JP4121979B2 - 非接地電路の絶縁監視方法とその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、接地用変圧器接地電路や中性点抵抗接地電路のように接地線に中性点抵抗を有する非接地電路の絶縁状態を常時監視する監視方法及び監視装置に関する。
接地用変圧器(EVT、GVT)接地電路又は中性点抵抗接地電路において、電路の絶縁状態を監視し、絶縁劣化が生じたときは事前に対策を講じて事故の発生を予防したり、地絡事故が発生したときは速やかにそれを検出して保護動作を行い停電の拡大を防止することが行はれている。
従来、電路の絶縁状態を調べるには、定期点検時にメガリングによって電路の絶縁抵抗を測定する方法が取られている。しかし、このメガリングにより測定する場合は、電路の電源を切り一旦停電した状態で測定する必要があり常時の監視はできない。
近年はこの停電をすることなく活線状態で絶縁状態を調べる方法が要望され、いろいろ提案されている。その一例として、前もって保護範囲の静電容量を計測、あるいは対地静電容量、電力ケーブルの断面積、亘長などから静電容量を机上計算により求めておき、事故時に発生する零相電圧で負荷側対地静電容量に流れる電流を演算し、零相変流器に流れる電流から、この電流を加算あるいは差し引く演算処理により事故点電流を求めるようにしたものがある(例えば、特許文献1等)。
特開2000−324680号公報。
この方法は、電路の負荷変動や、負荷電路の遮断等により対地静電容量が変動した場合の対応が難しく、又電路の経年変化等によるデータを定期的に収集して補正する必要がある。
又、系統定数に影響されない絶縁抵抗値による電路の絶縁状態を診断する方法も提案されている。それは、例えば、非接地式高圧配電系統に配置するGVT(接地用変圧器)から商用周波数とは異なる低周波数の重畳信号を注入し、この重畳信号を検出CTと重畳電圧検出装置で検出し、制御装置であらかじいめ設定してあるプログラムにしたがって重畳電圧検出器の位相差および重畳電流成分の実効値に応じて重畳電流成分の比誤差及び位相誤差の補正を行った情報をCPUにより処理し、ベクトル合成により対地間抵抗成分を分離し、そのデータを監視または出力するようにしている(例えば、特許文献2等)。
特開平9−222455号公報。
この方法は、あらかじめ設定したプログラムにしたがって重畳電圧検出の位相差および重畳電流成分の実効値に応じて重畳電流検出の比誤差及び位相誤差を補正する必要がある。又、重畳信号発信器やその信号を重畳させるための結合装置及び重畳信号を取り出すための重畳電圧検出装置が必要となる。特に高圧電路の場合は、これらの装置は絶縁の関係から形状が大きくなり、且つ高価なものとなる。
そして、重畳信号で絶縁状態を調べる方法は、負荷機器に悪影響を与えないようにするため、重畳する信号を極力小さくする必要があり、検出信号に含まれる系統周波数信号を除去するためのフィルタを強化せざるを得ない。そのため計測時間が比較的長くなり、高速での動作が要求される継電装置としての機能を持たせることが難しく、絶縁監視のみの機能となってしまう、という課題がある。
以上の点に鑑み、本発明は、活線状態で電路の絶縁状態を監視するものであるが、従来のように保護範囲の静電容量を前もって計測又は計算したり、又は商用周波数と異なる低周波の信号を重畳しこれを検出するのではなく、通常使用されている零相変流器と零相変圧器を用いることが出来るようにし、これに相電圧検出手段を追加するのみで電路の絶縁抵抗及び絶縁劣化時に流れる電流、地絡電流をも検出できるようにした絶縁状態監視方法および監視装置を提供することを目的とする。
本発明において上記の課題を解決するための手段は、零相電流、零相電圧及び各充電相の相電圧から、絶縁劣化抵抗ならびに、この絶縁劣化抵抗を流れる電流を求め、非接地電路の絶縁状態を監視するようにするものである。
通常、電力供給会社や特高受電した需要家の変電所には、接地用変圧器(GVT又はEVT)が設けられており、又低圧400V電路の場合には、EVT非接地とする場合が多く、従って、電源側中性点抵抗が存在し、絶縁劣化により生じる零相電圧と絶縁劣化時の絶縁劣化している相の大地間電圧の位相差及び零相電圧と零相電流との位相差は常に90度以上の位相となるため、絶縁劣化抵抗に流れる電流を算出することができることに着目して本発明が成されたもので、従来零相変流器で検出した零相電流で判断していたものを、事故点に流れる電流及び事故点抵抗を検出し、これにより非接地電路の絶縁を監視するようにしたことを特徴とするものである。以下、本発明の基本となる思想を図1によって説明する。
図1は接地用変圧器による非接地電路に於ける絶縁劣化又は地絡検出の説明図、図2は中性点抵抗接地電路に於ける絶縁劣化又は地絡事故検出の説明図である。
尚、中性点抵抗接地電路は、接地用変圧器による非接地電路と等価回路は同じとなるため、接地用変圧器接地電路で説明し、また、接地用変圧器には容量によりGVT又はEVTと称されているが、回路的には等価であるので説明の簡略化のため以下、EVTと総称して説明する。
図1において、1は一次側がスター結線、二次側がデルター結線された電源変圧器、2は被監視電路、3は零相電流検出手段としての零相変流器、4はEVT(接地用変圧器)を示し、該EVTは一次回路が被監視電路に接続されたスター結線の一次回路41と、デルター結線の二次回路(図示省略)と、三次回路43(ブロークンデルタ回路)、から成り、一次回路の中性点は接地線44で接地され、三次回路43には制限抵抗Ro(一次換算した中性点抵抗)が設けられている。
なお、図中C0は電源側対地静電容量、CLは負荷側対地静電容量を示している。
この図1の回路を等価回路に書き換えると図3のようになる。図4は、図1のG点で絶縁劣化が発生したときの各電圧及び電流のベクトル図を示し、その(A図)は全体,(B)図はA図の点線の丸で囲んだ部分の拡大図を示している。
今、図1の零相変流器3より負荷側のG点で絶縁劣化が発生すると、図3及び図4に示すように、EVT4の接地線44に流れる電流Ir0は三次回路43の中性点抵抗Roに流れる電流であるため、零相電圧V0と同位相となるが、零相電圧V0を対地電圧E点から電路の中性点N点を見ている関係で、零相変流器3から見たとき逆位相となり、零相電圧V0に対し180°の位相となる。
電源側対地静電容量C0に流れる電流Ic0は、零相電圧V0により流れる静電容量分電流であるため、零相電圧V0に対し90°進みであるが、零相変流器3から見たとき逆位相となり遅れ90°となる。負荷側対地静電容量CLに流れる電流IcLは、零相変流器3を一旦流れるが、負荷側対地静電容量CLを通して零相変流器3を帰還し、静電容量CLに流れる電流IcLは相殺される。
絶縁劣化点G点に流れる電流Igは、接地線44に流れる電流Ir0と電源側対地静電容量C0に流れる電流Ic0及び負荷側対地静電容量CLに流れる電流IcLとのベクトル和で
Figure 0004121979
となる。
絶縁劣化時の地絡相電圧Vg(地絡相−大地間電圧)は、絶縁劣化抵抗RgとこのRgに流れる電流Igの積となるから、位相はこの電流Igと同相となる。
絶縁劣化により生じる零相電圧Voと地絡相電圧Vgの位相差θは、中性点抵抗Roが無限大のとき接地線44に流れる電流Ir0が零で90°に、電源側対地静電容量C0が零のとき、この静電容量C0に流れる電流Ic0が零で180°となる。
従って、EVT4の中性点抵抗R0が無限大でなければ90°<θ≦180°となる。
零相変流器3で検出される零相電流I0には、負荷側対地静電容量CLに流れる電流IcLは相殺されるため、零相変流器3で検出される零相電流I0は次式のように接地線44に流れる電流Ir0と電源側対地静電容量C0に流れる電流Ic0の和となる。
Figure 0004121979
そして、図4の零相電流I0のように接地線44に流れる電流Ir0と絶縁劣化抵抗Rgに流れる電流Igの間の位相に存在することになる。
これらの関係から、中性点抵抗R0が無限大でなく90°<<θの条件であるとき零相電圧V0,零相電流I0,地絡相電圧Vgの絶対値及び位相が計測されれば、下記の演算により接地線に流れる電流Ir0,絶縁劣化抵抗に流れる電流Igが次のように求められる。
Ir0=I0×Cos(180°−φ)……(3)
Ig=Ir0÷Cos(180°−θ)……(4)
但し、φは零相電圧V0と零相電流I0の位相差,θは零相電圧V0と地絡相電圧Vgの位相差とする。
更に、地絡相電圧Vgと絶縁劣化抵抗に流れる電流Igから、絶縁劣化抵抗Rgが次式で求められる。
Rg=Vg÷Ig……(5)
又、地絡相がどの相かの判断は、絶縁劣化時の各相電圧が零相電圧V0に対して遅れ90°〜180°の範囲にあるか否かで判断し、範囲内にある相を絶縁劣化相と判断する。
なお、相電圧の検出は、各相の電圧を検出するか、又は任意の一相の相電圧と零相電圧から、本来の相電圧(絶縁劣化のない状態の相電圧)を演算手段でベクトル演算して求め、更に残りの他相の本来の相電圧は120°づつの位相差を持たせることで求め、更に、絶縁劣化時の他相の相電圧を求めるようにしても良い。
以上のように、中性点抵抗R0が無限大でなく、零相電圧V0と地絡相電圧Vgの位相差θが90°<<θの条件にある時、零相電圧V0、零相電流I0及び地絡相電圧Vgの絶対値及び位相を計測することにより、絶縁劣化抵抗Rg及びこの抵抗Rgに流れる電流Igが求められるので、この抵抗値Rg及び/又は電流値Igをデスプレー等に表示することで被監視電路の絶縁状態を常時監視することができる。
また、絶縁劣化抵抗に流れる電流Igの検出閾値を設け、閾値を超えた時警報及び/又は接点を出力させて故障電路を遮断する等の保護動作をおこなわせることで地絡検出保護ができる。
上記の説明は、零相変流器が被監視電路に設けられている場合であるが、この零相変流器を接地線に設けると、零相変流器から見て被監視電路全てが負荷側となり、電路全体の絶縁劣化状態の監視ができる。この場合は、接地線に流れる電流Ir0を直接計測できることになるので、零相変流器で検出された零相電流I0は接地線に流れる電流Ir0と等しいから、その絶対値を零相電圧V0の位相と地絡相電圧Vgの位相差θから絶縁劣化抵抗Rgに流れる電流Igは上記の(4)式のIr0をI0とすることで求められ、絶縁劣化抵抗Rgは(5)式で求めることができる。
また、EVT接地系電路においては、EVTの接地線から零相電流を検出し、相間電圧の検出はEVTの二次回路から、零相電圧はEVTの三次回路から検出し、EVTの二次回路の各線間電圧値を相電圧値に換算し30°遅らせた位相として各相電圧を得、あるいは任意の一相の線間電圧を相電圧に換算して30°遅らせた位相とし、その他の相電圧は三相三線の場合、120°づつ位相がずれているので演算により各相電圧を求め、更に、零相電圧V0とベクトル演算することにより、絶縁劣化時の各相電圧を得、この絶縁劣化時の各相電圧と零相電圧V0の各値から絶縁劣化相又は地絡相がどの相かを判別し、地絡相電圧Vgの値及び位相を求めることができる。そして前述同様に接地線から検出した零相電流I0は接地線に流れる電流Ir0に等しいから、その絶対値を零相電圧V0の位相と地絡相電圧Vgの位相差θから絶縁劣化抵抗に流れる電流Igを前記の(4)式のIr0をI0とすることにより求めることができる。
本発明は上記のように、通常の検出手段で計測可能な零相電圧、零相電流及び地絡相電圧によって絶縁劣化抵抗値及びこの絶縁劣化抵抗に流れる電流値を求めることができるので、下記のような効果を奏する。
(1)停電を必要とせずに活線状態で被監視電路の絶縁状態を常時監視できる。
(2)零相電流検出手段、零相電圧検出手段は、方向性地絡継電器などに通常使用されている零相変流器や零相電圧検出装置と同等のものでよく、又、相電圧の検出は零相電圧と本来の相電圧からベクトル演算により求めるか、又は相電圧検出手段を追加するだけでよく、特別な装置を必要としない。
(3)EVT接地電路に於いては、地絡相電圧はEVTの二次回路と三次回路から演算により求めることができので、相電圧検出手段を不要とする事ができる。
(4)各分岐に複数台取り付ける事により絶縁劣化箇所の特定が可能となる。
(5)接地線に流れる零相電流を検出することにより、被監視電路全体の絶縁劣化を監視することができる。
(6)負荷側の静電容量が変動してもこれに影響されること無く常に正確な絶縁監視ができる。
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。
図5及び図6は本発明の第一の実施の形態の説明図で、図5は全体の構成図、図6は絶縁監視手段の内部構成図を示している。なお、これらの図において、図1と同じか又は相当部分にはこれと同じ符号を付して説明を省略する。
しかして、5は零相電圧検出手段、6は相電圧検出手段で、両検出手段はコンデンサーを使用した場合であるが、他の手段でも良い。7は絶縁監視手段で、該絶縁監視手段7には零相変流器3で検出した零相電流信号と、零相電圧検出手段5で検出した零相電圧信号及び相電圧検出手段6で検出した相電圧信号(各充電相と大地間電圧)を入力する。
この絶縁監視手段7は図6に示す構成となっており、入力された各信号はフィルタFで不要ノイズを除去し、増幅器Aで増幅し、各信号の絶対値を得るためA/D変換器71でアナログ−デジタル変換して演算器72に入力する。又位相を判別するために各信号は波形整形回路Pで波形整形し、演算器72に入力する。73はデスプレー等による表示手段、74はリレー、75は警報手段を示し、演算器72の出力信号によって作動される。
なお、相電圧検出手段6は、三相の各相から必ずしも信号を取る必要はなく、任意の一相の相電圧と零相電圧から本来の相電圧(絶縁劣化のない状態の相電圧)を演算器でベクトル演算で求め、更に残りの他相の本来の相電圧は120°づつの位相差を持たせることで求め、更に、絶縁劣化時の他相の相電圧を求めても良い。
演算器72は、まず、入力された零相電流信号I0,零相電圧信号V0の位相から絶縁劣化が電源側か,負荷側かの方向判別を行う。この方向判別は、例えば零相電圧V0に対し遅れ45°〜225°位相の範囲を、負荷側事故又は絶縁劣化と判断する。
又、相電圧検出手段で得られた各相電圧位相と零相電圧位相から、零相電圧に対し遅れ90°〜180°となる条件の相電圧位相の相が地絡相又は絶縁劣化相と判断する。
電源側の絶縁劣化又は事故であれば次の処理は行わないが、負荷側であれば、零相流検出手段で検出された零相電流I0の絶対値と位相及び零相電圧V0の絶対値と位相から中性点抵抗R0により接地線に流れる抵抗分電流Ir0を前記の(3)式により演算器72で求める。
次に、絶縁劣化抵抗Rgに流れる電流Igを求める。この電流Igは負荷側対地静電容量に流れる電流IcLと零相電流I0を合成した電流であり、地絡相電圧Vgと同相の電流となるから、零相電圧V0と地絡相電圧Vgの位相差をθとしたとき前記の(4)式による演算器により求める。
次に、絶縁劣化時の地絡相電圧Vgを絶縁劣化抵抗Rgに流れる電流Igで除した値が絶縁劣化抵抗RgであるからRg=Vg÷Igで求める。
これらの電流値Ig及び抵抗値Rgを絶縁監視手段7の表示手段73で表示して絶縁状態を監視し、又は検出閾値を設け閾値を超えたら警報手段75及び/又はリレー74で接点を出力させるなどにより絶縁状態を監視する。
又、地絡方向継電装置又は方向性漏電継電器として機能させる場合は、絶縁劣化抵抗に流れる電流Igの値の動作閾値を設け、この閾値を超えたとき警報及び/又は接点を出力させて保護動作をさせる。
図7及び図8は本発明の第2の実施の形態の説明図で、図7は全体の構成図、図8は絶縁監視手段の構成図を示し、第1の実施の形態との相違は、零相電流検出手段での零相電流の検出は、EVTの接地線に設けた零相変流器によって行い、線間電圧検出はEVTの二次回路から、零相電圧の検出はEVTの三次回路によって行う点である。なお、図5及び図6と同じか相当部分にはこれと同じ符号を付して説明を省略する。
絶縁監視手段7には、零相電流検出手段3の零相電流とEVTの三次回路43の零相電圧の各信号及び二次回路42の線間電圧を入力する。各信号はフィルタFで不要ノイズを除去し、増幅器Aで増幅し、各信号の絶対値を得るためA/D変換器71に入力され演算器72に送る。又、位相判別するため波形整形回路Pで波形整形し演算器72に送る。なお、EVTの二次回路42の任意の一相の線間電圧でも可能である。
EVTの二次回路42の各線間電圧値を相電圧値に換算し30°遅らせた位相として各相電圧を得る。あるいは任意の一相の線間電圧を相電圧に換算して30°遅らせた位相とし、その他の相電圧は三相三線の場合、120°づつ位相がずれることが分かっているため演算により各相電圧を求める。更に、零相電圧V0とベクトル演算することで絶縁劣化時の各相電圧を得、この絶縁劣化時の各相電圧と零相電圧V0の各値から絶縁劣化相又は地絡相がどの相か判別し、地絡相電圧Vgの値及び位相を求める。
零相電流検出手段3で検出された零相電流I0は接地線に流れる電流Ir0に等しいから、その絶対値を零相電圧V0の位相と地絡相電圧Vgの位相差θから絶縁劣化抵抗に流れる電流Igを前記の(4)式のIr0をI0とすることにより求める。
次に、絶縁劣化時の地絡相電圧Vgを絶縁劣化抵抗Rgに流れる電流Igで除した値が絶縁劣化抵抗Rgであるから、Rg=Vg÷Igで求めることができる。
これらの絶縁劣化時の電流値Ig及び絶縁劣化抵抗値Rgを絶縁監視の場合は表示手段で表示し、又は検出閾値を設けて閾値を超えたとき警報及び/又は接点を出力させ被監視電路の絶縁劣化状態を監視する。
地絡継電装置又は漏電継電器の機能をもたせる場合は、絶縁劣化時の電流Igの値の動作閾値を設け、閾値を超えたとき警報及び/又は接点を出力させ所定の保護動作をさせる。
この実施の形態のように、零相電流検出手段3を地絡線44に設けると、零相電流検出手段3から見て被監視電路全てが負荷側となり電路全体の絶縁監視ができるとともに接地線に流れる電流Ir0を直接計測できる。又、EVT非接地電路に於いては地絡相電圧は、EVTの二次回路42と三次回路43から演算により求められ、相電圧検出手段6は不要となる等のメリットがある。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で零相電圧零相電流および相電圧の検出方法を適宜組み合わせて適用するなど多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
接地用変圧器接地電路の説明図。 中性点抵抗接地電路の説明図。 図1の等価回路図。 絶縁劣化時の電圧、電流のベクトル図。 本発明の第一の実施の形態の全体構成図。 図5の絶縁監視手段の内部構成図。 本発明の第二の実施の形態の全体構成図。 図7の絶縁監視手段の内部構成図。
符号の説明
1…電源変圧器
2…被監視電路
3…零相変流器
4…接地用変圧器
5…零相電圧検出手段
6…相電圧検出手段
7…絶縁監視手段

Claims (10)

  1. 接地線に電源側中性点抵抗を有する非接地電路の絶縁監視方法において、電路の零相電圧と、電路の零相電流I0及び各充電相と大地間の相電圧を検出し、この検出された零相電圧値と零相電流値の位相を比較し、零相電圧に対して零相電流が遅れ45°〜225°位相の範囲内にあるか否かにより事故点が電源側か負荷側かの方向を判別し、範囲内のとき負荷側事故と判定し、負荷側であるとき、前記の零相電圧値と位相及び零相電流値と位相からベクトル演算して接地線に流れる電流Ir0を,Ir0=I0×Cos(180°−Φ)(但し、Φは零相電圧と零相電流の位相差)より求め、次に、検出された各相電圧の内の地絡相電圧と零相電圧との位相差θを求め、絶縁劣化抵抗Rgに流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=Ir0÷Cos(180°−θ)のベクトル演算により求め、絶縁劣化時の地絡相電圧を、先に求めた絶縁劣化電流値で除して絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視方法。
  2. 接地用変圧器系、又は接地線に中性点抵抗を有する非接地電路の絶縁監視方法において、各充電相と大地間の相電圧と、接地用変圧器又は中性点抵抗の接地線に流れる零相電流I0と、電路の零相電圧を夫々検出し、検出した零相電圧値と各相電圧の内の地絡相電圧の位相から位相差θを求め、次に、絶縁劣化抵抗に流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=I0÷Cos(180°−θ)をベクトル演算により求め、この絶縁劣化電流値と地絡相電圧値から絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視方法。
  3. 一次回路乃至三次回路からなり、一次回路の中性点を接地し、三次回路に制限抵抗を有する接地用変圧器による非接地電路の絶縁監視方法において、前記一次回路の中性点の接地線から零相電流I0を検出し、三次回路から零相電圧を検出し、二次回路の各線間電圧値を相電圧値に換算し、この換算した相電圧と零相電圧から各充電相と大地間の相電圧をベクトル演算により求め、求めた各相電圧の内の地絡相電圧の位相と零相電圧の位相との位相差θを求め、次に、絶縁劣化抵抗に流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=I0÷Cos(180°−θ)を演算により求め、この絶縁劣化電流値と地絡相電圧値から絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視方法。
  4. 絶縁劣化相の判断は、絶縁劣化時の各相電圧が零相電圧に対して遅れ90°〜180°の範囲内にあるか否かで判断し、範囲内にある相を絶縁劣化相と判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非接地電路の絶縁監視方法。
  5. 絶縁劣化電流値が予め設定した設定値を超えたとき絶縁劣化電路を遮断するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非接地電路の絶縁監視方法。
  6. 接地線に電源側中性点抵抗を有する非接地電路の絶縁監視装置において、電路の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、各充電相と大地間の相電圧を検出する相電圧検出手段と、電路の零相電流I0を検出する零相電流検出手段及びこれら各検出手段で検出した各信号を入力して絶縁状態を監視する絶縁監視手段を設け、該絶縁監視手段は、この検出された零相電圧と零相電流の位相を比較し、零相電圧に対して零相電流が遅れ45°〜225°位相の範囲内にあるか否かにより事故点が電源側か負荷側かの方向を判別し、範囲内のとき負荷側事故と判定し、負荷側であるとき、零相電圧値と位相及び零相電流値と位相からベクトル演算して接地線に流れる電流Ir0を,Ir0=I0×Cos(180°−Φ)(但し、Φは零相電圧と零相電流の位相差)より求め、次に、検出された各相電圧の内の地絡相電圧と零相電圧との位相差θを求め、絶縁劣化抵抗Rgに流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=Ir0÷Cos(180°−θ)のベクトル演算により求め、絶縁劣化時の地絡相電圧値を、先に求めた絶縁劣化電流値で除して絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視装置。
  7. 接地線に中性点抵抗を有する非接地電路の絶縁監視装置において、電路の零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、各充電相と大地間の相電圧を検出する相電圧検出手段と、前記接地線に流れる零相電流I0を検出する零相電流検出手段と、これら各検出手段で検出した各信号を入力して絶縁状態を監視する絶縁監視手段を設け、該絶縁検出手段は、検出した零相電圧と各相電圧の内の地絡相電圧との位相差θを求め、次に、絶縁劣化抵抗に流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=I0÷Cos(180°−θ)をベクトル演算により求め、この絶縁劣化電流値と地絡相電圧値から絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視装置。
  8. 接地用変圧器接地系の非接地電路の絶縁監視装置において、各充電相と大地間の相電圧を検出する相電圧検出手段と、接地用変圧器の接地線に流れる零相電流I0を検出する零相電流検出手段と、これら各検出手段で検出した各信号及び接地用変圧器の三次回路で検出した零相電圧を入力して絶縁状態を監視する絶縁監視手段を設け、該絶縁監視手段は、検出した零相電圧と各相電圧の内の地絡相電圧との位相差θを求め、次に、絶縁劣化抵抗に流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=I0÷Cos(180°−θ)をベクトル演算により求め、この絶縁劣化電流値と地絡相電圧値から絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたこと特徴とする非接地電路の絶縁監視装置。
  9. 一次回路乃至三次回路からなり、一次回路の中性点を接地し、三次回路に制限抵抗を有する接地用変圧器による非接地電路の絶縁監視装置において、前記一次回路の中性点の接地線から零相電流I0を検出する零相電流検出手段と、三次回路から零相電圧を検出する零相電圧検出手段と、二次回路の各線間電圧値を検出する手段を備え、これら検出した各信号を入力して絶縁状態を監視する絶縁監視手段を設け、該絶縁監視手段は、入力した線間電圧値を相電圧値に換算し、この換算した相電圧と零相電圧から各充電相と大地間の相電圧をベクトル演算により求め、この求めた各相電圧の内の地絡相電圧の位相と零相電圧の位相との位相差θを求め、次に、絶縁劣化抵抗に流れる絶縁劣化電流Igを、Ig=I0÷Cos(180°−θ)をベクトル演算により求め、この絶縁劣化電流値と地絡相電圧から絶縁劣化抵抗値を求め、この絶縁劣化電流値及び/又は絶縁劣化抵抗値により電路の絶縁状態を監視するようにしたことを特徴とする非接地電路の絶縁監視装置。
  10. 絶縁劣化時の各相電圧の検出は、二次回路の各線間電圧値を相電圧値に換算し30°遅らせた位相として各相電圧を得るか、又は任意の一相の線間電圧を相電圧に換算して30°遅らせた位相とし、その他の相電圧は120°づつずらして各相電圧を得て、この相電圧と三次回路で検出した零相電圧とベクトル演算して、絶縁劣化時の各相電圧を得るようにしたことを特徴とする請求項9記載の非接地電路の絶縁監視装置。
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