JP4110774B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤からなる画像を形成するプリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置に係り、特に、その画像が最終的に形成される記録用紙等の記録媒体を除電する除電装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式等を利用した画像形成装置においては、感光体等の像担持体に電子写真プロセスにより画像情報に応じて現像剤からなる画像(トナー像)を形成した後、その画像を記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写し、その後又は同時に画像を記録媒体に定着することにより、記録媒体への画像形成が行われるようになっている。この場合、画像の記録媒体への転写は、主に静電気的な作用を利用して行われており、さらに近年においては記録媒体を像担持体又は中間転写体に押し付けるような状態で通過させるロール形態等からなる接触型の転写部材を配置し、その転写部材に転写用の電圧を印加する構成からなる転写手段を用いて行われている。
【0003】
このような画像形成装置では、転写直後の記録媒体を除電(帯電電荷の低減を含む)する等の目的で除電装置を配置している。この除電装置としては、一般に前記転写部材の記録媒体送り方向下流側となる近傍位置に記録媒体とその搬送時における幅方向に沿って接近して対向し得る状態で配置される電極部材と、この電極部材に所定の除電用電圧を印加する電圧印加手段とで構成されたものが使用されている。このうち電極部材としては、通常、記録媒体と対向する先端部が鋸刃状等の尖鋭な形状からなる板状部材(いわゆる除電針)が使用されることが多い。
【0004】
ところで、この除電装置を使用する場合にあっては、その除電性能が温度及び湿度に支配される使用環境条件の変動により変化しやすく、適正な除電性能に保持することが難しいとされている。この除電性能が変動(特に低下)した場合には、除電不足により、転写直後の記録媒体が像担持体等から良好に剥離されないことや、記録媒体に転写された画像のトナーが飛び散ること等の不具合が発生してしまう。
【0005】
かかる不具合を回避するため、従来においても、例えば、環境条件に応じて除電用電圧を調整する手段(特開平9−114337号公報、特開平9−40225号公報)や、記録媒体の材料、厚み、サイズ等に応じて除電用電圧を調整する手段(特開平10−39641号公報)が提案されている。これらはいずれも、実際の画像形成時における環境条件や記録媒体条件等の違いに対応するために、主に電極部材に印加する除電用電圧に着目して除電性能の適正安定化を図ろうとしている。
【0006】
しかし、このように除電用電圧を適宜調整した場合であっても、電極部材が現像剤や放電生成物の付着により次第に汚染されて放電特性が低下するため、遂には十分な除電性能が得られずに除電不足を招き、前記したような記録媒体の剥離不良やトナーの飛び散り等の不具合が発生してしまうことがある。
【0007】
このため、例えば、前掲の特開平9−40225号公報においては、転写後における記録媒体の像担持体からの分離不良を検知する検知手段(分離検知センサ)を設け、この検知手段からの検知結果に応じて除電針の交換を促す警報を発するように構成することが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この検知手段の検知結果に応じて警報を発する解決手段では、以下のような問題がある。
【0009】
まず、実際に記録媒体の分離(剥離)不良が発生しなければ警報が出されず、その分離不良の発生やトナー飛び散り等の発生を未然に防止することができない。また、除電針の性能低下以外の要因で記録媒体の分離不良が発生した場合にも警報が発せられて除電針の交換をすることになるが、その場合には、まだ使用可能な除電針を交換せざるを得ず、不適切な交換を強いらせることになる。
【0010】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、除電用の電極部材の性能(放電性能ひいては除電性能)の変動に伴う除電不足に起因した記録媒体の剥離不良やトナーの飛び散り等の発生を未然に防ぐことができる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、現像剤からなる画像を担持する像担持体と、この像担持体上の画像を記録媒体に転写する転写手段と、この転写手段の近傍で前記記録媒体と接近して対向し得るように配置される除電用の電極部材と、この電極部材に除電用の電圧を印加する電圧印加手段とを備えた画像形成装置において、前記電極部材の未使用の段階における放電開始電圧とその使用後の所定段階における放電開始電圧とを測定し、その双方の放電開始電圧の差分に基づいて当該電極部材に関する警告表示を行う制御手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
ここで、使用後の所定段階とは、電極部材を実際に使用し始めてから所定の時間又は期間が経過した段階をさす。双方の放電開始電圧の差分は、任意に設定可能なものであるが、例えば、その差分の大小と、記録媒体の剥離不良やトナーの飛び散り等の発生有無との相関関係などを予め調べたうえで適宜設定するとよい。警告表示は、警告メッセージを画面表示できる液晶パネルのような表示手段で行うことができるが、これ以外のランプ、音声ガイド等の表示手段にて行っても構わない。電極部材に関する警告表示とは、その電極部材の放電性能ひいては除電性能の低下に対してその電極部材について取るべき事前の措置を知らせる警告である。
【0013】
また、像担持体は、感光体、中間転写体等である。転写手段は、像担持体に転写部材を接触させる接触方式の転写装置が好ましいが、これ以外の方式のものであってもよい。現像剤は潜像を現像するものであって、例えば乾式のトナーである。さらに、記録媒体は現像剤からなる画像を記録形成できるものであり、例えば各種の記録用紙、OHPシ−ト、薄紙、ハガキ、封筒等である。
【0014】
このような画像形成装置によれば、電極部材の未使用の段階における放電開始電圧とその使用後の所定段階における放電開始電圧との計測結果の差分に基づいて電極部材に関する警告表示が行われる。これにより、電極部材の実際の放電性能が低下した情報に基づく警告がなされるので、電極部材の放電性能ひいては除電性能の変動に伴う除電不足が発生する前に適切な措置対応が可能となる。
【0015】
