JP4121268B2 - イミダゾール誘導体、その製造法および用途 - Google Patents
イミダゾール誘導体、その製造法および用途 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬とりわけステロイドC17,20リアーゼ阻害作用を有する新規イミダゾール誘導体とその塩、及びそれを含んでなる医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
性ホルモンであるアンドロゲンやエストロゲンは細胞の分化・増殖を始めとして多彩な生理活性を有している。一方、ある種の疾患ではアンドロゲンやエストロゲンが増悪因子として作用することが明らかになっている。生体内におけるアンドロゲンの生合成においてステロイドC17,20リアーゼがその最終段階に関与していることが知られている。すなわち、ステロイドC17,20リアーゼは、コレステロールから生成する17−ヒドロキシプレグネノロン及び17−ヒドロキシプロゲステロンを基質として、デヒドロエピアンドロステロンおよびアンドロステンジオンを生成する。従って、ステロイドC17,20リアーゼを阻害する薬剤は、アンドロゲンの生成を抑制するとともにアンドロゲンを基質として合成されるエストロゲンの生成を抑制し、アンドロゲンやエストロゲンを憎悪因子とする疾患の予防及び治療薬として有用である。アンドロゲンまたはエストロゲンが憎悪因子となる疾患としては、例えば、前立腺癌、前立腺肥大症、男性化症、多毛症、男性型禿頭症、男児性早熟症、乳癌、子宮癌、卵巣癌、乳腺症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、多曩胞性卵巣症候群などが挙げられる。
【0003】
すでにステロイドC17,20リアーゼ阻害剤としてステロイドタイプの化合物及び非ステロイドタイプの化合物が知られている。ステロイドタイプの化合物は、例えば、WO 92/15404,WO 93/20097,EP−A 288053,EP−A 413270等に開示されている。非ステロイドタイプの化合物としては、例えば、特開昭64−85975に(1H−イミダゾール−1−イル)メチル置換ベンズイミダゾール誘導体、WO94/27989、WO96/14090およびWO97/00257にカルバゾール誘導体、WO95/09157にアゾール誘導体、US5,491,161 に1H−ベンズイミダゾール誘導体、WO99/18075にジヒドロナフタレン誘導体、WO99/54309にナフタレン誘導体が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在まで、医療の場で使用できるステロイドC17,20リアーゼ阻害剤はまだ得られておらず、医薬として有用性の高いステロイドC17,20リアーゼ阻害剤の早期開発が期待されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、優れたステロイドC17,20リアーゼ阻害剤を見いだすために鋭意研究を重ねた結果、式(Ia)および(Ib)で示す化合物がその特異な化学構造に基づいて予想外にも優れた医薬用途、特に優れたステロイドC17,20リアーゼ阻害活性を有しており、しかも毒性が少なく医薬品として優れた性質を有していることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)式:
【0006】
【化17】
【0007】
または
【0008】
【化18】
【0009】
(式中、Rは水素原子または保護基を、R1は低級アルキル基または環状アルキル基を、A環およびB環は、置換されていてもよく、環内にアミド結合を有する5員または6員の環を示す。)で表される化合物(以下「化合物(Ia)」、「化合物(Ib)」ともいう。)またはその塩、
(2)A環およびB環が式:
【0010】
【化19】
【0011】
【化20】
【0012】
【化21】
【0013】
または
【0014】
【化22】
【0015】
(式中、R2は水素原子、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよいアミノ基を示し、点線はR2が水素原子のときは単結合または二重結合を、置換されていてもよい炭化水素基または置換されていてもよいアミノ基のときは単結合を示す。)で表される基である前記(1)記載の化合物、
(3)式:
【0016】
【化23】
【0017】
(式中、各記号は前記と同意義である。)で表される化合物またはその塩、
(4)式:(Ia)または(Ib)で表される化合物またはその塩のプロドラッグ、
(5)式:(Ia)または(Ib)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組成物、
(6)ステロイドC17,20リアーゼ阻害剤である前記(5)記載の組成物、
(7)抗腫瘍剤である前記(5)記載の組成物、
(8)乳癌または前立腺癌の予防・治療剤である前記(5)記載の組成物、
(9)式:(Ia)または(Ib)で表される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグとLHRH調節薬とを併用することを特徴とするアンドロゲン低下剤、
(10)式:
【0018】
【化24】
【0019】
で表わされる化合物と、式:
【0020】
【化25】
【0021】
(式中、各記号は前記と同意義である。)で表される化合物またはその塩とを塩基の存在下反応させることを特徴とする式:
【0022】
【化26】
【0023】
(式中、各記号は前記と同意義である。)で表される化合物またはその塩の製造法、等に関する。
【0024】
上記式(Ia)、(Ib)中、置換されていてもよく、A環およびB環で示される環内にアミド結合を有する5員または6員の環としては、たとえば上記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)であらわされる基が挙げられる。これらの環とナフタレン環との縮合部位は式(Ia)および(Ib)で示される位置であるが、結合様式はいずれでもよい。たとえば式(Ia)で表される化合物においてA環が式(IIa)であらわされる環である場合にはつぎの二通りの結合様式がある。
【0025】
【化27】
【0026】
または
【0027】
【化28】
【0028】
式(Ia)で表される化合物としては、式(Ia1)の結合様式のものがよい。式(Ia)で表される化合物が式(IIb)、(IIc)または(IId)で表される環と縮合している場合も同様である。
また、たとえば式(Ib)で表される化合物においてA環が式(IIa)であらわされる環である場合にはつぎの二通りの結合様式がある。
【0029】
【化29】
【0030】
または
【0031】
【化30】
【0032】
また式(Ib)で表される化合物が式(IIb)、(IIc)または(IId)で表される環と縮合している場合も同様である。
【0033】
上記式(Ia)、(Ib)、(III)、(V)、(VI)中、Rで示される保護基としては、例えば、ホルミル、それぞれ置換基を有していてもよい、C1-6アルキルカルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルカルボニル、C1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、C1-6アルケニル−オキシカルボニル(例えば、アリルオキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなどのフェニル−C1-4アルキルオキシ−カルボニルなど)、トリチル、フタロイルまたはN,N−ジメチルアミノメチレンなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル(例えば、アセチル、プロピオニル、バレリルなど)、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0034】
上記式(Ia)、(Ib)、(III)、(V)、(VI)中、R1で示される低級アルキル基としては炭素数1ないし6個の直鎖状または分枝状のもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどのC1-6アルキルなどが挙げられ、R1で示される環状アルキル基としては、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキルなどが挙げられる。R1としては、C1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチルなど)などが好ましい。
【0035】
上記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)中、R2で示される置換されていてもよいアミノ基としては、無置換のアミノの他、例えば低級アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなどのC1-4アルキルアミノ)、ジ低級アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのジC1-4アルキルアミノ)、C1-4アルカノイルアミノ(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノなど)などが挙げられる。
【0036】
上記式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(III)中、R2で示される置換されていてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば鎖式炭化水素基または環式炭化水素基などが挙げられる。
【0037】
該鎖式炭化水素基としては例えば、炭素数1ないし10個の直鎖状または分枝状鎖式炭化水素基などを示し、具体的には、例えばアルキル、アルケニル、アルキニルなどが挙げられる。これらの中で特にアルキルが好ましい。該アルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシルなどのC1-10アルキルなどが挙げられるが、C1-6アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなど)が好ましい。該アルケニルとしては、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニルなどのC2-10アルケニルなどが挙げられるがC2-6アルケニル(例えば、ビニル、1−プロペニル、アリルなど)が好ましい。該アルキニルとしては、例えばエチニル、1−プロピニル、プロパルギルなどのC2-10アルキニルなどが挙げられるが、C2-6アルキニル(例えば、エチニルなど)が好ましい。
【0038】
該環式炭化水素基としては例えば、炭素数3ないし18個の環式炭化水素基、具体的には、例えば、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。
【0039】
該脂環式炭化水素基としては、例えば3ないし10個の炭素原子から構成される単環式または縮合多環式の基、具体的にはシクロアルキル、シクロアルケニルなど、またはシクロアルキル、シクロアルケニルなどと炭素数6ないし14個の芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンなど)などとの2または3環式縮合環基などが挙げられる。該シクロアルキルとしては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキルなどが、該シクロアルケニルとしては、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどのC3-6シクロアルケニルなどが挙げられる。
【0040】
該芳香族炭化水素基としては、例えば6ないし18個の炭素原子から構成される単環式芳香族炭化水素基、縮合多環式芳香族炭化水素基などが挙げられ、具体的には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリルなどのC6-14アリールが挙げられ、C6-10アリール(例えば、フェニルなど)などが好ましい。
【0041】
該置換されていてもよい炭化水素基中の鎖式炭化水素基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルチオ、アシルアミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、オキソ、アルキルカルボニル、シクロアルキル、アリール、芳香族複素環基などが挙げられる。これらの置換基は、鎖式炭化水素基上に化学的に許容される範囲において置換され、その置換基の置換基数は1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。ただし、置換基の数が2個以上の場合は同一または相異なっていてもよい。
【0042】
該置換されていてもよい炭化水素基中の環式炭化水素基が有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、モノ−またはジ−アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキル、シクロアルキル、アリール、芳香族複素環基などが挙げられる。これらの置換基は、環式炭化水素基上に化学的に許容される範囲において置換され、その置換基の置換基数は1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。ただし、置換基の数が2個以上の場合は同一または相異なっていてもよい。
【0043】
該ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。該アルコキシとしては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどのC1-10アルコキシなどが挙げられる。該アシルオキシとしては、例えばホルミルオキシ、C1-10アルキル−カルボニルオキシ(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシなど)などが挙げられる。該アルキルチオとしては、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオなどのC1-10アルキルチオなどが挙げられる。該アルキルスルホニルとしては、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなどのC1-10アルキルスルホニルなどが挙げられる。該モノ−またはジ−アルキルアミノとしては、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノなどのC1-4アルキルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのジC1-4アルキルアミノなどが挙げられる。該アシルアミノとしては、例えばホルミルアミノ、ジホルミルアミノ、モノ−またはジ−C1-10アルキル−カルボニルアミノ(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、ジアセチルアミノなど)などが挙げられる。該アルコキシカルボニルとしては、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニルなどのC1-10アルコキシカルボニルなどが挙げられる。該アルキルカルボニルとしては、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリルなどのC1-10アルキルカルボニルなどが挙げられる。該アルキニルカルボニルとしては、例えばアセチルレニルカルボニル、1−プロピニルカルボニル、2−プロピニルカルボニルなどのC3-10アルキニルカルボニルなどが挙げられる。該シクロアルキルとしては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-10シクロアルキルなどが挙げられる。該アリールとしては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのC6-14アリールなどが挙げられる。該芳香族複素環基としては、例えば炭素原子以外に窒素、酸素および硫黄から選ばれたヘテロ原子を1または2種含む、員数5ないし10の、1ないし3環式芳香族複素環基などが挙げられる。該芳香族複素環基に含まれるヘテロ原子の総数は好ましくは1ないし4個である。具体的には、たとえばチエニル、ピリジル、フリルピラジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリダジニル、テトラゾリル、キノリル、インドリル、イソインドリルなどが挙げられる。該アルキルとしては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルなどのC1-10アルキルなどが挙げられる。
