JP4115366B2 - 核酸分子の高次構造変化検出方法 - Google Patents

核酸分子の高次構造変化検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、タンパク質等の因子と核酸分子との相互作用を解析することができる核酸分子の高次構造変化検出方法に関する。
ある種のタンパク質は、塩基配列特異的或いは非特異的にDNAと相互作用することが知られている。例えば、転写因子として知られているタンパク質は、遺伝子の上流に存在するプロモーター領域に結合することで、当該遺伝子の発現を促進或いは抑制する。DNAに対して結合する能力を有するタンパク質をDNA結合タンパク質と称する。
DNA結合タンパク質としては、例えば、転写因子、多くの癌遺伝子及び癌抑制遺伝子によりコードされるタンパク質が知られている。その中でp53タンパク質は、配列特異的転写活性化因子であり、DNAの損傷により活性化されp21遺伝子の転写を促進し、これが細胞増殖を抑制する。p53のDNA結合ドメインに変異がおこるとDNA結合能が低下し、その結果、細胞増殖を抑制できず癌化する。
DNA結合タンパク質は、通常、水素結合、イオン結合、及び疎水性相互作用を介してDNAに結合している。DNAとDNA結合タンパク質との間の相互作用は弱いにも拘わらず、DNAと結合タンパク質の巨大な境界面上の複数の箇所との接触が関与するために、生物学において最も特異的な相互作用のひとつである。このような、DNAと結合タンパク質との相互作用は、多くの場合、DNAの高次構造変化を伴う。
例えば、プロモーターに作用するトランス因子UBFタンパク質は、6個のHMGボックスを含み、この部分がDNAに結合するとDNAのルーピングを促進する。また、RNAポリメラーゼIIで転写される遺伝子のプロモーター中に存在するTATAボックスエレメントに結合する因子TBPがDNAに結合すると、DNAを80°曲げることが知られている。またヒストンタンパク質がDNAに結合すると、ヒストン自身の周りにDNAが巻きつく構造となり、DNAの方向性は消失する。また、プロモーターを活性化するシスエレメントであるエンハンサーに結合したタンパク質がプロモーターに結合したタンパク質と相互作用して、プロモーターとエンハンサーにはさまれた部分のDNAがルーピングを起こすことが知られている。
現在、タンパク質の結合に起因するDNAの高次構造変化を検出する手法としては、ゲルシフト法、DNase Iフットプリント法、サウスウエスタン法、メチル化干渉法、UVクロスリンク法等が知られている。しかしながら、これらの方法では、ゲル電気泳動やメンブレン転写などのDNAを分離する煩雑な工程が必要であり、またDNA分子とタンパク質との相互作用を単一分子レベルで測定することができないといった問題がある。
そこで、本発明は、従来法に比べて工程の実施が容易で単一分子レベルでタンパク質等の因子と核酸分子との相互作用を検出することができる核酸分子の高次構造変化検出方法を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するため本発明者が鋭意検討した結果、塩基対をなす結合を略平行となるように核酸分子を固定化することに成功し、核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化に基づいて当該核酸分子の高次構造変化を検出できるといった知見を得ることができ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
(1)実質的に直線状に固定化された核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子を接触させる工程と、上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出する工程とを有する核酸分子の高次構造変化検出方法。
(2)上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(3)上記配向変化を検出する工程では、上記因子により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(4)上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(5)上記因子を接触させる工程では、上記因子を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(6)上記因子はタンパク質であることを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(7)上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記因子とが相互作用したものと同定することを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(8)上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が実質的に平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする(1)記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
(9)実質的に直線状に固定化された核酸分子に、解析対象の因子を接触させる工程と、上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出する工程とを有する因子機能解析方法。
(10)上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出した場合に上記因子が核酸分子に対する作用機能を有すると判断することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(11)上記配向変化を検出する工程で検出した配向変化と機能既知の因子による配向変化との類似度に基づいて上記解析対象の因子の機能を特定することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(12)上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(13)上記配向変化を検出する工程では、上記因子により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(14)上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(15)上記因子を接触させる工程では、上記因子を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(16)上記解析対象の因子はタンパク質であることを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(17)上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記因子とが相互作用したものと同定することを特徴とする(9)記載の候補物質機能解析方法。
(18)上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が実質的に平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする(9)記載の因子機能解析方法。
(19)実質的に直線上に固定化した核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子を接触させる工程と、上記因子により高次構造が変化した核酸分子に、候補物質を接触させる工程と、上記核酸分子の高次構造を検出し、当該高次構造が更に変化した場合には上記候補物質を、上記因子と上記核酸分子との相互作用に影響を与える物質としてスクリーニングする工程とを備えるスクリーニング方法。
(20)実質的に直線上に固定化した核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子と当該因子及び核酸分子の間の相互作用に影響を与えうる候補物質とを接触させる工程と、
上記核酸分子の高次構造を検出し、検出した高次構造が上記因子と上記核酸分子との相互作用により変化する高次構造と異なる場合には、上記候補物質を上記因子と上記核酸分子との相互作用に影響を与える物質としてスクリーニングする工程とを備えるスクリーニング方法。
(21)上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出した場合に、上記候補物質が上記因子と上記核酸分子との相互作用に対する作用機能を有すると判断することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(22)上記配向変化を検出する工程で検出した配向変化と機能既知の物質による配向変化との類似度に基づいて上記解析対象の物質の機能を特定することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(23)上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(24)上記配向変化を検出する工程では、上記候補物質により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(25)上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(26)上記候補物質を接触させる工程では、上記候補物質を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(27)上記候補物質はタンパク質であることを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(28)上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記候補物質とが相互作用したものと同定することを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(29)上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が実質的に平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする(19)又は(20)記載のスクリーニング方法。
(30)基材と、実質的に直線上に上記基材に固定化された核酸分子とを備える核酸分子の高次構造変化検出用素子。
(31)上記基材はガラス基板であることを特徴とする(30)記載の核酸分子の高次構造変化検出用素子。
(32)上記核酸分子は、不溶化された当該核酸分子を含む溶液を上記基材上に供給し、上記基材上で上記溶液を乾燥させることによって固定化されたのもであることを特徴とする(30)記載の核酸分子の高次構造変化検出用素子。
(33)異なる塩基配列を有する複数の上記核酸分子を固定化したことを特徴とする(30)記載の核酸分子の高次構造変化検出用素子。
(34)上記核酸分子は、タンパク質結合領域を含むことを特徴とする(30)記載の核酸分子の高次構造変化検出用素子。
(35)上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が実質的に平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする(30)記載の核酸分子の高次構造変化検出用素子。
本発明によれば、タンパク質等の因子と核酸分子との相互作用に起因するような、核酸分子の高次構造変化を単一分子レベルで解析することができる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、タンパク質等の因子或いは解析対象の因子若しくは候補物質が核酸分子に作用することによって生じる当該核酸分子の高次構造の変化を検出する方法に関するものである。本発明において、核酸分子とは、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、ペプチド核酸及び核酸類似体を含む意味である。また、核酸分子は、二本鎖であっても一本鎖であってもよい。以下の説明においては、核酸分子として二本鎖DNA分子を例示して説明するが、一本鎖DNA分子及びRNA分子であっても全く同様に本発明を適用することができる。