警告表示としては、前記電極部材の清掃を促す表示又は前記電極部材の交換を促す表示のいずれか一方又は双方を行うようにすることが好ましい。清掃を促す警告表示の場合には、電極部材を交換するまでもなく清掃作業により性能の回復を回復させて不具合の発生防止が可能となり、電極部材の有効利用が可能となる。清掃を促す警告表示と交換を促す警告表示を行う場合には、例えば、その清掃を促す警告表示の判断基準となる差分の値(閾値)をその交換を促す警告表示のそれよりも小さい値に設定しておき、その差分の値が比較的小さいうちは清掃用の表示を行い、その差分の値が大きくなった段階で交換用の表示を行うように構成すればよい。
【0016】
そして、この画像形成装置における制御手段については、前記電極部材の未使用の段階における放電開始電圧の測定結果に基づいて前記電圧印加手段から印加する除電用電圧の基準値を設定するとともに、前記電極部材の使用後の所定段階における放電開始電圧の測定結果に基づいて除電用電圧の基準値を再設定するように構成するとよい。
【0017】
この場合、放電開始電圧に基づいて除電用電圧の基準値を設定するとは、その放電開始電圧をそのまま基準値として使用する場合や、予め用意しておいた初期設定時の基準値と測定された放電開始電圧とを対比し、そのときの差分が所定値以上であるときに当該初期設定基準値を放電開始電圧に置き換える場合などである。また、放電開始電圧に基づいて除電用電圧の基準値を再設定するとは、その放電開始電圧をそのまま新たな基準値として使用する場合や、直前の基準値と新たに測定された放電開始電圧とを対比し、そのときの差分が所定値以上であるときに当該直前の基準値を新たな放電開始電圧に置き換える場合などである。
【0018】
このように構成した場合には、未使用段階(新品時又は初使用前)における電極部材の寸法形状、取り付け状態等のばらつきが装置間で存在するようなことがあっても、その電極部材の実際(固有)の放電特性に基づいた除電用電圧の基準値が設定されることになるため、その設定された基準値に基づく除電用電圧を電極部材に印加することにより、予定する所望の放電特性能ひいては除電性能を得ることが可能となる。また、電極部材が使用開始されてから現像剤や放電生成物等の付着により汚染されるようなことがあっても、その所定段階における電極部材の実際(固有)の放電特性に基づいて除電用電圧の基準値が見直されて再設定されることになるため、その再設定された基準値に基づく除電用電圧を電極部材に印加することにより、初期段階と遜色のない所望の放電特性能ひいては除電性能を得ることが可能となる。
【0019】
これにより、電極部材の放電特性の適正化及び安定化が図れ、ひいては良好な除電性能が得られるようになる。これに加えて、電極部材の使用可能な期間を性能低下が発生し始めているにもかかわらずある程度延長することができ、これより前記警告表示を行う判断基準となる差分の値を大きめに設定して電極部材のライフを擬似的に伸ばして有効利用することが可能となる。
【0020】
上記各放電開始電圧の測定については、電極部材の各段階における実際の放電開始電圧を高精度に測定するように構成することも可能であるが、簡易で効率のよい測定が可能であるという観点からは、前記電極部材に測定用の電圧を印加し、その電圧印加に伴う電流値が予め特定した放電開始とみなす電流値に達した時の電圧値を放電開始電圧として測定するように構成するとよい。
【0021】
この場合、測定用の電圧の印加は、通常除電装置の電圧印加手段にて行えばよいが、それ以外の電圧印加手段により行うように構成しても構わない。また、測定用の電圧は、ゼロから一定の割合で電圧値を増加させながら印加するようにしてもよいが、測定時間の短縮化を図る観点からは、ある一定の電圧値から印加し始めて一定の割合で増加させるように印加するようにするとよい。
【0022】
また、上記各放電開始電圧の測定については、任意の時期に測定することが可能であるが、記録媒体の存在下での測定結果の誤差を排除して適正な測定が可能となる観点からは、前記記録媒体の非通過時に行うように設定するとよい。この場合、非通過時としては、測定時に記録媒体が電極部材の前後近傍に存在しない時であればよいが、好ましくは例えば、電源投入時、交換消耗部品の交換時、予め設定した画像形成回数に達した後の次の画像形成開動作(ジョブ)時等における非画像形成時期である。また、電極部材の経時的な放電性能は、急激に低下するものではなく徐々に低下する傾向にあることから、上記使用後の所定時期における放電開始電圧の測定については、必要であれば各ジョブごとのような短い周期で行ってもよいが、1日1回とか、交換消耗部品の交換時ごとというような比較的長い周期で行えば十分である。
【0023】
また、上記電極部材の使用後の経時段階における放電開始電圧を測定については、電極部材の未使用段階における放電開始電圧の測定時の環境条件と同じ条件下で行うことが好ましい。しかし、使用後の経時段階での放電開始電圧の測定を行うときの環境条件が未使用段階での放電開始電圧の測定時における環境条件と中々同じにならず、その測定が所望の時期にできないという不具合を解消する観点からは、以下のように構成するとよい。
【0024】
すなわち、環境条件の差分に応じた放電開始電圧測定用の補正係数を予め用意し、前記電極部材の使用後の所定段階における放電開始電圧の測定時の環境条件に応じた補正係数を当該電極部材の未使用段階における放電開始電圧測定時の環境条件との差分に基づいて選定し、その所定段階に測定される放電開始電圧に当該選定した補正係数を乗じて補正するように構成する。
【0025】
この場合、環境条件とは温度及び湿度で支配される使用環境の条件である。この環境条件は、例えば、湿度センサや温度センサ等の検知手段を用いて直接的に測定するか、あるいは、湿度や温度等の環境変化に伴って変化する物理量(例えば転写手段の転写部材の抵抗値)を直接若しくは間接的に測定すればよい。放電開始電圧測定用の補正係数は、例えば、未使用時期における電極部材の放電開始電圧を予め種々の環境条件のもとで測定し、その各環境条件下での測定結果を別の環境条件下の値に揃えるために必要な補正用の係数値を(対照)テーブル化して用意しておけばよい。
【0026】
さらに、以上のような画像形成装置においては、前記電極部材が、前記記録媒体と対向する側が先鋭な先端部を有する形態の電極本体と、この電極本体を保持し、その先端部への外部からの接触を防止するための保護用突出部が形成された形態の電極保持部材とからなり、この電極本体と電極保持部材が一体となって取り外し可能であるものを適用するとよい。
【0027】
この場合には、記録媒体が電極保持部材の保護用突出部に長期にわたり接触通過して磨耗することにより先鋭な角部が形成され、かかる角部と記録媒体との接触時に異常放電が起こってトナー飛び散り等が発生することがあるが、警告表示により電極部材を清掃したり交換することがあるため、その際に上記保護用突出部の状態を確認し、必要であれば電極保持部材のみ又は電極本体とともに交換することができる。これにより、上記先鋭な角度が形成されることに起因したトナー飛び散り等の発生が回避される。
【0028】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るプリンタを示すものである。
【0029】
<プリンタ全体の構成>
このプリンタは、支持フレーム、外装カバー等からなる本体1と、この本体1の内部に配置形成される作像部2、給紙部3、定着部4及び用紙搬送路5とでその主要部が構成されている。
【0030】
作像部2は、感光ドラム11、ロール式の帯電装置12、潜像形成装置13、現像装置14、ロール式の転写装置15及びクリーニング装置16等からなるものである。特に、この作像ユニット2では、図2、図3等に示すように、感光ドラム11と帯電装置12と現像装置14とクリーニング装置16とが一体化され、本体1に対して着脱自在に装着される構造のプロセスカートリッジ10として形成されており、感光ドラム11の劣化時期、現像装置14の現像剤消費済時期等の基準情報に基づいて新しいプロセスカートリッジに交換される。
【0031】
この作像部2では、円筒状の回転支持体の周面に有機光導電材料等からなる感光層が形成され、駆動モータ(図示省略)の駆動力により矢印A方向に所定の速度で回転する感光ドラム11の周面(感光層)が、帯電装置12により一様に帯電される。帯電装置12は、感光ドラム11の周面と接触した状態で回転する帯電ロールに帯電用電圧(帯電バイアス)を印加することで帯電を行うようになっている。この帯電装置12では、感光ドラム11の感光層が負帯電性であるため、帯電ロールに対して負極性の直流に交流を重畳してなる帯電バイアスを印加して帯電が行われる。
【0032】
この一様に帯電された感光ドラム11の周面には、潜像形成装置13により画像情報に応じた静電潜像が形成される。潜像形成装置13は、原稿読取装置や外部接続機器から入力される画像情報を所定の画像処理して得られる画像信号に基づいて半導体レーザ等の発光源から発する光(光ビーム)Bmを、所定の光学系部品(レンズ類、反射ミラー、回転多面鏡等)を介して感光ドラム11の周面に導き走査露光することで潜像を形成するようになっている。光Bmについては、プロセスカートリッジ10の帯電装置12と現像装置14の間に形成する間隙部10aを通過させて感光ドラム11に照射させている。
【0033】
感光ドラム11上に形成された静電潜像は、現像装置14により現像されて顕像化される。現像装置14は、トナー(T)からなる一成分現像剤を使用する一成分現像装置であり、一成分現像剤を収容する本体20の内部で回転するアジテータ等の攪拌搬送部材21で攪拌されつつ搬送される現像剤が、感光ドラム11と対向する位置で回転する現像ロール22に供給された後、その現像ロール22の周面に当接する当接ブレード23によって摩擦帯電されつつ現像ロール22上に薄層状に担持された状態に規制されてから感光ドラム11と対向する現像域まで搬送される。現像ロール21には、現像バイアス(直流に交流を重畳した電圧)を印加するようになっている。そして、その現像剤が感光ドラム11の潜像部分のみに静電的に付着し、これにより感光ドラム上に一成分現像剤からなるトナー像が形成される。ちなみに、本体20の現像ロール22の配置位置からレジロール50と対向する位置までの下面部20aは、給紙用の用紙搬送路5aの搬送ガイドとして機能するようになっている。
【0034】
このようにして作像される感光ドラム11上のトナー像は、転写装置15により、給紙部3から搬送供給される記録用紙Pに静電的に転写される。転写装置15は、感光ドラム11の周面と接触した状態で回転する転写ロール(15a)にトナーの帯電極性(この例では負極性)とは逆極性(この例では正極性)の帯電用電圧を印加した状態で、その転写ロールと感光ドラム11との間(ニップ部)に記録用紙Pを挿通させることによりトナー像の記録用紙Pへの静電転写を行うようになっている。この転写後の感光ドラム11の周面は、クリーニング装置16のクリーニングブレード16aにより残留トナー等が除去されて清掃される。
【0035】
給紙部3は、本体1に対して出し入れ可能(着脱自在でもある)に装着された用紙カセット30a,30bのトレイ31上に複数枚の記録用紙Pを積載収容し、その記録用紙Pを送出ロール31及び捌き部材(例えばリタードパッドアーム)32等により最上側から1枚ずつ順次送り出すようになっている。また、この用紙カセット30から送り出された記録用紙Pは、給紙部3と作像部2(の転写部位)の間を結ぶ給紙用の用紙搬送路5a内に配置されて回転するレジロール(対)50により一旦制止させられた後、前記転写のタイミングに合わせて送り出され、用紙搬送路5aを構成する搬送ガイド部材51に案内されつつ感光ドラム11と転写ロールの間に送り込まれる。
【0036】
作像部2の転写部位(感光ドラムと転写ロールのニップ部)においてトナー像が転写された記録用紙Pは、作像部2と定着部4の間を結ぶ中継用の用紙搬送路5b内に配置される除電装置6により除電されつつ感光ドラム11から剥離された後、用紙搬送路5bを構成する搬送ガイド部材52に案内されつつ定着部4に送り込まれる。
【0037】
定着部4は、筐体40内に圧接した状態で回転するように配置された加熱ロール41及び加圧ロール42の間(ニップ部)に記録用紙Pを通過させることでトナー像を記録用紙Pに熱定着させるようになっている。この定着部4で定着された後の記録用紙Pは、定着部4と本体1の上面側に形成された排紙トレイ部1aとを結ぶ排紙用の用紙搬送路5cを構成する搬送ガイド部材53に案内されつつ、その用紙搬送路5cの途上に配置されて回転する排出ロール(対)54により排出口1bを経て排紙トレイ部1a上に排出される。以上のプロセスにより、1枚の記録用紙Pに対する画像形成(プリント)が行われる。
【0038】
<除電装置の構成>
このプリンタにおける除電装置6は、転写ロール15aの用紙送り方向(図2の点線矢印の方向)下流側となる近傍位置に配置される除電針60と、この除電針60に除電用電圧を印加する除電用の電源装置65(図5)とで構成されている。
【0039】
除電針60は、図4に示すように、先端部61aが鋸刃状に形成された導電性材料(金属など)製の針状電極板61と、この針状電極板61を保持するための絶縁性樹脂製の電極ホルダー板62とで形成されたものであり、用紙搬送路5a、5bを構成する搬送ガイド部材51、52の転写部位に相当する位置に着脱自在にネジ止め固定されるようになっている(図3)。この際、除電針60は、針状電極板61の先端部61aが感光ドラム11の周面と所定の(最短)離間距離dで対向した位置関係に保たれるように取り付けられている。また、電極ホルダー板62については、針状電極板61の尖鋭な先端部61aへの直接の接触を防止するため、その隣り合う先端部61a同士の間に位置して先端部61aよりも突出した状態に形成された保護用突出部62aが複数形成されている。図3中の符号63は取り付けネジ、図4a中の符号62bは取り付けネジ63のネジ通し孔を示す。
【0040】
電源装置65は、図5に示すように、除電針60の針状電極板61と接続されており、この例では負極性の直流電圧を印加することができる直流電源にて構成されている。また、この電源装置65は、印加する直流電圧の値を調整できる変圧機能を有しているとともに、その電圧印加時に電極板61に流れる電流を計測できる電流計測機能(電流計)を有している。図5中の符号15bは、転写装置15の転写ロール15aに転写バイアスを印加するための転写用の電源装置である。この転写用電源装置15bについても、除電用電源装置65と同様に、直流電源にて構成されているとともに変圧機能及び電流計測機能を有している。また、符号18は本体1内の温度及び湿度を検知するための環境検知センサ、19は新しいプロセスカートリッジ10の交換装着を検知するための交換検知手段である。交換検知手段19としては、例えば、プロセスカートリッジ10側に取り付ける不揮発性メモリと、このメモリがカートリッジの装着時に接続されてそのメモリ内に格納された新品の識別情報をプリンタ本体側の制御装置7等に入力するための入出力端子部とで構成されるものが適用される。8は、各種メッセージなどを画面表示することが可能な液晶パネル式の表示装置である。
【0041】
この除電用の電源装置65及び転写用の電源装置15bは、マイクロコンピュータ等にて構成される制御装置7により、その各電源装置65、15bにおける出力タイミング、電圧値等が制御されるようになっている。
【0042】
電源装置65からの除電用電圧(Ve)の印加は、基本的に、画像形成(プリント)中に継続して行われ、その際、ある基準値に基づく電圧が印加される。この例では、除電用電圧(Ve)として、ある基準値(Vstd)に所定の補正係数k(例えばk=0.6)を乗じた電圧(k・Vstd)が実際に印加される。この例では、その基準値(Vstd)として予め設定される一定の値が使用される。電源装置15bからの転写用電圧の印加についても、ほぼ同様に、画像形成(プリント)中に継続して行われ、その際、ある基準値に基づく電圧が印加される。この除電用電圧や転写用電圧の印加は、必要であれば、記録用紙Pが除電針60や転写ロール15aを通過している時期のようにプリント中の特定の時期に印加するよう構成にしてもよい。
【0043】
この際、印加する除電用電圧や転写バイアスについては、必要に応じて、実際のプリント時の環境条件に適した転写及び除電を実現するため、環境検知センサ19から検知情報(温度及び湿度)に基づいて所定の使用環境補正係数を更に乗じたものを印加することも可能である。例えば、標準環境(常温常湿環境:22℃/55%RH。以下「N/N環境」ともいう)を基準(補正係数du=1.0)として高温高湿時や低温低湿時に必要な補正係数を適用して印加すべき除電用電圧等を調整する。具体的には、上記検知情報が高温高湿環境(28℃/85%RH。以下「H/H環境」ともいう)であれば、標準環境よりも放電しやすので1.0よりも小さい値、例えば0.9などを補正係数duとして適用して調整する。また、上記検知情報が低温低湿環境(10℃/15%RH。以下「L/L環境」ともいう)であれば、標準環境よりも放電しにくいので1.0よりも大きな値、例えば1.1などを補正係数duとして適用して調整する。この他、記録用紙Pの片面へのプリントを行う片面プリント時とその両面へのプリントを行う両面プリント時において、その印加すべき除電用電圧をプリント面に応じて予め定めた補正係数を更に乗じて調整することも可能である。また、記録用紙Pの厚み等の条件に応じた所定の補正係数を除電用電圧の基準値に乗じて補正することも可能である。
【0044】
ところで、このような除電装置6にあっては、図14に示すように、例えば除電針60の取り付け誤差により電極板61の先端部と感光体ドラム11との離間距離dが4.5mm、5.0mmのように異なると、その電圧−電流特性が相違する。すなわち、この図の結果から明らかなように、印加電圧がある一定量を超える頃になると電流が大幅に増加して放電が開始されるが、離間距離dが異なるとその放電が開始される頃の印加電圧の値が異なる。つまり、同じ電極板61であっても、感光ドラム11との離間距離dが異なると、その放電特性が異なることがわかる。このように電極板61の初期段階における放電特性が異なっている場合には、同じ除電用電圧を印加したとしても、各電極板61による除電性能が異なることとなる。
【0045】
また、この離間距離dが異なる電極板61について、新品の時と1万枚(10k枚)プリント後における電圧−電流特性を調べると、図15及び図16に示すような結果となる。この結果から、いずれの電極板61にあっても、その放電特性が経時的に低下することがわかる。また、その放電特性の低下の仕方が、各電極板61間で微妙に異なることもわかる。このように電極板61の経時的な放電特性が異なっている場合にも、同じ除電用電圧を印加したとしても、各電極板61による除電性能が異なることとなる。
【0046】
このようなことから、このプリンタにおいては、制御装置7により、除電針60の針状電極板61の未使用時における放電開始電圧(Vh1)とその使用後の所定段階における放電開始電圧(Vh2)とを測定し、その双方の放電開始電圧(Vh1、Vh2)の差分に基づいて当該電極板61に関する警告表示を行うように設定されている(図6)。
【0047】
まず、未使用時における放電開始電圧(Vh1)の測定については、図7に示すように、新品購入設置後の初めての電源投入時に、プリントジョブの開始に先立って行われる。
【0048】
すなわち、図7に示すように、新品のプリンタにおいて初めての電源投入がなされると(ステップS10)、除電用電源装置65から針状電極板61(「DTS」とも記す)に測定用の電圧(Vn)が印加され(S11)、その電圧Vnの印加に伴い針状電極板61側に流れる電流値(In)が電源装置65の電流計測機能によりモニタされ(S12)、その電流値Inの絶対値が予め特定した放電開始とみなす電流値(Ix)の絶対値に達するか否かが判断される(S13)。
【0049】
この例では、測定用電圧Vnとして初期値の「−1600V」を印加し、電流値Inが電流値Ixに達していない場合には、針状電極板61での放電が開始されていないとみなして50msec後に増加分の電圧ΔV(例えば−200V)を加えた測定用電圧Vnを新たに印加し(S14)、前記電流値Inのモニタと判定を繰り返す。電流値Ixは、放電が開始するみなし電圧を効率よく測定できる値に適宜設定すればよく、例えば−5mμAを採用する。
【0050】
電流値Inが閾値の電流値Ixに達した段階で、針状電極板61に印加した測定用電圧Vnを測定し(S15)、その測定電圧を未使用時における放電開始電圧Vh1として確定する(S16)。この確定した放電開始電圧Vh1については制御装置7の記憶部に記憶保持される。
【0051】
これにより、プリンタ(除電装置6)単位で存在し得る、針状電極板61の製造上における形状寸法の誤差や取り付け状態の誤差があっても、初期段階における針状電極板61の実際の放電開始電圧特性が明らかとなる。
【0052】
この放電開始電圧Vh1の測定は、図9に示すように、電源投入(電源ON)により、感光ドラム11が駆動モータにより回転し、その感光ドラム11が帯電装置12により帯電されるという動作のみが実行された状態下で行われ、現像ロール22への現像バイアスの印加や転写ロール15aへの転写バイアスの印加などの動作は行われない。したがって、この放電開始電圧の測定は、記録用紙Pが針状電極板61上を通過していない非通紙状態で行われるようになっている。これにより針状電極板61に印加した測定用電圧が記録用紙Pを介して他の部品に流れて正確な測定ができなくなることを回避することができる。
【0053】
また、この放電開始電圧Vh1の測定は、モニタする電流値Inが閾値の電流値Ixに達した時点で終了する。この放電開始電圧の測定が終了すると、前記した転写ロール15aのクリーニングサイクルが開始される。クリーニングサイクルは、例えば、図9に示すように、最初に転写バイアスとは逆極性(この例では負極性)の電圧が第1のクリーニング用電圧として電源装置15bから転写ロール15aに所定時間だけ印加され、しかる後、転写バイアスと同極性の電圧が第2のクリーニング用電圧として電源装置15bから転写ロール15aに所定時間だけ印加される。これにより、転写ロール15aに付着する負帯電のトナーと逆極性(正極性)に帯電したトナーとの双方を感光ドラム11側に静電的に移行させて(戻して)除去する。このようなクリーニングサイクルが終了すると、感光ドラム11の回転動作と帯電装置12の帯電動作も終了し、プリンタがプリント可能なスタンバイ状態となる。なお、放電開始電圧Vh1の測定は、このクリーニングサイクルの後に行ったり、あるいは、このクリーニングサイクルのような他の動作とは無関係に単独で行っても構わない。
【0054】
一方、使用後の所定段階における放電開始電圧(Vh2)の測定については、図8に示すように、プロセスカートリッジ10が新しいものに交換された場合に、その交換作業終了直後に行われる。
【0055】
しかも、このカートリッジ交換時における放電開始電圧Vh2の測定のために、環境条件の差分に応じた放電開始電圧測定用の補正係数(dm)が予め用意されている。これは、図17に示すように、電圧−電流特性が測定時の環境条件によって異なることを考慮して対応するものである。その補正係数dmとしては、製造前の実験等により、未使用時における電極板61の放電開始電圧Vh1について予め種々の環境条件(少なくとも標準環境、高温高湿環境、低温低湿環境など)のもとで測定し、その各環境条件下での測定結果を他の環境下での測定値に揃える(補正する)ために必要な係数値をテーブル化したものを使用する。この補正係数dmの選択は、カートリッジ交換時の放電開始電圧Vh2を測定する際の環境条件と、未使用時の放電開始電圧Vh1を測定する際の環境条件との差分に基づいて行う。
【0056】
図8に示すように、まずプロセスカートリッジ10が新品のものに交換させた否かが判断される(S20)。カートリッジ10が新品のものに交換されたことは、前記交換検知手段19の検知情報によって判明する。
【0057】
新品のカートリッジ10に交換されると、その交換時における環境条件が環境検知センサ18によって検知され(S21)、放電開始電圧測定用の補正係数dmが選択される(S22)。この補正係数dmの選択は、上記交換時における環境条件と放電開始電圧Vh1の測定時の環境条件(その測定時に検知情報を記憶保持しておく)との差分に基づいて行われる。
【0058】
続いて、前記した未使用時における放電開始電圧Vh1の測定の場合と同様に、除電用電源装置65から針状電極板61に測定用の電圧Vnが印加されて(S23)、そのときの電流値Inがモニタされ(S24)、その電流値Inの絶対値が予め特定した放電開始とみなす電流値Ixの絶対値に達するか否かが判断される(S25)。電流値Ixに達していない段階では、増加分の電圧ΔVを加えた測定用電圧Vnが新たに印加され(S16)、上記モニタと判定が繰り返される。
【0059】
電流値Inが閾値の電流値Ixに達した段階で、そのときに印加した測定用電圧Vnをカートリッジ交換時の放電開始電圧Vh2とみなして測定する(S27)。そして、その放電開始電圧Vh2に前記選択した補正係数dmを乗じて環境条件差に対する補正を行った後(S28)、その補正後の電圧値(dm・Vh2)を、カートリッジ交換時の放電開始電圧Vh2として確定する(S29)。この確定した放電開始電圧Vh2については、必要であれば制御装置7の記憶部に記憶保持される。これにより、カートリッジ交換時点における針状電極板61の実際の放電開始電圧特性が明らかとなる。
【0060】
また、このカートリッジ交換時の放電開始電圧Vh2の測定では、その測定時の環境条件と初期時の放電開始電圧Vh1の測定時の環境条件との差分に応じて測定して得られる電圧値について放電開始電圧測定用の補正係数dmを乗じて補正しているため、その初期時の放電開始電圧測定時の環境条件が再来するまで待つことなく、放電開始電圧Vh2を効率よく正確に測定することができる。
【0061】
そして、制御装置7では、図6に示すように、プロセスカートリッジ10が新品のものに交換されたことが検知されると(S30)、未使用時における放電開始電圧Vh1とカートリッジ交換時の放電開始電圧Vh2を読み出した後(S31)、その放電開始電圧Vh1、Vh2の差分(=|Vh2|−|Vh1|)を求め、その差分が予め設定した閾値Mより大きくなるか否かが判別される(S32)。
【0062】
この際、その差分が閾値Mよりも大きいと判断されると、針状電極板61の放電性能(ひいては除電性能)が低下したとみなし、表示装置8を介して必要な警告表示をする(S33)。警告表示は、除電針60の清掃を促す警告メッセージ(例えば「除電針を清掃してください」)又は除電針60の交換を促す警告メッセージ(例えば「除電針を交換してください」)が表示される。閾値Mは、例えば交換用の警告表示を行う場合には「800(V)」に設定し、また、清掃用の警告表示を行う場合には「500(V)」に設定される。
【0063】
交換用の警告表示が行われた際は、古い除電針60を取り外した後、新しい除電針60を取り付けて交換する。一方、清掃用の警告表示が行われた際は、除電針60に付着したトナー等を除去して清掃する。この清掃は、除電針60を取り付けた状態のままで行うか、あるいは取り外した状態で行う。
【0064】
この警告表示が行われた場合は、除電針60の取り付け状態等が変動している可能性があることから、その警告表示に対する処置が終了後の初めての電源投入時に、改めて前記したような未使用時における放電開始電圧Vh1の測定を行い、その値を最新の放電開始電圧Vh1として確定保持して利用する。
【0065】
表1は、このプリンタにおける除電装置6の性能の推移状態について行った実験の測定結果を示すものである。
【0066】
実験は、プリント枚数50k枚ごとに放電開始電圧Vh2を測定しつつテストプリントを行い、そのときのトナーの飛び散り及び薄紙の剥離不良の発生度合いについて調べたものである。また、実験はすべて標準環境(N/N環境)のもとで行った。針状電極板61としては、ピッチが3mmの鋸刃状に形成された先端部を有する厚さ0.1mmのステンレス板を使用した。感光ドラム11との離間距離dは4.5mmとした。テストプリントでは、所定の濃度のテスト用トナー像を形成し、転写ロール15Aの抵抗値に適した適正な転写バイアスとして約+500Vを印加した。記録用紙Pとしては、A4版サイズの薄紙(坪量:56g/m2)を使用した。
【0067】
トナーの飛び散りについては、ハーフトーン画像を紙全面にプリントしたサンプルを目視してトナー飛び散りの発生状況について調べ、「○:飛び散り未発生、△:軽微に飛び散り発生、×:飛び散り発生」という基準で評価した。また、薄紙の剥離不良については、100枚の用紙を搬送走行させたときの用紙の感光ドラムからの剥離姿勢と剥離不良の発生状況について調べ、「○:剥離不良未発生で剥離姿勢が安定、△:剥離不良未発生で剥離姿勢が不安定、×:剥離不良発生」という基準で評価した。表中の放電開始電圧は測定値である。また、DTS電流は放電開始電圧を測定したときの電流値、DTS印加電圧は電極板61に印加した一定の除電用電圧である。
【0068】
【表1】
【0069】
この表1から明らかなように、未使用時の放電開始電圧(−2500V)に対しプリント枚数が増加するにつれて放電開始電圧が徐々に変動(増加)し、プリント枚数が200k枚を超える頃になると、剥離不良やトナー飛び散りが発生するようになる。
【0070】
そこで、このような特性があることに鑑み、前記警告表示を行う際の判断基準である閾値Mについては、交換用の警告表示を行うために「800(V)」に設定し、また清掃用の警告表示を行うためには「500(V)」に設定した。この閾値Mはいずれも、放電開始電圧の差分が超えて、プリント枚数が150k枚に達する前の段階で警告表示が行われるような値であるため、剥離不良やトナー飛び散りが発生する時期(プリント枚数が200k枚を超えるとき)よりも前に、除電針60の清掃や交換を行うことが可能となる。
【0071】
[実施の形態2]
図10乃至図12は、実施の形態2に係るプリンタの要部構成を示すものである。この実施の形態に係るプリンタは、除電装置6の警告表示に関する制御内容の一部を変更した以外は実施の形態1に係るプリンタと同じ構成からなるものである。
【0072】
すなわち、このプリンタでは、制御装置7により、実施の形態1の場合と同様に除電装置6における除電針60の清掃又は交換を促す警告表示を行うか否かの判断に当たり、除電針60の針状電極板61の未使用時における放電開始電圧Vh1の測定結果に基づいて除電用電源装置65から印加する除電用電圧Veの基準値(Vstd1)を設定するとともに、その電極板61のプロセスカートリッジ交換時における放電開始電圧Vh2の測定結果に基づいて除電用電圧Veの基準値(Vstd2)を再設定し、その双方の基準値(Vstd1、Vstd2)の差分に基づいて上記電極板61に関する警告表示を行うように設定している(図10)。
【0073】
まず、電極板61の未使用時における除電用電圧Veの基準値(Vstd1)の設定は、図11のステップS10〜S16で示すように、未使用時における放電開始電圧Vh1の測定を実施の形態1の場合(図7のステップS10〜S16)と同様に行った後、その放電開始電圧Vh1を除電用電圧Veの初期段階の基準値Vstd1として設定する(S50)。この設定した基準値Vstd1については制御装置7の記憶部に記憶保持される。
【0074】
これにより、プリンタ(除電装置6)単位で存在し得る、針状電極板61の製造上における形状寸法の誤差や取り付け状態の誤差があっても、初期段階における放電開始電圧Vh1を実測してプリンタ(除電装置6)固有の除電用電圧Veの基準値Vstdを決定することにより、初期誤差に左右されることなく予定通りの放電特性ひいては除電性能を得ることが可能になる。ちなみに、このプリンタでは、次にカートリッジ交換時までの間は、その設定した基準値Vstd1に所定の係数k(例えばk=0.6)を乗じた電圧、すなわち0.6・Vstd1を除電用電圧Veとして実際に印加する。
【0075】
一方、カートリッジ交換時における除電用電圧Veの基準値(Vstd2)の設定は、図12のステップS20〜S29で示すように、カートリッジ交換時における放電開始電圧Vh2の測定を実施の形態1の場合(図8のステップS20〜S29)と同様に行った後、その放電開始電圧Vh2(補正係数dmを乗じたもの)を除電用電圧Veのカートリッジ交換時の基準値Vstd2として設定する(S60)。この再設定した基準値Vstd2については制御装置7の記憶部に初期段階の基準値に置き換えて記憶保持される。
【0076】
これにより、針状電極板61がトナー等の付着により経時的に汚染されることがあっても、プロセスカートリッジ10の交換時における放電開始電圧Vh2を実測してプリンタ(除電装置6)固有の使用後で所定の時期における除電用電圧Veの基準値Vstd2(=dm・Vh2)を決定することにより、経時変動に左右されることなく予定通りの放電特性ひいては除電性能を得ることが可能になる。ちなみに、このカートリッジ交換後においては、その再設定した基準値Vstd2に所定の係数k(例えばk=0.6)を乗じた電圧、すなわち0.6・Vstd2を除電用電圧Veとして実際に印加する。
【0077】
そして、制御装置7では、図10に示すように、プロセスカートリッジ10が新品のものに交換されたことが検知されると(S40)、未使用時における除電用電圧Veの基準値Vstd1とカートリッジ交換時の除電用電圧Veの基準値Vstd2を読み出した後(S41)、その基準値Vstd1、Vstd2の差分(=|Vstd2|−|Vstd1|)を求め、その差分が予め設定した閾値Mより大きくなるか否かが判別される(S42)。
【0078】
この際、その差分が閾値Mよりも大きいと判断されると、針状電極板61の放電性能(ひいては除電性能)が低下したとみなし、表示装置8を介して必要な警告表示をする(S43)。警告表示は、除電針60の清掃を促す警告メッセージ(例えば「除電針を清掃してください」)又は除電針60の交換を促す警告メッセージ(例えば「除電針を交換してください」)が表示される。閾値Mは、例えば交換用の警告表示を行う場合には「1500(V)」に設定し、また、清掃用の警告表示を行う場合には「1000(V)」に設定される。
【0079】
表2は、このプリンタにおける除電装置6の性能の推移状態について行った実験の測定結果を示すものである。
【0080】
この実験は、除電針(DTS)60に印加する除電用電圧Veとして、プリント枚数50k枚ごとに測定した放電開始電圧に基づいて(再)設定する各基準値(=放電開始電圧)に係数k=0.6を乗じた電圧を印加した以外は実施の形態1における実験と同じ条件で行っている。
【0081】
【表2】
【0082】
この表2から明らかなように、未使用時の放電開始電圧(−2500V)に対しプリント枚数が増加するにつれて放電開始電圧が徐々に変動(増加)するが、除電用電圧Veとして再設定する基準値にもとづく電圧を印加するようにしているため、プリント枚数が300k枚を超える頃になると、剥離不良やトナー飛び散りが発生し始めるようになる。この点、プリント枚数が200k枚を超える頃に剥離不良等が発生し始めていた実施の形態1における実験結果(表1)と比べると、その剥離不良等の発生時期を遅らせることができ、これにより、除電針60の使用可能な期間を、本来その性能低下が発生し始めているにもかかわらずある程度延長できることが確認された。
【0083】
また、このような特性があることに鑑み、前記警告表示を行う際の判断基準である閾値Mについては、交換用の警告表示を行うために「1500(V)」に設定し、また清掃用の警告表示を行うためには「1000(V)」に設定した。特に、この各警告表示を行う判断基準用の閾値Mに関しては、実施の形態1における閾値と比べると、前記した除電針60の使用可能な期間を基準値の再設定によりある程度延長できることに起因して、警告表示を行う判断基準となる差分の値を大きめに設定して電極部材のライフを擬似的に伸ばして有効利用できることが確認された。
【0084】
ここで、表2に示されるように、プリント枚数が300k枚及び350k枚において放電開始電圧が「−4000V」のままとなりプリント枚数250k枚のときの放電開始電圧と同じになっているが、これは、除電用電源装置65の電源容量の最大値が−4000Vであって、これ以上の高電圧を印加できないことによるものである。したがって、このときの放電開始電圧は放電開始とみなす電流値(Ix)の「−5μA」に達する前のものであるため、そのときに印加した除電用電圧Veは本来印加すべきものに比べて少なめの電圧になっている。
【0085】
この実施の形態2では、除電用電圧の基準値を再設定による補正をしながら除電針60の汚染による性能劣化を補うことにより剥離不良等の不具合の発生時期を遅らせ、除電針60の使用可能な時期についてもある程度延長できるが、その反面、除電用電源装置65の電源容量の最大値(VMAX)との関係から、初期時の放電開始電圧の値(基準値にも相当する)の大きさや警告表示の判断基準である閾値Mの設定内容によっては、カートリッジ交換時等における放電開始電圧の測定時に印加する測定用電圧が電源容量の最大値では足りず正確に測定することができなくなり、その結果、閾値Mを超える場面がなくなり、警告表示ができなくなるおそれもある。
【0086】
そこで、このような除電用電源装置65の電源容量を考慮しながら警告表示を行うか否かの判断を行う観点から、図13に示すように、除電用印加電圧の基準値の設定時に測定する放電開始電圧の値が電源容量の最大値(VMAX)以上になるか否かを判断し(S70)、その最大値以上である場合には、さらに放電開始電圧測定時の電流値Inが放電開始とみなす電流値Ix未満であるか否かを判断し(S71)、その電流値Ix未満であると判断された場合には、前記した各警告表示を、前記閾値Mを超えるか否かの判断結果よりも優先して行うように構成するとよい。このような警告表示の判断は、例えば、カートリッジ交換時の基準値を再設定する過程(図12のステップS27)で測定する放電開始電圧のデータを援用して並行処理するように構成する。
【0087】
ちなみに、実施の形態1、2においては、除電針60が、図3に示すように針状電極板61と電極ホルダー板62とが一体となって取り外し可能である構造を採用しているため、除電針60の交換を行う際には、電極ホルダー板62も同時に交換されることになる。
【0088】
これにより、このプリンタにおける転写部位と転写部4とを結ぶ中継用の用紙搬送路5bのように円弧状に湾曲した経路形態(C字型の経路)になっている場合には、特に、転写部から通過排出された記録用紙Pの後端部が湾曲状態で搬送される反動により転写部位を排出した直後に除電針60側に触れた状態で移動し、電極ホルダー62の保護用突出部62aに接触しながら通過しやすく、この接触通過が長期にわたり繰り返されることによって保護用突出部62aの接触部が次第に磨耗して図4b中に示す二点鎖線Cの上部側が削れてなくなり、保護突出部62aの上端部に尖鋭な角部62cが形成されることになるが、かかる角部62cが形成された電極ホルダー62も除電針60の交換と同時に新しいものに交換される。この結果、かかる角部62cと記録用紙Pとの接触時に異常放電が起こってトナー飛び散り等が発生するという不具合を回避することができる。
【0089】
なお、実施の形態1では、環境条件について環境検知センサ18により検知する場合を例示したが、この検知センサ18に代えて、湿度や温度等の環境変化に伴って変化する転写ロール15aの抵抗値を間接的に測定した結果を利用して検知するようにしてもよい。図18は、転写用電源装置15bから転写ロール15aに電圧を印加したときの電流値を調べた場合における電圧−電流特性を示すものである。この図に示すように、電圧−電流特性は各環境条件によって異なることから、電源装置15bから一定の測定用電圧を印加したときの電流値を計測すれば、環境条件を判断することができる。
【0090】
また、実施の形態1では、除電針の電極板61の経時的な放電開始電圧Vh2の測定をプロセスカートリッジ交換時に行うように設定したが、これ以外の時期に行うように設定することも可能であり、例えば、電源投入時ごとに実行するように設定してもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、除電用の電極部材の未使用段階及び所定経過段階における放電開始電圧性能の測定結果に基づいてその電極部材に関する警告表示がなされるため、かかる電極部材の放電性能ひいては除電性能の変動に伴う除電不足に起因する記録媒体の剥離不良や現像剤(トナー)のトナーの飛び散り等の発生を未然に防ぐことができる。
【0092】
したがって、このような画像形成装置にあっては、除電不足に起因した記録媒体の剥離不良や現像剤飛び散り等の不具合の発生が確実に防止され、かかる不具合の発生がない良好な画像形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係るプリンタを示す概要図。
【図2】 図1のプリンタの要部を示す拡大断面図。
【図3】 図2においてプロセスカートリッジを取り外した後の除電装置を含む部位を示す断面図。
【図4】 除電装置の除電針の構成を示すもので、(a)はその感光ドラムとの位置関係などを示す正面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図5】 除電装置などの制御系の構成を示す説明図。
【図6】 放電開始電圧の差分に基づく警告表示を行うための制御内容を示すフローチャート。
【図7】 電極板の未使用時における放電開始電圧を測定するための制御内容を示すフローチャート。
【図8】 経過段階(カートリッジ交換時)における放電開始電圧を測定するための制御内容を示すフローチャート。
【図9】 未使用時の放電開始電圧の測定時における各動作を示すタイミンチャート。
【図10】 除電用電圧の基準値の差分に基づく警告表示を行うための制御内容を示すフローチャート。
【図11】 初期段階の放電開始電圧に基づく除電用電圧の基準値を設定するための制御内容を示すフローチャート。
【図12】 経過段階(カートリッジ交換時)の放電開始電圧に基づく除電用電圧の基準値を再設定するための制御内容を示すフローチャート。
【図13】 電源装置の電源容量を考慮した警告表示を行うための制御内容を示すフローチャート。
【図14】 感光ドラムとの離間距離を異にする場合における除電針の電極部材に関する電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ図。
【図15】 新品時及び一定使用後における除電針の電極部材(d=4.5mm)に関する電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ図。
【図16】 新品時及び一定使用後における除電針の電極部材(d=5.0mm)に関する電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ図。
【図17】 測定時の環境条件が異なる場合における除電針の電極部材に関する電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ図。
【図18】 測定時の環境条件が異なる場合における転写ロールに関する電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ図。
【符号の説明】
7…制御装置(制御手段)、8…表示装置、11…感光ドラム(像担持体)、15…転写装置(転写手段)、60…除電針(電極部材)、61…針状電極板(電極本体)、62…電極ホルダー(電極保持部材)、62a…保護用突出部、65…除電用電源装置(電圧印加手段)、Vh1…未使用時の放電開始電圧、Vh2…カートリッジ交換時(使用後の所定段階)の放電開始電圧、P…記録用紙(記録媒体)。
Claims (5)
- 現像剤からなる画像を担持する像担持体と、この像担持体上の画像を記録媒体に転写する転写手段と、この転写手段の近傍で前記記録媒体と接近して対向し得るように配置される除電用の電極部材と、この電極部材に除電用の電圧を印加する電圧印加手段とを備えた画像形成装置において、
前記電極部材の未使用の段階における放電開始電圧とその使用後の所定段階における放電開始電圧とを測定し、その双方の放電開始電圧の差分に基づいて当該電極部材に関する警告表示を行う制御手段を設け、
かつ、前記電極部材が、前記記録媒体と対向する側が複数の先鋭な先端部を有する形態の電極本体と、この電極本体を保持し、その先端部への外部からの接触を防止するための保護用突出部が形成された形態の電極保持部材とからなり、この電極本体と電極保持部材が一体となって取り外し可能であるとともに、前記保護用突出部が前記電極本体の隣り合う前記先鋭な先端部どうしの間に位置して当該先端部よりも突出した状態に形成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記電極部材の未使用の段階における放電開始電圧の測定結果に基づいて前記電圧印加手段から印加する除電用電圧の基準値を設定するとともに、前記電極部材の使用後の所定段階における放電開始電圧の測定結果に基づいて除電用電圧の基準値を再設定する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記電極部材に測定用の電圧を印加し、その電圧印加に伴う電流値が予め特定した電流値に達する時の電圧値を放電開始電圧として測定する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記放電開始電圧の測定を前記記録媒体の非通過時に行う請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記警告表示として、前記電極部材の清掃を促す表示又は前記電極部材の交換を促す表示のいずれか一方又は双方を行う請求項1に記載の画像形成装置。
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