【0044】
本発明の化合物(Ia)または化合物(Ib)の好ましい具体例としては次の化合物が挙げられる。
(1)7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン、(2)7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン、(3)2−エチル−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン、(4)7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−3−メチルブチル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン。
【0045】
本発明の化合物(Ia)、化合物(Ib)は、塩を形成していてもよく、該塩としては酸付加塩、例えば無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など)などが挙げられる。また、化合物(Ia)、化合物(Ib)がカルボキシル基等の酸性基を有する場合、塩基との塩を形成していてもよく、該塩としては無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類等)などとの塩が挙げられる。
【0046】
尚、化合物(Ia)、化合物(Ib)、その塩は水和物であってもよい。以下、化合物(Ia)、化合物(Ib)は、その塩、水和物も含め化合物(I)と称する。
【0047】
化合物(I)のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応によりステロイドC17,20リアーゼ阻害作用を有する化合物(I)に変換する化合物をいう。
【0048】
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のイミダゾール窒素がアシル化またはアルキル化された化合物(例、ジメチルアミノスルホニル化、アセトキシメチル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、ベンジルオキシメチル化された化合物など);化合物(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、硫酸化、ホウ酸化された化合物(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。
【0049】
化合物(I)のプロドラッグはそれ自身であっても、薬理学的に許容される塩であってもよい。このような塩としては、化合物(I)のプロドラッグがカルボキシル基等の酸性基を有する場合、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属等)や有機塩基(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどの有機アミン類、アルギニン、リジン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸類等)などとの塩が挙げられる。
【0050】
化合物(I)のプロドラッグがアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸や有機酸(例、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸、重炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、アスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸等との塩が挙げられる。
【0051】
また、化合物(I)のプロドラッグは水和物、非水和物のいずれであってもよい。
【0052】
化合物(I)は分子内に1ないしそれより多い不斉炭素を有するが、これら不斉炭素に関しR配置、S配置のいずれも本発明に包含される。
【0053】
化合物(I)としては、水酸基が結合した炭素原子の絶対配置がS配置である化合物が好ましい。
【0054】
本明細書全体において式(III)または式(VI)で表される化合物において、塩基性基または酸性基を有する化合物はそれぞれ酸との塩または塩基との塩を形成しうる。これらの酸との塩および塩基との塩は前記化合物(I)で述べたものと同様のものが挙げられる。以下それぞれの式で表される化合物はその塩を含めて化合物(式の符号)と略す。例えば、式(III)で表される化合物およびその塩を単に化合物(III)といい、式(VI)で表わされる化合物およびその塩を単に化合物(VI)という。
【0055】
化合物(I)は、例えば以下に化合物(III)、化合物(IIIa)、化合物(VII)、化合物(VIIa)について示される製造方法等によって製造される。
【0056】
原料化合物及び合成中間体は、遊離体のほか化合物(I)と同様の塩として用いてもよく、また反応混合液のまま、あるいは公知の手段に従って単離した後に反応に供してもよい。
化合物(III)および化合物(IIIa)は、例えば以下に示される方法等によって製造される。
【0057】
【化31】
【0058】
(式中、各記号は前記と同意義である。)
[工程A]
化合物(1)をn−ブチルリチウムと反応させてリチウム塩に変換し、続いて化合物(V)と反応させると化合物(III)を得ることができる。
【0059】
本反応で用いられるn−ブチルリチウムの使用量は原料化合物(1)1モルに対して1〜4モル、好ましくは2〜2.5モルである。n-ブチルリチウムを反応させる場合の反応温度は−100〜0℃、好ましくは−80〜−20℃である。反応時間は5分〜20時間程度である。本反応は通常反応に影響のない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、ヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。化合物(V)は化合物(1)に対して0.1〜10当量、好ましくは0.2〜2当量である。
[工程B]
化合物(III)のRが保護基である場合、それ自体公知またはそれに準じた方法で保護基を除去し、化合物(IIIa)を得ることができる。例えば、Rがトリチル基の場合、酸性条件下での処理、または水素化分解によりトリチル基を除去することができる。該酸としては、ぎ酸、酢酸等の有機酸、塩酸等の無機酸などが使用される。反応にはアルコール類、THF等のエーテル類など、反応に不活性な溶媒を用いて行うこともできる。反応温度は通常 0〜100℃である。
【0060】
また、化合物(III)は例えば、以下に示される方法で製造される。
【0061】
【化32】
【0062】
(式中、Xはハロゲン原子を示す。他の各記号は前記と同意義である。)
[工程C]
化合物(3)をn−ブチルリチウムと反応させてリチウム塩に変換し、続いて化合物(V)と反応させて化合物(4)を得る工程である。
【0063】
本反応で用いられるn−ブチルリチウムの使用量は原料化合物(3)1モルに対して1〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。n-ブチルリチウムを反応させる場合の反応温度は−100〜0℃、好ましくは−80〜−20℃である。反応時間は5分〜20時間程度である。本反応は通常反応に影響のない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、THFなどのエーテル類、ヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。化合物(V)は化合物(3)に対して0.1〜10当量、好ましくは0.2〜2当量である。
[工程D]
化合物(4)にテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)等を作用させtert−ブチルジメチルシリル(TBS)基を除去し化合物(5)を得る工程である。反応は常法に従って行われる。(文献:Protecting Groups in Organic Synthesis, 2nd Edition, T. W. Greene and P. G. M. Wuts編, John Wiley & Sons, Inc. 1991)
[工程E]
化合物(5)に塩基存在下、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(Tf2O)を反応させて化合物(6)を得る工程である。本反応で用いられる塩基としては、ピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が用いられ、特にピリジンが好ましい。反応温度は−50〜50℃、好ましくは−10〜20℃である。反応時間は30分〜20時間程度である。本反応は反応に悪影響しない溶媒を用いることができ、その例としてTHF、ジクロロメタン等が挙げられる。トリフルオロメタンスルホン酸無水物の使用量は化合物(5)1モルに対して0.8〜2モル、好ましくは1〜1.3モルである。
【0064】
[工程F]
化合物(6)にパラジウム触媒存在下、一酸化炭素とメタノールを反応させ化合物(7)を得る工程である。反応は文献(S.Cacchiら、Tetrahedron Lett. 1986, Vol.27, pp3931-3934)記載の方法に準じて行うことができる。
用いられるパラジウム触媒としては(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム等が挙げられる。反応温度は30〜150℃、好ましくは60〜120℃である。反応時間は1〜50時間程度である。用いられる溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMF)等が好ましい。
[工程G]
化合物(7)にハロゲン化剤を作用させ化合物(8)を得る工程である。ハロゲン化剤としてはN−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミドなどが挙げられる。本反応は通常、反応開始剤が用いられる。反応開始剤としては2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。反応温度は20〜150℃、好ましくは50〜120℃である。反応時間は30分〜20時間程度である。本反応は通常反応に悪影響しない溶媒中で行われる。好ましい溶媒としては、クロロホルム、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、二硫化炭素、酢酸エチル等が挙げられる。N−ブロモコハク酸イミド等のハロゲン化剤は化合物(7)1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは1〜2モルである。
[工程H]
化合物(8)に、対応するアミン類を反応させ、続いて分子内環化させる工程である。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。反応時間は30分〜48時間程度である。反応は無溶媒または反応に悪影響しない溶媒中で行われる。反応に悪影響しない溶媒としてはメタノール等のアルコール類、THF、トルエン等である。
【0065】
さらに、化合物(III)は例えば、以下に示される方法でも製造される。
【0066】
【化33】
【0067】
(式中、Mは 金属またはその塩を示し、 他の記号は前記と同意義である。)
Mで示される金属としてはリチウムまたはマグネシウムなどが挙げられ、金属塩としては例えばマグネシウムクロリド、マグネシウムブロミドなどの金属ハライドなどが挙げられる。
[工程I]
化合物(3)をn−ブチルリチウムと反応させてリチウム塩に変換し、続いて化合物(9)と反応させて化合物(10)を得る工程である。本反応は工程Cと同様の条件で行われる。
[工程J]
化合物(10)を酸化し化合物(11)に変換する工程である。酸化剤としては二酸化マンガン等が好ましい。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。反応時間は1〜48時間程度である。本反応は反応に悪影響しない溶媒中で行われる。反応に悪影響しない溶媒としてはジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、DMF等が挙げられる。
[工程K]
化合物(11)を脱tert−ブチルジメチルシリル化した後、トリフルオロメタンスルホン酸エステルに変換する工程である。本反応は上記工程D,工程Eと同様の反応条件を用いて行うことができる。
[工程L,M,N]
各工程はそれぞれ上記工程F,G,Hと対応し、同様の反応条件を用いて行うことができる。
[工程O]
化合物(15)に対応する有機金属化合物(16)を反応させ、化合物(III)を得る工程である。反応温度は−40〜60℃、好ましくは−20〜40℃である。反応時間は5分〜20時間程度である。本反応は通常反応に悪影響のない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、THFなどのエーテル類、ヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。化合物(16)は化合物(15)1モルに対して1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
【0068】
さらに化合物(III)は例えば、以下に示される方法でも製造される。
【0069】
【化34】
【0070】
(式中、各記号は前記と同意義である。)
[工程P]
化合物(17)を化合物(IV)に変換する工程である。化合物(17)を塩化チオニル等の塩化物の作用により酸クロリドに変換した後、ジイソプロピルアミンと反応させることにより化合物(IV)を得る。化合物(17)にジシクロへキシルカルボジイミド等の活性化剤存在下でジイソプロピルアミンを反応させ、化合物(IV)を得ることもできる。
[工程Q]
化合物(IV)を塩基の存在下、化合物(V)と反応させて化合物(VI)を得る工程である。塩基としては例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられ、n−ブチルリチウムが好ましい。塩基としてn−ブチルリチウムを用いる場合には、例えば、化合物(IV)をn−ブチルリチウムと反応させてリチウム塩に変換し、続いて化合物(V)と反応させて化合物(VI)を得ることができる。
本反応で用いられる塩基の使用量は原料化合物(IV)1モルに対して1〜3モル、好ましくは1〜1.5モルである。塩基を反応させる場合の反応温度は−100〜0℃、好ましくは−80〜−20℃である。反応時間は5分〜20時間程度である。本反応は通常反応に影響のない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、THFなどのエーテル類、ヘキサン、ペンタンなどの飽和炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが用いられ、これらは一種又は二種以上適宜の割合で混合して用いてもよい。化合物(V)は化合物(IV)に対して0.1〜10当量、好ましくは0.2〜2当量である。
【0071】
[工程R]
化合物(VI)をアルキルリチウム等と反応させてリチウム塩に変換し、続いてホルミル化を行い化合物(18)を得る工程である。本反応で用いられるアルキルリチウムとしてはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のC1-4アルキルリチウムが挙げられ、特にn−ブチルリチウムが好ましい。アルキルリチウムの使用量は原料化合物(VI)1モルに対して2〜4モル、好ましくは2〜2.5モルである。アルキルリチウムを反応させる場合の反応温度は−100〜0℃、好ましくは−80〜−20℃である。ホルミル基を有する原料化合物としてはDMFが好ましい。その使用量は化合物(VI)1モルに対して2〜20モル、好ましくは3〜10モルである。
[工程S]
