JP4119085B2 - 液晶表示装置、及び立体視表示装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コストで高輝度が実現できる液晶表示装置、及び立体視表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
紙のように両面で表示可能な液晶表示装置は、２枚の液晶表示装置を貼り合わせて実現されていた。
【０００３】
一方、従来の立体視表示装置は、２枚の液晶パネルを並列配置するか時分割駆動し、右目と左目の情報を合成して表示を行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
２枚の液晶表示装置を貼り合わせて両面表示を行うと２組の液晶表示装置が必要となり、低コスト化が困難であった。また、厚みが増加するという課題もあった。さらに、両面で表示可能な液晶表示装置は吸収型の偏光板を用いており、低電力化と高輝度化が図れなかった。
【０００５】
一方、複数の液晶パネルを用いる従来の立体視表示装置は、バックライトも同数必要なため低電力化が困難であった。また、時分割駆動で立体視を行う立体視表示装置は時分割駆動のため輝度が低下する課題があった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、両面表示型の液晶表示装置、及びそれを用いた立体視表示装置において、以下の手段を講じた。
【０００７】
本発明の第１の液晶表示装置は、導光体の両面に液晶パネルが配置された液晶表示装置において、導光体と液晶パネル間に偏光選択反射層が配置され、さらに導光体の両側で偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。導光体の両面に液晶表示パネルを配置することで、導光体が１枚で済み低コスト化が図れる。このとき、液晶パネルの一方を半透過型液晶パネルとし、他方を透過型液晶パネルとすると、表示面を見る状況により、必要な表示品位を実現することが可能である。例えば、折りたたみ式の携帯電話において、蓋の表面を半透過型パネルとし、裏面を透過型パネルの側とすると、待機時は低消費電力に優れた半透過型パネルのみ駆動し、動画像等の高品位表示時は裏面の透過型パネルを使用することができる。
【０００８】
偏光選択反射層として、例えば導光体の片側にＰ波を透過しＳ波を反射するものを設け、他方の側にはＳ波を透過しＰ波を反射するものを設ける。この場合、一方の偏光選択反射層で反射した反射光は他方の偏光選択反射層を透過することが可能である。従って導光体の両側に液晶パネルを積層してもバックライト光が吸収されることなく効率的にどちらかの液晶パネルに入射される。このため低電力化と高輝度化が図れる。このとき、偏光選択反射層は、円偏光に対して偏光選択性を有しても同様の効果が得られる。
【０００９】
本発明の第２の液晶表示装置は、光源を配設した第１基板の片面側に第１液晶層と第２基板が形成され、第１基板の他面側に第２液晶層と第３基板が形成された液晶表示装置において、第１基板と第１液晶層、及び第１基板と第２液晶層間に偏光選択反射層が積層され、さらに第１基板の両側で偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。導光体を別途用いずに、液晶層を保持する基板自体に導光機能を持たせ、さらに偏光選択反射層を基板に内付けすることで薄型化が図れる。
【００１０】
本発明の第３の液晶表示装置は、光源を配設した導光体の片面に第１液晶パネルが積層され、第１液晶パネルが、導光体側から第１偏光選択反射層、第１液晶層、及び第２偏光選択反射層を有し、さらに導光体の他面に第２液晶パネルが積層され、第２液晶パネルが、導光体側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、及び第４偏光選択反射層を有するときに、第１偏光選択反射層と第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに第１偏光選択反射層と第２偏光選択反射層、及び第３偏光選択反射層と第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。本構成により、第１液晶パネル、及び第２液晶パネルの黒表示部に入射した光が導光体に再度入射することが可能となり、光利用効率がさらに向上する。
【００１１】
