JP4112684B2 - 振動ジャイロ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、角速度を検出するために用いられる振動ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭用ビデオカメラの手ぶれ防止機構やカーナビゲーションシステムの位置検出機構などに、手ぶれの検出および車体の回転角度を検出するための振動ジャイロが用いられている。物理法則によれば、角速度Ωで回転する座標系から見て運動する物体にはその相対速度Vに比例したコリオリ力Fcが速度と直交する方向に作用し、その大きさと方向は次式で現される。
Fc=2mV×Ω
ここで、mはコリオリ力が作用する物体の質量である。
【0003】
振動ジャイロは振動によって物体の運動を発生させることで、振動方向に直交する方向に作用するコリオリ力を捉えて回転を検出しようとする角速度センサであり、用いられる振動子には音片型、音叉型などの様々な形が提案されている。
【0004】
このうち信学技報,US97−56(1997−09)では菅原等によって図22に示す様な、2本の脚をもち、各々の脚の先端部に付加質量11を有し、付加質量11は振動方向に偏位しており、2本の脚の付加質量は同じ方向に偏位している振動子を振動ジャイロとして使用することが提案されている。この振動ジャイロの作用を以下に説明する。振動子の脚の伸びている方向をY軸、脚の並んでいる方向をX軸とし右手系を設定する。脚の付加質量は+X方向に偏位しており、脚は通常の音叉の振動と同様に互いに逆向きの運動を行うように脚に貼付された圧電素子によって励振されている。この振動ジャイロにZ軸を軸として+X方向から+Y方向に回転する回転が加わると、すなわち角速度ΩがZ軸の正の方向を向いていると、前記物理法則に従って付加質量11には脚が+X方向へ運動しているときには−Y方向へ、−X方向へ運動している時には+Y方向へコリオリ力が働く。付加質量は+X方向へ偏位しているので、コリオリ力は脚に対して力のモーメントとして働き、脚の振幅を大きくする作用をする。回転方向が反対の場合はコリオリ力が逆向きになるので脚の振幅は小さくなる。したがって、脚の振幅の大きさを脚に貼付けた圧電素子で測定することによって回転の方向と速さ、すなわち角速度の向きと大きさを検出することができる。このような振動ジャイロは、角速度が働いても振動方向が変化しないので検出手段が少なくて済むこと、平面的な構成が取れるので薄型にできることなどの利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の技術では、角速度を圧電素子の出力の大きさとして検出するので、機械的な外乱や電気的なノイズや温度変化による励振状態の差によって出力が変化してしまい角速度が精度良く検出できないという課題があった。
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の目的は、機械的な外乱や電気的なノイズや励振状態の差による影響を受けず、精度の良い角速度の検出ができる振動ジャイロを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、基部から伸びた脚の先端部に付加質量を備え、回転軸まわりの角速度を検出する振動ジャイロにおいて、前記基部は、第1、第2、第3及び第4の4本の脚を備え、前記4本の脚のうち前記第1及び第2の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、前記第3及び第4の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、前記付加質量は、前記4本の脚の振動する方向に突出するように偏位して設けられ、前記第1の脚に設けられた付加質量と前記第2の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向から見て、同じ回転の向きに偏位し、前記第3の脚に設けられた付加質量と前記第4の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向から見て、前記第1及び前記第2の脚の付加質量の偏位する回転の向きとは反対の回転の向きに偏位し、前記第1の脚と前記第3の脚とは、前記回転軸の軸方向から見た回転方向に対して、振動が同相であり、前記第2の脚と前記第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が同相であり、前記第1、第3の脚と前記第2、第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が互いに逆相であることを特徴とする。
【0008】
更に、前記脚を振動させる駆動手段と、前記4本の脚のそれぞれの動きを検出する検出手段とが設けられ、更に、前記第1、第2の脚に設けられた前記検出手段からそれぞれ検出される出力信号を加算する第1の加算回路と、前記第3、第4の脚に設けられた前記検出手段からそれぞれ検出される出力信号を加算する第2の加算回路と、前記第1の加算回路と前記第2の加算回路からの出力信号を加算する第3の加算回路と、前記第1の加算回路と前記第2の加算回路からの出力信号を減算する減算回路と、前記第3の加算回路からの出力信号を基準信号とし、前記減算回路からの出力信号を入力するロックインアンプと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
更に、前記駆動手段と前記検出手段は圧電素子であり、前記脚が駆動振動する方向に直交した面に前記圧電素子を貼付したことを特徴とする。
【0010】
更に、前記4本の脚は圧電性を有する単結晶からなり、前記4本の脚が互いに平行であることを特徴とする。
【0011】
更に、前記4本の脚は水晶で構成され、この水晶の結晶軸であるX軸が駆動振動する方向であり、前記4本の脚が駆動振動する方向に直交した面に駆動電極と検出電極とを設けたことを特徴とする。
【0012】
更に、前記基部をばね要素を介して支持したことを特徴とする。
また、基部から伸びた脚の先端部に付加質量を備え、回転軸まわりの角速度を検出する振動ジャイロにおいて、前記基部は、第1、第2、第3及び第4の4本の脚を備えると共に、ばね機能を有する梁を備え、前記4本の脚は圧電性を有する水晶で構成され、前記4本の脚のうち前記第1及び第2の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、前記第3及び第4の脚は、前記第1及び第2の脚の伸びる向きと反対の向きへ互いに前記基部から伸び、前記付加質量は、前記4本の脚の振動する方向に突出するようにそれぞれに偏位して設けられ、前記第1の脚に設けられた付加質量と前記第2の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向からみて、同じ回転の向きに偏位し、前記第3の脚に設けられた付加質量と前記第4の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向からみて、前記第1及び前記第2の脚の付加質量の偏位する回転の向きとは反対の回転の向きに偏位し、前記第1の脚と前記第3の脚とは、前記回転軸の軸方向から見た回転方向に対して、振動が同相であり、前記第2の脚と前記第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が同相であり、前記第1、第3の脚と前記第2、第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が互いに逆相であることを特徴とする。
【0013】
(作用)
本発明のような4本の脚をもつ音叉を用いると、第1、第2の脚の組と第3、第4の脚の組の付加質量の偏位が回転方向に対して逆向きなので、作用するコリオリ力は逆の働きをする。すなわち第1、第2の脚の組の振幅が大きくなる場合には第3、第4の脚の組の振幅が小さくなり、第1、第2の脚の組の振幅が小さくなる場合には第3、第4の脚の組の振幅が大きくなるように作用する。したがって、第1、第2の脚の組の検出手段の出力と第3、第4の脚の組の検出手段の出力との差をとることによって、コリオリ力による出力変化を倍にして検出できる。また、機械的な外乱や電気的なノイズや励振状態に差が生じても、これらの偏差は第1、第2の脚の組の検出手段の出力と第3、第4の脚の組の検出手段の出力に同様に生じるので、差をとることでこれらの影響を除去できる。
【0014】
さらに、並進加速度を受けた場合には、第1、第2の脚の振幅は一方は大きくなり他方は小さくなるので、第1の脚の検出手段の出力と第2の脚の検出手段の出力を加算することで、並進加速度の影響を除去できる。同様にして、並進加速度が働くと第3、第4の脚の振幅は一方は大きくなり他方は小さくなるので、第3の脚の検出手段の出力と第4の脚の検出手段の出力を加算することで、並進加速度の影響を除去できる。
【0015】
また、基部をばね要素を介して支持することにより、外部への漏れ振動を除去することができる。
【0016】
圧電性をもつ単一の単結晶から音叉を形成する場合には、4本の脚を互いに平行にすることによって、各脚の弾性的性質や圧電的性質を同一にすることができるので、各脚は同等のものとして扱えるため、加算回路、減算回路の働きにより機械的外乱や電気的ノイズや励振状態の差を除去できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は本発明による振動ジャイロの形状を示す図面であり、第1の脚1、第2の脚3と第3の脚5、第4の脚7が基部9を挟んで互いに反対向きに伸びている例である。第1,第2の脚が伸びる向きをY軸、各脚が含まれる面内でY軸と直交する方向をX軸、各脚が含まれる面に垂直な方向をZ軸として右手系を設定する。第1、第2の脚はZ軸方向から見て右回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。第3、第4の脚はZ軸方向から見て左回りの方向に偏位した付加質量をもつ。基部には全体を支持するための梁13を備えており、梁13は基部のX軸方向の運動を許すような冗長部15をもち、ばね要素として働く。基部、脚、梁は同一の材料からなり、温度による弾性率の変化が少ないエリンバーや石英ガラスによって形成される。各々の脚にはその付け根の側面に圧電素子がそれぞれ貼付されており検出用圧電素子17として用いられ、脚の振幅に比例した電圧が測定される。また、第1、第3の脚の付け根には駆動用圧電素子19が貼付される。
【0019】
図2は本発明の振動ジャイロを構成する駆動検出回路を示したブロック図である。第1、第2の脚の検出用圧電素子17は加算回路A21に接続する。一方、第3、第4の脚の検出用圧電素子17は加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って第1、第3の脚に貼付された駆動用圧電素子19に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタとインバータと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、X軸方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0020】
つぎに本実施形態の動作について説明する。前述したように、駆動回路29によってZ軸回りの回転方向に対して第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚の速度が−X方向とすると、第2の脚は+X方向に、第3の脚は+X方向、第4の脚は−X方向にそれぞれ運動している。これらの運動方向を図1に実線矢印で示す。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、各脚の圧電素子の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路の出力はゼロである。したがって、ロックインアンプの出力もゼロである。
【0021】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量にコリオリ力が働く。たとえば+Xから+Yの方向に回るような角速度Ωが働くと、物理法則に従って、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y方向に、第3の脚5の付加質量11には−Y方向に、第4の脚7の付加質量11には+Y方向にそれぞれコリオリ力が作用する。コリオリ力の方向を図1に破線矢印で示す。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり、逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため、加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度に比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度Ωに比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0022】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえば、Z方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出用圧電素子17の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚には同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方の振幅を増加させる向きに作用する時には、他方には振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21によって、X方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y方向に並進加速度が加えられた場合には付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0023】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下の様に作用する。
【0024】
Z軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量に作用し、先に述べたようにロックインアンプ31からは角速度に比例した出力が得られる。角加速度による慣性力の第1、第2の脚への作用を考えると第1の脚の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路B23によってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプ31への出力は変化しない。
【0025】
X軸まわりの回転では、振動方向がX軸方向を向いているのでコリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、第1、第2の脚に+Z方向の力として働く時には第3、第4の脚には−Z方向へ働くというように逆向きに作用するが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1、第2の脚の検出用圧電素子17に生じる電圧と、第3、第4の脚に生じる電圧は等しくなり、減算回路27によってこの変化は打ち消される。したがって、X軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0026】
Y軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ軸方向に作用する。第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1と第2の脚3の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様であり、どの脚の検出用圧電素子17にも等しい電圧が生じる。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ軸方向に作用し、第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1と第2の脚3の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しい。第3の脚と第4の脚もこれと同様であり、どの脚の検出用圧電素子にも等しい電圧が生じる。したがって減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。したがってY軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0027】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプに出力を与えるのはZ軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0028】
この実施形態では駆動用圧電素子を第1、第3の脚にのみ貼付した例を示したが、各脚の全部に駆動用圧電素子を貼付して振動の駆動に用いても構わない。また、本実施形態では各脚が+Z軸方向から見て右回りに第1の脚、第2の脚、第3の脚、第4の脚というように配置されている例を示したが、回転方向に対して第1の脚と第3の脚の運動が同相であり、第2の脚と第4の脚の運動が同相であり、第1、第3の脚の運動と第2、第4の脚の運動が逆相であることが重要であって、図3に示すように、+Z軸方向から見て右回りに第1の脚、第2の脚、第4の脚、第3の脚の順に配置されていてもよい。
【0029】
(実施形態2)
図4は本発明における第2の実施形態であり、各脚が同一面内にあり、同一の向きに向いてい実施形態である。脚が伸びる向きをY軸、各脚が含まれる面内でY軸と直交する方向をX軸、各脚が含まれる面に垂直な方向をZ軸として右手系を設定する。第1、第2の脚はZ軸方向から見て右回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。第3、第4の脚はZ軸方向から見て左回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。基部9には全体を支持するための梁を備えており、梁13は基部9のX軸方向の運動を許すような冗長部15をもち、ばね要素として働く。基部、脚、梁は同一の材料からなり、温度による弾性率の変化が少ないエリンバーや石英ガラスによって形成される。各々の脚にはその付け根の側面に圧電素子がそれぞれ貼付されており検出用圧電素子17として用いられ、脚の振幅に比例した電圧が測定される。また、第1、第3の脚の付け根には駆動用圧電素子19も貼付される。
【0030】
本実施形態の振動ジャイロを構成する駆動検出回路は実施形態1に示したものと同一で良い。ブロック図を図2に示す。第1、第2の脚の検出用圧電素子17は加算回路A21に接続される。一方、第3、第4の脚の検出用圧電素子17は加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って基部9に貼付された駆動用圧電素子19に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタとインバータと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、X軸方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され、振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0031】
つぎにこの実施形態の動作について説明する。前述したように、駆動回路29によって回転方向に対して第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚1の速度が−X方向とすると、第2の脚3は+X方向に、第3の脚5は−X方向、第4の脚7は+X方向にそれぞれ運動している。これらの運動方向を図4に実線矢印で示す。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、各脚の圧電素子の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路27の出力はゼロである。したがってロックインアンプ31の出力もゼロである。
【0032】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量11にコリオリ力が働く。たとえばZ軸の回りに+Xから+Yの方向に回るような角速度Ωが働くと、物理法則にしたがって、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y方向に、第3の脚5の付加質量11には+Y方向に、第4の脚7の付加質量11には−Y方向にそれぞれコリオリ力が作用する。コリオリ力の方向を図4に破線矢印で示す。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度に比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度に比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0033】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえば、Z方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出用圧電素子17の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚には同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方の振幅を増加させる向きに作用する時には、他方には振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21によって、X方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y方向に並進加速度が加えられた場合には付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0034】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下のように作用する。
【0035】
Z軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量11に作用し、先に述べたようにロックインアンプ31からは角速度に比例した出力が得られる。また、角加速度による慣性力の第1、第2の脚への作用を考えると第1の脚の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路Aによってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路Bによってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプへの出力は変化しない。
【0036】
X軸まわりの回転では、振動方向がX軸方向を向いているのでコリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、各脚に同様に作用するので、減算回路によってこの変化は打ち消される。したがってX軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0037】
Y軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ軸方向に作用する。第1の脚と第2の脚に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1と第2の脚3の検出用圧電素子に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様であり、どの脚の検出用圧電素子にも等しい電圧が生じる。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ軸方向に作用する。第1の脚1と第4の脚7には方向は逆向きだが、同じ大きさの力が作用するので第1の脚1の検出用圧電素子17に生じる電圧と第4の脚7の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しい。第2の脚3と第3の脚5に作用する力も方向は逆向きだが、同じ大きさの力が作用するので、第2の脚3の検出用圧電素子17に生じる電圧と第3の脚5の検出用圧電素子に生じる電圧は等しい。したがって、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しいので減算回路27の出力は零になる。したがってY軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0038】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプ31に出力を与えるのはZ軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0039】
本実施形態では付加質量11の向きがZ軸から見て右回りの方向に偏位している第1、第2の脚と左回りの方向に偏位している第3、第4の脚がX軸のマイナス方向からプラス方向に順番に第1、第2、第3、第4の脚と並んでいる場合を示したが、第1の脚の振動と第3の脚の振動が同相であり、第2の脚の振動と第4の脚の振動が同相であり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相であることが重要なのであって。たとえば、図5に示すように第1、第2、第4、第3の順に脚が並んでいても、図6に示すように第1、第3、第2、第4の順に脚が並んでいても、図7に示すように第1、第4、第2、第3の順に脚が並んでいても、図8に示すように第3、第1、第4、第2の順に脚が並んでいても、図9に示すように第3、第2、第4、第1の順に脚が並んでいても、図10に示すように第3、第4、第1、第2の順に脚が並んでいても、図11に示すように第3、第4、第2、第1の順に脚が並んでいても、それぞれ同様の効果が得られるので良い。
【0040】
また、本実施形態では第1、第3の脚にのみ駆動用圧電素子を貼付する例を示したが、各脚の全部に駆動用圧電素子を貼付しても良い。
【0041】
(実施形態3)
図12は本発明の第3の実施形態の形状を示す図面であり、各脚が同一の面内に存在せず、かつ同一の方向に伸びている例である。各脚の伸びている方向をY軸、振動方向をX軸、X軸とY軸に共に直交する方向をZ軸として右手系を設定する。第1、第2の脚はZ軸方向から見て右回りの向きに偏位した付加質量11をもち、第3、第4の脚は、Z軸方向から見て左回りの向きに偏位した付加質量11をもつ。第1、第2の脚と第3、第4の脚はZ方向に重なっている。第1、第2の脚の基部と第3、第4の脚の基部は連結されているが、連結部材は基部と一体であっても良いし、他の部材を用いて連結しても良い。基部9の底面は全体の支持に用いられる。脚および基部9の材料は温度による弾性率の変化が少ないエリンバーや石英ガラスなどから選ばれる。第1および第3の脚には振動駆動手段として駆動用圧電素子19が脚の内側の側面部に貼付されている。また、各脚の外側側面部にも検出用圧電素子17が貼付されており、検出手段として用いられ脚の振幅に比例した電圧が測定される。
【0042】
この実施形態の振動ジャイロを構成する駆動検出回路は実施形態1と同様である。図2にブロック図を示す。第1、第2の脚の検出用圧電素子17は加算回路A21に接続される。一方、第3、第4の脚の検出用圧電素子17は加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って各脚に貼付された駆動用圧電素子19に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタとインバータと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、X軸方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され、振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0043】
つぎに本実施形態の動作について説明する。前述したように、駆動回路29によって第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚1の速度が−X方向とすると、第2の脚3は+X方向に、第3の脚5は−X方向、第4の脚7は+X方向にそれぞれ運動している。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、各脚の検出用圧電素子17の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路27の出力はゼロである。したがってロックインアンプ31の出力もゼロである。
【0044】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量11にコリオリ力が働く。たとえばZ軸の回りに+Xから+Yの方向に回るような角速度Ωが働くと、物理法則にしたがって、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y方向に、第3の脚5の付加質量11には+Y方向に、第4の脚7の付加質量11には−Y方向にそれぞれコリオリ力が作用する。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度に比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度Ωに比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0045】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえば、Z方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出用圧電素子17の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚にはX方向に同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方が振幅を増加させる向きに作用する時には、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21によって、X方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y方向に並進加速度が加えられた場合には付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0046】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下のように作用する。
【0047】
Z軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量に作用し、先に述べたようにロックインアンプからは角速度に比例した出力が得られる。また、角加速度による慣性力による第1、第2の脚への作用を考えると、第1の脚の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路B23によってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプ31への出力は変化しない。
【0048】
X軸まわりの回転では、振動方向がX軸方向を向いているのでコリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、各脚にZ方向の力として同様に加わるので各脚の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しく、減算回路27によってこの変化は打ち消される。したがってX軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0049】
Y軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ軸方向に作用する。第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1と第2の脚3の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様であり、どの脚の検出用圧電素子17にも等しい電圧が生じる。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ軸方向に作用し、第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出用圧電素子17は各脚のX軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1と第2の脚3の検出用圧電素子17に生じる電圧は等しい。第3の脚5と第4の脚7も同様であり、どの脚の検出用圧電素子17にも等しい電圧が生じる。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。したがってY軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0050】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプに出力を与えるのはZ軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0051】
本実施形態では第1、第2の脚の振動面が同一の面内にあり、第3、第4の脚の振動面が同一の面内にある例を示したが、第1の脚の振動と第3の脚の振動が同相であり、第2の脚の振動と第4の脚の振動が同相であり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相であることが重要なのであり、図13に示すように第1、第3の脚の振動面が同一面内にあり、第2、第4の脚の振動面が同一面内にあっても良い。また、図14に示すように付加質量が音叉の内側に向かって偏位していても良い。
【0052】
(実施形態4)
図15は本発明の第4の実施形態の形状を示す図であり、第1の脚1、第2の脚3と第3の脚5、第4の脚7が基部9を挟んで互いに反対向きに伸びている形状で、材料に水晶を用いた例である。水晶には右水晶と左水晶があることが知られているが、結晶軸の取り方が異なるだけで他の性質は同様なので、以下では右水晶の場合を例とする。水晶の結晶軸をX軸、Y軸、Z軸とし、第1,第2の脚が伸びる向きをY’軸、各脚が含まれる面内でY’軸と直交する方向をX’軸、各脚が含まれる面に垂直な方向をZ’軸として右手系を設定する。第1、第2の脚はZ’軸方向から見て右回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。第3、第4の脚はZ’軸方向から見て左回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。基部9には全体を支持するための梁13を備えており、梁13は基部のX’軸方向の運動を許すような冗長部15をもち、ばね要素として働く。基部、脚、梁は同一の材料からなり、水晶で形成される。X’軸は水晶の結晶軸であるX軸に一致しており、Y’軸、Z’軸はX軸の回りにY軸、Z軸を1度〜8度回転した方向にとる。これは水晶の異方性による共振周波数の温度による変化を最小にするためである。各脚には四方の側面に電極が蒸着されている。電極の材料は下地がCrであり、上層部はAgまたはAuである。脚の側面の電極の内、X’軸に直交する面にある電極は駆動電極33あるいは検出電極35として用いられる。Z’軸に直交する面にある電極は接地電極37として用いられる。水晶の圧電効果はZ軸方向には現れないので、駆動、検出にはX軸方向の電界成分が用いられる。図16は脚の電極を含む断面図である。矢印は電界のX方向成分の向きを示す。ここに示すように脚の左半分に+X方向の電界を印加し、右半分に−X方向の電解を印加した場合には左半分は伸張し、右半分は収縮するので脚は右方向に屈曲する。また、たとえば脚の左半分だけに+X方向の電解を印加した場合には左半分が伸張し右方向への屈曲が生じ、結果的に右半分は収縮するので右側の電極には負電圧が発生する(印加電圧とは極性が逆になることに注意されたい)。
【0053】
図17は本発明の振動ジャイロを構成する駆動検出回路を示したブロック図である。第1の脚1の検出電極35はインバータ39を介して加算回路A21に接続される。また、第2の脚3の検出電極35も加算回路A21に接続される。一方、第3の脚5の検出電極35は加算回路B23に接続される。また、第4の脚7の検出電極35はインバータ39を介して加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って駆動電極33に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、X軸方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され、振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0054】
つぎに本実施形態の動作について説明する。前述したように、駆動回路29によって回転方向に対して第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚1の速度が−X’方向とすると、第2の脚3は+X’方向に、第3の脚5は+X’方向、第4の脚7は−X’方向にそれぞれ運動している。これらの運動方向を図15に実線矢印で示す。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、第1、第4の脚の検出電極35のインバータ39後の出力と、第2、第3の脚の検出電極35の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路27の出力はゼロである。したがってロックインアンプ31の出力もゼロである。
【0055】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量11にコリオリ力が働く。たとえばZ’軸の回りで+X’から+Y’の方向に回るような角速度Ωが働くと、物理法則にしたがって、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y’方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y’方向に、第3の脚5の付加質量11には−Y’方向に、第4の脚7の付加質量11には+Y’方向にそれぞれコリオリ力が作用する。コリオリ力の方向を図15に破線矢印で示す。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度Ωに比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度に比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0056】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえば、Z’方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出電極35の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X’方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚には同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方が振幅を増加させる向きに作用する時には、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21によって、X’方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX’方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y’方向に並進加速度が加えられた場合には、付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0057】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下のように作用する。
【0058】
Z’軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量11に作用し、先に述べたようにロックインアンプ31からは角速度に比例した出力が得られる。角加速度による慣性力の第1、第2の脚への作用を考えると第1の脚1の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚3の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路B23によってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプ31への出力は変化しない。
【0059】
X’軸まわりの回転では、振動方向がX’軸方向を向いているのでコリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、第1、第2の脚にZ’方向の力として働く時には第3、第4の脚には−Z’方向へ働くというように逆向きに作用するが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する面にあるので、対称性から第1、第2の脚の検出電極35に生じる電圧と、第4、第3の脚に生じる電圧はそれぞれ等しくなり、よって加算回路A21の出力と加算回路B23の出力は等しいので、減算回路27によってこの変化は打ち消される。したがってX’軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0060】
Y’軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ’軸方向に作用する。第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する側面にあるので、対称性から第1の脚1の検出電極35のインバータ39後の出力と第2の脚の検出電極に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様なので、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しい。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ’軸方向に作用し、第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1の検出電極35のインバータ39後の出力と第2の脚3の検出電極35に生じる電圧は等しい。第3の脚と第4の脚も同様なので、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しい。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。したがってY’軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0061】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプに出力を与えるのはZ軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0062】
この実施形態では第1および第3の脚の駆動電極によって励振する例を示したが、駆動電極は全部の脚にあっても構わない。また、本実施形態では各脚が+Z軸方向から見て右回りに第1の脚、第2の脚、第3の脚、第4の脚というように配置されている例を示したが、回転方向に対して第1の脚と第3の脚の運動が同相であり、第2の脚と第4の脚の運動が同相であり、第1、第3の脚の運動と第2、第4の脚の運動が逆相であることが重要なのであって、+Z軸方向から見て右回りに第1の脚、第2の脚、第4の脚、第3の脚の順に配置されていても構わない。
【0063】
(実施形態5)
図18は本発明の第5の実施形態であり、各脚が同一面内にあり、同一の向きに伸びている例であり、材料として水晶を用いた例である。水晶には右水晶と左水晶があることが知られているが、軸の取り方が異なるだけで他の性質は同様なので、以下では右水晶を例に説明する。水晶の結晶軸をX軸、Y軸、Z軸とし、各脚が伸びる向きをY’軸、各脚が含まれる面内でY’軸と直交する方向をX’軸、各脚が含まれる面に垂直な方向をZ’軸として右手系を設定する。第1、第2の脚は、Z’軸方向から見て右回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。第3、第4の脚は、Z’軸方向から見て左回りの方向に偏位した付加質量11をもつ。基部9には全体を支持するための梁を備えており、梁13は基部9のX’軸方向の運動を許すような冗長部15をもち、ばね要素として働く。基部、脚、梁は同一の材料からなり、水晶で形成される。X’軸は水晶の結晶軸であるX軸に一致しており、Y’軸、Z’軸はX軸の回りにY軸、Z軸を1度〜8度回転した方向にとる。これは水晶の異方性による共振周波数の温度による変化を最小にするためである。各脚には四方の側面に電極が蒸着されている。電極の材料は下地がCrであり、上層部はAgまたはAuである。脚の側面の電極の内、X’軸に直交する面にある電極は駆動電極33あるいは検出電極35として用いられる。Z’軸に直交する面にある電極は接地電極37として用いられる。水晶の圧電効果はZ軸方向には現れないので、駆動、検出にはX軸方向の電界成分が用いられる。
【0064】
本実施形態の振動ジャイロを構成する駆動検出回路は実施形態4のものと同一で良い。図17にブロック図を示す。第1の脚1の検出電極35はインバータ39を介して加算回路A21に接続される。また、第2の脚3の検出電極子35も加算回路Aに接続される。一方、第3の脚5の検出電極35は加算回路23に接続される。また、第4の脚7の検出電極35はインバータ39を介して加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って駆動電極33に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、X軸方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され、振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0065】
つぎに本実施形態の動作について説明する。前述したように、駆動回路29によってZ’軸回りの回転方向に対して第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚1の速度が−X’方向とすると、第2の脚は+X’方向に、第3の脚は−X’方向、第4の脚は+X’方向にそれぞれ運動している。これらの運動方向を図18に実線矢印で示す。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、第1、第4の脚の検出電極35のインバータ39後の出力と第2、第3の脚の検出電極35の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路の出力はゼロである。したがってロックインアンプの出力もゼロである。
【0066】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量11にコリオリ力が働く。たとえばZ’軸の回りに+X’から+Y’の方向に回るような角速度が働くと、物理法則にしたがって、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y’方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y’方向に、第3の脚5の付加質量11には+Y’方向に、第4の脚7の付加質量11には−Y’方向にそれぞれコリオリ力が作用する。コリオリ力の方向を図18に破線矢印で示す。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度に比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度Ωに比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0067】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえば、Z’方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出電極の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X’方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚には同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方が振幅を増加させる向きに作用する時には、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21によって、X’方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX’方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y’方向に並進加速度が加えられた場合には付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0068】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下の様に作用する。
【0069】
Z’軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量11に作用し、さきに述べたようにロックインアンプ31からは角速度に比例した出力が得られる。また角加速度による慣性力の第1、第2の脚への作用を考えると第1の脚の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路B23によってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプ31への出力は変化しない。
【0070】
X’軸まわりの回転では、振動方向がX’軸方向を向いているのでコリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、各脚に同様に作用するので、減算回路27によってこの変化は打ち消される。したがってX’軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0071】
Y’軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ’軸方向に作用する。第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する側面に貼付されているので、対称性から第1の脚1の検出電極35のインバータ39後の出力と第2の脚3の検出電極35に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様なので、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しい。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ’軸方向に作用する。第1の脚1と第4の脚7には方向は逆向きだが、同じ大きさの力が作用するので第1の脚1の検出電極35に生じる電圧と第4の脚7の検出電極35に生じる電圧は等しい。第2の脚3と第3の脚5に作用する力も方向は逆向きだが、同じ大きさの力が作用するので、第2の脚3の検出電極35に生じる電圧と第3の脚5の検出電極35に生じる電圧は等しい。したがって、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しいので減算回路27の出力は零になる。したがってY’軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0072】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプに出力を与えるのはZ’軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0073】
この実施形態では付加質量の向きがZ’軸から見て右回りの方向に偏位している第1、第2の脚と左回りの方向に偏位している第3、第4の脚がX’軸のマイナス方向からプラス方向に順番に第1、第2、第3、第4の脚と並んでいる場合を示したが、第1の脚の振動と第3の脚の振動が同相であり、第2の脚の振動と第4の脚の振動が同相であり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相であることが重要なのであって。たとえば、第1、第2、第4、第3の順に脚が並んでいても、第1、第3、第2、第4の順に脚が並んでいても、第1、第4、第2、第3の順に脚が並んでいても、第3、第1、第4、第2の順に脚が並んでいても、第3、第2、第4、第1の順に脚が並んでいても、第3、第4、第1、第2の順に脚が並んでいても、第3、第4、第2、第1の順に脚が並んでいても、それぞれ同様の効果が得られるので良い。
【0074】
また、本実施形態では第1、第3の脚にのみ駆動電極33を設ける例を示したが、各脚の全部に駆動電極を設けても良い。
【0075】
(実施形態6)
図19は本発明の第6の実施形態における形状を示す図面であり、各脚が同一の面内に存在せず、かつ同一の方向に伸びている例であり、材料を水晶とした例である。水晶には右水晶と左水晶があることが知られているが、軸の取り方が異なるだけでほかの性質は同様なので以下では右水晶を例に説明する。水晶の結晶軸をX軸、Y軸、Z軸とし、各脚が伸びる向きをY’軸、第1、第2の脚が含まれる面内でY’軸と直交する方向をX’軸、第1、第2の脚が含まれる面に垂直な方向をZ’軸として右手系を設定する。X’軸は水晶の結晶軸であるX軸に一致しており、Y’軸、Z’軸はX軸の回りにY軸、Z軸を1度〜8度回転した方向にとる。これは水晶の異方性による共振周波数の温度による変化を最小にするためである。各脚には四方の側面に電極が蒸着されている。電極の材料は下地がCrであり、上層部はAgまたはAuである。脚の側面の電極のうち、X’軸に直交する面にある電極は駆動電極33あるいは検出電極35として用いられる。Z’軸に直交する面にある電極は接地電極37として用いられる。水晶の圧電効果はZ軸方向には現れないので、駆動、検出にはX軸方向の電界成分が用いられる。第1、第2の脚はZ’軸方向から見て右回りの向きに偏位した付加質量11をもち、第3、第4の脚はZ’軸方向から見て左回りの向きに偏位した付加質量11をもつ。第1、第2の脚と第3、第4の脚はZ’軸方向に重なっている。第1、第2の脚の基部と第3、第4の脚の基部は連結されているが、連結部材は基部と一体であっても良いし、他の部材を用いて連結しても良い。基部9の底面は全体の支持に用いられる。
【0076】
この実施形態の振動ジャイロを構成する駆動検出回路は実施形態4と同様で良い。図17にブロック図を示す。第1の脚1の検出電極35はインバータ39を介して加算回路A21に接続される。また、第2の脚3の検出電極35も加算回路A21に接続される。一方、第3の脚5の検出電極35は加算回路B23に接続される。また、第4の脚7の検出電極35はインバータ39を介して加算回路B23に接続される。加算回路A21と加算回路B23の出力は共に加算回路C25および減算回路27に接続され、加算、減算が行われる。加算回路C25の出力は駆動回路29を通って各脚の駆動電極33に入力される。駆動回路29は自動利得制御回路とバンドパスフィルタと移相回路を含み、脚の振幅を安定化するとともに、Z’軸の回りの回転方向に対し第1の脚1の振動と第3の脚5の振動が同相になり、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動が同相になり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相になるような発振モードの選択が行われる。減算回路27の出力はロックインアンプ31に入力され加算回路C25の出力を参照信号として位相検波され、振幅に比例した直流電圧が出力される。ロックインアンプ31は入力信号をバンドパスフィルターを通した後、参照信号を二値化したものを基準として交番に反転し直流化し、さらにローパスフィルタを通して直流分を出力するものであり、雑音を除去し参照信号に同期した信号のみを取り出すことができるものである。
【0077】
つぎに本実施形態における動作について説明する。前述したように、駆動回路29によってZ’軸のまわりの回転方向に対して、第1の脚1の振動と第3の脚5の振動は同相に、第2の脚3の振動と第4の脚7の振動も同相に、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動は互いに逆相になるように励振される。たとえば、ある瞬間の第1の脚1の速度が−X’方向とすると、第2の脚3は+X’方向に、第3の脚5は−X’方向、第4の脚7は+X’方向にそれぞれ運動している。これらの運動方向を図19に実線矢印で示す。このように脚は発振するので、角速度が働かない場合には、第1、第4の脚の検出電極35のインバータ39後の出力と第2、第3の脚の検出電極35の出力は同相で同じ大きさであり、減算回路27の出力はゼロである。したがってロックインアンプ31の出力もゼロである。
【0078】
一方、角速度が働くと各脚の付加質量にコリオリ力が働く。たとえば、Z’軸の回りに+X’から+Y’の方向に回るような角速度Ωが働くと、物理法則にしたがって、前記の瞬間には第1の脚1の付加質量11には+Y’方向に、第2の脚3の付加質量11には−Y’方向に、第3の脚5の付加質量11には+Y’方向に、第4の脚7の付加質量11には−Y’方向にそれぞれコリオリ力が作用する。付加質量11は脚の軸から偏位しているのでコリオリ力は各脚に対して力のモーメントを生じる。振動の方向とコリオリ力が与える力のモーメントの方向が一致していれば、振幅は大きくなり逆ならば小さくなるので、今の場合、第1、第2の脚の振幅は大きくなり、第3、第4の脚の振幅は小さくなる。このため加算回路A21と加算回路B23の出力には振幅差が現れ、減算回路27によってその差は2倍となって取り出される。この振幅は角速度に比例し、振幅差の符号は角速度の向きによって逆になるので、したがってロックインアンプ31からの出力は角速度Ωに比例するものとなり、角速度の向きと大きさを検出することができる。
【0079】
ここで、外乱が与えられた場合を考える。たとえばZ’方向に並進加速度が加えられた場合、各脚に力が加わるので検出電極35の出力が変化するが、各脚に加わる変化は同一なので減算回路27によってこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31からの出力は変化しない。また、X’方向に並進加速度が加えられた場合には、各脚には同様な力が加わるが、第1と第2の脚では運動の向きが逆なので、一方が振幅を増加させる向きに作用する時には、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするため加算回路A21により、X’方向の並進加速度による変化は打ち消される。この働きは第3、第4の脚についても同様であり、加算回路B23によってX’方向の並進加速度による変化は打ち消される。Y’方向に並進加速度が加えられた場合には付加質量11に力が作用するが、第1の脚1の付加質量11と第2の脚3の付加質量11に働く力は一方が振幅を増加させる向きに作用する時、他方は振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。第3、第4の脚についても同様に加算回路B23によってY’方向の並進加速度による変化は打ち消される。したがって、どのような方向に並進加速度を受けてもその影響を打ち消すことができる。
【0080】
つぎに、回転が加えられた場合を考える。一般に回転運動により音叉には遠心力と角速度によるコリオリ力が働く。さらに角速度が変化する場合、すなわち角加速度が加わる場合には、それによる慣性力が回転方向に加わる。この内遠心力は、回転中心までの距離が音叉の大きさに対して充分大きければ、各脚に働く力は同じ大きさの並進力と見なせるので、先に述べた理由によりこれによる影響は受けない。コリオリ力と角加速度による慣性力は各方向により以下のように作用する。
【0081】
Z’軸まわりの回転では、コリオリ力は各脚の付加質量11に作用し、さきに述べたようにロックインアンプ31からは角速度に比例した出力が得られる。また、角加速度による慣性力の第1、第2の脚への作用を考えると、第1の脚1の振幅を増加させる向きに作用する時には、第2の脚3の振幅を減少させる向きに作用し、逆の働きをするので加算回路A21によってこの変化は打ち消される。第3、第4の脚への作用も同様なので加算回路B23によってこの変化は打ち消され、したがってロックインアンプへの出力は変化しない。
【0082】
X’軸まわりの回転では、振動方向がX’軸方向を向いているので、コリオリ力は作用しない。また、角加速度による慣性力は、各脚にZ’方向の力として同様に作用するので、減算回路27によってこの変化は打ち消される。したがってX’軸回りの回転ではロックインアンプの出力は変化しない。
【0083】
Y’軸回りの回転では、コリオリ力は各脚にZ’軸方向に作用する。第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する側面にあるので、対称性から第1の脚1の検出電極35のインバータ39後の出力と第2の脚3の検出電極35に生じる電圧は等しい。一方、第3の脚5と第4の脚7も同様であるので、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しい。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。また、角加速度による慣性力もZ’軸方向に作用し、第1の脚1と第2の脚3に作用する方向は互いに逆向きであるが、検出電極35は各脚のX’軸と直交する側面にあるので、対称性から第1の脚1の検出電極35のインバータ39後の出力と第2の脚の検出電極に生じる電圧とは等しい。第3の脚5と第4の脚7も同様であり、加算回路A21と加算回路B23の出力は等しい。したがって、減算回路27によりこの変化は打ち消され、ロックインアンプ31の出力は変化しない。よってY’軸回りの回転ではロックインアンプ31の出力は変化しない。
【0084】
以上見てきたように、本実施形態によればロックインアンプに出力を与えるのはZ’軸回りの回転の角速度だけであり、他の外乱に対しては感度がなく、良好な角速度の検出を行うことができる。
【0085】
本実施形態では第1、第2の脚の振動面が同一の面内にあり、第3、第4の脚の振動面が同一の面内にある例を示したが、第1の脚の振動と第3の脚の振動が同相であり、第2の脚の振動と第4の脚の振動が同相であり、第1、第3の脚の振動と第2、第4の脚の振動が互いに逆相であることが重要なのであり、図20に示すように第1、第4の脚の振動面が同一面内にあり、第2、第3の脚の振動面が同一面内にあっても良い。また、図21に示すように付加質量が音叉の内側に向かって偏位していても良い。
【0086】
【発明の効果】
以上に記したように、本発明によれば、機械的な外乱や電気的なノイズや励振状態に変化が生じても、これらの影響を除去し精度の良い角速度を検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態を示す図である。
【図2】本発明による駆動検出回路を示すブロック図である。
【図3】本発明による第1の実施形態の他の形態を示す図である。
【図4】本発明による第2の実施形態を示す図である。
【図5】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図6】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図7】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図8】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図9】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図10】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図11】本発明による第2の実施形態の他の形態を示す図である。
【図12】本発明による第3の実施形態を示す図である。
【図13】本発明による第3の実施形態の他の形態を示す図である。
【図14】本発明による第3の実施形態の他の形態を示す図である。
【図15】本発明による第4の実施形態を示す図である。
【図16】材料に水晶を用いた場合の電極構造と作用を説明する説明図である。
【図17】本発明による駆動検出回路を示すブロック図である。
【図18】本発明による第5の実施形態を示す図である。
【図19】本発明による第6の実施形態を示す図である。
【図20】本発明による第6の実施形態の他の形態を示す図である。
【図21】本発明による第6の実施形態の他の形態を示す図である。
【図22】従来の振動ジャイロを示す図である。
【符号の説明】
1 第1の脚
3 第2の脚
5 第3の脚
7 第4の脚
9 基部
11 付加質量
13 梁
15 冗長部
17 検出用圧電素子
19 駆動用圧電素子
21 加算回路A
23 加算回路B
25 加算回路C
27 減算回路
29 駆動回路
31 ロックインアンプ
33 駆動電極
35 検出電極
37 接地電極
39 インバータ
Claims (7)
- 基部から伸びた脚の先端部に付加質量を備え、回転軸まわりの角速度を検出する振動ジャイロにおいて、
前記基部は、第1、第2、第3及び第4の4本の脚を備え、
前記4本の脚のうち前記第1及び第2の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、前記第3及び第4の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、
前記付加質量は、前記4本の脚の振動する方向に突出するように偏位して設けられ、
前記第1の脚に設けられた付加質量と前記第2の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向から見て、同じ回転の向きに偏位し、
前記第3の脚に設けられた付加質量と前記第4の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向から見て、前記第1及び前記第2の脚の付加質量の偏位する回転の向きとは反対の回転の向きに偏位し、
前記第1の脚と前記第3の脚とは、前記回転軸の軸方向から見た回転方向に対して、振動が同相であり、
前記第2の脚と前記第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が同相であり、
前記第1、第3の脚と前記第2、第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が互いに逆相であることを特徴とする振動ジャイロ。 - 前記脚を振動させる駆動手段と、前記4本の脚のそれぞれの動きを検出する検出手段とが設けられ、更に、
前記第1、第2の脚に設けられた前記検出手段からそれぞれ検出される出力信号を加算する第1の加算回路と、
前記第3、第4の脚に設けられた前記検出手段からそれぞれ検出される出力信号を加算する第2の加算回路と、
前記第1の加算回路と前記第2の加算回路からの出力信号を加算する第3の加算回路と、
前記第1の加算回路と前記第2の加算回路からの出力信号を減算する減算回路と、
前記第3の加算回路からの出力信号を基準信号とし、前記減算回路からの出力信号を入力するロックインアンプと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ。 - 前記駆動手段と前記検出手段は圧電素子であり、前記脚が駆動振動する方向に直交した面に前記圧電素子を貼付したことを特徴とする請求項2に記載の振動ジャイロ。
- 前記4本の脚は圧電性を有する単結晶からなり、前記4本の脚が互 いに平行であることを特徴とする請求項2に記載の振動ジャイロ。
- 前記4本の脚は水晶で構成され、この水晶の結晶軸であるX軸が駆動振動する方向であり、前記4本の脚が駆動振動する方向に直交した面に駆動電極と検出電極とを設けたことを特徴とする請求項4に記載の振動ジャイロ。
- 前記基部をばね要素を介して支持したことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の振動ジャイロ。
- 基部から伸びた脚の先端部に付加質量を備え、回転軸まわりの角速度を検出する振動ジャイロにおいて、
前記基部は、第1、第2、第3及び第4の4本の脚を備えると共に、ばね機能を有する梁を備え、
前記4本の脚は圧電性を有する水晶で構成され、
前記4本の脚のうち前記第1及び第2の脚は、互いに前記基部から同一の向きへ伸び、
前記第3及び第4の脚は、前記第1及び第2の脚の伸びる向きと反対の向きへ互いに前記基部から伸び、
前記付加質量は、前記4本の脚の振動する方向に突出するようにそれぞれに偏位し て設けられ、
前記第1の脚に設けられた付加質量と前記第2の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向からみて、同じ回転の向きに偏位し、
前記第3の脚に設けられた付加質量と前記第4の脚に設けられた付加質量とは、前記回転軸の軸方向からみて、前記第1及び前記第2の脚の付加質量の偏位する回転の向きとは反対の回転の向きに偏位し、
前記第1の脚と前記第3の脚とは、前記回転軸の軸方向から見た回転方向に対して、振動が同相であり、
前記第2の脚と前記第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が同相であり、
前記第1、第3の脚と前記第2、第4の脚とは、前記回転方向に対して、振動が互いに逆相であることを特徴とする振動ジャイロ。
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