JP4117799B2 - 予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は予混合圧縮着火式内燃機関に係り、特に、圧縮着火時期を最適に制御することのできる予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法に関する。
近年、均一予混合気を圧縮して自己着火させる燃焼方式を採用した予混合圧縮着火式内燃機関が提案されている。この機関は、従来のガソリンエンジンおよびディーゼル機関でなしえない超希薄領域(空燃比80以上)の機関運転が可能であり、火炎温度低下および均一混合気による着火燃焼を実現することから、NOxおよび煤の大幅な同時低減を可能とする機関である。
一般に予混合気が圧縮されてある温度に到達すると、燃料である炭化水素の脱水素反応を創始反応とする低温酸化反応と称する反応が開始される。この低温酸化反応が進行すると、青炎と呼ばれる素反応を経由し自己着火に至る。この自己着火現象は、混合気中の多点で同時に起こるため、燃焼室内を全体でみた燃焼期間は、従来のガソリン機関における火花点火(一点点火)による燃焼期間、もしくはディーゼル機関における噴霧燃焼の燃焼期間よりもはるかに短い。このことが、火炎温度とその継続時間に依存するNOx生成を抑制する結果となり、圧縮着火式内燃機関において低NOxを実現する要因となっている。
従来の火花点火機関の点火プラグの点火によって生じる火炎伝播による燃焼期間は、エンジン回転数の上昇に伴い短くなる傾向がある。これは、エンジンの回転の上昇に伴い燃焼室内に生成される空気流の乱れ強度が強くなり、その結果、火炎面の面積(反応面積)が増加するからである。従って、火花点火機関では、熱発生をしている時間をクランク角度で見た熱発生クランク角は、エンジン回転数によらずほぼ一定に保つことができる。
これに対し予混合圧縮着火機関においては、自己着火現象が混合気中の多点で同時に起こるため、燃焼期間が火花点火機関に比べ非常に短く、かつエンジン回転数の高低によらずほぼ一定であることが知られている。これは、予混合圧縮着火では、圧縮着火によって燃料が燃焼するもので、燃焼室の全域でほぼ同時に燃焼し、火炎面が存在しないためガス流動の影響を受け難いためである。したがって、予混合圧縮着火機関では、熱発生クランク角がエンジン回転数によって変わることになる。すなわち、エンジンが低回転の場合には、燃焼クランク角が長く、高回転では短くなる。
ガソリンエンジンに代表されるオットーサイクルによるレシプロ機関は、熱発生が最大となるクランク角が圧縮上死点付近にあると最も熱効率が高くなる。予混合圧縮着火機関の場合、自己着火現象が混合気中の多点で同時に起こり、燃焼期間がエンジン回転数の高低によらずほぼ一定であることから、エンジン回転数によって熱発生クランク角が変わることになり、エンジン回転数によって熱発生が最大となるクランク角が圧縮上死点付近からずれることになる。このため、予混合圧縮着火機関では、最も熱効率が高くなるように、エンジン回転数毎に圧縮上死点付近に熱発生の最大値が来るように、着火時期を精度良く制御する必要がある。
しかし、予混合圧縮着火機関の場合は、予混合圧縮着火領域では、点火プラグを用いずに、ピストンによって燃焼室内の混合気を圧縮したときに生じる圧縮熱によって自ら着火する自着火現象を利用するため、着火時期を精度良く制御するのは、火花点火機関のように点火プラグへの電力供給を制御して点火時期を制御するものに比較して困難なものとなっている。
このような問題を解決するため、従来、特開2000−220482号公報においては、予混合気に混合して気化するときに予混合気の潜熱を奪うことによって圧縮自着火のタイミングを制御することができることから、予混合気の潜熱を奪う液体の混合量の調節を行って予混合気に混合し、圧縮自着火のタイミングを制御する方法が提案されている。
また、特開2000−265867号公報においては、エンジン動作サイクルにおける圧縮自着火のタイミングを検出可能、且つ予混合気と比熱比が異なり燃焼室内で反応しないコントロールガスを燃焼室内に供給可能な構造とし、検出された着火タイミングに基づいて、燃焼室内に供給されるコントロールガスの供給量を制御して、圧縮着火のタイミングを制御する方法が提案されている。
また、特開2000−227027号公報においては、エンジン動作サイクルにおける圧縮自着火のタイミングを検出可能とし、且つ吸気ポート上流部に吸気温度を制御する手段を設け、検出された着火タイミングに基づいて、燃焼室内に供給される吸気温度を制御することで、圧縮着火のタイミングを制御する方法が提案されている
また、特開平10−238374号公報においては、燃焼室内に着火時期に合わせて着火を開始させる着火燃料インジェクタと、燃焼室の容積を可変して圧縮比を可変する圧縮比可変機構と、内燃機関の負荷状態に応じて予混合燃料量及び圧縮比を可変する制御手段を備え、負荷状態に基づく予混合燃料量に応じて圧縮比を可変しつつ、着火時期に合わせて着火燃料を供給して着火を開始する方法が提案されている。
特開2000−220482号公報 特開2000−265867号公報 特開2000−227027号 特開平10−238374号公報
しかしながら、このようなそれぞれの従来例には、次のような問題がある。
特開2000−220482号公報にあっては、混合気に蒸発潜熱を奪う液体を混合して圧縮自着火のタイミングを制御するものであるため、従来のエンジンに加え、液体を注入するためのポンプや、その液体を蓄えるタンク、また液体注入量を制御するための制御弁などを設ける必要があり、コストの上昇や、これら機器の取付スペースの確保、定期的な液体の供給が煩雑となるという問題がある。
また、特開2000−265867号公報にあっては、混合気にコントロールガスを混合して圧縮自着火のタイミングを制御するものであるため、従来のエンジンに加え、コントロールガスを注入するためのポンプや、そのガスを蓄えるタンク、またコントロールガス量を制御するための制御弁などを設ける必要があり、コストの上昇や、これら機器の取付スペースの確保、定期的なコントロールガスの供給が煩雑となるという問題がある。
また、特開2000−227027号公報にあっては、燃焼室内に供給される吸気温度を制御して圧縮着火のタイミングを制御するものであるため、従来のエンジンに加え、吸気温度を制御する手段を設ける必要があり、コストの上昇や、これら機器の取付スペースの確保が問題となる。また、吸気ポートに吸気を加熱または冷却する手段を設けるため、吸気温度の応答遅れによって自着火タイミングを高精度に制御するのが困難になるという問題がある。
さらに、特開平10−238374号公報にあっては、負荷状態に基づく予混合燃料量に応じて圧縮比を可変しつつ、着火時期に合わせて着火燃料を供給して圧縮着火のタイミングを制御するものであるため、燃焼室の圧縮比を可変にする構造が複雑となり、信頼性の低下を来たし、コストが上昇するという問題がある。
本発明の目的は、予混合圧縮着火エンジンにおいて、装置を複雑にすることなく、低コストで、エンジンの運転条件に合わせて圧縮着火時期を最適に制御することのできる予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を提供することにある。
本発明の特徴は、ピストン圧縮によって予混合気を自己着火させる予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮着火運転領域で、エンジン回転数が低回転から高回転に変化するに伴い、噴霧燃料の燃焼室内壁面への衝突量を連続的又は段階的に増加するようにしたものである。
本発明の他の特徴は、ピストン圧縮によって予混合気を自己着火させる予混合圧縮着火式内燃機関において、燃焼室内に空気を供給する吸気ポート内に燃料を噴射する燃料インジェクタを備え、圧縮着火運転領域で、エンジン回転数が低回転から高回転に変化するに伴い、前記燃料インジェクタから前記吸気ポート内に噴射する噴霧燃料の噴射時期を吸気行程噴射から排気行程噴射へ連続的又は段階的に進角させるようにしたものである。
本発明のさらに他の特徴は、ピストン圧縮によって予混合気を自己着火させる予混合圧縮着火式内燃機関において、燃焼室内の圧力を検出する圧力センサと、クランク軸の回転角度を検出するクランク角センサとを設け、圧縮着火運転領域で、前記圧力センサによって検出された燃焼室内の圧力の最大値が圧縮上死点後10〜15°の範囲になるように着火時期を制御するようにしたものである。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法によれば、燃料の気化潜熱を利用した混合気温度制御によって、圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の着火時期をエンジンの運転条件に合わせて最適に制御することができる。
また、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法によれば、筒内圧力の最大値となるクランク角度が、熱効率が最も高くなるようにフィードバック制御により着火時期を設定することによって、外気温や、冷却水温の変化などの外乱が入っても、常に熱効率の高い燃焼を行うことができる。
さらに、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法によれば、極めてNOx排出の少なく、熱効率の高い圧縮着火式内燃機関を低コストで実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の一実施の形態を示す圧縮着火式内燃機関の構成図である。
図1において、圧縮着火式内燃機関は、燃焼室1を有しており、この燃焼室1では、ピストン2の下降動によって吸気ポート3から空気と燃料の混合気を吸入し、吸入した混合気をピストン2の上昇動によって圧縮して爆発させてピストン2を急激に押し下げる動作が行われる。この燃焼室1には、図2に示す如く、吸気ポート3および排気ポート4が連通されている。また、吸気ポート3では、吸気弁5によって、排気ポート4では排気弁6によってそれぞれ燃焼室との通路開閉を行っており、吸気弁5、排気弁6がそれぞれ燃焼室との通路開閉手段として用いられている。
また、燃焼室1内には、燃料噴射弁7と、点火プラグ8が配置されている。この燃料噴射弁7は、燃焼室1内に直接燃料を噴射するよう燃焼室1の上部に設置されており、噴射ノズルがピストン2に対向して設けられている。なお、燃料噴射弁7を吸気ポート3の分岐部の間に配置し、噴射ノズルがピストン2の表面に対し、斜めになるような筒内噴射方式であっても構わない。
また、この点火プラグ8は、エンジンコントロールユニット9(以下、ECUと記す)から火花点火燃焼を指示された場合に、火花放電するためのものである。このECU9には、アクセル開度検出装置10の出力値、ブレーキ踏力検出装置11の出力値、車速検出装置12の出力値が入力するようになっている。このアクセル開度検出装置10は、アクセルに設けられており、このアクセル開度検出装置10は、エンジン負荷の検出を行っている。また、ブレーキ踏力検出装置11は、ブレーキに設けられており、ブレーキの踏力の検出を行っている。このアクセル開度検出装置10とブレーキ踏力検出装置11は、車両を運転するドライバの意図を検出するドライバ意図検出手段を構成している。すなわち、このドライバ意図検出手段は、どういう負荷が要求されているかをエンジン側で判断するものである。また、車速検出装置12は、自動車の車速を検出するもので、車両走行状態を検出する車両走行状態検出手段を構成している。
さらに、吸気ポート3には、吸入空気量調整装置(スロットルバルブ)13が設けられており、吸気ポート3内に供給される空気量を調整するものである。この吸気ポート3の吸入空気量調整装置13の上流側には、エアフローセンサ14が設けられている。このエアフローセンサ14は、吸気ポート3内に供給される空気の温度を検出するものである。また、燃焼室1内近傍には、シリンダブロック15の周囲に配設されるウォータジャケットを流れ、エンジンを冷却する冷却水の温度を検出する機関冷却水温センサ16が設けられている。
また、排気ポート4には、空燃比センサ17が設けられている。この空燃比センサ17は、排気ポート4から排気される排気ガスの空燃比を検出するものである。また、この排気ポート4の空燃比センサ17の下流側には、触媒18が設置されており、この触媒18の下流側には、触媒後排温センサ19が設置されている。また、燃焼室1には、圧力センサ20が設けられている。この圧力センサ20は、燃焼室1内の圧力を測定するもので、機関が予め設定されている圧縮着火運転モードでの最高エンジン回転数においても、燃焼室1内の圧力ピーク時のクランク角度を1°以内で検出できる応答性を有するものである。また、ピストン2には、コンロッド21が取り付けられており、このコンロッド21は、クランク軸22に回転自在に取り付けられている。このクランク軸22の近傍には、機関のクランク角を検出するクランク角センサ23が設けられている。
この機関運転条件を検出するエアフローセンサ14、機関冷却水温センサ16、空燃比センサ17、触媒18の後ろに設置されている触媒後排温センサ19、燃焼室1内の圧力を測定する圧力センサ20およびクランク角センサ23からの出力値は、ECU9に逐次取り込まれる。
本機関の圧縮比は、燃焼室1内の混合気が自着火に至る温度に達するよう15〜20程度に設定されている。
本実施の形態において、エンジン負荷はアクセル開度検出装置10の出力値により演算される。したがって、機関負荷検出手段は、アクセル開度検出装置10である。この圧縮着火式内燃機関を搭載した車両の加速度を把握する手段としては、本発明では車両に取り付けられた車速検出装置(車速センサ)12の微分値を用いているが、この車両に加速度センサを設置し、その出力値を用いてもよい。
また、ブレーキ踏力検出装置11の出力値は、ドライバがブレーキペダルを踏んだかどうかを判定するON・OFF信号を用いているが、ブレーキペダル後ろにブレーキ踏力センサを設置してその出力値を用いることも可能であり、またブレーキの油圧配管中に油圧センサを設けることによってドライバのブレーキ踏力を把握してもよい。
また、図1に示すように、吸入空気量調整装置13の下流側の吸気ポート3には、吸気圧センサ24を設置してもよい。この吸気圧センサ24は、吸入空気量調整装置13の下流側の吸気ポート3を通過する吸入空気の圧力を検出するものである。
なお、図1において、25は、吸気弁5の可変バルブ機構で、26は、排気弁6の可変バルブ機構である。
本機関では、圧縮着火と火花点火を、各センサの検出値によって切り替える。 図3は、エンジン回転数と負荷に対して、圧縮着火の運転領域と火花点火による運転領域の一例を示したものである。
この図3に図示の例では、エンジン回転数がNc以下、かつ負荷がLc以下の場合には、予混合圧縮着火によって運転され、それ以上のエンジン回転数及び負荷では火花点火によって運転される。したがって、エンジン回転数がNc以下で負荷がLcより大きい場合は、火花点火によって運転され、エンジン回転数がNc以上の場合は、負荷がLc以下であっても火花点火によって運転されるということである。これは、エンジン回転数Nが高速(N>Nc)の場合には、負荷Lが低負荷(L<Lc)であっても、燃焼室1内での燃料の化学反応時間が短くなるため自着火に至らず、また、エンジン回転数Nが低速(N<Nc)てあっても、負荷Lが高負荷(L>Lc)領域での自着火運転ではノッキングが発生するためである。
圧縮着火運転と火花点火運転との切替えは、あらかじめ圧縮着火燃焼による運転を行なう条件と火花点火燃焼による運転を行なう条件に基づいて行われる。この運転の切替えの条件は、アクセル開度検出装置10の検出値であるアクセル開度、空燃比センサ17の検出値である空燃比(A/F)、車速検出装置12の検出値である車速、クランク角センサ23の出力値の検出値であるエンジン回転数N、エアフローセンサ14の検出値である吸気温度、機関冷却水温センサ16の検出値である機関冷却水温、触媒後排温センサ19のそれぞれがマップとしてECU9に書き込まれている。
図4には、圧縮着火による燃焼方法か、火花点火による燃焼方法かを決定する制御フローチャートが示されている。
図4において、まず、ステップ30において、アクセル開度検出装置10の検出値であるアクセル開度と、ブレーキ踏力検出装置11の検出値であるブレーキ踏力の読み込みを行う。このステップ30においてアクセル開度とブレーキ踏力の読み込みを行うと、ステップ32において、車速検出装置12の検出値である車速とクランク角センサ23の出力値の検出値であるエンジン回転数Nの読み込みを行い、エンジン(機関)負荷の演算を行う。このステップ32においてエンジン(機関)負荷の演算を行うと、ステップ34において、機関冷却水温センサ16の検出値である機関冷却水温の読み込みを行い、ステップ36において、触媒後排温センサ19の検出値の読み込みを行い、ステップ38において、エアフローセンサ14の検出値である吸気温度の読み込みを行う。これらの検出値の読み込みを行うと、ステップ40において、これらの読み込んだ検出値を比較、判断し、圧縮着火燃焼モード(圧縮着火による燃焼方法)か否かを判定する。このステップ40において圧縮着火燃焼モード(圧縮着火による燃焼方法)であると判定すると、ステップ42において、図3の圧縮着火燃焼モード(圧縮着火による燃焼方法)を選択する。また、このステップ40において火花点火燃焼モード(火花点火による燃焼方法)であると判定すると、ステップ44において、図3の火花点火燃焼モード(火花点火による燃焼方法)を選択する。
次に、図4における判定結果により、圧縮着火燃焼モード(圧縮着火による燃焼方法)が選択されている(圧縮着火燃焼による運転が指示されている)場合について説明する。
ECU9には、アクセル開度検出装置10、およびエンジン回転数Nを検出する手段としてクランク角センサ23の出力値が取り込まれており、この出力値より、このエンジンの出力トルクが定まり、燃料噴射弁7からの燃料噴射量および吸入空気量を決定する。
一方、燃焼室1内において混合気の圧縮着火時期は、燃焼室1温度履歴および圧力履歴、また混合気の空燃比に依存することがわかっている。そこで図1中の各センサ出力値によって、吸気弁5の可変バルブ機構25よび排気弁6の可変バルブ機構26、さらに吸入空気量調整装置13を制御する。この吸入空気量調整装置13は、本実施の形態においては、スロットルバルブである。このときの吸入空気量調整装置13は、電子制御式スロットルであることが望ましいが、アクセルペダルとワイヤ連結された方式のスロットルを用いてもよい。
図5には、ドライバ意図、車両走行状態、機関運転条件および各センサ出力値に応じて定まるエンジンの出力トルクに対し、燃料噴射量が予めECU9に書き込まれている場合の制御フローチャートが示されている。
まず、ステップ50において、ECU9にドライバ意図としてアクセル開度検出装置10の検出値およびブレーキ踏力検出装置11の出力値を読み込む。このステップ50においてそれぞれのドライバ意図検出値を読み込むと、ステップ52において、車両走行状態および機関運転条件として、アクセル開度検出装置10の検出値、空燃比センサ17の検出値、クランク角センサ23の検出値、エアフローセンサ14の検出値およびそれに搭載された吸気温度センサの検出値、機関冷却水温センサ24の検出値、触媒後排温センサ19の検出値の各出力値をECU9に読み込む。このステップ52において車両走行状態および機関運転条件の読み込みを行うと、ステップ54において、これらの検出値に基づいて、ECU9内に記憶されている燃料噴射量マップおよび目標空燃比マップによって、燃料噴射量および目標空燃比の検索を行う。このステップ54において燃料噴射量および目標空燃比の検索を行うと、ステップ56において、この検索した燃料噴射量および目標空燃比の2つの目標値より、目標となる空気量の演算を行い、目標空気量を求める。
このステップ56において目標空気量を求めると、ステップ58において、エアフローセンサ14の出力値、エアフローセンサ14内の吸気温度センサの出力値、およびクランク角センサ23の出力値に応じて、吸入空気量調整装置(スロットルバルブ)13、吸気弁5の可変バルブ機構25、排気弁6の可変バルブ機構26の操作量を決定する。このステップ58において操作量を決定すると、ステップ60において、吸入空気量調整装置(スロットルバルブ)13、吸気弁5の可変バルブ機構25、排気弁6の可変バルブ機構26を操作する。そして、ステップ62において、目標空気量になったか否かを判定し、このステップ62において目標空気量になっていないと判定すると、ステップ58に戻り、このステップ62において目標空気量になったと判定すると、ステップ50に戻る。
次に、図6に基づいて、本実施の形態において用いる燃料噴霧の形態について説明する。