化合物(18)を還元条件でアミン類と反応させ、化合物(19)を得る工程である。アミン類は化合物(18)1モルに対して1〜20モル、好ましくは1〜5モルである。還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム等が挙げられる。その使用量は化合物(18)1モルに対して1〜5モル、好ましくは2〜4モルである。反応温度は0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。反応時間は1〜20時間程度である。
[工程T]
化合物(19)を塩基存在下で分子内環化させる工程である。塩基としてはアルキルリチウム類(例、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等)が好ましい。反応温度は−80〜10℃、好ましくは−50〜−10℃である。反応時間は5分〜5時間程度である。反応は無溶媒または反応に悪影響しない溶媒中で行われる。反応に悪影響しない溶媒としてはTHF、トルエン等が挙げられる。
【0072】
化合物(VII)は、例えば以下に示す方法等で製造できる。
【0073】
【化35】
【0074】
(式中、各記号は前記と同意義である。)
[工程U]
化合物(8)に、対応するヒドラジン類を反応させ、続いて分子内環化させる工程である。反応温度は0〜100℃、好ましくは20〜60℃である。反応時間は30分〜48時間程度である。反応は無溶媒または反応に悪影響しない溶媒中で行われる。反応に悪影響しない溶媒としてはメタノール等のアルコール類、THF、トルエン等である。
[工程X]
化合物(VII)のRが保護基である場合、それ自体公知またはそれに準じた方法で保護基を除去し、化合物(VIIa)を得ることができる。反応は工程Bと同様の条件で行うことができる。
化合物(1)は例えば以下に示す方法で合成できる。
【0075】
【化36】
【0076】
(式中、各記号は前記と同意義である。)
[工程1]
本工程は化合物(20)にDMF、ジクロロメチルメチルエーテル等を酸触媒存在下反応させ化合物(21)を得る工程である。酸触媒としては四塩化チタン等のルイス酸が好ましい。反応温度は−70〜100℃、好ましくは0〜30℃である。反応時間は5分〜24時間程度である。本反応は通常、反応に悪影響しない溶媒中で行われる。反応に悪影響しない溶媒としてはジクロロメタン、トルエン等が挙げられる。
[工程2]
本工程は工程Eの反応条件に準じて実施することが可能である。本反応においてトリフルオロメタンスルホン酸無水物の他、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アニリド等もアシル化剤として用いることができる。
[工程3]
本工程は一酸化炭素挿入反応であり、触媒・反応条件は工程Fと同様の条件を用いて行なうことができる。
[工程4]
本工程は化合物(23)に対応するアミンを反応させ化合物(24)を得る工程である。アミンの使用量は化合物(24)に対して大過剰が好ましい。反応温度は−70〜100℃、好ましくは−20〜50℃である。反応時間は1分〜24時間程度である。本反応は反応に悪影響しない溶媒中で行うこともできる。反応に悪影響しない溶媒としてはTHF、メタノール等が挙げられる。
[工程5]
本工程は化合物(24)を還元して化合物(1)を得る工程である。還元剤としては亜鉛、鉄等を用いることができるが、特に亜鉛が好ましい。反応は通常酢酸中で行なわれる。反応温度は0〜120℃、好ましくは50〜110℃である。反応時間は5分〜24時間程度である。
【0077】
化合物(IIIa)および(VIIa)はそれ自体公知またはそれに準じた方法で光学分割を行い、光学活性化合物を得ることができる。光学分割法としては光学活性カラムを用いる液体クロマトグラフィー法、光学活性な酸または塩基を用いるジアステレオマー塩法等が挙げられる。
【0078】
化合物(I)は光学活性カラム(例、CHIRALPAK AD、ダイセル化学工業製)を用いることにより効率よく光学分割することができる。また、光学活性な酸とのジアステレオマー塩を生成させ、溶解度の差を利用して所望の光学活性体を分離することができる。
【0079】
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体または他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(I)は、公知の手段例えば転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィーなどにより反応溶液から単離、精製することができる。
【0080】
また、上記各反応において、反応に供される化合物またはその塩において、反応に関与しないアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基に対して、保護基を用いてもよく、保護基の付加、除去は公知の手段により行うことができる。
【0081】
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル、それぞれ置換基を有していてもよい、C1-6アルキルカルボニル(例えば、アセチル、プロピオニルなど)、フェニルカルボニル、C1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、フェニルオキシカルボニル、C7-10アラルキルオキシ−カルボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなどのフェニル−C1-4アルキルオキシ−カルボニルなど)、トリチル、フタロイルまたはN,N−ジメチルアミノメチレンなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0082】
カルボキシル基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよい、C1-6アルキル、フェニル、トリチルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0083】
ヒドロキシル基の保護基としては、例えば置換基を有していてもよい、C1-6アルキル、フェニル、C7-10アラルキル、ホルミル、C1-6アルキル−カルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンゾイル、(C7-10アラルキルオキシ)カルボニル、ピラニル、フラニルまたはシリルなどが用いられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル、フェニル、C7-10アラルキル、ニトロなどが用いられ、置換基の数は1ないし4個程度である。
また、保護基の除去方法としては、それ自体公知またはそれに準じた方法が用いられるが、例えば酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオライド、酢酸パラジウムなどで処理する方法が用いられる。
【0084】
化合物(I)は酸との塩を形成することにより安定な結晶として得ることができる。該塩は水に対する溶解度が高まり、経口吸収性も優れている。
【0085】
化合物(I)およびそのプロドラッグ(以下本発明の化合物という)は医薬として優れた効果を有しており、特にステロイドC17,20リアーゼに対し優れた阻害活性を有する。本発明の化合物は毒性が低く、副作用も少ないので、哺乳動物(例えば、ヒト、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、マウス、ラットなど、特にヒト)に対して、例えば(i)アンドロゲンあるいはエストロゲン低下薬、(ii)アンドロゲンあるいはエストロゲンに関連する疾病、例えば(1)悪性腫瘍(例えば、前立腺癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌など)の原発癌、転移または再発、(2)それらの癌に伴う諸症状(例えば、痛み、悪液質など)、(3)前立腺肥大症、男性化症、多毛症、男性型禿頭症、男児性早熟症、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、乳腺症、多曩胞性卵巣症候群などのような各種疾病の治療および予防薬として有用である。
【0086】
本発明の化合物は、単剤で使用しても優れた効果を示すが、さらに他の医薬製剤および療法と併用することによって、その効果をより一層増強させることができる。併用剤および療法としては、例えば性ホルモン剤等のホルモン系薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物アルカロイド、免疫療法剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
ホルモン系薬剤として、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセリン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン剤(例えば、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェンなど)、ピル製剤、メピチオスタン、テストラクトン、アミノグルテチイミド、LHRH(luteinizing hormone releasing hormone)調節薬[LHRHアゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリンなど)、LHRHアンタゴニスト(例えば、ガニレリクス、セトロレリクス、アバレリクスなど)]、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例えば、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタンなど)、抗アンドロゲン薬(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミドなど)、5α−レダクターゼ阻害薬(例えば、フィナステリド、エプリステリドなど)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例えば、コルチゾール、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロンなど)、アンドロゲン合成阻害薬(例えば、アビラテロンなど)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例えば、リアロゾールなど)などが挙げられる。
【0088】
アルキル化剤として、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンなどが挙げられる。
【0089】
代謝拮抗剤として、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例えば、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフールなど)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリンなどが挙げられる。
【0090】
抗癌性抗生物質として、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンなどが挙げられる。
【0091】
植物アルカロイドとして、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ビノレルビンなどが挙げられる。
【0092】
免疫療法剤(BRM)として、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾールなどが挙げられる。
【0093】
その他、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例えば、イリノテカン、トポテカンなど)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキサンなど)、分化誘導剤(例えば、レチノイド、ビタミンD類など)、増殖因子阻害薬(例えば、スラミンなど)、抗体(例えば、ハーセプチンなど)、血管新生阻害薬、α−ブロッカー(例えば、塩酸タムスロシンなど)、チロシンキナーゼ阻害薬なども用いることができる。
【0094】
また、本発明の化合物を投与する化学療法とともに、例えば除睾術を含む手術、温熱療法、放射線療法など化学療法以外の療法を併用することもできる。
【0095】
特に、本発明の化合物はLHRH調節薬(LHRHモジュレーター)例えばLHRHアゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリンなど)あるいはLHRHアンタゴニスト(例えば、ガニレリクス、セトロレリクス、アバレリクスなど)と併用することにより、より効果的に血中のアンドロゲンあるいはエストロゲンを除去することができる。
【0096】
本発明の化合物はステロイドC17,20リアーゼに対する選択性が高く、CYP3A4等の薬物代謝酵素に影響を与えることなくアンドロゲン濃度を低下させることから、併用薬としても安全に使用することができる有用なアンドロゲンおよびエストロゲン低下薬となる。
【0097】
医薬的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、増粘剤;液状製剤における溶剤、分散剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして適宜適量配合される。また必要に応じて、常法にしたがって防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの添加物を用いることもできる。賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。増粘剤の好適な例としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体などが挙げられる。溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。分散剤の好適な例としては、例えば、ツイーン(Tween)80、HCO 60、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸クセリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0098】
本発明の医薬製剤は、常法に従って製造することができ、製剤中の本発明の化合物の含有割合は通常0.1〜100%(w/w)である。具体例を以下に示す。
(1)錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤:
本発明の化合物に、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤または滑沢剤などを添加して圧縮成型し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性を目的とするコーティングを行うことにより製造することができる。
(2)注射剤:
本発明の化合物を、例えば分散剤、保存剤、等張化剤などと共に水性注射剤として、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤として成型することにより製造することができる。
(3)座剤:
本発明の化合物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の組成物とすることにより製造される。このような組成物に用いる油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド(例えば、カカオ脂、ウイテプゾル類など)、中級脂肪酸(例えば、ミグリオール類など)、あるいは植物油(例えば、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0099】
これらの製剤における本発明の化合物の配合割合は、製剤の種類により異なるが、通常0.01〜50%配合される。
【0100】
