JP4119646B2 - セラミド類乳化物の製造法 - Google Patents
セラミド類乳化物の製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4119646B2 JP4119646B2 JP2001376413A JP2001376413A JP4119646B2 JP 4119646 B2 JP4119646 B2 JP 4119646B2 JP 2001376413 A JP2001376413 A JP 2001376413A JP 2001376413 A JP2001376413 A JP 2001376413A JP 4119646 B2 JP4119646 B2 JP 4119646B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- hydrogen atom
- carbon atoms
- branched
- linear
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミド乳化物の保存安定性に優れ、荒れ肌改善効果及び皮膚バリア性に優れ、安全性の高いセラミド類乳化物を界面活性剤を使用することなく製造することのできるセラミド乳化物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
角質細胞間脂質は、角質層の細胞間に見出され、層状構造を形成し角質細胞の接着や角質層の水和に寄与している物質である。その中に約50%をしめるセラミドは荒れ肌、乾燥肌、老化肌等水分が低下した肌への有効成分として注目されている。しかしながら、天然セラミドをはじめとするセラミド類は融点が非常に高く、多量の油剤や界面活性剤を使用し複雑な乳化でなければ、化粧料等の皮膚外用剤に安定に配合することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セラミド又はその構造類似体等のセラミド類を、安定に乳化できるセラミド類乳化物の製造法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、スフィンゴシン類を、スフィンゴシン類のアミド化合物であるセラミド類と混合する際に、特定の酸を加えてスフィンゴシン塩を形成させると、界面活性剤を使用しなくても保存性安定に優れたセラミド類の乳化物が得られることを見出した。
【0005】
本発明は、セラミド類をスフィンゴシン類と共に加熱溶解し、これに水の一部と無機酸又は炭素数5以下の有機酸を加えて乳化し、次いでこれを冷却する過程で残部の水を加えることを特徴とするセラミド類乳化物の製造法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミド類乳化物の製造法は、セラミド類を乳化する際に、スフィンゴシン類とその塩を形成する分子量200以下の酸性化合物を混合してスフィンゴシン類の塩を形成させることにある。ここで、セラミド乳化物を製造する工程としては、▲1▼スフィンゴシン類とセラミド類の予備混合物に、スフィンゴシン類との塩を形成する酸性化合物を加える、▲2▼スフィンゴシン類とその塩を形成する酸性化合物を混合して塩を形成させた後、セラミド類を加える、▲3▼スフィンゴシン類、その塩を形成する酸性化合物、及びセラミド類の3成分を同時に加える場合のいずれでもよい。また、▲4▼スフィンゴシン塩として単離された成分をセラミド類と混合してもよい。
【0007】
但し、乳化時にセラミド類、スフィンゴシン類とその塩を形成する分子量200以下の酸性化合物のいずれかが存在しない場合、乳化終了後に該不足の成分を加えても本発明の乳化物は得られない。
また、乳化物の製造は、スフィンゴシン類、セラミド類の両者がが乳化時に固体である場合は加熱溶融を行うか、又は油剤やアルコール等の溶剤によりスフィンゴシン類及びセラミド類を溶解して行い、乳化時にスフィンゴシン類、スフィンゴシン類の塩及びセラミド類のいずれもが液状であることが好ましい。
【0008】
本発明のセラミド類乳化物の製造法で使用するスフィンゴシン類は、一般式(1)
【0009】
【化3】
【0010】
(式中、R1はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Yはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示し;X1、X2、及びX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子が一緒になってオキソ基を形成し(但し、Yがメチン基の時、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成する時、X3は存在しない。);R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のRは各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
で表わされるものが好ましい。
【0011】
本発明で使用する一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類(成分(A))のR1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Y側末端にヒドロキシル基を持つ炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で、分岐鎖アルキル基の場合は分岐鎖がメチル分岐のもの等が好ましい。具体的にはトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、1−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソステアリル基が好ましい。
【0012】
Yはメチレン基(CH2)、メチン基(CH)又は酸素原子のいずれかを示す。
X1、X2、及びX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基、グリセリル基、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する置換基を示す。特に、X1、X2、及びX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子、及びX4が水素原子であるものが好ましい。なお、Yがメチン基のとき、X1とX2の一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4がオキソ基を形成するときはX3は存在しない。
【0013】
R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、特にR3は水素原子であることが好ましい。
【0014】
また、aは2又は3の数を示し、aが2の時RはR4及びR5を示し、aが3の時RはR4、R5及びR6を示す。
【0015】
R4、R5及びR6は、各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。ここで炭化水素基に置換し得るヒドロキシアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のヒドロキシアルコキシ基が好ましい。またアルコキシ基としては炭素数1〜7の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基が好ましい。R4、R5及びR6としては、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖アルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ、ヒドロキシアルキル及びアルコキシから選ばれる1〜6個が置換した総炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