本発明の第４の液晶表示装置は、端面付近に光源を配設した第１基板の片面側に第１基板側から、第１偏光選択反射層、第１液晶層、第２偏光選択反射層、及び第２基板が形成され、第１基板の他面側に第１基板側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、第４偏光選択反射層、及び第３基板が形成された液晶表示装置において、第１偏光選択反射層と第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに第１偏光選択反射層と第２偏光選択反射層、及び第３偏光選択反射層と第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。本構成により第３の液晶表示装置と同様の理由で光利用効率が向上する。
【００１２】
本発明の第１の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、前記液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が合成されることで立体視を行うことを特徴とする。両面表示のそれぞれを右目と左目の信号に用いることで立体視が可能となる。
【００１３】
本発明の第２の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が別個にそれぞれ右目と左目に入射することで立体視を行うことを特徴とする。
【００１４】
信号が右目と左目に個別に入射しても立体視が得られる。
【００１５】
本発明の第３の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を表示し、光路変更機構により表示情報を合成することで立体視を行うことを特徴とする。目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を重ねても立体視が得られる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下の実施の形態１から４の液晶表示装置は、基板の両側に表示部を有する液晶表示装置である。
【００１７】
（実施の形態１）
図２は本発明の液晶表示装置で光利用効率が向上することを示す原理図である。図２において、光源２０７から無偏光で出射した光源光２０３が、偏光選択反射層Ａ２０１に入射すると、偏光選択反射層Ａ２０１を直線偏光のＳ波２０５は透過するがＰ波２０４は反射する。反射したＰ波２０４は偏光選択反射層Ｂ２０２に入射する。このとき、偏光選択反射層Ｂ２０２がＰ波を透過しＳ波を反射する構成であれば、偏光選択反射層Ａ２０１からの反射光は偏光選択反射層Ｂ２０２を透過する。このため原理的に光源光２０３は偏光選択反射層Ａ２０１、または偏光選択反射層Ｂ２０２のどちらかを透過することになる。このため、従来の吸収型偏光層を用いる場合に比べ光利用効率が大幅に向上する。なお、偏光の選択性はＰ波とＳ波以外にも左円偏光と右円偏光に対して選択性を有しても良い。偏光選択反射層Ａ２０１と偏光選択反射層Ｂ２０２で偏光選択性が互いに異なれば、同様の効果が得られる。
【００１８】
図１は本発明の第１の液晶表示装置の断面図である。光源１１４を出射した光の一部は、集光フィルム１０１で法線方向に集光された後、偏光選択反射層Ａ１０２に入射する。偏光選択反射層Ａ１０２は、Ｐ波を反射しＳ波を透過する構成を有している。このため、Ｓ波は液晶Ａ１０４を透過し、基板Ｂ１０５から出射する（出射光Ａ１１５）。一方、Ｐ波は偏光選択反射層Ａ１０２で反射して、偏光選択反射層Ｂ１０８に入射する。偏光選択反射層Ｂ１０８はＰ波を透過しＳ波を反射する構成を有している。このため、偏光選択反射層Ａ１０２からの反射光（Ｐ波）は偏光選択反射層Ｂ１０８を透過し、基板Ｄ１１１から出射する（出射光Ｂ１１６）。
【００１９】
一方、光源から偏光選択反射層Ｂ１０８に入射した光も同様の原理で、Ｐ波は出射光Ｃ１１７と成り、Ｓ波は出射光Ｄ１１８と成る。このため光源の光は吸収されること無く基板Ｂ１０５、又は基板Ｄ１１１の一方から出射されることに成り、光利用効率が向上する。
【００２０】
Ｐ波とＳ波の偏光選択反射層としては、例えばＤ−ＢＥＦ（３Ｍ社製）を用いることができる。また、円偏光に対する偏光選択性を利用しても良く、例えばコレステリック液晶ポリマー素子等を用いることができる。
【００２１】
また、集光フィルムを用いることで、光源光が法線方向に集光され偏光選択性が向上する。これは、偏光選択反射層の偏光選択性には入射角度依存性があり、法線方向が最も偏光選択性が高いためである。
【００２２】
上記は透過型の液晶表示装置の構成であるが、これは画素の一部に開口を有するか、半透過膜を用いた半透過型液晶表示装置の構成でも良い。また、導光体を挟んだ一方が透過型で他方が半透過型でも良い。
【００２３】
また、導光体を挟んで配置された液晶パネルの一方が透過型液晶パネルか半透過型パネルで、他方が反射型パネルでも良い。この場合、両面表示は出来ないが、片側から表示面を観察する場合に、必要に応じて反射型表示と透過型（又は半透過型）表示を切り替えることができる。このため反射型で低消費電力、透過型で高品位表示と目的に応じて使い分けが可能である。
【００２４】
（実施の形態２）
図３は本発明の第２の液晶表示装置の断面図を示す。基板Ａ３００の両側に偏光選択反射層と液晶層を形成し、基板Ａ３００の端部に光源３１１が埋め込まれている。基板Ａ３００は液晶の保持機能と導光体の機能を兼用している。このとき、実施の形態１に示した導光体が不要となり薄型化が図れる。
【００２５】
基板Ａ３００の表面には、光源光が基板内を均一に導光するように微小な凹凸構造を設けても良い。凹凸構造としては、溝状、ドット状、または半円柱状等の凹凸構造を、面内輝度が均一となるように大きさと分布密度を適時変えて用いることができる。
【００２６】
（実施の形態３）
図４は本発明の第３の液晶表示装置の断面図を示す。実施の形態１と同様の構成において、基板Ｃ４２１の外側に偏光選択反射層Ｄ４２２、基板Ｄ４１１の外側に偏光選択反射層Ｃ４１２を形成した。また、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｂ４０８は異なる偏光選択反射性を有する。さらに、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｄ４２２、及び偏光選択反射層Ｂ４０８と偏光選択反射層Ｃ４１２も異なる偏光選択反射性を有する。具体的には、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｃ４１２は、Ｓ波を透過してＰ波を反射する。また、偏光選択反射層Ｄ４２２と偏光選択反射層Ｂ４０８は、Ｐ波を透過してＳ波を反射する。また、液晶Ａ４０４、液晶Ｂ４１０は黒表示時に液晶層を通過する光に対して位相が変調せず白表示時に位相変調を行う表示モードとする。本構成により、パネルの黒表示部に相当する位置の液晶層に入射した光源光は導光体側に反射され、導光体の反対側に位置する液晶層の白表示部から出射することが可能と成る。このため、光利用効率がさらに向上する。
【００２７】
偏光選択反射層Ａ４０２を透過したＳ波のうち、黒表示部４０５に入射した光は、液晶層で位相変調を受けない。このため偏光選択反射層Ｄ４２２にＳ波のまま入射し、導光体側に反射されて反対側の白表示部４１３から出射する。また、白表示部４０６に入射した光は液晶Ａ４０４で位相変調（Ｓ波→Ｐ波）を受けるため基板Ｃ４２１側から出射する（出射光Ｂ４１８）。
【００２８】
液晶層の表示モードには、ノーマリブラックモードの場合は横電界で駆動するホモジニアス配向や、垂直配向モードを用いることができる。また、捻れネマチック配向の場合は、ノーマリホワイトモードで用いると黒表示時に位相変調が小さく良好な偏光選択性が得られる。
【００２９】
（実施の形態４）
図５は本発明の第４の液晶表示装置の断面図である。実施の形態２とほぼ同様の構成で、基板Ｂ５０３の外側に偏光選択反射層Ｂ５０４、基板Ｃ５０７の外側に偏光選択反射層Ｄ５０８を形成した。また、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｃ５０５は異なる偏光選択反射性を有する。さらに、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｂ５０４、及び偏光選択反射層Ｃ５０５と偏光選択反射層Ｄ５０８も異なる偏光選択反射性を有する。具体的には、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｄ５０８は、Ｓ波を透過してＰ波を反射する。また、偏光選択反射層Ｃ５０５と偏光選択反射層Ｂ５０４は、Ｐ波を透過してＳ波を反射する。
【００３０】
また、液晶Ａ５０２、液晶Ｂ５０６は黒表示時に液晶層を通過する光に対して位相が変調せず白表示時に位相変調を行う表示モードとする。本構成により、実施の形態３と同様の原理で光利用効率が向上する。
【００３１】
以下の実施の形態５、及び６の液晶表示装置は基板の片側に表示部を有する液晶表示装置である。
【００３２】
（実施の形態５）
図６は本発明の第１の立体視表示装置の構成図である。導光体９００に液晶パネルＡ９０１と液晶パネルＢ９０２が積層された実施の形態１記載の液晶表示装置が配置されている。表示面に対面して、光路変更機構として反射板Ａ９０４、反射板Ｂ９０５、光学素子Ａ９０６、及び光学素子Ｂ９０７が配置されている。光学素子は、表示面の信号をスクリーン９０８上に均一に照射する機能を有している。また、液晶表示装置は両面の表示面がそれぞれ右目信号と左目信号を表示する。信号は上記の光路変更機構により、スクリーン９０８上で合成されることで立体視が可能となる。
【００３３】
液晶表示装置は、実施形態１から４記載の液晶表示装置の何れかを用いれば良い。また、光路変更機構は上記以外にもスクリーン上で右目信号と左目信号が合成できるように形成できる。
【００３４】
（実施の形態６）
図７は本発明の第２の立体視表示装置の構成図である。導光体８００、液晶パネルＡ８０１、及び液晶パネルＢ８０２等から成る実施の形態１記載の液晶表示装置が配置されている。また、反射板Ａ８０３、及び反射板Ｂ８０４から成る光路変更機構が形成されている。このとき、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が別個にそれぞれ右目と左目に入射する構成とすることで、立体視を行うことが可能となる。
【００３５】
（実施の形態７）
本発明の第３の立体視表示装置は、実施の形態５と同様の構成において、液晶表示装置の両側の表示部が、それぞれ目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を表示する。目の焦点深度が異なる画像を合成すると立体視を行うことが可能となる。
【００３６】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、両面表示、又は片面表示の液晶表示装置の光利用効率が向上し高輝度化と低電力化が図れる。また、基板に導光体機能を付与することで、薄型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態１の液晶表示装置の断面図
【図２】光利用効率の向上の原理図
【図３】実施の形態２の液晶表示装置の断面図
【図４】実施の形態３の液晶表示装置の断面図
【図５】実施の形態４の液晶表示装置の断面図
【図６】実施の形態５の立体視表示装置の構成図
【図７】実施の形態６の立体視表示装置の構成図
【符号の説明】
１００ 導光体
１０１ 集光フィルム
１０２ 偏光選択反射層Ａ
１０３ 基板Ａ
１０４ 液晶Ａ
１０５ 基板Ｂ
１０６ 偏光板Ａ
１０７ 集光フィルム
１０８ 偏光選択反射層Ｂ
１０９ 基板Ｃ
１１０ 液晶Ｂ
１１１ 基板Ｄ
１１２ 偏光板Ｂ
１１３ ランプカバー
１１４ 光源
１１５ 出射光Ａ
１１６ 出射光Ｂ
１１７ 出射光Ｃ
１１８ 出射光Ｄ
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コストで高輝度が実現できる液晶表示装置、及び立体視表示装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
紙のように両面で表示可能な液晶表示装置は、２枚の液晶表示装置を貼り合わせて実現されていた。
【０００３】
一方、従来の立体視表示装置は、２枚の液晶パネルを並列配置するか時分割駆動し、右目と左目の情報を合成して表示を行っていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
２枚の液晶表示装置を貼り合わせて両面表示を行うと２組の液晶表示装置が必要となり、低コスト化が困難であった。また、厚みが増加するという課題もあった。さらに、両面で表示可能な液晶表示装置は吸収型の偏光板を用いており、低電力化と高輝度化が図れなかった。
【０００５】
一方、複数の液晶パネルを用いる従来の立体視表示装置は、バックライトも同数必要なため低電力化が困難であった。また、時分割駆動で立体視を行う立体視表示装置は時分割駆動のため輝度が低下する課題があった。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、両面表示型の液晶表示装置、及びそれを用いた立体視表示装置において、以下の手段を講じた。
【０００７】
本発明の第１の液晶表示装置は、導光体の両面に液晶パネルが配置された液晶表示装置において、導光体と液晶パネル間に偏光選択反射層が配置され、さらに導光体の両側で偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。導光体の両面に液晶表示パネルを配置することで、導光体が１枚で済み低コスト化が図れる。このとき、液晶パネルの一方を半透過型液晶パネルとし、他方を透過型液晶パネルとすると、表示面を見る状況により、必要な表示品位を実現することが可能である。例えば、折りたたみ式の携帯電話において、蓋の表面を半透過型パネルとし、裏面を透過型パネルの側とすると、待機時は低消費電力に優れた半透過型パネルのみ駆動し、動画像等の高品位表示時は裏面の透過型パネルを使用することができる。
【０００８】
偏光選択反射層として、例えば導光体の片側にＰ波を透過しＳ波を反射するものを設け、他方の側にはＳ波を透過しＰ波を反射するものを設ける。この場合、一方の偏光選択反射層で反射した反射光は他方の偏光選択反射層を透過することが可能である。従って導光体の両側に液晶パネルを積層してもバックライト光が吸収されることなく効率的にどちらかの液晶パネルに入射される。このため低電力化と高輝度化が図れる。このとき、偏光選択反射層は、円偏光に対して偏光選択性を有しても同様の効果が得られる。
【０００９】
本発明の第２の液晶表示装置は、光源を配設した第１基板の片面側に第１液晶層と第２基板が形成され、第１基板の他面側に第２液晶層と第３基板が形成された液晶表示装置において、第１基板と第１液晶層、及び第１基板と第２液晶層間に偏光選択反射層が積層され、さらに第１基板の両側で偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。導光体を別途用いずに、液晶層を保持する基板自体に導光機能を持たせ、さらに偏光選択反射層を基板に内付けすることで薄型化が図れる。
【００１０】
本発明の第３の液晶表示装置は、光源を配設した導光体の片面に第１液晶パネルが積層され、第１液晶パネルが、導光体側から第１偏光選択反射層、第１液晶層、及び第２偏光選択反射層を有し、さらに導光体の他面に第２液晶パネルが積層され、第２液晶パネルが、導光体側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、及び第４偏光選択反射層を有するときに、第１偏光選択反射層と第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに第１偏光選択反射層と第２偏光選択反射層、及び第３偏光選択反射層と第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。本構成により、第１液晶パネル、及び第２液晶パネルの黒表示部に入射した光が導光体に再度入射することが可能となり、光利用効率がさらに向上する。
【００１１】
本発明の第４の液晶表示装置は、端面付近に光源を配設した第１基板の片面側に第１基板側から、第１偏光選択反射層、第１液晶層、第２偏光選択反射層、及び第２基板が形成され、第１基板の他面側に第１基板側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、第４偏光選択反射層、及び第３基板が形成された液晶表示装置において、第１偏光選択反射層と第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに第１偏光選択反射層と第２偏光選択反射層、及び第３偏光選択反射層と第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする。本構成により第３の液晶表示装置と同様の理由で光利用効率が向上する。
【００１２】
本発明の第１の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、前記液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が合成されることで立体視を行うことを特徴とする。両面表示のそれぞれを右目と左目の信号に用いることで立体視が可能となる。
【００１３】
本発明の第２の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が別個にそれぞれ右目と左目に入射することで立体視を行うことを特徴とする。
【００１４】
信号が右目と左目に個別に入射しても立体視が得られる。
【００１５】
本発明の第３の立体視表示装置は、請求項１から４記載の液晶表示装置の何れかと光路変更機構を含む立体視表示装置において、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を表示し、光路変更機構により表示情報を合成することで立体視を行うことを特徴とする。目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を重ねても立体視が得られる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下の実施の形態１から４の液晶表示装置は、基板の両側に表示部を有する液晶表示装置である。
【００１７】
（実施の形態１）
図２は本発明の液晶表示装置で光利用効率が向上することを示す原理図である。図２において、光源２０７から無偏光で出射した光源光２０３が、偏光選択反射層Ａ２０１に入射すると、偏光選択反射層Ａ２０１を直線偏光のＳ波２０５は透過するがＰ波２０４は反射する。反射したＰ波２０４は偏光選択反射層Ｂ２０２に入射する。このとき、偏光選択反射層Ｂ２０２がＰ波を透過しＳ波を反射する構成であれば、偏光選択反射層Ａ２０１からの反射光は偏光選択反射層Ｂ２０２を透過する。このため原理的に光源光２０３は偏光選択反射層Ａ２０１、または偏光選択反射層Ｂ２０２のどちらかを透過することになる。このため、従来の吸収型偏光層を用いる場合に比べ光利用効率が大幅に向上する。なお、偏光の選択性はＰ波とＳ波以外にも左円偏光と右円偏光に対して選択性を有しても良い。偏光選択反射層Ａ２０１と偏光選択反射層Ｂ２０２で偏光選択性が互いに異なれば、同様の効果が得られる。
【００１８】
図１は本発明の第１の液晶表示装置の断面図である。光源１１４を出射した光の一部は、集光フィルム１０１で法線方向に集光された後、偏光選択反射層Ａ１０２に入射する。偏光選択反射層Ａ１０２は、Ｐ波を反射しＳ波を透過する構成を有している。このため、Ｓ波は液晶Ａ１０４を透過し、基板Ｂ１０５から出射する（出射光Ａ１１５）。一方、Ｐ波は偏光選択反射層Ａ１０２で反射して、偏光選択反射層Ｂ１０８に入射する。偏光選択反射層Ｂ１０８はＰ波を透過しＳ波を反射する構成を有している。このため、偏光選択反射層Ａ１０２からの反射光（Ｐ波）は偏光選択反射層Ｂ１０８を透過し、基板Ｄ１１１から出射する（出射光Ｂ１１６）。
【００１９】
一方、光源から偏光選択反射層Ｂ１０８に入射した光も同様の原理で、Ｐ波は出射光Ｃ１１７と成り、Ｓ波は出射光Ｄ１１８と成る。このため光源の光は吸収されること無く基板Ｂ１０５、又は基板Ｄ１１１の一方から出射されることに成り、光利用効率が向上する。
【００２０】
Ｐ波とＳ波の偏光選択反射層としては、例えばＤ−ＢＥＦ（３Ｍ社製）を用いることができる。また、円偏光に対する偏光選択性を利用しても良く、例えばコレステリック液晶ポリマー素子等を用いることができる。
【００２１】
また、集光フィルムを用いることで、光源光が法線方向に集光され偏光選択性が向上する。これは、偏光選択反射層の偏光選択性には入射角度依存性があり、法線方向が最も偏光選択性が高いためである。
【００２２】
上記は透過型の液晶表示装置の構成であるが、これは画素の一部に開口を有するか、半透過膜を用いた半透過型液晶表示装置の構成でも良い。また、導光体を挟んだ一方が透過型で他方が半透過型でも良い。
【００２３】
また、導光体を挟んで配置された液晶パネルの一方が透過型液晶パネルか半透過型パネルで、他方が反射型パネルでも良い。この場合、両面表示は出来ないが、片側から表示面を観察する場合に、必要に応じて反射型表示と透過型（又は半透過型）表示を切り替えることができる。このため反射型で低消費電力、透過型で高品位表示と目的に応じて使い分けが可能である。
【００２４】
（実施の形態２）
図３は本発明の第２の液晶表示装置の断面図を示す。基板Ａ３００の両側に偏光選択反射層と液晶層を形成し、基板Ａ３００の端部に光源３１１が埋め込まれている。基板Ａ３００は液晶の保持機能と導光体の機能を兼用している。このとき、実施の形態１に示した導光体が不要となり薄型化が図れる。
【００２５】
基板Ａ３００の表面には、光源光が基板内を均一に導光するように微小な凹凸構造を設けても良い。凹凸構造としては、溝状、ドット状、または半円柱状等の凹凸構造を、面内輝度が均一となるように大きさと分布密度を適時変えて用いることができる。
【００２６】
（実施の形態３）
図４は本発明の第３の液晶表示装置の断面図を示す。実施の形態１と同様の構成において、基板Ｃ４２１の外側に偏光選択反射層Ｄ４２２、基板Ｄ４１１の外側に偏光選択反射層Ｃ４１２を形成した。また、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｂ４０８は異なる偏光選択反射性を有する。さらに、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｄ４２２、及び偏光選択反射層Ｂ４０８と偏光選択反射層Ｃ４１２も異なる偏光選択反射性を有する。具体的には、偏光選択反射層Ａ４０２と偏光選択反射層Ｃ４１２は、Ｓ波を透過してＰ波を反射する。また、偏光選択反射層Ｄ４２２と偏光選択反射層Ｂ４０８は、Ｐ波を透過してＳ波を反射する。また、液晶Ａ４０４、液晶Ｂ４１０は黒表示時に液晶層を通過する光に対して位相が変調せず白表示時に位相変調を行う表示モードとする。本構成により、パネルの黒表示部に相当する位置の液晶層に入射した光源光は導光体側に反射され、導光体の反対側に位置する液晶層の白表示部から出射することが可能と成る。このため、光利用効率がさらに向上する。
【００２７】
偏光選択反射層Ａ４０２を透過したＳ波のうち、黒表示部４０５に入射した光は、液晶層で位相変調を受けない。このため偏光選択反射層Ｄ４２２にＳ波のまま入射し、導光体側に反射されて反対側の白表示部４１３から出射する。また、白表示部４０６に入射した光は液晶Ａ４０４で位相変調（Ｓ波→Ｐ波）を受けるため基板Ｃ４２１側から出射する（出射光Ｂ４１８）。
【００２８】
液晶層の表示モードには、ノーマリブラックモードの場合は横電界で駆動するホモジニアス配向や、垂直配向モードを用いることができる。また、捻れネマチック配向の場合は、ノーマリホワイトモードで用いると黒表示時に位相変調が小さく良好な偏光選択性が得られる。
【００２９】
（実施の形態４）
図５は本発明の第４の液晶表示装置の断面図である。実施の形態２とほぼ同様の構成で、基板Ｂ５０３の外側に偏光選択反射層Ｂ５０４、基板Ｃ５０７の外側に偏光選択反射層Ｄ５０８を形成した。また、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｃ５０５は異なる偏光選択反射性を有する。さらに、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｂ５０４、及び偏光選択反射層Ｃ５０５と偏光選択反射層Ｄ５０８も異なる偏光選択反射性を有する。具体的には、偏光選択反射層Ａ５０１と偏光選択反射層Ｄ５０８は、Ｓ波を透過してＰ波を反射する。また、偏光選択反射層Ｃ５０５と偏光選択反射層Ｂ５０４は、Ｐ波を透過してＳ波を反射する。
【００３０】
また、液晶Ａ５０２、液晶Ｂ５０６は黒表示時に液晶層を通過する光に対して位相が変調せず白表示時に位相変調を行う表示モードとする。本構成により、実施の形態３と同様の原理で光利用効率が向上する。
【００３１】
以下の実施の形態５、及び６の液晶表示装置は基板の片側に表示部を有する液晶表示装置である。
【００３２】
（実施の形態５）
図６は本発明の第１の立体視表示装置の構成図である。導光体９００に液晶パネルＡ９０１と液晶パネルＢ９０２が積層された実施の形態１記載の液晶表示装置が配置されている。表示面に対面して、光路変更機構として反射板Ａ９０４、反射板Ｂ９０５、光学素子Ａ９０６、及び光学素子Ｂ９０７が配置されている。光学素子は、表示面の信号をスクリーン９０８上に均一に照射する機能を有している。また、液晶表示装置は両面の表示面がそれぞれ右目信号と左目信号を表示する。信号は上記の光路変更機構により、スクリーン９０８上で合成されることで立体視が可能となる。
【００３３】
液晶表示装置は、実施形態１から４記載の液晶表示装置の何れかを用いれば良い。また、光路変更機構は上記以外にもスクリーン上で右目信号と左目信号が合成できるように形成できる。
【００３４】
（実施の形態６）
図７は本発明の第２の立体視表示装置の構成図である。導光体８００、液晶パネルＡ８０１、及び液晶パネルＢ８０２等から成る実施の形態１記載の液晶表示装置が配置されている。また、反射板Ａ８０３、及び反射板Ｂ８０４から成る光路変更機構が形成されている。このとき、液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、光路変更機構により、右目信号と左目信号が別個にそれぞれ右目と左目に入射する構成とすることで、立体視を行うことが可能となる。
【００３５】
（実施の形態７）
本発明の第３の立体視表示装置は、実施の形態５と同様の構成において、液晶表示装置の両側の表示部が、それぞれ目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を表示する。目の焦点深度が異なる画像を合成すると立体視を行うことが可能となる。
【００３６】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、両面表示、又は片面表示の液晶表示装置の光利用効率が向上し高輝度化と低電力化が図れる。また、基板に導光体機能を付与することで、薄型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態１の液晶表示装置の断面図
【図２】光利用効率の向上の原理図
【図３】実施の形態２の液晶表示装置の断面図
【図４】実施の形態３の液晶表示装置の断面図
【図５】実施の形態４の液晶表示装置の断面図
【図６】実施の形態５の立体視表示装置の構成図
【図７】実施の形態６の立体視表示装置の構成図
【符号の説明】
１００ 導光体
１０１ 集光フィルム
１０２ 偏光選択反射層Ａ
１０３ 基板Ａ
１０４ 液晶Ａ
１０５ 基板Ｂ
１０６ 偏光板Ａ
１０７ 集光フィルム
１０８ 偏光選択反射層Ｂ
１０９ 基板Ｃ
１１０ 液晶Ｂ
１１１ 基板Ｄ
１１２ 偏光板Ｂ
１１３ ランプカバー
１１４ 光源
１１５ 出射光Ａ
１１６ 出射光Ｂ
１１７ 出射光Ｃ
１１８ 出射光Ｄ
Claims (13)
- 導光体の両面に液晶パネルが配置された液晶表示装置において、前記導光体と前記液晶パネル間に偏光選択反射層が配置され、さらに前記導光体の両側で前記偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 導光機能を有する第１基板の片面側に第１液晶層と第２基板が形成され、前記第１基板の他面側に第２液晶層と第３基板が形成された液晶表示装置において、前記第１基板と前記第１液晶層、及び前記第１基板と前記第２液晶層間に偏光選択反射層が積層され、さらに前記第１基板の両側で前記偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 導光体の片面に第１液晶パネルが配置され、前記第１液晶パネルが、前記導光体側から第１偏光選択反射層、第１液晶層、及び第２偏光選択反射層を有し、さらに前記導光体の他面に第２液晶パネルが配置され、前記第２液晶パネルが、前記導光体側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、及び第４偏光選択反射層を有するときに、前記第１偏光選択反射層と前記第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに前記第１偏光選択反射層と前記第２偏光選択反射層、及び前記第３偏光選択反射層と前記第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 導光機能を有する第１基板の片面側に前記第１基板側から、第１偏光選択反射層、第１液晶層、第２偏光選択反射層、及び第２基板が形成され、前記第１基板の他面側に前記第１基板側から第３偏光選択反射層、第２液晶層、第４偏光選択反射層、及び第３基板が形成された液晶表示装置において、前記第１偏光選択反射層と前記第３偏光選択反射層が互いに異なる偏光選択性を有し、さらに前記第１偏光選択反射層と前記第２偏光選択反射層、及び前記第３偏光選択反射層と前記第４偏光選択反射層がそれぞれ互いに異なる偏光選択性を有することを特徴とする液晶表示装置。
- 前記偏光選択反射層が、円偏光に対して偏光選択性を有することを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記偏光選択反射層が、直線偏光に対して偏光選択性を有することを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記導光体の端面に光源が配設された請求項１、又は３記載の液晶表示装置。
- 前記導光体の一部に光源が設けられたことを特徴とする請求項１、又は３記載の液晶表示装置。
- 前記第１基板の端面に光源が配設された請求項２、又は４記載の液晶表示装置。
- 前記第１基板の一部に光源が設けられたことを特徴とする請求項２、又は４記載の液晶表示装置。
- 請求項１から４のいずれかに記載の液晶表示装置と光路変更機構を含む立体視表示装置において、前記液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、前記光路変更機構により、前記右目信号と前記左目信号が合成されることで立体視を行う立体視表示装置。
- 請求項１から４のいずれかに記載の液晶表示装置と光路変更機構を含む立体視表示装置において、前記液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ右目信号と左目信号を表示し、前記光路変更機構により、前記右目信号と前記左目信号が別個にそれぞれ右目と左目に入射することで立体視を行う立体視表示装置。
- 請求項１から４のいずれかに記載の液晶表示装置と光路変更機構を含む立体視表示装置において、前記液晶表示装置の両側の表示部がそれぞれ目の焦点深度が異なる状態に対応する表示情報を表示し、前記光路変更機構により前記表示情報を合成することで立体視を行う立体視表示装置。
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