前記医薬製剤における本発明の化合物の使用量は、選択される化合物、投与対象に選ばれる動物種、その投与回数などにより変化するが、広範囲にわたって有効性を発揮する。例えば、成人の固形腫瘍患者(例えば、前立腺癌患者)に対して、本発明の医薬製剤を経口投与する場合の一日当たりの投与量は、本発明の本発明の化合物の有効量として、通常、約0.001〜約500mg/kg体重、好ましくは、約0.1〜約40mg/kg体重、さらに好ましくは、約0.5〜約20mg/kg体重であるが、非経口投与の場合や他の抗癌剤と併用される場合は、一般にこれらの投与量より少ない値になる。しかし、実際に投与される化合物の量は、化合物の選択、各種製剤形態、患者の年齢、体重、性別、疾患の程度、投与経路、その投与を実施する期間および間隔などの状況によって決定されるものであり、医師の判断によって随時変更が可能である。
【0101】
前記医薬製剤の投与経路は、種々の状況により特に制限されないが、例えば経口あるいは非経口経路で投与することができる。ここで使用される非経口には、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、腟内および腹腔内などへの投与を含む。
【0102】
前記医薬製剤の投与期間および間隔は、種々の状況に応じて変更されるものであり、医師の判断により随時判断されるものであるが、分割投与、連日投与、間歇投与、短期大量投与、反復投与などの方法がある。例えば、経口投与の場合は、1日1ないし数回(特に1日2ないし3回)に分割して投与することが望ましい。また、徐放性の製剤として投与することや長時間かけて点滴静注することも可能である。
【0103】
【発明の実施の形態】
本発明はさらに下記の実施例、製剤例、試験例で詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。実施例中の略号は次の意味を有する。
【0104】
s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレット,q:クワルテット,dd:ダブルダブレット,dt:ダブルトリプレット,m:マルチプレット,br:幅広い,J:カップリング定数,室温:0〜30℃,DMF:ジメチルホルムアミド,THF:テトラヒドロフラン,Tr:トリチル,TBS:tert−ブチルジメチルシリル。
【0105】
【実施例】
参考例1
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノールの製造
【0106】
【化37】
【0107】
6−ブロモ−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシナフタレン(60.0 g)をTHF(600 mL)に溶解させ-70 ℃に冷却した。n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M : 111 mL)をゆっくりと滴下し30分間撹拌した後、イソプロピル(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)ケトン(52.1 g)のTHF溶液(200 mL)を滴下した。-70 ℃で30分間撹拌後、水を加え反応を停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出後、合わせた有機層を水、飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮した。残留物を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し無色粉末の表題化合物(79.5 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.23 (6H, s), 0.75 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.02 (9H, s), 2.45-2.59 (1H, m), 3.66 (1H, s), 6.80 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.04 (1H, dd, J=2.4, 8.8 Hz), 7.11-7.16 (6H, m), 7.30-7.34 (11H, m), 7.49 (1H, dd, J=1.6, 8.6 Hz), 7.60 (1H, d, J=8.6 Hz), 7.68 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.94 (1H, s).
IR (KBr) : 3158, 2955, 2930, 1601, 1493, 1480, 1445, 1260, 843 cm-1.
【0108】
参考例2
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−2−ナフトールの製造
【0109】
【化38】
【0110】
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノール(35.0 g)をTHF(100 mL)に溶解させ0 ℃に冷却後、テトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(1 M : 100 mL)を滴下した。室温で1時間撹拌後、溶媒を留去し、残さに水を加えた。生じた沈殿を濾取し、エーテルおよび水で洗浄後、乾燥し無色粉末の表題化合物(28.3 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3 + CD3OD) δ : 0.76 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.27-2.71 (1H, m), 6.86 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.05-7.17 (7H, m), 7.31-7.38 (11H, m), 7.48 (1H, dd, J=1.8, 8.6 Hz), 7.58 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.67 (1H, d, J=8.6 Hz), 7.85 (1H, s).
IR (KBr) : 3598, 2965, 1603, 1445, 1250, 1223, 1171, 760, 748, 702 cm-1.
【0111】
参考例3
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネートの製造
【0112】
【化39】
【0113】
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−2−ナフトール(27.0 g)をピリジン(200 mL)に溶解させ0 ℃に冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(9.1 mL)をゆっくり滴下した。氷冷下で1時間撹拌後、水で希釈し酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し乾燥後濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製後、イソプロピルエーテルから再結晶を行い無色粉末の表題化合物(29.6 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.73 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.47-2.60 (1H, m), 3.72 (1H, br s), 6.82 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.10-7.17 (6H, m), 7.30-7.35 (11H, m), 7.65 (1H, dd, J=1.7, 8.6 Hz), 7.70 (1H, d, J=2.6 Hz), 7.77 (1H, d, J=8.6 Hz), 7.88 (1H, d, J=9.0 Hz), 8.11 (1H, s).
IR (KBr) : 3164, 2965, 1431, 1412, 1242, 1211, 1142, 909, 897, 748, 702 cm-1.
【0114】
参考例4
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0115】
【化40】
【0116】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネート(7.0 g)、(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム ジクロロメタンコンプレックス (441 mg)およびトリエチルアミン(2.98 mL)をDMF−メタノール(1:1)混合溶液(80 mL)に溶解させ常圧の一酸化炭素雰囲気下60 ℃で10時間撹拌した。溶媒を留去し、残さを水で希釈後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残さをカラムクロマトグラフィー(溶出液、ヘキサン:THF=1:2)で精製し淡黄色粉末の表題化合物(5.65 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.74 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.97 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.47-2.61 (1H, m), 3.75 (1H, s), 3.97 (3H, s), 6.82 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.10-7.16 (6H, m), 7.29-7.35 (10H, m), 7.62 (1H, dd, J=1.8, 8.6 Hz), 7.81 (1H, d, J=3.2 Hz), 7.85 (1H, d, J=3.2 Hz), 8.02 (1H, dd, J=1.8 Hz, 8.6 Hz), 8.07 (1H, s), 8.55 (1H, s).
IR (KBr) : 3542, 2965, 1707, 1441, 1279, 1231, 747, 700 cm-1.
【0117】
参考例5
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−メチル−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノ−ルの製造
【0118】
【化41】
【0119】
6−ブロモ−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−メチルナフタレン(17.0 g)を用いて参考例1と同様の反応を行い無色粉末の表題化合物(21.6 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.22 (6H, s), 0.75 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.05 (9H, s), 2.50 (3H, s), 3.64 (1H, s), 6.80 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.03 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.10−7.16 (6H, m), 7.28−7.34 (10H, m), 7.55 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.56 (1H, dd, J=1.8, 9.0 Hz), 7.81 (1H, d, J=9.0 Hz), 7.92 (1H, d, J=1.8 Hz).
IR (KBr) : 3200, 2961, 1472, 1242, 839, 702 cm-1.
【0120】
参考例6
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−1−メチル−2−ナフト−ルの製造
【0121】
【化42】
【0122】
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−メチル−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノ−ル(20 g)を用いて参考例2と同様の反応を行い無色粉末の表題化合物(15.6 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.69 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.03 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.30−2.43 (1H, m), 2.43 (3H, s), 3.89 (1H, s), 6.04 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.49 (1H, d, J=8.8 Hz), 6.85−6.93 (2H, m), 7.21−7.25 (6H, m), 7.37−7.48 (10H, m), 7.55 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.56 (1H, d, J=1.0 Hz).
IR (KBr) : 3511, 2976, 1485, 1445, 1348, 1169, 1001, 758, 702 cm-1.
【0123】
参考例7
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−1−メチル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネートの製造
【0124】
【化43】
【0125】
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−1−メチル−2−ナフトール(14 g)を用いて参考例3と同様の反応を行い、無色粉末の表題化合物(10.7 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.73 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.48−2.63 (1H, m), 2.67 (3H, s), 3.70 (1H, s), 6.82 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.10−7.16 (6H, m), 7.29−7.35 (11H, m), 7.69−7.74 (2H, m), 7.95 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.07 (1H, d, J=1.8 Hz).
IR (KBr) : 3208, 2973, 1408, 1219, 1140, 897, 702 cm-1.
【0126】
参考例8
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−1−メチル−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0127】
【化44】
【0128】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−1−メチル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネート(6.0 g)を用いて参考例4と同様の反応を行い無色粉末の表題化合物(4.2 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.74 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.76 (3H, d, J=6.0 Hz), 2.48−2.62 (1H, m), 2.91 (3H, s), 3.74 (1H, s), 3.94 (3H, s), 6.82 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.10−7.15 (6H, m), 7.30−7.34 (10H, m), 7.64−7.70 (2H, m), 7.80 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.02 (1H, d, J=1.4 Hz), 8.08 (1H, d, J=9.2 Hz).