特に水素原子、又はメチル基、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル等のヒドロキシ基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよいアルキル基が好ましい。
【0016】
本発明で使用する一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類としては、好ましくは次の一般式(3)で表わされる天然又は天然型スフィンゴシン類、及びその誘導体(以下、天然型スフィンゴシンと記載する。)が挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】
(式中、R12はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Y1はメチレン基又はメチン基を示し;X8、X9及びX10は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X11は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Y1がメチン基の時、X8とX9のいずれか一方が水素原子を示し、他方は存在しない。X11がオキソ基を形成する時はX10は存在しない。);R13はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のR1は各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合があってもよいことを示す。)
【0019】
ここでR12としては、炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましく、特に炭素数13〜15の直鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基が好ましい。
aは2が好ましく、R1は各々独立して水素原子、又は炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましい。
【0020】
一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシンとしては、具体的には、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンガジエニン、デヒドロスフィンゴシン、デヒドロフィトスフィンゴシン、及びこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)等が挙げられる。これらのスフィンゴシンは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
特にPHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0021】
【化5】
【0022】
これらは、天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
天然型スフィンゴシン類の市販のものとしては、例えば、D-Sphingosine(4-Sphingenine)(SIGMA-ALDRICH社)、DS-phytosphingosine(DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
【0023】
更に、本発明で一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類のもう1つの類型としては、次の一般式(4)で表わされるスフィンゴシン構造を持つ擬似型(以下、擬似型スフィンゴシンと記載する。)が挙げられる。
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、R17はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;a個のR2は各々独立して水素原子又はアミジノ基を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、aは2又は3の数を示す。)
【0026】
ここでR17としては、炭素数14〜20のイソ分岐アルキル基が好ましく、特にイソステアリル基が好ましい。イソステアリル基は、動植物油由来の脂肪酸を用いたダイマー酸製造時の副生成物由来のイソステアリルアルコールを原料油として得られるイソステアリル基がもっとも好ましい。
また、aが2の時R2はR18及びR19を示し、aが3の時R2はR18、R19及びR20である。
R18、R19及びR20は、例えば水素原子;メチル、エチル、プロピル、2−エチルへキシル、イソプロピル等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;ビニル、アリル等のアルケニル基;アミジノ基;ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル、2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシへキシル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、3−メトキシプロピル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシ、ヒドロキシアルコキシ及びアルコキシから選ばれる置換基を有した総炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。
特に、R18及びR19のいずれか1つが水素原子で、他方が2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルである2級アミンが好ましい。
【0027】
擬似型スフィンゴシン類としては、R17がイソステアリル基、X4は水素原子で、R18が水素原子、R19が2−ヒドロキシエチル基、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、又は2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基等のヒドロキシ基及びヒドロキシアルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換したアルキル基であるものが好ましい。
【0028】
擬似型スフィンゴシン類の具体例としては、次式のものが挙げられる。
【0029】
【化7】
【0030】
本発明のセラミド類乳化物の製造法において、スフィンゴシン類はセラミド類100重量部に対して、0.005〜1000重量部、更に0.05〜500重量部、特に0.5〜200重量部加えるのが好ましい。
【0031】
本発明で使用するスフィンゴシン類と混合し、その塩を形成する分子量200以下の酸性残基を有する化合物は、無機塩又は炭素数5以下の有機酸が好ましい。
無機酸としては、リン酸、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、炭酸等が挙げられ、リン酸、塩酸が好ましい。
