付盤131に着脱可能に取り付ける取付部材203,203が設けられている。この取付部材203,203を取付盤131から取り外すことで封入球循環ユニット200を後側に倒すように回動自在となる。
また、封入球循環ユニット200は、封入球式遊技機100の裏面側となる前面枠本体130の裏面側に取り付けられる。なお、前面枠本体130の下部となる取付盤131は、その主要部となるほぼ垂直な平板部分が、前面枠本体130に固定された遊技盤1より前となるように構成されており、取付盤131の裏面に取り付けられる上述の発射装置61等を有する発射ユニット60が遊技盤1より前面側の遊技領域1aの略真下に配置されるようになっている。
そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた発射ユニット60と前後に重なるように、発射ユニット60の後側に配置されて取付盤131に取り付けられる。そして、封入球循環ユニット200は、取付盤131に取り付けられた状態で前面枠本体130に取り付けられた遊技盤1の略真下に配置されるようになっている。
前記回収部材210は、封入球循環ユニット200の上の部分となる上端部(上部)に形成される。そして、回収部材210は、その前部が、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下から入賞することなく流下した遊技球Bであるアウト球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の前面側の遊技領域1aの下側のガイドレール2の上述の切欠部の下側に延設されている。また、回収部材210は、その後部が、遊技盤1の裏面側を流下して遊技盤1の下側に排出される入賞した遊技球Bであるセーフ球を回収可能となるように、遊技盤1の下から遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路(図示略)の下まで延設されている。すなわち、回収部材210は、その前後幅が、遊技盤1の厚みより少なくとも遊技球Bの直径の2倍以上長く、回収部材210は、遊技盤1の前方のガラス枠140の後側のガラス板141の裏面から遊技盤1の後方の入賞したセーフ球の排出経路の後端までの範囲で配置される。また、回収部材210の左右幅は、遊技盤1の下側のガイドレール2の切欠部の幅となっており、回収部材210は、ガイドレール2の切欠部の右端から左端までの範囲で配置される。なお、ガイドレール2の切欠部の左右範囲内に、遊技盤1の裏面側のセーフ球の図示しない排出経路の出口が配置される。
ここで、遊技盤1の下部におけるガイドレール2は、例えば、従来のアウト穴の左右幅に比較して2倍以上、例えば、4倍、5倍等のように特別変動入賞装置5(アタッカー)より広く広範囲に切り抜かれているので、効率よく(迅速に)アウト球を流下させることができる。また、それに対応してガイドレール2の切欠部とほぼ同じ左右幅を有する回収部材210の後述のアウト球回収口215も左右方向に大きい寸法(少なくとも、特別変動入賞装置5よりも大きい寸法)で設定されているので、落下するアウト球を効率よく回収できる。
同様に後述のセーフ球回収口216も左右方向に大きい寸法(アウト球回収口215と同等の寸法)に設定されているので、落下するセーフ球を効率よく回収できる。
また、回収部材210から封入球循環ユニット200の本体内部に遊技球Bを導入する後述の遊技球導入口219の導入傾斜部213は、セーフ球回収口216およびアウト球回収口215に対応して左右方向に大きい寸法(セーフ球回収口216及びアウト球回収口215よりは少し狭い)となっているので、左右から遊技球Bが一度に流下しても球詰まりしにくい構造となり、遊技球Bをスムーズに回収球センサ212に導入させることができる。すなわち、遊技球導入口219において、球詰まり等のように、複数の遊技球Bが接触することによりスムーズな遊技球Bの流下が抑制されるのを防止できる。
なお、封入球循環ユニット200の回収部材210より下の本体部分の前後幅は、遊技球Bの直径より少し広いものとされているが、遊技盤1の厚み(前後幅)よりは、狭いものとされており、遊技盤1の下にある封入球循環ユニット200の本体部に対して、回収部材210は、前と後にそれぞれ延出した状態となっている。
また、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で発射ユニット60より後に配置されているが、取付盤131の遊技盤1の下側の回収部材210が配置される部分には、回収部材210の形状に対応した間隙部(図示略)が形成されており、上述のように下端部を中心に回転自在な封入球循環ユニット200を立てた状態に取付盤131に取り付けた際に、封入球循環ユニット200の回収部材210の前部が間隙部133に挿入されて、回収部材210の前部が遊技盤1より前に延出するようになっている。
また、回収部材210は、平面視して封入球式遊技機100の左右方向に沿って長尺な矩形状であり、その周囲が略垂直な囲い壁214となっている。また、回収部材210の(囲い壁214内部の)前後の中央部には、右端部を除いて左右に延在し、回収部材210内に回収された遊技球Bを封入球循環ユニット200内の回収球センサ212(封入球循環ユニット200内部)に導く導入傾斜部213を有する回収球流路280となっている。なお、導入傾斜部213は、回収部材210で回収された遊技球Bを回収球センサ212に導く回収球流路280の底部となる部材である。
そして、回収部材210の囲い壁214に囲まれて上方に開放された状態となった部分がアウト球とセーフ球を回収する回収口211となっている。また、回収口211の遊技盤1前面側の下となる前部がアウト球を回収するアウト球回収口215とされ、遊技盤1の裏面側の下となる後部がセーフ球を回収するセーフ球回収口216となっている。
アウト球回収口215下方の回収部材210前部の底部となる部分は、アウト球回収口215に流下して回収されたアウト球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように後に向かって下り傾斜する後方傾斜部217とされている。また、セーフ球回収口216下方の回収部材210後部の底部となる部分は、セーフ球回収口216に流下して回収されたセーフ球を回収部材210の前後の中央部となる導入傾斜部213に導くように前に向かって下り傾斜する前方傾斜部218とされている。
なお、回収部材210の後方から向かって右の端部は、前後方向に傾斜することなく、後から向かって右(端)から左(中央側)にいくにつれて低くなるように傾斜するとともに、後述するように導入傾斜部213の傾斜下側端部の先に配置された回収球センサ212の遊技球Bが通過する孔212a上を覆うように配置されており、回収球センサ212の孔212aに遊技盤1側から直接的(導入傾斜部213を流下せず)に遊技球Bが流入するのを防止している。なお、回収球センサ212の孔212aに直接的に流入する遊技球Bがあると、導入傾斜部213を流下してから孔212aに流入する他の遊技球Bとの関係(衝突、接触等)により、球詰まりが発生しやすくなるので、遊技球Bを回収球センサ212より上流側の導入傾斜部213上に導くようになっている。また、上述のような構成により回収部材210の底部の後から向かって右端部が高くなることにより、後方から向かって右上がりに形成されて右の端部が高くなった発射ユニット60の上端部と回収部材210の底部の右端部とが干渉しないようになっている。
また、回収部材210において、後方傾斜部217と前方傾斜部218との間に、導入傾斜部213が形成されている。そして、導入傾斜部213は、後方傾斜部217及び前方傾斜部218より一段低くなっており、回収部材210の下側の封入球循環ユニット200の本体部分内に配置されている。従って、回収部材210の後方傾斜部217と前方傾斜部218との間は開口した状態となっており、この開口部分が回収部材210で回収されたアウト球及びセーフ球を合流(集合)させて封入球循環ユニット200の内部(本体部分内部)に流下させる遊技球導入口219となる。なお、遊技球導入口219は、導入傾斜部213上に有り、回収部材210の前後方向の中央部に形成されていることになる。
回収球センサ212は、例えば、周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、遊技球Bが通過する孔212aを備え、この孔212aをパチンコ球が通過した際にHIGHもしくはLOWの信号を出力するものである。また、前壁部材310において、導入傾斜部213の下流側の末端から下方に遊技球Bが流下可能な間隔を開けて形成されたセンサ取付部330に、後部が固定され、前記孔212aが形成された前部をセンサ取付部330から上述の導入傾斜部213の末端まで延出している。
そして、回収球センサ212は、その孔212aが導入傾斜部213の傾斜下側の端部から遊技球Bが流下する位置に配置されており、導入傾斜部213の傾斜下側の端部から、待機流路221の上流側端部であるとともに、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255の下流側端部である後述の合流部254上に向かって、回収球流路280を流下する遊技球Bを検出するようになっている。
待機流路221は、その底部として、上下三段に前壁部材310から後方側に壁面状(板状)に延出された以下の部材を有する。すなわち、循環経路220は、その底部となる部材として、上述のファール球流路252の下流側端部となり、ファール球流路252を流下するファール球、球補充装置260から循環経路220に補充される遊技球Bである補充球、上述のように回収球流路280から回収球センサ212を通過して流下する回収球の三種類の遊技球Bが合流する合流部254と、封入球式遊技機100の裏面側から見て右から左に下り傾斜する合流部254(ファール球流路252)の下側で、裏面側から見て左から右に下り傾斜する流下傾斜部222と、流下傾斜部222の下側で、裏面側から見て右から左に下り傾斜して球送り装置240に至る待機傾斜部223とを有する。
なお、待機流路221のうちの待機傾斜部223上には、封入球式遊技機100の遊技中(遊技球Bを順次発射し、遊技領域1aに数個以上の遊技球Bが流下している状態)及び非遊技中(遊技球Bを発射していない状態)に係わらず遊技球Bが溜まった状態とされ、遊技球Bの発射毎に溜まった遊技球Bが順次遊技球Bの直径となる距離だけ下方に移動するようになっている。
なお、待機流路221を含む循環経路220は、上下複数段に渡って形成されるが、各段においては、封入球式遊技機100の左右方向に沿って延在し、遊技球Bを左右方向に沿って流下されながら、下の段に遊技球Bを導出するようになっている。
また、待機流路221の流下傾斜部222の下流側部分の上、すなわち、前壁部材310のファール球傾斜部255の上流部分の下には、球補充装置260の作動を制御する際に用いられる球不足検出センサ264を取り付けるための近接センサ取付部319が設けられて、これに球不足検出センサ264が取り付けられている。なお、球不足検出センサ264は、周知の近接センサスイッチで、金属である遊技球Bが近接している状態で、遊技球Bが存在していることを示す信号を出力している。すなわち、待機流路221に正常な状態の遊技球Bが滞留していれば、球不足検出センサ264は、遊技球Bが待機流路221の球不足検出センサ264の直下となる部分に存在し、球不足になっていないことを示すHIGHもしくはLOWの信号を出力する。
なお、遊技球Bを順次発射している場合において、球不足検出センサ264の直下まで遊技球Bが滞留している場合には、遊技球Bの発射毎に遊技球Bがその直径分だけ移動することになり、遊技球の移動に対応して球不足検出センサ264の出力信号が定期的に変動する。また、遊技球Bが直下より下流側に滞留した状態の場合には、遊技領域1aから遊技球Bが回収される毎に、遊技球Bが球不足検出センサ264の直下を通過することになり、球不足検出センサ264の出力信号が回収球が戻る毎に検出状態と非検出状態とで変動することになる。また、遊技球Bの発射が停止している状態では、基本的に、球不足検出センサ264の近傍で遊技球が停止した状態となり、球不足検出センサ264の出力信号は遊技球Bを検出した状態で変動しない。
そして、遊技球Bが例えば遊技領域1a内で球止まりした場合には、遊技球の回収に遅れが生じ、球不足検出センサ264において、遊技球Bの検出に遅れが生じ、遊技球の発射間隔よりかなり長い期間に渡って遊技球が検出されない状態となり、これにより遊技球の不足が発生したこと、すなわち遊技球Bの不足状態を検出することができる。
また、合流部254を有するファール球傾斜部255及び流下傾斜部222は、ほぼ同じ長さで左右に僅かにずれた状態で上下に重なって配置されるが、前記待機傾斜部223は、これらファール球傾斜部255及び流下傾斜部222より長く、例えば、これらの約2倍の長さとされている。そして、待機傾斜部223の上流側の半分(部分)が上下にファール球傾斜部255及び流下傾斜部222に重なった状態とされ、待機傾斜部223の下流側の半分(部分)がファール球傾斜部255及び流下傾斜部222と上下に重ならず、待機傾斜部223の下流側部分の上には、循環経路220が無い状態とされている。そして、待機傾斜部223の下流側部分の上には、球補充装置260の後述の補充ソレノイド263と、球送り装置240の後述の球送りソレノイド244が配置されている。
このような循環経路220の配置により、封入球循環ユニット200のスペース効率が高められ、封入球循環ユニット200の小型化が図られている。
なお、待機流路221の長さは、例えば、球補充装置260に貯留される補充球を含めずに、封入球式遊技機100内で循環する遊技球Bの全てを貯留できるだけの長さとされており、遊技球Bの発射を止めた状態で、待機流路221内に循環使用される遊技球Bが丁度収まった状態となる。また、循環使用される遊技球Bの個数は、遊技球Bを順次発射した際に、遊技球Bの回収が間に合わずに、遊技の発射ができない状態となることがない個数(例えば、25個)とされている。従って、待機流路221の長さは必要十分な長さとされている。なお、遊技領域1aでの球止まり等により遊技球Bが不足した場合には、球補充装置260により遊技球Bが補充される。
また、循環経路220となる回収球流路280や待機流路221やファール球流路252は、その前側が前壁部材310に閉塞され、その後側が後壁部材320により閉塞された状態となっており、それらの前後幅が遊技球Bの直径より僅かに長いものとされ、遊技球Bを一列にして収納可能とされるとともに、前後に遊技球Bが重なることなく、遊技球Bを流下させるようになっている。また、回収球流路280の導入傾斜部213上は、遊技球導入口219として開放された状態となっているが、ファール球流路252のファール球傾斜部255上は、ファール球が導入される上流端部を除く傾斜上側の部分の上に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔をあけてセンサ取付部330が配置され、ファール球流路252の傾斜下側の部分である合流部254においては、補給用の遊技球B及び回収球が合流する部分より下側の部分の上に、遊技球Bの直径より僅かに広い間隔を開けて、球補充装置260の傾斜方向(傾斜角)を変換自在な球貯留板261が配置されている。なお、球貯留板261の下側の合流部254上には、球貯留板261が傾斜角を変更可能な所定の角度範囲内で傾斜角を変更しても、球貯留板261との間に遊技球Bが流下可能な間隔が保持されるようになっている。
また、待機流路221の流下傾斜部222上には、上端部がファール球傾斜部255の合流部254と一体に接合され、下端部が待機傾斜部223と一体に接合された流下天井部224が形成されている。流下天井部224は、流下傾斜部222との間に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔をあけて、流下傾斜部222と同じ傾斜となるように形成されている。なお、流下天井部224の下端部(傾斜下側の端部)となり、流下傾斜部222から待機傾斜部223に遊技球Bがほぼ真下に流下する部分では、遊技球Bの流下経路に対応して湾曲した形状となっており、その部分で待機傾斜部223と一体に接合された状態となっている。
また、循環経路220の待機傾斜部223上には、上端部が流下傾斜部222に一体に接合された待機天井部225が形成されている。待機天井部225は、待機天井部225との間に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔を開けて、待機傾斜部223と同じ傾斜となるように形成されている。
以上のことからファール球流路252及び循環経路220においては、多くの部分で遊技球Bの流下方向に対して左右や上下に遊技球Bの直径より僅かに広い間隔が開けられた状態となっており、遊技球Bが左右や上下に重なって通過することがなく、遊技球Bが一個ずつに流下するか一列に並んで流下するようになっている。
前記ファール球回収手段250においては、前記ファール球流路252の上端部の上に前記ファール球回収口251が備えられ、ファール球回収口251の下側でかつ、ファール球流路252の上端部の上側にファール球センサ253が配置されている。
ファール球回収口251は、封入球循環ユニット200の前面を構成する前壁部材310の裏面側から見て右上端部に形成された開口で、回収されたファール球を封入球循環ユニット200外部から内部に導入するようになっている。また、前壁部材310の前面側のファール球回収口251の下側縁に対応する位置には、前壁部材310前面から前方に延出するファール球回収部257が備えられている。ファール球回収部257は、上面が後方のファール球回収口251に向かって下り傾斜した板状に形成されるとともに、ファール球回収口251につながる後側縁を除く周囲を囲んで上に突出した突条258を備えたもので、封入球循環ユニット200を取付盤131にほぼ垂直な状態に取り付けた際に、ファール球回収部257は、発射レール62の上端部(発射方向端部)の隣で、発射球通過口135の真下に配置され、発射球通過口135を通過して流下するファール球を受けるようになっている。
従って、ファール球回収手段250においては、遊技盤1の前面側から発射球通過口135を通過して遊技盤1の下側に流下したファール球がファール球回収部257で受けられる。そして、ファール球回収部257の上面に至ったファール球は、上面の傾斜に沿って後方のファール球回収口251から封入球循環ユニット200内のファール球流路252に入り、ファール球回収口251の下側のファール球センサ253を通過し、ファール球流路252の底部となるファール球傾斜部255上に至る。そして、ファール球傾斜部255上の遊技球Bは、傾斜に沿って合流部254に至り、回収球流路280を流下した遊技球Bと合流するように上述の待機流路221に至り、この待機流路221を流下することになる。
なお、ファール球センサ253は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、センサ取付部330の回収球センサ212の下側に、回収球センサ212と逆向きに取り付けられ、ファール球センサ253の遊技球Bが通過する孔253aがファール球流路252の上端部に配置されるようになっている。そして、回収球センサ212と同様にファール球を検出して信号を出力する。
また、以上のことから、回収球流路280を流下した遊技球Bと、ファール球流路252を流下した遊技球Bとが合流するように流路が形成されている。なお、この例においては、回収球流路280がほぼ球貯留板261の高さ位置で待機流路221となり、この待機流路221に、球貯留板261より僅かに下側の合流部254上でファール球流路252が合流している。すなわち、この例において、回収球流路280は、ファール球流路252が合流する部分より僅かに上流側で待機流路221となっており、待機流路221とファール球流路252とが合流するようになっているが、回収球流路280を合流部255上(球貯留板261より下)で待機流路221となるものと見なして、回収球流路280とファール球流路252とが直接合流し、流路が合流した部分からを待機流路221となるものと見なしても良い。
ここで、回収球流路280及び待機流路221の回収球流路280の末端に連通する部分は、導入傾斜部213の下端部側から合流部254上に落下するように遊技球を誘導するようになっており、遊技球の流下方向(流路の方向)がほぼ垂直となる。
一方、ファール球流路252及び待機流路221のファール球流路252の末端に連通する部分は、傾斜下側端部が合流部254となるファール球傾斜部255の上面に沿って、封入球式遊技機100の左右方向に沿うとともに、下り傾斜するように斜めの状態(水平より僅かに斜めになった状態)で直線状に形成されている。
従って、回収球流路280を流下した遊技球Bと、ファール球流路252を流下した遊技球Bとがそれぞれ異なる方向から合流することになる。そして、待機流路221は、ファール球路252が合流する部分の上流側がほぼ垂直な状態で、かつ、下流側が僅かに傾斜した水平に近い状態となり、待機流路221は、ファール球流路252と合流した部分で屈曲した状態となる。
また、回収球流路280を流下した遊技球と、ファール球流路252を流下した遊技球との合流地点から合流地点の下流側近傍となる合流部254における流路(待機流路221)を構成する流路内面のうちの天井となる面は、上述のように合流部254の上方に配置された球貯留部262の補充変換手段の一部となる球貯留板261の下面で構成される。また、球貯留板261の後述の連通口266側端面が、合流地点で屈曲する流路の屈曲部の内面となる。従って、補充変換手段としての球貯留板261の連通口266側の端面及び合流部254と上下に重なる下面が流路形成面となり、該流路形成面は、補充変換手段の作動、すなわち、球貯留板261の補充状態と貯留状態との変更に伴う傾斜角の変化により動くことになる。
そこで、ファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する部分で球詰まりが発生した状態で、この合流する部分及びその近傍の流路形成面となる球貯留板261が補充状態と貯留状態とに交互に変換するように補充ソレノイド263を作動させ、流路形成面を動かすことにより球詰まり状態となった遊技球Bに流路形成面となる球貯留板261を接触させるとともに、球貯留板261の移動により遊技球Bを揺り動かすことで、球詰まりを解消することが可能である。
ここで、図11に示すように、合流部254、すなわち、待機流路221にファール球流路252が合流した部分で、待機流路221が屈曲していることにより、球詰まりが生じた場合に、球貯留部262に遊技球Bが貯留された状態では、回収された複数の遊技球Bが球詰まりした合流部254から回収球流路280で連なり、回収球センサ212の部分でも遊技球Bが止まった状態となる。従って、回収球センサ212では、遊技球Bを検出した状態が連続することになり、遊技球Bの検出を示す信号が連続的に出力された状態が維持される。
また、上述のように合流部254で球詰まりが発生した際に、多くのファール球が発生すると、ファール球流路252においても、遊技球Bが連なり、ファール球センサ253から遊技球Bを検出していることを示す信号が連続的に出力された状態となる。
従って、回収球センサ212及びファール球センサ253のうちの少なくとも一つが連続的に遊技球Bを検出したことを示す信号を出力した場合には、ファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する部分において、球詰まりが発生している可能性が極めて高い。そこで、回収球センサ212、ファール球センサ253のうちの少なくとも一つから遊技球Bの検出を示す信号が所定時間以上連続して出力された場合に、補充変換手段である補充ソレノイド263及び球貯留板261を作動させることにより、上述のように球詰まりを解消することができる。
すなわち、回収球検出手段となる回収球センサ212またはファール球検出手段となるファール球センサ253が所定時間連続して遊技球Bを検出している場合は、前記補充変換手段を作動させて前記流路形成面を動かすことになる。また、後述するように枠制御装置83が上述のような制御を行う流路形成面動作制御手段となる。
前記球抜き装置230は、待機流路221の下流側端部の球送り装置240の手前に設けられている。待機流路221の底部となる待機傾斜部223の下流側端部は、球送り装置240との間に遊技球Bの直径より広い間隔をあけた状態で配置されている。すなわち、球抜き装置230と、待機傾斜部223との間には、遊技球Bが流下可能な間隔として、球抜き開口部231が設けられている。
そして、球抜き装置230は、前記球抜き開口部231と、該球抜き開口部231を開閉する板状の開閉部材232と、該開閉部材232に接続されるとともに開閉部材232を開閉操作するための操作レバー233を備えたスライダ234と、待機傾斜部223の下流側端部の下側でスライダ234を、板状の待機傾斜部223に沿ってスライド自在に保持する四角筒状のガイド部235と、スライダ234と筒状のガイド部235の底との間に配置され、スライダ234を球抜き装置230側に付勢するコイルスプリング236と、球抜き開口部231の下側に下方向かって形成されるとともに下方が開放された球抜き流路237とを有する。
開閉部材232は、通常時、球抜き装置230まで延出することにより球抜き開口部231を閉じた状態となっている。閉じた状態で開閉部材232は、その待機傾斜部223側の端部の上面が、待機傾斜部223の下面に当接した状態で、待機傾斜部223と同様に傾斜している。この状態で、球抜き開口部231の位置において、開閉部材232が循環経路220の待機流路221の下端部の底部として機能し、待機傾斜部223上を流下する遊技球Bが一段下の開閉部材232上に至り、遊技球Bは開閉部材232上を通過して球送り装置240に至るようになっている。
また、開閉部材232を待機傾斜部223に沿って待機傾斜部223の傾斜の上側に移動すると、球抜き開口部231が開放した状態となり、開閉部材232の傾斜下側の端部と、球抜き装置230との間に遊技球Bの直径より広い間隔を開けて、遊技球Bを球抜き開口部231から流下可能な状態となる。
ガイド部235は、前壁部材310の裏面側(内面側)に形成され、後方に向かって延出する板状の待機傾斜部223の下端部と、その待機傾斜部223の下端部の下側で、上述のスライダ234を待機傾斜部223との間に挟んだ状態とするとともに、待機傾斜部223と平行に形成されたガイド下壁235aと、待機傾斜部223の下端部とガイド下壁235aとの間となる前壁部材310の部分と、前壁部材310に接続される後壁部材320の待機傾斜部223の下端部とガイド下壁235aとの間となる部分とから内部が長手方向を待機傾斜部223に沿わせた状態の直方体空間とする四角筒状の形状としている。また、ガイド部235には、待機傾斜部223と平行なガイド下壁235aの傾斜上側の端部で、ガイド下壁235a及び待機傾斜部223と直角に、筒状のガイド部235の底となる底壁235bが前壁部材310から後方に延出して形成されている。
また、ガイド部235の傾斜下側には、球抜き流路237を構成するように前壁部材310から後方に延出するとともに、ほぼ垂直な状態とされた左右の球抜き側壁237a、237bが互いに遊技球Bの直径以上の間隔を開けて形成されおり、後から向かって右の一方の球抜き側壁237bが筒状のガイド部235の蓋側を閉塞した状態となっている。なお、一方の球抜き側壁237bの上端部は、待機傾斜部223の傾斜下側端部に一体に接続されているが、球抜き側壁237bの上端部に前記開閉部材232を挿通するスリットが形成されており、開閉部材232がスリットを貫通した状態で待機傾斜部223に沿って移動自在となっている。
スライダ234には、操作レバー233が後方に向かって延出しており、後壁部材320に形成されたスリット326aから後壁部材320の後方に突出した状態となっている。また、スライダ234と底壁235bとの間には、コイルスプリング236が配置されるとともに、コイルスプリング236の一方の端部がスライダ234に係合し、他方の端部がガイド部235の底壁235bに係合している。
以上のような球抜き装置230は、封入球式遊技機100内に封入された遊技球Bを係員等の外部操作により取り出すためのもので、封入球式遊技機100のメンテナンス、遊技球Bの交換等のために、封入球式遊技機100から遊技球Bを取り出すために用いられる。図10に示すように、コイルスプリング236の付勢力に抗して操作レバー233を待機傾斜部223の傾斜上側に移動させることにより、開閉部材232を開放方向に移動させて球抜き開口部231を開放して、封入球循環ユニット200内の遊技球Bを球抜き開口部231に連通する球抜き流路237を通して、封入球式遊技機100(封入球循環ユニット200)から外部に取り出すようになっている。
球送り装置240は、図7等に示すように、待機流路221の下流側に設けられ、待機流路221の傾斜により待機流路221上に一列に並んで待機する遊技球Bの荷重による遊技球Bの傾斜下側への移動を規制する規制壁241を備え、上述のように並んだ遊技球Bの最も傾斜下側の遊技球Bを一個だけ受ける球受け部242と、球受け部242で保持された遊技球Bを規制壁241を乗り越える高さまで上昇させる球送り部材243と、球送り部材243を昇降駆動する球送りソレノイド244と、規制壁241の球受け部242の反対側に形成され、規制壁241を乗り越えた遊技球Bを発射装置61(発射レール62上の発射位置)に導出するための供給流路245と、供給流路245を通過する遊技球Bを検知する供給球センサ246と、供給流路245(封入球循環ユニット200)の遊技球Bの発射装置61への導出口となる球供給口247とを備える。
規制壁241は、傾斜した待機流路221上に並んだ遊技球Bの最も傾斜下側の遊技球Bを止め、規制壁241を乗り越えた遊技球Bだけを発射装置61に流下させる供給流路245に移動可能とするもので、例えば、遊技球Bの直径より低い高さ(最も下に位置する球送り部材243の後述の球保持部243aの上面からの高さ)を有する板状に形成されている。また、球受け部242は、規制壁241と直角に接合された状態の保持部底壁248を備え、規制壁241と保持部底壁248とがL字状となっている。
球送り部材243は、球受け部242の保持部底壁248上に配置されて、球受け部242に流入した遊技球Bを保持する球保持部243aを備え、かつ、左右と前方側が開放したコ字状(チャネル状)に形成され、遊技球Bを右から左に通過させられるようになっている。なお、球保持部243aは、コ字状の球送り部材243の底部となる部分である。そして、球送り部材243は、その上端部に球送りソレノイド244のプランジャが接続されている。そして、球送りソレノイド244により、球保持部243aの遊技球Bが載る上面が上述の循環経路220の下端部の底部となる開閉部材232の上面より下となる位置と、球保持部243aの上面が規制壁241の上端より上となる位置との間を昇降自在とされている。
また、球保持部243aの上面は、裏面側から向かって右から左に下るように傾斜し、待機流路221の待機傾斜部223上から球受け部242に配置された球送り部材243の球保持部243a上に流入した遊技球Bは、球保持部243a上でその傾斜により規制壁241側に寄って規制壁241に接触した状態となる。そして、球送り部材243が球送りソレノイド244により上昇させられ、球保持部243aの上面が規制壁241の上端より高くなった際に、球保持部243a上の遊技球Bが球保持部243aの傾斜によって規制壁241を越えて供給流路245側に流下するようになっている。なお、球送り部材243の下端は、上昇した場合に、開閉部材232上で次ぎに球送り部材243に送られる遊技球Bが球送り部材243の下に入り込むことがないように、開閉部材232上(待機流路221の最も下)で待機する遊技球Bの直径より高く上がらないようになっている。
また、球送り部材243の後方側を覆う状態となる後壁部材320の球送り部材243の後方となる球送りカバー部326bに、開口部が形成され、球保持部243a上の遊技球Bを外部から操作して供給流路245側から流出させられるようになっている。これは、球抜き装置230を用いて遊技球Bを封入球式遊技機100から排出する際に、球送り部材243上に遊技球Bが残ってしまうのを防止するためのものである。なお、球保持部243aは、球抜き装置230の反対側に向かって下り傾斜しているので、球抜き装置230の開閉部材232を開放しただけでは、外部に排出できない状態となっている。
球送りソレノイド244は、そのプランジャを略垂直に下方に向けた状態で、前壁部材310に設けられた球送りソレノイド取付部311に取り付けられており、プランジャの先端に球送り部材243を接続した状態で、プランジャを上下に駆動するようになっている。また、球送りソレノイド244は、発射制御基板63により発射装置61と同期して制御され、発射装置61が遊技球Bを発射した直後に、昇降して、遊技球Bを発射装置61に送るようになっている。
供給流路245は、規制壁241の球送り部材243の反対側に形成され、規制壁241に沿って遊技球Bをほぼ真下に流下させた後に、前方に案内して、前方の球供給口247から遊技球Bを封入球循環ユニット200の前側の発射装置61側に導出するようになっている。なお、供給流路245は、前壁部材310から後方に延出する供給流路壁部245aにより形成されている。また、供給流路245の底部となる位置には、封入球式遊技機100の前後方向に沿って垂直に立設された流路リブ245bが形成され、流路リブ245b上が後から前に向かって下るように傾斜した状態となっており、流路リブ245b上に流下した遊技球Bが流路リブ245b上を後から前に転動して球供給口247から導出されるようになっている。
供給球センサ246は、回収球センサ212と同様に周知のパチンコ球通過センサスイッチであり、供給流路245の球送り装置240の反対側となる前壁部材310の位置に設けられた供給センサ取付部312に後端部が取り付けられ、前端部が規制壁241に当接もしくは近接して配置され、規制壁241を乗り越えて供給流路245を真下に流下する遊技球Bが通過する孔246aが形成され、供給流路245を流下して孔246aを通過する遊技球Bを検出するようになっている。なお、供給球センサ246も回収球センサ212と同様に遊技球Bを検出して信号を出力する。供給球センサ246に検出された遊技球Bは、検出直後に発射装置61に供給されて発射されるので、供給球センサ246は、発射装置61の前側であるが、遊技球Bの発射を検出する発射球センサも兼ねるものとなっている。
球送り装置240は、遊技球Bが規制壁241を乗り越えるように僅かに上昇させることにより、遊技球Bを一個ずつ発射装置61に供給するようになっており、遊技球Bを傾斜に沿って流下させた状態で下側に一個ずつ排出する構造とした場合に比較して、球送り装置240の多くの部分が待機流路221に対して下側に配置されることがなく、球送り装置240が循環経路220の下部となる待機流路221より下側となることで、封入球循環ユニット200の上下長さが長くなるの防止し、封入球循環ユニット200を小型化することができる。特に、封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。
また、球送り装置240は、遊技球Bを規制壁241を乗り越えさせるために、その半径程度の長さだけ上昇させるものであり、遊技球Bを長い距離に渡って揚送するものではなく、封入球循環ユニット200の循環経路220やファール球流路252に最低限必要とされる上下幅の範囲内で十分に収容することができ、確実に封入球循環ユニット200の上下幅を短くすることができる。また、球送り装置240は、球送りソレノイド244のプランジャに直接球送り部材243を取り付けただけの簡単な構造であり、トラブルが発生する可能性が極めて低い。
球補充装置260は、循環経路220の上側に設けられた左右に長尺で、傾斜角を変更可能に回転移動自在とされた球貯留板261を備えた球貯留部262と、球貯留板261の傾斜角を変更して球貯留部262を遊技球Bを貯留する状態と、遊技球Bを補充する状態とに切り替える補充ソレノイド263と、球貯留板261の裏面側から見て左側(ファール球流路252の反対)に設けられ、球貯留板261上の遊技球Bの落下を規制するとともに、球交換カセット取付部270から流入する遊技球Bを球貯留板261上に導く、球抑え部材265とを備える。
球貯留板261は、その中央部より前側の位置を前壁部材310に設けられた回転ピン313に回動自在に軸支されて後壁部材320に支持されるとともに、前後を前壁部材310と後壁部材320とに囲まれた状態となっている。そして、球貯留板261は、通常時は、球を貯留する貯留状態となっており、球貯留板261の一方の端部である球抑え部材265側の後端部が下になるように僅かに傾斜した状態で、球貯留板261上に遊技球Bを一列に複数個(例えば5個)載せるようになっている。この際に、球貯留板261上の遊技球Bのうちの最も一方の端部側に載った遊技球Bが球抑え部材265に抑えられた状態となり、球貯留板261の傾斜に沿って遊技球Bが流下しないようになっている。
また、球貯留板261の他方の端部である前端部は、ファール球傾斜部255(ファール球流路252)の傾斜下側の合流部254上に位置しており、球貯留板261がファール球流路252側の他方の端部が下になるように傾斜した場合に、球貯留板261上の遊技球Bを合流部254上に流下させるようになっている。すなわち、補充球となる遊技球Bを補充する補充状態では、球貯留板261は、ファール球流路252側の他方の端部を下にするように傾斜する。
そして、球貯留板261の他方の端部上が、循環経路220の途中に連通する球貯留部262の連通口266となる。すなわち、球貯留板261の他方の端部に隣設した状態で、上下に循環経路220の回収球流路280とその下側の待機流路221とが設けられており、球貯留板261を補充状態とした場合に、球貯留板261上の遊技球Bが球貯留板261から循環経路220の途中に落下する球貯留板261の他方の端部上が連通口266となる。従って、遊技球Bを貯留可能な球貯留部262は、循環経路220の途中に連通する連通口266を有する。また、連通口266は、回収球センサ212の直下となる位置で循環経路220に連通している。そして、ほぼ連通口266の高さ位置(ほぼ球貯留板261の他方の端部の高さ位置)で、回収球流路280と待機流路221とが連通状態となるように繋がっており、連通口266は、待機流路221に臨む位置に設けられていることになる。
また、球貯留板261の一方の端部には、その下側に補充ソレノイド263のプランジャ263bに接続された掛止板263aに係止される係止部261aが設けられ、補充ソレノイド263のプランジャ263bの上下動により、球貯留板261の傾斜角を変更できるようになっており、プランジャ263bを下げた状態では、球貯留板261の一方の端部が下となるように傾斜して球貯留状態となり、プランジャ263bを上げた状態では、球貯留板261の他方の端部が下となるように傾斜して球補充状態となる。従って、球補充装置260の球貯留部262に設けられた球貯留板261と補充ソレノイド263等が、球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と、球貯留部262から循環経路220に遊技球を補充する補充状態とに変換可能な補充変換手段となる。すなわち、球補充装置260が補充変換手段となる。また、補充変換手段の球貯留板261は、球貯留部262の底面を形成しており、底面の傾斜方向を前記連通口266側に上り傾斜した(球貯留板261の一方の端部を他方の端部より高くした)状態と、前記連通口266側に下り傾斜した(球貯留板261の他方の端部を一方の端部より高くした)状態とに変換可能に構成したことになる。
また、球貯留板261の一方の端部には、係止部261aから球貯留板261の延長線に沿って延出して球交換カセット取付部270に至る係合部材261bが形成されている。係合部材261bは、球交換カセット取付部270の後述する作動リンク部材273に係合し、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットした場合に上に持ち上げられ、球貯留板261の一方の端部が他方の端部に対して高くなるように傾斜させ、球貯留板261を球補充状態にするようになっている。
補充ソレノイド263は、前壁部材310に形成された補充ソレノイド取付部314にプランジャ263bを上に向けて取り付けられ、第1枠制御基板81の制御により、球不足検出センサ264により後述するように所定時間連続して遊技球Bが検出されない状態(遊技球Bの不足状態)となった場合に、補充制御手段としての枠制御装置83が発射されるのを待機する遊技球Bが不足していると判断し、プランジャ263bを上げるように制御されている。これにより、循環経路220において、遊技球Bが不足した場合に、補充ソレノイド263により球貯留板261が球補充状態となるように傾斜角が変更され、球貯留板261上の遊技球Bを循環経路220の上流側端部となる合流部254に供給するようになっている。
従って、封入球式遊技機100は、球不足状態検出手段により、所定時間連続して遊技球の検出がない場合(遊技球Bの不足状態が検出された場合)に、前記補充変換手段を前記補充状態に変換して前記待機流路に遊技球を補充する補充制御手段を備える。
なお、球不足は、例えば、遊技領域1aにおいて、遊技球Bの球止まり等が発生し、遊技領域1a内に通常より多くの遊技球Bが存在することにより、封入球循環ユニット200に回収される遊技球Bの数が減った場合や、ガラス枠140を開放した際に、遊技球Bが外部に流出した場合等に発生する。また、上述の所定時間は、遊技球の発射タイミングとなった際に、待機流路221に遊技球がなくなった状態となる時間よりは短く設定されており、遊技球を順次発射している状態で、所定時間経過後に球不足と判定されて、遊技球が補充された際に待機流路221の遊技球Bが0とならないようになっている。従って、所定時間経過後に遊技球が補充されれば、遊技球Bの発射タイミングに遊技球が発射されない事態を防止することができる。
また、球貯留部262から循環経路220に遊技球を補充した後に、例えば、遊技領域1aで球止まりしていた遊技球Bが流下し、循環する遊技球Bが増加した状態で、遊技球Bの発射を停止すると、図9に示すように、遊技領域1aを流下する遊技球Bが全て回収され、待機流路221に遊技球Bが全て溜まることになるが、循環する遊技球Bが補充により増えていることから、補充により増加した個数の遊技球Bが待機流路221内に収まりきらずに待機流路221の上端部となる高さ位置の連通口266から溢れる状態となる。そして、溢れた遊技球Bは、連通口266を通って球貯留部262の球貯留板261上に溜まった状態となる。この際に球貯留板261は貯留状態となっており、球貯留板261上に溢れた遊技球は、球貯留部262に貯留された状態となる。
従って、遊技球Bの不足状態が解消されると、球不足中に補充されて増えた分の遊技球Bが再び球貯留部262に貯留されることになる。すなわち、待機流路221に待機する遊技球Bが連なり、前記球貯留部262の連通口266に達すると、前記回収球流路280から流下してきた遊技球が、前記連通口266に達した遊技球Bに案内されて球貯留部262に流入して貯留されることになる。
なお、上述のように連通口266から溢れた遊技球Bは、球貯留部262に流入するので、待機流路221から連通口266に溢れた遊技球が、そのまま待機流路221から回収球流路280に連なってしまうことがなく、遊技球Bが補充されることにより、循環経路220内の遊技球が増加しても、待機流路221から回収球流路280もしくはファール球流路252側に遊技球Bが連なり、連なった遊技球が、回収球センサ212や、ファール球センサ253に至り、これらセンサが遊技球Bの発射停止時に遊技球Bを検出した状態が続いてしまうのを防止できる。
また、球貯留部262には、該球貯留部262に貯留されている遊技球Bを検出する貯留球検出手段となる貯留球検出センサ262a(図12に図示)が設けられている。これは、遊技球Bを発射する発射装置61が停止してから所定時間経過後、前記貯留球検出手段となる貯留球検出センサ262aが遊技球を検出していない場合に、球貯留部262に貯留されている遊技球Bの不足状態を検出したものとし、球貯留部262の遊技球Bの不足状態を報知することにより、球貯留部262に遊技球Bを補充するように促すためである。なお、報知は、例えば、タッチパネル表示ユニット151で行うものとしても良いし、ガラス枠140の前面上部の左右に設けられたエラー表示器14,14で行うものとしても良い。また、封入球式遊技機100の外部の後述する管理装置90にエラー情報を送信して、管理装置90に設けられた図示しないモニタで上述の報知を行うものとしても良い。従って、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14,14、管理装置90のモニタ等の少なくとも1つが報知手段となる。また、貯留球検出センサ262aは、球不足検出センサ264と同様の近接センサであっても良いし、その他の遊技球の有無を検出するセンサを使用することができる。また、貯留球検出センサ262aは、球貯留部262における遊技球Bの不足状態を検出できるものならば、球貯留部262に遊技球が有るか無いかを見地するものであってもよいし、球貯留部262に所定数の遊技球Bが存在するか否かを検出てきるようになっていてもよい。
球交換カセット取付部270は、図4に示すように、後壁部材320に形成されたカセット挿入部271と、前壁部材310に形成されたカセット受け部272と、球交換カセット取付部270に挿入された球交換カセットを掛止するカセット掛止部279と、球交換カセットの取付時に上述の球貯留板261の傾斜角を変更する作動リンク部材273と、カセット蓋開放係止部材274とを有する。
カセット挿入部271は、後壁部材320に形成され、球交換カセットを挿入する挿入開口部276と、後壁部材320の挿入開口部276の周囲に後方に延出するように設けられ、挿入される球交換カセットを案内するとともに、挿入された球交換カセットを支持するカセットガイド部材277とを有する。なお、球交換カセット取付部270においては、球交換カセットをセットした際に、球交換カセットの球出口がある側(球補充装置260側)の一方の端部が他方の端部より低くなるように傾斜し、球交換カセット取付部270にセットされた際に、球交換カセット内の遊技球Bが球交換カセットの傾斜により球出口に向かって流下するようになっている。
前壁部材310に形成されたカセット受け部272は、球交換カセットの挿入方向の前端部に対応する形状を有した凹部であり、挿入された球交換カセットの前端部が凹部であるカセット受け部272に挿入されることで、球交換カセットの前端部を位置決めした状態に支持するようになっている。また、カセット受け部272の球補充装置260側となる左右の一方の端部(裏面から見て右側端部)に、後述するように回動移動する作動リンク部材273の移動を妨げないように作動リンク部材開口部(図示略)が形成されている。
カセット掛止部279は、前壁部材310に形成されるとともに、前壁部材310から後方に延出して後壁部材320の挿入開口部276の周縁部の下部からカセットガイド部材277に沿って配置され、その後端部に上面に係合突起278を有する。また、係合突起278は、球交換カセットを球交換カセット取付部270に挿入される際の球交換カセットの通過経路内に突出しているが、球交換カセットを挿入する際に、球交換カセットに係合突起278が接触すると、カセット掛止部279が弾性変形して係合突起278が球交換カセットの通過経路外に出て、球交換カセットを挿入開口部276に挿入可能となる。
なお、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセットの挿入方向と対向する面がテーパーとされて断面三角形状となっている。また、カセット掛止部279の係合突起278は、球交換カセットが挿入開口部276に完全に挿入された際に、カセット掛止部279の後端部の直ぐ後の位置となるように配置されており、球交換カセットが完全に挿入された状態で、カセット掛止部279が弾性変形した状態から元の状態に復帰し、係合突起278が球交換カセットの下面に係合するようになっている。また、球交換カセットを挿入開口部276から引き出すように操作すると、カセット掛止部279が弾性変形して、再び、係合突起278が球交換カセットの通過経路が出た状態となり、球交換カセット取付部270から球交換カセットを取り外せるようになっている。
図4に示すように、カセット蓋開放係止部材274は、後壁部材320のカセット挿入部271の近傍で、かつ、球補充装置260側となる部分で、後方に延出して形成されるとともに、カセット挿入部271に向かって突出する蓋係合突起274aを備える。蓋係合突起274aは、球交換カセット取付部270に球交換カセットをセットする際に、球交換カセットの球出口を覆うとともに、前後方向にスライド移動して球出口を開閉自在とするカセット蓋と係合し、球交換カセットを前方に移動して球交換カセット取付部270に挿入する際に、前方に移動する球交換カセットに対してカセット蓋を固定し、カセット蓋を球交換カセット本体に対して相対的に後方に移動させて、カセット蓋が球交換カセットの球出口を開放した状態とするものである。
これにより、球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすることで、球交換カセットの球出口が開放状態となり、球交換カセットをセットした時点で、球交換カセットの球出口から遊技球Bが球補充装置260を経て循環経路220側に流下を開始することになる。
作動リンク部材273は、前壁部材310の球交換カセット取付部270の球補充装置260側端部に配置されるものである。また、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間は、球交換時等における球交換カセット取付部270から球補充装置260への遊技球Bの導入口となっており、作動リンク部材273は、交換用遊技球Bの導入口を開閉する開閉部材として機能する。
また、遊技球Bの交換時等の外部からの遊技球Bの補給に際し、球交換カセット取付部270から循環経路220に遊技球Bを送る際に、遊技球Bが球補充装置260を通過するようになっている。そして、作動リンク部材273は、外部からの遊技球Bの補給時に、球補充装置260の球貯留板261を上述の貯留状態の傾斜角から補充状態の傾斜角に変換するようになっている。
作動リンク部材273は、その下端部を除く主要部が前記導入口を開閉する開閉扉部273aとされ、導入口を遊技球Bの通過が不可となるように閉塞する前後幅及び上下幅を有するとともに、後述するようにセットされる球交換カセットに押圧される際に確実に押圧可能な厚み(左右幅)を有する。また、作動リンク部材273は、その主要部となる開閉扉部273aの下となる下端部に、下端部の前部から後方に延出した板状のリンク片273bを有する。また、リンク片273bは、上述の球交換カセット取付部270側に延出する球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍(接しても良い)に配置されている。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aとリンク片273bとの接合部分が前壁部材310に形成されたリンク部材支持部317に形成された軸(図示略)に回転自在に軸支されている。
そして、作動リンク部材273は、外部から力のかかっていない通常時は、開閉扉部273aが上述の遊技球Bの導入口を閉じる状態となっている。この場合に、開閉扉部273a球交換カセット取付部270への球交換カセットの挿入時に、球交換カセットの通過経路となる部分の左右の端部のうちの一方の球補充装置260側端部に配置され、球交換カセット取付部270の挿入開口部276に球交換カセットを挿入した場合に、開閉扉部273aが後方に押されることで、開閉扉部273aが後方に移動して前記導入口が開放状態となるとともに、リンク片273bが斜め上前方に移動するように作動リンク部材273が回転移動する。
また、リンク片273bは、上述のように球貯留板261の係合部材261bの下側の近傍に配置されており、上述のように球交換カセットを挿入することで、リンク片273bが斜め上に上がると、係合部材261bを押し上げ、球貯留板261が、球交換カセット取付部270側に向かって下り傾斜して遊技球Bを貯留する貯留状態から、ファール球回収手段250に向かって下り傾斜して遊技球Bを合流部254に流下させて遊技球Bを補充する補充状態となる。そして、球交換カセットの球出口から球補充装置260装置側に流下した遊技球Bは、球貯留板261上を流下して循環経路220に流入する。なお、リンク片273bは、球貯留板261の係合部材261bの下側に配置されているので、補充ソレノイド263が、球貯留板261の係合部材261b側の端部を上昇させて、補充球を補充する状態となっても、リンク片273bは動かず、開閉扉部273aは、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間を閉塞した状態を維持するようになっている。
以上のように球交換カセットを球交換カセット取付部270にセットすると、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間で、作動リンク部材273の開閉扉部273aが遊技球Bの導入口を開放することで、上述のように球交換カセットの球出口から流出した遊技球Bは、球補充装置260の球交換カセット取付部270側に端部に形成された球抑え部材265上を通過して、球貯留板261上に流下するが、この際に、球貯留板261は、作動リンク部材273により補充状態とされ、ファール球回収手段250側に向かって下り傾斜しているので、補給される遊技球Bは、球貯留板261上をファール球回収手段250側に流下して、球貯留板261の連通口266側端部から落下し、循環経路220の上流側端部となる合流部254上に流下して、循環経路220内に流入することになる。また、この際には、球交換カセットに、球貯留部262に貯留される遊技球も含まれており、待機流路221内の循環使用される遊技球が溜まって連通口266まで連なった状態となり、連通口266が遊技球で塞がれると、さらに補充された遊技球は、球貯留板261上に連なった状態となる。ここで、球交換カセットを取り外すと、球貯留板261は、貯留状態となり、球貯留板261状で連なった状態の遊技球は、球貯留部262に貯留された状態となる。
また、作動リンク部材273は、開閉扉部273aを手で押すことで作動させることも可能であり、作動リンク部材273を押し込んで、開閉扉部273aを開の状態として、不足した遊技球を球貯留部262を介して循環経路220に補給することも可能である。この場合も、作動リンク部材273を手で後方側に押した際に、球貯留部262が補充状態となり、外部から手動で補充された遊技球は、球交換カセットで遊技球Bを補給した場合と同様に、球貯留板261上を流下して連通口266から待機流路221に流入し、待機流路221がいっぱいになると、球貯留板261上に溜まって、球貯留部262に遊技球が貯留された状態となる。
以上のことから、球交換カセット取付部270と球補充装置260との間の球補充装置260への導入口が、遊技機本体外部から循環経路220の途中に遊技球Bを補給する補給口267となり、球貯留部262に補給口267が設けられていることになる。そして、補給口267から球貯留部262を介して循環経路220に遊技球Bを補給する場合には、球交換カセットを用いる場合も用いない場合も、作動リンク部材273の開閉扉部273aを開放状態とする。この場合には、作動リンク部材273のリンク片273bにより、上述のように球貯留板261を補充状態とさせる。従って、作動リンク部材273は、補充変換手段となる球貯留板261を補充状態に変換させる補充変換操作手段となる。
付着物除去手段400は、封入球循環ユニット200内の遊技球Bを発射する発射装置61の遊技球Bの発射位置の上流側の待機流路221内の遊技球Bに対して付着物を除去可能に設けられている。
そして、付着物除去手段400は、循環経路220の待機流路221内に遊技球Bと接触可能に設けられてアースされた金属プレート410と、流下経路となる循環経路220の待機流路221内に対して吹き出しもしくは吸い込みにより人口風を形成する風形成手段となる送風ファン420とを備えている。
前記金属プレート410は、待機流路221の底部を構成するとともに、前壁部材310の裏面から後方に延出する板状の待機傾斜部223に取り付けられている。そして、金属プレート410は、待機傾斜部223の待機流路221の底面となる上面に、待機傾斜部223の前後幅(遊技球Bの流下方向と直交する方向の幅)のほぼ全幅に渡って配置される四角板状の上面板411と、該上面板411との間に待機傾斜部223を挟んで待機傾斜部223の下面に配置される下面板412と、待機傾斜部223の後端部側で前記上面板411と下面板412とをつなぐように配置される接続部413と、前記下面板412の前縁部から下方に延出して形成され、アース配線430が接続されるアース取付部414とを有する。
前記金属プレート410は、上記上面板411と下面板412と接続部413とから断面コ字状に形成され、接続部413が形成された側縁部と反対側の上面板411と下面板412との間が開放された開放端側から待機傾斜部223を上面板411と下面板412との間に挟み込むようにすることで、待機傾斜部223に固定されるようになっている。
また、図4に示すように待機傾斜部223は、金属プレート410を取り付けるプレート取付部223aにおいて、他の部分より厚みが薄くされ、容易に位置決め可能となっているとともに、待機傾斜部223に金属プレート410を取り付けた際に、図10に示すように、待機傾斜部223の金属プレート410が取り付けられていない部分の上面と、金属プレート410の上面とがほぼ同一平面内に配置されるようになっており、遊技球Bの移動を妨げないようになっている。また、金属プレート410は、金属製の発射レール62にアースされているが、金属プレート410の電荷を逃がせれば、金属プレート410がどこにアースされても良い。
前記送風ファン420は、電気製品の電源、基板等の排熱(冷却)用の周知の送風ファンであって、例えば、正面視して略正方形のケーシング内のファンとファンを回転するモータとを備えたものであり、前壁部材310の前面側で、待機流路221の金属プレート410が取り付けられた位置の前に設けられた送風ファン取付部に取り付けられている。また、送風ファン420の送風方向は、この例において、封入球式遊技機100の前後方向の前から後となっている。
また、前壁部材310の送風ファン420の取付位置で、かつ、待機流路221の金属プレート410が配置された位置の上部と下部とには、通気口318,…が形成されている。後壁部材320の裏面の送風ファン420の取付位置に対応する部分には、フィルタ(図示略)を取り付けるためのフィルタ取付部321が設けられている。フィルタ取付部321には、送風ファン420による送風、送風により吹き飛ばされた遊技球Bへの付着物を含む塵芥等を通過させるフィルタ開口部322が形成されている。
また、フィルタ開口部322の上縁は、待機傾斜部223より少し上に配置されるとともに、待機傾斜部223の上面、すなわち、金属プレート410の上面に沿って斜めに配置されており、待機流路221の後部側で、待機傾斜部223(金属プレート410)の上面近傍に該上面に沿ってスリット上の通気口328(図3に図示)が形成された状態となっている。
フィルタは、送風ファン420の送風により吹き飛ばされた上述の塵芥等の所謂ゴミを回収するゴミ回収手段となるものであり、送風により吹き飛ばされたゴミが、例えば、封入球式遊技機100の後方となる島設備内に排出されるのを防止するものである。
また、封入球循環ユニット200が取り付けられるベース枠体となる前面枠本体130の取付盤131の送風ファン420と前後に重なる位置には、送風ファンに連通するファン開口部が形成されている。また、前面枠本体130の取付盤131の前面側には、タッチパネル表示ユニット151を備えた発射操作ユニット150が設けられている。
そして、取付盤131のファン開口部は、発射操作ユニット150内部のタッチパネル表示ユニット151の裏面側となる空間に連通しており、表示装置としてのタッチパネル表示ユニット151(バックライト、ドライバ回路基板等の発熱する構成を有する)から発射操作ユニット150内部に放出される熱を送風ファン420が吸い込む構成となっている。
なお、封入球循環ユニット200は、取付盤131の裏面側で、発射ユニット60の後側に取り付けられているが、封入球循環ユニット200の前壁部材310の前側に取り付けられる送風ファン420は、斜めに配置される発射ユニット60の高くなった部分の下側に配置され、送風ファン420と発射ユニット60は、前後ではなく、上下に重なるようになっており、スペース効率が高められている。
以上のような封入球式遊技機100においては、以下のように遊技領域1aに発射された遊技球Bが回収されて遊技球Bが循環使用されることになる。
発射ユニット60の発射装置61に供給された遊技球Bは、発射装置61により遊技盤1前面側の遊技領域1aの下側から内外二本のガイドレール2の間を通って、遊技領域1a内に発射される。そして、遊技領域1a内に発射された遊技球Bは、遊技領域1a内を流下し、発射された遊技球Bの一部が普通変動入賞装置9、特別変動入賞装置5、一般入賞口8等の入賞口に流入して入賞し、遊技盤1の裏面側に導かれてセーフ球となり、遊技盤1の裏面側のセーフ球の排出経路を通って遊技盤1の下側に流下する。
一方、遊技領域1a内を流下しても入賞することなく、遊技領域1aの下端部に至った遊技球Bは、アウト球として、遊技盤1の前面側下端部のガイドレール2が設けられていない中央部分から遊技盤1の下側に流下する。すなわち、アウト球は、遊技盤1の前面側から遊技盤1の下側に流下する。
そして、遊技盤1の下側に流下したアウト球及びセーフ球は、それぞれ封入球循環ユニット200の回収部材210の回収口211から封入球循環ユニット200内に流入する。そして、回収された遊技球B(アウト球、セーフ球)は、遊技球導入口219から回収球流路280を通って直ぐに回収球センサ212に至り、回収球センサ212を通過することにより回収球センサ212に検出される。
そして、回収球センサ212を通過した遊技球Bは、球貯留部262の連通口266の隣を通過して、ファール球流路252の下端部となるとともに、待機流路221の上端部となる合流部254上に流下する。
一方、発射装置61で発射されたのにも係わらず、遊技領域1aを流下せずに戻ったファール球としての遊技球Bは、ファール球回収手段250のファール球回収部257で回収されてファール球回収口251を通った後にファール球センサ253を通過して、ファール球センサ253に検出されるとともにファール球流路252を流下する。そして、ファール球流路252を流下するファール球としての遊技球Bは、ファール球流路252の下端部となる合流部254まで流下し、上述の回収球としての遊技球Bと合流する。
そして、合流部254で遊技球Bは、待機流路221を流下することになる。待機流路221上を流下する遊技球Bは、待機流路221に設けられた付着物除去手段400のアースされた金属プレート410上に至り、静電気を除去される。また、金属プレート410と前後に重なって、金属プレート410の前側に配設された送風ファン420からの前から後に向かう人工風が、金属プレート410の前後の側壁となる前壁部材310及び後壁部材320に形成された通気口318、通気口328を通って金属プレート410上で静電気を除去されている状態の遊技球Bに吹き付けることになる。
そして、静電気を除去されることによりゴミ、特に乾いたゴミの付着性が低下した遊技球Bに人工風が吹き付けることにより、遊技球Bに付着した付着物が効率的に除去される。
待機流路221を流下した遊技球Bは一個ずつ球送り装置240に至り、球送り装置240により、供給流路245に送られる。そして、供給流路245を流下する遊技球Bは、供給球センサ246(球送りセンサ)を通過して、供給球センサ246に検出された後に、球供給口247から封入球循環ユニット200の外部となる発射ユニット60の発射装置61の遊技球発射位置に導出される。そして、遊技領域1aを流下して封入球循環ユニット200に回収された遊技球Bは、再び、発射装置61から遊技領域1aに発射されて循環使用される。
次に、以上のような封入球式遊技機100の制御系について図12の制御ブロック図を参照して説明する。
封入球式遊技機100の制御系としては、上述の遊技の進行を制御する遊技制御装置21(メイン制御装置)と、この遊技制御装置21の制御下で各種の演出に関する制御を行う演出制御装置51(サブ制御装置)と、遊技制御装置21の制御下で、持球数(遊技球数)の演算や、タッチパネル表示ユニット151の表示制御を行うとともに、演出制御装置51の制御下で、遊技演出としてランプ等の点灯制御を行う枠制御装置83と、枠制御装置83の制御下で発射装置61の制御等を行う発射制御装置63aとを備える。なお、これら制御系の装置や、その他の装置に電力を供給する電源供給装置72が備えられ、電源供給装置72は、停電時等の外部からの電力の供給が停止した際に、少なくとも揮発性のメモリに記憶されたデータの消失を防止するためにバックアップ電源73を備える。
このうち遊技制御装置21は、CPU、RAM、ROM等を有する遊技用マイクロコンピュータ、入出力I/F、クロック(発振器)等により構成され、パチンコ遊技機において周知のものであり、特図や普図の変動表示ゲームに関連する各種乱数値なども生成している。各種乱数値には、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数値などが含まれ、特図や普図の変動表示ゲームの当たり、外れ等のゲームの結果を決定している。
また、遊技制御装置21には、入出力I/Fを介して各入賞口センサ8a、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b、V入賞センサ5cが接続され、これらセンサからの遊技球Bの検出信号が入力されるようになっている。そして、入賞口センサ8a、始動口センサ9b、カウントセンサ5b等の各種入賞口、入賞装置に設けられたセンサからの入力に基づき賞球が発生することになるが、封入球式遊技機100においては、封入球式以外のパチンコ遊技機において、賞球としての遊技球の払い出しを制御する排出制御装置に代えて、賞球に関する情報が枠制御装置83に出力されるようになっており、枠制御装置83においては、賞球に関する情報に基づいて、持球数に賞球数を加算する演算処理が行われるようになっている。また、遊技制御装置21においては、ゲートセンサ6a、始動口センサ9b、V入賞センサ5cから入力される信号に基づいて、特図及び普図の変動表示ゲームの進行の制御が行われる。
また、遊技制御装置21には、入出力I/Fを介して普電ソレノイド9a、大入賞口ソレノイド5aが接続されて制御されるようになっており、特図や付図の変動表示ゲームの結果に基づいて、特別変動入賞装置5や普通変動入賞装置9の開閉が制御される。
演出制御装置51は、遊技制御装置21からの演出コマンドに基づいて、変動表示装置4に識別情報による特図変動表示ゲームを含む各種の演出表示や、その他の各種情報表示などを行わせる表示制御を行う。
演出制御装置51は、CPU、ROM、RAMを備えた演出用マイクロコンピュータや、ビデオ制御用の各種ICを備え、遊技制御装置21における特図の変動表示ゲームの進行の制御に基づいて、変動表示装置4において特図の変動表示ゲームの表示や、それに伴う演出表示の制御を行う。
また、演出制御装置51は、上述のように遊技制御装置21からの指令に基づき、スピーカ13,13(スピーカ155は、演出制御装置51の制御の元に枠制御装置83で駆動制御される)による発音動作などを制御したり、遊技盤1前面(各種役物を含む)に設けられた装飾用のLED類等を含む装飾ランプ15の点灯及び消灯を制御したりする(サイドランプ12等の枠装飾表示器17は、演出制御装置51の制御の元に枠制御装置83で制御される)。
枠制御装置83は、CPU84a、RAM84b、ROM84c等を有するマイクロコンピュータ84、入出力I/F85、クロック(発振器)86等により構成されている。なお、枠制御装置83は、実際には、第1枠制御基板81で構成される制御装置と、第1枠制御基板81で構成される制御装置の制御下で制御を行う第2枠制御基板82で構成される制御装置とからなるが、ここでは、説明を簡単にするために、第1枠制御基板81と第2枠制御基板82とから一つの枠制御装置83が構成されているものとして説明する。
このうち、CPU84aは、制御部、演算部を備え、各種演算・制御を行うものであり、球供給センサ246(球送りセンサ)から入力される遊技球の発射に関する情報や、遊技制御装置21から入力される遊技球の賞球に関する情報等から遊技者が遊技に使用可能な遊技球数のデータである持球数情報を算出したり、封入球循環ユニット200の各種センサからの情報に基づいてエラーの判定を行ったり、エラーの判定に基づく制御を行ったりするようになっている。
RAM84bは、例えば、上述のエラーに関する制御上使用される各種フラグ、各種タイマ、各種カウンタ等の記憶領域を有するとともに、CPU84aの作業領域等を備えている。
ROM84cには、上述の持球数等の遊技球の発射に関する制御を行うためのプログラムや、遊技球を循環使用する際の各種制御を行うためのプログラム等や、これらのプログラム等で使用されるデータ(例えば、各種タイマに設定される時間などのデータ)等が記憶されている。
また、入出力I/F85には、図示しないローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置21、演出制御装置51、タッチパネル表示ユニット151(タッチパネル)、供給球センサ246(球送りセンサ)、ファール球センサ253、回収球センサ212、球不足検出センサ264、貯留球検出センサ262a、ガラス枠開放検出センサ142等が接続されており、これらからの各種信号が入力されている。そして、これら各種信号は、該入出力I/F85により中継されて、CPU84aに対し出力されている。
さらに、入出力I/F85には、CPU84aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力I/F85により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、発射制御装置63a、タッチパネル表示ユニット151(LCD)、外部アピール装飾ランプ11(球量表示器)、サイドランプ12等の枠装飾表示器17、スピーカ155などに出力されている。
また、枠制御装置83のマイクロコンピュータ84は、入出力I/F85を介して図示しない通信装置と接続され遊技店のコンピュータシステムである管理装置90と接続され、従来遊技制御装置21の通信装置が外部端子を介して行っていた各種信号の出力を枠制御装置83が行うとともに、管理装置90からの情報を入力可能となっている。すなわち、枠制御装置83から管理装置90に送信される特図変動表示ゲームのスタート、大当たり、大当たり後に確率変動を伴う大当たり、入球、出球等の情報が出力されるとともに、例えば、会員の情報、他の遊技機の情報等が管理装置90から枠制御装置83に入力可能となっている。
以上のような枠制御装置83は、賞球に関する情報や、球供給センサ246の信号に基づく遊技球の発射の情報や、ファール球センサ253の信号に基づくファール球の情報、回収球センサ212の信号に基づく入球の情報に基づいて、持球数等の各種遊技球数に関する情報を算出し、持球数に基づいて発射制御装置63aを介して遊技球の発射を制御する。また、枠制御装置83は、算出された各種遊技球数の情報に基づいて、タッチパネル表示ユニット151や、外部アピール装飾ランプ11(球量表示器)等への表示の制御を行う。なお、タッチパネル表示ユニット151の表示の制御においては、上述の変動表示ゲームに関する情報や、管理装置90から入力された情報等の表示も行われる。
また、枠制御装置83は、持球数の情報に基づいて、発射制御装置63aを介して、持球数が0より大きい場合に遊技球の発射を許可し、持球数が0の場合に遊技球の発射を禁止するようになっている。
また、枠制御装置83は、球供給センサ246、ファール球センサ253、回収球センサ212、球不足検出センサ264、貯留球検出センサ262aからの信号に基づいて後述するエラー制御処理を行う。
そして、後述するエラー制御処理で説明するように、枠制御装置83は、球貯留部262から循環経路220への遊技球Bの補充を球不足検出センサ264の遊技球Bの検出状態に基づいて制御する補充制御手段として機能する。また、枠制御装置83は、ファール球流路252を流下した遊技球と、回収球流路280を流下した遊技球とが合流する合流部254及びその近傍で球詰まりが発生した場合に、合流部254及びその近傍の流路内面の一部となる流路形成面を構成する球貯留板261を補充ソレノイド263により動かして球詰まりを解消する流路形成面動作制御手段として機能する。また、枠制御装置83は、球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを補充する制御を行っても、補充された遊技球Bを検出するはずの球不足検出センサ264が遊技球Bを検出しない場合に、球補充装置260を再び複数回作動させる補充変換動作制御手段として機能する。さらに、枠制御装置83は、後述するエラー制御処理の変形例で説明するように回収球センサ212、ファール球センサ253、球供給センサ246(球送りセンサ)の出力信号に基づいて、発射されてから回収されるまでの遊技球Bとして浮遊球の個数を計数する浮遊球計数手段として機能する。
発射制御装置63aは、図示しないCPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータを備え、図示しない入出力I/Fを介して、発射操作ユニット150のハンドルタッチ検出部152(タッチセンサ)及び発射スライドボリューム153が接続されるとともに、球送りソレノイド244、送風ファン420、発射装置61(のモータのドライバ)が接続されている。
発射制御装置63aは、発射スライドボリューム153の操作レバー156の操作に基づく信号レベルにより、発射装置61における遊技球Bの発射勢を制御するとともに、ハンドルタッチ検出部152において、遊技者の手が検出され、かつ、上述の持球数が0より大きい場合に、発射装置61を制御して所定の時間間隔毎に遊技球Bを順次発射する制御を行う。また、発射制御装置63aは、発射装置61による遊技球Bの発射のタイミングに合わせて、球送りソレノイド244を作動させて、封入球循環ユニット200から発射装置61に遊技球Bを供給する制御を行う。
また、発射制御装置63aは、付着物除去手段400の送風ファン420の制御も行うようになっており、例えば、発射装置61による遊技球Bの発射が停止されている場合に、送風ファン420を停止し、発射装置61により遊技球Bが所定時間毎に発射されている場合には、送風ファン420を作動させるようになっている。これにより、遊技球Bの発射が停止していることにより、待機流路221の付着物除去手段400の位置で停止した状態となった遊技球Bに送風ファン420が人口風を当てた状態のままとなるのを防止し、送風ファン420の耐用期間の延長と電力消費の低減を図っている。
次に、枠制御装置83によるエラー制御処理を説明する。図13に示される枠制御装置83のエラー制御処理のメインフローに示すように、枠制御装置83においては、球不足監視処理(ステップS1)、球詰まり監視処理(ステップS2)、貯留球監視処理(ステップS3)、補充異常監視処理(ステップS4)が行われる。
球不足監視処理(ステップS1)は、上述のように待機流路221において待機する遊技球Bが通常より減少し、そのままでは、所定時間毎に遊技球を発射することが困難となった場合に、球補充装置260の球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを補充するために行われる処理である。
以下に球不足監視処理(ステップS1)を図14のフローチャートと、図15のタイミングチャートを参照して説明する。
なお、球不足監視処理(ステップS1)、球詰まり監視処理(ステップS2)、貯留球監視処理(ステップS3)、補充異常監視処理(ステップS4)は、短い時間間隔(例えば、設定されたタイマのほぼ最低単位時間)毎に実行されるようになっている。
球不足検出センサ264においては、遊技球を順次発射している状態において、例えば、図15に示すように、遊技領域1aから回収された遊技球Bが、待機流路221を流下していくことになる。この際に、図7等に示すように、球不足検出センサ264は、待機流路221の待機する遊技球の16〜17個目の遊技球を検出するようになっている。
なお、球貯留部262に貯留された遊技球を除く、封入球式遊技機100に封入されて循環使用される遊技球は、例えば25個となっており、発射装置61から発射されて、封入球循環ユニット200に回収されるまでの遊技球Bである浮遊球が8〜9個未満とすると、基本的に球不足検出センサ264の近傍に常時遊技球Bが待機していることになり、待機している遊技球Bが遊技球Bの発射毎に移動することで、球不足検出センサ264は、遊技球の発射タイミングに対応して遊技球Bの検出信号(例えば、HIGHの信号)を出力する。また、浮遊球がそれより多い場合には、所定間隔毎に発射された遊技球Bが遊技領域1aから回収され待機流路221の球不足検出センサ264の近傍を流下し、球不足検出センサ264は、多少不規則になるが、遊技球Bが近傍を流下する度に遊技球Bの検出を示す信号を出力する。ここで、例えば、遊技領域1aで球止まりが発生し、発射した遊技球Bの複数個が球止まりにより回収されず、図15のタイミングチャートに示すように、球不足検出センサ264が遊技球の発射間隔に比較して数倍以上の期間に渡って遊技球が検出されない状態となる。
そこで、球不足監視処理では、球不足検出センサ264が所定時間(例えば、6秒)以上遊技球Bを検出しなかった場合に、球止まり等により球不足状態が発生したと判定するようになっている。なお、球不足検出センサ264において、前に遊技球Bが検出された段階で、待機流路221に球不足検出センサ264の位置まで遊技球Bが滞留している場合に、例えば、待機流路221に遊技球Bが約16個あることになる。
それから、所定時間となる6秒間に渡って球不足検出センサ264が検出されない場合には、遊技球が1分間に100個発射されるものとすると、遊技球Bが10個発射され、待機流路221には6個の遊技球が残っていることになり、それから、さらに約3秒以上経過すると、発射する遊技球Bが待機流路からなくなることになる。
球不足監視処理では、まず、補充異常監視フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS10)。ここで、補充異常監視フラグは、この球不足監視処理において、球不足検出センサ264が所定時間以上遊技球Bを検出しなかった場合(すなわち、遊技球Bの不足状態を検出した場合)に、セットされるフラグであり、球不足が発生したと判定され、遊技球Bの補充が行われたこと、もしくは行われることが確定していることを示すものである。
また、補充異常監視フラグは、上述のように遊技球Bの補充が行われることを示すものであり、遊技球Bの補充が正常に行われたか否かを判定する補充異常監視処理を開始するか否かを決定するフラグとなっている。
ここで、補充異常監視フラグがセットされている場合には、すでに、球不足監視処理により球不足と判定され、遊技球Bの補充が行われたか行われようとしている状態なので、ステップS12に進み、上述の所定時間を測定するための球不足監視タイマに所定時間(例えば、6秒で、数値上は、6秒を最低単位時間で除算した正の整数)をセットする。
また、補充異常監視フラグがセットされていない場合は、次に、球不足検出センサ264が遊技球Bを検出しているか否かを判定する(ステップS11)。遊技球Bを検出している場合には、遊技球Bを検出せずに、球不足監視タイマが作動して所定時間の経過を計測していたとしても、所定時間が経過する前に遊技球が検出されることになるので(所定時間が経過した場合は補充異常監視フラグがセットされている)、球不足監視タイマに所定時間をセットして(ステップS12)、球不足監視処理を終了する。
一方、球不足検出センサ264が遊技球を検出していない場合には、次に、球不足監視タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS13)、タイムアップしていない場合は、球不足監視タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算して(ステップS14)、球不足監視処理を終了する。
一方、ほぼ最低単位時間毎に繰り返される球不足監視処理の前回の処理において、球不足監視タイマの数値が減算されて0となっていた場合には、ステップS13において、球不足監視タイマがタイムアップしたと判定され、球補充装置260の球貯留部262において、補充ソレノイド263を動作させて球貯留板261を補充状態とする補充動作コマンドをセットする(ステップS15)。
次に、補充動作コマンドに基づいて遊技球の補充が確実に行われたか否かを判定するための補充異常監視処理を開始するための補充異常監視フラグをセットし(ステップS16)、補充異常監視処理で用いられる補充異常監視タイマに補充異常監視処理における所定時間をセットして(ステップS17)、球不足監視処理を終了する。
以上のような球不足監視処理により、球不足検出センサ264で、所定時間、遊技球Bが検出されず球不足状態が発生したと判定された場合に、枠制御装置83で補充動作コマンドが実施され、補充ソレノイド263が図5に示すようにプランジャ263bを下げた状態から、図6及び図15のタイミングチャートに示すように、プランジャ263bを上げた状態、すなわち、補充ソレノイド263を作動させた状態となる。これにより、球貯留板261が球貯留部262と循環経路220との連通口266に向かって上がり傾斜した貯留状態から、連通口266に向かって下り傾斜した補充状態となる。
そして、球貯留板261上に貯留された遊技球Bが、図8に示すように、連通口266から循環経路220の待機流路221に流下し、球不足になって遊技球の発射タイミングとなった際に待機流路221に遊技球Bが無い状態となるのを防止し、遊技球Bの所定間隔毎の発射を維持することが可能となる。
そして、球貯留部262から遊技球Bが待機流路221に補充されると、補充された遊技球Bが球不足検出センサ264近傍を通過して、球不足検出センサ264は、図15のタイミングチャートに示すように、複数の遊技球Bを順次検出して、遊技球の検出を示す信号を複数回出力することになり、これにより遊技球Bが補充されたことが確認可能となっている。
以上のような球不足監視処理により、遊技領域1aでの球止まり等により、循環使用される遊技球Bが減少した場合に、遊技球Bが補充され、発射位置に誘導される待機中の遊技球が不足することにより、所定時間毎に遊技球が発射できない状態となるのを防止することができる。
次に、球詰まり監視処理(ステップS2)を図16のフローチャートと、図17のタイミングチャートを参照して説明する。
上述のように、ファール球流路252を流下した遊技球と、回収球流路280を流下した遊技球とが合流する部分で球詰まりが発生すると、図11(回収球センサ212の場合)に示すように球詰まり部分から回収球センサ212や、ファール球センサ253まで遊技球が連なり、図17(A)に示すように回収球センサ212やファール球センサ253で遊技球を検出した状態が連続した状態となる(図17(A)は回収球センサ212が遊技球Bを検出した場合を示す)。
そこで、球詰まり監視処理では、回収球センサ212またはファール球センサ253が所定時間以上連続して遊技球を検出した状態のままとなった場合に、上述のように循環経路のファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する合流部254及びその近傍での流路形成面となる球貯留板261を補充ソレノイド263を作動させて動かすことにより、球詰まりとなった遊技球Bを動かして球詰まりを解除させる。
球詰まり監視処理では、まず、解除中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS21)。ここで、解除中フラグは、この球詰まり監視処理において、回収球センサ212かファール球センサ253が所定時間以上連続して遊技球Bを検出した場合に、セットされるフラグであり、球詰まりが発生したと判定され、上述のように球貯留板261を動かして球詰まりの解除が行われていることを示すものである。
ここで、解除中フラグがセットされている場合には、すでに、球詰まり監視処理により球詰まりと判定され、球詰まりの解除中なので、ステップS211以降に進み、球詰まりの解除を監視する処理に以降するが、この処理の説明は、ステップS22以降及びステップS23以降の球詰まりの監視の処理の後に説明する。
解除中フラグがセットされていない場合は、次に、回収球センサ212が遊技球Bを検出しているか否かを判定する(ステップS22)。遊技球Bを検出していない場合には、回収球センサ212の下流側で上述のような球詰まりが発生していないので、回収球タイマに所定時間(連続して遊技球の検出状態となった場合に球詰まりと判定する時間で、所定時間を最低単位時間で除算した数値)をセットし(ステップS221)、ステップS23以降の処理に移行する。
一方、回収球センサ212が遊技球を検出している場合には、次に、回収球タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS222)、タイムアップしていない場合は、回収球タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算する(ステップS223)。
また、ほぼ最低単位時間毎に繰り返される球詰まり監視処理の前回の処理において、回収球タイマの数値が減算されて0となっていた場合には、ステップS222において、回収球タイマがタイムアップしたと判定され、球補充装置260の球貯留部262において、補充ソレノイド263を動作させて球貯留板261を動かすための球詰まり解除動作コマンドをセットする(ステップS224)。なお、ここでは、補充ソレノイド263を動作させて、球貯留板261を貯留状態から補充状態として再び貯留状態とする動きを複数回繰り返すようになっている。例えば、図17(A)のタイミングチャートに示すように、回収球センサ212(回収球検出センサ)が連続して遊技球を検出する状態となり、所定時間が経過した場合には、補充ソレノイド263が複数回作動する。そして、球貯留板261の動きにより球詰まりが解消した場合は、連続的に遊技球Bを検出した状態となっていた回収球センサ212から遊技球Bが流下し、回収球センサ212が遊技球Bを検出しない状態となった後に、順次回収される遊技球Bを検出する状態となり、回収球センサ212から遊技球Bを検出した状態を示す信号と検出しない状態を示す信号とが繰り返し出力される状態となる。
次に、球詰まり解除動作コマンドに基づいて球詰まりが解消したか否かを確認するためのステップS211以降の処理において、球詰まりを解除してから所定の設定時間が過ぎても回収球センサ212が遊技球Bを検出したままの状態か否かを判定するが、その所定の設定時間を解除中タイマにセットする(ステップS225)。また、球詰まりの解除動作後にステップS211以降の球詰まり解除の確認処理を行うことを示す解除中フラグをセットする(ステップS226)。
また、ステップS22において、回収球センサ212が遊技球を検出していない場合は、上述のように回収球タイマをセットした後に、ファール球センサ253が遊技球Bを検出しているか否かを判定する(ステップS23)。遊技球Bを検出していない場合には、ファール球センサ253の下流側で上述のような球詰まりが発生していないので、ファール球タイマに所定時間(連続して遊技球の検出状態となった場合に球詰まりと判定する時間で、所定時間を最低単位時間で除算した数値)をセットし(ステップS231)、球詰まり監視処理を終了する。
一方、ファール球センサ253が遊技球Bを検出している場合には、次に、ファール球タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS232)、タイムアップしていない場合は、ファール球タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算する(ステップS233)。
また、ほぼ最低単位時間毎に繰り返される球詰まり監視処理の前回の処理において、ファール球タイマの数値が減算されて0となっていた場合には、ステップS232において、ファール球タイマがタイムアップしたと判定され、上述の球詰まり解除動作コマンドをセットする(ステップS234)。これにより、上述のように、球貯留板261が動くことになる。
次に、ステップS225と同様に解除中タイマに所定時間をセットし(ステップS235)、ステップS226と同様に、解除中フラグをセットして(ステップS236)、球詰まり監視処理を終了する。
そして、上述のようにステップS225もしくはステップS235で解除中タイマがセットされ、ステップS226もしくはステップS236で解除中フラグがセットされた状態で、球詰まり監視処理が開始されると、ステップS21で、解除中フラグがセットされていると判定され、次に、回収球センサ212が遊技球Bを検出しているか否かが判定され(ステップS211)、遊技球Bが検出されていない場合には、ファール球センサ253が遊技球を検出しているか否かが判定される(ステップS212)。
そして、回収球センサ212及びファール球センサ253のうちのいずれかのセンサが遊技球Bを検出している場合には、次に、解除中タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップS213)、タイムアップしていない場合は、解除中タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算して(ステップS214)、球詰まり監視処理を終了する。
また、ほぼ最低単位時間毎に繰り返される球詰まり監視処理の前回の処理において、解除中タイマの数値が減算されて0となっていた場合には、ステップS213において、解除中タイマがタイムアップしたと判定される。
この場合は、図17(B)のタイミングチャートに示すように、例えば、回収球センサ212(ファール球センサ253)が、所定時間以上、連続的に遊技球Bを検出した状態となった後に、補充ソレノイド263の作動により流路形成面となる球貯留板261が動いても、回収球センサ212(ファール球センサ253)が、連続して遊技球Bを検出した状態のままとなっており、球詰まりが解消されなかったことを示している。
そして、最初の回収球タイマ(ファール球タイマ)にセットされた所定時間が経過した後に、解除中タイマにセットされた所定時間が経過しても回収球センサ212(ファール球センサ253)が遊技球Bを連続的に検出した状態のままの場合は、球詰まりエラー報知フラグをセットして(ステップS215)、球詰まり監視処理を終了する。
そして、球詰まりエラー報知フラグがセットされた場合に、枠制御装置83は、例えば、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14,14、管理装置90のモニタ等のいずれか一つ以上を用いて、球詰まりエラーが発生していることを報知する制御を行う。また、エラー報知フラグがセットされた場合には、回収球流路280を流下した遊技球及びファール球流路252を流下した遊技球が合流する部分から先の待機流路221に遊技球が流下しない状態となっており、この場合も遊技球Bの不足が発生するが、補充ソレノイド263を作動させて球貯留部262の球貯留板261を補充状態としても、球詰まりが解消しないと遊技球Bの補充が不可能となる。すなわち、球貯留部262から補充される遊技球Bは、合流部254を通過するようになっており、合流部254で球詰まりが発生し、かつ、補充ソレノイド263(球貯留板261)を作動させても、球詰まりが解消しない場合は、遊技球Bの補充ができない。
従って、球詰まりエラーを放置した段階で、例えば、枠制御装置83の制御下にある発射制御装置63aにより遊技球の発射を禁止するものとしてもよい。この場合には、遊技球Bの発射が禁止されて停止したことにより、遊技制御装置21が遊技の進行を停止するものとしてもよい。
以上のような球詰まり監視処理によれば、回収球流路280を流下した遊技球とファール球流路252を流下した遊技球とが合流する合流部254で、遊技球Bの球詰まりが発生した場合に、合流部254及びその近傍の流路内面の一部である流路形成面となる球貯留板261が補充ソレノイド263の作動により動いて球詰まりを解消することができる。また、球詰まりを解消できない場合は、球詰まりを報知して、係員等による球詰まりに対する対処を促すことができる。
次に、貯留球監視処理(ステップS3)を図18のフローチャートと、図19のタイミングチャートを用いて説明する。
なお、貯留球監視処理は、上述の球不足監視処理で、球不足と判定され、図8に示すように球貯留部262の遊技球Bが循環経路220(待機流路221)に補充された場合に、球貯留部262に貯留される遊技球Bが0となり、かつ、遊技者が遊技球Bの発射を停止しても、球貯留部262の遊技球が0もしくは、あらかじめ設定された個数より少ない場合(遊技球Bの不足状態の場合)に、補充用の遊技球が足りないことを報知するための処理である。なお、図19のタイミングチャートに示すように、補充ソレノイド263が作動して球貯留部262から循環経路220に遊技球Bが補充されると、球貯留部262に貯留された遊技球Bが無くなり、球貯留部262の遊技球Bを検出する貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出している状態から検出していない状態となる。
そして、球不足の原因が、例えば、遊技領域1aの球止まりで、かつ、球止まりが、遊技者が遊技球Bの発射を辞める前に解消した場合には、球止まりの解消により循環使用される遊技球Bの個数が補充された遊技球Bの個数だけ増えた状態となる。ここで、遊技球の発射が停止されると、図9に示すように、循環使用されている遊技球Bが全て循環経路220に回収されることになるが、待機流路221内には、循環使用される所定数の遊技球しか収容できず、球貯留部262から補充されて増えた分の遊技球は、連通口266から溢れた状態となって、球貯留部262側に流下し、球貯留部262に再び貯留された状態となる。
従って、遊技球Bが封入球式遊技機100外に遊技球Bが脱落して球不足が生じた場合や、待機流路221の外側で遊技球Bが球止まりし、かつ、遊技球Bの発射を停止しても球止まりが解消しなかった場合を除いて、遊技球Bの発射を停止すれば、球貯留部262に遊技球Bが戻り、貯留球検出センサ262aにより遊技球が検出されることになる。また、遊技球Bの発射を停止してから十分な所定時間が経過しても、遊技球Bが球貯留部262に戻らず、図19のタイミングチャートに示すように、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出できない場合には、係員による脱落した遊技球Bの補給や、解消しない球止まりの解消を行う必要がある。
そこで、貯留球監視処理では、遊技球Bの発射を停止した後に、上述のように球貯留部262に遊技球Bが戻るのに十分な時間である所定時間が経過しても、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出しない場合に、球貯留部262に遊技球Bが無い(足りない)こと(遊技球の不足状態)を報知するようになっている。
以上のような報知を行うための貯留球監視処理においては、まず、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出しているか否かを判定する(ステップS30)。
そして、貯留球検出センサ262aが球貯留部262に(所定数の)遊技球Bがあることを検出している場合には、貯留球に異常がないので、貯留球が不足した場合にセットされる貯留球エラー報知フラグをクリアするとともに(ステップS31)、発射停止後に上述のように遊技球が戻るのに十分な時間としての所定時間(遊技球の発射停止を判定する時間で、所定時間を最低単位時間で除算した数値)を球送りオフタイマにセットし(ステップS32)、貯留球監視処理を終了する。なお、貯留球エラー報知フラグは、上述のように球貯留部262に貯留される遊技球が不足した場合に、枠制御装置83の制御の元に報知を行わせるためのフラグであり、球貯留部262に遊技球がある場合には、クリアされた状態とされる。
一方、ステップS30において、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出していない場合には、次に、球供給センサ246が遊技球Bを検出しているか否かを判定し(ステップS33)、球供給センサ246(球送りセンサ)が遊技球Bを検出している場合には、球送りオフタイマに上述の所定時間をセットし(ステップS32)、貯留球監視処理を終了する。ここで、遊技球Bを発射している状態では、所定時間毎の遊技球Bの発射に対応して、遊技球Bを検出している状態と、遊技球Bを検出していない状態が繰り返される。従って、繰り返される貯留球監視処理において、発射タイミングに対応して球供給センサ246(球送りセンサ)がオンとなり、球送りオフタイマに所定時間がセットされることになり、遊技球Bを順次発射している状態では、球送りオフセットタイマがタイムアップすることがない。
ステップS33において、球供給センサ246(球送りセンサ)が遊技球Bを検出していない状態では、次に球送りオフタイマがタイムアップしたか否かが判定され(ステップS34)、球送りオフタイマがタイムアップしていない場合には、球送りオフタイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算し(ステップS35)、貯留球監視処理を終了する。
また、球送りオフタイマがタイムアップした場合には、貯留球エラー報知フラグをセットし(ステップS36)、貯留球監視処理を終了する。
貯留球エラー報知フラグがセットされることにより、枠制御装置83は、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14,14、管理装置90のモニタ等を用いて、球貯留部262で遊技球Bが不足していることを報知する。
これにより、報知に気づいた係員が、報知が行われた封入球式遊技機100において、球貯留部262に遊技球が不足しており、遊技球Bの遊技機本体からの脱落により遊技機本体に封入された遊技球Bが減少しているか、待機流路221以外の部分で、遊技球Bが球止まりしているか、球詰まりしている状態が解消できずにいるかを確認し、遊技球Bの遊技機本体外部からの補給や、球止まりや球詰まりを解除する作業を行うことになる。
これにより、球貯留部262から遊技球Bを循環経路220に補給した後に、球貯留部262で遊技球Bが不足した状態となり、さらに待機流路221で球不足が生じても、遊技球Bを補充できない状態となるのを防止することができる。
次に、補充異常監視処理(ステップS4)を図20のフローチャート及び図21のタイミングチャートを用いて説明する。
なお、補充異常監視処理は、上述の球不足監視処理において、待機流路221における球不足が検出され、球補充装置260により、補充ソレノイド263を作動させて、球貯留部262の球貯留板261を補充状態として、球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを補充動作を行った場合に、正常に補充が行われたか否かを判定するために行われるものである。すなわち、図21のタイミングチャートに示すように、上述の球不足監視処理に基づいて、球不足検出センサ264で遊技球Bが検出されなくなってから最初の所定時間(球不足監視タイマで計測される時間)が経過すると、補充ソレノイド263が作動して遊技球Bが補充される。この後に補充異常監視処理が開始され、補充ソレノイド263が作動しても、球不足検出センサ264で遊技球Bが検出されず、遊技球Bが補充されたことが確認できない場合に、二番目の所定時間(後述の補充異常解監視タイマで計測される時間で、球不足監視タイマと異なる時間をセット可能)が経過した後に、補充ソレノイド263を複数回作動させる。
これは、補充ソレノイド263や、この補充ソレノイド263に駆動される球貯留板261において、埃の付着等による動作不良がある場合に、複数回動作させることで動作不良を解消しようとする目的で行うとともに、球貯留部262及びその下流側近傍の待機流路221で遊技球Bが球詰まりしていることにより、遊技球Bの補充に異常が発生していると想定して、上述のファール球流路252を流下した遊技球と回収球流路280を流下した遊技球とが合流する合流部254の流路内面の一部である流路形成面となる球貯留板261を作動させることで、遊技球Bの球詰まりを解消し、遊技球Bの補充異常を解除しようとする目的で行うものである。なお、球貯留部262から循環経路220への連通口266が、回収球流路280及びファール球流路252とつながる待機流路221への導入口となっており、球貯留部262から循環経路220の遊技球Bの補充流路は、回収球流路280と待機流路221との連通部分で、かつ、ファール球流路252が合流する部分の直前となる位置に合流している。
そして、球詰まりを解消するために補充ソレノイド263を作動させても、球不足検出センサ264が遊技球を検出しない場合は、三番目の所定時間(後述の補充異常解除中タイマで計測される時間で、補充異常監視タイマと異なる時間をセット可能)が経過した後に、遊技球Bの補充に異常(エラー)があることを示すエラー報知を行うようになっている。
補充異常監視処理においては、まず、上述の球不足監視処理(ステップS1)で、待機流路221で待機する遊技球Bが不足していると判定されて、球貯留部262で、遊技球Bを補充する動作が行われるとともに、補充異常監視フラグがセットされたか否かが判定される(ステップS40)。すなわち、球補充装置260による遊技球Bの補充に異常がないかを監視する処理なので、遊技球Bの補充動作が行われず、補充異常監視フラグがセットされていない場合には、処理を終了する。
また、補充異常監視フラグがセットされている場合には、補充異常解除中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS41)。補充異常解除中フラグは、上述のように補充ソレノイド263による遊技球の補充動作後、所定時間経過しても球不足検出センサ264で遊技球が検出されない場合に、補充ソレノイド263を球詰まり解除等のために動作させ、三番目の所定時間が経過するのを監視している状態であることを示すものである。
ここで、補充異常解除中フラグがセットされていない場合は、遊技球Bの補充が行われ、かつ、二番目の所定時間が経過していないことを示している。そして、補充異常解除中フラグがセットされていない場合には、球不足検出センサ264が遊技球Bを検出しているか否かを判定し(ステップS401)、遊技球Bを検出している場合には、遊技球Bが補充されたことになり、補充異常監視フラグをクリアして(ステップS402)、補充異常監視処理を終了する。
ステップS401で、遊技球Bが検出されていない場合には、球不足監視処理において、補充動作コマンドをセットして、補充ソレノイド263を動作させた際に、二番目の所定時間がセットされた補充異常監視タイマがタイムアップしているか否かを判定する。なお、補充異常監視タイマには、上述の球不足監視処理において、補充動作が行われてから、補充された遊技球Bが待機流路221の球不足検出センサ264の位置を通過するのに必要十分な時間がセットさている。
そして、補充異常監視タイマがタイムアップしていない場合には、補充異常監視タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算する(ステップS404)。
一方、ほぼ最低単位時間毎に繰り返される補充異常監視処理の前回の処理において、補充異常監視タイマの数値が減算されて0となっていた場合には、ステップS403において、補充異常監視タイマがタイムアップしたと判定され、球補充装置260の球貯留部262において、補充ソレノイド263を動作させて流路形成面となる球貯留板261を動かす球詰まり解除動作コマンドをセットする(ステップS405)。
次に、球詰まり解除動作コマンドに基づいて、球詰まり解除動作(補充異常解除動作)中(動作後、補充異常解除中タイマの作動中も含む)であることを示す補充異常解除中フラグがセットされる(ステップS406)。
枠制御装置83の制御の元に補充ソレノイド263が球詰まり解除の動作を行ってから三番目の所定時間を計時するための補充異常解除中タイマに三番目の所定時間をセットし(ステップS407)、補充異常監視処理を終了する。なお、三番目の所定時間は、球詰まり解除動作により球詰まりが解除された場合に、球詰まりが解除されてから遊技球Bが、待機流路221の球不足検出センサ264の位置を通過するのに必要十分な時間とされる。
一方、ステップS41において、上述の処理により補充異常解除中フラグがセットされていると判定された場合に、次ぎに球不足検出センサ264が遊技球Bを検出しているか否かを判定し(ステップS42)、遊技球Bを検出している場合には、補充ソレノイド263の球詰まり解除動作等により、遊技球Bの補充が行われたことになり、補充異常監視フラグをクリアするとともに(ステップS43)、補充異常解除中フラグをクリアし(ステップS44)、後述のようにセットされる補充エラー報知フラグをクリアする。
なお、補充異常監視処理では、補充ソレノイド263に球詰まり解除動作を行わせた後に三番目の所定時間が経過しても、遊技球Bが補充されなかった場合(球不足検出センサで遊技球Bが検出されなかった場合)に、後述するように補充エラー報知フラグをセットするが、補充エラー報知フラグをセットした後に、エラー処理としてリセット等が行われる前(補充異常監視フラグ及び補充異常解除中フラグがリセットされる前)に、球不足検出センサ264が遊技球Bを検出すれば、エラー報知後であっても自動的に補充異常監視フラグ、補充異常解除中フラグ、補充エラー報知フラグをクリアする。
また、ステップS42において、球不足検出センサ264が遊技球Bを検出していない場合には、補充異常解除中タイマがタイムアップしているか否か、すなわち、三番目の所定時間が経過した否かが判定され(ステップS46)、タイムアップしていな場合には、補充異常解除中タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算して(ステップS47)、補充異常監視処理を終了する。
補充異常解除中タイマがタイムアップした場合には、補充エラー報知フラグをセットし(ステップS48)、補充異常監視処理を終了する。補充エラー報知フラグがセットされた場合に、枠制御装置83は、球詰まりエラー報知フラグがセットされた場合に、枠制御装置83は、例えば、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14,14、管理装置90のモニタ等のいずれか一つ以上を用いて、補充エラーが発生していることを報知する制御を行う。この場合も、球詰まりエラー報知の場合と同様に遊技球Bの発射を停止するとともに、遊技を停止しても良い。
以上の球不足監視処理(ステップS1)及び補充異常監視処理(ステップS4)において、待機流路221に球不足検出センサ264を設けて、待機流路221に待機する遊技球Bの不足を検出するものとしたが、以下に記載するように、遊技球が発射されて、発射される遊技球を待機させる待機流路221に回収されるまでの間にある浮遊球を計数し、この計数された浮遊球数を用いて、球不足検出センサ264を用いることなく、球不足監視処理及び補充異常監視処理を行うことが可能である。
なお、浮遊球の計数は、枠制御装置83において、発射装置61の発射位置に供給される遊技球Bを検出する球供給センサ246(球送りセンサ)を発射される遊技球Bを検出する発射球センサとして用い、回収球センサ212及びファール球センサ253を、発射された後に回収された遊技球を検出するセンサとして用い、封入球式遊技機100が作動している間、球供給センサ246(球送りセンサ)で検出される遊技球数(発射される遊技球数)と、回収球センサ212及びファール球センサ253で検出される遊技球数(回収された遊技球数)との差を常時算出することで求めることができる。
従って、枠制御装置83、球供給センサ246(球送りセンサ)、回収球センサ212、ファール球センサ253が浮遊球の個数を計数する浮遊球計数手段として機能する。
この浮遊球計数手段による浮遊球計数処理を、図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、球送りが有ったか否か、すなわち、球供給センサ246(球送りセンサ)が遊技球Bを一個検出したか否か(遊技球B一個に対応する1ピークの信号が出力されたか否か)を判定し(ステップS5)、球送りが有った場合に、現状の浮遊球数に1加算した数値を浮遊球数とする(ステップS6)。なお、封入球式遊技機100の電源投入時には、例えば、初期化処理として浮遊球数を0としても良い。
次ぎに、回収球が有るか否か、すなわち、回収球センサ212が遊技球Bを一個検出した(1ピークの信号出力)か否かが判定されるとともに(ステップS7)、ファール球が有るか否か、すなわち、ファール球センサ253が遊技球Bを一個検出した(1ピークの信号出力)か否かが判定される(ステップS8)。
ファール球、回収球が有った場合に、現状の浮遊球数から1減算した数値を浮遊球数とする。
以上のように封入球式遊技機100が稼働している間、遊技球が発射された場合に1加算し、遊技球がファール球も含めて回収された場合に1減算することを常時行うことで、現状の浮遊球数を求めることができる。
なお、上述の処理を僅かに変更することで、封入球循環ユニット200内の循環経路220(待機流路221)で待機する遊技球である待機球数を求めることも可能である。すなわち、待機球数の初期値を循環使用される遊技球数(封入された遊技球数のうちの球貯留部262に貯留された遊技球数を除いたもの)とし、球送りがあった場合に、現状の待機球数から1減算した数値を待機球数とし、回収球やファール球が有った場合に、現状の待機球数に1加算した数値を待機球数とする待機球数計測処理を行えば良い。なお、この場合に、浮遊球計数手段を構成する上述の装置を待機球数計数手段として用いることができる。なお、球貯留部262に貯留された遊技球数を考えなければ、循環使用される遊技球数−浮遊球数=待機球数となり、待機球数を用いても、浮遊球数を用いた場合とほぼ同様に処理が可能である。
次ぎに、球不足検出センサ264を用いることなく、上述のように求められる浮遊球数に基づいて行われる変形例としての球不足監視処理(補充異常監視処理を含む)を図23のフローチャートと、図24のタイミングチャートを参照して説明する。
変形例の球不足監視処理においては、上記例と同様に、補充異常監視フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS10)。
補充異常監視フラグがセットされていない場合は、上述のように求められる浮遊球数が20(所定数、第1の上限数)以上か否かが判定される。(ステップS11a)。ここで、循環使用される遊技球数を25(球貯留部262に貯留された遊技球5個を含まない)とした場合に、浮遊球数が20となった際には、待機流路221に待機する遊技球が5個となる。また、上記例で、球不足検出センサ264が遊技球を検出しなくなってから所定時間(球不足監視タイマにセットされた時間)として6秒経過した場合における待機流路221に待機する遊技球数は約6個なので、変形例における球不足の判定と、上記例における球不足の判定とは、待機流路221に待機する遊技球数において、ほぼ同様の条件となる。
そして、浮遊球数が20未満の場合には、待機流路221に6個以上の遊技球Bが待機しているので、球不足ではなく、球不足監視処理を終了する。
一方、遊技球数が20以上の場合、すなわち、待機流路221に待機する遊技球数が5以下の場合には、球不足が発生したものとして、補充動作コマンドを上記例と同様にセットする(ステップS15)。そして、図24のタイミングチャートに示すように、浮遊球数が所定数である20となったところで、補充ソレノイド263を作動して、球貯留部262を補充状態として、球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを補充する。
なお、浮遊球数を監視している場合は、待機流路221に待機している遊技球数が分かることになり、待機流路221に待機する遊技球数である待機球数を監視しているのと同様である。従って、上記例のように球不足検出センサ264で遊技球Bを検出しなくなってから所定時間待つような処理は必要なくなる。
次に、補充動作コマンドに基づいて遊技球の不足が解消したか否かを判定するための補充異常監視処理となるステップS411以降の処理を開始するための補充異常監視フラグをセットして(ステップS16)、球不足監視処理を終了する。なお、上記例の補充異常監視処理は、遊技球Bの補充が異常なく行われたか否かを監視する構成となっていたが、変形例の球不足監視処理に含まれる補充異常監視処理は、遊技球Bの補充後に球不足が解消したか否かを監視する処理となっている。
そして、補充異常監視フラグがセットされた後の変形例の球不足監視処理では、ステップS10で、補充異常監視フラグがセットされたと判定され、上記例の補充異常監視処理に対応する処理が行われる。
すなわち、浮遊球数が20未満か否か判定され(ステップS411)、浮遊球数が20個未満の場合には、待機流路221に待機する待機球数が6以上となり、球不足が解消しているので、球不足が解消した場合の上記例の補充異常監視処理と同様に、補充異常監視フラグをクリアするとともに(ステップS412)、補充エラー報知フラグをクリアして(ステップS413)、球不足監視処理を終了する。
また、浮遊球数が20以上の場合には、次ぎに浮遊球数が28以上か否かを判定する(ステップS414)。
浮遊球数が28以上とは、循環使用されている25個の遊技球に上述の球不足監視処理に基づく遊技球Bの補充により循環使用される遊技球が30となった状態で、待機流路221に待機する遊技球数が2となった状態である。
浮遊球数が28以上とならない場合には、球不足監視処理を終了する。そして、それ以降の球不足監視処理では、補充異常監視フラグがクリアされるまで(浮遊球数が20未満となるまで)、遊技球Bの補充後の状態(浮遊球数が28以上となるか)を監視する状態となる。なお、遊技球Bが循環経路220に補充されていれば、循環使用される遊技球数は、5増えて25から30となり、浮遊球数が20の場合には、待機球数は10となり、球不足状態とは言えないが、上述のように遊技球Bの補充に異常が起こる可能性もある。そこで、浮遊球数が20以下となるまで、遊技球の補充後の球不足を監視するようになっている。
浮遊球数が28以上となった場合には、上述の待機球数が2以下となり、遊技球の所定時間毎の発射が困難な状態となるので、上記例の補充異常監視処理と同様に補充エラー報知フラグをセットして、球不足監視処理を終了する。そして、補充エラー報知フラグがセットされた場合には、上記例と同様に枠制御装置83が上述の報知の制御を行う。また、この際には、遊技球の発射の禁止や、遊技の停止を行うものとしてもよい。
以上のように浮遊球数や待機球数を用いて処理を行えば、球不足監視処理や補充異常監視処理を単純化することができるとともに、浮遊球数や待機球数を用いることで、より確実に遊技球Bを所定時間毎に発射することが困難な状態か否かを判定することができる。
以上のことから、変形例の球不足監視処理を行う封入球式遊技機100は、循環経路220の途中に開設され該循環経路220に連通する連通口226を有し、所要数の遊技球Bを貯留可能な球貯留部262と、球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と、球貯留部262から循環経路220に遊技球を流出して補充する補充状態とに変換可能な補充変換手段(球補充装置260)と、待機流路221に待機している遊技球を発射位置へ遊技球Bを一個宛送球する球送り装置240と、遊技球Bが発射されて、前記回収球流路に回収されるまでの間にある浮遊球を計数する浮遊球計数手段(枠制御装置83、回収球センサ212、ファール球センサ253、球供給センサ246(球送りセンサ))とを備え、浮遊球計数手段により計数された浮遊球が所定数以上ある場合に、補充変換手段を補充状態に変換して待機流路221に遊技球Bを補充するものである。
また、上記例の貯留球監視処理では、遊技球Bが遊技球Bの発射を停止して、循環経路220に遊技球Bが戻った状態となっているかの判定に、球供給センサ246(球送りセンサ)が遊技球Bを検出しなくなってから、球送りオフタイマがタイムアップするのを待つようになっていたが、浮遊球数が0となった場合に、循環経路220に遊技球Bが戻った状態と判定することができる。
以下に、上述の貯留球監視処理に浮遊球数計数手段を用いた貯留球監視処理の変形例を図25のフローチャートを参照して説明する。
まず、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出しているか否かを判定する(ステップS30)。
そして、貯留球検出センサ262aが球貯留部262に(所定数の)遊技球Bがあることを検出している場合には、貯留球に異常がないので、貯留球が不足した場合にセットされる貯留球エラー報知フラグをクリアするとともに(ステップS31)、回収球センサ212が浮遊球数が0となる際に検出した遊技球Bが球貯留部262に貯留されるのに必要十分な時間を浮遊球0タイマにセットして(ステップS32a)、貯留球監視処理を終了する。従って、浮遊球0タイマにセットされる時間は、上記例の球送りオフタイマにセットされる時間より短いものとなる。
一方、ステップS30において、貯留球検出センサ262aが遊技球Bを検出していない場合には、次に、浮遊球計数手段に計数される浮遊球数か0か否かを判定し(ステップS33a)、浮遊球数が0でない場合には、未だ、遊技球Bが発射されているか、遊技球Bの発射を停止しても未だ全部の遊技球が回収されていない状態なので、浮遊球0タイマに上述の所定時間をセットして(ステップS32a)、貯留球監視処理を終了する。
ステップS33aにおいて、浮遊球数が0の状態では、次に浮遊球0タイマがタイムアップしたか否かが判定され(ステップS34a)、浮遊球0タイマがタイムアップしていない場合には、浮遊球0タイマの計時時間から最低単位時間(数値上は1)を減算して(ステップS35a)、貯留球監視処理を終了する。
また、浮遊球0タイマがタイムアップした場合には、貯留球エラー報知フラグをセットし(ステップS36)、貯留球監視処理を終了する。
貯留球エラー報知フラグがセットされることにより、枠制御装置83は、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14,14、管理装置90のモニタ等を用いて、球貯留部262で遊技球Bが不足していることを報知する。
変形例の貯留球監視処理によれば、浮遊球数により確実に遊技球Bが循環経路220に全て回収されていることを判定することができる。また、貯留球検出センサ262aが、例えば、球貯留部262に貯留可能な遊技球のうちの一部の遊技球Bが貯留されている状態で、遊技球Bを検出するようになっている場合に、上述の浮遊球0タイマを用いる必要はなく、浮遊球数が0か否かで、貯留球エラー報知フラグをセットするか否かを決定することができ、処理を簡略化することができる。
次ぎに、上述の補充変換手段となり球貯留部262を備える球補充装置260の構造的な変形例について説明する。なお、以下の変形例の封入球式遊技機100において、球補充装置560と、球補充装置560とリンクする球交換カセット取付部270の作動リンク部材273以外の構成は、上記例と同様の構造となっており、その説明を省略する。
変形例の球補充装置560は、図26及び図27に示すように、上記例で、球貯留板261があった位置に、球貯留板261より僅かに短い球貯留底壁部561が形成され、球貯留底壁部561上に遊技球B(例えば3個の遊技球B)を貯留可能となっている。また、球貯留底壁部561の回収球流路280と待機流路221とが連通する部分側となる一方の端部側には、循環経路220の途中に連通する連通口266が形成されている。そして、上記例と同様に、連通口266が待機流路221に臨む位置に形成されている。また、回収球流路280は、球貯留底壁部561の一方の端部の高さ位置で待機流路221となり、その僅かに下流側で待機流路221がファール球流路252と合流している。
そして、球貯留底壁部561は、連通口266に向かって上がり傾斜している。従って、球貯留底壁部561上に貯留された遊技球Bは、上記例のように連通口266から循環経路220に流下することはない。しかし、連通口266は、上記例の場合と同様に、遊技球Bを球補充装置560から循環経路220に補充した後に球不足が解消し、通常循環使用される遊技球数より多くの遊技球Bが循環使用されている状態で、遊技球Bの発射を停止した場合に、待機流路221から溢れた遊技球B(補充された遊技球数分だけ増加した遊技球B)を球貯留底壁部561上を含む後述の球貯留部562に自動的に貯留する構成となっている。
また、球貯留底壁部561の連通口266と反対側となる球交換カセット取付部270側の他方の端部の下側には、第2底壁部568が形成されている。第2底壁部568は、球貯留底壁部561の他方の端部を流下する遊技球Bを受けて、球貯留底壁部561と逆の傾斜となるように待機流路221側の一方の端部に向かって下り傾斜している。また、第2底壁部568の一方の端部は、待機流路221の二段目の底部となる流下傾斜部222と連続した状態となっており、第2底壁部568を流下した遊技球Bは、待機流路221の流下傾斜部222で、待機流路221と合流するようになっている。また、第2底壁部568と、流下傾斜部222との境界部分が第2連通口569となっており、球貯留底壁部561上と、第2底壁部568上とそれらの間が球貯留部562となっている。そして、球貯留部562は、第2連通口569で循環経路220の待機流路221に連通している。なお、第2底壁部568上には例えば2個の遊技球Bが貯留可能となっており、球貯留底壁部561上の遊技球Bと合わせて、球貯留部562に例えば5個の遊技球Bを貯留可能となっている。
また、第2連通口569には、昇降移動自在で、昇降移動することにより第2連通口を開閉自在となった開閉部材570が設けられている。開閉部材570は、補充ソレノイド563によりリンク機構を介して開閉駆動されるようになっている。リンク機構は、補充ソレノイド563の下方に向けられたプランジャ563aに一端部を回動自在に連結され、開閉部材570の下端部に他端部を回動自在に接合され、中央部を前壁部材310に回動自在に軸支されたリンクロッド571を備えている。そして、補充ソレノイド563のプランジャ563aを下げた状態では、図26に示すように開閉部材570が上に移動した状態で、かつ、第2連通口569を閉塞した状態とされ、補充ソレノイド563のプランジャ563aを上げた状態では、図27に示すように開閉部材570が下がった状態で、かつ、第2連通口を開放した状態となる。そして、開閉部材570が第2連通口569を閉じた状態が遊技球Bを貯留する貯留状態となり、開閉部材570が第2連通口269を開けた状態が遊技球Bを球貯留部562から循環経路220の待機流路221に補充する補充状態となる。従って、開閉部材570、リンクロッド571、補充ソレノイド563を備えた球補充装置560が、補充変換手段として機能する。
また、第2底壁部568の球交換カセット取付部270側の他方の端部は、球交換カセット取付部270から球貯留部562への導入路573の底部となる導入底壁部574と連続した状態に形成されている。
一方、球貯留底壁部561上には、球貯留天井部572が形成され、球貯留底壁部561上に上下二段に遊技球Bが配置されないように規制している。そして、球貯留天井部572は、一方の端部が連通口266の上方となる回収球センサ212の端部に接続され、他方の端部が導入路573の天井となる導入天井部575に接続されている。従って、球貯留部562は、球交換カセット取付部270の作動リンク部材273で開閉される球貯留部562への補給口267に導入路573を介して接続されている。なお、この変形例において、作動リンク部材273は、上記例のように球貯留板261を作動させるためのリンク機構としては機能せず、前記導入口を開閉する開閉扉部273aとして機能する。
また、導入路573と球貯留部562との境界部分が、遊技機本体外部から前記循環経路220に遊技球Bを補給する第2補給口となり、第2補給口が球貯留部562に設けられている。なお、導入路573は、球交換カセット取付部270の補給口267との接合部分で、上下二段に遊技球を流下可能な上下幅を有するが、導入路573と球貯留部562との境界部分では、遊技球を上下一段で流下させる上下幅しかなく、球交換カセット取付部270から球貯留部562に向かうにつれて導入底壁部574と、導入天井部575との間隔が狭くなるように導入底壁部574と導入天井部575が湾曲して形成されている。なお、導入底壁部574は、球貯留部562に向かって下り傾斜している。
また、球貯留部562は、球貯留底壁部561の部分で裏からみて右から左に斜めに下り傾斜した状態から、第2底壁部568の部分で左から右に下り傾斜した状態となり、球貯留部262の球交換カセット取付部270側で球貯留部262内の遊技球Bの流路がU字状にUターンする形状となっている。従って、球貯留天井部572の導入天井部575と接合される端部と、第2底壁部568の導入底壁部574と接合される端部は、互いに対向するように湾曲して形成されている。従って、導入路573と球貯留部562との接合部分は、接合部分が導入路573及び球貯留部562の他の部分より上下幅が狭くなるように絞り込まれた形状となっている。
また、上記例では、球貯留板261と作動リンク部材273とが、リンクして開閉扉部273aを開放状態とした場合に球貯留部262を補充状態として、外部から供給された遊技球Bが球貯留部262を通過する際に、待機流路221に向かって流下するようにしていが、変形例では、作動リンク部材273(開閉扉部273a)と、球貯留部562から待機流路221への遊技球Bの流下を可能とする開閉部材570とが位置的に離れていて、機械的に連動することが難しくなっている。そこで、例えば、開閉扉部273aの開閉動作を検出する開閉扉部273aの開閉検出手段としての開閉センサを配置し、開閉扉部273aが開放されたのが開閉センサに検出された場合に、開閉センサに接続された枠制御装置83が、補充ソレノイド563を動作させて、補充ソレノイド563が開閉部材570を開けるように制御し、開閉センサが開閉扉部273aが閉じたことを検出した場合に、枠制御装置83が補充ソレノイド563を動作させて、補充ソレノイド563が開閉部材570を閉じるように制御するものとしても良い。このような構成とした場合に、開閉センサ、枠制御装置83、補充ソレノイド563等が補給口267から球貯留部562を介して循環経路220に遊技球Bを補給する場合に補充変換手段である球補充装置560を補充状態に変換させる補充変換操作手段として機能する。
変形例の球補充装置560においても、上記例の球補充装置260と同様の作用効果を奏することができる。また、開閉部材570は、回収球流路280を流下した遊技球Bとファール球流路252を流下した遊技球Bとが合流し、流路が屈曲した部分となる合流部254の近傍の流路内面の一部となる流路形成面を構成しており、上記例の球貯留板261に代えて補充変換手段の開閉部材570を流路形成面を有するものとして、球詰まり解除のために動作させても良い。
以上のような封入球式遊技機100は、遊技機本体内に所定数封入した遊技球Bを、発射位置から遊技領域1aに発射して遊技を行う一方、遊技領域1aを経た遊技球を回収して発射位置に導いて遊技球Bを循環使用し、前記遊技領域1aを経て回収された遊技球Bを流下案内する回収球流路280と、前記回収球流路280の下流側に位置し前記発射位置に送られる前の遊技球Bを所定数宛待機させる待機流路221とを連通状態にして循環経路220を構成し、
前記待機流路221に待機している遊技球Bを発射位置へ遊技球Bを一個宛送球する球送り装置240と、待機流路221に待機する遊技球Bの不足状態を検出する球不足状態検出手段(球不足検出センサ264)とを設けた封入球式遊技機であり、循環経路220の途中に開設され、前記待機流路221に臨む連通口266を有するとともに、所要数の遊技球Bを貯留可能な球貯留部262と、球貯留部262に遊技球Bを貯留する貯留状態と、球貯留部262から循環経路220に遊技球Bを流出して補充する補充状態とに変換可能な補充変換手段(球補充装置260)とを備え、球不足状態検出手段により、遊技球Bの不足状態を検出した場合に、補充変換手段を補充状態に変換して待機流路221に遊技球Bを補充する補充制御手段(枠制御装置83)と、
を備え、
前記待機流路221に待機する遊技球Bが連なり、前記球貯留部262の連通口266に達すると、前記回収球流路280から流下してきた遊技球Bが、前記連通口266に達した遊技球Bに案内されて球貯留部262に流入して貯留される。
このような封入球式遊技機100においては、遊技領域1aに発射された遊技球Bは、回収されて回収球流路280を経て待機流路221に至り、待機流路221で発射位置に導かれるのを待機した状態となり、待機流路221で待機している遊技球Bは、一個ずつ球送り装置240により遊技球Bの発射タイミングに対応して発射位置に送られて、再び、遊技領域1aに発射される。
そして、遊技球Bの遊技領域1aでの球止まりや、遊技球Bの遊技機本体からの脱落等により、循環経路220に回収される遊技球数が減少することにより、待機流路221で待機する遊技球数が減少した状態となると、この球不足状態を球不足状態検出手段(球不足検出センサ264)が検出する。
そして、球不足状態検出手段が待機する遊技球Bの不足を検出すると、球貯留部262の補充変換手段(球補充装置260)が遊技球Bを貯留する貯留状態から、遊技球Bを補充する補充状態となり、球貯留部262に貯留されている遊技球Bを循環経路220に連通する連通口266を介して待機流路221側に補充し、待機流路221に待機する遊技球数を増加させて、遊技球Bの不足により遊技球Bの発射に支障が生じるのを防止する。
また、循環経路220の途中に開設され、待機流路221に臨む連通口266を有しているので、補充された遊技球Bを再び、球貯留部262に貯留することが可能となり、循環経路220に補充により増加した遊技球Bを貯留可能な空間を形成する必要がなく、循環経路220が長くなるのを防止できる。
すなわち、遊技領域1a等における球止まりにより、封入された遊技球数が減少することなく、待機する遊技球Bが不足して遊技球Bが待機流路221に補充された後に、球止まりが解消するとともに遊技者が遊技を中断もしくは中止した場合には、遊技球Bの発射が停止し、遊技領域1aに発射された遊技球が全て回収されて循環経路220に戻ることになる。この場合に、循環経路220には、補充された遊技球分だけ多い遊技球Bが貯留された状態となってしまう。しかし、上述の構成によれば、球貯留部262の循環経路220に連通する連通口266が、待機流路221に臨む位置にあるので、この状態でさらに、回収球流路266から遊技球が待機流路221に流下する状態となると、連通口266の位置まで達した待機流路221内の遊技球Bにより、回収球流路280を流下する遊技球Bが連通口266の待機流路221側ではない側となる球貯留部262に導かれて貯留されることになる。すなわち、回収球流路280から待機流路221に流下する遊技球Bが連通口266から溢れて球貯留部262に流入する。なお、待機流路221において、連通口266まで遊技球Bが溜まった状態で、待機流路221内に溜まった遊技球B(発射位置から待機流路221の連通口266まで溜まった遊技球B)の個数が、封入球式遊技機100に封入される遊技球Bの所定数(球貯留部262に貯留される遊技球数を除く)となることが好ましい。
以上のように、発射を待機する遊技球Bに不足が生じても、遊技球Bが自動補充されるので、遊技球Bの発射に問題が生じることがないとともに、遊技球Bの不足に対応する手間もかからない。また、遊技球Bの不足が生じても、遊技が中断されることもなく、遊技者は遊技を続行することができる。また、遊技球Bの補充は、封入球式遊技機100に設けられた球貯留部262とその補充変換手段とにより行われるので、島設備に補給システムを設置することもなく、封入球式遊技機100の設置において、余計なコストが係るのを防止して遊技店におけるコストの低減を図ることができる。また、球貯留部262は、循環経路220に連通する連通口226を有しており、循環経路220の外部に設けられることになり、循環経路220に球不足時に使用する遊技球を余分に設けた場合のように循環経路220が長くなることなく、循環経路220に遊技球Bを上方に搬送する揚送装置を設ける必要もない。
すなわち、球貯留部262と循環経路220とを分けて配置することで、これらを封入球式遊技機100の限られた部材の設置空間の中に効率的に配置可能となり、封入球式遊技機100内に補充用の遊技球Bを補充可能となる。
また、待機流路221内で連通口266に至るまで遊技球Bが溜まると、それ以上の遊技球Bは、球貯留部262に送られて貯留されることになる。
従って、遊技球Bの補充が必要となった場合に、球貯留部262から自動的に遊技球Bの補充が行われ、遊技球Bの補充後、補充された遊技球Bが必要なくなった場合に、遊技球Bの発射を停止することで必要でなくなった余分な遊技球Bが自動的に球貯留部262に戻されることになる。
さらに、回収球流路280から、連通口266が臨む待機流路221に至るように遊技球Bが流下し、待機流路221に遊技球Bが溜まっていくと、連通口266まで遊技球Bが溜まることになるが、連通口266まで遊技球Bが溜まると、それ以降は、遊技球Bが循環経路220の外となる球貯留部262に貯留されることになるので、待機流路221に連通口266まで遊技球Bが溜まった後にさらに遊技球Bが回収されて回収球流路280に遊技球Bが溜まることがなく、例えば、回収球流路280に回収された遊技球Bを検出する回収球検出手段(回収球センサ212)が設けられた場合に、回収球流路280に遊技球Bが溜まることにより、回収球検出手段の位置に遊技球Bが止まった状態となり、回収球検出手段が遊技球Bを検出したON状態のままになるのを防止できる。
また、封入球式遊技機100においては、球貯留部262に貯留されている遊技球Bの不足状態を検出する貯留球検出手段(貯留球検出センサ262a)を設け、遊技球Bを発射する発射装置61が停止してから所定時間経過後、貯留球検出手段がの不足状態を検出している場合には、球貯留部262の遊技球Bの不足状態を報知する報知手段(枠制御装置83、タッチパネル表示ユニット151、エラー表示器14、管理装置90のモニタ)を備えている。
従って、球貯留部262に貯留された遊技球Bを循環経路220に補充することにより、球貯留部262に補充用の遊技球Bがなくなった場合に、貯留球検出手段が遊技球Bの不足状態を検出し、発射装置61が停止してから所定時間経過しても、貯留球検出手段が球不足状態を検出している場合には、球貯留部262における球不足状態を報知し、球貯留部262に遊技球Bを補充するように促すようになっている。従って、球貯留部262に遊技球Bがないまま、遊技が続行され、再び、待機する遊技球Bが不足した場合に、補充すべき遊技球Bが無い状態となるのを防止することができる。
例えば、上述のように遊技球Bの遊技機本体からの脱落等により封入されている遊技球数が減少し、球貯留部262より遊技球Bが循環経路220に補充された場合には、余分な遊技球Bが球貯留部262に戻るような構成となっていても、球貯留部262に貯留された遊技球Bも含めて遊技機本体に封入されている遊技球Bが減少していることになり、再び、発射を待機する遊技球Bが不足するような事態となった場合に、球貯留部262に補充するための遊技球が残っていない可能性がある。そこで、遊技球Bの発射が停止されてから所定時間経過しても球貯留部262に遊技球Bが戻らない場合に報知して、遊技球Bの補給を促すことにより、封入球式遊技機100内に補充用の遊技球Bが無い状態が続くのを防止することができる。また、遊技領域1aの球止まりの場合でも、球止まりが長期的に解消しない場合には、遊技球Bが不足した状態が連続することになり、上述のように報知して、球止まりを係員等により解消する必要がある。
なお、遊技球Bを所定時間毎に順次発射している状態では、遊技領域1aに複数個の遊技球B(浮遊球)が流下している状態となり、循環経路220内には、補充球を含めた所定数の封入された遊技球Bよりも少ない遊技球Bしか存在せず、遊技球Bが補充されて循環する遊技球Bが増えた状態でも、球貯留部262に遊技球Bが戻らないため、発射停止から所定時間経過後、遊技球Bが全て循環経路220内に戻ったと思われる状態で、球貯留部262の遊技球Bの有無を判断する必要がある。
また、封入球式遊技機100においては、補充変換手段(球補充装置260)は、球貯留部262の底面(球貯留板261)を形成し、該底面の傾斜方向を前記連通口266側に上り傾斜した状態と、前記連通口266側に下り傾斜した状態とに変換可能に構成している。
従って、球貯留部262に貯留される遊技球Bは、球貯留部262の底面(球貯留板261)を形成する補充変換手段上に貯留された状態となる。そして、補充変換手段が貯留状態においては、球貯留部262の底面が前記連通口266側が高くなるように連通口266側に上り傾斜するので、補充変換手段で構成される底面上に貯留された遊技球Bは、連通口266に流下することがなく、球貯留部262に貯留された状態となる。一方、補充変換手段が補充状態においては、球貯留部262の底面が前記連通口266側が低くなるように連通口266側に下り傾斜するので、球貯留部262の底面上の遊技球Bが連通口266側に流下して、さらに、連通口266から循環経路220に流下し、循環経路220に遊技球Bが補充された状態となる。
従って、極めて簡単な構成で、球貯留部262を貯留状態と補充状態とに変換することができる。また、基本的に球貯留部262の底面の傾斜方向(傾斜角度)を変更して、遊技球Bを流下させる構成なので、球詰まりの可能性も極めて低く、さらに、球貯留部262の底面上に遊技球Bが一条に並んだ状態とすることにより、球詰まりを確実に防止できる。また、以上のような構成により、極めて簡単な構成で余分な遊技球Bを球貯留部262に戻す構成とすることができる。
また、封入球式遊技機100においては、球貯留部262に、遊技機本体外部から循環経路220の途中に遊技球Bを補給する補給口を設け、補給口から球貯留部262を介して循環経路220に遊技球Bを補給する場合に、補充変換手段(球補充装置260)を補充状態に変換させる補充変換操作手段(作動リンク部材273)を備えている。
従って、遊技球Bの交換のための遊技球Bの補給や、封入球式遊技機100から遊技球Bが脱落して遊技球Bが不足した場合の遊技球Bの補給に際して、遊技機本体外部から球貯留部262に設けられた補給口を介して循環経路220の途中に遊技球Bを補給することができる。そして、球貯留部262を介して遊技球Bを循環経路220に補給した場合には、補充変換手段(球補充装置260)が補充状態となるので、補給口から球貯留部262に補給された遊技球Bは、補充状態となった球貯留部262から循環経路220に補充されることになる。
従って、循環経路220に遊技球Bを遊技機本体の外部から補給する場合に、遊技球Bが球貯留部262を通過することで、容易に球貯留部262に遊技球を貯留することが可能である。すなわち、遊技球Bが不足した場合には、球貯留部262に貯留された遊技球Bが循環経路220に補充されている場合があり、また、遊技球Bの交換の際には、球貯留部262に貯留された遊技球Bも排出されている可能性があり、遊技球Bを外部から補給する場合には、球貯留部262に遊技球Bが貯留されていない状態となっている可能性が高いが、上述のように、遊技球Bを遊技機本体の外部から補給する際に、球貯留部262に容易に遊技球Bを貯留できる。さらに、例えば、上述のように、待機流路221に連通口266まで遊技球Bが溜まると、それ以上の遊技球Bは球貯留部262側に溜まるような構成となっていれば、待機流路221に遊技球Bが補充された後に、余分となった遊技球Bが自動的に球貯留部262に貯留されることになる。
また、以上のような構成から、循環経路220内に補給される遊技球Bが所定の数より多くなった場合には、球貯留部262に貯留させることが可能となり、循環経路220に必要十分な所定数以上の遊技球Bを補給してしまうのを防止することができる。
また、封入球式遊技機100は、発射された遊技球Bが遊技領域1aに到達せずにファールとなった遊技球Bを待機流路221に案内するファール球流路252と、ファール球流路252を流下する遊技球Bを検出するファール球検出手段(ファール球センサ253)と、回収球流路280を流下する遊技球Bを検出する回収球検出手段(回収球センサ212)とを備え、回収球流路280を流下した遊技球と、ファール球流路252を流下した遊技球とが合流するように流路を形成し、回収球流路280を流下した遊技球と、ファール球流路252を流下した遊技球とが異なる方向から合流することにより流路を屈曲させた合流部254及び合流部254近傍の流路内面の一部を、補充変換手段(球補充装置260)に設けられるとともに当該補充変換手段の作動により動く流路形成面で構成し、回収球検出手段またはファール球検出手段の遊技球の検出出力が所定時間連続している場合は、補充変換手段を作動させて前記流路形成面を動かす流路形成面動作制御手段(枠制御装置83)を備えている。
従って、遊技領域1aから回収した遊技球Bを待機流路221側に流下させる回収球流路280の下流となる待機流路221と、発射装置61側に向かって戻ってしまった遊技球Bとしてのファール球を待機流路221側に流下させるファール球流路252とを合流させた際に、二つの流路が合流していることや、合流する流路が異なる方向から合流して1つの流路となることにより合流部254でどうしても流路に曲がり(屈曲)が生じることにより球詰まりが生じやすくなるが、貯留状態と補充状態とに変換する際に作動する補充変換手段に、合流部254及びその近傍の流路内面の一部となる流路形成面を設け、合流部254及びその近傍で球詰まりが生じた場合に、補充変換手段を動作させて、その流路形成面を動かすことにより、流路形成面が球詰まり状態の遊技球Bを動かして球詰まりを解消することができる。
また、合流部254で球詰まりが発生することにより、回収球流路280やファール球流路252に遊技球Bが溜まっていき、溜まった遊技球Bが回収球検出手段やファール球検出手段に検出された場合に、遊技球Bが球詰まりした状態で移動しないことから、回収球検出手段やファール球検出手段が連続して遊技球を検出した状態となるので、回収球流路とファール球流路との合流部254における球詰まりを、回収球検出手段またはファール球検出手段が所定時間連続して遊技球Bの検出出力が続くことにより検知することが可能となる。
また、封入球式遊技機100は、補充変換手段(球補充装置260)が補充状態に変換してから所定時間経過しても前記球不足状態検出手段(球不足検出センサ264)が遊技球の不足状態を検出している場合には、補充変換手段を所定回数作動させる補充変換動作制御手段(枠制御装置)を備えている。
従って、補充変換手段が補充状態に変換してから所定時間経過しても球不足状態検出手段が球不足状態を検出し、遊技球Bの補充が行われていない場合に、補充変換手段を所定回数作動させることで、補充変換手段もしくは補充変換手段から待機流路に至る経路における球詰まりにより補充が行われていない場合に、補充変換手段の作動により球詰まりを解消して遊技球を補充することができる。
また、本発明の封入球式遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球Bを使用する全ての遊技機に適用可能である。
さらに、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。