本方法は、実質的に直線上に固定化された二本鎖DNA分子において、塩基対をなす結合の配向変化を検出することによって当該二本鎖DNA分子の高次構造の変化を検出する。本発明において、「実質的に直線状」とは、二本鎖DNA分子が高次構造を取っていない状態を意味し、必ずしも直線に限定的に解釈されるものではない。また、実質的に直線上に固定化された二本鎖DNA分子には、溶液等で高次構造を形成して存在する二本鎖DNA分子を、引き伸ばした状態で固定化した二本鎖DNA分子を含む意味である。
1.因子及び候補物質
ここで因子とは、代表的にはタンパク質を意味するが、タンパク質に限定されず低分子化合物、高分子化合物及び溶液中のイオン等の物質、並びにpHなどに代表される環境変化等を意味する。すなわち、因子としては、DNA分子に作用するといった機能を有する全ての物質及び環境を含む意味である。作用とは、代表的にはDNA分子に対する結合を意味するが、これに限定されず、DNA分子に対する接触、核酸に接触している他の因子を介した接触、環境変化による自己組織化等によるDNA分子の高次構造を変化させる作用を意味する。
例えば、因子の一例として、以下に示すようなタンパク質を例示することができる。なお、本発明の技術的範囲を、以下のタンパク質に限定するものではない。加えて、機能未知なタンパク質であっても本発明における因子に含まれる。さらに、1種以上のタンパク質が複合体を形成している複合体タンパク質も本発明における因子に含まれる。
DNA複製に関与するタンパク質;Rep protein(helicase)
DNA修復に関与するタンパク質;uracil N-glycosylase、UvrA
遺伝子転写に関与するタンパク質(転写因子);UBP、TBP(TATA box binding protein)、Cro protein、Trp repressor、homeodomain protein、CREB
mRNAの翻訳に関与するタンパク質;peptidyl transferase
DNA組換えに関与するタンパク質;RecA、RecBC
DNAの立体構造に関与するタンパク質;histone、hSWI/SNF(chromatin modeling factor)、gyrase、topoisomerase、histone
一方、解析対象の因子とは、DNA分子の高次構造を変化させる機能を有するか否かを解析する対象及び/又はDNA分子に対して如何なる高次構造変化を誘発するか解析する対象を意味する。したがって解析対象の因子としては、その機能が未知であっても既知であっても良い。解析対象の物質とは、代表的にはタンパク質を意味するが、タンパク質に限定されず低分子化合物、高分子化合物及び溶液中のイオン等の物質並びに、pHなどの環境変化等を意味する。
また、候補物質とは、後述するスクリーニング方法においてスクリーニングの対象となる物質を意味する。ここで、候補物質としては、タンパク質、低分子化合物、高分子化合物及び溶液中のイオン等の物質を意味する。
2.二本鎖DNA分子の固定化方法
ここで、本方法においては、実質的に直線状に固定化された二本鎖DNA分子を使用する。詳細には、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が実質的に平行或いはねじれの位置となるように固定化された二本鎖DNA分子を使用する。ここで、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向とは、一方の一本鎖DNA分子におけるアデニンと他方の一本鎖DNA分子におけるチミンとの間の2つの水素結合及び一方の一本鎖DNA分子におけるグアニンと他方の一本鎖DNA分子におけるシトシンとの間の3つの水素結合を便宜的に直線で表したときの当該直線の方向を意味する。
言い換えると、実質的に直線状に二本鎖DNA分子を固定化するとは、二本鎖DNA分子を引き伸ばした状態で固定化することを意味する。二本鎖DNA分子を固定化する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。
<方法1>
先ず、多価陽イオンを含む電解質に固定化対象の二本鎖DNA分子を加え、当該二本鎖DNA分子を不溶化した溶液を調製する。具体的に、溶液の組成としては、色素であるTOTO-1を結合させた12.5 nM lDNA(塩基対:TOTO-1=6:1)、3 mM Tris-HCl (pH 8.0)、0.1 mM EDTA及び17 mM CaCl2とすることができる。次に、この溶液を例えばガラス基板等の基材上に滴下する。そして、所定の条件で放置することによって、基材上に、実質的に直線状に二本鎖DNA分子を固定化することができる。
すなわち、不溶化した二本鎖DNA分子を含む溶液が基材上で徐々に乾燥するため、不溶化した二本鎖DNA分子は、基材上で、ほぼ直線上に、引き伸ばされた状態で固定化されることとなる。このとき、放置する条件によって二本鎖DNA分子を引き伸ばす外力の大きさを変えることができる。例えば、放置する条件を、基板と溶液の温度を高く保った場合には、二本鎖DNA分子を引き伸ばす外力の大きさは大きくなる。逆に、放置する条件を基板と溶液の温度を低く保った場合には、二本鎖DNA分子を引き伸ばす外力の大きさは小さくなる。
なお、詳細を後述する<シグナル検出方法2>の原理によって、DNA分子の高次構造変化を検出する場合、二本鎖DNA分子を基板上に固定化した後、色素をインターカレートさせてもよい。この場合でも、基材上、実質的に直線状に二本鎖DNA分子を固定化することができるとともに、塩基対の間にインターカレートさせた色素も分子レベルで規則的に配向させることができる。
色素としては、特に限定されないが、例えば、EtBr(エチジウムブロマイド)、AO(アクリジンオレンジ)、YOYO-1、TOTO-1等を使用することができる。
<方法2>
アビジン−ビオチン結合を利用する方法では、先ず二本鎖DNA分子の一端をビオチン標識する。例えば、ビオチン標識されたヌクレオチドを他のヌクレオチドと混ぜ、Klenow Fragmant酵素を用いてDNAの末端に取り込ませることによりビオチン標識が可能である。一方、基板表面をアビジンでコートする。例えば、基板表面を水酸化カリウムで処理することにより親水化し、アビジンを作用させることによりアビジンコートが可能である。
次に、一端をビオチン標識した二本鎖DNA分子を含む溶液を、表面をアジピンコートした基板に滴下する。或いは、一端をビオチン標識した二本鎖DNA分子を含む溶液に、表面をアジピンコートした基板を浸漬する。これにより、アビジン−ビオチン結合で二本鎖DNA分子の一端を基板表面上に固定することができる。この状態で、溶液中に電場を作用させ、二本鎖DNA分子を電場により引き伸ばす。二本鎖DNA分子は溶液中ではマイナスに帯電しているので、プラスの方向に引っ張られる。この引っ張った二本鎖DNA分子を基板上に吸着固定化する。
以上により、二本鎖DNA分子は、基材上で、ほぼ直線上に、引き伸ばされた状態で固定化されることとなる。なお、アビジン−ビオチン結合に代えて、金−チオール結合を利用することもできる。この場合、二本鎖DNA分子の一端をチオール基で標識した後、金薄膜でコートした基板表面上に二本鎖DNA分子の一端を、金−チオールの結合を利用して固定し、同様に溶液中に電場を作用させる。これにより、二本鎖DNA分子は、基材上で、ほぼ直線上に、引き伸ばされた状態で固定化されることとなる。
<方法3>
まず、基板表面をジメチルジクロロシランの蒸気コーティングなどの方法を用いて疎水化し、DNAが疎水的相互作用で吸着しやすいようにしておく。次に、基板表面に二本鎖DNA分子を含む溶液を滴下する。溶液の組成は、例えば、色素であるTOTO-1を結合させた12.5 nM lDNA(塩基対 :TOTO-1=6:1)、3 mM Tris-HCl (pH 8.0)及び0.1 mM EDTAとすることができる。このとき二本鎖DNA分子の一部が、疎水化した基板表面に吸着すると、滴下直後であるため揺動している溶液の流体力学的な力により二本鎖DNA分子が引き伸ばされることとなり、基板に接触した部分から順次基板上に吸着固定する。この方法では二本鎖DNA分子の引き伸ばし固定が容易である一方、二本鎖DNA分子を引き伸ばす力や方向を制御しにくい欠点がある。
上述した方法1〜3によれば、基材上に、実質的に直線状に固定化された二本鎖DNA分子をDNA分子の高次構造変化検出用素子として提供することができる。すなわち、DNA分子の高次構造変化検出用素子は、基材と、実質的に直線状に基材に固定化された二本鎖DNA分子とを備える。
ここで、基材としては、代表的にはガラス基板を使用することができるが、ガラス基板に限定されずシリコン基板、微粒子固定化基板、アルミ基板、光透過性単結晶基板(Al2O3、SiO2)、機能性薄膜をコートした表面基板(強誘電体コートなど)等を使用することができる。詳細は後述するが、塩基対をなす結合の配向変化を測定する際に、塩基対の間にインターカレートさせた色素の蛍光を測定するのであれば、基材としては、光透過性を有するものが好ましい。この観点からは、基材としてガラス基板を使用することが好ましい。
また、固定化する二本鎖DNA分子としては、何ら限定されるものではないが、例えば、ヒト由来のプロモーター領域、特定の疾病に関与することが知られている遺伝子及び当該遺伝子の発現制御領域、機能未知な塩基配列からなるDNA断片等を挙げることができる。
基材に固定化する二本鎖DNA分子は、高次構造変化検出用素子の使用目的に応じて、適宜選択すればよい。例えば、特定の転写因子によるDNA結合領域を同定する目的で高次構造変化検出用素子を使用する場合には、当該転写因子によって認識されると考えられる塩基配列を含む二本鎖DNA分子を固定化する。例えば、転写因子と考えられるが機能未知なヒト由来タンパク質の機能を推定する目的で高次構造変化検出用素子を使用する場合には、ヒトにおいて知られている転写因子認識配列を含む二本鎖DNA分子を固定化する。例えば、全く機能未知なヒト由来タンパク質の機能を推定する目的で高次構造変化検出用素子を使用する場合には、ヒトにおいてタンパク質の作用によって高次構造の変化を生ずることが知られている塩基配列を含む二本鎖DNA分子を固定化する。その他にも、野生型のタンパク質に対して種々の変異型のタンパク質の機能を調べる場合は、野生型のタンパク質の結合する配列を持つDNAをあらかじめ基板に固定化しておく。
また、高次構造変化検出用素子は、一種類の二本鎖DNA分子を固定化したものであっても良いし、多種類の二本鎖DNA分子を固定化したものであっても良い。多種類の二本鎖DNA分子を固定化する場合には、種類毎にそれぞれ異なる領域に固定化する。例えば、上述した方法1を用いて多種類の二本鎖DNA分子を固定化する場合、一種類の二本鎖DNA分子を含む溶液を全ての種類につき調製し、いわゆるスポッター装置等を用いてガラス基板に多種類の溶液をマトリックス状にスポットする。そしてそれぞれのスポットに対してDNAの高次構造変化を次々に測定していく。これは、本発明の測定の容易さという特長を最大限に生かした利用法である。これにより、多種類の二本鎖DNA分子をそれぞれ異なる領域に固定化した高次構造変化検出用素子を作製することができる。
さらに、二本鎖DNA分子の長さとしては、特に限定されないが、5〜10塩基対であり、20〜10塩基対であることが好ましく、10〜10塩基対であることがより好ましく、10〜10塩基対であることが最も好ましい。二本鎖DNA分子の長さが5塩基対未満である場合には、高次構造変化を生じない虞があり、二本鎖DNA分子の長さが10塩基対を超える場合には、全長に亘って塩基対をなす結合が略平行となるように基材に固定化できない虞がある。
3.高次構造変化の検出原理
実質的に直線状に固定化された二本鎖DNA分子を用いて、当該二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出する原理を説明する。
先ず、固定化された二本鎖DNA分子においては、実質的に直線状であるため、塩基対を構成する全ての結合に基づくシグナルが均一に検出される。そして、固定化された二本鎖DNA分子に因子等が作用してその高次構造が変化すると、シグナルが変化する。したがって、固定化した二本鎖DNA分子の塩基対を構成する結合に基づくシグナルの変化を測定することによって、因子等に起因する二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。
タンパク質等の因子を二本鎖DNA分子に作用させる方法としては、特に限定されないが、例えば、タンパク質等の因子を含むタンパク質溶液を調製し、この溶液を基材に固定化された二本鎖DNA分子を覆うように滴下し、10分から30分間放置する方法を挙げることができる。これにより、溶液に含まれるタンパク質等の因子が二本鎖DNA分子に接触することができ、二本鎖DNA分子の高次構造を変化させることができる。タンパク質溶液の組成は、タンパク質の種類に応じて適宜調節することができる。