【0032】
有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸等のモノカルボン酸;コハク酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸等のジカルボン酸;グリコール酸、クエン酸、乳酸、ピルビン酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸等が挙げられる。これらの化合物としては、リン酸、塩酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましく、特に乳酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が好ましい。
【0033】
スフィンゴシン類と塩を形成する分子量200以下の酸性化合物としては、スフィンゴシン類のアミン基部分をカチオン化するために、スフィンゴシン類に対して、0.5モル以上、好ましくは等モル以上量使用するのが良い。例えば、スフィンゴシン類と該化合物を等モルを混合した水溶液のpHが、25℃で2〜6になるものが好ましい(例えばフタル酸塩標準液で補正後、HORIBA pH METER F-22で測定)。
【0034】
本発明においてスフィンゴシン類の塩で、安定に乳化されるセラミド類は、次の一般式(2)で表わされるものが好ましい。
【0035】
【化8】
【0036】
(式中、R7はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示し;X5、X6及びX7は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成してもよく(但し、Zがメチン基の時、X5とX6のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成する時、X7は存在しない。);R8及びR9は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R10はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R11は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0037】
本発明の一般式(2)で表わされる成分(C)セラミド類のR7は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
X5、X6及びX7は、各々独立して水素原子、ヒドロキシ基、又はアセトキシ基を示す。特にX5、X6、及びX7のうち0〜1個はヒドロキシル基であり、残余が水素原子であることが好ましい。Zがメチン基のとき、X6は存在しない。また、X4は水素原子、グリセリル基であることが好ましい。
R8及びR9は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基、又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR8は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR9は水素原子である。
R10は、ヒドロキシル基、カルボキシ基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
R11は、水素原子を示すか、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。このうち水素原子あるいは、ヒドロキシ基及びヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0038】
本発明の一般式(2)で表わされるセラミド類は、特に次の一般式(5)又は(6)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(5)で表わされる天然又は天然型セラミド類、及びその誘導体(以下、天然型セラミド類と記載する。)。
【0039】
【化9】
【0040】
(式中、R21はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X12、X13、及びX14は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X15は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基の時、X12とX13のいずれか一方が水素原子であり他方は存在しない。X15がオキソ基を形成する時はX14は存在しない。);R22はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R24はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し、破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0041】
好ましくは、R21が炭素数7〜19、更に好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基、Z1がメチン基、X12とX13の一方が水素原子、炭素数9〜27のヒドロキシ基が置換しても良い直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X15は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R24としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0042】
天然型セラミド類の具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1-7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びひとのセラミド類)が挙げられる。
【0043】
【化10】
【0044】
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0045】
また、天然型セラミド類の市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社製)、Ceramide TIC-001(高砂香料社製)、CERAMIDE II(Quest International社製)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社製)、CERAMIDE2(セダーマ社製)が挙げられる。
【0046】
【化11】
【0047】
(II)次の一般式(6)で表わされる擬似型セラミド類。
【0048】
【化12】
【0049】
(式中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
R26としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に、12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。R27のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜8のものが好ましい。
【0050】
一般式(6)としては、R25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;又はR25がヘキサデシル基、X4がグリセリル基、R26がトリデシル基、R27が3−メトキシプロピル基の擬似型セラミド類が好ましく、一般式(6)のR25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のものが特に好ましい。
【0051】
本発明のセラミド類乳化物の製造法で使用するセラミド類は、2種以上を併用してもよい。乳化物中のセラミド類の含有量は、50重量%以下、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に0.01〜10重量%であるのが、保存安定性の点で好ましい。
【0052】
本発明のセラミド類乳化物の製造法においては、スフィンゴシン類、スフィンゴシン類と塩を形成する化合物、及びセラミド類の各成分の他に水を使用するが、水は他の適宜使用される成分も含めた全成分が100重量%になるバランス量使用される。水は、スフィンゴシン類及びセラミド類が溶融又は溶解した液状で乳化するときに全量を加えてもよいが、そのとき一部のみ加えて、その後常温まで冷却されるときに残部を加えてもよい。
【0053】
本発明のセラミド類乳化物の製造法の乳化温度は、使用するスフィンゴシン類又はセラミド類が乳化作業中に結晶析出しない温度であれば良く、作業の容易性から120℃以下、好ましくは95℃以下で行うのが望ましい。
【0054】
乳化に際して撹拌は、プロペラ等で20〜1000r/min、更に好ましくは200〜1000r/min、特に200〜800r/minで行うのが好ましい。また、この撹拌の後にホモミキサーで1500〜10000r/min、特に4500〜9000r/minの撹拌を加えるのが好ましい。乳化時間は、1〜20分、特に5〜20分間であるのが好ましい。加熱温度下で乳化を行った場合は、0.1〜20℃/min、更に好ましくは0.1〜10℃/min、特に0.1〜5℃/minの降温速度で常温まで冷却するのが好ましい。
【0055】
本発明のセラミド類乳化物の製造に際し、アルコール類を更に加えると保存安定性が更に増強され好ましい。
アルコール類としては、例えばエチルアルコール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。特にエチルアルコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリエチレングリコール等が好ましい。
アルコール類は2種以上を併用してもよい。アルコール類は、乳化物中に好ましくは50重量%以下、特に0.01〜20重量%含有するのが好ましい。
【0056】
このようにして製造されたセラミド類乳化物は、透明、半透明又は白濁した状態となる。ここで透明、半透明とは積分球光電散乱光度計により測定した濁度(カオリン標準:精製カオリン1ng/1リットル水の濁りを濁度1ppmとする。)が1〜1500ppmのものをいう。スフィンゴシン類(成分(A))、スフィンゴシン類と塩を形成する分子量200以下の酸性残基を有する化合物(成分(B))及びセラミド類(成分(C))の含有重量比率((A)+(B))/(C)が0.2以上で透明、半透明の乳化物が得られ、0.2未満では白濁法乳液状となる。また、乳化物の油滴の平均粒子径は、3nm〜200μmと外観、用途に応じて適宜製造されるが、乳化物の外観や安定性の点で5nm〜50μm、特に5nm〜10μmであるのが好ましい。平均粒子径は動的光散乱式粒径分布測定装置(HORIBA LB-500)又はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA LA-920)で測定される。
【0057】
本発明で製造された乳化物は、皮膚外用剤、特に化粧料として使用するのが好ましく、化粧料としては、半透明化粧水、半透明乳液、保湿美容液、美白美容液、保湿乳液、保湿クリーム等が挙げられる。
更に、本発明の皮膚外用剤は、高級アルコール、フッ素系油剤又はシリコーンを加えると、乳化安定性及び使用感が向上するので好ましい。
高級アルコールとしては、ステアリルアルコール、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸ポリオキシエチレンラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、セトステアリルアルコール、バチルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。特にステアリルアルコール、セチルアルコール、バチルアルコール等が好ましい。
これら高級アルコールは2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中の高級アルコールの含有量は、10重量%以下、特に0.01〜5重量%であるのが好ましい。
フッ素系油剤としては、次の一般式(7)
【0058】
【化13】
【0059】
(式中、R28は炭素数2〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を、nは1又は2の整数を、Rfは末端炭素原子に水素原子を有していてもよい炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖のフッ化炭素基を示す)で表わされる化合物が挙げられる。R28は、炭素数6〜18のアルキル基であるのが好ましく、特にヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基が好ましい。Rfで表わされる基としては、炭素数6〜12の鎖長を持つフッ素置換アルキル基が好ましい。
フッ素系油剤は2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中のフッ素系油剤の含有量は、50重量%以下、特に0.01〜10重量%であるのが好ましい。
シリコーンとしては、環状ジメチルポリシロキサン系、鎖状ジメチルポリシロキサン系、高分子ジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン系の他、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。
シリコーンは2種以上を併用してもよい。本発明の皮膚外用剤中のシリコーンの含有量は、50重量%以下、特に0.01〜10重量%であるのが好ましい。
上記の成分の他に必要に応じて、皮膚外用剤で使用される成分を適宜用いることができる。例えば、グリシンベタイン・キシリトール・トレハロース・尿素・中性アミノ酸・塩基性アミノ酸等の保湿剤、キサンタンガム・ヒドロキシエチルセルロース・メチルセルロース・ヒドロキシプロピルグアガム等の水溶性増粘剤、スクワラン・流動パラフィン・イソノナン酸イソトリデシル・コレステロール・フィトステロール・高級脂肪酸・イソステアリン酸コレステリル等の油剤、アラントイン・酢酸トコフェロール等の薬効剤、塩化ジメチルジステアリルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油・ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、セルロースパウダー・ナイロンパウダー・架橋型シリコーン末・架橋型メチルポリシロキサン・多孔質セルロースパウダー・多孔質ナイロンパウダー等の有機粉体、無水シリカ・酸化亜鉛・酸化チタン等の無機粉体、メントール・カンファー等の清涼剤などの他、植物エキス、pH緩衝剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、殺菌剤、色素等が挙げられる。
【0060】
使用したスフィンゴシン類及びセラミド類の化合物:
擬似型スフィンゴシン(i);式(4)でR17がイソステアリル基、X4が水素原子、aが2であって、R18が2−ヒドロキシエチル基、R19が水素原子であるもの。
擬似型セラミド類(i);式(6)でR25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基であるもの。
擬似型セラミド類(ii);式(6)でR25がヘキサデシル基、X4が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基であるもの。
【0061】
【実施例】
実施例1
100mL乳化槽にフィトスフィンゴシン(コスモファーム社製)(融点102〜107℃)1.0gを入れ110℃に設定したオイルバスで加熱し溶融させ、予め120℃に加熱したセラミド類 ceramide TIC-001(高砂香料工業(株))(融点105℃)1.0gを加え、300r/minで10分間撹拌し、次いでリン酸を0.2gと水10gの混合溶液を、乳化槽の温度をセラミドが析出しないように加熱しながら、1分間で加えて撹拌し、乳化した。1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水87.8gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0062】
実施例2
実施例1のセラミド類 ceramide TIC-001とリン酸と水との混合溶液の添加順序を変えて、他は同じ製造法でセラミド類乳化物を製造した。
【0063】
実施例3
水10gをスフィンゴシンに添加した以外は、実施例1と同じ条件でセラミド類乳化物を製造した。
【0064】
実施例4
100mL乳化槽にフィトスフィンゴシン(コスモファーム社製)(融点102〜107℃)1.0gを入れ110℃に設定したオイルバスで加熱し溶融させ、予め120℃に加熱したセラミド類ceramide TIC-001 1.0g、ステアリルアルコール1g、ジメチルポリシロキサン4g、グリセリン10gを混合したものを加え、80℃で300r/minで10分間撹拌し、次いで乳酸を0.5gと水10gの混合溶液を、乳化槽の温度を結晶が析出しないように加熱しながら、1分間で加えて撹拌し、乳化した。更にホモミキサーで80℃、9000r/minで2分間撹拌した後1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水72.5gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0065】
実施例5
擬似型スフィンゴシン(i)(融点45℃)1.0gを入れ80℃に加熱し溶融させ、予め80℃に加熱した擬似型セラミド類(i)(融点75℃)1.0gを加え、80℃で300r/minで10分間撹拌し、次いでL−グルタミン酸を0.5gと水10gの混合溶液を、乳化槽の温度を80℃に維持しながら、1分間で加えて撹拌し、乳化した。1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水87.5gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0066】
実施例6
擬似型スフィンゴシン(i)(融点45℃)1.0gを入れ80℃に加熱し溶融させ、予め80℃に加熱した擬似型セラミド類(i)(融点75℃)10.0gを加え、80℃で300r/minで10分間撹拌し、次いでL−グルタミン酸を0.5gと水10gの混合溶液を、乳化槽の温度を80℃に維持しながら、1分間で加えて撹拌し、乳化した。更にホモミキサーで80℃、9000r/minで2分間撹拌した後、1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水78.5gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0067】
実施例7
擬似型スフィンゴシン(i)(融点45℃)0.1g及びグリセリンを10g溶融させ、予め80℃に加熱した擬似型セラミド類(ii)(融点54℃)5.0g、ステアリルアルコール0.5g、セチルアルコール0.75g、スクワラン4gを混合した油相成分を加え、80℃で300r/minで10分間撹拌し、次いでL−グルタミン酸を0.1gと水10gの混合溶液を、乳化槽の温度を80℃に維持しながら、1分間で加えて撹拌し、乳化した。更にホモミキサーで80℃、9000r/minで2分間撹拌した後、1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水79.55gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0068】
比較例1
100mL乳化槽に実施例1と同じフィトスフィンゴシン1.0g及び水10gを入れ、120℃に設定したオイルバスで加熱して溶融させ、予め加熱し溶融した実施例1と同じセラミド類ceramide TIC-001 10gを加え、セラミドが析出しない温度に加熱しながら300r/minで10分間撹拌した後、1℃/minの降温速度で25℃迄冷却し、その途中で水88.0gを加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0069】
比較例2
比較例1と同様にして乳化した後、1℃/minの降温速度でフィトスフィンゴシン、セラミド類ceramide TIC-001の融点以下の25℃迄冷却し、次いでリン酸0.2gと水87.8gの混合溶液を加えてセラミド類乳化物を製造した。
【0070】
比較例3
実施例1のセラミド類 ceramide TIC-001 とともにレシチン(卵黄レシチンPL-100P、(株)キューピー社製、平均分子量788)1gを入れた他は、同様にしてセラミド類乳化物を製造した。
【0071】
比較例4
実施例1のフィトスフィンゴシンとともにカーボポール981(Goodrich社製、平均分子量125万)0.2gに入れた他は、同様にしてセラミド類乳化物を製造した。
【0072】
実施例1〜7のセラミド類乳化物は、−5℃、25℃、50℃に1週間静置したがいずれもセラミド類の分離、析出は認められず乳化安定性に優れていた。しかし、比較例1、2及び4はいずれも製造直後にセラミド類の分離が認められ、安定な乳化系は得られなかった。また、比較例3はセラミド類の分離しない乳化物が得られたが、25℃に1日静置させたところセラミド類が凝集し分離した。
【0073】
【発明の効果】
界面活性剤を使用しなくても保存安定性の良好なセラミド類乳化物が製造できる。
Claims (1)
- 一般式(5)で表わされる天然型セラミド
又は一般式(6)で表わされる擬似型セラミド
を、一般式(3)で表わされる天然型スフィンゴシン
又は一般式(4)で表わされる擬似型スフィンゴシン
と共に加熱溶解し、これに水の一部と無機酸又は炭素数5以下の有機酸を加えて乳化し、次いでこれを冷却する過程で残部の水を加えることを特徴とするセラミド類乳化物の製造法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376413A JP4119646B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | セラミド類乳化物の製造法 |
AU2002354131A AU2002354131A1 (en) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | Ceramide emulsions |
TW091135667A TWI230073B (en) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | Ceramide emulsifier |
US10/498,112 US7846969B2 (en) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | Ceramide emulsions |
CNB028245210A CN100340227C (zh) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | 神经酰胺类乳化物 |
PCT/JP2002/012899 WO2003049709A1 (fr) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | Emulsions a base de ceramides |
EP02786073A EP1462081B1 (en) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | Production of ceramide emulsions |
KR1020047008853A KR100917302B1 (ko) | 2001-12-10 | 2002-12-10 | 세라마이드류 유화물 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001376413A JP4119646B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | セラミド類乳化物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171229A JP2003171229A (ja) | 2003-06-17 |
JP4119646B2 true JP4119646B2 (ja) | 2008-07-16 |
Family
ID=19184610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001376413A Expired - Lifetime JP4119646B2 (ja) | 2001-12-10 | 2001-12-10 | セラミド類乳化物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4119646B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MXPA05008860A (es) * | 2003-02-21 | 2005-10-05 | Los Angeles Childrens Hospital | Composiciones farmaceuticas estabilizadas de safingol y metodos para utilizar las mismas. |
JP4012139B2 (ja) * | 2003-11-14 | 2007-11-21 | 花王株式会社 | 水中油型乳化組成物 |
JP4808393B2 (ja) * | 2004-10-28 | 2011-11-02 | 花王株式会社 | 水中油型乳化組成物 |
JP5690516B2 (ja) * | 2009-07-06 | 2015-03-25 | 花王株式会社 | 乳化組成物 |
EP2452668B1 (en) | 2009-07-06 | 2018-10-03 | Kao Corporation | Emulsified composition |
JP5690517B2 (ja) * | 2009-07-06 | 2015-03-25 | 花王株式会社 | 乳化組成物 |
JP5517511B2 (ja) * | 2009-07-10 | 2014-06-11 | 花王株式会社 | 化粧料の製造法 |
CN103445975B (zh) | 2012-05-30 | 2017-08-22 | 花王株式会社 | 乳化化妆品组合物 |
JP2013224314A (ja) * | 2013-06-19 | 2013-10-31 | Fujifilm Corp | セラミド分散組成物の製造方法及びセラミド分散組成物 |
-
2001
- 2001-12-10 JP JP2001376413A patent/JP4119646B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003171229A (ja) | 2003-06-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5517511B2 (ja) | 化粧料の製造法 | |
EP1627623B1 (en) | Oil-in-water emulsified composition | |
KR100917302B1 (ko) | 세라마이드류 유화물 | |
US20100311836A1 (en) | Oil-in-water emulsified cosmetic composition | |
EP2174646B1 (en) | Reverse vesicle | |
JP4119646B2 (ja) | セラミド類乳化物の製造法 | |
JP4220838B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
EP2692334B1 (en) | Vesicle composition | |
JP3967292B2 (ja) | 油中水型乳化組成物 | |
JP4220698B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP4832000B2 (ja) | 油中水型乳化組成物 | |
JP4188149B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP4284236B2 (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP4188150B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2005002020A (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP4520903B2 (ja) | 油中水型乳化組成物 | |
WO2015147236A1 (ja) | 組成物、化粧料 | |
JP2005002019A (ja) | ニキビ改善剤 | |
JP2006335690A (ja) | 油中水型乳化組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070219 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080129 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080422 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080425 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4119646 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140502 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |