JP4120779B2 - 加速度角速度検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に変位可能に支持された第1および第2振動子を用いて、基板に作用する加速度および角速度を同時に検出する加速度角速度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば特開平10−318755号公報に示されているように、第1および第2振動片をU字型に連結した音叉型振動子を用いて、加速度および角速度を同時に検出する加速度角速度検出装置は知られている。この装置においては、第1および第2振動片の対向する方向の各外側面に励振用の圧電素子をそれぞれ添着して、これらの圧電素子により、第1および第2振動片を対向する方向であって互いに反対向きに振動させる。また、第1および第2振動片の各上面に検出用の第1および第2の圧電素子をそれぞれ添着しておき、これらの検出用の第1および第2圧電素子によって検出された第1および第2振動片の上下方向の変位を第1および第2チャージアンプを介して取り出す。
【0003】
そして、これらの第1および第2チャージアンプの各出力の和を計算することにより、第1および第2振動片の軸線方向回りに作用する角速度を打ち消して、第1および第2振動片の上下方向に作用する加速度を算出するようにしている。また、これと同時に、これらの第1および第2チャージアンプの各出力の差を計算することにより、第1および第2振動片の上下同一方向に作用する加速度を打ち消して、第1および第2振動片の軸線方向回りに作用する角速度を算出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置では、第1および第2振動片の各振動を表す信号を取り出すために2つのチャージアンプを必要とするので、構成が複雑になるという問題がある。また、第1および第2振動片の各振動を表す信号はそれぞれ独立したチャージアンプを介して取り出されるので、各取り出された信号は各チャージアンプによるノイズ成分をそれぞれ含んでおり、最終的に計算される加速度および角速度には、前記各ノイズ成分による誤差が重畳されて、加速度および角速度の検出精度が悪化するという問題もある。
【0005】
【発明の概略】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その第1の目的は、簡単な構成で加速度および角速度を同時に検出する加速度角速度検出装置を提供することにある。また、第2の目的は、加速度および角速度の検出精度を良好にした加速度角速度検出装置を提供することにある。
【0006】
上記第1の目的を達成するために本発明の構成上の特徴は、基板上に支持されて互いに直交するXY軸方向に変位可能な第1および第2振動子と、基板上に設けられて第1及び第2振動子をX軸方向であって互いに反対向きに振動させる駆動部と、基板上に設けられるとともに直列に接続されて第1振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第1および第2容量素子と、基板上に設けられるとともに直列に接続されて第2振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第3および第4容量素子とを備え、第1および第2振動子のY軸方向への変位に伴う第1ないし第4容量素子の容量変化により、基板に作用するY軸方向の加速度と、基板に作用するXおよびY軸方向に直交したZ軸回りの角速度とを検出する加速度角速度検出装置において、直列接続された第1および第2容量素子の中点と直列接続された第3および第4容量素子の中点とに共通に接続されて両中点の電圧を取り出す単一のチャージアンプと、チャージアンプの出力に並列に接続された第1ないし第4サンプルホールド回路と、第1ないし第4サンプルホールド回路に対して時間軸上のそれぞれ異なる第1ないし第4時分割タイミングで第1ないし第4時分割タイミング信号を出力し、同第1ないし第4サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するサンプリングタイミング制御回路と、第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転し、かつ第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転しない第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転せず、かつ第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転する第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する電圧印加回路と、第1ないし第4サンプルホールド回路の出力電圧を演算して加速度および角速度を表す信号をそれぞれ出力する演算回路とを設けたことにある。
【0007】
この場合、前記演算回路は、例えば、第1および第2サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差電圧と、第3および第4サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差電圧との和を計算して加速度を表す信号を出力する加算器と、第1および第2サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差電圧と、第3および第4サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差電圧との差を計算して角速度を表す信号を出力する減算器とで構成される。
【0008】
