JP4112286B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関するものであり、特に、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)型液晶表示装置やHAN(Hybrid Aligned Nematic)型液晶表示装置のように一方の基板側に垂直配向規制膜を設けた液晶表示装置の高速応答化,視野角特性の改善のための構成に特徴のある液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示装置は薄型・軽量、低電圧駆動、低消費電力といった特徴をいかして、様々な用途に広く用いられるようになってきた。
しかし、液晶パネルを斜めから見たときの表示特性、すなわち視野角特性はCRTに比べて劣るのが現状であるので、視野角特性の優れた液晶パネルが要請されている。
【0003】
この様な要請に応える広視野角を有する液晶表示装置としては、MVA型やIPS(In−plane Switching)などの方式が実用化されており、この内、MVA方式の液晶表示装置は、高コントラスト,高速応答を実現する垂直配向(Vertical Alignment)技術と、広視野角を実現する配向分割(Multi−Domain)技術を組み合わせた液晶表示装置である。
【0004】
この内、配向分割を実現するために基板上に設けられた突起や窪み等の構造物或いはストライプ状電極等の配向規制手段は、生産性低下の大きな原因であるラビング処理を不要とする作用を兼備するため、高生産性が実現されており、また、液晶パネルの両側には、吸収軸が互いに直交するように偏光素子が配置される。
【0005】
また、このMVA型液晶表示装置においては負の誘電率異方性を有するネマティック液晶を用いており、電圧無印加時には、液晶分子が基板に対してほぼ垂直に配向しており、一方、電圧印加時には、配向規制手段により、液晶分子が斜めになる方向が各画素内において複数の方向になるように規制される。
【0006】
ここで、図15乃至図16を参照して従来のMVA型液晶表示装置の一例を説明する。 図15(a)参照
15(a)は、電圧を印加しない状態における液晶分子の配向状態を概略的に示すMVA方式液晶表示装置の部分切り欠き斜視図であり、ガラスからなるTFT基板81にはTFT及びTFTに接続された画素電極(いずれも図示を省略)が形成されており、この上にレジストからなる突起83が設けられると共に、全面を覆うように垂直配向膜(図示を省略)が設けられている。
【0007】
一方、TFT基板81に対向するCF(カラーフィルタ)基板82は、ガラスからなるとともに、CF基板82の表面にはITO等からなる対向電極(図示を省略)が設けられており、この上にレジストからなる突起84がTFT基板81側に設けた突起83と交互に位置するように設けられると共に、全面を覆うように垂直配向膜(図示を省略)が設けられている。
【0008】
次いで、対向するTFT基板81とCF基板82との間に負の誘電率異方性を有するn型液晶を注入することによってMVA方式液晶表示装置の基本構成が完成する。
この場合、液晶分子85は垂直配向膜の規制を受けてTFT基板81及びCF基板82に対して垂直に配向するとともに、突起83,84の傾斜部においては、傾斜面に垂直に配向することになる。
【0009】
この様なMVA方式の直視型液晶表示装置において、TFT基板81側に設ける偏光板とCF基板82側に設ける偏光板(いずれも図示を省略)とを、クロスニコルに配置することによって、電圧を印加しない状態においては入射光が透過できずに“黒”表示になる。
【0010】
15(b)参照
15(b)は電圧を印加した状態におけるMVA方式液晶表示装置の部分切り欠き斜視図であり、電圧を印加することによって、突起83,84の形状構造によって液晶分子85の傾斜方向が規制されながら印加電圧に応じて水平方向に向かって傾き、出射光を透過して“白”表示が得られることになる。
この場合、液晶分子85の1画素内において複数の方向に配向することになるため視野角特性は改善され、また、液晶分子85の傾斜方向は、突起83,84近傍の液晶分子85の傾斜方向に規制されて傾斜するので応答速度が改善されることになる。
【0011】
16参照
16は、画素86に対する突起83及び突起84の配置パターンの一例を示す平面図であり、TFT基板側に設けられるジグザグ状の突起83及びCF基板側に設けられるジグザク状の突起84は互いに一定の間隔で三角波状に配置されている。
なお、図においては、R,G,Bの3画素分を概略的に図示しており、画素86のほぼ中央に設けた補助容量バスライン90に対して突起83及び突起84は線対称に設けられている。
【0012】
図に示すように、液晶分子85は、ゲート電極87側においては夫々C,Dで示すように突起83,84に対して垂直方向で且つ互いに逆向きに配向し、一方、ゲート電極87から離れた側においても夫々A,Bで示すように突起83,84に対して垂直方向で且つ互いに逆向きに配向され、C,DとA,Bとは互いにほぼ直交する方向となる。
【0013】
したがって、この様なMVA方式液晶表示装置に電圧を印加した場合には、液晶は1画素内において、A,B,C,Dの4方向に配向して4つのドメインを形成するので、良好な視野角特性を得ることができる。
【0014】
上述のようにMVA型液晶表示装置は、優れた応答特性を有しているものの、唯一中間調の応答のみ遅いといった問題がある。
即ち、配向方向を規定する領域が突起等の配向規制体上のみであるため、ドメイン全体にわたって液晶傾斜の伝播速度は、配向規制体上に生じる電界の勾配の大きさに依存することになるが、中間調では、配向規制体上の電界勾配が緩やかであるため伝播速度が小さく、結果として応答速度は遅くなるので、その事情を図17を参照して説明する。
【0015】
17(a)参照
17(a)は、電圧印加直後の液晶分子の傾斜の伝播の状態を示す図であり、電圧印加とともに、配向規制体である突起83の近傍の液晶分子85がまず傾斜し、その影響が隣接する液晶に順次伝達されることになる。
【0016】
17(b)参照
17(b)は、電圧印加後一定時間経過した時における液晶分子の傾斜の伝播の状態を示す図であり、配向規制体である突起83の近傍の液晶分子85がより傾斜し、その影響がさらに隣接する液晶に順次伝達されることになる。
この時、中間調では、印加電圧が小さくなるので、突起83上の電界勾配が緩やかであるため伝播速度が小さく、結果として応答速度は遅くなってしまう。
【0017】
この様な応答速度の低下を改善するための手段として、特に誘電率異方性が負の液晶材料を用いるモードについてはプレチルトを大きく付与することが有効である。
上述のMVA型液晶表示装置は誘電率異方性が負の液晶材料を用いた典型的な例であるが、基本的に突起のエッジ部を除いて特定の方向へのプレチルトを有していないため、電圧印加時のスイッチングにおいて傾斜の伝播が生じ、その分応答速度が低下してしまう。
【0018】
また、MVA型液晶表示装置において、プレチルトを付与する手段としては光硬化物を用いるものなどがあるが、プレチルト角を大きく付与していくと(垂直配向モードの場合、90°から低くなる方向)、電圧無印加時においてもリタデーションが発生していき、ノーマリーブラック表示において黒が黒でなくなっていってしまうため、コントラストおよび視野角についても大幅に低下していってしまう。
【0019】
また、ノーマリーホワイト表示に至っても、最大駆動電圧において完全な一軸の水平(もしくは水平配向モードの場合は垂直)になっていなくては同様の理由でコントラストが取れないという問題がある。
【0020】
したがって、上述のような電圧無印加時にもプレチルトを有し基板面に対し斜めに傾斜しているものについては、従来からある方式ではフィルム貼付による補償があるが、視野角特性に問題があり、液晶パネルを斜めから見た時、階調が反転したように見えたり、表示が白茶けて見えたりするなど、表示品質を低下させる大きな要因となるので、この事情を図18及び図19を参照して説明する。
【0021】
18(a)乃至図19(d)参照
18(a)乃至図19(c)は、MVA方式の液晶表示装置の視野角特性を示す図であり、液晶パネルを0°方位、45°方位、及び、90°方位から見たときの透過率−電圧特性であり、各図は、それぞれの方位において、液晶パネルを正面(0°)、斜め10°〜80°から見たときの特性を合わせて示した図である。
【0022】
19(d)は、図19(c)の9 0°方位の正面と斜め70°から液晶パネルを見たときの特性を改めて示した図であり、斜め70°のAで示される部分は、正面に比べると透過率−電圧特性の傾きが急峻であり、 Bで示される部分は、透過率−電圧特性が波打ったようになっている。
【0023】
液晶パネルを斜めから見たときも、正面の透過率−電圧特性が維持されることが理想的であるが、図におけるA、Bに示されるような特性の場合、 正面における階調間の関係がくずれ、液晶パネルを斜めから見たときに階調が反転したように見えたり、表示が白茶けて見えたりする。
【0024】
そこで、本発明者等は、上述の問題を改善するために、鋭意試行の結果、液晶分子の方位角φ方向の変化によりリタデーションの制御を行う表示方式を提案している(必要ならば、特願2001−99243号参照)。
【0025】
この方式は、極角θの状態は問わないため、プレチルトを大きく、即ち、電界勾配を急峻にした状態でスイッチングすることが可能であるため、液晶傾斜の伝播が生じず、高速なスイッチングが実現される。
【0026】
ここで、図20及び図21を参照してこの提案に係わるHAN型液晶表示装置を説明する。
20(a)参照
20(a)は、上記提案に係わるHAN型液晶表示装置における電圧無印加時における液晶分子の傾き状態を示す概念的斜視図である。
このHAN型液晶表示装置においては、一対の基板間に負の誘電率異方性を有するネマティック液晶が封入され、ストライプ状電極91を設けた基板界面における液晶分子93は表面を覆う垂直配向膜の配向規制力によってほぼ垂直に配向し、もう一方の対向電極92を設けた基板界面における液晶分子93は基板表面に設けられた水平配向膜の配向規制力によって基板面に対してほぼ水平に配向し、液晶分子93は、セル厚方向にわたってほぼ垂直な配向からほぼ水平な配向へと連続的に変化する。
【0027】
また、水平配向側において、ストライプ状電極91の走査方向に対してφ°(45°≦θ<90°)方向にラビング処理等の配向処理をすることによって、液晶分子の方位角をφとするとともに、プレチルト角をθとしており、この構造によると、水平配向側は一軸の配向処理で良いため、プロセスは簡単になる。
【0028】
20(b)参照
この様なHAN型液晶表示装置において、図20(b)に示すように、基板面内での方位角φと、基板面に対する極角θにより液晶分子93の配向方向を表すと、電圧印加時に、液晶分子93のφとθがともに印加電圧値とともに変化するので、この変化の様子を図21を参照して説明する。
【0029】
21(a)乃至(c)参照
21(a)乃至(c)は電圧印加時の液晶分子の配向状態変化を示す平面図と断面図であり、図21(a)は電圧無印加時、図21(b)は低電圧印加時、図21(c)は十分高い電圧を印加した場合であり、印加電圧値を高くするにしたがって、液晶分子93の極角θとともに方位角φも変化する。
なお、図示を簡素化するために、両方の基板界面とセル厚方向中央部の液晶分子の3つのみを示してある。
【0030】
また、上記提案においては、1画素中に、ストライプ状電極の幅及びストライプ状電極の相互の間隔が異なるストライプ状群からなる2以上の領域を形成して画素中の一部の領域の応答速度を大きくすることによって、画素全体の見かけの応答速度を大きくすることも提案されている。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
この様なHAN型液晶表示装置においては、液晶分子の方位角φの変化により透過率の制御を行っているため、MVA型液晶表示装置に比べて、階調依存が少ない応答特性が得られるはずであるが、実際の応答特性は、一部の中間調領域が他の階調と比べて2倍程度遅いといった問題がある。
【0032】
【表1】
Figure 0004112286
表1は、従来のHAN型液晶表示装置における、2.0〜8.0Vの各印加電圧における応答速度(m秒)を示した表であり、例えば、4.0Vにおける応答速度が、8.0Vにおける応答速度の1.75倍になっていることが理解される(表における従来例1を参照)。
【0033】
この様な中間階調における応答速度の低下の原因を考察すると、電圧印加時に両基板間に発生する電界分布を大局的に取り扱うと、電圧を印加することにより、ストライプパターンの走査方向に液晶分子を傾斜させる電界が発生するが、局所的には、ストライプパターンを形成するひとつのストライプ状電極或いは絶縁性の構造物又は導電性の構造物に発生する電界分布は、水平配向側の基板界面の液晶分子の方位角方向を基準として、ひとつのストライプの中で、内側となるエッジと外側となるエッジで、液晶分子の方位角を変化させる力が異なっている。
【0034】
この内、ストライプの内側のエッジにより発生する電界分布は、外側のエッジに発生する電界分布よりも、液晶分子の方位角を変化させる力が小さくなり、この液晶分子の方位角を変化させる力の違いから、ストライプの内側のエッジで、液晶分子の方位角が安定するのに、時間がかかってしまうことが主要因となって、一部の中間調で応答が遅いといった問題が発生している。
【0035】
現在、液晶表示装置の駆動周波数は60Hzであり、鮮明な動画表示を実現するには16.7m秒以下の応答特性が理想とされており、HAN型液晶表示装置は従来のMVA型液晶表示装置より優れた応答特性ではあるが、理想とされる全階調16.7m秒以下の応答特性を満たすには至ってないため、さしあたりは、特に、応答の遅い階調を改善する必要がある。
【0036】
また、上述のHAN型液晶表示装置においては視野角特性が未だ充分ではないという問題があるので、この事情を図22及び図23を参照して説明する。
22(a)及び(b)参照
22(a)は0°方位(右方位)から液晶パネルを見たときの、正面から斜め80°までの透過率−電圧特性であり、また、図22(b)は90°方位(上方位)から液晶パネルを見たときの、正面から斜め80°までの透過率−電圧特性であり、0°方位において黒の透過率が低く抑えられていないため、表示品質を著しく低下させている。
【0037】
23参照
23は、黒の透過率の視野角依存性を示す図であり、最外周の円は斜め80°を表しており、図中における曲線或いは閉曲線は、等透過率線である。
図示に示すように、上下方位に比べて左右方向の透過率変化が大きいので、左右方位の透過率のうきが目立つことが理解される。
【0038】
また、この様な視野角特性の問題を解決するために、配向分割構造を形成する方法として、ストライプ状電極の走査方向を、水平配向側の一軸の配向処理方向に対して±θ(45°≦θ<90°)とした構造を提案しているので、図24を参照して説明する。
【0039】
24参照
24は、ストライプ状電極と配向処理方向の関係を示す概念的構成図であり、対向電極92上に設けた水平配向膜を45°方向にラビング処理するとともに、垂直配向基板側に設ける幅が3μmで間隙幅が3μmのストライプ状電極を配向処理方向に対して夫々45°傾斜したストライプ状パターンとしたものであり、2つのストライプ状電極94,95の境界には幅10μmの抜きパターン96を設けたものである。
【0040】
この構造の場合には、水平配向側は一軸の配向処理で良いため、プロセスが簡単になり、視野角特性が改善されるとともに、従来の単純構造のHAN型液晶表示装置に比べて1.5倍程度の応答速度の改善が見られる。
【0041】
しかし、この様な配向分割型のHAN型液晶表示装置においては、ドメインの境界部では液晶分子の方位角が、ドメイン部の理想的配向方向と45°異なっているためリタデーションが発生せず、結果的に、ドメイン境界部は入射光が透過しないため、暗線となって見えてしまい、透過率ロスの大きな原因となる問題がある。
【0042】
また、視野角特性は上述のように改善されるものの、配向分割された夫々の領域が図16に示した様に液晶分子の配向方向がA〜Dの4つの方向に対称に分かれる構造ではないため、全方位の視野角が均一に改善されるのではなく、特定の方向に偏った改善になるという問題がある。
【0043】
また、高速応答化のために、上述の様に一画素中にストライプ状電極の幅・間隙幅の少なくとも一方が異なる2つ以上の領域を形成する場合、ストライプ状電極の幅・間隙幅のパターニングに制約を受けるという問題がある。
【0044】
即ち、ストライプ状電極の幅が極めて細い場合は、製造上の困難性が伴い、また1画素の大きさによっては、電極幅・間隙幅を適当に作製することが出来ないという問題があり、また、ストライプ状電極が延伸方向に長い場合は、電極幅の均一性などが非常にシビアになり、これが均等に出来ない場合は、同一電圧を印加しても液晶の配向性に違いが生じ、液晶表示装置として表示全体を見た場合は明るさのムラなどを招くという問題がある。
【0045】
したがって、本発明は、簡単な構成により中間調における応答速度を含む全階調における応答速度を改善するとともに、視野角特性を改善することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明においては、少なくとも一方が透明な一対の基板1,2のうち、一方の基板1上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、他方の基板2上には対向電極4が設けられた液晶表示装置において、前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有するとともに、前記一対の基板1,2の内の少なくとも一方の基板2(1)上に、前記ストライプ形状の走査方向とは異なる方向に走査する構造物5(6)を有し、電圧無印加時に液晶分子10は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極3の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、さらに、当該ストライプ状電極3を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極3の走査方向に対して平行になる方向に変位することを特徴とする。
【0047】
この様に、ストライプ形状の走査方向とは異なる方向に走査する構造物5,6を設けることによって、傾斜能を付与することができ、ストライプ状電極3が液晶分子10をライン走査方向に動かそうとする力に合わせることによって、透過率を低減することなく、応答性を改善することができる。
【0048】
この場合、最大透過率を得るために液晶分子10を方位角方向に45°変位させるためには、基板1,2上に設けた構造物5,6の走査方向と同一の方位角方向にプレチルト角を有し、ストライプ状電極3と構造物5,6の互いの走査方向がなす角度は45°以上90°未満とする必要がある。
【0049】
また、視野角特性を改善するための配向分割構造としては、液晶表示装置を構成する一画素中で、上記ストライプ状電極3の走査方向を2通り以上とすれば良く、その場合、各ストライプ状電極3の交差する位置において、少なくとも一部の領域ではストライプ状電極3同士を非接合にしても良い。
【0050】
また、構造物5,6は透過率低下の原因となるので、画素電極のエッジ部の一辺と平行に配置されることが望ましく、それによって、画素エッジ部に生じる斜め電界により配向乱れの問題も同時に改善することができる。
【0051】
また、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板1,2のうち、一方の基板1上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、他方の基板2上には対向電極4が設けられた液晶表示装置において、前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有し、電圧無印加時に液晶分子10は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極3の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、さらに、当該ストライプ状電極3を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極3の走査方向に対して平行になる方向に変位し、且つ、前記方位角の変位量が45°以下であるとともに、ストライプ状電極3を有する基板1上に部分的に絶縁薄層を形成したことを特徴とする。
【0052】
この様に、絶縁薄層を部分的に設けることによって、絶縁薄層上に存在する液晶分子10の印加される電圧は低減されるので、面積的に異なった透過率を与えることになり、それによって、面積的な階調変化が可能になる。
【0053】
この場合、絶縁薄層のエッジ端辺とストライプ状電極3の延伸方向とが垂直にすることが望ましく、それによって、液晶分子10が倒れ込む方位角方向を制御することが可能になる。
【0054】
また、配向分割のために、一画素中に形成するストライプ状電極3の延伸方向を2以上とした場合、周期的なパターンからなる絶縁薄層を設けることによって、ストライプ状電極3の延伸方向と絶縁薄層のエッジ端辺とを垂直にすることができる。
【0055】
この場合、絶縁薄層によってストライプ状電極3での電界に歪みを生じさせて液晶分子10の配向方向を好適にするためには、2方向以上に延伸するストライプ状電極3の接合部、或いは、非接合部の近傍には、前記ストライプ状電極3上に形成する絶縁薄層が少なく、前記接合部・非接合部から延伸する方向に連れて絶縁薄層の領域が大となるようにすれば良い。
【0056】
なお、この様な絶縁薄層の膜厚は、0.7μm以下であることが望ましく、厚すぎると液晶分子10を配向させるために要する電圧が高くなり過ぎ、当時に透過率の低下の原因となる。
【0057】
また、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、当該基板間に液晶層を挟持して構成し、前記一方の基板は、スリットを含むストライプ状電極と、配向規制構造物と、を有し、電圧無印加時において、当該ストライプ状電極の形成基板界面の液晶分子が略垂直配向となり、前記他方の基板側では、基板界面の液晶分子が略水平配向となる表示装置において、当該液晶層は誘電率異方性が負の液晶組成物と、液晶骨格を含む光硬化性の硬化物から形成した配向規制物と、を含むことを特徴とする。
【0058】
この様に、光硬化性組成物が液晶分子10に配向規制力を付与することによって、応答速度の改善が可能になる。
【0059】
この場合、液晶分子10に電圧印加時と同じ配向規制力を付与するためには、両基板1,2間に電圧を印加して、液晶分子10が配向している状態で光硬化性組成物を硬化させれば良い。
【0060】
また、視野角特性を改善するために、配向分割構造を採用した場合、光硬化物が付加する配向規制力の方向が、各々領域の電圧印加時に液晶分子10が変化する方向になるようにする必要がある。
【0061】
また、本発明は、少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、当該基板間に液晶層を挟持して構成し、前記一方の第1基板は、スリットを含むストライプ状電極と、配向規制構造物と、を有し、電圧無印加時において、当該ストライプ状電極の形成基板界面の液晶分子が略垂直配向となり、前記他方の第2基板側では、基板界面の液晶分子が略水平向となり、且つ、該水平配向側の基板界面の液晶分子のプレチルト角の方位角θが異なる2つの領域を有する表示装置において、前記プレチルトの方位角が、互いに対向するスライプ状電極の走査方向に対して±θ°であり、且つ
45°≦θ<90°
を満たすことを特徴とする。
【0062】
この様に、HAN型液晶表示装置において、水平配向側の基板2側に液晶分子10のプレチルトの方位角が異なる二つの領域を設けることによって、配向分割することができ、それによって、視野角特性が改善される。
【0063】
この場合、水平配向側の基板2側に、プレチルトの方位角が異なる領域の境界部に沿って、導電性の構造物を設けることによって、ドメイン境界部に発生する異常配向領域の発生を低減することができ、表示品質を向上することができる。
【0064】
また、ストライプ状電極3が異なった走査方向に延伸する複数の領域に分割する場合、一方の方向に走査するストライプパターンが属する総面積と、もう一方の方向に走査するストライプパターンが属する総面積を等しくすることによって均一な視野角特性を得ることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】
ここで、図2を参照して、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図2(a)及び(b)参照
図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、また、図2(b)は要部断面図であり、TFT基板側11上に画素電極を構成する幅3μm、間隙幅4μmのITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成するとともに、全面に垂直配向膜13(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0066】
一方、対向基板14にはベタ状のITO電極15を形成したのち、画素のエッジ部に沿って突起状構造物16を形成し、次いで、全面に水平配向膜17(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布したのち、配向方向が突起状構造物16の主走査方向と同一とし、ストライプ状電極12の走査方向と80°になるようにラビング処理を施す。
【0067】
次いで、TFT基板11と対向基板14とを対向させたのち、負の誘電異方性を持つ液晶を注入して熱硬化性シールを用いて貼り合わせることによって液晶表示装置を形成し、次いで、電圧を印加して液晶分子18の配向状態を観察したところ、応答速度に改善が見られた。
【0068】
即ち、突起状構造物16を設けることによって、突起状構造物16の近傍の液晶分子18は、電圧印加時に突起状構造物16の走査方向に対してほぼ垂直方向に傾斜させられる。
【0069】
この液晶分子18を傾斜させようとする力を、ストライプ状電極12が液晶分子18をライン走査方向に動かそうとする力に合わせることによって、応答速度を改善することが可能になる。
なお、この第1の実施の形態においては、ストライプ状電極12の走査方向と、突起状構造物16の走査方向のなす角度θを80°としているが、45°≦θ<90°であれば良い。
【0070】
また、最大透過率を得るためには、液晶分子18を初期配向方向から45°方位角方向にシフトさせる必要があり、プレチルト角が突起状構造物16の走査方向と同じ方位角方向に付与されている場合、お互いの走査方向のなす角度が45°未満では原理的に45°シフトさせることができない。
【0071】
また、それ以上においても、角度が浅い場合にはシフト量が少なく透過率が低くなると共に、突起状構造物16による液晶分子18の傾斜方向とストライプ状電極12が安定させようとする方位角方向の位置のずれが大きくなり、透過率のオーバーシュート、即ち、電圧印加の瞬間は透過率が高く、定常状態ではそれよりも下がった透過率が安定となる現象が生じ易くなる。
【0072】
また、突起状構造物16は表示画素領域中に配置すると、その分だけ透過率が低下してしまうため、第1の実施の形態に示す様に画素電極のエッジ部に、エッジラインと平行になるように配置することが望ましく、そうすることで、画素エッジ部に生じる斜め電界による配向の乱れの問題も同時に改善することが出来る。
【0073】
次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図3(a)及び(b)参照
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、また、図3(b)は要部断面図であり、TFT基板側11上に幅3μm、間隙幅4μmのITOからなるストライプ状電極19をV字の屈曲部で交わらないように幅が例えば10μmの電極の抜き20を形成するとともに、全面に垂直配向膜13(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0074】
一方、対向基板14には、上記の第1の実施の形態と同様に、ベタ状のITO電極15を形成したのち、画素のエッジ部に沿って突起状構造物16を形成し、次いで、全面に水平配向膜17(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布したのち、配向方向が突起状構造物16の主走査方向と同一とし、ストライプ状電極12の走査方向と80°になるようにラビング処理を施す。
【0075】
次いで、TFT基板11と対向基板14とを対向させたのち、負の誘電異方性を持つ液晶を注入して熱硬化性シールで貼り合わせて液晶表示装置を形成したのち、電圧を印加して液晶分子18の配向状態を観察したところ、上記の第1の実施の形態より応答速度に改善が見られた。
【0076】
また、ストライプ状電極19の走査方向の違いによって形成される2つの異なるドメイン間に生じるディスクリネーションを含む境界部については、上記第1の実施の形態より細くしっかりと形成されていた。
【0077】
次に、図4を参照して、本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図4(a)及び(b)参照
図4(a)は、本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、また、図4(b)は要部断面図であり、TFT基板側11上に幅3μm、間隙幅4μmのITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成したのち、V字の中央部に突起状構造物21し、次いで、全面に垂直配向膜13(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0078】
一方、対向基板14には、上記の第1の実施の形態と同様に、ベタ状のITO電極15を形成したのち、画素のエッジ部に沿って突起状構造物16を形成し、次いで、全面に水平配向膜17(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布したのち、配向方向が突起状構造物16の主走査方向と同一とし、ストライプ状電極12の走査方向と80°になるようにラビング処理を施す。
【0079】
次いで、TFT基板11と対向基板14とを対向させたのち、負の誘電異方性を持つ液晶を注入して熱硬化性シールを用いて貼り合わせて液晶表示装置を形成し、次いで、電圧を印加して液晶分子18の配向状態を観察したところ、従来のHAN型液晶表示装置に比べて、黒表示−中間調−白表示の各透過率において、大幅な改善が見られた。
【0080】
【表2】
Figure 0004112286
表2は、突起状構造物を配置していない従来のHAN型液晶表示装置における応答速度を1とした時に、各透過率における応答速度の割合を示した表であり、100%、即ち、白表示は5.4V印加時の透過率であり、突起状構造物を配置することにより、最大で約3倍ほど高速な応答速度を得ることができた。
また、同時にこのストライプ状電極パターンを採用することにより、配向分割をも実現することが可能となり、視野角特性の改善も見られた。
【0081】
次に、図5を参照して、本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図5(a)及び(b)参照
図5(a)は、本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、また、図5(b)は要部断面図であり、TFT基板側11上にITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成したのち、全面にレジスト(S1808:シプレイ社製商品名)を塗布し、次いで、ストライプ状電極12の延伸方向に垂直にエッジが交差するようにパターニングしたのち、例えば、120℃で30分間のポストベーク処理を施し、次いで、200℃で40分間の熱処理を施して厚さが0.7μm以下、例えば、0.5μmの絶縁薄層22を形成する。
次いで、全面に垂直配向膜13(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0082】
一方、対向基板14には、上記の第1の実施の形態と同様に、ベタ状のITO電極15を形成したのち、全面に水平配向膜17(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布し、次いで、両基板を貼り合わせたときストライプ状電極12とのなす角が45°なるように一軸の配向性を有するようにラビンク処理を施す。
【0083】
次いで、TFT基板11と対向基板14とを対向させたのち、負の誘電異方性を持つ液晶(MJ95785:メルク・ジャパン社製商品名)を注入して熱硬化性シールを用いて貼り合わせて液晶パネルを形成し、次いで、TFT基板11と対向基板14との外側に一対の偏光板をクロスニコルで貼り付けて表示装置を形成したのち、電圧を印加して液晶分子18の配向状態を観察したところ、従来のHAN型液晶表示装置に比べて、黒表示−中間調−白表示の各透過率において、大幅な改善が見られた。
【0084】
図6(a)及び(b)参照
図6(a)は、電圧を印加しない状態における液晶分子18の傾きの状態を示す概略的断面図であり、また、図6(b)は、電圧を印加した状態における液晶分子18の傾きの状態を示す概略的断面図である。
図に示すように、電圧Vを印加すると、絶縁薄層22が形成されていない部分から液晶分子18は配向し、絶縁薄層22を形成した領域においては、絶縁薄層22を形成していない領域の後から配向することで、面積的に異なる透過率を与えることが可能になる。
【0085】
また、絶縁薄層22のエッジとストライプ状電極12の延伸方向と直交になるように形成しているので、TFT基板11上における液晶分子18が倒れ込む方位角を制御することが可能になる。
【0086】
この様に、本発明の第4の実施の形態においては、ストライプ状電極12の幅や間隙幅に頼ることなく、面積的に階調の異なる領域を設けているので、面積応答的な効果から、液晶表示装置を高速化することができる。
【0087】
次に、図7を参照して、本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図7(a)及び(b)参照
図7(a)は、本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、また、図7(b)は要部断面図であり、TFT基板側11上にITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成したのち、全面にレジスト(S1808:シプレイ社製商品名)を塗布し、次いで、ストライプ状電極12の延伸方向に垂直にエッジが交差するようにパターニングしたのち、例えば、120℃で30分間のポストベーク処理を施し、次いで、200℃で40分間の熱処理を施して厚さが0.7μm以下、例えば、0.5μmの抜きパターンからなる絶縁薄層23を形成する。
次いで、全面に垂直配向膜13(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0088】
一方、対向基板14には、上記の第1の実施の形態と同様に、ベタ状のITO電極15を形成したのち、全面に水平配向膜17(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布し、次いで、両基板を貼り合わせたときストライプ状電極12とのなす角が45°なるように一軸の配向性を有するようにラビンク処理を施す。
【0089】
次いで、TFT基板11と対向基板14とを対向させたのち、負の誘電異方性を持つ液晶(MJ95785:メルク・ジャパン社製商品名)を注入して熱硬化性シールを用いて貼り合わせて液晶パネルを形成し、次いで、TFT基板11と対向基板14との外側に一対の偏光板をクロスニコルで貼り付けて表示装置を形成したのち、電圧を印加して液晶分子18の配向状態を観察したところ、より高速応答性が見られた。
【0090】
これは、ストライプ状電極12の集合部において絶縁薄層23が少なくなり、ストライプ状電極12の集合部においてしっかり電圧がかかるので液晶分子18の方位が安定化するためと考えられる。
【0091】
次に、図8を参照して、本発明の第6及び第7の実施の形態の液晶表示装置を説明するがストライプ状電極パターンが異なるだけ、他の構成は上記第4或いは第5の実施の形態と同様であるので、平面図のみを示し、詳細な説明は省略する。
図8(a)参照
図8(a)は、上記の第4の実施の形態に対応する本発明の第6の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、ITOからなるストライプ状電極19をV字の交点で非接合に形成したのち、ストライプ状電極19の延伸方向に垂直にエッジが交差するように絶縁薄層22を形成したものである。
この場合も上記の第4の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0092】
図8(b)参照
図8(b)は、上記の第5の実施の形態に対応する本発明の第7の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、ITOからなるストライプ状電極19をV字の交点で非接合に形成したのち、ストライプ状電極19の延伸方向に垂直にエッジが交差するように抜きパターンの絶縁薄層23を形成したものである。
この場合も上記の第5の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0093】
次に、図9を参照して、本発明の第8及び第9の実施の形態の液晶表示装置を説明するがストライプ状電極パターンが異なるだけ、他の構成は上記第4或いは第5の実施の形態と同様であるので、平面図のみを示し、詳細な説明は省略する。
図9(a)参照
図9(a)は、上記の第4の実施の形態に対応する本発明の第8の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、ITOからなるストライプ状電極部25と背骨状電極部26とからなる魚の骨状電極24を形成したのち、ストライプ状電極部25の延伸方向に垂直にエッジが交差するように絶縁薄層22を形成したものである。
この場合も上記の第4の実施の形態と同様に応答速度の改善が見られる。
【0094】
図9(b)参照
図9(b)は、上記の第5の実施の形態に対応する本発明の第9の実施の形態の液晶表示装置の画素の要部平面図であり、ITOからなるストライプ状電極部25と背骨状電極部26とからなる魚の骨状電極24を形成したのち、ストライプ状電極部25の延伸方向に垂直にエッジが交差するように抜きパターンの絶縁薄層23を形成したものである。
この場合は、電圧が一番印加される背骨状電極部26上の絶縁薄層23が少ないので、より電圧が印加され、それによって液晶分子18の方位が安定化するので、優れた高速応答性が得られる。
【0095】
次に、図10を参照して、本発明の第4及び第5の実施の形態の液晶表示装置に対する比較例を説明するが、絶縁薄層のパターンが異なるだけ、他の構成は上記第4或いは第5の実施の形態と同様であるので、平面図のみを示し、詳細な説明は省略する。
図10(a)参照
図10(a)は、上記の第4の実施の形態に対応する比較例の画素の要部平面図であり、TFT基板側11上にITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成したのち、中央にストライプ状の絶縁薄層27を形成したものである。
この場合は、絶縁薄層27のエッジとストライプ状電極12の延伸方向とは直交していないので、応答速度の改善は不十分であった。
【0096】
図10(b)参照
図10(b)は、上記の第5の実施の形態に対応する比較例の画素の要部平面図であり、TFT基板側11上にITOからなるストライプ状電極12をV字状に形成したのち、周辺部に2本の平行なストライプ状の絶縁薄層28を形成したものである。
この場合も、絶縁薄層28のエッジとストライプ状電極12の延伸方向とは直交していないので、応答速度の改善は不十分であった。
【0097】
次に、図11を参照して、本発明の第10の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図11(a)参照
図11(a)は、本発明の第10の実施の形態の液晶表示装置の画素の概念的斜視図であり、TFT基板側にはITOからなる幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmで、間隙幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmのストライプ状電極31を設けるとともに垂直配向膜(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布し、一方、対向基板側にはべた状のITO電極32を設けるとともに水平配向膜(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布する。
【0098】
一方、水平配向基板側に、フォトレジスト(S1808:シプレイ・ファー・イースト社製商品名)を用いて、対象とする領域以外を覆い、選択的にラビング処理を行う作業を2度繰り返すことにより、所望の2方向のプレチルトを得た。
【0099】
次いで、垂直配向側の基板のストライプ状電極31の走査方向を基準に、水平配向側の基板における2方向のプレチルトの方位角が±45°となるように対向させ、熱硬化性シールを用いて両基板を貼り合わせて、n型液晶(MJ95785:メルク・ジャパン社製商品名)を充填する。
なお、水平配向側の基板の配向処理方向に、クロスニコルとして貼付した。
【0100】
この様な液晶表示装置について、配向観察したところ、上述の図16に示した配向分割を行った従来例ではドメイン境界部に一本の暗線が生じていたが、この本発明の第10の実施の形態においては、ドメイン境界部に暗線が発生しないことが確認された。
【0101】
また、この第10の実施の形態においては、ドメイン境界線に対して垂直方向から見た視野角特性は対称であり、上述の従来例以上に優れた視野角特性が得られることが確認された。
【0102】
図11(b)参照
図11(b)は、本発明の第10の実施の形態におけるドメイン境界近傍における液晶分子の配向状態を示す概念的断面図であり、図11(a)に示した配向分割構造を用いると、ドメイン境界部において、液晶分子の方位角はドメイン部の理想配向方向と一致するため、透過率のロスは発生しない。
また、配向分割されるそれぞれの領域が、ドメイン境界部に対して対称であるため、ストライプパターンの走査方向の視野角特性が均一に改善される。
【0103】
なお、この第10の実施の形態においては、垂直配向側の基板のストライプパターンの走査方向と、水平配向側の基板における2方向のプレチルトの方位角との角度を±45°としたが、この角度θは、45°≦θ<90°の範囲で、角度が大きい方が、応答特性は若干悪くなるが、より高い透過率が得られる。
【0104】
但し、この角度が45°でない場合は、電圧無印加時のリタデーションの発生を防ぐため、水平配向基板のプレチルト方位角を変えるのではなく、ストライプパターンの方向を変える必要がある。
即ち、ストライプパターンを図に示すような一軸である必要はない。
【0105】
また、この第10の実施の形態においては、1画素を2分割しているが、2分割に限られるものではなく、複数の領域に分け、ドメイン境界線が互いに直交するように、本配向分割構造を形成することにより、上下左右で均一なより優れた視野角特性が得られる。
【0106】
例えば、1画素を2分し、それぞれの領域で本配向分割構造を、90°異なる角度で形成することにより、4方位とも視野角が対称な優れた視野角特性が得られると考えられる。
【0107】
次に、図12を参照して、本発明の第11の実施の形態の液晶表示装置を説明するが、上記の第10の実施の形態においてドメイン境界部の突起状構造物を設けたものである。 図12参照
図12は、本発明の第11の実施の形態の液晶表示装置の画素の概念的斜視図であり、TFT基板側にはITOからなる幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmで、間隙幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmのストライプ状電極31を設けたのち、フォトレジスト(S1808:シプレイ・ファー・イースト社製商品名)を用いてドメイン境界部に高さが0.1〜0.7μm、例えば、0.3μmの突起状構造物33を形成し、次いで、突起状構造物33の表面に透明電極(図示を省略)を設けることによって導電性突起物としたのち、全面に垂直配向膜(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0108】
一方、対向基板側にはべた状のITO電極32を設けるとともに水平配向膜(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布したのち、フォトレジスト(S1808:シプレイ・ファー・イースト社製商品名)を用いて、対象とする領域以外を覆い、選択的にラビング処理を行う作業を2度繰り返すことにより、所望の2方向のプレチルトを得た。
【0109】
次いで、垂直配向側の基板のストライプ状電極31の走査方向を基準に、水平配向側の基板における2方向のプレチルトの方位角が±45°となるように対向させ、熱硬化性シールを用いて両基板を貼り合わせて、n型液晶(MJ95785:メルク・ジャパン社製商品名)を充填する。
なお、水平配向側の基板の配向処理方向に、クロスニコルとして貼付した。
【0110】
この本発明の第11の実施の形態について配向観察したところ、上記の第10の実施の形態においては発生していた、ドメイン境界部での配向異常部がほとんど存在せず、全体の液晶配向は、ほぼ理想状態であることが確認できた。
【0111】
また、閾値については、5%程度低下したことが確認され、この様な導電性の突起状構造物33の高さ,幅を大きくし、導電性の突起状構造物33が電界に与える影響を大きくすることにより、更に閾値を低くすることが可能であると考えられる。
【0112】
この様に、本発明の第11の実施の形態においては、水平配向側の基板上に、ドメイン境界部に沿って導電性の突起状構造物33を設けているので、導電性の突起状構造物33により付加される電界分布は、ドメイン境界部周辺の液晶分子を所望の方向に傾斜させる作用が働くと同時に、ドメイン部以上の電界がドメイン境界部に印加されるため、ドメイン境界部の配向をより安定に実現することができ、結果として、表示不良の原因となる、ドメイン境界部に発生する異常配向領域の発生を低減することができる。
【0113】
さらに、導電性の突起状構造物の代わりにストライプパターンの電極の抜きを適用した場合、実効電圧の低下により発生する閾値の上昇を抑制する効果も働くため、低電圧駆動化も同時に実現される。
【0114】
なお、上記の第10及び第11の実施の形態においては、垂直配向側の基板上に設ける電界を歪ませる作用を持つ一軸の方向性を持ったストライプパターンは、ストライプ状電極或いは見方を変えると電極の抜きであるが、ストライプパターンを絶縁性の突起状構造物或いは導電性の突起状構造物で形成した場合も、同様の効果が得られる。
【0115】
なお、上記の第10及び第11の実施の形態における構成の2分割の配向分割構造では、4方位との視野角が対称である優れた視野角特性が実現されないが、1画素を少なくとも2つの分け、夫々の領域で上述の分割配向構造を90°異なる角度で形成することにより4方位との視野角が対称である優れた視野角特性が得られる。
その際、点対称である優れた視野角特性実現するためには、1画素を等分割に分け、夫々の領域に上述の配向分割構造を適用すれば良い。
【0116】
次に、図13を参照して、本発明の第12の実施の形態の液晶表示装置を説明する。
図13参照
図13は、本発明の第12の実施の形態の液晶表示装置の画素の概念的斜視図であり、TFT基板側にはITOからなる幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmで、間隙幅が0.5〜5.0μm、例えば、3μmのストライプ状電極31を設けるとともに垂直配向膜(JALS−684:JSR社製商品名)を塗布する。
【0117】
一方、対向基板側にはべた状のITO電極32を設けるとともに水平配向膜(JALS−1083:JSR社製商品名)を塗布したのち、ラビング処理を行うことにより所望のプレチルトを得た。
【0118】
次いで、垂直配向側の基板のストライプ状電極31の走査方向を基準に、水平配向側の基板におけるプレチルトの方位角が65°となるように対向させ、熱硬化性シールを用いて両基板を貼り合わせて、例えば、光硬化性組成物(UCL−001−K1:大日本インク社製商品名)を1.0重量%添加したn型液晶(MJ95785:メルク・ジャパン社製商品名)を充填する。
次いで、液晶セルに5.0Vの電圧を印加した状態で、紫外線を照射することによって、光硬化性組成物を硬化する。
【0119】
この様な液晶表示装置について、応答特性、透過率、及び、コントラストを調べた結果を纏めたのが、上記の表1である。
この表1は上述のように従来例の結果も合わせて示したものであり、応答時間の出発電圧0V、透過率は8.0V、コントラストは0Vと8.0Vの透過率比であるので、ここで、再び表1を参照して本発明の第12の実施の形態における作用効果を説明する。
【0120】
表から明らかなように、透過率とコントラストに関しては、従来例1と比較し若干低下したが、4.0Vを中心とした応答の遅い領域が改善し、全体的に階調依存の少ない優れた応答特性が得られた。
【0121】
これは、液晶層中の光硬化物が、両基板上の配向膜が液晶分子に及ぼす配向規制力とは異なる方向に配向規制力を与えるため、液晶分子33には、両基板上の配向膜による配向規制力に加え、第二の配向規制力が加わり、この第二の配向規制力の方向を、電圧印加時に液晶分子が傾斜する方向と等しくすることにより、高速化が得られるためである。
【0122】
詳細には、液晶分子33の方位角が変化する方向に、光硬化物が方向性を持たせるため、ストライプパターンを形成しているストライプ電極の内側のエッジと外側のエッジが発する配向制御能の差を小さくすることができ、結果的に、ひとつのストライプの内側と外側のエッジでの配向制御能の違いによって生じる液晶配向が安定するまでの時間を短くすることができ、階調依存が少ない優れた応答特性が得られるものと考えられる。
【0123】
また、同時に液晶分子の極角方向の配向も保持されるため、より液晶分子が傾いた状態でスイッチングが可能となる。結果的に、同時に視野角特性も改善され、より高品位な液晶表示パネルが得られる。
【0124】
次に、図14を参照して、本発明の第13の実施の形態の液晶表示装置を説明するが、TFT基板側のストライプ状電極パターンを上述の図16に示した構造を採用して配向分割したものであり、その他の構成は上記の第12の実施の形態の液晶表示装置と全く同様であるので、詳細な説明は省略する。
図14参照
図14は本発明の第13の実施の形態の液晶表示装置の画素の概略的斜視図であり、垂直配向基板側に幅が3μmで間隙幅が3μmのストライプ状電極を配向処理方向に対して夫々45°傾斜したストライプ状電極35,36を設けたものであり、2つのストライプ状電極35,36の境界に幅10μmの抜きパターンを設けたものである。
【0125】
この様な液晶表示装置について、応答特性、透過率、及び、コントラストを調べた結果も上記の表1に纏めて示している。
なお、表1においては、図16に示した従来例を従来例2として示している。 表1から明らかなように、2分割の配向分割を行ったことによる応答改善効果に、光硬化物により第二の配向規制力を付加した応答改善効果が加わり、更に優れた応答特性が得られた。
【0126】
なお、この第12及び第13の実施の形態においては、垂直配向側の基板のストライプパターンの走査方向と、水平配向側の基板におけるプレチルトの方位角との角度を65°としたが、65°に限られるものではなく、45°≦θ<90°の範囲で、目的や用途に応じて選択することができる。
この場合、応答特性と透過率は、トレードオフの関係にあり、角度が小さい方がより優れた応答特性が得られ、角度が大きい方がより高い透過率が得られる。
【0127】
また、この第12及び第13の実施の形態における光硬化性組成物の添加量或いは紫外線照射により硬化する際の印加電圧については、応答速度に対し、コントラストはトレードオフの関係にあり、目的や用途に応じて選択することができる。
例えば、添加量は5.0重量%以内の範囲で、添加量が多いほどより優れた応答特性が得られ、添加量が少ないほど高いコントラストが得られ、一方、硬化時の印加電圧については、高い電圧ほどより優れた応答特性が得られ、低い電圧ほど高いコントラストが得られる。
【0128】
さらに、この第12及び第13の実施の形態における垂直配向側の基板上に設ける電界を歪ませる作用を持つストライプパターンは、一軸の方向性を持ったストライプ電極であるが、ストライプパターンを絶縁性の構造物,もしくは導電性の構造物で形成した場合も、同様の効果が得られる。
【0129】
ここで、再び、図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
図1参照
(付記1) 少なくとも一方が透明な一対の基板1,2のうち、一方の基板1上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、他方の基板2上には対向電極4が設けられた液晶表示装置において、前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有するとともに、前記一対の基板1,2の内の少なくとも一方の基板2(1)上に、前記ストライプ形状の走査方向とは異なる方向に走査する構造物5(6)を有し、電圧無印加時に液晶分子10は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極3の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、さらに、当該ストライプ状電極3を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極3の走査方向に対して平行になる方向に変位することを特徴とする液晶表示装置。
(付記2) 上記基板1,2上に設けた構造物5,6の走査方向と同一の方位角方向にプレチルト角を有し、ストライプ状電極3と構造物5,6の互いの走査方向がなす角度は45°以上90°未満であることを特徴とする付記1記載の液晶表示装置。
(付記3) 上記液晶表示装置を構成する一画素中で、上記ストライプ状電極3の走査方向を2通り以上とし、各ストライプ状電極3の交差する位置において、少なくとも一部の領域ではストライプ状電極3同士が非接合であることを特徴とする付記1または2に記載の液晶表示装置。
(付記4) 上記少なくとも一方に配置する構造物5(6)は、上記画素電極のエッジ部の一辺と平行に配置されることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の液晶表示装置。
【0130】
(付記5) 少なくとも一方が透明な一対の基板1,2のうち、一方の基板1上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、他方の基板2上には対向電極4が設けられた液晶表示装置において、前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有し、電圧無印加時に液晶分子10は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極3の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、さらに、当該ストライプ状電極3を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極3の走査方向に対して平行になる方向に変位し、且つ、前記方位角の変位量が45°以下であるとともに、ストライプ状電極3を有する基板1,2上に部分的に絶縁薄層を形成したことを特徴とする液晶表示装置。
(付記6) 上記絶縁薄層のエッジ端辺と上記ストライプ状電極3の延伸方向とが垂直であることを特徴とする付記5記載の液晶表示装置。
(付記7) 上記液晶表示装置を構成する一画素中に形成するストライプ状電極3の延伸方向を2以上とし、各ストライプ状電極3の交差する位置において、少なくとも一部の領域ではストライプ状電極3同士が非接合であり、ストライプ状電極3上部に形成する絶縁膜とストライプ状電極3との重なり領域の面積が大から小まで混在し、その重なり領域を繰り返していることを特徴とする付記5または6に記載の液晶表示装置。
(付記8) 上記2方向以上に延伸するストライプ状電極3の接合部、或いは、非接合部の近傍には、前記ストライプ状電極3上に形成する絶縁薄層が少なく、前記接合部・非接合部から延伸する方向に連れて絶縁薄層の領域が大となり、電圧印加時にストライプ状電極3側の液晶分子10の配向方位を制御することを特徴とする付記7記載の液晶表示装置。
【0131】
(付記9) 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、当該基板間に液晶層を挟持して構成し、前記一方の基板は、スリットを含むストライプ状電極と、配向規制構造物と、を有し、電圧無印加時において、当該ストライプ状電極の形成基板界面の液晶分子が略垂直配向となり、前記他方の基板側では、基板界面の液晶分子が略水平配向となる表示装置において、当該液晶層は誘電率異方性が負の液晶組成物と、液晶骨格を含む光硬化性の硬化物から形成した配向規制物と、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
(付記10) 上記光硬化物は、上記両基板1,2間に電圧を印加して、液晶分子10が配向している状態で硬化させたものであることを特徴とする付記9記載の液晶表示装置。
(付記11) 上記ストライプパターンの走査方向を複数設け、電圧印加時に液晶分子10の方位角が変化する方向を異ならせることにより配向分割を形成するとともに、前記各々のストライプパターンの走査方向が異なる領域において、光硬化物が付加する配向規制力の方向が、各々領域の電圧印加時に液晶分子10が変化する方向であることを特徴とする付記9または10に記載の液晶表示装置。
【0132】
(付記12) 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、当該基板間に液晶層を挟持して構成し、前記一方の第1基板は、スリットを含むストライプ状電極と、配向規制構造物と、を有し、電圧無印加時において、当該ストライプ状電極の形成基板界面の液晶分子が略垂直配向となり、前記他方の第2基板側では、基板界面の液晶分子が略水平配となり、且つ、該水平配向側の基板界面の液晶分子のプレチルト角の方位角θが異なる2つの領域を有する表示装置において、前記プレチルトの方位角が、互いに対向するストイプ状電極の走査方向に対して±θ°であり、且つ
45°≦θ<90°
を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
(付記13) 上記配向分割構造において、上記水平配向側の基板2側に、プレチルトの方位角が異なる領域の境界部に沿って、導電性の構造物5を設けることを特徴とする付記12に記載の液晶表示装置。
(付記14) 上記液晶表示装置を構成する1画素内を複数の領域に分割し、各々領域におけるストライプパターンの走査方向が、他の領域におけるストライプパターンの走査方向と平行或いは垂直のいずれかであり、前記各々の領域において上記配向分割構造を形成するとともに、一方の方向に走査するストライプパターンが属する総面積と、もう一方の方向に走査するストライプパターンが属する総面積が等しいことを特徴とする付記12または13に記載の液晶表示装置。
【0133】
【発明の効果】
本発明によれば、液晶分子の方位角制御によるスイッチング方式において、配向制御力を高める構成を付加しているので、全階調にわたって高速応答特性を得ることができるともに、分割配向構造を設けることにより視野角特性も改善することができ、高表示品質の高速動作液晶表示装置の実現に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態における液晶分子の配向状態の説明図である。
【図7】 本発明の第5の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図8】 本発明の第6及び第7の実施の形態の液晶表示装置の要部平面図である。
【図9】 本発明の第8及び第9の実施の形態の液晶表示装置の要部平面図である。
【図10】 本発明の第4及び第5の実施の形態に対応する比較例の要部平面図である。
【図11】 本発明の第10の実施の形態の液晶表示装置の説明図である。
【図12】 本発明の第11の実施の形態の液晶表示装置の概念的斜視図である。
【図13】 本発明の第12の実施の形態の液晶表示装置の概念的斜視図である。
【図14】 本発明の第13の実施の形態の液晶表示装置の概念的斜視図である。
【図15】 MVA方式液晶表示装置の概念的構成図である。
【図16】 MVA方式液晶表示装置における液晶分子の傾斜方向の説明図である。
【図17】 液晶分子の傾斜の伝播の状態を示す説明図である。
【図18】 MVA方式液晶表示装置の視野角特性(0°方位,45°方位)の説明図である。
【図19】 MVA方式液晶表示装置の視野角特性(90°方位)の説明図である。
【図20】 HAN型液晶表示装置の説明図である。
【図21】 HAN型液晶表示装置における液晶分子の配向状態変化の説明図である。
【図22】 HAN型液晶表示装置における透過率−電圧特性の視野角依存性の説明図である。
【図23】 HAN型液晶表示装置における黒の透過率の視野角依存性の説明図である。
【図24】 配向分割構造のHAN型液晶表示装置の概念的斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 基板
3 ストライプ状電極
4 対向電極
5 構造物
6 構造物
7 配向規制膜
8 配向規制膜
9 液晶層
10 液晶分子
11 TFT基板
12 ストライプ状電極
13 垂直配向膜
14 対向基板
15 ITO電極
16 突起状構造物
17 水平配向膜
18 液晶分子
19 ストライプ状電極
20 電極の抜け
21 突起状構造物
22 絶縁薄層
23 絶縁薄層
24 魚の骨状電極
25 ストライプ状電極部
26 背骨状電極部
27 絶縁薄層
28 絶縁薄層
31 ストライプ状電極
32 ITO電極
33 液晶分子
34 突起状構造物
35 ストライプ状電極
36 ストライプ状電極
81 TFT基板
82 CF基板
83 突起
84 突起
85 液晶分子
86 画素
87 ゲート電極
88 ゲートバスライン
89 データバスライン
90 補助容量バスライン
91 ストライプ状電極
92 対向電極
93 液晶分子
94 ストライプ状電極
95 ストライプ状電極
96 抜きパターン

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、
    一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、
    他方の基板上には対向電極が設けられた液晶表示装置において、
    前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有するとともに、
    前記一対の基板の内の少なくとも一方の基板上に、前記ストライプ形状の走査方向とは異なる方向に走査する構造物を有し、
    電圧無印加時に液晶分子は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、
    さらに、当該ストライプ状電極を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、
    一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、
    その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極の走査方向に対して平行になる方向に変位することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、
    一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子が設けられるとともに、
    他方の基板上には対向電極が設けられた液晶表示装置において、
    前記一対の電極の内の一方の電極はストライプ形状を有し、
    電圧無印加時に液晶分子は当該ストライプ状電極を形成した基板面において略垂直配向であり、且つ、前記ストライプ状電極の走査方向とは異なる方位角方向にプレチルト角を有し、
    さらに、当該ストライプ状電極を形成した基板に対向する前記他方の基板面では略水平配向であり、
    一方、電圧印加時における液晶ダイレクタは極角方向と共に方位角方向に対しても、
    その電圧の大きさにより、前記ストライプ状電極の走査方向に対して平行になる方向に変位し、且つ、前記方位角の変位量が45°以下であるとともに、
    ストライプ状電極を有する基板上に部分的に絶縁薄層を形成したことを特徴とする液晶表示装置。
  3. 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、
    当該基板間に液晶層を挟持して構成し、
    前記一方の基板は、スリットを含むストライプ状電極と、
    配向規制構造物と、を有し、
    電圧無印加時において、
    当該ストライプ状電極の形成基板面の液晶分子が略垂直配向となり、
    前記他方の基板側では、基板界面の液晶分子が略水平配向となる表示装置において、 当該液晶層は誘電率異方性が負の液晶組成物と、
    液晶骨格を含む光硬化性の硬化物から形成した配向規制物と、を含むことを特徴とする液晶表示装置。
  4. 少なくとも一方が透明な一対の基板のうち、一方の基板上には複数の画素電極及び能動素子を配設し、他方の基板上には対向電極を設けて、
    当該基板間に液晶層を挟持して構成し、
    前記一方の第1基板は、スリットを含むストライプ状電極と、
    配向規制構造物と、を有し、
    電圧無印加時において、
    当該ストライプ状電極の形成基板面の液晶分子が略垂直配向となり、
    前記他方の第2基板側では、基板界面の液晶分子が略水平配向となり、且つ、
    該水平配向側の基板界面の液晶分子のプレチルト角の方位角θが異なる2つの領域を有する表示装置において、
    前記プレチルトの方位角が、互いに対向するストライプ状電極の走査方向に対して±θ°であり、且つ
    45°≦θ<90°
    を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
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