燃料噴射弁7には、燃料ポンプ101によって概ね3〜12MPaの圧力の燃料が供給され、燃料噴射弁7の先端の弁がECU9からの開弁信号201によって決められた期間、開かれることによって所定量の燃料が燃料噴射弁7から燃焼室1内に噴射される。このとき、燃料の気化を充分に行うために、噴射される燃料噴霧100の平均粒径は概ね30μm以下になるよう燃料噴射弁7の構造及び燃料圧力が決められている。なお、燃料ポンプ101の圧力はECU9からの燃圧設定信号202により設定される。この燃料噴射弁7のノズル先端から噴霧される燃料噴霧100は、図6に示すように、燃料噴射弁7のノズル先端を頂点とした円錐形状となる。このとき、噴霧断面内の流量分布(単位面積当たり流量)は図7のAに示すような均一な分布であることが望ましい。これは、空気と燃料との接触面積を増やして、燃料の気化を良くするためと、燃料噴霧がピストンに衝突した時に、ピストン上にできるだけ均一かつ厚みの薄い液膜を形成するためである。図7のBに示すように、流量分布が大きい噴霧では、流量の多い部分で気化が不充分となったり、噴霧がピストンに衝突したときに、ピストン上に局所的に厚い液膜ができやすく、すすや未燃HCの増加につながる。
また、図6に図示の燃料噴射弁7から燃料を噴射したときの燃料噴霧100の到達距離Lp(ペネトレーション)は、図8に示すように大気圧、常温条件下で、自着火運転の最大負荷に相当する量の燃料を、静止空気中に噴射したときの最大ペネトレーションLpmaxがピストンストローク長の概ね70%〜90%の範囲にあることが望ましい。これは下死点近傍で燃料を噴射したときには、噴霧をピストンにほとんど当てることなく、燃焼室中で気化させ、吸気行程前半で噴射した場合には、燃料の少なくとも一部をピストンに衝突させるためである。噴霧ペネトレーションは、燃料ポンプによる燃料圧力を可変とし、圧縮着火運転時に上記条件となるように燃料圧力をECU9によって設定する。または、燃料噴射弁7を自着火運転時の燃料圧力を一定圧力とし、その燃料圧力でのペネトレーションが、最大ペネトレーションLpmaxがピストンストローク長の概ね70%〜90%の範囲となるような構造としてもよい。
一方、図6に図示の燃料噴射弁7から燃料を噴射したときの燃料噴霧100の噴霧角θは噴霧ペネトレーションがピストンストローク長の70〜90%の時に、燃料噴霧100の噴霧の幅Lwが燃焼室1ボア直径の90〜100%であるように設定されることが望ましい。
この燃料噴霧100の噴霧の幅Lwがこれより広い噴霧角をもって燃料噴射弁7から燃料が噴射される場合には、下死点近傍で燃料を噴射すると、燃料噴霧100の一部が燃焼室1のボア壁に付着し、オイル希釈や未燃HCの増加につながる。また、燃料噴射弁7から燃料を噴射したときの燃料噴霧100の噴霧角θが燃料噴霧100の噴霧の幅Lwよりも狭い噴霧角で燃料噴射弁7から燃料が噴射される場合には、燃料噴射弁7から噴射される燃料の噴霧の集中度が増すため、燃料の気化が悪化してしまう。
図9〜図13には、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における自着火運転時の燃料噴霧と混合気形成の方法の動作工程が示されている。図9は、吸気行程、図10は、圧縮行程、図11は、自着火行程、図12は、膨張行程、図13は、排気行程をそれぞれ示している。
自着火運転時、吸気行程においては、図9に示す如く、吸気弁5が開き、吸気ポート3からは、吸入空気量調整装置(スロットルバルブ)13によって所定の空気流量になるように調整された空気が燃焼室1内に導入される。そして、燃料噴射弁7からは、図9に示す如く、ECU9によって決められた所定量の燃料が、ECU9によって決められた時期に燃焼室1内に噴射される。この図9は、吸気行程の中期に燃料が噴射された例を示しており、平均粒径が30μm以下に微粒化された燃料噴霧100は、燃焼室1内の空気と熱交換することで蒸発する。また、燃料噴射弁7から噴射された燃料の一部はピストン2の冠面に衝突し、ピストン2から熱を受けて蒸発する。
これらの蒸発した燃料は、図9に示される吸気行程で生成される空気流動によって燃焼室1内で空気と混合し、図10に示す如く、混合気103を形成する。図10に示される圧縮行程では、吸気弁5が閉じられ、ピストン2が上昇する。このピストン2が上昇することで、燃焼室1内は、圧力、温度が上昇し、低温酸化反応が進行する。そして、ピストン2がさらに上昇し続け、やがて、上死点付近にまで上昇すると、図11に示す如く、燃焼室1内の混合気103は、青炎反応を経由し自己着火に至る。このように燃焼室1内の混合気103が青炎反応を起こし自己着火すると、燃焼室1内の温度、圧力が急激に上昇し、燃焼室1内は、急激に膨張する。
この燃焼室1内の温度、圧力が急激に上昇する図12に示す如き膨張行程では、ピストン2が下方に押し下げられ、クランク軸21を回転させ動力を得る。この図12に示す如き膨張行程でピストン2が下方に押し下げられ下死点にきた後、再び上昇し始める。このピストン2が上方に押し上げられる図13に示す如き排気行程では、排気弁6が開き、燃焼ガス104が排気ポート4を通って、触媒18に供給される。この触媒18では、排気ガス中のNOx、HC、COなどの有害成分が浄化される。この触媒18において有害成分の浄化がされた排気ガスは、消音器(図示しない)を通って、大気中に排出される。
なお、本実施の形態において、図30に示すようにピストン2の冠面2Aをピストン2本体より熱容量の大きな部材、例えばセラミック等で構成すると、ピストン2の冠面2Aの温度が上昇するため、ピストン2に付着した燃料を速やかに気化させることができる。
次に、本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の一実施の形態について説明する。本実施の形態においては、この圧縮着火運転時の自着火時期を適正にするために、エンジン回転速度に応じて燃料噴射時期を制御している。
まず、自着火運転における着火時期制御の必要性について説明する。
図14には、圧縮着火運転時の自着火におけるクランク角に対する熱発生率が示されている。
この図14では、自着火の着火時期を一定とし、エンジン回転数を変えたときに熱発生率がクランク角でどのように変化するかを示したものである。圧縮着火運転時の自着火においては、エンジン回転数に関わらず絶対時間で見たときの熱発生期間が殆ど変化しないという特性がある。図14に示す如く、エンジン回転が最適回転の時は、圧縮上死点付近で熱発生が最大となる。しかし、自着火の着火時期が一定である場合、エンジン回転が低回転においては、熱発生が最大となるクランク角度が進角し(図14で圧縮上死点より左側に移動した位置になる)、エンジン回転が高回転においては、熱発生が最大となるクランク角度が遅角する(図14で圧縮上死点より右側に移動した位置になる)。すなわち、圧縮着火運転時の自着火においては、エンジン回転数に関わらず絶対時間で見たときの熱発生期間が殆ど変化しないため、エンジン回転が低回転の場合は、青炎反応を経由し自着火してからピストン2の上昇速度が自着火燃焼速度よりも遅く、圧縮上死点にくる前に熱発生の最大となるピークがきてしまい、圧縮上死点付近より早い時期に熱発生が最大となってしまう。また、エンジン回転が高回転の場合は、青炎反応を経由し自着火してからピストン2の上昇速度が自着火燃焼速度よりも速く、ピストン2が圧縮上死点にきても熱発生の最大となるピークが来ない状態で、ピストン2が圧縮上死点付近を通過した後の時期に熱発生の最大となるピークがきてしまい、ピストン2が圧縮上死点を通過した後に熱発生が最大となってしまう。
したがって、ピストン2が圧縮上死点付近で熱発生が最大となる場合が最も熱効率が良くなることから、エンジン回転が低回転の場合も、エンジン回転が高回転の場合も、ピストン2が圧縮上死点にきたときに熱発生の最大となるピークがくるように制御すれば熱効率が最も良くなる。そのためには、エンジン回転数によって着火時期を適切に制御する必要がある。具体的には、低回転時には着火時期を遅角し、高回転で進角させることで、熱発生時期を最適化できる。
一方、自着火の着火時期と混合気の温度との間には非常に強い相関があることが知られている。図15には、この混合気温度と着火遅れ時間との関係が示されている。
図15において、縦軸には、着火時期が、横軸には、混合気温度の逆数が採ってある。このように図15の横軸に混合気温度の逆数を採ってあるため、横軸の左側にいくほど混合気温度が高いことを示している。また、図15の縦軸の着火遅れ時間は、対数軸で示してある。この図15に示される特性から明らかなように、混合気の温度が高くなるにしたがって、着火遅れ時間は、急速に短くなっていく。すなわち、圧縮着火では、混合気の温度を少し変えるだけで、着火時期を大きく変化させることができることがわかる。
そこで、本実施の形態においては、燃料噴霧100の気化潜熱を利用して、混合気温度を最適な着火時期となるように制御している。
低回転で圧縮着火運転を行う時には、図16に示す如く、燃焼室1内に吸気下死点近傍で燃料噴射弁7から燃料を噴射する。燃料噴射弁7から噴射された燃料噴霧100のペネトレーションはピストンストローク長さの概ね70〜90%になるように、燃料圧力及び燃料噴射弁7の構造が決められているため、燃料噴霧100の殆どは、ピストン2に当たることなく、燃焼室1の空気中で気化することになる。この燃焼室1内に燃料噴射弁7から燃料が噴射されると、燃焼室1内の空気から気化潜熱を奪うため、燃焼室1内に生成される混合気の温度は低くなる。このため、着火遅れ時間が長くなり、着火時期は遅角する。
一方、高回転で圧縮着火運転を行う時には、図17に示す如く、燃焼室1内に吸気行程の前半で燃料噴射弁7から燃料を噴射する。このときの燃料噴射弁7のノズルとピストン2との距離は、燃料噴射弁7から噴射された燃料噴霧100のペネトレーションに比べ充分短いため、燃料噴霧100の多くはピストン2の冠面2Aに衝突し、ピストン2上に液膜が形成される。この燃料噴射弁7から噴射された燃料噴霧100の断面内の流量分布は、均一であるため、このとき生成される液膜は一様な厚さとなる。このピストン2の冠面2Aに衝突して生じたピストン2上の液膜は、ピストン2から熱を受けて気化するため、燃焼室1内の空気から奪う気化潜熱は少なく、生成される混合気の温度が低回転時より高くなる。これにより、着火遅れ時間は短く、着火時期を低回転時に比べ進角させることができる。
図18には、本実施の形態における、圧縮着火運転時のエンジン回転数と燃料噴射時期の関係が示されている。このようなエンジン回転数と燃料噴射時期の関係が、ECU9のマップに予め格納されており、クランク角センサ23によって検出したエンジン回転数Nに基づき、燃料の噴射時期が決定される。
エンジンの回転数Nが最も低い場合には、吸気下死点で燃料を噴射し、エンジンの回転上昇に伴い、噴射時期を吸気上死点に向けて連続的に進角させていく。燃料噴射時期の進角と共に、ピストン2に衝突する噴霧量が増えるため、ピストン熱による気化割合が増え、相対的に気化潜熱による冷却分が減少し、混合気温度が高くなる。これによって、着火時期が進角し、高回転でも熱効率の高い燃焼が可能となる。
なお、エンジンに吸気される空気の温度は、外気温やエンジン水温、排気ガス再循環量(EGR量)などによっても変わるため、これらの影響を補正する制御を組み合わせるとさらに精度の高い着火時期制御が可能となる。外気温度は、図1に示すエアフローセンサ14によって検出され、また、冷却水温は機関冷却水温センサ16によって検出される。
また、EGR量は、吸気弁5の可変バルブ機構25、排気弁6の可変バルブ機構26の弁動作タイミングに応じて、予めECU9内にマップとして格納されている。また、本実施の形態には図示していないが、外部EGRを用いる場合には、EGR量がEGR量を制御する弁の開度、エンジン回転数、エンジン負荷によって予めマップとしてECU9に書き込まれており、このマップを参照することでEGR量が判る。これらの検出値を用いて、エンジン回転数Nに対する燃料噴射時期を図19のように補正する。すなわち、空気温度の上昇、水温の上昇、EGR量の増加に伴い、混合気温度が上昇し着火時期が進角する方向になるため、これを遅角させるよう、高回転側での燃料噴射時期を遅角させるよう、噴射時期マップを補正する。
また、着火時期を制御する方法には、図20に示す如く、燃料噴射時期を一定にして燃料噴射圧力を変えることによって行う方法がある。
エンジン回転数が低い場合には、図21に示す如く、ECU9から燃料ポンプ101に送られる燃圧設定信号202によって燃料圧力が低く設定され、燃焼室内に燃料噴射弁7から噴射される燃料噴霧100のペネトレーションが短くなる。これによって、ピストン2に衝突する燃料量が減り、燃焼室1内の混合気温度は、燃料の気化潜熱によって下がる。この結果、着火時期が遅角する。
一方、エンジン回転数が高い場合には、図22に示す如く、ECU9から燃料ポンプ101に送られる燃圧設定信号202によって燃料圧力が高く設定され、燃焼室1内に燃料噴射弁7から噴射される燃料噴霧100のペネトレーションが長くなる。これによって、ピストン2に衝突する燃料量が増え、燃焼室1内の混合気温度の低下は少なくなり、着火時期が進角する。
また、着火時期を制御する方法には、燃料噴射時期を一定にして1サイクルあたりの燃料噴射回数を変えることによって行う方法がある。
図23に示す如く、燃料圧力を一定にして、エンジン回転数の低下に伴い、吸気行程に燃焼室1内に直接噴射する噴射回数を増やしていく。この場合、エンジンの要求負荷が一定とすると燃料噴射量は、一定となるため、噴射回数が増えるに従い、1噴射あたりの噴射期間は短くなる。ここで噴射量、燃料圧力が一定の場合、噴霧のペネトレーションは、図24に示すように、噴射回数の増加に伴い短くなる。これは、噴射回数が増えるに従い、トータルの噴射期間(最初の噴射開始から、最後の噴射が終わるまでの期間)が長くなるため、噴霧の平均速度が下がるためである。
このように低回転側で噴射回数を増やすことで噴霧のペネトレーションが短くなり、ピストンへの噴霧衝突量が減少する。この結果、気化潜熱による混合気の温度低下が大きくなり、着火時期を遅角できる。逆に高回転では、噴射回数を減らすことで噴霧のペネトレーションが長くなり、ピストンへの噴霧衝突量が増加する。この結果、気化潜熱による混合気の温度低下が小さくなり、着火時期を進角できる。
また、ポート噴射式エンジンにおいても、燃料噴射時期によって着火時期を制御することができる。
この場合には、図25に示すように圧縮着火運転の低回転時には、吸気ポート3に取り付けられた燃料噴射弁7から吸気行程で燃料が噴射される。燃料は、吸気ポート3の壁面に付着することなく、燃焼室1内で気化する。吸気行程で噴射された燃料の一部は吸気弁に衝突するが、大部分は吸気弁5に付着することなく再飛散し、吸気流動に乗って燃焼室1内に入り気化する。このため、燃焼室1内の混合気は気化潜熱によって冷却され、着火時期が遅角する。
一方高回転時には、図26に示す如く、燃料は燃料噴射弁7から排気行程に噴射される。この場合には、吸気弁5が閉じているため、燃料は吸気弁5に付着して液膜を形成し、吸気弁5からの伝熱によって吸気ポート3内で気化する。このようにして混合気は燃料の気化潜熱によって冷却されることがなく、着火時期が進角する。
図27に図示のグラフから、エンジン回転数Nの上昇に伴い、燃料噴射時期を吸気行程から排気行程に連続的に変えると、吸気弁、吸気ポート壁面の伝熱で気化する燃料の割合と、燃焼室内で気化する燃料の割合を連続的に変えることができるため、きめの細かい着火時期制御が可能となる。
次にフィードバック制御を取り入れた、着火時期の最適化制御の実施の形態について説明する。
図28には、圧縮着火燃焼時の筒内圧力の時間変化が示されている。
図28に示す如き燃焼室1内の圧力の変化は、図1に示した筒内圧力センサ20によって検出される。燃焼室1の筒内圧は、燃料の燃焼に伴い上昇するが、着火時期の違いにより、筒内圧のピーク位置に違いが出てくる。すなわち、着火が早いAでは、筒内圧のピークは圧縮上死点(TDC)直後に現れ、また着火が遅いCでは、上死点から大きく遅れて圧力のピークが現れ、その絶対値も低くなる。一般に筒内圧のピーク位置は圧縮上死点後10〜15°となると熱効率が最も高くなることが知られていることから、Bのような圧力波形を得るように着火時期を制御すれば熱効率の高い燃焼が可能となる。
そこで本実施の形態においては、図1に示す筒内圧センサ49の圧力検出値とクランク角センサ23のクランク角検出値より、圧力が最大となるクランク角度Θpmaxを求める。Θpmaxが圧縮上死点後10〜15°より進角している場合には、着火時期が早すぎるため、着火時期を遅らせるべく、燃料噴射時期を現在の設定時期よりも吸気下死点側にずらす。これによって燃料噴霧のピストン2への衝突が減るため、燃料の気化潜熱による混合気の温度低下幅が増え、着火時期を遅角できる。逆に、Θpmaxが圧縮上死点後10〜15°より遅角している場合には、着火時期が遅すぎるため、着火時期を早めるべく、燃料噴射時期を現在の設定時期よりも吸気上死点側へずらす。これによって燃料噴霧のピストン衝突が増えるため、燃料の気化潜熱による混合気の温度低下幅が減り、着火時期を進角できる。
このような方法を用いれば、エンジン回転数Nや外気温、水温、EGR量の変化による着火時期の変動も一括して、適正時期に補正できるため、より精度の高い着火時期制御が可能となる。
また、Θpmaxを検出して着火時期を制御するパラメータは燃料噴射時期以外にも考えられる。例えば、可変バルブ機構または外部EGRによるEGR量、吸気を加熱装置する装置を設けた場合にはその加熱量、燃料圧力を可変する機構を設けた場合には、燃料圧力の設定値、1サイクルあたりの燃料の噴射回数、圧縮比を可変する機構を設けた場合には圧縮比の設定値をそれぞれΘpmaxが圧縮上死点後10〜15°になるように制御することで、熱効率の高い圧縮着火運転が可能である。なお、圧縮比を可変する機構は、図29に示すように燃焼室1に連通する副室105を設け、この副室105の容積を副室ピストン104の移動により変えることで実現できる。副室ピストン104は、油圧、空気圧、電磁力などを用いて任意の位置に移動できる。
また、吸気ポート噴射式エンジンにもフィードバックを用いた着火時期制御は適用可能であり、前述した噴射時期制御によって、Θpmaxが圧縮上死点後10〜15°になるように着火時期を制御できる。すなわちΘpmaxが圧縮上死点後10〜15°より進角している場合には、着火時期が早すぎるため、着火時期を遅らせるべく、燃料噴射時期を現在の設定時期よりも吸気行程側へずらす。またΘpmaxが圧縮上死点後10〜15°より遅角している場合には、着火時期が遅すぎるため、着火時期を早めるべく、燃料噴射時期を現在の設定時期よりも排気行程側へずらすことで、最適な着火時期を得ることができる。
このように圧縮着火運転時に、エンジンが低回転から高回転になるに伴い、燃料噴霧100の燃焼室1の壁面への衝突量を増やすことで、低回転では燃焼室1内の混合気を気化潜熱によって冷却するため、着火時期を遅角でき、高回転では、燃料気化が燃焼室1の壁面からの伝熱によってなされるため燃焼室1内の混合気温度の気化冷却が減り、着火時期が進角する。
燃料噴霧100の図30に示すピストン2の冠面2Aへの衝突量を変える手段の1つは、燃料噴射時期であって、燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮着火運転時に、エンジンが低回転時には、吸気下死点近傍で燃料を噴射することで、ピストン2への燃料付着を減少し、エンジンが高回転時には、吸気上死点近傍で燃料を噴射することで、ピストン2への燃料付着を増加できる。
燃料噴霧100の図30に示すピストン2の冠面2Aへの衝突量を変える手段の1つは、燃料噴射時期であって、燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮着火運転時に、エンジンが低回転から高回転になるに伴い、燃料噴射時期を、吸気行程の後期から吸気行程の前期に向けて進角させることで、低回転から高回転に向けて連続的に燃料のピストン2への付着量を増やすことで、着火時期をきめ細かく制御することができる。
燃料噴霧100の図30に示すピストン2の冠面2Aへの衝突量を変える手段の1つは、燃料噴射圧力であって燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮着火運転時に、エンジンが低回転から高回転になるに伴い、燃料噴射圧力を高めることで、低回転では噴霧ペネトレーションが短いためピストン2の冠面2Aへの燃料付着が減り、高回転では噴霧ペネトレーションが長いためピストン2の冠面2Aへの燃料付着が増える。
燃料噴霧100の図30に示すピストン2の冠面2Aへの衝突量を変える手段の1つは、燃料噴射回数であって、燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮着火運転時に、エンジンが低回転から高回転になるに伴い、1サイクルあたりの燃料噴射回数を減らすことで噴霧ペネトレーションが長くなり高回転域での燃料のピストン2の冠面2Aへの燃料付着量が増加する。
また、吸気ポート内に燃料を噴射する燃料噴射弁7を設け、圧縮着火運転時に、エンジンが低回転から高回転になるに伴い、燃料噴霧100の噴射時期を吸気行程噴射から排気行程噴射へ進角させることで、低回転では燃料噴霧100が燃焼室1内で気化するため、気化潜熱によって混合気温度が下がり、高回転では、排気行程噴射のため、噴霧は吸気弁5または吸気ポート3の壁面からの伝熱で気化するため、混合気温度は下がらない。これによって低回転では着火を遅角し、高回転では進角させることができる。
また圧縮着火運転時の筒内圧力の最大値が圧縮上死点後、10〜15°の範囲になるように着火時期を制御することで、最も高い熱効率を得ることができる。
燃焼室1の筒内圧力の最大値が圧縮上死点後、10〜15°の範囲になるように制御するには、燃焼室1の壁面への燃料付着量の増減、または吸気加熱手段の吸気加熱量の増減、または、EGR量の増減によって混合気温度を変える方法がある。
燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、吸気行程での燃料噴射時期を遅角させることで燃料のピストン2の冠面2Aへの付着が減り、気化冷却によって混合気温度が下がることで着火時期を遅角できる。また、圧縮運転時の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、吸気行程での燃料噴射時期を進角させることで、気化冷却効果を減らし混合気温度を上げることで着火時期を進角できる。
吸気ポート内に燃料を噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、吸気行程での燃料噴射割合を増やすことで、気化冷却によって混合気温度が下がることで着火時期を遅角できる。また圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、排気行程での燃料噴射割合を増やすことで気化冷却効果を減らし混合気温度を上げることで着火時期を進角できる。
燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、燃料噴射圧力を低くすることで噴霧ペネトレーションが短くなり燃料のピストン2の冠面2Aへの付着が減って、混合気の気化冷却により着火時期を遅角できる。また、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、吸気行程での燃料噴射圧力を高くすることで噴霧ペネトレーションが長くなり、燃料のピストン2の冠面2Aへの付着が増え、混合気の気化冷却が減り、着火時期を進角できる。
燃焼室1内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁7を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、1サイクルあたりの燃料噴射回数を増やすことで噴霧ペネトレーションが短くなり燃料のピストン2の冠面2Aへの付着が減って、混合気の気化冷却により着火時期を遅角できる。また圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、1サイクルあたりの燃料噴射回数を減らすことで、噴霧ペネトレーションが長くなり、燃料のピストン2の冠面2Aへの付着が増え、混合気の気化冷却が減り、着火時期を進角できる。
吸気ポート3の上流部に吸気加熱装置を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、吸気加熱装置の加熱量を減らすことで、混合気温度が下がり着火時期を遅角できる。また、圧縮運転時の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、吸気加熱装置の加熱量を増やすことで、混合気温度が上がり着火時期を進角できる。
外部EGR供給手段または吸排弁可変タイミング手段を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、外部EGR供給手段または吸排弁可変タイミング手段によるEGR量を減らすことで、混合気温度が下がり着火時期を遅角できる。また、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、外部EGR供給手段または吸排弁可変タイミング手段によるEGR量を増やすことで、混合気温度が上がり着火時期を進角できる。
圧縮比を可変とする手段を備えた予混合圧縮着火式内燃機関において、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも早い場合には、圧縮比可変手段により、圧縮比を下げることにより圧縮行程での混合気温度が下がるため着火時期を遅角できる。また、圧縮運転時の燃焼室1の筒内圧力が最大となるクランク角が圧縮上死点後、10〜15°よりも遅い場合には、圧縮比可変手段により、圧縮比を上げることにより圧縮行程での混合気温度が上がるため着火時期を進角できる。
燃料噴射弁7から圧縮着火噴射時と同じ、空気圧力、空気温度、燃料圧力、燃料噴射量の条件のもとで、自由空間中に噴射される噴霧の最大ペネトレーションがピストンストローク長の70〜90%とすることによって、吸気行程の下死点付近で燃焼室1に噴射された燃料は、ピストン2の冠面2Aに衝突することなく、燃料の気化潜熱による混合気の冷却効果を最大限に利用できる。また、吸気行程前半で燃料噴射した場合は、噴霧の少なくとも一部がピストンに衝突することで、気化冷却効果を減らして、混合気温度を上げることができる。
燃料噴射弁7から圧縮着火噴射時と同じ、空気圧力、空気温度、燃料圧力、燃料噴射量の条件のもとで、自由空間中に噴射される噴霧のペネトレーションがピストンストローク長の70〜90%であるとき、噴霧の横幅がボア直径の90〜100%とすることで、吸気行程下死点近傍で燃料を燃焼室1内へ噴射した場合に、燃料のボア壁面への付着を防止でき、オイル希釈や未燃HC排出を防ぐことができる。また、燃料がピストンに衝突した場合に、ピストン2の冠面2Aの広い面積に燃料が付着するため、液膜厚さが薄くなり、すすや未燃HCの排出、燃料の気化の悪化を防止できる。
吸気温度、機関冷却水温度、EGR量が上昇するに伴い、圧縮着火運転時の高回転域での燃料噴射時期を吸気下死点方向にずらす補正をすることで、高回転時の着火時期が前記条件の変化によって最適着火時期より進角するのを防ぐことができる。
吸気温度、機関冷却水温度、EGR量が上昇するに伴い、圧縮着火運転時の高回転域での燃料噴射圧力を下げる補正をすることで条件の変化によって最適着火時期より進角するのを防ぐことができる。
ピストン2の冠面2Aをピストン2本体より熱容量の大きな材料で構成することによって、ピストン2の冠面2Aの温度が高くなるため、圧縮着火運転時にピストン2の冠面2Aに付着した燃料を確実に気化させることができる。
本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関の全体概略図である。 図1に図示の燃焼室と吸気ポート、排気ポートとの関係を示す平面図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関の回転数と負荷に対する運転モードマップを示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における運転モード選択フローチャートである。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火燃焼領域での吸入空気量調整装置および可変バルブ機構制御フローチャートである。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関に用いる燃料噴霧の形態を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関に用いる燃料噴霧の断面流量分布を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関に用いる燃料噴霧のペネトレーション時間変化を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の吸気行程を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の圧縮行程を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の着火行程を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の膨張行程を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮着火運転時の排気行程を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関の圧縮着火時の熱発生率のクランク角による変化を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関の自己着火における混合気温度と着火遅れ時間との関係を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における低回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における高回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関におけるエンジン回転数に対する燃料噴射時期を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関におけるエンジン回転数に対する燃料噴射時期の外乱に対する補正を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の実施の形態を示す燃料圧力による着火時期制御特性図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の実施の形態を示す燃料圧力による着火時期制御の低回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の実施の形態を示す燃料圧力による着火時期制御の高回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法の実施の形態を示す燃料噴射回数による着火時期制御を行う状態を示す図である。 図23に図示の燃料噴射回数による噴霧ペネトレーションの変化を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用するポート噴射方式圧縮着火式内燃機関における燃料噴射時期による着火時期制御の低回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用するポート噴射方式圧縮着火式内燃機関における燃料噴射時期による着火時期制御の高回転運転時の燃料噴霧挙動を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用するポート噴射方式圧縮着火式内燃機関におけるエンジン回転数に対する燃料噴射時期による着火時期制御の特性を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関の圧縮着火燃焼時の筒内圧力の時間変化を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関における圧縮比を可変する機構を示す図である。 本発明に係る予混合圧縮着火エンジンの着火時期制御方法を適用する圧縮着火式内燃機関におけるピストンの構成図である。
符号の説明
1……………燃焼室
2……………ピストン
2A…………冠面
3……………吸気ポート
4……………排気ポート
5……………吸気弁
6……………排気弁
7……………燃料噴射弁
8……………点火プラグ
9……………エンジンコントロールユニット(ECU)
10…………アクセル開度検出装置
11…………ブレーキ踏力検出装置
12…………車速検出装置
13…………吸入空気量調整装置(スロットルバルブ)
14…………エアフローセンサ
16…………機関冷却水温センサ
17…………空燃比センサ
19…………触媒後排温センサ
20…………圧力センサ
23…………クランク角センサ
100………燃料噴霧
101………燃料ポンプ
102………燃料タンク

Claims (8)

  1. 燃焼室内に直接噴射する燃料を含む予混合気をピストン圧縮によって自己着火させる予混合圧縮着火式内燃機関の制御方法において、
    エンジン回転数が低回転時に、燃料噴射時期を吸気行程とし、
    前記低回転時よりも回転数の高い高回転時には、燃料噴射時期を前記低回転時よりも進角させるように制御することを特徴とする制御方法。
  2. ンジン回転数が低回転から高回転に変化するに伴い、燃料噴射時期を、吸気行程の後期から吸気行程の前期に向けて連続的又は段階的に進角させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  3. ンジン回転数が低回転から高回転に変化するに伴い、前記燃料の噴射圧力を連続的又は段階的に高くすることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  4. ンジン回転数が低回転から高回転に変化するに伴い、1サイクル当たりの燃料噴射回数を連続的又は段階的に減少することを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  5. 前記圧縮着火運転領域と同じ空気圧力、空気温度、燃料圧力、燃料噴射量の条件のもとで、自由空間中に噴射される噴霧の最大ペネトレーションをピストンストローク長の70〜90%にしたものである請求項1に記載の制御方法。
  6. 前記圧縮着火運転領域と同じ空気圧力、空気温度、燃料圧力、燃料噴射量の条件のもとで、自由空間中に噴射される噴霧の最大ペネトレーションをピストンストローク長の70〜90%にし、噴霧の横幅をボア直径の90〜100%にしたものである請求項1に記載の制御方法。
  7. 吸気温度または機関冷却水温またはEGR量を検出または予測する手段を設け、前記検出または予測する手段によって検出された吸気温度、機関冷却水温度、EGR量が上昇するに伴い、前記圧縮着火運転領域の高回転域での燃料噴射時期を吸気下死点方向に移動する補正をすることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
  8. 吸気温度または機関冷却水温またはEGR量を検出または予測する手段を設け、前記検出または予測する手段によって検出された吸気温度、機関冷却水温度、EGR量が上昇するに伴い、圧縮着火運転領域の高回転域での燃料噴射圧力を下げる補正をすることを特徴とする請求項1に記載の制御方法。
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