JP4115920B2 - ガソリン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン内での摩擦を低減させることにより優れた燃費特性を示すガソリン組成物に関する。
近年、省エネルギーや地球温暖化防止のためにCOの削減が要求されている。この要求に対処するために、自動車では燃費を向上することが行われており、具体的には、パワートレインのハイブリッド化やエンジンや車輌の軽量化、さらに、エンジンオイルの低粘度化、低フリクション化などが図られている。
エンジンオイルの低フリクション化に対しては、摩擦調整剤(以下、FMという)が効果的であり、最近のエンジンオイルにはFMが配合されている場合が多い。しかしながら、エンジンオイルに配合されたFMは使用過程で徐々に消費されるため、エンジンオイルを新油に交換後、しばらくするとオイルの劣化に伴い低フリクション効果が失われ燃費向上の効果が小さくなる。
これを回避するために、燃料からの対策として、ガソリンに摩擦低減効果のある化合物を添加剤として添加する試みがなされている。ガソリンに添加された摩擦低減効果のある化合物は、シリンダー内に供給されシリンダー内壁に吸着することでピストンリングとの間の摩擦を低減すると考えられる。また、ガソリンに添加された摩擦低減効果を有する化合物が、長期間の使用によりエンジンオイル中に供給蓄積され、エンジン油に元々含まれていたが消費されてしまうFMの代替として特に動弁系の摩擦低減効果を持続すると考えられる。よって、これらの摩擦低減効果を総合することで、燃費をより向上することができると考えられる。
ガソリンに摩擦低減効果のある化合物を添加する試みとしては、例えば、アミン化合物と多価アルコールとの多価アルコールエステルを燃料に混合させることによる燃費向上方法が開示されている(特許文献1参照)。また、グリセリンとのカルボン酸エステル及び/又は高級モノカルボン酸とジエタノールアミンとのアミド化合物を添加した燃料が摩擦を低減し燃費向上効果を示すことが開示されている(特許文献2参照)。さらに、アミン化合物を含有した燃料によりガソリンエンジンの摩擦低減を図る技術が開示されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記のような添加剤と従来のガソリンとの組み合わせでは、摩擦低減効果が十分とはいえず、したがって十分な燃費向上効果が得られていないという問題点がある。
特開平11−310783号公報 特開2002−309275号公報 ヨーロッパ特許公開0869163A1公報
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたものであり、十分に優れた摩擦低減効果と燃費向上効果を示すガソリン組成物を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アミンとカルボン酸とそれらの塩を含有する化合物群を含有するガソリン組成物が、摩擦を十分低減し優れた燃費向上特性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、カルボン酸を10〜200容量ppm、及びアミンを0.1〜75容量ppm含有し、リサーチ法オクタン価(RON)が89以上、RVPが44〜93kPa、50%留出温度が75〜110℃、E70が20〜48%、ベンゼンが1容量%以下、硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とするガソリン組成物を提供する。
また、本発明は、上記ガソリン組成物において、さらに、カルボン酸のアミン塩を5〜150容量ppm含有するガソリン組成物を提供する。
さらに、本発明は、カルボン酸が炭素数10〜22の脂肪族カルボン酸であるガソリン組成物を提供する。
また、本発明は、上記ガソリン組成物において、アミンが下記の一般式(1)を有するアルカノールジアミンであるガソリン組成物を提供する。
Figure 0004115920
(式中、R〜Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R〜Rの少なくとも一つはヒドロキシアルキル基である。R〜Rは同じでも異なってもよい。Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基である。)
本発明のガソリン組成物は、エンジン内での摩擦を低減させることにより優れた燃費特性を示すことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のガソリン組成物に含有するカルボン酸は、高級カルボン酸であって、好ましくは炭素数10〜22の脂肪族カルボン酸、さらに好ましくは炭素数14〜20の脂肪族カルボン酸、特に好ましくは炭素数16〜18の脂肪族カルボン酸である。また、この脂肪族カルボン酸の価数は、一価〜二価が好ましく、一価がさらに好ましい。この脂肪族カルボン酸は、飽和であってもよいし、不飽和であってもよいが、不飽和であることが好ましい。不飽和脂肪族カルボン酸は、炭素−炭素二重結合を1〜4つ有するものが好ましく、1〜2つ有するものがより好ましく、1つ有するものが特に好ましい。不飽和脂肪族カルボン酸としては、炭素−炭素二重結合を1つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸と炭素−炭素二重結合を2つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸との組み合わせが特に好ましい。