IR (KBr) : 3162, 2969, 1719, 1445, 1240, 1173, 747, 700 cm-1.
【0129】
参考例9
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−7−メチル−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノ−ルの製造
【0130】
【化45】
【0131】
6−ブロモ−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−3−メチルナフタレン(14.5 g)を用いて参考例1と同様の反応を行い、淡黄色粉末の表題化合物(19.2 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.27 (6H, s), 0.75 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.94 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.05 (9H, s), 2.35 (3H, s), 2.45−2.58 (1H, m), 3.67 (1H, s), 6.80 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.06 (1H, s), 7.11−7.15 (6H, m), 7.30−7.7.33 (10H, m), 7.44 (1H, dd, J=1.8, 8.6 Hz), 7.53−7.57 (2H, m), 7.86 (1H, s).
IR (KBr) : 3198, 1472, 1445, 1250, 1163, 1124, 914, 700 cm-1.
【0132】
参考例10
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−3−メチル−2−ナフト−ルの製造
【0133】
【化46】
【0134】
1−(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−7−メチル−2−ナフチル)−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノ−ル(18.5 g)を用いて参考例2と同様の反応を行い、無色粉末の表題化合物(14.9 g)を得た。
1H-NMR (DMSO−d6)δ: 0.61 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.71 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.27 (3H, s), 2.54−2.64 (1H, m), 5.04 (1H, s), 6.83 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.03−7.08 (6H, m), 7.29 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.33−7.41 (10H, m), 7.45−7.50 (2H, m), 7.69 (1H, dd, J=1.4, 8.8 Hz), 7.84 (1H, s).
IR (KBr) : 3603, 2966, 1670, 1447, 1244, 1159, 760, 748, 704 cm-1.
【0135】
参考例11
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−3−メチル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネ−トの製造
【0136】
【化47】
【0137】
6−(1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル)−3−メチル−2−ナフト−ル(14.0 g)を用いて参考例3と同様の反応を行い、黄色粉末の表題化合物(12.9 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.72 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.96 (3H, d, J=7.0 Hz), 2.46−2.59 (1H, m), 2.51 (3H, s), 3.72 (1H, s), 6.80 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.09−7.16 (6H, m), 7.29−7.36 (10H, m), 7.56 (1H, dd, J=1.8, 8.6 Hz), 7.67−7.73 (3H, m), 8.02 (1H, s).
IR (KBr) : 3219, 2966, 1408, 1215, 1140, 1055, 895, 748, 700 cm-1.
【0138】
参考例12
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−3−メチル−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0139】
【化48】
【0140】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−3−メチル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネート(9.0 g)を用いて参考例4と同様の反応を行い淡褐色粉末の表題化合物(6.8 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3)δ: 0.73 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.95 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.45−2.59 (1H, m), 2.71 (3H, s), 3.73 (1H, s), 3.94 (3H, s), 6.80 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.10−7.16 (6H, m), 7.29−7.36 (10H, m), 7.54 (1H, dd, J=1.6, 8.6 Hz), 7.59 (1H, d, J=8.6 Hz), 7.96 (1H, s), 8.44 (1H, s).
IR (KBr) : 3223, 2968, 1724, 1445, 1283, 1267, 748, 700 cm-1.
【0141】
参考例13
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0142】
【化49】
【0143】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−1−メチル−2−ナフトエ酸メチル (34.61 g)を四塩化炭素(0.8 L)に懸濁し、N-ブロモコハク酸イミド(12.28 g)と2,2'−アゾビスイソブチロニトリル (0.99 g)を加えた。反応液を21時間加熱還流した後、溶媒を留去した。残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチル-THF(1:1)で二回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(担体;シリカゲル, 展開溶媒;酢酸エチル)で精製し、表題化合物と原料の混合物 (表題化合物:原料=約7:1、23.10 g)を褐色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.74 (3H, d, J=6.8 Hz), 0.98 (3H, d, J=6.8 Hz), 2.55 (1H, septet, J=6.8 Hz), 3.78 (1H, s), 3.99 (3H, s), 5.43 (1H, d, J=9.8 Hz), 5.47 (1H, d, J=9.8 Hz), 6.82 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.10-7.35 (16H, m), 7.72 (1H, dd, J=8.8, 1.8 Hz), 7.81 (1H, d, J=8.8 Hz), 7.92 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.10 (1H, d, J=1.8 Hz), 8.18 (1H, d, J=8.8 Hz).
IR (KBr): 1725, 1238, 702 cm-1.
【0144】
参考例14
3−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0145】
【化50】
【0146】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−3−メチル−2−ナフトエ酸メチル(5.93 g)を四塩化炭素(150 ml)に懸濁し、N−ブロモコハク酸イミド(2.01 g)と2,2'−アゾビスイソブチロニトリル (0.17 g)を加えた。反応液を4時間加熱還流した後、溶媒を濃縮した。残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮して粗の表題化合物 (6.70 g) を褐色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:0.73 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.97 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.53 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.74 (1H, s), 4.00 (3H, s), 5.12 (1H, d, J=10.4 Hz), 5.15 (1H, d, J=10.4 Hz), 6.81 (1H, d, J=1.0 Hz), 7.09-7.38 (16H, m), 7.65 (1H, dd, J=8.4, 1.6 Hz), 7.78-7.84 (2H, m), 8.02 (1H, s), 8.50 (1H, s).
【0147】
参考例15
(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−メチル−2−ナフチル)(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノンの製造
【0148】
【化51】
【0149】
6−ブロモ−2−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−1−メチルナフタレン(35.1 g)をTHF(350 mL)に溶解させ-70 ℃に冷却した。n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M : 82 mL)をゆっくりと滴下し1 時間撹拌した後,4−ホルミル−1−トリチル−1H−イミダゾール(30.5 g)のTHF溶液(300 mL)を滴下した。-70 ℃で30分間撹拌後、20%塩化アンモニウム水を加え反応を停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して粗の(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−メチル−2−ナフチル)(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノールをアモルファス固体として得た。
このアモルファス固体をジクロロメタン (500 mL) に溶解し、二酸化マンガン (80 g) を加えて室温で50時間撹拌した。不溶物を濾去し、濾液を濃縮して得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:へキサン−酢酸エチル, 8:1→4:1)で精製した。得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥して表題化合物 (30.5 g) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.25 (6H, s), 1.06 (9H, s), 2.53 (3H, s), 7.07-7.40 (16H, m), 7.58 (1H, d, J= 1.4 Hz), 7.69-7.76 (2H, m), 7.96 (1H, d, J= 9.2 Hz), 8.21 (1H, dd, J= 9.2, 1.4 H), 8.91 (1H, s).
IR (KBr) : 1470, 1181, 922, 843, 700 cm-1.
【0150】
参考例16
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトールの製造
【0151】
【化52】
【0152】
(6−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−5−メチル−2−ナフチル)(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)メタノン(30.0 g)をTHF(200 mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオライド(14.9 g)を加えた。室温で18時間撹拌した後溶媒を留去し、残さに水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄後、乾燥して表題化合物(22.4 g)を淡オレンジ色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ : 2.49 (3H, s), 7.09 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.15-7.22 (6H, m), 7.34-7.40 (9H, m), 7.58-7.62 (2H, m), 7.70 (1H, s), 7.90 (1H, d, J= 5.2 Hz), 8.12 (1H, dd, J= 8.8, 1.8 Hz), 8.66 (1H, d, J= 1.4 Hz).
IR (KBr) : 3380, 1611, 1310, 1186, 748, 702 cm-1.
【0153】
参考例17
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネートの製造
【0154】
【化53】
【0155】
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトール(22.3 g)をピリジン(100 mL)に溶解させ0 ℃に冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(9.3 mL)をゆっくり滴下した。氷冷下で30分間さらに室温で1時間撹拌後、反応混合物を水(1.0 L)で希釈して上澄み液を除いた。残留物を酢酸エチルに溶解し、10%クエン酸および飽和重曹水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。残留物をへキサンに懸濁して濾取し、表題化合物(26.9 g)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 2.72 (3H, s), 7.15-7.43 (16H, m), 7.58 (1H, d, J= 1.4 Hz), 7.83 (1H, d, J= 1.4 Hz), 7.91 (1H, d, J= 9.2 Hz), 8.02 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.41 (1H, dd, J= 9.2, 1.8 Hz), 9.05 (1H, d, J= 1.8 Hz).
IR (KBr) : 1640, 1512, 1399, 1215, 1171, 903, 750, 702 cm-1.
【0156】
参考例18
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0157】
【化54】
【0158】
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネート(26.8 g)、トリエチルアミン (15.7 mL)、メタノール (50 mL)、酢酸パラジウム (0.61 g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン (1.50 g)、DMF(150 mL)の混合物を一酸化炭素雰囲気下、70 ℃で16時間加熱撹拌した。反応混合物を冷却後、水 (1.6 L)で希釈した。沈殿物を濾取し、カラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:酢酸エチル)で精製後、得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄、乾燥して表題化合物(20.9 g)の無色結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 2.93 (3H, s), 3.97 (3H,s), 7.15-7.40 (15H, m), 7.58 (1H, s), 7.80-7.84 (3H, m), 8.24 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.34 (1H, dd, J= 8.8, 1.6 Hz), 8.95 (1H, d, J= 1.6 Hz).
IR (KBr) : 1721, 1632, 1231, 1184, 750, 702 cm-1.
【0159】
参考例19
1−ブロモメチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトエ酸メチルの製造
【0160】
【化55】
【0161】
1−メチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトエ酸メチル(20.7 g) を四塩化炭素 (400 mL) に懸濁し、N−ブロモコハク酸イミド(7.5 g)と2,2'−アゾビスイソブチロニトリル (0.58 g)を加えた。反応液を5時間加熱還流した後濃縮し、残留物を飽和重曹水で希釈して酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して、粗の表題化合物(25.7 g)を褐色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 4.02 (3H, s), 5.44 (2H,s), 7.13-7.40 (15H, m), 7.59 (1H, d, J= 1.0 Hz), 7.83 (1H, d, J= 1.8 Hz), 7.95 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.01 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.36 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.45 (1H, dd, J= 8.8, 1.8 Hz), 9.01 (1H, d, J= 1.0 Hz).
IR (KBr) : 1721, 1248, 702 cm-1.
【0162】
参考例20
2−メチル−7−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0163】
【化56】
【0164】
1−ブロモメチル−6−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−2−ナフトエ酸メチル(14.0 g)をTHF(120 mL)に溶解し、40%メチルアミンメタノール溶液(60 mL)を加えた。反応液を室温で20時間攪拌した後、溶媒を留去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール=40:1)で精製後、酢酸エチル−ジエチルエーテルで結晶化して表題化合物(5.5 g)の無色結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 3.30 (3H, s), 4.75 (2H, s), 7.16-7.41 (15H, m), 7.59 (1H, s), 7.83-7.93 (3H, m), 8.04 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.38 (1H, d, J= 8.8 Hz), 9.10 (1H, s).
IR (KBr) : 1698, 1630, 1518, 1179, 760, 747, 706 cm-1.
【0165】
参考例21
6−ブロモ−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミドの製造
【0166】
【化57】
【0167】
6−ブロモ−2−ナフトエ酸(100 g)、塩化チオニル(37.7 mL)およびDMF(0.5 mL)のTHF(1000 mL)懸濁溶液を60 ℃で90分加熱撹拌した。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、得られた固体をトルエンに溶解させ、溶媒を留去した。淡黄色粉末の6−ブロモ−2−ナフトイルクロライドを得た。
ジイソプロピルアミン(112 mL)およびトリエチルアミン(112 mL)のTHF溶液(800 mL)に6−ブロモ−2−ナフトイルクロライドのTHF溶液(400 mL)を氷冷下、滴下した。室温にて1時間撹拌した後、半量の溶媒を減圧下留去し、酢酸エチルで希釈後、水、1規定水酸化ナトリウム水溶液、水、および飽和食塩水で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた固体をイソプロピルエーテルで洗浄して無色鱗片状の表題化合物(117 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 1.36 (12H, br s), 3.71 (2H, br s), 7.44 (1H, dd, J=1.2, 8.6 Hz), 7.58 (1H, dd, J=2.2, 8.8 Hz), 7.70-7.79 (3H, m), 8.01 (1H, d, J=1.2 Hz).
IR (KBr) : 2968, 1620, 1435, 1369, 1333, 895, 814 cm-1.
【0168】
参考例22
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミドの製造
【0169】
【化58】
【0170】
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M : 98.3 mL)を加えたトルエン(1000 mL)溶液に‐70 ℃で6−ブロモ−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミド(50.0 g)のTHF溶液(250 mL)を滴下した。同温で30分間撹拌後、2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノン(47.5 g)のTHF溶液(200 mL)を滴下し20分間撹拌した。水を加えた後、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残さをイソプロピルエーテルから再結晶を行い無色粉末の表題化合物 (71.1 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.74 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.96 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.37 (12H, br s), 2.47-2.61 (1H, m), 3.72 (3H, br s), 6.81 (1H, d, J=1.6 Hz), 7.10-7.17 (6H, m), 7.29-7.40 (11H, m), 7.59 (1H, dd, J=1.7, 8.5 Hz), 7.73-7.77 (2H, m), 7.81 (1H, d, J=8.4 Hz), 8.04 (1H, s).
IR (KBr) : 3503, 2974, 1632, 1447, 1337, 1161, 750, 702 cm-1.
【0171】
参考例23
1−ホルミル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミドの製造
【0172】
【化59】
【0173】
6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミド(50.0 g)およびN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン (94.9 mL)のトルエン溶液(1000 mL)に−70 ℃でブチルリチウムヘキサン溶液(1.6 M : 196 mL)を滴下した。同温度で2時間撹拌後、DMF(60.9 mL)を滴下し20分間撹拌した。反応溶液に水を加えた後、酢酸エチルで希釈、有機層を水、10%クエン酸水溶液、水、飽和重曹水で順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残さをヘキサン-酢酸エチル(3:1)より再結晶を行い無色粉末の表題化合物(36.0 g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.73 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.98 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.10 (6H, d, J=6.6 Hz), 1.63 (6H, d, J=6.8 Hz), 2.47-2.61 (1H, m), 3.51-3.69 (2H, m), 3.79 (1H, s), 7.82 (1H, d, J=1.4 Hz), 7.09-7.16 (6H, m), 7.29-7.35 (11H, m), 7.70 (1H, dd, J=2.0, 9.2 Hz), 8.08 (1H, d, J=8.4 Hz), 8.17 (1H, d, J=1.8 Hz), 9.09 (1H, d, J=9.2 Hz), 10.57 (1H, s).
IR (KBr) : 3491, 2970, 1674, 1636, 760, 746, 702 cm-1.
【0174】
参考例24
6−ブロモ−2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒドの製造
【0175】
【化60】
【0176】
6−ブロモ−2−ナフトール(25.33 g)をジクロロメタン(300 ml)に懸濁し、氷浴で冷却下に四塩化チタン(25.0 ml)をゆっくりと滴下した。反応液に1,1−ジクロロメチルメチルエーテル(10.5 ml)を滴下し、同温度で1時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、ジクロロメタンを追加した。有機層を分離して、水層をさらにジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を1N塩酸、水、飽和重曹水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して表題化合物(28.17 g)の褐色結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.18 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.69 (1H, dd, J= 8.8, 2.0 Hz), 7.90 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.96 (1H, d, J= 2.0 Hz), 8.23 (1H, d, J= 8.8 Hz), 10.78 (1H, s).
IR (KBr): 1640, 1308, 1167, 812 cm-1.
【0177】
参考例25
6−ブロモ−1−ホルミル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネートの製造
【0178】
【化61】
【0179】
6−ブロモ−2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(7.53 g)とトリエチルアミン(9.20 ml)をジクロロメタン(150 ml)に溶解し、氷浴で冷却しながらN-フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド(11.25 g)を少しずつ加えた。反応混合物を同温度で1時間ついで室温で6時間攪拌し、溶媒を留去した。残留物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出層を10%クエン酸、水、飽和重曹水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:ジクロロメタン)で精製し、得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄して表題化合物(9.15 g)の淡褐色結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.52 (1H, d, J= 9.2 Hz), 7.82 (1H, dd, J= 9.2, 2.0 Hz), 8.10 (1H, d, J= 9.2 Hz), 8.10 (1H, d, J=2.0 Hz), 9.09 (1H, d, J= 9.2 Hz), 10.75 (1H, s).
IR (KBr): 1694, 1422, 1215, 1132, 957, 889 cm-1.
【0180】
参考例26
7−ブロモ−1−メトキシナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オンの製造
【0181】
【化62】
【0182】
6−ブロモ−1−ホルミル−2−ナフチル トリフルオロメタンスルホネート(5.62 g)、トリエチルアミン (5.12 mL)、メタノール (10 mL)、酢酸パラジウム (0.20 g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン (0.49 g)、DMF(30 mL)の混合物を一酸化炭素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した後、10%クエン酸、水、飽和重曹水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:へキサン−酢酸エチル, 20:1〜3:1)で精製して表題化合物(1.66 g)の無色結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.67 (3H, s), 7.78 (1H, dd, J= 8.8, 2.0 Hz), 7.87 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.96 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.98 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.20 (1H, d, J= 2.0 Hz), 6.67 (1H, s).
IR (KBr): 1775, 1327, 1086, 964 cm-1.
【0183】
参考例27
7−ブロモ−1−ヒドロキシ−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0184】
【化63】
【0185】
7−ブロモ−1−メトキシナフト[1,2−c]フラン−3(1H)−オン(1.03 g)をTHF(10 mL)に溶解し、40%メチルアミンメタノール溶液(10 mL)を加えた。反応液を室温で1時間攪拌した後、溶媒を留去して表題化合物(1.03 g)を淡黄色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.94 (1H, d, J= 12.0 Hz), 3.13 (3H, s), 6.01 (1H, d, J= 12.0 Hz), 7.65 (1H, d, J= 8.2 Hz), 7.73 (1H, dd, J= 8.8, 1.8 Hz), 7.79 (1H, d, J= 8.2 Hz), 8.12 (1H, d, J= 1.8 Hz), 8.16 (1H, d, J= 8.8 Hz).IR (KBr): 3216, 1682, 1659, 1046, 876 cm-1.
【0186】
参考例28
7−ブロモ−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0187】
【化64】
【0188】
7−ブロモ−1−ヒドロキシ−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(1.03 g)を酢酸(25 ml)に溶解し、亜鉛(3.0 g)を加えて、100℃で3時間加熱攪拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を濃縮して得られた残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:へキサン−酢酸エチル, 2:1〜1:1)で精製した。得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄して、表題化合物(0.84g)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.28 (3H, s), 4.68 (2H, s), 7.63-7.74 (2H, m), 7.79 (1H, d, J= 8.4 Hz), 7.88 (1H, d, J= 8.4 Hz), 8.12 (1H, d, J= 2.0 Hz).
IR (KBr): 1674, 874, 812 cm-1.
【0189】
実施例1
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0190】
【化65】
【0191】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(5.58 g)をTHF(50 ml)に溶解し、氷浴で冷却した。この溶液に飽和アンモニアメタノール溶液(50 ml)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した後、溶媒を留去した。残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチル-THF(1:1)混液で二回抽出した。有機層を合わせて、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(担体;シリカゲル, 展開溶媒;酢酸エチル:エタノール=20:1)で精製して7−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの無色結晶を得た(1.22 g)。この無色結晶(1.17 g)をTHF−メタノール(1:3, 30 ml)に懸濁し、ピリジン塩酸塩(0.29 g)を加えた。反応液を60℃で6時間加熱攪拌した後、溶媒を留去した。残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチル-THF(1:1)混液で二回抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(担体;シリカゲル, 展開溶媒;ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後、エタノール−水で再結晶して、表題化合物を無色結晶として得た(0.50 g)。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ:0.79 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.02 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.76 (1H, septet, J=6.6 Hz), 4.68 (2H, s), 7.04 (1H, s), 7.55 (1H, s), 7.70-7.77 (3H, m), 7.88 (1H, d, J=8.4 Hz), 8.15 (1H, s).
IR (KBr):1684, 1472, 747 cm-1.
【0192】
実施例2
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0193】
【化66】
【0194】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.80 g)をTHF(8 ml)に溶解し、40%メチルアミンメタノール溶液(8 ml)を加えた。反応液を室温で20時間攪拌した後、溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルに懸濁してろ取し、7−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの無色固体(0.77g)を得た。この固体をTHFとメタノールの混液(1:3, 20ml)に懸濁し、ピリジン塩酸塩(0.23 g)を加えた。反応液を60℃で6時間加熱攪拌した後、溶媒を留去した。残留物を飽和重曹水で希釈し、酢酸エチル-THF(1:1)で二回抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残留物をTHF−メタノールから再結晶して、表題化合物を無色結晶として得た(0.28 g)。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.80 (3H, d, J=7.0 Hz), 1.02 (3H, d, J=7.0 Hz), 2.78 (1H, septet, J=7.0 Hz), 3.29 (3H, s), 4.73 (2H, s), 7.04 (1H, d,J=1.2 Hz), 7.54 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.76-7.94 (4H, m), 8.17 (1H, s).
IR (KBr):3193, 1667, 1003 cm-1.
【0195】
実施例3
2−エチル−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0196】
【化67】
【0197】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(1.52 g)と70%エチルアミン水溶液(3.0 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.63 g) を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.80 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.03 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.30 (3H, t, J= 7.2 Hz), 2.70 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.71 (2H, q, J= 7.2 Hz), 4.60 (2H, s), 7.07 (1H, s), 7.56-7.79 (5H, m), 8.05 (1H, brs).
IR (KBr): 1672, 1474, 1422, 826, 747 cm-1.
【0198】
実施例4
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−プロピル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0199】
【化68】
【0200】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(1.32 g)とn−プロピルアミン(2.5 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.59 g) を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ:0.80 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.93-1.05 (6H, m), 1.74 (2H, sextet, J= 7.4 Hz), 2.70 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.63 (2H, t, J= 7.4 Hz), 4.62 (2H, s), 7.07 (1H, s), 7.57-7.80 (5H, m), 8.06 (1H, brs).
IR (KBr): 1672, 1474, 1420, 826, 745 cm-1.
【0201】
実施例5
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−イソプロピル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0202】
【化69】
【0203】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(1.32 g)とイソプロピルアミン(3.0 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.56 g) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.79 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.03 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.34 (6H, d, J=6.6 Hz), 2.70 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.50-4.00 (1H, br), 4.60 (2H, s), 4.69 (1H, septet, J=6.6 Hz), 7.06 (1H, s), 7.56-7.77 (5H, m), 8.06 (1H, s).
IR (KBr): 1655, 1468, 1449, 1420, 1235, 824, 747 cm-1.
【0204】
実施例6
2−シクロプロピル−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0205】
【化70】
【0206】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(1.32 g)とシクロプロピルアミン(3.0 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.58 g) を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.80 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.87-0.97 (4H, m), 1.03 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.70 (1H, septet, J=6.6 Hz), 2.89-3.00 (1H, m), 3.50-4.00 (1H, br), 4.54 (2H, s), 7.07 (1H, s), 7.58-7.79 (5H, m), 8.05 (1H, brs).
IR (KBr): 1673, 1468, 1451, 1420, 824, 745 cm-1.
【0207】
実施例7
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0208】
【化71】
【0209】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.66 g)と2,2,2−トリフルオロエチルアミン(2.0 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.34 g) を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.80 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.02 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.76 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.30-3.70 (1H, br), 4.29 (2H, q, J= 9.0 Hz), 4.83 (2H, s), 7.06 (1H, d, J= 1.2 Hz), 7.58 (1H, d, J= 1.2 Hz), 7.77-7.93 (4H, m), 8.21 (1H, s).
IR (KBr): 1684, 1161, 1101, 826 cm-1.
【0210】
実施例8
2−(ジメチルアミノ)−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0211】
【化72】
【0212】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.66 g)と1,1−ジメチルヒドラジン(1.0 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.18 g) を無色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.78 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.01 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.72 (1H, septet, J=6.6 Hz), 3.20 (6H, s), 4.66 (2H, s), 7.04 (1H, d, J= 1.0 Hz), 7.55-7.78 (4H, m), 7.91 (1H, d, J= 8.4 Hz), 8.03 (1H, s).
IR (KBr) :3220, 1537, 1424, 818 cm-1.
【0213】
実施例9
8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2,3−ジヒドロベンゾ[f]フタラジン−4(1H)−オン および 8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[f]フタラジン−4(3H)−オンの製造
【0214】
【化73】
【0215】
1−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.62 g)とヒドラジン一水和物(0.35 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2,3−ジヒドロベンゾ[f]フタラジン−4(1H)−オン (0.05 g) を無色アモルファス固体として、8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[f]フタラジン−4(3H)−オン(0.07 g) を無色結晶として得た。
8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2,3−ジヒドロベンゾ[f]フタラジン−4(1H)−オン
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.79 (3H, d, J= 6.6 Hz), 1.02 (3H, d, J= 6.6 Hz), 2.72 (1H, septet, J=6.6 Hz), 4.56 (2H, s), 7.07 (1H, s), 7.55-7.74 (5H, m), 8.06 (1H, s).
IR (KBr): 3194, 1682, 825, 743 cm-1.
8−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[f]フタラジン−4(3H)−オン
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ : 0.81 (3H, d, J= 6.6 Hz), 1.04 (3H, d, J= 6.6 Hz), 2.78 (1H, septet, J=6.6 Hz), 7.07 (1H, s), 7.58 (1H, s), 7.92 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.10 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.21 (1H, s), 8.23 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.43 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.92 (1H, s).
IR (KBr): 3177, 1659 cm-1.
【0216】
実施例10
6−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[f]イソインドール−1−オンの製造
【0217】
【化74】
【0218】
3−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(5.00 g)と飽和アンモニアメタノール溶液(30 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (1.46 g) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.80 (3H, d, J=7.0Hz), 1.02 (3H, d, J=7.0 Hz), 2.76 (1H, septet, J=7.0 Hz), 4.56 (2H, s), 7.03 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.53 (1H, d, J=1.2 Hz), 7.65 (1H, dd, J= 8.4, 1.6 Hz), 7.90-7.96 (2H, m), 8.13 (1H, s), 8.31 (1H, s).
IR (KBr): 3208, 1671 cm-1.
【0219】
実施例11
6−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[f]イソインドール−1−オンの製造
【0220】
【化75】
【0221】
3−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.99 g)と40%メチルアミンメタノール溶液(8 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、表題化合物 (0.11 g) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.81 (3H, d, J=6.6 Hz), 1.02 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.70-2.90 (1H, m), 3.27 (3H, s), 4.59 (2H, s), 7.04 (1H, s), 7.54 (1H, s), 7.65-7.73 (1H, m), 7.92-7.96 (2H, m), 8.14 (1H, s), 8.27 (1H, s).
IR (KBr): 3167, 1663, 1400, 1150, 810, 625 cm-1.
【0222】
実施例12
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−3,4−ジヒドロベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オン および 7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オンの製造
【0223】
【化76】
【0224】
3−ブロモメチル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−ナフトエ酸メチル(0.95 g)とヒドラジン一水和物(0.50 ml)を用いて実施例1と同様の閉環反応、脱トリチル化反応および精製処理を行い、7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−3,4−ジヒドロベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オン(0.05 g) を無色アモルファス固体として、7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オン(5 mg) を無色アモルファス固体として得た。
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−3,4−ジヒドロベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オン
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.78 (3H, d, J= 6.6 Hz), 1.01 (3H, d, J=6.6 Hz), 2.70 (1H, septet, J=6.6 Hz), 4.39 (1H, d, J= 17.4 Hz), 4.40 (1H, d, J= 17.4 Hz), 7.06 (1H, s), 7.53-7.58 (3H, m), 7.75 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.01 (2H, s).
IR (KBr): 3152, 1692, 1152, 808, 629 cm-1.
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]ベンゾ[g]フタラジン−1(2H)−オン
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ:0.81 (3H, d, J= 7.0 Hz), 1.04 (3H, d, J= 7.0 Hz), 2.77 (1H, septet, J=7.0 Hz), 7.08 (1H, s), 7.57 (1H, s), 7.77 (1H, d, J= 8.8 Hz), 7.99 (1H, d, J= 8.8 Hz), 8.17 (1H, s), 8.22 (1H, s), 8.29 (1H, s), 8.80 (1H, s).
【0225】
実施例13
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0226】
【化77】
【0227】
2−メチル−7−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン (1.07 g) をTHF (22 mL) に溶解して0℃に冷却し、メチルマグネシウムブロミドの THF溶液 (1.0 M:3.0 mL) を滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、メチルマグネシウムブロミドの THF溶液 (1.0 M:3.0 mL) を追加してさらに室温で30分間攪拌した後、20%塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール=100:1→40:1)で精製して、7−[1−ヒドロキシ−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(1.00 g)のアモルファス固体を得た。このアモルファス固体を90%ぎ酸 (9 mL) およびTHF(9 mL)に溶解して、60℃で2時間加熱攪拌した。反応混合物を濃縮後、残留物を飽和重曹水で中和し、食塩を添加して塩析下に酢酸エチル−THF(1:1)混液で3回抽出した。合わせた抽出層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物を酢酸エチルに懸濁して濾取した後、エタノール−水から再結晶して表題化合物 (0.20 g) を淡褐色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ : 1.97 (3H, s), 3.30 (3H, s), 4.75 (2H, s), 6.94 (1H, d, J= 1.0 Hz), 7.58 (1H, d, J= 1.0 Hz), 7.69 (1H, dd, J= 8.8, 1.8 Hz), 7.77-7.93 (3H, m), 8.06 (1H, d, J= 1.8 Hz).
IR (KBr) : 3180, 1671, 822, 743 cm-1.
【0228】
実施例14
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−3−メチルブチル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0229】
【化78】
【0230】
2−メチル−7−[(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)カルボニル]−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン (1.07 g)とイソブチルマグネシウムブロミドを用いて、実施例13と同様の反応と精製処理を行った。ついで同様に90%ぎ酸を用いた反応を行い、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール=40:1→10:1)で精製して、表題化合物 (0.19 g) を淡褐色アモルファス固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.76 (3H, d, J= 6.6 Hz), 0.95 (3H, d, J= 6.6 Hz), 1.70-1.90 (1H, m), 2.24 (2H, d, J= 5.8 Hz), 3.26 (3H, s), 4.61 (2H, s), 6.97 (1H, s), 7.60-7.79 (5H, m), 8.07 (1H, s).