ここで、シグナルとは、塩基対を構成する結合の配向(方向)を示すものであり、直接的に或いは間接的に測定できるものである。例えば、以下のようにしてシグナルを測定することができる。
<シグナル測定方法1>
直接的には、二本鎖DNA分子の塩基対を構成する結合の吸収強度をシグナルとして測定し、励起光の偏光面に依存した吸収強度の変化により二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。すなわち、この方法においては、固定化した二本鎖DNA分子の塩基対を構成する結合が吸収できる波長の励起光を、その偏光角を変化させながら、固定化した二本鎖DNA分子に対して照射する。二本鎖DNA分子の高次構造が変化していない場合には、DNA分子による吸収度が励起光の偏光面に強く依存することとなる。これに対して、二本鎖DNA分子の高次構造が変化している場合には、励起光源の偏光角に依存せずに蛍光強度が不規則に変動する或いは蛍光強度が振動しないこととなる。このように、二本鎖DNA分子の塩基対を構成する結合の吸収強度をシグナルとして検出することによって、固定化された二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。
このとき、照射する励起光の波長としては、260〜280nmとすることが好ましい。
<シグナル測定方法2>
間接的には、固定化された二本鎖DNA分子の塩基対の間にインターカレートさせた色素に基づく蛍光をシグナルとして測定し、励起光の偏光面に依存した蛍光強度の変化により二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。すなわち、この方法においては、色素を励起する励起光源を、その偏光角を変化させながら二本鎖DNA分子に照射する。二本鎖DNA分子の高次構造が変化していない場合には、励起光源の偏光角に依存して蛍光強度が規則的に振動することとなる。これに対して、二本鎖DNA分子の高次構造が変化している場合には、励起光源の偏光角に依存せずに蛍光強度が不規則に変動する或いは蛍光強度が振動しないこととなる。このように、色素に由来する蛍光強度をシグナルとして測定することによって、固定化された二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。
このとき、色素としては、EtBr(エチジウムブロマイド)、AO(アクリジンオレンジ)、YOYO-1、TOTO-1、YOYO-3、TOTO-3、YO-1、TO-1、YO-3、TO-3、SYBR GreenI、SYBR GreenII、POPO-1、POPO-3、BOBO-1、BOBO-3などを使用することができる。色素としてEtBrを使用した場合、励起光源の波長は518nmであり、波長605nmの蛍光強度を測定する。色素としてAOを使用した場合、励起光源の波長は500nmであり、波長526nmの蛍光強度を測定する。色素としてYOYO-1を使用した場合、励起光源の波長は491nmであり、波長509nmの蛍光強度を測定する。色素としてTOTO-1を使用した場合、励起光源の波長は514nmであり、波長533nmの蛍光強度を測定する。
<シグナル測定方法3>
<シグナル測定方法2>と同様に、固定化された二本鎖DNA分子の塩基対の間にインターカレートさせた色素に基づく蛍光をシグナルとして測定し、励起光の偏光面に依存した蛍光強度の変化により二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出する。検出装置として走査型近接場光学顕微鏡(Scanning Near-field Optical Microscope; 以下SNOM)を用いる。<シグナル測定方法2>では、光学顕微鏡の分解能の限界は、500nmの可視光を用いた場合、約800nm程度であるが、SNOMは光学顕微鏡の約10倍の分解能をもつ。SNOMのチップに偏光させた励起光を導入し、チップの先端から染み出す光(近接場光)を励起光源に用いるので、数十nm四方の領域だけを照射できる。そして、ここから出てくる蛍光を別の集光器、例えば対物レンズを用いて検出する。また別のSNOMの方法として、試料全体を偏光させた励起光で照射した後、目的の位置にチップの先端を近づけ、数十nm四方の領域からの蛍光をチップの先端から集光して検出する。
4.高次構造変化の検出装置
上述した<シグナル測定方法2>は、例えば、図1に示すような、検出装置1によって実施することができる。検出装置1は、所定の波長のレーザ光を出射するアルゴンイオンレーザ出射装置2と、アルゴンイオンレーザ出射装置2から出射したレーザの光路上に配設された反射ミラー3と、反射ミラー3で反射したレーザ光を所定のスポット径で高次構造変化検出用素子4に照射する第1の対物レンズ5と、反射ミラー3と対物レンズ5との間のレーザ光路上に配設された偏光解消板6及びλ/2波長板7とを備える。なお、図示しないが、検出装置1は、λ/2波長板7を回転駆動するモーターを有している。また、検出装置1は、高次構造変化検出用素子4で生じた蛍光を集光するための第2の対物レンズ8と、第2の対物レンズ8で集光した蛍光の光路上に配設されたダイクロイック(2色性)ミラー9及びフィルター10と、所定の波長の蛍光のみを反射するプリズム11と、プリズム11で反射した蛍光の光路上に配設された第1のレンズ12と、第1のレンズ12を介して入射した蛍光を増強するイメージ増強装置13と、イメージ増強装置13から出射される蛍光の光路上に配設された第2のレンズ14と、第2のレンズ14を介して入射する蛍光を検出するCCD装置15と、CCD装置15で検出した蛍光に基づいて画像を生成する画像処理装置16とを備える。
以上のように構成された検出装置1では、アルゴンイオンレーザ出射装置2から出射したレーザを、λ/2波長板7をモーターで回転駆動しながら高次構造変化検出用素子に対して照射する。これにより、偏光角を変化させながらレーザを、基材に固定化された二本鎖DNA分子に照射することができる。基材に固定化された二本鎖DNA分子に所定の偏光角のレーザが照射されると、二本鎖DNA分子にインターカレートした色素が励起され蛍光が生じ、異なる偏光角のレーザが照射されると蛍光を生じない。
検出装置1は、CCD装置15で測定した蛍光シグナル強度をレーザの偏光角との関係として出力する。二本鎖DNA分子の高次構造が変化していない箇所は、レーザの偏光角に依存して蛍光強度が規則的に振動することとなる。これに対して、二本鎖DNA分子の高次構造が変化している箇所は、レーザの偏光角に依存せずに蛍光強度が不規則に変動する或いは蛍光強度が振動しないこととなる。したがって、レーザの偏光角を変化させながら出力された画像を確認することで、固定化した二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができる。
また、固定化された二本鎖DNA分子における所定の箇所について、CCD装置15で測定した蛍光シグナル強度を縦軸とし、レーザの偏光角を横軸としたグラフとして出力する。そして、固定化された二本鎖DNA分子における所定の箇所について、出力されたグラフに基づいて高次構造変化が生じているか否かを検出することもできる。
ところで、上述したシグナル測定方法1〜4は、図1に示した検出装置1に限定されず、他の装置構成によっても実現することができる。すなわち、固定化された二本鎖DNA分子の高次構造は、例えば、走査型近接場光学顕微鏡(Scanning Near-field Optical Microscope; SNOM)、近接場蛍光顕微鏡等を使用することができる。
例えば、SNOMを使用した場合には固定化された二本鎖DNA分子における約10塩基対の長さを検出することができる。したがって、求める分解能に応じて、種々の光学系を適用して検出装置を構築すればよい。
5.候補物質機能解析方法
上記1〜4で説明したように、固定化した二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができるため、解析対象の物質の機能を解析することができる。上記「3.高次構造変化の検出原理」で説明したように、解析対象の物質を固定化された二本鎖DNA分子に接触させ、その後、二本鎖DNA分子の高次構造に基づくシグナルを検出する。これにより、解析対象の物質が二本鎖DNA分子の高次構造を変化させる機能を有するか否かを検出することができる。この方法によれば、固定化した二本鎖DNA分子に対する物質の作用を直接、且つ、単一分子レベルで検出することができる。また、この方法においては、電気泳動やメンブレンへの転写といった煩雑な操作を必要としないため、非常に簡易にDNA分子と物質との相互作用を検出することができる。
本解析方法を適用すると、例えばクロマトグラフィーによって得られた複数の画分のうち、どの画分にDNA結合タンパク質が含まれているのかといった知見を得ることができる。すなわち、まず、クロマトグラフィーによって得られた複数の画分のそれぞれについて、上記1〜4で説明したように、固定化した二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出する。そして、固定化した二本鎖DNA分子の高次構造変化を示す画分を特定することによって、DNA結合タンパク質を含む画分を同定することができる。
また、機能解析としては、DNA分子に対する相互作用の有無のみならず、解析対象の物質が如何なる相互作用を示すのかを解析することができる。この場合、予め、機能既知のタンパク質とDNA分子との相互作用による二本鎖DNA分子の高次構造変化をシグナルとして検出しておく。
例えば、プロモーターに作用するトランス因子UBFタンパク質に含まれる6個のHMGボックスがDNAに結合したときに生じるルーピングや、TATAボックスエレメントに結合する因子TBPがDNAに結合ときに生じる80°の折り曲げ、ヒストンタンパク質の周囲にDNAが巻き付くという高次構造、エンハンサーに結合したタンパク質がプロモーターに結合したタンパク質と相互作用して、プロモーターとエンハンサーにはさまれた部分に形成されるルーピング等をシグナルとして検出しておく。そして、解析対象の物質について、上述したようにシグナルを検出し、機能既知のタンパク質のシグナルと比較し、シグナルの類似性に基づいて機能を特定することができる。
6.スクリーニング方法
上記1〜4で説明したように、固定化した二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することができるため、DNA分子の高次構造を変化させる因子とDNA分子との相互作用に対して、影響を与える物質をスクリーニングすることができる。ここで、DNA分子の高次構造を変化させる因子とDNA分子との相互作用とは、例えば、タンパク質とDNAとの結合等に代表されるDNA分子の高次構造変化を伴うあらゆる作用を意味する。また、相互作用に対する影響とは、例えば、タンパク質とDNAとの結合を解離させたり、タンパク質とDNAとの結合を変化させるといった、DNA分子の高次構造変化を誘発する影響を意味する。
本スクリーニング方法によれば、例えば、癌遺伝子或いは癌抑制遺伝子がコードするDNA結合タンパク質とDNA分子との結合を、抑制或いは促進するような物質をスクリーニングすることができる。以下の説明では、DNA分子の高次構造を変化させる因子としてDNA結合タンパク質を例示する。本スクリーニング方法では、予め、上記「3.高次構造変化の検出原理」で説明したようにして、DNA結合タンパク質と基材に固定化された二本鎖DNA分子とを接触させ、DNA結合タンパク質をこの二本鎖DNA分子に結合させる。これにより、基材に固定化された二本鎖DNA分子は、DNA結合タンパク質の作用によって特定の高次構造を取ることとなる。
次に、スクリーニングの候補となる物質を、特定の高次構造を取る二本鎖DNA分子に対して接触させる。具体的には、候補物質を含む溶液を調製し、当該溶液を二本鎖DNA分子上に滴下することによって、候補物質と二本鎖DNA分子とを接触させる。候補物質がDNA結合タンパク質とDNA分子との結合を抑制或いは促進する機能を有するのであれば、特定の高次構造を取る二本鎖DNA分子の高次構造を変化させる。逆に候補物質がDNA結合タンパク質とDNA分子との結合を抑制或いは促進する機能を有しないのであれば、特定の高次構造を取る二本鎖DNA分子の高次構造を変化させない。したがって、候補物質を特定の高次構造を取る二本鎖DNA分子に対して接触させた状態で、当該二本鎖DNA分子の高次構造変化を検出することによって、DNA結合タンパク質とDNA分子との結合に影響を与える物質をスクリーングすることができる。
この方法によれば、固定化した二本鎖DNA分子に対する物質の作用を直接、且つ、単一分子レベルで検出することができる。また、この方法においては、電気泳動やメンブレンへの転写といった煩雑な操作を必要としないため、非常に簡易にDNA分子と物質との相互作用を検出することができる。したがって、本スクリーニング方法によれば、数多くの候補物質を効率よく、且つ高精度にスクリーニングすることができる。
ところで、本スクリーニング方法は、DNA結合タンパク質と基材に固定化された二本鎖DNA分子とを結合させた状態で候補物質を接触させる方法に限定されず、基材に固定化された二本鎖DNA分子に対してDNA結合タンパク質と候補物質とを同時に作用させたり、候補物質の存在下でDNA結合タンパク質を二本鎖DNA分子に接触させたりするような方法であっても良い。すなわち、いずれの方法であっても、基材に固定化された二本鎖DNA分子の高次構造を検出することによって、DNA結合タンパク質とDNA分子との相互作用に対して影響を有する物質を効率よく且つ高精度にスクリーニングすることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本例では、先ず、高次構造変化検出用素子を作製した。固定化する二本鎖DNA分子として、λDNA(入手先 東洋紡績(株))を使用した。先ず、色素であるTOTO-1を結合させた12.5 nM lDNA(塩基対:TOTO-1 dye =6:1)、3 mM Tris-HCl (pH 8.0)、0.1 mM EDTA及び17 mM CaCl2からなる溶液を調製した。本例においては、この段階で、TOTO-1色素をλDNAの塩基対の間にインターカレートさせた。
得られた溶液10μlを松浪硝子工業(株)社製のスライドガラス(商品名 NEO MICRO COVER GLASS)の一主面にスポットし、室温(25℃)条件下で約5分放置した。この放置処理により、気液界面が蒸発退行する際に流体力学的な力で引っ張りながらλDNAを固定することができる。これにより、塩基対をなす結合を略平行となるようにλDNAをスライドガラスの一主面に固定化した。
次に、図1に示した検出装置1を用いて、波長488nmの励起光を、偏光面の角度を変えながらスライドガラスの一主面に照射した。そして、λDNAにインターカレートさせたTOTO-1色素の蛍光強度像をCCD装置で記録した。その結果を図2に示す。図2は励起光の偏光面をλDNAの伸長方向(図2中矢印で示す方向)と垂直にしたときの蛍光像である。四角で囲んだ領域の蛍光強度の励起光偏光面角度依存性を図3に示す。図3に基づいて高分子化学的解析法を用いてλDNAの引き伸ばしの程度を計算したところ、λDNAが0.35pNの力で溶液と大気の界面でひっぱられながらスライドガラス上に固定されたことがわかった。
次に、スライドガラスの一主面にヒストンタンパク質を含む溶液を20μl滴下した。ヒストンタンパク質を含む溶液の組成は、3x10-6 M Calf thymus histoneとした。
ヒストンタンパク質を含む溶液を滴下してから1時間放置後の蛍光顕微鏡像を、図1に示す検出装置を用いて記録した結果を図4に示す。さらに図4の中の領域Aと領域Bにおける蛍光強度の励起光偏光面角度依存性を解析した結果を図5に示す。図5からわかるように、領域Aでは図3に示した結果と同様なプロファイルを示し、偏光角依存性が見られるが、領域Bでは偏光角依存性が消失していることがわかる。この結果から、領域Bにおいて、塩基対の間にインターカレートさせたTOTO-1色素の配向が変化し、λDNAの高次構造が変化していることが明らかとなった。すなわち、領域Bにおいて、ヒストンタンパク質は、糸巻きのようにその外周面にλDNAをまきつけ、λDNAを不規則な向きに高次構造変化させ、図3に示すような偏光面依存性が消失したことが明らかとなった。
以上説明したように、本実施例によって、ヒストンタンパク質とλDNAとの相互作用により引き起こされるλDNAの高次構造変化を、単一分子レベルで検出できることが明らかとなった。
本発明を適用したDNA分子の高次構造変化検出方法を実施するための検出装置を概略的に示す構成図である。 スライドガラスに固定化したλDNAの蛍光強度像をCCD装置で撮像した写真である。 図2中四角で囲った領域の蛍光強度の励起光偏光面角度依存性を示す特性図である。 スライドガラスに固定化したλDNAにヒストンタンパク質を作用させたときの蛍光強度像をCCD装置で撮像した写真である。 図3中A及びBで示した領域の蛍光強度の励起光偏光面角度依存性を示す特性図である。
符号の説明
1…検出装置、2…アルゴンイオンレーザ出射装置、4…高次構造変化検出用素子、7…λ/2波長板、15…CCD装置、16…画像処理装置

Claims (29)

  1. 引き延ばされた状態で固定化された核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子を接触させる工程と、
    上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出する工程と、
    を有する核酸分子の高次構造変化検出方法。
  2. 上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、
    上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  3. 上記配向変化を検出する工程では、上記因子により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  4. 上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  5. 上記因子を接触させる工程では、上記因子を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  6. 上記因子はタンパク質であることを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  7. 上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記因子とが相互作用したものと同定することを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  8. 上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする請求項1記載の核酸分子の高次構造変化検出方法。
  9. 引き延ばされた状態で固定化された核酸分子に、解析対象の因子を接触させる工程と、
    上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出する工程と、
    上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化が検出された場合には、上記因子が核酸分子の高次構造に変化を与える機能を有する因子であると判断する工程と
    を有する因子機能解析方法。
  10. 上記機能は核酸分子に対する作用機能であることを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  11. 上記判断する工程では、上記配向変化を検出する工程で検出した配向変化と機能既知の因子による配向変化との類似度に基づいて上記解析対象の因子における核酸分子の高次構造に変化を与える機能を更に特定することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  12. 上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、
    上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  13. 上記配向変化を検出する工程では、上記因子により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  14. 上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  15. 上記因子を接触させる工程では、上記因子を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  16. 上記解析対象の因子はタンパク質であることを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  17. 上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記因子とが相互作用したものと同定することを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  18. 上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする請求項9記載の因子機能解析方法。
  19. 引き延ばされた状態で固定化した核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子を接触させる工程と、
    上記因子により高次構造が変化した核酸分子に、候補物質を接触させる工程と、
    上記核酸分子の高次構造を検出し、当該高次構造が更に変化した場合には上記候補物質を、上記因子と上記核酸分子との相互作用に影響を与える物質としてスクリーニングする工程と
    を備えるスクリーニング方法。
  20. 引き延ばされた状態で固定化した核酸分子に、核酸分子の高次構造を変化させる因子と当該因子及び核酸分子の間の相互作用に影響を与えうる候補物質とを接触させる工程と、
    上記核酸分子の高次構造を検出し、検出した高次構造が上記因子と上記核酸分子との相互作用により変化する高次構造と異なる場合には、上記候補物質を上記因子と上記核酸分子との相互作用に影響を与える物質としてスクリーニングする工程と
    を備えるスクリーニング方法。
  21. 上記核酸分子における塩基対をなす結合の配向変化を検出した場合に、上記候補物質が上記因子と上記核酸分子との相互作用に対する作用機能を有すると判断することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  22. 上記配向変化を検出する工程で検出した配向変化と機能既知の物質による配向変化との類似度に基づいて上記解析対象の物質の機能を特定することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  23. 上記固定化した核酸分子に予め色素をインターカレートさせ、
    上記配向変化を検出する工程では、上記色素を励起する励起光の偏光角を変化させながら励起光を上記核酸分子に照射し、上記色素から生じた蛍光を検出することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  24. 上記配向変化を検出する工程では、上記候補物質により高次構造を変化させた核酸分子を染色し、核酸分子から生ずる蛍光を検出することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  25. 上記配向変化を検出する工程では、上記核酸分子の塩基対の吸収強度の励起光偏光角依存性を測定することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  26. 上記候補物質を接触させる工程では、上記候補物質を含む溶液を、上記核酸分子を固定化した領域に供給することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  27. 上記候補物質はタンパク質であることを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  28. 上記配向変化を検出する工程では、上記固定化した核酸分子における配向変化を生じた箇所を特定し、特定した箇所と上記候補物質とが相互作用したものと同定することを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
  29. 上記核酸分子は、塩基対を構成する塩基間を結ぶ方向が平行或いはねじれの位置となるように固定化されたことを特徴とする請求項19又は20記載のスクリーニング方法。
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