JP4116978B2 - 超電導ラッチ・ドライバ回路 - Google Patents

超電導ラッチ・ドライバ回路 Download PDF

Info

Publication number
JP4116978B2
JP4116978B2 JP2004066101A JP2004066101A JP4116978B2 JP 4116978 B2 JP4116978 B2 JP 4116978B2 JP 2004066101 A JP2004066101 A JP 2004066101A JP 2004066101 A JP2004066101 A JP 2004066101A JP 4116978 B2 JP4116978 B2 JP 4116978B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
latch
superconducting
driver circuit
josephson junction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004066101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005260364A (ja
Inventor
悟 平野
晃 吉田
経裕 波頭
道隆 丸山
秀雄 鈴木
圭一 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
International Superconductivity Technology Center
Fujitsu Ltd
Original Assignee
International Superconductivity Technology Center
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by International Superconductivity Technology Center, Fujitsu Ltd filed Critical International Superconductivity Technology Center
Priority to JP2004066101A priority Critical patent/JP4116978B2/ja
Priority to US10/927,147 priority patent/US7129870B2/en
Publication of JP2005260364A publication Critical patent/JP2005260364A/ja
Priority to US11/524,205 priority patent/US7268713B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4116978B2 publication Critical patent/JP4116978B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Logic Circuits (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、超電導ラッチ・ドライバ回路に関し、詳しくは直流バイアス電流で駆動される超電導ラッチ・ドライバ回路に関する。
超伝導体の巨視的量子効果として、超伝導体でループを形成するとループ内の磁束が量子化される。このように超伝導体の中で量子化された磁束のことをSFQ(Single Flux Quantum:単一磁束量子)と呼ぶ。磁束量子を情報担体とする論理回路がSFQ回路であり、2個のジョセフソン接合を含む超伝導ループに磁束量子が入った状態を論理”1”、磁束量子が入っていない状態を論理”0”に対応させる。
SFQ回路の基本構造である超伝導ループを多数個接続すると,超伝導体とジョセフソン接合で構成されるはしご型線路ができる。これがJTL(Josephson Transmission Line:ジョセフソン伝送線)であり、磁束量子を伝搬させることができる。即ち、あるループで発生したSFQはその隣のジョセフソン素子のスイッチングを引き起こし、隣のループにSFQが発生する。この連鎖反応によりSFQが伝播していく。これによりフリップフロップ等の様々な論理回路をSFQ回路により形成することができる。
SFQ論理回路の出力を検出するためには、SFQ回路中を伝播するSFQパルスを常温の半導体論理回路の電圧パルスに変換する必要がある。超電導ラッチ・ドライバ回路によりこれが実現される。
図1は、従来の超電導ラッチ・ドライバ回路の回路図である。
図1の超電導ラッチ・ドライバ回路は、ジョセフソン接合10、抵抗11、負荷インダクタLload、及び負荷抵抗Rloadを含む。抵抗21、ジョセフソン接合22、及び抵抗23でSFQ回路の一例であるJTLの1段を構成する。インダクタ15及びジョセフソン接合16は、JTLと超電導ラッチ・ドライバ回路とを接続する素子である。ジョセフソン接合10はヒステリシス特性を有し、ラッチとして機能する。JTLを伝播してきたSFQパルスは、0.3mV程度の電圧を有する極めて短時間のパルスである。この短時間のパルスに応答してジョセフソン接合10のラッチをセットすることで、超電導ラッチ・ドライバ回路の出力として2.8mV程度の電圧を出力することができる。