IR (KBr) : 1674, 731 cm-1.
【0231】
実施例15
7−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0232】
【化79】
【0233】
1−ホルミル−6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−2−ナフタミド (35.0 g)およびメチルアミンのTHF溶液(2 M : 79 mL)をジクロロメタン(350 mL)に溶解させた後、酢酸(6.0 mL)を滴下して溶液のpHを6‐7に調整した。本溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(33.5 g)を加え、室温にて14時間撹拌した。飽和重曹水を加え30分間撹拌した後ジクロロメタンで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し減圧下溶媒を留去した。残さにトルエンを加えて減圧下濃縮し6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−1−(メチルアミノメチル)−2−ナフタミドを含む混合物を無色固体して得た。
ジイソピロピルアミン(25.8 mL)のTHF溶液(500 mL)に−70 ℃にてブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M :115 mL)を滴下した。同温で10分間撹拌後、6−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−N,N−ジイソプロピル−1−(メチルアミノメチル)−2−ナフタミドを含む混合物を溶解させたTHF溶液(150 mL)を滴下した。滴下終了後、反応溶液を−10 ℃までゆっくりと昇温させ、−50℃まで冷却した後、水を加えて反応を停止した。有機層を分離後、水層を酢酸エチルで抽出、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し減圧下溶媒を留去した。残留物をイソプロピルエーテルで洗浄し無色粉末の表題化合物(28.8 g)を得た。
【0234】
実施例16
(−)−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0235】
【化80】
【0236】
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンを光学異性体分離カラム(キラルパック AD:ダイセル化学工業製)を用いるクロマトグラフィー(溶出液:へキサン−エタノール=4:6)に付した。第1溶出分として(−)−7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンが得られた。
光学純度 >99%ee (キラルパックAD)
[α]D 25 −31.2 °(C=0.25, メタノール)
【0237】
実施例17
7−[1−(1−アリルオキシカルボニル−1H−イミダゾール−4−イル) −1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0238】
【化81】
【0239】
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル) −2−メチルプロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(13.8 g) をDMF(400 ml)に懸濁し、85℃に加熱して均一溶液とした。この溶液を氷浴で冷却し、トリエチルアミン(8.6 ml)を加えた。ついでアリルオキシカルボニルクロリド(5.2 ml)をゆっくりと加え、反応液を室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を水で希釈して、酢酸エチルで二回抽出した。抽出層を合わせて水で三回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:ジクロロメタン−メタノール=100:1〜40:1)で精製して、表題化合物 (15.9 g) を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ : 0.80 (3H, d, J= 6.6 Hz), 1.01 (3H, d, J= 6.6 Hz), 2.81 (1H, septet, J= 6.6 Hz), 3.26 (3H, s), 3.41 (1H, s), 4.65 (2H, s), 4.86 (2H, d, J= 6.2 Hz),5.37 (1H, d, J= 10.2 Hz), 5.44 (1H, d, J= 16.8 Hz), 5.89-6.09 (1H, m), 7.46 (1H, s), 7.75-7.89 (4H, m), 8.09 (1H, s), 8.20 (1H, s).
IR (KBr) : 1761, 1682, 1400, 1265, 1013 cm-1.
【0240】
実施例18
7−[1−ヒドロキシ−2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0241】
【化82】
【0242】
7−ブロモ−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(0.14 g)をTHF(6 mL)に懸濁し、加熱して溶解させた。この溶液を-70 ℃に冷却し、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6 M : 0.75 mL)をゆっくりと滴下し1 時間撹拌した後、2−メチル−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノン (0.16 g)のTHF溶液(1 mL)を滴下した。-70 ℃で30分間撹拌後、20%塩化アンモニウム水を加え反応を停止させた。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(担体:シリカゲル, 展開溶媒:へキサン−酢酸エチル, 1:1〜酢酸エチル)で精製して、表題化合物(0.13 g)を無色結晶として得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.74 (3H, d, J= 6.6 Hz), 0.97 (3H, d, J= 6.6 Hz), 2.56 (1H, septet, J= 6.6 Hz), 3.29 (3H, s), 3.69 (1H, br), 4.68 (2H, s), 6.83 (1H, d, J= 1.4 Hz), 7.10-7.36 (16H, m), 7.76 (2H, s), 7.83 (2H, s), 8.11 (1H, s).
IR (KBr): 3409, 1680, 704 cm-1.
【0243】
実施例19
7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
(i)7−[1−ヒドロキシ−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0244】
【化83】
【0245】
7−ブロモ−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(0.14 g)と1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)−1−プロパノン (0.17 g)を用いて実施例18と同様の反応を行ない、表題化合物(0.10g)を得た。
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.84 (3H, t, J=7.2 Hz), 2.10-2.30 (2H, m), 3.26 (3H, s), 4.03 (1H, brs), 4.60 (2H, s), 6.83 (1H, s), 7.14-7.42 (16H, m), 7.56-7.81 (4H, m), 8.00 (1H, s).
IR (KBr): 3350, 1682, 747, 702 cm-1.
(ii)7−[1−ヒドロキシ−1−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オンの製造
【0246】
【化84】
【0247】
7−[1−ヒドロキシ−1−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)プロピル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−3H−ベンゾ[e]イソインドール−3−オン(100 mg)を90%ぎ酸(1 mL)およびTHF(1 mL)に溶解して60℃で30分間加熱攪拌した。反応液を濃縮後、残留物に飽和重曹水を加え、酢酸エチル−THF(1:1)混液で抽出した。乾燥後、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。表題化合物(48 mg)を無色粉末として得た。
1H-NMR (CDCl3+CD3OD) δ: 0.87 (3H, t, J=7.2 Hz), 2.16-2.44 (2H, m), 3.19 (3H, s), 4.50 (2H, s), 6.96 (1H, s), 7.52-7.72 (5H, m), 7.97 (1H, s).
IR (KBr): 3200, 1674, 826, 747 cm-1.
【0248】
試験例1
ラットステロイドC17,20リアーゼ阻害活性の測定
ザ・プロステート(The Prostate),Vol. 26, 140-150(1995)に準じて行った。
【0249】
10−13週齢雄性SDラットより精巣を摘出し、精巣をホモゲナイズした後、遠心分離によりミクロゾームを調製した。最終濃度10nMの[1.2−3H]−17α−ヒドロキシプロゲステロン、NADPH溶液、および試験化合物を pH7.4の100 mMリン酸緩衝液10 μlに溶かし、7μg/10μl のミクロゾームタンパク質を加えて、37℃で7分インキュベートした。酢酸エチル40 μlを加えて遠心し、上清中の基質および生成物(アンドロステンジオンおよびテストステロン)をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(TLC)で分離した。スポットの検出および定量をBAS 2000バイオイメージアナライザーで行った。試験化合物を加えていない時(対照)の生成物の量を100%として、対照に対し生成物の量を50%抑制させるのに必要な化合物濃度(IC50値)を算出した。これらを表1に示す。
【0250】
【表1】
【0251】
試験例2
ラット生体内でのテストステロン合成阻害活性の測定
9週齢の雄のSD(Sprague Dawley)ラットに試験化合物(25 mg/kg)を経口投与した。化合物投与から2時間後に採血を行い、得られた血清中のテストステロン濃度を放射免疫測定法で測定した。対照群のテストステロン濃度に対する試験薬物投与群のテストステロン濃度の割合(T/C, %)を算出してテストステロン合成阻害活性を求めた。結果を(表2)に示す。
【0252】
【表2】
【0253】
試験例3
ヒトCYP3A4阻害活性の測定
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、256巻、11937ページ(1983年)に準じて以下のように行った。
【0254】
テストステロン(最終濃度が100 μM、以下同様)、ヒトCYP3A4(10 pmol/ml、GENTEST社製)、NADPH産生系(0.5 mM NADP、5 mM グルコース-6-リン酸、5 mM 塩化マグネシウム、1.5 units/ml グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)および試験化合物を含むリン酸緩衝液(50 mM, pH7.4)を37℃で30分間インキュベートした。反応液にアセトニトリルを加えて撹拌したのち遠心し、得られた上清中に含まれる6β-ヒドロキシテストステロンを高速液体クロマトグラグラフィーで分析した。試験化合物を加えていない時に生成した量を100%として、50%に抑制するために必要な化合物濃度(IC50値)を算出した。結果を(表3)に示す。
【0255】
【表3】
【0256】
製剤例1
カプセル剤
(1)実施例2で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg
上記(1)、(2)及び(3)の全量と5mgの(4)を混和した後、顆粒化し、これに残りの(4)を5mg加えて、全体をゼラチンカプセルに封入した。
製剤例2
錠剤
(1)実施例1で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 230mg
上記(1)、(2)及び(3)の全量と20mgの(4)及び2.5mgの(5)を混和した後、顆粒化し、この顆粒に残りの(4)を10mgおよび(5)を2.5mg加えて加圧成型し、錠剤とした。
【0257】
【発明の効果】
本発明の化合物又はその塩はステロイドC17,20リアーゼ阻害活性を有し哺乳動物に対して、例えば性ステロイドおよびそれらの代謝物で影響を受ける悪性腫瘍の原発癌、転移または再発、それらの癌に伴う諸症状、前立腺肥大症、男性化症、多毛症、男性型禿頭症、男児性早熟症、子宮内膜症、子宮筋腫、乳腺症、多曩胞性卵巣症候群などのような各種疾病の治療および予防に有用である。
Claims (10)
- 式:
- A環およびB環が前記式(IIa)または(IId)で表される基である請求項1記載の化合物。
- 式:
- 式:
- 式:
- ステロイドC17,20リアーゼ阻害剤である請求項5記載の組成物。
- 抗腫瘍剤である請求項5記載の組成物。
- 乳癌または前立腺癌の予防・治療剤である請求項5記載の組成物。
- 式:
- Rが水素原子、R 1 がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、A環およびB環が前記式(IIa)または(IId)で表わされる基、R 2 が水素原子、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピルである、請求項1記載の化合物。
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