炭素−炭素二重結合を1つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸と炭素−炭素二重結合を2つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸との組み合わせにおいては、炭素−炭素二重結合を1つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸と炭素−炭素二重結合を2つ有する脂肪族不飽和一価カルボン酸の含有量比は、質量比で40:60〜99:1が好ましく、60:40〜98:2が特に好ましい。
この脂肪族カルボン酸の具体例としては、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸などの飽和脂肪族カルボン酸や、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸などが挙げられる。
カルボン酸は1種単独で含有されていてもよいし、2種以上の混合物として含有されていてもよい。
本発明のガソリン組成物に含有されるカルボン酸の含有割合は、10〜200容量ppmである。この範囲の下限値より少ないと摩擦低減効果が望めず、この範囲の上限値より多くてもそれ以上の摩擦低減効果が望めず、また未洗実在ガム分の増加にも繋がる。カルボン酸の含有割合は、好ましくは15〜160容量ppmであり、特に好ましくは20〜120容量ppmである。
本発明のガソリン組成物に含有されるアミンは、有機基置換アミンであれば特に限定されないが、好ましくは塩基性窒素原子が1〜4のアミンであり、特に好ましくはジアミンである。塩基性窒素原子が2以上のポリアミンの窒素原子間は炭化水素基により結合されているが、炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基などが挙げられる。
アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、その具体例としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチルトリメチレン基、1−メチルペンタメチレン基、2−メチルペンタメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、並びにシクロペンタン残基、シクロヘキサン残基、シクロヘプタン基、これらの残基の結合手の1つ又は2つにさらにメチレン基、エチレン基などの上記アルキレン基が結合した基などが挙げられる。
アルケニレン基としては、炭素数1〜12のアルケニレン基が挙げられ、炭素数1〜6のアルケニレン基が好ましく、その具体例としては、例えばビニレン基、プロペニレン基、2−ブテニレン基、1−メチルプロペニレン基、3−メチル−2−ブテニレン基、3,3−ジメチルプロペニレン基、2−ペンテニレン基、3−メチル−2−ブテニレン基、3−メチル−3−ブテニレン基、2−ヘキサニレン基、3−ヘプテニレン基、4−オクテニレン基、3−ノネニレン基、3−デセニレン基などが挙げられる。
本発明に用いられるアミンに置換される有機基としては、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基としては、炭素数1〜6のアルケニル基が挙げられ、その具体例としては、例えば、プロペニル基、イソブテニル基などが挙げられ、ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基が挙げられ、例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシイソプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチルなどを挙げることができる。
これらの有機基は通常アミンの窒素原子に置換されており、置換されている有機基は同じであっても異なっていても良いが、好ましくは、少なくとも一つがヒドロキシアルキル基である。ヒドロキシアルキル基としては、炭素数2〜5のヒドロキシアルキル基が好ましく挙げられ、例えば2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基などが好ましく、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基がより好ましく、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基が特に好ましい。
これらのアミンのうち、アルカノールジアミンが好ましく、下記(式1)に示すような塩基性窒素原子を2個有するアルカノールジアミンが特に好ましい。
Figure 0004115920
(式中、R〜Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R〜Rの少なくとも一つはヒドロキシアルキル基である。R〜Rは同じでも異なってもよい。Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基である。)
〜Rの水素原子、アルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基、Rの炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基は、上記と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