このように構成した本発明の特徴においては、第1および第2時分割タイミングでは、電圧印加回路は、極性が反転する第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、極性が反転しない第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する。サンプリングタイミング制御回路は第1および第2時分割タイミング信号によって第1および第2サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するので、単一のチャージアンプを介して第1および第2サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は、第2振動子のY軸方向の変位から独立して、第1振動子のY軸方向の変位のみを表すことになる。また、第3および第4時分割タイミングでは、電圧印加回路は、極性が反転しない第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、極性が反転する第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する。サンプリングタイミング制御回路は第3および第3時分割タイミング信号によって第3および第4サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するので、単一のチャージアンプを介して第3および第4サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は、第1振動子のY軸方向の変位から独立して、第2振動子のY軸方向の変位のみを表すことになる。
【0009】
一方、基板に作用するY軸方向の加速度に対しては、第1および第2振動子はY軸方向における同じ向きに変位する。また、基板に作用するZ軸線回りの角速度に対しては、第1および第2振動子が駆動部によってX軸方向における反対向きに変位しているので、第1および第2振動子はY軸方向において互いに反対向きに変位する。したがって、演算回路による第1ないし第4サンプルホールド回路の出力電圧の演算により、基板に作用する加速度および角速度が同時に検出できる。そして、この本発明の特徴によれば、チャージアンプを一つしか用いていないので、加速度および角速度を同時に検出する加速度角速度検出装置が簡単な構成で実現できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記電圧印加回路を、第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転し、かつ第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転する第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、第1時分割タイミングおよび第2時分割タイミングで第1電圧信号と同相となり、かつ第3時分割タイミングおよび第4時分割タイミングで第1電圧信号と逆相となる第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する電圧印加回路で置換したことにある。
【0011】
この場合、前記演算回路は、例えば、第1および第2サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差を計算して加速度を表す信号を出力する第1減算器と、第3および第4サンプルホールド回路でサンプルホールドされる両電圧の差を計算して角速度を表す信号を出力する第2減算器とで構成される。
【0012】
このように構成した本発明の他の特徴においては、第1および第2時分割タイミングでは、電圧印加回路は、極性が反転する第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、第1電圧信号と同相の第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する。サンプリングタイミング制御回路は第1および第2時分割タイミング信号によって第1および第2サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するので、単一のチャージアンプを介して第1および第2サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は、第1および第2振動子のY軸方向における反対向きの変位を互いに打ち消しあって、第1および第2振動子のY軸方向における同じ向きの変位のみを表すことになる。また、第3および第4時分割タイミングでは、電圧印加回路は、極性が反転する第1電圧信号を第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、第1電圧信号と逆相の第2電圧信号を第3および第4容量素子の両端に印加する。サンプリングタイミング制御回路は第3および第3時分割タイミング信号によって第3および第4サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するので、単一のチャージアンプを介して第3および第4サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は、第1および第2振動子のY軸方向における同じ向きの変位を互いに打ち消しあって、第1および第2振動子のY軸方向における反対向きの変位のみを表すことになる。
【0013】
前述のように、基板に作用するY軸方向の加速度に対しては、第1および第2振動子はY軸方向における同じ向きに変位するので、第1および第2サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は前記加速度を表す。また、基板に作用するZ軸線回りの角速度に対しては、第1および第2振動子はY軸方向において互いに反対向きに変位するので、第3および第4サンプルホールド回路にサンプルホールドされる両電圧の差電圧は前記角速度を表す。したがって、演算回路による第1ないし第4サンプルホールド回路の出力電圧の演算により、基板に作用する加速度および角速度が同時に検出できる。
【0014】
その結果、この本発明の他の特徴によれば、前記本発明の特徴と同様に、チャージアンプを一つしか用いていないので、加速度および角速度を同時に検出する加速度角速度検出装置が簡単な構成で実現できる。また、この本発明の他の特徴によれば、チャージアンプを介して第1および第2サンプルホールド回路に供給される電圧信号は、チャージアンプの入力前において第1および第2振動子のY軸方向における反対向きの変位を表す信号を既に打ち消して、同Y軸方向における同じ向きの変位のみを表すものである。また、チャージアンプを介して第3および第4サンプルホールド回路にサンプリングホールドされる電圧信号は、第1および第2振動子のY軸方向における同じ向きの変位を表す信号を既に打ち消して、同Y軸方向における反対向きの変位のみを表すものである。したがって、第1および第2振動子の変位をそれぞれ独立して表す信号をチャージアンプを介して取得し、その後に第1および第2振動子の変位を用いて第1および第2振動子のY軸方向における同じ向きの変位(加速度)および反対向きの変位(角速度)を表す信号を計算するものに比べて、チャージアンプによるノイズ成分の影響を小さく抑えることができ、最終的に計算される加速度および角速度の検出精度が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、同第1実施形態に係る加速度角速度検出装置を概略的に示している。
【0016】
この加速度角速度検出装置は、半導体で構成した検出素子を備えている。この検出素子の各機能を果たす各部の具体的構成を説明する前に、同検出素子の全体構成について製造方法をまじえて簡単に説明しておく。まず、単結晶シリコン層の上面上にシリコン酸化膜(例えば、膜厚4.5μm)を介して単結晶シリコン層(例えば、膜厚40μm)を設けたSOI(Silicon−On−Insulator)基板を用意し、単結晶シリコン層にリン、ボロン等の不純物をドーピングして単結晶シリコン層の上表面部を低抵抗化すなわち導電帯層とする。そして、最下層の単結晶シリコン層を基板10とし、反応性エッチングなどにより中間層であるシリコン酸化膜(絶縁層)及び最上層である導電帯層を除去するとともに、フッ酸水溶液などを用いたエッチングにより最上層である導電帯層を残してシリコン酸化膜(絶縁層)のみを除去することにより、同基板10上に各種機能部品を形成する。
【0017】
図1において、前者の絶縁層(中間層)及び導電帯層(最上層)の両方を除去した部分を白色のままで示し、後者の絶縁層(中間層)のみを除去した部分を点模様で示す。この点模様の部分を、以下の説明では、基板10から浮いた部分として説明する。また、絶縁層(中間層)及び導電帯層(最上層)の両方を基板10上に残した部分を網模様で示し、以下、この網模様の部分を基板10に固着した部分として説明する。
【0018】
基板10は、X軸方向に平行に延設された2辺及びY軸方向に平行に延設された2辺を有する方形状に形成されている。基板10上には、一対の振動子20−1,20−2が同基板10から浮かせてX軸方向対称位置に配置されている。振動子20−1のY軸方向両外側には、長尺かつ幅広のメインフレーム30−1,30−2が基板10から浮かせてX軸方向に延設して配置されている。振動子20−2のY軸方向両外側にも、長尺かつ幅広のメインフレーム30−3,30−4が基板10から浮かせてX軸方向に延設して配置されている。
【0019】
振動子20−1は、そのY軸方向両端にてX軸方向外側にそれぞれ一体的に延設された長尺かつ幅広のアーム部21a,21bを有している。アーム部21a,21bは、そのX軸方向両端にて、各一対の長尺かつ幅狭の検出用梁31a,31bを介してメインフレーム30−1,30−2のX軸方向両端にそれぞれ接続されていて、検出用梁31a,31bは、振動子20−1をメインフレーム30−1,30−2に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。検出用梁31a,31bは、アーム部21a,21b及びメインフレーム30−1,30−2と一体的に基板10から浮かせて形成され、X軸方向に延設されている。
【0020】
振動子20−2も前記アーム部21a,21bと同様なアーム部21c,21dを有し、同アーム部21c,21dは前記検出用梁31a,31bと同様な検出用梁31c,31dを介してメインフレーム30−3,30−4のX軸方向両端にそれぞれ接続されている。そして、これらの検出用梁31c,31dも、振動子20−2をメインフレーム30−3,30−4に対してX軸方向に変位し難くかつY軸方向に変位し易く支持している。
【0021】
メインフレーム30−1のY軸方向外側には、長尺かつ幅広のサブフレーム32−1が基板10から浮かせてX軸方向に延設されている。サブフレーム32−1は、複数の長尺かつ幅狭の駆動用梁33aを介してメインフレーム30−1に接続され、複数の長尺かつ幅狭の駆動用梁34aを介して基板10に固着された複数のアンカ35aにそれぞれ接続されている。駆動用梁33a,34aは、メインフレーム30−1及びサブフレーム32−1と一体的に基板10から浮かせて形成されてY軸方向に延設されており、メインフレーム30−1を基板10に対してX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持している。
【0022】
各メインフレーム30−2,30−3,30−4のY軸方向外側にも、前記メインフレーム30−1の場合と同様に、サブフレーム32−2,32−3,32−4がそれぞれ設けられている。そして、各メインフレーム30−2,30−3,30−4も、各複数の駆動用梁33b〜33d、サブフレーム32−2,32−3,32−4、各複数の駆動用梁34b〜34d及び各複数のアンカ35b〜35dを介してそれぞれ基板10にX軸方向に変位し易くかつY軸方向に変位し難く支持されている。
【0023】
また、メインフレーム30−1とメインフレーム30−3は、各複数の長尺かつ幅狭のリンク梁41a,41c及び長尺かつ幅広のリンク42aを介して連結されている。リンク梁41a,41cは、メインフレーム30−1,30−3と一体的に基板10から浮かせて形成され、各一端にてメインフレーム30−1,30−3にそれぞれ接続されるとともにY軸方向に延設されて、各他端にてリンク42aにそれぞれ接続されている。リンク42aも、メインフレーム30−1,30−3と一体的に基板10から浮かせて形成され、X軸方向に延設されている。
【0024】
メインフレーム30−2とメインフレーム30−4も、前記メインフレーム30−1,30−3の場合と同様に、各複数の長尺かつ幅狭のリンク梁41b,41d及び長尺かつ幅広のリンク42bを介して連結されている。
【0025】
リンク42a,42bは、各一端にて、各複数の長尺かつ幅狭のサブリンク梁43a,43b及び長尺かつ幅広のサブリンク44aを介して連結されている。サブリンク梁43a,43bは、リンク42a,42bと一体的に基板10から浮かせて形成され、各一端にてリンク42a,42bにそれぞれ接続されるとともにX軸方向に延設されて、各他端にてサブリンク44aにそれぞれ接続されている。サブリンク44aも、リンク42a,42bと一体的に基板10から浮かせて形成され、Y軸方向に延設されている。また、これらのリンク42a,42bは、各他端にて、前記一端の場合と同様な各複数の長尺かつ幅狭のサブリンク梁43c,43d及び長尺かつ幅広のサブリンク44bを介して連結されている。
【0026】
また、基板10上には、メインフレーム30−1〜30−4を基板10に対してX軸方向に駆動するための駆動電極部51−1〜51−4と、振動子20−1,20−2の基板10に対するY軸方向の振動を検出するための検出電極部52−1〜52−4とが設けられている。
【0027】
駆動電極部51−1,51−2は、メインフレーム30−1,30−2のX軸方向外側端部にて一体的にY軸方向外側に基板10から浮かせて延設した突出部36a,36bのX軸方向外側にそれぞれ設けられている。これらの駆動電極部51−1,51−2は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指51a1、51a2と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指51b1,51b2とによりそれぞれ構成されている。
【0028】
各可動電極指51a1、51a2は、基板10から浮かせて突出部36a,36bからX軸方向外側に一体的に延設形成され、各固定電極指51b1,51b2間のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定電極指51b1,51b2に対向している。各固定電極指51b1,51b2は、基板10上に一体的に固着した配線部51c1,51c2を介して同基板10上に一体的に固着したパッド部51d1,51d2に接続されている。パッド部51d1,51d2の上面には、導電金属(例えば、アルミニウム)で形成された電極パッド51e1,51e2がそれぞれ設けられている。
【0029】
駆動電極部51−3,51−4は、メインフレーム30−3,30−4のX軸方向外側端部にて一体的にY軸方向外側に基板10から浮かせて延設した突出部36c,36dのX軸方向内側にそれぞれ設けられている。これらの駆動電極部51−3,51−4は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指51a3,51a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指51b3,51b4とによりそれぞれ構成されている。
【0030】
各可動電極指51a3、51a4は、基板10から浮かせて突出部36c,36dからX軸方向内側に一体的に延設形成され、各固定電極指51b3,51b4のY軸方向各中央位置に侵入して各隣合う固定電極指51b3,51b4に対向している。各固定電極指51b3,51b4は、基板10上に一体的に固着した配線部51c3,51c4を介して同基板10上に一体的に固着したパッド部51d3,51d4に接続されている。パッド部51d3,51d4の上面には、導電金属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド51e3,51e4がそれぞれ設けられている。
【0031】
検出電極部52−1〜52−4は、アーム部21a〜21dのY軸方向各内側にそれぞれ設けられている。これらの検出電極部52−1〜52−4は、X軸方向に延設された櫛歯状の可動電極指52a1〜52a4と、X軸方向に延設された櫛歯状の固定電極指52b1〜52b4とによりそれぞれ構成されている。
【0032】
各可動電極指52a1〜52a4は、アーム部21a〜21dのY軸方向各内側に一体的に基板10から浮かせて延設させた複数の突出部から、基板10に対して浮かせてX軸方向に一体的に延設形成されている。これらの各可動電極指52a1〜52a4は、各固定電極指52b1〜52b4間に侵入して各隣合う固定電極指52b1〜52b4に対向しているが、各固定電極指52b1〜52b4間のY軸方向各中央位置よりもY軸方向外側に変位させて設けられている。各固定電極指52b1〜52b4は、基板10上に一体的に固着した配線部52c1〜52c4を介して同基板10上に一体的に固着したパッド部52d1〜52d4に接続されている。パッド部52d1〜52d4の上面には、導電金属(例えば、アルミニウム)で形成された電極パッド52e1〜52e4がそれぞれ設けられている。
【0033】
さらに、基板10上には、振動子20−1,20−2及びメインフレーム30−1〜30−4に、駆動用梁33b,34b、サブフレーム32−2、検出用梁31a〜31d、リンク梁41a〜41d、リンク42a,42b、サブリンク梁43a〜43d、サブリンク44a,44b、配線部23aなどを介して接続されたパッド部23bが設けられている。配線部23a及びパッド部23bは、共に基板10の上面に固着されている。パッド部23bの上面には、導電金属(例えばアルミニウム)で形成された電極パッド23cが設けられている。
【0034】
次に、上記のように構成した検出素子を用いて加速度および角速度を検出するための電気回路装置について説明する。この電気回路装置は、図1に示すように、駆動信号発生器61、反転増幅器62および容量検出回路70からなる。駆動信号発生器61は、振動子20−1,20−2の共振周波数近傍の周波数を有する正弦波状の駆動振動を発生して、電極パッド51e1,51e2にそれぞれ供給する。反転増幅器62は、駆動信号発生器61に接続されて同駆動信号発生器61からの駆動信号を反転増幅して、電極パッド51e3,51e4にそれぞれ供給する。
【0035】
容量検出回路70は、電極パッド52e1〜52e4,23cに接続されている。この容量検出回路70は、図2に詳細に示すように、振動子20−1,20−2のY軸方向の変位を時分割で取り出すための時分割サンプリング回路を構成するもので、電極パッド52e1〜52e4には電圧印加回路71が接続され、電極パッド23cにはチャージアンプ72が接続されている。なお、基板10内のコンデンサ(容量素子)C1〜C4は、それぞれ振動子20−1,20−2のY軸方向の変位に伴って容量を変化させる図1の検出電極部52−1〜52−4を等価的に表している。
【0036】
電圧印加回路71は、電極パッド52e1,52e2間すなわちコンデンサC1,C2(検出電極部52−1,52−2)の両端間に第1電圧信号V1を付与するとともに、電極パッド52e3,52e4間すなわちコンデンサC3,C4(検出電極部52−3,52−4)の両端間に第2電圧信号V2を付与する。第1および第2電圧信号V1,V2は、共に振動子20−1,20−2の共振周波数よりも極めて高い周波数を有する。
【0037】
第1電圧信号V1は、図3(A)に示すように、電極パッド52e1,52e2にそれぞれ供給される互いに逆相の一対のパルス列信号V11,V12からなり、同一対のパルス列信号V11,V12は、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT2とでそれぞれ極性が反転し、かつ第3および第4時分割タイミングT3,T4では同一極性を維持する。第2電圧信号V2は、電極パッド52e3,52e4にそれぞれ供給される互いに逆相の一対のパルス列信号V21,V22からなり、同一対のパルス列信号V21,V22は、第1および第2時分割タイミングT1,T2では同一極性を維持し、かつ第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4とでそれぞれ極性が反転する。
【0038】
チャージアンプ72は、オペアンプ、抵抗およびコンデンサからなり、互いに共通に接続されたコンデンサC1,C2およびコンデンサC3,C4の両中点の電圧を取り出すもので、前記中点の電圧信号を反転して出力する。チャージアンプ72の出力には、互いに並列に接続されたサンプルホールド回路73〜76が接続されている。サンプルホールド回路73は、スイッチング回路73a、コンデンサ73bおよびオペアンプ73cからなる。スイッチング回路73aは、通常オフ状態に保たれており、サンプリングタイミング制御回路77からの第1時分割タイミング信号P1のハイレベル時にのみオン状態に切換えられてチャージアンプ72からの電圧信号を通過させる。コンデンサ73bおよびオペアンプ73cは、スイッチング回路73aを介して入力した電圧信号を次の時分割タイミングまでホールドする。他のサンプルホールド回路74,75,76も、それぞれスイッチング回路74a,75a,76a、コンデンサ74b,75b,76bおよびオペアンプ74c、75c、76cからなり、サンプリングタイミング制御回路77からの第2、第3および第4時分割タイミング信号P2,P3,P4によってそれぞれ制御されてサンプルホールド回路73と同様に機能する。
【0039】
サンプリングタイミング制御回路77は、電圧印加回路71と同期動作して、第1および第2電圧信号V1,V2に同期した第1〜第4時分割タイミング信号P1〜P4を発生する。これらの第1〜第4時分割タイミング信号P1〜P4は、図3(B)に示すように、第1〜第4時分割タイミングT1〜T4においてそれぞれハイレベルとなるパルス列信号である。
【0040】
サンプルホールド回路73,74の出力には演算器81が接続されているとともに、サンプルホールド回路75,76の出力には演算器82が接続されている。演算器81は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて減算器として機能するもので、サンプルホールド回路74の出力電圧からサンプルホールド回路73の出力電圧を減算して出力する。演算器82は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて減算器として機能するもので、サンプルホールド回路76の出力電圧からサンプルホールド回路75の出力電圧を減算して出力する。
【0041】
演算器81,82の出力には演算器83,84が接続されている。演算器83は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて加算器として機能するもので、演算器81,82の各出力電圧を加算して出力する。演算器84は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて減算器として機能するもので、演算器82の出力電圧から演算器81の出力電圧を減算して出力する。
【0042】
次に、上記のように構成した加速度角速度検出装置の動作を説明する。この加速度角速度検出装置においては、駆動信号発生器61からの駆動信号が電極パッド51e1,51e2を介して駆動電極部51−1,51−2に付与されるとともに、反転増幅器62によって反転された前記駆動信号とは逆相の駆動信号が電極パッド51e3,51e4を介して駆動電極部51−3,51−4に付与される。これらの駆動信号の供給により、メインフレーム30−1〜30−4はX軸方向に振動し始める。このメインフレーム30−1〜30−4の振動は検出用梁31a〜31dを介して振動子20−1,20−2にも伝達され、振動子20−1,20−2もX軸方向に振動する。
【0043】
この場合、駆動電極部51−1,51−2に付与される電圧信号の位相と、駆動電極部51−3,51−4に付与される電圧信号の位相とは互いに逆相であるので、メインフレーム30−1,30−2および振動子20−1と、メインフレーム30−3,30−4および振動子20−2とは、互いにX軸方向において反対向き(すなわち、逆相)に振動する。すなわち、メインフレーム30−1,30−2および振動子20−1が中立位置から図1の左方向(または右方向)に変位しているときには、メインフレーム30−3,30−4および振動子20−21〜30−4の中立位置から図1の右方向(または左方向)に変位する。
【0044】
この状態で、基板10に対してX軸及びY軸に直交するZ軸回りに角速度が作用すると、検出用梁31a〜31dの撓みを伴って、振動子20−1,20−2はコリオリ力によって前記角速度に比例した振幅でY軸方向に振動し始める。この場合、振動子20−1,20−2のX軸方向の振動は互い逆相であるので、前記コリオリ力による振動子20−1,20−2のY軸方向の振動も互いに逆相になる。すなわち、振動子20−1が中立位置から図1の上方に変位しているときには、振動子20−2は中立位置から図1の下方に変位する。逆に、振動子20−1が中立位置から図1の下方に変位しているときには、振動子20−2は中立位置から図1の上方に変位する。
【0045】
また、基板10に対してY軸方向に加速度が作用すると、検出用梁31a〜31dの撓みを伴って、振動子20−1,20−2は前記加速度に比例した大きさでY軸方向に変位する。この場合、加速度は振動子20−1,20−2に対してY軸方向における同一向きに作用することになるので、振動子20−1,20−2のY軸方向の変位方向は同じになる。そして、基板10に対してこの加速度と前記角速度が同時に作用していれば、振動子20−1,20−2は、前記加速度によるY軸方向の変位に前記角速度によるY軸方向の振動を重畳させて中立位置からY軸方向に変位することになる。
【0046】
このような振動子20−1,20−2のY軸方向への変位により検出電極部52−1〜52−4(コンデンサC1〜C4)の静電容量が前記変位に応じて変化する。この場合、振動子20−1,20−2が図1の上方に変位したときには、可動電極指52a1,52a3は固定電極指52b1,52b3に近づく方向にそれぞれ変位するので検出電極部52−1,52−3(コンデンサC1,C3)の静電容量はそれぞれ増加し、可動電極指52a2,52a4は固定電極指52b2,52b4から遠ざかる方向にそれぞれ変位するので検出電極部52−2,52−4(コンデンサC2,C4)の静電容量はそれぞれ減少する。逆に、振動子20−1.20−2が図1の下方に変位したときには、可動電極指52a1,52a3は固定電極指52b1,52b3から遠ざかる方向にそれぞれ変位するので検出電極部52−1,52−3(コンデンサC1,C3)の静電容量は減少し、可動電極指52a2,52a4は固定電極指52b2,52b4に近づく方向に変位するので検出電極部52−2,52−4(コンデンサC2,C4)の静電容量は増加する。
【0047】
一方、電圧印加回路71は、コンデンサC1,C2の両端に第1電圧信号V1を印加しているとともに、コンデンサC3,C4の両端に第2電圧信号V2を印加し続けている。また、サンプリングタイミング制御回路77は、サンプルホールド回路73〜76に第1〜第4時分割タイミング信号P1〜P4を出力している。そして、サンプルホールド回路73〜76は、チャージアンプ72からの出力電圧を第1〜第4時分割タイミングT1〜T4でそれぞれサンプルホールドする。
【0048】
この場合、第1電圧信号V1は、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT1とで、極性を反転させる。一方、第2電圧信号V2は、第1および第2時分割タイミングT1,T2の間、極性を同一に保つ。したがって、この第1および第2時分割タイミングT1,T2の時間帯においては、チャージアンプ72は、振動子20−2のY軸方向の変位から独立して、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT1との電圧差により振動子20−1のY軸方向の変位のみを表す一組の電圧信号(2つの電圧信号)を出力する。この一組の電圧信号は、第1および第2時分割タイミングT1,T2で、サンプルホールド回路73,74にサンプルホールドされる。そして、これらのサンプルホールドされた一組の電圧信号の差が演算器81により演算されるので、演算器81の出力電圧は、振動子20−2のY軸方向の変位とは独立して、振動子20−1のY軸方向の変位のみを表すことになる。
【0049】
また、第1電圧信号V1は、第3および第4時分割タイミングT3,T4の間、極性を同一に保つ。一方、第2電圧信号V2は、第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4とで、極性を反転させる。したがって、この第3および第4時分割タイミングT3,T4の時間帯においては、チャージアンプ72は、振動子20−1のY軸方向の変位から独立して、第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4との電圧差により振動子20−2のY軸方向の変位のみを表す一組の電圧信号(2つの電圧信号)を出力する。この一組の電圧信号は、第3および第4時分割タイミングT3,T4で、サンプルホールド回路75,76にサンプルホールドされる。そして、これらのサンプルホールドされた一組の電圧信号の差が演算器82により演算されるので、演算器82の出力電圧は、振動子20−1のY軸方向の変位とは独立して、振動子20−2のY軸方向の変位のみを表すことになる。
【0050】
また、第1および第2時分割タイミングT1,T2の時間帯においてコンデンサC1、C2に印加される第1電圧信号V1の極性の変化方向と、第3および第4時分割タイミングT3,T4の時間帯においてコンデンサC3、C4に印加される第2電圧信号V2の極性の変化方向とは同一であるので、前記演算器81,82から出力される振動子20−1,20−2のY軸方向の変位を表す信号は、それぞれY軸方向における変位の向きも一致させている。言いかえれば、振動子20−1,20−2の各基準位置から上方または下方の変位を表す電圧信号は、共に正負の符号において一致する。
【0051】
このようにして演算器81,82からそれぞれ出力された振動子20−1,20−2のY軸方向の変位を表す両電圧信号は、演算器83,84に供給される。そして、演算器83は、前記振動子20−1,20−2のY軸方向の変位を表す両電圧信号を加算して出力する。一方、演算器84は、前記振動子20−2のY軸方向の変位を表す電圧信号から前記振動子20−1のY軸方向の変位を表す電圧信号を減算して出力する。
【0052】
そして、前述のように、基板10に作用するY軸方向の加速度に対しては、振動子20−1,20−2はY軸方向おける同じ向きに変位する。また、基板10のZ軸線回りに作用する角速度に対しては、振動子20−1,20−2は、Y軸方向において互いに反対向きに変位する。したがって、演算器83の出力電圧は基板10に作用するY軸方向の加速度の大きさを表し、演算器84の出力電圧は基板10のZ軸線回りに作用する角速度の大きさを表すことになる。
【0053】
上記作動説明からも理解できるとおり、上記第1実施形態による加速度角速度検出装置によれば、基板10に作用する加速度および角速度が同時に検出される。そして、この加速度角速度検出装置は、単一のチャージアンプ72を有するのみであるので、その構成が簡単になる。
【0054】
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。この変形例は、図4に示すように、上記第1実施形態の演算器81,82,83を一つの演算器85で代用するとともに、上記第1実施形態の演算器81,82,84を一つの演算器85で代用したものである。他の構成については、上記第1実施形態と同じである。
【0055】
演算器85は、サンプルホールド回路74,76の出力電圧の和から、サンプルホールド回路73,75の出力電圧の和を減算して出力するものである。演算器86は、サンプルホールド回路73,76の出力電圧の和から、サンプルホールド回路74,75の出力電圧の和を減算して出力するものである。演算器85による演算は、上記第1実施形態における演算器81,82,83による演算と実質的に同じである。また、演算器85による演算は、上記第1実施形態における演算器81,82,84による演算と実質的に同じである。したがって、この変形例においても、上記第1実施形態と同様に、簡単な構成で加速度および角速度を同時に検出可能となる。
【0056】
b.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態においては、図5に示すように、サンプルホールド回路73,74の出力には演算器91が接続されているとともに、サンプルホールド回路75,76の出力には演算器92が接続されている。演算器91は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて減算器として機能するもので、サンプルホールド回路74の出力電圧からサンプルホールド回路73の出力電圧を減算して出力する。演算器92は、抵抗およびオペアンプとによって構成されて減算器として機能するもので、サンプルホールド回路76の出力電圧からサンプルホールド回路75の出力電圧を減算して出力する。
【0057】
また、この第2実施形態においては、電圧印加回路71は、図6に示すような第1電圧信号V1をコンデンサC1,C2の両端に印加するとともに、第2電圧信号V2をコンデンサC3,C4の両端に印加する。
【0058】
第1電圧信号V1は、互いに逆相の一対のパルス列信号V11,V12からなり、同一対のパルス列信号V11,V12は、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT2とでそれぞれ極性が反転するとともに、第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4とでもそれぞれ極性が反転する。また、第2電圧信号V2も、互いに逆相の一対のパルス列信号V21,V22からなり、同一対のパルス列信号V21,V22は、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT2とでそれぞれ極性が反転するとともに、第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4とでもそれぞれ極性が反転する。
【0059】
また、前記第1および第2電圧信号V2は、第1および第2時分割タイミングT1,T2で第1電圧信号V1と同相となり、かつ第3および第4時分割タイミングT3,T4で第1電圧信号V1と逆相となる。これは、この第2実施形態の特徴である。言いかえれば、第1および第2時分割タイミングT1,T2では、第1電圧信号V1を構成する一組のパルス列信号V11,V12の各位相(レベル変化)と、第2電圧信号V2を構成する一組のパルス列信号V21,V22の各位相(レベル変化)とがそれぞれ一致する。一方、第3および第4時分割タイミングT3,T4では、第1電圧信号V1を構成する一組のパルス列信号V11,V12の各位相(レベル変化)と、第2電圧信号V2を構成する一組のパルス列信号V21,V22の各位相(レベル変化)とがそれぞれ反対になる。他の構成は上記第1実施形態と同じである。
【0060】
このように構成した第2実施形態において、第1および第2時分割タイミングT1,T2では、電圧印加回路71により、極性が反転する第1電圧信号V1がコンデンサC1,C2の両端に印加されるとともに、第1電圧信号V1と同相の第2電圧信号V2がコンデンサC3,C4の両端に印加される。したがって、第1時分割タイミングT1と第2時分割タイミングT2とでチャージアンプ72から出力される一組の電圧信号は、その差により、振動子20−1,20−2のY軸方向における反対向きの変位を互いに打ち消しあって、振動子20−1,20−2のY軸方向における同じ向きの変位のみを表すことになる。そして、サンプルホールド回路73,74は、上記第1実施形態の場合と同様に、第1および第2時分割タイミングT1,T2にて、チャージアンプ72からの電圧信号をそれぞれサンプルホールドする。
【0061】
上記第1実施形態の場合に説明したように、振動子20−1,20−2のY軸方向における同じ向きの変位は、基板10に作用するY軸方向の加速度である。したがって、サンプルホールド回路73、74にそれぞれサンプルホールドされた各電圧信号の差は、基板10に作用するY軸方向の加速度の大きさを表すことになる。そして、演算器91が、前記サンプルホールドされた各電圧信号の差を演算して出力するので、同演算器91から前記加速度の大きさを表す出力電圧が取り出される。
【0062】
また、第3および第4時分割タイミングでは、電圧印加回路71により、極性が反転する第1電圧信号V1がコンデンサC1,C2の両端に印加されるとともに、第1電圧信号V1と逆相の第2電圧信号V2がコンデンサC3,C4の両端に印加される。したがって、第3時分割タイミングT3と第4時分割タイミングT4とでチャージアンプ72から出力される一組の電圧信号は、その差により、振動子20−1,20−2のY軸方向における同じ向きの変位を互いに打ち消しあって、振動子20−1,20−2のY軸方向における反対向きの変位のみを表すことになる。そして、サンプルホールド回路75,76は、上記第1実施形態の場合と同様に、第3および第4時分割タイミングT3,T4にて、チャージアンプ72からの電圧信号をそれぞれサンプルホールドする。
【0063】
上記第1実施形態の場合に説明したように、振動子20−1,20−2のY軸方向における反対向きの変位は、基板10に作用するZ軸回りの角速度である。したがって、サンプルホールド回路75、76にそれぞれサンプルホールドされた各電圧信号の差は、基板10に作用するZ軸回りの角速度の大きさを表すことになる。そして、演算器92が、前記サンプルホールドされた各電圧信号の差を演算して出力するので、同演算器92から前記加速度の大きさを表す出力電圧が取り出される。
【0064】
その結果、この第2実施形態によっても、上記第1実施形態の場合と同様に、単一のチャージアンプ72のみを用いるだけで、加速度および角速度を同時に検出できるので、加速度角速度検出装置が簡単な構成で実現される。
【0065】
また、この第2実施形態によれば、チャージアンプ72を介してサンプルホールド回路73,74に供給される一組の電圧信号は、チャージアンプ72の入力前において振動子20−1,20−2のY軸方向における反対向きの変位を表す信号を既に打ち消して、同Y軸方向における同じ向きの変位のみを表すものである。また、チャージアンプ72を介してサンプルホールド回路75,76にサンプリングホールドされる一組の電圧信号は、振動子20−1,20−2のY軸方向における同じ向きの変位を表す信号を既に打ち消して、同Y軸方向における反対向きの変位のみを表すものである。したがって、振動子20−1,20−2の変位をそれぞれ独立して表す信号をチャージアンプ72を介して取得し、その後に振動子20−1,20−2の変位を用いて振動子20−1,20−2のY軸方向における同じ向きの変位(加速度)および反対向きの変位(角速度)を表す信号を計算するものに比べて、チャージアンプ72によるノイズ成分の影響を小さく抑えることができ、最終的に計算される加速度および角速度の検出精度が向上する。
【0066】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1および第2実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1および第2実施形態に係る加速度角速度検出装置の概略図である。
【図2】 図1の容量検出回路を詳細に示すブロック図である。
【図3】 (A)は図2の電圧印加回路から出力される電圧信号の波形図であり、(B)は図2のサンプリングタイミング制御回路から出力されるサンプリングタイミング制御信号の波形図である。
【図4】 第1実施形態の変形例に係る容量検出回路を詳細に示すブロック図である。
【図5】 第2実施形態に係る容量検出回路を詳細に示すブロック図である。
【図6】 図5の電圧印加回路から出力される電圧信号の波形図である。
【符号の説明】
10…基板、20−1,20−2…振動子、30−1〜30−4…メインフレーム、51−1〜51−4…駆動電極部、52−1〜52−4…検出電極部、61…駆動信号発生器、62…反転増幅器、70…容量検出回路、71…電圧印加回路、72…チャージアンプ、73〜76…サンプルホールド回路、77…サンプリングタイミング制御回路、81〜86,91,92…演算器。

Claims (2)

  1. 基板上に支持されて互いに直交するXY軸方向に変位可能な第1および第2振動子と、
    前記基板上に設けられて前記第1及び第2振動子をX軸方向であって互いに反対向きに振動させる駆動部と、
    前記基板上に設けられるとともに直列に接続されて前記第1振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第1および第2容量素子と、
    前記基板上に設けられるとともに直列に接続されて前記第2振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第3および第4容量素子とを備え、
    前記第1および第2振動子のY軸方向への変位に伴う前記第1ないし第4容量素子の容量変化により、前記基板に作用するY軸方向の加速度と、前記基板に作用するXおよびY軸方向に直交したZ軸回りの角速度とを検出する加速度角速度検出装置において、
    前記直列接続された第1および第2容量素子の中点と前記直列接続された第3および第4容量素子の中点とに共通に接続されて両中点の電圧を取り出す単一のチャージアンプと、
    前記チャージアンプの出力に並列に接続された第1ないし第4サンプルホールド回路と、
    前記第1ないし第4サンプルホールド回路に対して時間軸上のそれぞれ異なる第1ないし第4時分割タイミングで第1ないし第4時分割タイミング信号を出力し、同第1ないし第4サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するサンプリングタイミング制御回路と、
    前記第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転し、かつ前記第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転しない第1電圧信号を前記第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、前記第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転せず、かつ前記第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転する第2電圧信号を前記第3および第4容量素子の両端に印加する電圧印加回路と、
    前記第1ないし第4サンプルホールド回路の出力電圧を演算して前記加速度および前記角速度を表す信号をそれぞれ出力する演算回路とを設けたことを特徴とする加速度角速度検出装置。
  2. 基板上に支持されて互いに直交するXY軸方向に変位可能な第1および第2振動子と、
    前記基板上に設けられて前記第1及び第2振動子をX軸方向であって互いに反対向きに振動させる駆動部と、
    前記基板上に設けられるとともに直列に接続されて前記第1振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第1および第2容量素子と、
    前記基板上に設けられるとともに直列に接続されて前記第2振動子のY軸方向における基準位置から一方への変位に対して容量を互いに逆方向に増減させる第3および第4容量素子とを備え、
    前記第1および第2振動子のY軸方向への変位に伴う前記第1ないし第4容量素子の容量変化により、前記基板に作用するY軸方向の加速度と、前記基板に作用するXおよびY軸方向に直交したZ軸回りの角速度とを検出する加速度角速度検出装置において、
    前記直列接続された第1および第2容量素子の中点と前記直列接続された第3および第4容量素子の中点とに共通に接続されて両中点の電圧を取り出す単一のチャージアンプと、
    前記チャージアンプの出力に並列に接続された第1ないし第4サンプルホールド回路と、
    前記第1ないし第4サンプルホールド回路に対して時間軸上のそれぞれ異なる第1ないし第4時分割タイミングで第1ないし第4時分割タイミング信号を出力し、同第1ないし第4サンプルホールド回路のサンプリングタイミングを制御するサンプリングタイミング制御回路と、
    前記第1時分割タイミングと第2時分割タイミングとで極性が反転し、かつ前記第3時分割タイミングと第4時分割タイミングとで極性が反転する第1電圧信号を前記第1および第2容量素子の両端に印加するとともに、前記第1時分割タイミングおよび第2時分割タイミングで前記第1電圧信号と同相となり、かつ前記第3時分割タイミングおよび第4時分割タイミングで前記第1電圧信号と逆相となる第2電圧信号を前記第3および第4容量素子の両端に印加する電圧印加回路と、
    前記第1ないし第4サンプルホールド回路の出力電圧を演算して前記加速度および前記角速度を表す信号をそれぞれ出力する演算回路とを設けたことを特徴とする加速度角速度検出装置。
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