ジェー・エックス・プリジビズ、他4名(J.X.Przybysz, et. al.)著、 「インターフェイス・サーキッツ・フォー・インプット・アンド・アウトプット・オブ・ギガビット・パー・セカンド・データ(Interface Circuits for Input and Output of Gigabit per Second Data)」、 インターナショナル・スーパーコンダクティブ・エレクトロニクス・コンファレンス(International Superconductive Electronics Conference (ISEC’95))、8-3, p. 304−306 ケー・ケー・リクハレブ、ブイ・ケー・セメノブ(K. K. Likharev and V. K. Semenov)著、「RSFQロジック/メモリ・ファミリー:ア・ニュー・ジョセフソン・ジャンクション・テクノロジー・フォー・サブ−テラヘルツ−クロック−フリークエンシー・デジタル・システムズ(RSFQ logic/Memory Family: A New Josephson-Junction Technology for Sub-Teraherts-Clock-Frequency Digital Systems)」、アイトリプルイー・トランザクション・オン・アプライド・スーパーコンダクティビティー(IEEE Trans. on Applied Superconductivity)、第1巻、第1号、1991年3月、p.3−28
上記の超電導ラッチ・ドライバ回路においては、データをラッチした後に次のデータに備えてラッチをリセットする必要がある。この目的のために、ACバイアス電流をジョセフソン接合10に印加する必要がある。しかしこのACバイアス電流によって生じるグラウンド電位の変動がSFQ回路の動作マージンを小さくしたり、入力信号に混入したりするなどの問題がある。従って、出力インターフェイスに用いる超電導ラッチ・ドライバ回路としては、DCバイアス電流で駆動できるものが望ましい。
DCバイアス電流で動作するインターフェイス回路としては、従来、SQUIDを用いた回路や、SFQ/DC回路等が知られている。しかし何れの回路も出力電圧が数百マイクロボルト程度と小さいために、特性インピーダンスの大きな信号線を直接高速で駆動することが困難である。
以上を鑑みて、本発明は、充分な出力電圧を生成可能でありDCバイアス電流で駆動する超電導ラッチ・ドライバ回路を提供することを目的とする。
本発明による超電導ラッチ・ドライバ回路は、ジョセフソン接合を含み単一磁束量子に応答してヒステリシス特性に基づいてラッチ動作をするラッチ回路と、該ラッチ回路の出力に接続される負荷インダクタと負荷抵抗とからなる負荷回路と、該ラッチ回路の出力と該負荷回路との間に設けられ該ラッチ回路がラッチしてから所定時間後に該ラッチ回路をリセットするリセット回路を含み、該ジョセフソン接合を直流電流で駆動することを特徴とする。
また該リセット回路は、該ラッチ回路の出力とグラウンド電位との間を接続する抵抗RとインダクタンスLを直列に接続した回路であり、該負荷インダクタのインダクタンスをLload、該負荷抵抗の抵抗値をRload、該ジョセフソン接合のギャップ電圧をVg、該ジョセフソン接合の臨界電流をIcとしたときに、
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
の関係を満たすことを特徴とする。
上記発明においては、リセット回路によりラッチ回路をリセットするセルフ・リセット機能を設けることにより、充分な出力電圧を生成可能であり、DCバイアス電流で駆動する超電導ラッチ・ドライバ回路を実現することができる。
本発明によれば、直流電流バイアスだけでmVオーダーの電圧パルスを出力することができるので、グランド・リップルをなくすことができる。従って、複数のインターフェイス回路を用いてパラレルに複数のデータを出力することが容易となる。電流パルス出力には、リセット回路の出力を用いることもできる。高いドライブ能力とセルフ・リセット機能により、本発明のラッチ・ドライバ回路を超電導ダブル・ループ・シグマ・デルタ変調器のフィードバック・ドライバとして用いることが出来る。また100Ω程度の高抵抗負荷をドライブすることもできるので、SFQ回路の出力インターフェイスとしてだけでなく、マルチ・チップ・モジュール(MCM)におけるSFQ回路間のデータ伝送に用いることも可能となる。
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
本発明による超電導ラッチ・ドライバ回路は、ジョセフソン接合を含みヒステリシス特性を有する直流電流バイアス駆動のラッチ回路を少なくとも1つ含み、更にこのラッチ回路と並列に接続される抵抗及びインダクタンスの直列接続からなるリセット回路を負荷とは別に更に含む。その抵抗の値をジョセフソン接合のギャップ電圧Vg/臨界電流Icより小さく且つ負荷抵抗よりも小さくすると共に、インダクタンスの値を負荷インダクタンスの値よりも大きな値に設定する。SFQパルスが到来した直後にはリセット回路に電流は殆ど流れることなく、ジョセフソン接合を含むラッチ回路がラッチ動作をする。リセット回路の時定数L/R程度の時間が経過するとリセット回路に出力電流が流れ込み、ジョセフソン接合に流れ込む電流が減少し、その結果ラッチ回路がリセットされる。これにより、セルフ・リセット機能を実現することができる。
図2は、本発明による超電導ラッチ・ドライバ回路の構成の一例を示す回路図である。
本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路は、ジョセフソン接合10、抵抗11、抵抗R及びインダクタLよりなるリセット回路12、負荷インダクタLload、及び負荷抵抗Rloadを含む。この超電導ラッチ・ドライバ回路は直流電流でバイアスされている。抵抗21、ジョセフソン接合22、及び抵抗23でSFQ回路の一例であるJTLの1段を構成する。インダクタ15及びジョセフソン接合16は、JTLと超電導ラッチ・ドライバ回路とを接続する素子である。またインダクタ18は、ジョセフソン接合10からなるラッチ回路部分とリセット回路12側とを接続する素子である。
この構成ではジョセフソン接合10そのものがヒステリシス特性を有し、ラッチとして機能する。JTLを伝播してきたSFQパルスは、0.3mV程度の電圧を有する極めて短時間のパルスである。この短時間のパルスに応答してジョセフソン接合10からなるラッチ回路をセットすることで、超電導ラッチ・ドライバ回路の出力として2.8mV程度の電圧を出力することができる。
この超電導ラッチ・ドライバ回路においては、データをラッチした後に次のデータに備えてラッチをリセットする必要がある。この目的のために、抵抗RとインダクタンスLの直列接続からなるリセット回路12が設けられる。その抵抗RとインダクタンスLの値は以下の関係式、
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
を満たすように設定される。即ち、抵抗Rの値をジョセフソン接合10のギャップ電圧Vg/臨界電流Icより小さく且つ負荷抵抗Rloadよりも小さくすると共に、インダクタンスLの値を負荷インダクタンスLloadの値よりも大きな値とする。これにより、SFQパルスが到来した直後にはリセット回路12に電流は殆ど流れることなく、ジョセフソン接合10を含むラッチ回路がラッチ動作をする。リセット回路12の時定数L/R程度の時間が経過するとリセット回路12に出力電流が流れ込み、ジョセフソン接合に流れ込む電流が減少し、その結果ラッチ回路がリセットされる。これにより、セルフ・リセット機能を実現することができる。抵抗値RとインダクタンスLを調節することで、所望のパルス幅を得ることができる。
図3は、ジョセフソン接合10の電流―電圧特性のヒステリシス特性を示す図である。
図2の回路においてJTLからSFQパルスが到来すると、ジョセフソン接合10を流れる電流Iが、電圧Vがゼロである状態のまま図3の縦軸に沿って増加していく。電流Iが臨界電流Icに到達すると、電圧Vがギャップ電圧Vgである状態に転移する。このときの電流Iと電圧Vとの関係は、図示される点Aの位置に対応する。この点Aは、ジョセフソン接合10のヒステリシス特性と負荷直線との交点である。
点Aに転移する状態では、リセット回路12には殆ど電流は流れずにリセット回路の負荷は殆ど現れていないので、負荷直線は負荷インダクタLload及び負荷抵抗Rloadにより決定される。その後時間が経過するにつれて、リセット回路12に流れる電流が大きくなっていき、リセット回路12の抵抗R及びインダクタLの影響が負荷として徐々に現れるようになる。この結果負荷直線の傾きが変化し、電流―電圧の関係は点Aから矢印Bで示す方向に移動していく。点Cに移動した時点で、電流Iは最小電流Iminに到達し、点線で示される経路に沿って転移することで電圧Vはゼロとなる。
以上の動作によって、ラッチ回路のリセット動作が実現される。このように本発明においては、リセット機能を有し且つ充分な出力電圧を生成可能であり、DCバイアス電流で駆動する超電導ラッチ・ドライバ回路を提供することができる。
図4は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の一実施形態を示す図である。
図4の構成は、超電導ラッチ・ドライバ回路であるラッチ・ドライバ30、DCSFQ回路31、及びJTL32を含む。DCSFQ回路31は、常温の半導体回路からの論理レベルを入力してSFQパルスを発生する回路である。発生したSFQパルスは、JTL32を伝播して、ラッチ・ドライバ30に到達する。ラッチ・ドライバ30は、例えば図2に示す超電導ラッチ・ドライバ回路であり、入力されたSFQパルスに応じてラッチ動作をすることで、常温の半導体回路で検出可能な論理レベルの信号を出力する。
Nb(ニオブ)系超電導薄膜集積回路技術を用いて超電導インターフェイス回路を作製することを想定し、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路と簡単なSFQ回路とを接続した回路についてシミュレーションしたところ、接合1段のラッチ・ドライバの場合、動作周波数5GHzで出力電圧振幅約1.8mVに増幅された入力信号列通りの出力信号列波形を得ることができた。
図5は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。図5の回路において、図2の回路と同一の要素は同一の参照番号・符号で参照し、その説明は省略する。
図5の構成は、図2の構成とはラッチ回路の部分が異なる。図5の構成では、ヒステリシス特性を有するジョセフソン接合10−1乃至10−9を多段接続している。ジョセフソン接合10−1乃至10−5を多段に接続し、抵抗11−1を介してDCバイアス電流を印加する。その多段接続と並列に、ジョセフソン接合10−6乃至10−9を多段に接続し、抵抗11−2を介してDCバイアス電流を印加する。これにより、4段の高電圧ゲート40が構成される。この構成について、図4の場合と同様の簡単なSFQ回路を接続したシミュレーションを実行したところ、動作周波数5GHzで出力電圧振幅約5mVを得ることができた。
図6は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。図6において、図2と同一の回路機能を有する要素は同一の参照番号・符号で参照し、その説明は省略する。但し図6の構成においては、例えばYBCOを用いた高温超電導薄膜集積回路技術を用いて超電導インターフェイス回路を作製し、例えば温度30Kで動作させることを想定している。
図6の回路は、図2の回路構成とはラッチ回路の部分が異なる。図2の構成では、Nb系超電導薄膜集積回路技術を用いた超伝導インターフェイスを想定しており、ジョセフソン接合10は図3に電流―電圧特性として示したようなヒステリシス特性を有する。それに対して図6の構成では、例えばYBCOを用いた高温超電導薄膜集積回路技術による超電導インターフェイス回路を想定しているので、ジョセフソン接合10はそれ自身ではヒステリシス特性を有さない。そこでジョセフソン接合10に対してシャント・キャパシタンス41を並列に接続することでヒステリシス特性を実現し、これによりラッチ回路を構成している。
シミュレーションによれば、ジョセフソン接合1段のラッチ・ドライバ回路の場合、動作周波数5GHzで出力電圧約0.4mVを得ることができた。
図7は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の更なる実施形態を示す図である。図7において、図4と同一の構成要素は同一の番号・符号で参照し、その説明は省略する。
図7においては、ラッチ・ドライバ30、DCSFQ回路31、及びJTL32を含むチップ51と、同様にラッチ・ドライバ30、DCSFQ回路31、及びJTL32を含むチップ52とがボンディングワイヤ53で接続される。このような構成とすることで、本発明のラッチ・ドライバ回路を超電導インターフェイス回路として用いて、マルチ・チップ・モジュール(MCM)における複数のチップ上に作成されたSFQ回路間でのデータ伝送を行うことができる。
図8は、図7の構成を想定してNb系超電導薄膜集積回路技術により作製した回路の構成を示す図である。
図8において、1つのチップ54上に、図7のデータ送信側チップ51のラッチ・ドライバ30、DCSFQ回路31、及びJTL32に相当するラッチ・ドライバ30−1、DCSFQ31−1、及びJTL32−1と、図7のデータ受信側チップ52のラッチ・ドライバ30、DCSFQ回路31、及びJTL32に相当するラッチ・ドライバ30−2、DCSFQ31−2、及びJTL32−2とを設ける。図7のMCM構成においては、チップ間をボンディングワイヤ53で結合するが、図8の模擬回路では、抵抗56とインダクタンスを有するストリップ・ライン55によりボンディングワイヤを模擬している。これにより、チップ間データ伝送を模擬することができる。
データ受信側のDCSFQ31−2を、データ送信側のラッチ・ドライバ30−1の出力電流パルスによって駆動する。チップ間のボンディングワイヤを模擬する抵抗56とインダクタンス55は、それぞれ2Ωの抵抗値と40pHのインダクタンスとした。動作周波数1GHzで正常にデジタル・データ”1011”を伝送することができた。ここでは測定治具の制限から1GHzでテストしたが、ラッチ接合のスイッチング速度から換算すると、約10GHzでの動作が期待できる。
図9は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の更なる実施形態を示す図である。図9において、図4と同一の構成要素は同一の番号・符号で参照し、その説明は省略する。
図9の回路は、超電導ダブル・ループ・シグマ・デルタ変調器を示す。抵抗R2及びインダクタL2で構成される積分器(ローパスフィルタ)によりアナログ信号を積分し、コンパレータとして動作するジョセフソン接合60によりその積分値と閾値とを比較する。比較結果は、入力アナログ信号値を示すパルス密度変調波形のデジタル出力となる。このデジタル出力が次段のデジタルフィルタ(図示せず)によりデシメーションすることで、シグマ・デルタAD変換器が構成される。この構成では、ジョセフソン接合60が比較動作に伴って生成したSFQ(単一磁束量子)をインダクタL1に戻すことにより積分器出力を一定値減少させることで、ダブル・ループ・シグマ・デルタ変調器の第2のフィードバックを実現している。
更に図9の構成では、ジョセフソン接合61及び62とインダクタ63及び64からなる回路を多段(図示では4段)接続し、更にこれらの多段接続回路を複数のインダクタ65で磁気的に駆動する。複数のインダクタ65は、ジョセフソン接合60からのフィードバックにより駆動される。これにより積分器を2段にしたダブル・ループ・シグマ・デルタ変調器を構成し、高分解能化、高速化を図ることができる。
このフィードバック経路は、抵抗66乃至71、インダクタ72乃至74、及びジョセフソン接合75乃至77を含み、JTL及び超電導ラッチ・ドライバ回路を介したフィードバック経路となっている。即ち、フィードバック・ドライバ回路を磁気的に駆動する電流パルスを出力する駆動回路として、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を用いることで、充分なドライブ能力を実現することができる。なお抵抗70及びインダクタ74の抵抗値とインダクタンスを調節することでパルス幅の短い電流パルスを出力するように設計する。
なお図9に示す回路は、ジョセフソン接合61及び62とインダクタ63及び64からなるSQUID(Superconducting Quantum Interference Devic:超電導量子干渉素子)を構成し、このSQUIDの多段接続回路を本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の負荷インダクタ(複数のインダクタ65)により駆動する構成となっている。
図10は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。図10において、図2と同一の回路機能を有する要素は同一の参照番号・符号で参照し、その説明は省略する。
図10の回路は、JTLとラッチ回路との間の接続部分に使用する素子が図2の回路構成とは異なる。図10(a) においては、本発明のラッチ・ドライバ回路と前段のSFQ回路との間に、直列にアイソレーション用のジョセフソン接合16を設けている。ラッチ回路がラッチしている間はその電圧が振動するが、この電圧振動が前段のSFQ回路に伝播すると誤動作を引き起こすおそれがある。図10(a) に示す構成のようにアイソレーション用のジョセフソン接合16を設けることで、このような電圧振動の伝播を抑制することができる。
図10(b)のように、前段のSFQ回路と本発明のラッチ・ドライバ回路との間に直列に抵抗17を含むような構成としても同様の効果を得ることができる。
またジョセフソン接合16と抵抗17の両方を設ける構成としてもよい。図2の実施例では、ジョセフソン接合16と抵抗17の両方を設けた構成となっている。
なお前段回路としてJTLを示しているが、バッファ・ゲートや他のSFQ回路を用いてもよい。更に、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の前段の超電導論理回路は、必ずしもSFQ論理回路である必要は無く、ラッチ接合から成る論理回路であってもよい。
図11は、本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。図11において、図2と同一の回路機能を有する要素は同一の参照番号・符号で参照し、その説明は省略する。
図11の構成では、前段のSFQ回路と本発明のラッチ・ドライバ回路との間のノードAを、抵抗80とインダクタ81からなるダンピング・ネットワーク82によりグラウンドに接続する構成としてもよい。このような構成によっても、図10の構成と同様に、電圧振動の伝播を抑制する効果を得ることができる。また更に、図11に示されるように、前段のSFQ回路と本発明のラッチ・ドライバ回路とを結合するインダクタ15にダンピング抵抗83を並列に付加する構成としてもよい。これにより、動作マージンを拡大することが可能になると共に、前段のSFQ回路への影響を抑制する効果を得ることができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
なお本発明は、以下の内容を含むものである。
(付記1)ジョセフソン接合を含み単一磁束量子に応答してヒステリシス特性に基づいてラッチ動作をするラッチ回路と、
該ラッチ回路の出力に接続される負荷インダクタと負荷抵抗とからなる負荷回路と、
該ラッチ回路の出力と該負荷回路との間に設けられ該ラッチ回路がラッチしてから所定時間後に該ラッチ回路をリセットするリセット回路
を含み、該ジョセフソン接合を直流電流で駆動することを特徴とする超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記2)該リセット回路は、該ラッチ回路の出力とグラウンド電位との間を接続する抵抗RとインダクタンスLを直列に接続した回路であり、該負荷インダクタのインダクタンスをLload、該負荷抵抗の抵抗値をRload、該ジョセフソン接合のギャップ電圧をVg、該ジョセフソン接合の臨界電流をIcとしたときに、
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
Figure 0004116978
の関係を満たすことを特徴とする付記1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記3)該ラッチ回路は、ヒステリシス特性を有さないジョセフソン接合とコンデンサとを並列に接続した回路であることを特徴とする付記1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記4)該ラッチ回路は、該ジョセフソン接合を多段接続した回路を2つ並列に接続することで構成されることを特徴とする付記1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記5)SQUID(超電導量子干渉素子)を更に含み、該負荷インダクタもしくは該インダクタLにより該SQUIDを駆動することを特徴とする付記1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記6)付記1乃至4の何れか1つに記載の直流電流駆動型超電導ラッチ・ドライバ回路を備えることを特徴とする超電導論理回路。
(付記7)該ラッチ回路は単一磁束量子論理回路の出力である単一磁束量子を受け取ることを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記8)常温の半導体回路と接続される超電導インターフェイス回路として機能することを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記9)該ラッチ回路は単一磁束量子論理回路の出力である単一磁束量子を抵抗及び/又はジョセフソン接合を介して受け取ることを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記10)該ラッチ回路は単一磁束量子論理回路の出力である単一磁束量子を受け取り、該ラッチ回路と該論理回路との間のノードとグラウンド電位との間を接続する抵抗及びインダクタの直列接続を更に含むことを特徴とする付記1乃至4の何れか1つに記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
(付記11)付記5記載の超電導ラッチ・ドライバ回路を備えることを特徴とする超電導ダブル・ループ・シグマ・デルタ変調器のフィードバック・ドライバ回路。
(付記12)付記1乃至5の何れか1つに記載の超電導ラッチ・ドライバ回路を有する論理回路を複数個直列に接続したことを特徴とするマルチ・チップ型論理回路。
従来の超電導ラッチ・ドライバ回路の回路図である。 本発明による超電導ラッチ・ドライバ回路の構成の一例を示す回路図である。 ジョセフソン接合の電流―電圧特性のヒステリシス特性を示す図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の一実施形態を示す図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の更なる実施形態を示す図である。 図7の構成を想定してNb系超電導薄膜集積回路技術により作製した回路の構成を示す図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路を応用した構成の更なる実施形態を示す図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。 本発明の超電導ラッチ・ドライバ回路の別の構成例を示す回路図である。
符号の説明
10 ジョセフソン接合
11 抵抗
12 リセット回路
21 抵抗
22 ジョセフソン接合
23 抵抗
R 抵抗
L インダクタ
Lload 負荷インダクタ
Rload 負荷抵抗