〜Rの少なくとも一つはヒドロキシアルキル基であるが、2つ以上がヒドロキシアルキル基であることが好ましく、4つともヒドロキシアルキル基であることが特に好ましい。R〜Rのヒドロキシアルキル基は、炭素数2〜5のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数3のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。
アミンは1種単独で含有されていてもよいし、2種以上の混合物として含有されていてもよい。
本発明のガソリン組成物に含有されるアミンの割合は、0.1〜75容量ppmであり、これより少ないと摩擦低減効果が望めず、これより多くてもそれ以上の摩擦低減効果が望めず、また未洗実在ガム分の増加にも繋がる。アミンの含有量は、1〜70容量ppmが好ましく、3〜70ppmが特に好ましい。
本発明で用いられるカルボン酸のアミン塩は、上述のカルボン酸と上述のアミンの塩であり、使用されるカルボン酸とアミンの好ましいものも、それぞれ上述と同様である。カルボン酸のアミン塩としては、脂肪族不飽和カルボン酸とアルカノールジアミンとの塩が好ましく、脂肪族不飽和カルボン酸と一般式(1)のアルカノールジアミンとの塩が特に好ましい。
カルボン酸のアミン塩は、カルボン酸が多価カルボン酸である場合、カルボン酸基の全部がアミン塩であってもよいし、カルボン酸基の一部がアミン塩であってもよいし、また、アミンがポリアミンである場合、アミノ基の全部がカルボン酸塩であってもよいし、アミノ基の一部がカルボン酸塩であってもよい。カルボン酸のアミン塩のうち、カルボン酸基及びアミノ基の全部がそれぞれの塩になっているものが好ましい。
カルボン酸のアミン塩は、1種単独で含有されていてもよいし、2種以上の混合物として含有されていてもよい。
カルボン酸のアミン塩は、カルボン酸とアミンとを水性溶媒中で混合することにより得ることができる。
本発明のガソリン組成物に含有されるカルボン酸のアミン塩の含有割合は、5〜150容量ppmであり、これより少ないと摩擦低減効果が望めず、これより多くてもそれ以上の摩擦低減効果が望めず、また未洗実在ガム分の増加にも繋がる。カルボン酸のアミン塩の含有割合は、7〜100容量ppmが好ましく、8〜50容量ppmが特に好ましい。
本発明のガソリン組成物は上記の化合物群をベースとなるガソリンに添加して調製することができる。上記の化合物群がガソリンに添加される場合に、動粘度や流動点といった化合物群の取り扱い性を向上する必要がある場合、最終的に得られるガソリン組成物中の化合物群の含有量が上記範囲に入るようであれば、化合物群を各種溶剤などにより自由に希釈できる。また、上記化合物の添加により最終的に得られるガソリン組成物の性状はベースとなるガソリンの性状と基本的に同等な性状を示すため、最終的に得られるガソリン組成物が本発明で規定する性状を有するように、ベースのガソリンを1種又は2種以上のガソリン基材を混合し調製できる。
ガソリン基材としては、原油を常圧蒸留して得られる軽質ナフサ、好ましくはそれを脱硫した脱硫軽質ナフサ;重質ナフサを脱硫後、接触改質して得られる改質ガソリン、軽質改質ガソリン、重質改質ガソリン、及びそれらを混合したもの;接触分解や水素化分解法などで得られる分解ガソリン、軽質分解ガソリン、重質分解ガソリン、及びそれらを混合したもの;軽質ナフサを異性化して得られる異性化ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加することにより得られるアルキレート;原油の常圧蒸留時、改質ガソリン製造時、又は分解ガソリン製造時等に蒸留して得られるブタン、ブテン類を主成分としたC4留分;ラフィネート;メタノールやエタノールなどのアルコール類;メチル−t−ブチルエーテル(MTBE)やエチル−t−ブチルエーテル(ETBE)などのエーテル類などが挙げられる。
好適なベースのガソリンとしては、軽質接触分解ガソリンを20〜50容量%、重質改質ガソリンを30〜70容量%、アルキレートを0〜20容量%、C4留分を0〜10容量%の割合で配合したベースのガソリンや、脱硫処理した軽質ナフサを5〜20容量%、軽質改質ガソリンを5〜20容量%、重質改質ガソリンを5〜20容量%、脱硫処理した接触分解ガソリンを30〜70容量%の割合で配合したベースのガソリンなどが挙げられる。
本発明のガソリン組成物のリサーチ法オクタン価は89以上であり、ガソリン組成物は、レギュラーガソリンであってもよいし、プレミアムガソリンであってもよい。レギュラーガソリンは、リサーチ法オクタン価が89以上であるが、好ましくは89〜92である。プレミアムガソリンは、リサーチ法オクタン価が96以上であるが、好ましくは98〜102である。リサーチ法オクタン価が89より小さいと、耐ノッキング性能が悪くなり好ましくない。リサーチ法オクタン価は、JIS
K 2280の石油製品 燃料油 オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法により測定できる。
本発明のガソリン組成物のRVPは、44〜93kPaであるが、好ましくは55〜88kPaである。RVPは、ASTM D4953により測定できる。
本発明のガソリン組成物において、50%留出温度は75〜110℃であり、好ましくは75〜105℃、特に好ましくは80〜100℃である。75℃より低いと燃費が悪化する場合があり、110℃より高いと排気ガス特性が悪化する場合がある。
本発明のガソリン組成物において、E70は20〜48%であり、好ましくは24〜44%である。20%より低いと低温での気化が十分でなくなり混合気形成が不十分となり始動性が悪くなる場合がある。48%より高いと燃料供給系統に多量の燃料蒸気が発生し、高出力運転が困難になる場合がある。
50%留出温度やE70といった蒸留性状は、JIS K 2254の石油製品蒸留試験方法の常圧法により測定できる。
本発明のガソリン組成物において、ベンゼンの含有量は1容量%以下であり、好ましくは0.85容量%以下である。ベンゼンの含有量が1容量%より多いと、排ガス中のベンゼン量が多くなる可能性がある。ベンゼンの含有量は、JIS
K2536の石油製品 炭化水素タイプ試験法のガスクロマトグラフ法で定量できる。
本発明のガソリン組成物において、硫黄分の含有量は10質量ppm以下である。硫黄分の含有量がこれより多いと、排ガス後処理装置の性能に悪影響を及ぼし、排出ガスが増加する場合がある。硫黄分は、JIS
K 2541の微量電量滴定式酸化法により測定できる。
また、本発明のガソリン組成物には必要に応じて、各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としてはチオアミド化合物などの金属不活性剤、有機リン系化合物などの表面着火防止剤、コハク酸イミド、ポリアルキルアミン、ポリイソブチレンアミン、ポリエーテルアミン、ポリイソブチレンアミンなどの清浄分散剤、多価アルコールおよびそのエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などの帯電防止剤、アルケニルコハク酸エステルなどの錆止め剤、及びアゾ染料などの着色剤などの公知の燃料油添加剤が挙げられる。添加剤は、一種または数種組み合わせて添加することができる。
以下に本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
軽質接触分解ガソリンを32容量%、重質改質ガソリンを52容量%、アルキレートを11容量%、C4留分を5容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにオレイン酸を30容量ppm、テトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンを5容量ppmおよびオレイン酸とテトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンの塩を25容量ppm添加し、表1に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(実施例2)
軽質接触分解ガソリンを32容量%、重質改質ガソリンを52容量%、アルキレートを11容量%、C4留分を5容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにパルミチン酸を20容量ppm、オレイン酸を40容量ppm、リノール酸を10容量ppm、テトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンを5容量ppm、テトラ−2−ヒドロキシエチル−エチレンジアミンを45容量ppm、およびオレイン酸とテトラ−2−ヒドロキシエチル−エチレンジアミンの塩を20容量ppm添加し、表1に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(実施例3)
軽質接触分解ガソリンを33容量%、重質改質ガソリンを53容量%、アルキレートを12容量%、C4留分を2容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、さらにそのベースのガソリンにミリスチン酸5容量%、パルミチン酸5容量%、パルミトオレイン酸6容量%、オレイン酸75容量%、リノール酸14容量%から成る脂肪族カルボン酸混合物を105容量ppm、テトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンを50容量ppm、オレイン酸とテトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンの塩を10容量ppm添加し、表1に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(実施例4)
脱硫処理した軽質ナフサを10容量%、軽質改質ガソリンを12容量%、重質改質ガソリンを13容量%、脱硫処理した接触分解ガソリンを65容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにオレイン酸を30容量ppm、テトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンを5容量ppmおよびオレイン酸とテトラ−2−ヒドロキシプロピル−エチレンジアミンの塩を25容量ppm添加し、表1に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(比較例1)
軽質接触分解ガソリンを32容量%、重質改質ガソリンを52容量%、アルキレートを11容量%、C4留分を5容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにオレイン酸とグリセリンのモノエステル60容量ppm、ジエステルを40容量ppm、トリエステルを10容量ppm添加し、表2に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(比較例2)
軽質接触分解ガソリンを32容量%、重質改質ガソリンを52容量%、アルキレートを11容量%、C4留分を5容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースガソリンにラウリン酸とジエタノールアミンのアミド化合物を100容量ppm添加し、表2に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(比較例3)
接触分解ガソリンを50容量%、改質ガソリンを30容量%、脱硫軽質ナフサを15容量%、C4留分を5容量%配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにパルミチン酸を200容量ppm添加し、表2に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(比較例4)
重質接触改質ガソリンを17容量%、接触改質ガソリンを28容量%、接触分解ガソリンを30容量%、脱硫軽質ナフサを6容量%、アルキレートを15容量%、C4留分を4容量%の割合で配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにジ−2−ヒドロキシエチル−ココアミンを150容量ppm添加し、表2に示す性状のガソリン組成物を調製した。
(比較例5)
接触改質ガソリンを17容量%、接触分解ガソリンを30容量%、軽質ナフサを6容量%、アルキレートを10容量%、イソペンタンを28容量%、イソオクタンを5容量%、ノルマルオクタンを1容量%、C4留分を3容量%配合しベースのガソリンを調製し、そのベースのガソリンにオレイン酸とグリセリンのモノエステル60容量ppm、ジエステルを40容量ppm、トリエステルを10容量ppm添加し、表2に示す性状のガソリン組成物を調製した。
Figure 0004115920
Figure 0004115920
(燃費評価方法)
本発明のガソリン組成物において、ガソリン組成物がシリンダー内壁とピストンリング間の摩擦を低減する効果とガソリン組成物がエンジンオイルに蓄積され動弁系の摩擦を低減する効果の合計による燃費向上効果を評価するために、実施例1〜4および比較例1〜5で示したそれぞれのガソリン組成物と化合物を添加する前のベースガソリン各々を用いて、以下の条件で、排気量2.0L、V6のエンジンにより運転した。
供試エンジンオイル:5W−30油 SL
雰囲気条件:25℃、湿度50%、大気圧
試験条件:水温90℃、油温95℃
エンジン回転数:2500rpm
エンジントルク:30Nm
運転時間:100時間
運転後に収集したエンジンオイルをそれぞれのガソリン組成物が蓄積したエンジンオイルとして、燃費向上評価試験に使用した。
燃費向上評価試験の評価条件は以下の通りである。
試験雰囲気条件:25℃、湿度50%、大気圧
試験エンジン:2.2L、L4エンジン
試験条件:水温90℃、油温95℃
エンジン回転数:1760rpm
エンジントルク:16Nm
燃費向上効果評価方法:
実施例1〜4および比較例1〜5のそれぞれのベースガソリンとベースガソリンを用いて作成したエンジンオイルを用いて、上述した条件でエンジンを運転し燃料消費量を計測し、これをそれぞれの基準値とした。次に、燃料をそれぞれの化合物が添加されたガソリン組成物に切り替え、また化合物が添加されたガソリン組成物を用いて作成したエンジンオイルに切り替え、上述した条件でエンジンを運転し燃料消費量を計測し、これをそれぞれの燃費値とした。燃費向上値は以下の式により算出した。
燃費向上値(%)={(基準値−燃費値)/基準値}×100
燃費向上値(%)は値が大きいほど、燃費向上効果に優れることになる。
評価結果を表3に示す。
Figure 0004115920
表3に示すように、実施例1〜4のガソリン組成物は燃費向上効果が大きいことが分かる。

Claims (4)

  1. カルボン酸を10〜200容量ppm、及びアミンを0.1〜75容量ppm含有し、リサーチ法オクタン価(RON)が89以上、RVPが44〜93kPa、50%留出温度が75〜110℃、E70が20〜48%、ベンゼンが1容量%以下、硫黄分が10質量ppm以下であることを特徴とするガソリン組成物。
  2. さらに、カルボン酸のアミン塩を5〜150容量ppm含有する請求項1記載のガソリン組成物。
  3. カルボン酸が炭素数10〜22の脂肪族カルボン酸である請求項1又は2に記載のガソリン組成物。
  4. アミンが下記の一般式(1)を有するアルカノールジアミンである請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン組成物。
    Figure 0004115920
    (式中、R〜Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基であり、R〜Rの少なくとも一つはヒドロキシアルキル基である。R〜Rは同じでも異なってもよい。Rは炭素数1〜6のアルキレン基又はアルケニレン基である。)
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