JP4115380B2 - ピアレス型ゲート - Google Patents

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Description

本発明は、河川、暗渠等水路に設置されるピアレス型ゲートに関する。
海と河川の境界部あるいは本川(外水側ともいう)と支川(内水側ともいう)との境界部に設けられるゲートは、通常は水位が高い上流の支川の水を下流の本川に流すため開放されているが、例えば台風等で下流の本川の水位が高くなって逆流する場合(支川側水位が規定以上になるとき)は閉じなければならない。通常は支川側の水位が本川側の水位より高くなっており、支川側から本川側に向かって自然排水が行われる。
また、逆に本川側の水位が支川側の水位より高くなり逆流する場合は、排水樋門のゲートを閉じ逆流を防止している。又、ゲートに水中ポンプを組み込んだいわゆるゲートポンプの場合には、逆流があった場合ゲートを閉じ、ゲートに設けられた水中ポンプで強制的に排水を行っている。従来から自然排水はゲートを開いて行い、逆流のときは水中ポンプで強制排水を行っている。このようなゲートは、住宅地に隣接する用水路、暗渠にも設置される。
このような水路でのゲート開閉に対して、ゲートには水流を遮断するために水遮断のための装置を設けている。この装置の有無にかかわらず、上方に揺動軸のあるゲートにおいては、従来から遮断効果を高めるため水路内のゲート設置部分は、段差構成になっていて、ゲートが閉じるとき直接この段差部にゲートが当接する構成になっている(例えば、特許文献1)。フラットな水路底の場合もこのために突起状に段差を水路底に設け、閉じるときゲートの下部をこの段差部に突き当てている。又、灌漑用水路等においては、水流を遮断する程度の小規模のものではあるが、フラットな水路底で簡素な構成の堰板を開閉自在に設け、水流調節を可能とする堰も知られている(例えば、特許文献2、3)。
特開2001−123434号公報 特開2002−285529号公報 実開昭62−154032号公報
水路の上部を軸に揺動させ開閉させる従来のゲートにおいては、河川堤防等における設置場所の違いにより川表設置と川裏設置がある。このゲートは、一般に水路途中に設置されることは少なく、出口等に設置される。例えば、川表側の暗渠の出口に設けられた場合は、正水圧により、水密ゴムを取り付けられたゲートが戸当金物に押し付けられ、水密を確保する構造になっている。この水密はゲートの四方に亘っているが、特に水路底側の水密を確保するため従来から水路底を段差構造にするか、あるいは平坦な水路底に突起状に堰を設け、この堰にゲートの下部を突き当てて水密を確保していることは前述のとおりである。
このように、川表設置の場合には正圧が作用する。川裏設置の場合には、ゲートを外水側に設置すると正圧が作用するが、内水側に設置すると逆圧が作用する。この構成はそれぞれ以下に示す問題点を有している。ゲートに水中ポンプを組み込んだいわゆるゲートポンプを例にして具体的に問題点を記載する。正圧を受ける設置で水路底に段差を設けた場合、段差のゲート面側は下流側となり、塵芥類や堆積物の影響を多少受けるものの、水圧によってゲートが戸当金物側に押し付けられる構成となり水密が取りやすい利点がある。
しかし、ゲートに取り付けられたポンプの点検用のピットを外水位より高くしたり、ポンプ圧又は外水圧に対して十分な密閉構造の操作室、点検口蓋が必要となり設備費が増大する。特に、暗渠に設置した場合には、密閉構造の操作室、点検口蓋が必須となってしまう。他方、逆圧を受ける設置で水路底に段差を設けた場合、段差のゲート面側は上流側となり塵芥類や堆積物が溜まり易くなる。これはゲートの確実な閉鎖を阻害し、そのうえ、ポンプの閉塞や破損を引き起こし有害である。しかし、ゲートが外水に直接さらされないので、外水位の状態に関係なく又ポンプの運転中でもポンプの状態を観察でき、メンテナンスにおいては利点がある。更に、正圧の場合に必要とした設備は不要である。
上部に回転軸を有するゲートにおいて、ゲートはある程度傾けて設置されることが多いが、ゲートが閉じたときゲートが大きく傾いた状態で水中ポンプを設置すると、ポンプの最低運転水位が上がりポンプ運転がよくない。又、川裏設置(逆圧)で使用した場合に、水圧とポンプの排水圧によりゲートがたわみ、水密装置と戸当金物との間に隙間が生じ、水漏れが発生し易くなる。たわみを小さくするために駆動軸を太くしたりしてゲートの強度を高めるとゲートの重量が増し、駆動装置の能力も大きくなり不経済となる。
又、ゲートを開閉する駆動装置は、水路外の上方に設置されることが多いが、住宅地等に設置される場合は安全面、景観を配慮した構成でなくてはならず、なるべく低位置に設置されることが望ましい。いずれにしろ水路底に段差等があることはゲートの閉鎖機能に何らかの影響を及ぼすことになるので、平坦であることが望ましい。
特に水の遮断の面では、ゲートが閉鎖したとき正圧であっても逆圧であっても確実に遮断する構成でなければならない。又、ゲートは自動で開閉されることが望ましく、しかも高さの低いコンパクトな構成でなければならない。ゲートに取り付けられるポンプは運転のよい位置及び姿勢で設置されるのがよい。更に低コストの簡素な構成でメンテナンスのよいゲート設備の改善が要望されている。
本発明は前述のような背景のもとに創案されたものであり、以下の目的を達する。本発明の目的は、ゲートの閉鎖時の水密を確実な状態で確保して、水路の水流方向に段差のない平坦な水路底に設置可能としたピアレス型ゲートの提供にある。本発明の他の目的は、ゲートの開閉駆動装置を極力低い位置に配置し、周囲の景観を確保して環境保全と安全面を配慮したピアレス型ゲートの提供にある。本発明の更に他の目的は、ゲートを水路上に持ち上げ可能にしてメンテナンスを容易にしたピアレス型ゲートの提供にある。本発明の更に他の目的は、ゲートの閉鎖時にポンプの軸線又は吸い込み口が水路底に略平行になるようにゲートに搭載しポンプ運転の向上を図ったピアレス型ゲートの提供にある。本発明の更に他の目的は、構造を簡素にし、低コストで経済性のある構成にしたピアレス型ゲートの提供にある。
前記課題を解決するため、次の手段を採る。即ち、
本発明1のピアレス型ゲートは、ゲートが上下方向に揺動旋回して水路の暗渠入り口の開閉を行うゲート設備において、
閉鎖時に下方向に揺動旋回し水路の水流方向に段差のない平坦な水路底に下部が設置され、開放時に上方向に揺動旋回して開動作するゲート本体であり、
このゲート本体は、
前記水路外に設けられ前記ゲート本体を揺動可能に支持する支持体と、
前記水路上方にあって前記ゲート本体と一体に設けられ、前記水路底の垂直面に対し前記下部の設置位置より前記水路底に平行で水流方向に所定距離離間した回転中心軸を有する軸体と、
前記支持体に設けられ前記軸体を駆動して前記ゲート本体を揺動駆動させる開閉駆動装置と、
前記ゲート本体の周縁部に設けられ前記水路底を含む水路壁に弾性変形して接し水流を遮断する水密装置とからなり、かつ
前記ゲート本体は、前記水路底への垂線と、前記軸体の回転中心と前記ゲート本体の下部を結ぶ線とのなす傾斜角度を有し、
前記ゲート本体の下部に設けられた前記水密装置は、前記ゲート本体が閉鎖時に前記水路底に弾性変形して所定距離摺る摺代を有している構成になっていることを特徴とする。
本発明2のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記ゲート本体は、前記水密装置取り付け面が前記水路底に対し垂直に構成されていることを特徴とする。
本発明3のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記ゲート本体は、閉鎖時に軸線が前記水路底に略平行になるように水中ポンプを設けた構成になっていることを特徴とする。
本発明4のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記ゲート本体は、閉鎖時に吸い込み口が前記水路底に略平行になるように水中ポンプを設けた構成になっていることを特徴とする。
本発明5のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記ゲート本体は、閉鎖時に前記水路底の垂直面に対する傾斜角度が3〜15度に設置されることを特徴とする。
本発明6のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記開閉駆動装置は、前記水路の側室に設けられ前記軸体の高さ以下に配置構成されていることを特徴とする。
本発明7のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記開閉駆動装置は、前記水路の幅の略中央部に配置したことを特徴とする。
本発明8のピアレス型ゲートは、本発明1において、前記水密装置は、前記ゲート本体が前記水路の開閉を行うとき、前記水密装置を構成するゴム体を保持する押さえ部材を有したものであって、前記ゴム体が弾性変形し、前記水路の水流方向に沿って平行な前記水路壁の面に摺動する水密構造にしたことを特徴とする。
本発明のピアレス型ゲートは、ゲートの閉鎖時に弾性変形とゲート配置により確実な水密状態を確保して、水路の水流方向に段差のない平坦な水路底に設置可能としたことで、水路構成及びゲートの設備構成を簡素にできる。設置に際し種々制限のある暗渠部に設置する場合、川裏設置(逆圧)が可能である。ゲートの開閉駆動装置を水路外に設け、その高さを低くすることで、安全面と景観維持に効果的な構成となった。更に、開放時はゲート本体を水路上に揺動して持ち上げることができるので、メンテナンスが容易である。また、ゲートポンプにおいて、ゲート本体の水中ポンプの軸線又は吸い込み口が水路底と略平行になるように配置することでポンプ運転の向上も図られた。更に、ゲートポンプにおいて、川裏設置(逆圧)が可能となることにより、川表設置(正圧)、川裏設置(逆圧)のポンプ圧、外水圧のために必要となる密閉構造の操作室や点検口蓋が不要となり土木構造が簡素化される効果もある。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明のピアレス型ゲート1の全体構成を示した正面図で、図2はその側面図で、図3はその平面図である。
この実施の形態では、ゲートに水中ポンプを組み込んだゲートポンプを例にして図面に従って説明を行う。
水路Sは水路壁S1がコンクリート壁で構成された略コ字状の形状をなしている。この水路Sの暗渠入り口にピアレス型ゲート1が設置されているが、主構成をなすゲート本体2が水路Sの水流を遮断する構成になっている。図の実施形態は、川裏設置で逆圧の場合の例を示している。通常水は図のAからB方向(実線で示した矢印方向)に流れ、外水が逆流するとBからA方向に示す方向(破線で示した矢印方向)に流れゲートに逆圧として水圧がかかる。
ゲート本体2の下部2aには水路底S2と軸線が略平行に水中ポンプ3が設置されていて、外水が逆流したときこの水中ポンプ3により逆流する水をAからB方向に流すようにしている。この水中ポンプ3の吐出口側にはフラップ弁4(逆止弁)が取り付けられていて、このフラップ弁4は上下方向又は水平方向に揺動する。フラップ弁4は、流れが自然排水あるいは強制排水の場合には開放され、流れがBからA方向に逆流する場合には閉じて排水の逆流を防止する。
このフラップ弁4は一種の蓋を構成し、水中ポンプ3が運転されAからB方向に水が水中ポンプ3内を流れる場合は、フラップ弁4は水流の勢いで開かれる。B側の水位がA側の水位より高くなり、水中ポンプ3の運転を停止したときは、フラップ弁4は閉じられ水中ポンプ3の吐出口を塞ぎ、逆流を防止する。
以上水中ポンプ3は、横軸型の水中ポンプで説明したが、図示していないが、立軸型、あるいは傾斜型の水中ポンプであってもよい。例えば、立軸型の場合、ポンプの吸い込み口が出来るだけ水路底S2に近く、且つ吸い込み口が水路底S2に平行に設置されることになる。水路底S2はフラットで段差がないので、吸い込み口は水路底S2により近く設置することが可能である。
水路底S2はフラットで平坦になっている。ゲート本体2の設置周囲の水路壁S1及び水路底S2には水密のための戸当金物5が設けられている。ゲート本体2に設けられた水密装置6がゲート閉鎖時に当接する。一方、ゲート本体2の上部2bには軸体7が固定され、軸体7の回転中心軸が水路Sの水路底S2に平行に且つ水流を横切る方向に設置され、両端部が支持体9と水路壁S1に軸受8を介して支持されている。軸体7が回転すると、ゲート本体2が揺動するように構成されている。軸体7の一端には、支持体9が設けられ、この支持体9は水路外のコンクリート壁面10に取り付けられている。
コンクリート壁面10の部分は、四囲をコンクリート壁で囲われた側室11を構成し、軸体7を回転させるための開閉駆動装置12を収納している。ゲート本体2は、戸当金物5が取り付けられた水路壁S1に対し、傾斜して設けられている。図の二点鎖線位置は、ゲートが開放されゲート本体2が軸体7の回転動作で揺動し、水面上に持ち上げられた状態を示している。軸体7の回転中心はゲート本体2の上方にあって、ゲート本体2の下部2aの水路底設置位置に対し、この位置の垂直面より水路底S2と平行で水流方向に離間した上方位置に設けられている。
図4は、ゲート本体の異なる形態の他の実施例を示している。この形態も平坦な水路底S2にゲート本体13の下部13aを設置させることは同じであるが、ゲート本体13を水路底S2に対し垂直に設置した点で構成が異なる。しかし、この構成であっても軸体14の回転中心は、ゲート本体13の下部13aの水路底設置位置を基準にしてその垂直面より水路底S2と平行で水流方向に位置がずれて上方に設置されている。
図の二点鎖線位置は、ゲートが開放されゲート本体13が軸体14の回転動作で揺動し水面上に持ち上げられた状態を示している。図に示すように水面上から完全に引き上げた状態であるから、水中ポンプ3等のメンテナンスが地上において極めて容易に行うことができる。
ゲート本体2の開閉駆動装置12は、軸体7の回転駆動装置として側室11に収納されていて、本実施形態においては油圧シリンダー15を使用している。側室11の壁面にステイ16が固定され、このステイ16に支持された軸に油圧シリンダー15本体が回動自在に取り付けられている。この油圧シリンダー15のロッド15aに軸を介してリンク17が相対的に回動自在に結合している。リンク17は軸体7に固定されている。
この構成により、油圧シリンダー15が動作すると、ロッド15aの移動によりリンク17が回動し軸体7が回転することになる。軸体7はゲート本体2と一体構成であるので、軸体7の回転に従いゲート本体2は揺動しゲートの開閉となる。油圧シリンダー15は軸体7より下方向の位置に側室11内に設置されている。従って、開閉駆動装置12は水路高さと略同一の高さ以内に設置されるので、この側室11上部をカバーで覆うと、水路上部に張り出し物の全くないゲート設備構成となる。この構成は前述の2つの実施形態において共通の構成である。
又、図の実施形態においては、開閉駆動装置12を軸体の一方の端部に設けた構成で説明したが、図示はしていないが軸体の両端に開閉駆動装置を設ける構成であってもよい。この構成は、ゲートの開閉駆動に大きな回転力が必要とされる場合に好適であり、この場合、軸体にはバランスのとれた回転力を与えることができる。
次に平坦な水路底S2にゲート本体を設置可能とした構成の詳細を説明する。図5は、ゲート本体2の下部2aを水路底S2に設置した場合における軸7の回転中心が水流方向にずれた位置を模式的に示し、ゲート本体下部の引き摺り状態を説明する説明図である。軸体7の回転中心aに対し水路底S2への垂線が水路底S2に交わる交点をbとし、この交点bより内水側に距離cずれた水路底位置dにゲート本体の下部2aが設置されている。これは、軸体7の回転中心a位置がゲート本体の下部2a位置に対しオフセットされていることになる。
水路底S2への垂線と、軸体7の回転中心aとゲート本体2の下部2aを結ぶ線とのなす傾斜角度はαである。又、ゲート本体2の下部2aは水密装置6が設けられ、水路底S2との間に水密をより確実にするため摺代δをつけている。この摺代δは水密装置6の弾性変形の変形代である。ゲート本体2がオフセットされた状態で設置される場合において、ゲート本体2が閉鎖するときゲート本体2の下部2aは水路底S2をこするが、摺代δとなるまでのこすり距離はeとなる。図のゲート本体2の状態は最終設置位置を示している。
一般的に行われている場合で、ゲート本体2が水路底S2に対し垂直に設置されたと仮定した場合、即ちゲート本体2の下部2aの設置位置bが垂線方向で回転中心位置と略一致するケースの場合は、同じ摺代δで比較すると、こすり距離はfとなり、f>eとなる。このように水路底S2へのゲート本体2の下部位置dと回転中心位置aとを水路底垂直面基準で水流方向に離間させることは、以上の説明のようにこすり距離を小さくするのに効果がある。
ゲート本体2が水路底S2に対しある程度傾斜させて設置されたと仮定した場合、ゲート本体2の傾斜角度αは大きくなれば当然のことながらこすり距離eは小さくなり、傾斜角度αが小さいとこすり距離eは大きくなる。傾斜角度αが大きいと、ゲート本体2自体の自重の影響は無視できない。すなわち、ゲート本体2自体の自重増加に比べて、こすり距離eの減少の変化が小さく、ゲートを傾ける効果があがらなくなるので、実際に設置する傾斜角度αは限界がある。本発明の構成において、水密効果を向上させる適切な角度は3度から15度である。
次に水密装置6について説明する。図6は、ゲート本体2を傾斜させて設置した場合の上部2bと下部2aの水密構成を示した図で、ゴム圧着式のものを図示している。図7は、ゲート本体13を垂直に設置した場合の上部13bと下部13aの水密構成を示した図で、ゴム摺動式のものを図示している。いずれも回転中心位置は前述のとおりずれた位置にある。図6の水密装置6のゴム18はブロック状のものでブロックそのものが弾性変形するタイプである。変形のためゴム取り付け部材に切り欠きやガイドを設け、作用する力を分散しゴム18を傷めないようにしている。
水路底S2には戸当金物5が埋設されていて、ゲートが閉鎖するときゴム18はこの戸当金物5にこすりながら所定位置に設置される。このこすり過程で水密される構成は図5の説明図に従う。上部2bの水密構成はチューブ式(又はチューブ状)のゴム体19としている。水路壁S1には戸当金物5が設置されているので、ゲート閉鎖時チューブ式のゴム体19はチューブ部分が戸当金物5に押圧され弾性変形し水密状態を構成する。この上部2bのゴム体19はチューブ式でなくブロック状のものであってもよい。
図7は、ゴムがチューブ形式のものをゲート本体13の下部13aに適用した例のものである。この方式のものは、ゲートの撓み以上に戸当金物と水密ゴムの摺動長さを確保すれば、隙間が生ぜず水漏れが発生しない。ゴム体20の取り付けは、ゲート本体13に対し水路底S2に平行に水流方向に沿ってチューブ部分20aを張り出している。この構成は閉鎖時のこすり過程で摺代δが大きくても対応できる。即ち、チューブ部分20a自体の弾性変形もブロック状のものに比し大きくなっているが、こすり過程でチューブ部分20a自体がたわむ余地があり変形代を大きくすることができる。上部13bの水密構成は、水路壁S1の縁部周囲に設置された戸当金物5に下部13aと同様にチューブ状のゴム体20をこすり過程で押し付ける構成になっている。
下部構成と同様にチューブ部分20aを水路底S2に平行に水流方向に張り出した構成にしている。このチューブ部分20aを水流方向に摺動させ水路壁S1である上部、あるいは、側面部の戸当金物5にゴム体20の変形を保持する押さえ板20bを有して弾性変形し圧着させている。このチューブ状のゴム体20は、形状をチューブ状にしたことで、無理な力が作用しても適切な形状に変形するようにしたものである。本実施形態の場合は、上部13bも下部13aも側面部も同一形状のゴム体20とし、水圧又は開閉駆動装置12の押し付け力により戸当金物5に圧着させる構成としている。このように、4辺の水密ゴムを同一形状にするため、水密ゴムが変形してもコーナー部分においても連続した水密線となり、確実な水密構成となる。
川裏設置(逆圧)の場合、図7のようなゴム摺動式も有効である。即ち、ゲートに取り付ける4辺の水密ゴム(上部及び下部のゴム体)を同一形状とし、全閉付近において水圧により戸当金物5に水密ゴムが押し付けられる構造である。この構造なら水密ゴムの形状はどのような形状でもよい。
図8は、水密ゴムの構成を示す詳細図である。ゴム体20は、チューブ式のものであるが、水路底S2に川裏設置(逆圧)でゲート本体13が閉鎖して設置され、逆流の水圧を受けている状態を示している。ゴム体20は水路底S2をこすりながら設置されるが、ゲート本体13閉鎖時、ゴム体20は、Xの寸法撓み弾性変形し水路底S2に押圧される。水圧はむき出しのゴム体20に均等水圧で力がかかるが、ベクトル的に合力として矢印に示す方向にゴム体20は押されることになる。このゴム体20は、ゲート本体13との間で押さえ板20bを介して固定されている。この押さえ板20bはゴム体20が水圧を受けて必要以上に撓むのを防止している。押さえ板20bの受け面は、ゴム体20の形状に合わせてカーブを形成している。
図9は、上側部の水密構成の一例を示しており、ゲート本体13が閉鎖する直前の状態でゴム体20が戸当金物に接触したところを示している。ゲート本体13が最終的に閉鎖するときゲート本体13上部に設けられた支圧板13cが戸当金物に当接しゴム体20のチューブ部分20aは弾性変形し尚も進入し戸当金物に密着する。このゴム体20の押さえ板20bの構成も前述の水路底S2の場合で説明したゴム体20と同様の構成である。又、上側部の戸当金物は水密ゴムが戸当金物に収まり易く、ゲートの動きに追従し易い他の構造(戸当角丸め、戸当当板取付、戸当角面取、戸当付属品取付)であってもよい。
この構成について詳述する。図10は、戸当角丸めタイプの戸当金物30の構成で、戸当金物30の角部が丸みの付いた構成になっていて、ゲート本体13が閉鎖するときゴム体20がスムースに弾性変形しながら密着される。又、このゲート本体13の上部13bには、ゲート本体13が閉鎖するときのストッパーに相当する支圧板13cが設けられていて、閉鎖するときこの支圧板13cは戸当金物30に当接する。
図11は、戸当当板取付タイプの戸当金物40の構成で、戸当金物40がL字状に構成されたもので、水路側の一部に当板40aを設けた構成になっている。ゴム体20の構成は図10の場合と同様で、ゲート本体13が閉鎖するときこのゴム体20は、戸当金物40の当板40aに当接し密着される。
図12は、戸当角面取タイプの戸当金物50の構成で、戸当金物50の角が水密を有するのに適切な角度(例えば、45度)に面取りされた構成のものである。ゴム体20の構成は図10の場合と同様で、ゲート本体13が閉鎖するときこのゴム体20は、戸当金物50の面取下部に当接し密着される。
図13は、戸当付属品取付タイプの戸当金物60の構成で、戸当金物60の一部にV形状の金物60aを付属品として取り付けた構成のものである。ゴム体20の構成は図10の場合と同様で、ゲート本体13が閉鎖するときこのゴム体20は、戸当金物60のV形状の金物60aの下部に当接し密着される。
図14は、水路底S2に設置される水密装置の他の例である。ゴム体は、水路底S2の水流方向に沿って張り出した板状のゴム体21である。前述のゴム体20と同様に弾性変形し水密を行う。この構成は、上側部に適用してもよく、その構成は前述の4つのタイプの戸当金物にも適用できる。
次に開閉駆動装置の取り付けに関し他の実施形態を図15、図16に基づき説明する。図15は平面図で、図16は側面図である。この実施形態は、開閉駆動装置を軸体7の中央部に設置した場合の例である。この開閉駆動装置は、前述同様に油圧シリンダー15cとして構成している。軸体7の中央部にはリンク17aが固定されていて、このリンク17aの他端に油圧シリンダー15cのロッド15dが回動自在に連結している。
油圧シリンダー15cは、水路上方の水路壁の一部に固定されたステイ16aに揺動自在に取り付けられている。油圧シリンダー15cの動作でロッド15dが進退移動し、それに伴ってリンク17aが揺動し、軸体7は回転する。軸体7の回転に伴ってゲート本体2は上下方向に揺動し開閉する。
この適用例は、ゲート本体2に1個以上(例えば、2個)の水中ポンプ3を搭載している場合にその略中央部に設置すれば、バランスのとれた駆動構成となる。しかし、この場合は、軸体7の軸端に駆動装置を設けた前述の場合に比し、設備の高さは高くなるが、設計上の工夫で極力低くする構成は可能である。
又、この適用例の場合は、ゲートを開閉する駆動軸の略中央部で支持し駆動するので、駆動軸の端部で支持し駆動するタイプに比し、ゲートのたわみが小さくなり、戸当金物と水蜜ゴムに隙間が生じにくく水漏れが発生しにくいため、駆動軸径を小さくすることが可能であり、経済的な構成が可能である。
以上、本発明の実施の形態について、2つの異なるゲート本体について説明したが、本発明の対象はこれに限定されないことはいうまでもない。又、水密構成も説明した以外に種々の形態があるので、水路の形態に合わせ最も適するものを使用すればよい。
図1は、本発明のピアレス型ゲートの正面図である。 図2は、本発明のピアレス型ゲートの側面図である。 図3は、本発明のピアレス型ゲートの平面図である。 図4は、本発明の他の実施形態を示すピアレス型ゲートの側面図である。 図5は、ピアレス型ゲートの水路底への設置位置と回転軸中心位置との関係を示す説明図である。 図6は、傾斜して設置したゲート本体の水密構成を示す断面図である。 図7は、垂直に設置したゲート本体の水密構成を示す断面図である。 図8は、ゲート本体下部の水密構成の詳細を示す断面図である。 図9は、ゲート本体上部の水密構成の詳細を示す断面図である。 図10は、上側部の戸当金物の構成で戸当角丸めタイプを示す断面図である。 図11は、上側部の戸当金物の構成で戸当当板取付タイプを示す断面図である。 図12は、上側部の戸当金物の構成で戸当角面取タイプを示す断面図である。 図13は、上側部の戸当金物の構成で戸当付属品取付タイプを示す断面図である。 図14は、ゲート本体下部の水密構成の他の実施形態を示す断面図である。 図15は、軸体の中央部に駆動装置を設けた構成の平面図である。 図16は、軸体の中央部に駆動装置を設けた構成の側面図である。
符号の説明
1…ピアレス型ゲート
2…ゲート本体
3…水中ポンプ
5…戸当金物
6…水密装置
7…軸体
9…支持体
11…側室
12…開閉駆動装置

Claims (8)

  1. ゲートが上下方向に揺動旋回して水路の暗渠入り口の開閉を行うゲート設備において、
    閉鎖時に下方向に揺動旋回し水路の水流方向に段差のない平坦な水路底に下部が設置され、開放時に上方向に揺動旋回して開動作するゲート本体であり、
    このゲート本体は、
    前記水路外に設けられ前記ゲート本体を揺動可能に支持する支持体と、
    前記水路上方にあって前記ゲート本体と一体に設けられ、前記水路底の垂直面に対し前記下部の設置位置より前記水路底に平行で水流方向に所定距離離間した回転中心軸を有する軸体と、
    前記支持体に設けられ前記軸体を駆動して前記ゲート本体を揺動駆動させる開閉駆動装置と、
    前記ゲート本体の周縁部に設けられ前記水路底を含む水路壁に弾性変形して接し水流を遮断する水密装置とからなり、かつ
    前記ゲート本体は、前記水路底への垂線と、前記軸体の回転中心と前記ゲート本体の下部を結ぶ線とのなす傾斜角度を有し、
    前記ゲート本体の下部に設けられた前記水密装置は、前記ゲート本体が閉鎖時に前記水路底に弾性変形して所定距離摺る摺代を有している構成になっている
    ことを特徴とするピアレス型ゲート。
  2. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記ゲート本体は、前記水密装置取り付け面が前記水路底に対し垂直に構成されていることを特徴とするピアレス型ゲート。
  3. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記ゲート本体は、閉鎖時に軸線が前記水路底に略平行になるように水中ポンプを設けた構成になっていることを特徴とするピアレス型ゲート。
  4. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記ゲート本体は、閉鎖時に吸い込み口が前記水路底に略平行になるように水中ポンプを設けた構成になっていることを特徴とするピアレス型ゲート。
  5. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記ゲート本体は、閉鎖時に前記水路底の垂直面に対する傾斜角度が3〜15度に設置されることを特徴とするピアレス型ゲート。
  6. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記開閉駆動装置は、前記水路の側室に設けられ前記軸体の高さ以下に配置構成されていることを特徴とするピアレス型ゲート。
  7. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記開閉駆動装置は、前記水路の幅の略中央部に配置したことを特徴とするピアレス型ゲート。
  8. 請求項1に記載のピアレス型ゲートにおいて、
    前記水密装置は、前記ゲート本体が前記水路の開閉を行うとき、前記水密装置を構成するゴム体を保持する押さえ部材を有したものであって、前記ゴム体が弾性変形し、前記水路の水流方向に沿って平行な前記水路壁の面に摺動する水密構造にしたことを特徴とするピアレス型ゲート。
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