Claims (5)

  1. ジョセフソン接合を含み単一磁束量子に応答してヒステリシス特性に基づいてラッチ動作をするラッチ回路と、
    該ラッチ回路の出力に接続される負荷インダクタと負荷抵抗とからなる負荷回路と、
    該ラッチ回路の出力と該負荷回路との間に設けられ該ラッチ回路がラッチしてから所定時間後に該ラッチ回路をリセットするリセット回路
    を含み、該ジョセフソン接合を直流電流で駆動することを特徴とする超電導ラッチ・ドライバ回路。
  2. 該リセット回路は、該ラッチ回路の出力とグラウンド電位との間を接続する抵抗RとインダクタンスLを直列に接続した回路であり、該負荷インダクタのインダクタンスをLload、該負荷抵抗の抵抗値をRload、該ジョセフソン接合のギャップ電圧をVg、該ジョセフソン接合の臨界電流をIcとしたときに、
    Figure 0004116978
    Figure 0004116978
    Figure 0004116978
    Figure 0004116978
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
  3. 該ラッチ回路は、ヒステリシス特性を有さないジョセフソン接合とコンデンサとを並列に接続した回路であることを特徴とする請求項1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
  4. 該ラッチ回路は、該ジョセフソン接合を多段接続した回路を2つ並列に接続することで構成されることを特徴とする請求項1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
  5. SQUID(超電導量子干渉素子)を更に含み、該負荷インダクタもしくは該インダクタLにより該SQUIDを駆動することを特徴とする請求項1記載の超電導ラッチ・ドライバ回路。
JP2004066101A 2003-08-29 2004-03-09 超電導ラッチ・ドライバ回路 Expired - Fee Related JP4116978B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004066101A JP4116978B2 (ja) 2004-03-09 2004-03-09 超電導ラッチ・ドライバ回路
US10/927,147 US7129870B2 (en) 2003-08-29 2004-08-27 Superconducting latch driver circuit generating sufficient output voltage and pulse-width
US11/524,205 US7268713B2 (en) 2003-08-29 2006-09-21 Superconducting circuit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004066101A JP4116978B2 (ja) 2004-03-09 2004-03-09 超電導ラッチ・ドライバ回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005260364A JP2005260364A (ja) 2005-09-22
JP4116978B2 true JP4116978B2 (ja) 2008-07-09

Family

ID=35085703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004066101A Expired - Fee Related JP4116978B2 (ja) 2003-08-29 2004-03-09 超電導ラッチ・ドライバ回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4116978B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5203736B2 (ja) * 2008-02-07 2013-06-05 富士通株式会社 超電導出力回路
US10236869B2 (en) * 2016-11-18 2019-03-19 Northrop Grumman Systems Corporation Superconducting transmission driver system
US10122352B1 (en) * 2018-05-07 2018-11-06 Northrop Grumman Systems Corporation Current driver system
FI129128B (en) 2020-02-04 2021-07-30 Teknologian Tutkimuskeskus Vtt Oy Self-resetting single-lease microwave photodetector

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005260364A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7268713B2 (en) Superconducting circuit
US6188236B1 (en) Arrangement and method relating to digital information in superconducting circuits
JP2700649B2 (ja) 超伝導アナログ・デジタル変換器
US6917216B2 (en) Superconductor output amplifier
JP2838596B2 (ja) 超伝導トグルフリップフロップ回路およびカウンタ回路
JP2002344307A (ja) 単一磁束量子論理回路および単一磁束量子出力変換回路
Gheewala Josephson-logic devices and circuits
JP2971066B1 (ja) 超電導単一磁束量子論理回路
JPH05175819A (ja) ジョセフソン接合を用いた回路とシステム
JP7248811B2 (ja) ジョセフソンアナログ・デジタル変換器システム
JP6684400B2 (ja) 超伝導単一光子検出器
JP4116978B2 (ja) 超電導ラッチ・ドライバ回路
JP4066012B2 (ja) 超電導ドライバ回路及び超電導機器
Lin et al. Timing circuits for RSFQ digital systems
JP7342175B2 (ja) 磁束スイッチシステム
Radparvar A niobium nitride-based analog to digital converter using rapid single flux quantum logic operating at 9.5 K
JP4524126B2 (ja) 超電導sfq回路
Radparvar et al. High sensitivity digital SQUID magnetometers
JP5203736B2 (ja) 超電導出力回路
US20220311401A1 (en) Superconducting output amplifiers with interstage filters
Yuh et al. An experimental digital SQUID with large dynamic range and low noise
US11668769B2 (en) Superconducting output amplifier having return to zero to non-return to zero converters
WO2006043300A2 (en) Superconductng magnetometer device, and related method of measuring
Satchell et al. Arrays of high temperature superconductor Josephson junctions
JP4113077B2 (ja) 超電導回路および超電導sfq論理回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080418

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110425

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120425

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130425

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140425

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees