JP4108939B2 - 直交周波数分割多重信号の受信装置 - Google Patents

直交周波数分割多重信号の受信装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直交周波数分割多重信号の受信装置及び受信方式におけるクロック再生手法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図23は、従来の直交周波数分割多重信号受信装置100の構成を示すブロック図である。かかる技術は、例えば、木村他、“OFDM復調における周波数同期の検討”、テレビジョン学会技術報告、vol.20, no.53, pp.61-66, Oct. 1996に紹介されている。
【0003】
A/D変換部1は、クロック発振部9から所定の周波数を持つクロック信号を入力する。そしてこのクロック信号に基づいて、受信信号をアナログ/ディジタル変換して出力する。当該受信信号は準同期検波によって所定の周波数帯域に復調されており、例えば図示されないチューナーから出力される。例としてA/D変換部1に入力される第i番目のシンボルriが図示されている。
【0004】
副搬送波周波数補正部2は、フーリエ変換部4の出力を入力する。そしてこれに基づいて、A/D変換部1の出力信号に残留する送受信信号間の副搬送波周波数誤差を補正し、複素信号として出力する。ガード期間除去部3は、副搬送波周波数補正部2の出力を入力してガード期間に相当する信号を除去する。一般に、直交周波数分割多重信号の送信シンボルには、有効シンボルの最後部の一部をガード期間としてシンボルの先頭に付加している。そこで上記処理により、各シンボルにおける有効シンボルが出力される。
【0005】
フーリエ変換部4は、ガード期間除去部3から出力される有効シンボルに対し、所定のポイント数での離散フーリエ変換を行う。フーリエ変換部4の出力は、直交周波数分割多重信号における副搬送波毎の成分(副搬送波成分)を表すことになる。データ再生部7は、フーリエ変換部4の出力に対し、各副搬送波の変調方式に応じた復調を行う。これによって送信データが再生される。例として、第i番目のシンボルにおいて第k番目の副搬送波によって送信されたデータについてのデータ再生部7から出力si,kが図示されている。
【0006】
遅延部15は、副搬送波周波数補正部2の出力を入力し、1有効シンボル分だけ信号を遅延して出力する。ガード期間の信号は、有効シンボル期間の信号の最後に位置する一部である。従って、副搬送波の周波数誤差、サンプリングクロックの周波数誤差及び位相誤差のいずれもが無視でき、伝送路が理想伝送路とみなせて、かつ雑音を無視できる場合には、遅延部15の出力と副搬送波周波数補正部2の出力とは、同一とみなすことができる。
【0007】
正の周波数通過フィルタ部16は、遅延部15から出力される複素信号における正の周波数領域の信号を出力する。負の周波数通過フィルタ部17は、遅延部15の出力される複素信号における負の周波数領域の信号を出力する。複素乗算部18は、副搬送波周波数補正部2の出力と正の周波数通過フィルタ部16の出力との相関ベクトルを計算する。複素乗算部19は、副搬送波周波数補正部2の出力と負の周波数通過フィルタ部17の出力との相関ベクトルを計算する。
【0008】
クロック信号に周波数誤差が存在する場合、遅延部15において遅延される遅延時間は、本来の遅延時間に対して誤差を生じる。これに対応して、複素乗算部18の出力として得られる相関ベクトル、複素乗算部19の出力として得られる相関ベクトルには、それぞれ位相回転が発生する。両者の位相回転は、絶対値が同じで極性が異なる。この位相回転はクロックの周波数誤差を反映するため、これを検出し、フェーズ・ロックド・ループを採用することにより、クロックの周波数誤差を補正することができる。
【0009】
そこで、まず複素乗算部18,19の出力が、それぞれ積分部20,21によって、1シンボル内のガード期間に相当する間で積分される。そして積分部21の出力から積分部20の出力が減算部22において減算され、クロックの周波数誤差に比例したスカラー量である検出出力信号が出力される。ループフィルタ部6は検出出力信号の周波数帯域を制限して出力する。発振器制御部8は、ループフィルタ部6の出力に基づき、クロック発振部9がクロック信号の周波数を制御するために必要な制御信号形式に変換して出力する。そしてクロック発振部9は、発振器制御部8の出力に基づき発振動作を行い、A/D変換部1にクロック信号を与える。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の直交周波数分割多重信号の受信装置100では、クロック信号の周波数誤差を検出してクロック再生を行っており、クロックの位相誤差に対しては誤差が検出できないという問題点があった。
【0011】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、クロックの位相誤差を検出することにより、高精度で安定なクロック再生を行い、直交周波数分割多重信号のデータ再生後の誤り率を低減することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を求めるクロック位相誤差検出部と、記検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部とを備える。
【0013】
この発明のうち請求項2にかかるものは直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングするリサンプリング部と、前記リサンプリング部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を求めるクロック位相誤差検出部とを備える。そして、前記検出出力に基づいて前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングする。
【0014】
この発明のうち請求項3にかかるものは、直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部とを備える。そして、異なるシンボルの、かつ周波数の異なる前記複数の副搬送波成分に基づいて複数の伝送路特性が求められ、前記複数の伝送路特性間の位相に基づいて前記検出出力が求められる。
【0015】
この発明のうち請求項4にかかるものは、直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングするリサンプリング部と、前記リサンプリング部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部とを備える。そして前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいて前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングする。また異なるシンボルの、かつ周波数の異なる前記複数の副搬送波成分に基づいて複数の伝送路特性が求められ、前記複数の伝送路特性間の位相に基づいて前記検出出力が求められる。
【0016】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項1又は請求項2記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記検出出力を求めるのに用いられる前記同一シンボル中の前記複数の副搬送波成分は、直交周波数分割多重変調としてQPSK系変調が採用されるデータ送信用副搬送波である。
【0017】
この発明のうち請求項6にかかるものは、請求項5記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、少なくとも一つの対の前記データ送信用副搬送波成分が前記検出出力を求めるのに用いられ、前記少なくとも一つの対の前記データ送信用副搬送波成分同士の間隔は一定である。
【0018】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項6記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記クロック位相誤差検出部は、シンボル毎に複数のデータ送信用副搬送波成分を抽出するデータ送信用副搬送波成分抽出部と、前記複数のデータ送信用副搬送波成分から、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分を出力する隣接データ送信用副搬送波成分分離手段と、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の他方と、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、前記複素乗算結果の位相成分の絶対値を複素座標平面上で0〜π/4ラジアンに収める座標変換を行って出力する座標変換部とを有する。
【0019】
この発明のうち請求項8にかかるものは、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記座標変換部の出力の正接を求めて出力する正接計算部と、前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分間の位相を得る位相計算部と、前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部とを更に有する。
【0020】
この発明のうち請求項9にかかるものは、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記座標変換部の出力の正接を求めて出力する正接計算部と、前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部とを更に有する。
【0021】
この発明のうち請求項10にかかるものは、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記座標変換部の出力の虚部を求めて出力する虚部情報抽出部と、前記シンボル毎に前記虚部情報抽出部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める虚部平均化部とを更に有する。
【0022】
この発明のうち請求項11にかかるものは、請求項3又は請求項4に記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記検出出力はシンボル毎に、パイロット用副搬送波を用いて求められ、前記パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に一定のオフセットを持つ。
【0023】
この発明のうち請求項12にかかるものは、請求項11記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、複数のシンボルに亘って、前記オフセット分異なる少なくとも一つの対の前記パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて、前記検出出力を求めるクロック位相誤差検出部を有する。
【0024】
この発明のうち請求項13にかかるものは、請求項12記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記クロック位相誤差検出部は、シンボル毎に前記パイロット用副搬送波成分を抽出するパイロット用副搬送波成分抽出部と、前記パイロット用副搬送波成分を既知パイロットデータで除して伝送路特性成分を出力する除算部と、前記複数のシンボルに亘って、前記オフセット分異なる、少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部とを有する。
【0025】
この発明のうち請求項14にかかるものは、請求項13記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分間の位相を得る位相計算部と、前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部とを更に有する。
【0026】
この発明のうち請求項15にかかるものは、請求項13記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部とを更に有する。
【0027】
この発明のうち請求項16にかかるものは、請求項3又は請求項4記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記複数の副搬送波成分は、同期変調された副搬送波の復調の為に前記受信信号に挿入される複数のパイロット用副搬送波成分を有し、前記複数のパイロット用副搬送波成分に基づいて前記複数の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、前記複数の伝送路特性間に基づいて前記検出出力を求めるクロック位相誤差検出部とを備える。
【0028】
この発明のうち請求項17にかかるものは、請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分間の位相を得る位相計算部と、前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部とを更に有する。
【0029】
この発明のうち請求項18にかかるものは、請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部とを更に有する。
【0030】
この発明のうち請求項19にかかるものは、請求項13又は請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置であって、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の実部と前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方の虚部との積から、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の虚部と前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記他方の実部との積を差し引いて虚部情報を生成する虚部情報生成部と、前記シンボル毎に前記虚部情報の平均値を求めて前記検出出力を求める虚部平均化部とを更に有する。
【0031】
この発明のうち請求項20にかかるものは、直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部とを備える。そして前記複数の副搬送波成分が差動変調されたものである場合には、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、前記複数の副搬送波成分が同調変調されたものである場合には、複数のシンボルに亘って所定のオフセット分異なる少なくとも一つの対の特定パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、前記特定パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に前記所定のオフセットを有する。
この発明のうち請求項21にかかるものは、直交周波数分割多重信号の受信装置であって、直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングするリサンプリング部と、前記リサンプリング部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部とを備える。そして前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいて前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングする。そして前記複数の副搬送波成分が差動変調されたものである場合には、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、前記複数の副搬送波成分が同調変調されたものである場合には、複数のシンボルに亘って所定のオフセット分異なる少なくとも一つの対の特定パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、前記特定パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に前記所定のオフセットを有する。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による直交周波数分割多重信号受信装置101の構成を示すブロック図である。直交周波数分割多重信号受信装置101は、その概略として、図23で示された従来の直交周波数分割多重信号受信装置100の遅延部15、正の周波数通過フィルタ部16、負の周波数通過フィルタ部17、複素乗算部18,19、積分部20,21及び減算部22を、クロック位相誤差検出部51に置換した構成を備えている。
【0033】
具体的には、直交周波数分割多重信号受信装置101は、A/D変換部1、副搬送波周波数補正部2、ガード期間除去部3、フーリエ変換部4、データ再生部7を備えている。
【0034】
A/D変換部1は、クロック発振部9から所定の周波数を持つクロック信号を入力する。そしてこのクロック信号に基づいたタイミングでサンプリングを行い、受信信号をアナログ/ディジタル変換して出力する。当該受信信号は直交周波数分割多重された信号から準同期検波によって所定の周波数帯域に復調されており、例えば図示されないチューナーから出力される。例としてA/D変換部1に入力される第i番目のシンボルriが図示されている。
【0035】
図2は、副搬送波の周波数が完全に同期している場合の、A/D変換部1に入力される信号波形を例示するグラフである。直交周波数分割多重信号の送信シンボルには、有効シンボルの最後部の一部をガード期間としてシンボルの先頭に付加している。
【0036】
副搬送波周波数補正部2は、フーリエ変換部4の出力を入力する。そしてこれに基づいて、A/D変換部1の出力信号に残留する送受信信号間の副搬送波周波数誤差を補正し、複素信号として出力する。ガード期間除去部3は、副搬送波周波数補正部2の出力を入力してガード期間に相当する信号を除去し、各シンボルにおける有効シンボルを出力する。
【0037】
フーリエ変換部4は、ガード期間除去部3から出力される有効シンボルに対し、所定のポイント数での離散フーリエ変換を行う。フーリエ変換部4の出力は、直交周波数分割多重信号における副搬送波毎の成分(副搬送波成分)を表すことになる。例として第i番目のシンボルにおける第k番目の副搬送波成分xi,kが図示されている。
【0038】
データ再生部7は、フーリエ変換部4の出力に対し、各副搬送波の変調方式に応じた復調を行う。これによって送信データが再生される。例として、第i番目のシンボルにおいて第k番目の副搬送波によって送信されたデータについて、データ再生部7から出力si,kが図示されている。
【0039】
直交周波数分割多重信号受信装置101は更に、クロック位相誤差検出部51と、ループフィルタ部6と、発振器制御部8と、クロック発振部9を備えている。クロック位相誤差検出部51は、フーリエ変換部4の出力を入力し、1シンボル内の副搬送波成分における伝送路特性成分間の位相誤差をもとにA/D変換部1に供給されるクロック信号の位相誤差を反映する検出出力をシンボル毎に検出し、検出出力信号を出力する。例として第i番目のシンボルにおけるクロック信号の位相誤差を反映する検出出力yiが図示されている。クロック位相誤差検出部51の具体的な構成例や動作は、他の実施の形態で詳述する。
【0040】
ループフィルタ部6はクロック位相誤差検出部51から得られた検出出力信号の周波数帯域を制限して出力する。発振器制御部8は、ループフィルタ部6の出力に基づき、クロック発振部9がクロック信号の周波数を制御するために必要な制御信号形式に変換する。そしてクロック発振部9は、発振器制御部8の出力に基づき発振動作を行い、A/D変換部1にクロック信号を与える。従って、直交周波数分割多重信号受信装置101は、クロック信号の位相誤差についてフェーズ・ロックド・ループを有しているといえる。
【0041】
クロック信号に位相誤差がある場合、フーリエ変換部4に入力される信号は本来入力されるべき信号に対して時間的にずれた信号となっている。フーリエ変換の性質から、時間ドメインでの時間ずれは、周波数ドメインにおいては位相回転項として現れる。直交周波数分割多重信号受信装置101ではクロック位相誤差検出部51においてこの位相回転成分を検出することにより、クロック信号の位相誤差を検出することができる。また、クロック信号の周波数誤差についても、これを局所的には位相誤差として捉えることができるので、クロック信号の位相誤差についてフェーズ・ロックド・ループを構成することにより、クロック信号の位相及び周波数の双方を補正することができる。
【0042】
以上のようにして直交周波数分割多重信号受信装置101は、クロック信号の位相誤差についてのフェーズ・ロックド・ループを有しているので、高精度で安定なクロック再生を行い、直交周波数分割多重信号のデータ再生後の誤り率が低減される。
【0043】
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による直交周波数分割多重信号受信装置102の構成を示すブロック図である。直交周波数分割多重信号受信装置102は、その概略として、図1で示された直交周波数分割多重信号受信装置101のA/D変換部1と副搬送波周波数補正部2との間にリサンプリング部11を介挿し、発振器制御部8及びクロック制御部9をフィルタ係数出力部10に置換した構成を有している。実施の形態2では、A/D変換部1で用いるクロック信号は一定にしたままで、A/D変換部1の出力に対してデータのリサンプリングを行う。
【0044】
より詳細には、A/D変換部1、副搬送波周波数補正部2、ガード期間除去部3、フーリエ変換部4、クロック位相誤差検出部51、ループフィルタ部6、データ再生部7は実施の形態1に採用されたものと同じ機能を果たす。そしてA/D変換部1の出力はリサンプリング部11に与えられ、リサンプリング部11の出力は、フーリエ変換部4の出力と共に、副搬送波周波数補正部2に与えられる。またフィルタ係数出力部10はループフィルタ部6の出力を入力し、その出力をリサンプリング部11に与える。
【0045】
フィルタ係数出力部10は、ループフィルタ部6から得られた、周波数帯域が制限済みのクロック信号の位相誤差に対し、リサンプリングフィルタの係数値を出力する。例えばクロックの位相誤差に対して補正を行うための係数値をあらかじめルック・アップ・テーブルに格納しておき、入力信号に応じた係数を出力するようにフィルタ係数出力部10を構成すればよい。
【0046】
リサンプリング部11はリサンプリングフィルタで構成されており、フィルタ係数出力部10から得られたリサンプリングフィルタの係数値に基づき、A/D変換部1の出力に残留しているクロック信号の位相誤差の成分を補正する。これにより、位相誤差が抑制された、本来のサンプリング点の出力値が出力される。
【0047】
以上のように、実施の形態2にかかる直交周波数分割多重信号受信装置102においても、クロック信号の位相誤差についてフェーズ・ロックド・ループが構成されているので、高精度で安定なクロック再生が行われ、直交周波数分割多重信号のデータ再生後の誤り率が低減される。
【0048】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態1,2でそれぞれ示された直交周波数分割多重信号受信装置101,102で用いられるクロック位相誤差検出部51の構成を例示する。
【0049】
図4は、クロック位相誤差検出部51として採用できるクロック位相誤差検出部51aの構成を例示するブロック図である。クロック位相誤差検出部51aは副搬送波成分xi,kを入力するデータ送信用副搬送波成分抽出部500と、データ送信用副搬送波成分抽出部500の出力を入力して、データ送信用副搬送波成分の一対あるいは複数対を出力する隣接データ送信用副搬送波成分分離部501とを備えている。ここでデータ送信用副搬送波とはデータの送信に用いられる副搬送波である。そしてここでいうデータとは、例えば映像情報や音声情報など、システムが本来送信することを目的とするデータを意味する。実施の形態3ではクロック信号の位相誤差は、1シンボル毎に、データ送信用副搬送波を用いて検出される。
【0050】
図5はA/D変換部1におけるサンプリングの概念を示すグラフであり、破線はA/D変換部1に入力される受信信号の波形を示し、白丸は本来のサンプリング点、即ちクロック信号に位相誤差が無い場合のサンプリング点を示す。A/D変換部1に与えられるクロック信号に位相誤差が無い場合には、ガード期間と有効シンボル期間との境界でサンプリングが行われる。この場合には二重丸で示されたサンプリング点、即ち有効シンボル期間内にある本来のサンプリング点がフーリエ変換部4から出力される。
【0051】
しかしクロック信号に位相誤差sT(Tは有効シンボル期間であって隣接する副搬送波の周波数間隔f0の逆数、sはクロック信号の位相誤差に応じて異なる係数:進み位相を正とする)が存在した場合には、黒丸で示されるサンプリング点でサンプリングが行われる。従って、フーリエ変換部4から出力されるサンプリング点は、黒丸で示され、かつ白丸で更に囲まれたサンプリング点となり、ガード期間の波形をもデータ再生部7に与えるという望ましくない動作が生じる。
【0052】
ガード期間と有効シンボル期間との境界を位相の基準点とすると、基準点に対するクロック信号の位相誤差は、−2zπ〜2zπの範囲(z:整数)で定義できる。このとき、送信データの値をai,k、該当する副搬送波に対する伝送路の伝達関数をHi,k、フーリエ変換部4で実行される離散フーリエ変換のポイント数をNとすると、フーリエ変換部4の出力xi,kは式(1)で近似できる。
【0053】
【数1】
Figure 0004108939
【0054】
クロック信号の位相誤差を検出することは,式(1)において係数sを求めることによって実現できる。
【0055】
まずデータ送信用副搬送波成分抽出部500において、フーリエ変換部4の出力信号から、データを送信している副搬送波成分を抽出して出力する。例えばA/D変換部1に入力される第i番目のシンボルriについて、フーリエ変換部4から副搬送波成分xi,0,xi,1,…,xi,N-1が得られる。但し、副搬送波成分xi,k+1の周波数は、副搬送波成分xi,kの周波数よりも周波数間隔f0だけ高い。
【0056】
例えば副搬送波成分xi,0,xi,1,…,xi,N-1は、この順にフーリエ変換部4から出力される。これらの中からデータ送信用副搬送波の成分のみが抽出されて、隣接データ送信用副搬送波成分分離部501に与えられる。隣接データ送信用副搬送波成分分離部501は、データ送信用副搬送波成分抽出部500の出力を入力し、周波数が異なって対をなす副搬送波成分として、データ送信用第1副搬送波成分ci,k及びデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの対を少なくとも一つ出力する。ここで、データ第1送信用副搬送波成分ci,kの周波数は、データ送信用第2副搬送波成分pi,kの周波数よりも高い。
【0057】
データ第1送信用副搬送波成分ci,kの周波数fcik及びデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの周波数fpikとの差をmf0とすると(m≧1)、データ送信用副搬送波成分に関しては、式(2)が成立する。
【0058】
【数2】
Figure 0004108939
【0059】
クロック位相誤差検出部5は、共役複素数変換部502と複素乗算部503とを更に備えている。共役複素数変換部502はデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの共役複素数pi,k *を求め、複素乗算部503はデータ送信用第1副搬送波成分ci,kとデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの共役複素数pi,k *との複素乗算を行う。但し、記号の右上に付記されたアスタリスク(*)は、これが付記された複素数の共役複素数を表す。
【0060】
複素乗算部503のから出力される複素信号Ri,kは式(1),(2)に基づき、式(3)で表される。
【0061】
【数3】
Figure 0004108939
【0062】
データ送信用副搬送波の変調方式がDQPSK(Differentially Encoded Quadrature Phase Shift Keying)、π/4シフトDQPSK、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)である(本明細書ではこれらを総称して「QPSK系変調」と称す)とすると、ai,k-m *・ai,k=A2(A:信号振幅)と表される。また、mの値を小さくすることにより、データ第1送信用副搬送波成分ci,kに対応する伝送路の伝達関数Hi,k-mをデータ送信用第2副搬送波成分pi,kに対応する伝送路の伝達関数Hi,kと等しいと近似することができる。この場合、式(3)は式(4)で近似できる。
【0063】
【数4】
Figure 0004108939
【0064】
式(4)において、li,kは周波数fpikの副搬送波で変調されたデータと、周波数fcikの副搬送波で変調されたデータとの位相差を表しており、0,1,2,3のいずれかの値をとり得る。
【0065】
データ間位相差li,kの値に依存しないように係数sを検出するために、クロック位相誤差検出部5は座標変換部504を更に備えている。座標変換部504では、入力される複素信号Ri,kの位相成分の絶対値が複素座標平面上で0〜π/4ラジアンに収まるように座標軸を変換する。
【0066】
図6(a)は複素信号Ri,kの、図6(b)は複素信号R i,kの、複素座標平面でのそれぞれの位置を示すグラフである。複素信号Ri,kはデータ間位相差li,kの値に依存して4象限のいずれかの位置を占めるが、複素信号R i,kはデータ間位相差li,kの値に依存せずに、その実部及び虚部を共に正に設定することができる。
【0067】
座標変換部504は具体的には、入力される複素信号Ri,kの実部と虚部の符号と絶対値に応じて、出力する複素信号R i,kを生成する。座標変換部504の処理の具体例を下表に示す。但し、記号Reはその右隣の[]に納められた複素数の実部を、記号Imはその右隣の[]に納められた複素数の虚部を、それぞれ表す。
【0068】
【表1】
Figure 0004108939
【0069】
そして複素信号R i,kは式(5)で表される。
【0070】
【数5】
Figure 0004108939
【0071】
複素信号R i,kからクロック位相誤差についての検出出力を求めるために、クロック位相誤差検出部5は正接計算部505及び位相計算部506を更に備えている。正接計算部505は、複素信号R i,kの位相に対する正接を計算して出力する。具体的には例えば、Im[R i,k]/Re[R i,k]で求められる。そして位相計算部506は正接計算部505の出力を入力し、これに対応する位相θi,kを出力する。位相計算部506は、例えばルック・アップ・テーブルなどに正接に対応する位相を格納しておき、入力に応じた値を出力するようにすればよい。位相θi,kは式(6)で表される。
【0072】
【数6】
Figure 0004108939
【0073】
データ送信用第1副搬送波成分ci,k及びデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの対は、ある一つのシンボルriに対して副搬送波番号kを更新して複数を採用することができる。そして1シンボル期間内でkを更新して計算された位相θi,kの平均値を計算するため、クロック位相誤差検出部5は位相平均化部507を更に備えている。位相平均化部507は、位相計算部506の出力たる位相θi,kを入力し、1シンボル期間内で更新された副搬送波番号kについて平均値を計算して第i番目のシンボルにおけるクロック信号の位相誤差を反映する検出出力yiを出力する。つまり第i番目のシンボルにおけるクロック信号の位相誤差を反映する検出出力yiは、データ送信用副搬送波同士の位相差を1シンボル内で平均したものであり、明らかにその値はクロック信号の位相誤差に比例するスカラー量となる。
【0074】
しかも式(2)を満足していれば、いずれの対においてもデータ送信用副搬送波同士は同じ間隔mf0だけ離れているので、周波数間隔に応じた補正を必要としたり、同じクロック位相誤差に対してその検出値にばらつきが生じることも回避できる。
【0075】
また直交周波数分割多重変調としてQPSK系変調を採用することにより、データ送信用副搬送波成分の絶対値の大きさはいずれも等しい(式(4)、(5)ではAとして表記)ので、複素乗算結果を得る際に、データ送信用副搬送波成分の大きさで正規化する必要も無い。
【0076】
以上のように、実施の形態3によれば、1シンボル内で一対または複数対をなす副搬送波における位相差に基づき、クロック信号の位相誤差を検出する。従ってクロック再生を行うフェーズ・ロックド・ループにおいて、高精度かつ安定なクロック信号を再生することができる。
【0077】
なお、副搬送波にはデータ以外にも、復調器において信号を再生する場合に使用するパイロットや、同期用のパイロット、伝送パラメータを表すデータなど、様々な情報を送信している場合が多い。しかしパイロット用副搬送波はデータ送信用副搬送波よりもその数が少なく、また不規則な周波数位置に配置される。よってパイロット用副搬送波を用いて位相誤差を求める場合に比べ、実施の形態3ではデータ送信用副搬送波を用いて位相誤差を求めるので、高精度にクロック位相の誤差が求められる。
【0078】
データ送信用第1副搬送波成分ci,k及びデータ送信用第2副搬送波成分pi,kの対は、ある一つのシンボルriに対して一対のみ求めてもよく、その場合には位相平均化部507は不要となる。しかし、位相誤差を求める精度を高めるためには複数の上記対を求めることが望ましい。
【0079】
実施の形態4.
実施の形態4でも、クロック位相誤差検出部51として採用できるクロック位相誤差検出部51bの構成を呈示する。クロック位相誤差検出部51bではデータ送信用副搬送波ではなく、パイロット用の副搬送波(パイロット用副搬送波)、特にシンボルによって周波数位置が変化するパイロット用副搬送波を用いてクロックの位相誤差を検出する。
【0080】
図7は、クロック位相誤差検出部51bの構成を例示するブロック図である。クロック位相誤差検出部51bはパイロット用副搬送波成分抽出部511を備えており、これがフーリエ変換部4から副搬送波成分xi,kを入力し、ある種のパイロット用副搬送波成分を抽出する。
【0081】
一般に、パイロット用副搬送波はデータ送信用副搬送波に比べ、その絶対数が少ない場合が多い。従って、一般のパイロット用副搬送波を実施の形態3で示されたクロック位相誤差検出部51aに用いると、雑音の影響を受けやすい。また、一般のパイロット用副搬送波はその周波数配置が不規則な場合がある。この場合には、抽出される副搬送波の周波数間隔が一定ではないため、周波数間隔に応じた補正を必要としたり、同じクロック位相誤差に対しても検出値にばらつきが生じるという問題が生じる。更に、一定の間隔で配置されたパイロット用副搬送波を用いた場合は、検出値のばらつきは発生しないが、その間隔が大きいほど検出範囲が小さくなってしまう。
【0082】
ところが、パイロット用副搬送波のうち、同期変調された副搬送波を復調するために使用される副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定値Mf0(f0は副搬送波番号が隣接する副搬送波同士の周波数間隔)であって、かつその周波数配置がシンボル毎に一定のオフセットnf0を持つ場合がある(以下「特定パイロット用副搬送波」と称す)。図8はそのようなパイロットを含むシンボルを示す模式図であり、行毎に異なるシンボル(例えばri)が例示されている。白丸及び黒丸は副搬送波の位置を示し、右に行くほど副搬送波番号kが大きく、その対応する周波数が高い。同一シンボル内で隣接するパイロット用副搬送波の周波数間隔が12f0(即ちM=12)であり、隣接するシンボル同士ではパイロット用副搬送波のオフセットが3f0(即ちn=3)である場合が図示されている。このようなパイロットの例として、日本における地上波デジタルTV方式でのScattered Pilotを挙げることができる。
【0083】
特定パイロット用副搬送波を用いることにより、後述するようにクロック信号の位相誤差の検出範囲を広げると共に、位相誤差の検出に供される副搬送波数を増加させることができる。よってクロック信号の位相誤差の検出精度を向上することができる。
【0084】
更にQPSK系以外の多値同期変調、例えば多値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)等が用いられた場合には、抽出されるデータ送信用副搬送波の位相誤差の検出は複雑になる。一方、パイロット用副搬送波の変調方式としては通常BPSK(Binary Phase Shift Keying)やDBPSK(Differentially Encoded Binary Phase Shift Keying)が用いられ、しかもそのデータの値は既知である。このような場合にはパイロット用副搬送波を用いてクロック信号の位相誤差を検出する方が、回路規模を削減できる。
【0085】
クロック位相誤差検出部51bは除算部512を更に備え、パイロット用副搬送波成分抽出部511で抽出されたパイロット用副搬送波成分xi,k (p)を、既知パイロットデータai,k (p)で除算する。既知パイロットデータは、抽出されたパイロット用副搬送波に対応するパイロットのデータを表す既知信号である。これによりパイロット用副搬送波成分が正規化され、パイロットのデータの値によらずにクロック信号の位相誤差を求めることができる。
【0086】
副搬送波成分xi,kがパイロット用副搬送波成分xi,k (p)であった場合、これが式(1)で表されるとすれば、除算部512の出力、即ち正規化されたパイロット用副搬送波成分x i,k (p)は式(7)で表され、本明細書では「伝送路特性成分」とも称する。
【0087】
【数7】
Figure 0004108939
【0088】
伝送路特性成分x i,k (p)は、該当する副搬送波に対する伝送路特性Hi,kとクロック信号の位相誤差を反映する位相回転項exp[j2π(k/N)s]との積で表されている。
【0089】
クロック位相誤差検出部51bは伝送路特性成分メモリ部513を更に備え、伝送路特性成分x i,k (p)を少なくとも1シンボル分以上メモリに格納する。望ましくは(M/n−1)個の異なるシンボルについての伝送路特性成分を格納する。
【0090】
クロック位相誤差検出部51bは隣接伝送路特性成分分離部514を更に備え、伝送路特性成分メモリ部513の出力と、除算部512の出力とを入力し、パイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)及びパイロット用第2伝送路特性成分pi,k (p)の対を出力する。
【0091】
図9は、パイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)及びパイロット用第2伝送路特性成分pi,k (p)を得る様子を示す概念図である。黒丸はパイロットの副搬送波の位置を、白丸はそれ以外の信号の副搬送波の位置を、それぞれ示しており、除算部512、伝送路特性成分メモリ部513から得られる副搬送波は黒丸で示された位置に対応するものである。ここでは特定パイロット用副搬送波が副搬送波番号k=0,3,6,9,12,15の副搬送波の中から選択され、かつ同一パイロットにおいては特定パイロット用副搬送波同士が副搬送波番号が12個分離れている場合が図示されている。つまり図8で説明された場合と同様に同一シンボル内で隣接する特定パイロット用副搬送波の周波数間隔が12f0(即ちM=12)であり、隣接するシンボル同士では特定パイロット用副搬送波のオフセットが3f0(即ちn=3)である場合が図示されている。
【0092】
第i番目のシンボルにおいて、特定パイロット用副搬送波は副搬送波番号k=6であり、伝送路特性成分x i,6 (p)が除算部512から得られている場合を想定する。これに先立って既に除算部512からは、第(i−1)番目のシンボルについて伝送路特性成分x i-1,3 (p),x i-1,15 (p)が、第(i−2)番目のシンボルについて伝送路特性成分x i-2,0 (p),x i-2,12 (p)が、第(i−3)番目のシンボルについて伝送路特性成分x i-3,9 (p)が、それぞれ得られ、かつ伝送路特性成分メモリ部513から出力される。
【0093】
従って隣接伝送路特性成分分離部514には、x i-2,0 (p),x i-1,3 (p),x i,6 (p),x i-3,9 (p),x i-2,12 (p),x i-1,15 (p)が入力されることになり、異なるシンボルに亘ってはいるものの、特定パイロット用副搬送波のオフセットnf0ずつ異なる複数の伝送路特性成分が得られることになる。従って除算部512から第i番目のシンボルについての伝送路特性成分が得られた際に、パイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)及びパイロット用第2伝送路特性成分pi,k (p)の複数対を出力することができる。例えばci,15 (p)=x i-1,15 (p),pi,15 (p)=x i-2,12 (p)の対、ci,12 (p)=x i-2,12 (p),pi,12 (p)=x i-3,9 (p)の対、ci,9 (p)=x i-3,9 (p),pi,9 (p)=x i,6 (p)の対、ci,6 (p)=x i,6 (p),pi,6 (p)=x i-1,3 (p)の対、ci,3 (p)=x i-1,3 (p),ci,3 (p)=x i-1,3 (p),pi,3 (p)=x i-2,0 (p)の対である。
【0094】
換言すれば、除算部512から出力される現在のシンボルに対する伝送路特性成分と、伝送路特性成分メモリ部513から出力される、それ以前のシンボルの伝送路特性成分とを採用し、これらの中から選択して、周波数が互いに隣接する伝送路特性成分が対となって出力される。
【0095】
クロック位相誤差検出部51bは共役複素数変換部515を更に備え、これはパイロット用第2パイロット用伝送路特性成分pi,k (p)の共役複素数pi,k (p)*を出力する。そして第2の複素乗算部516は、共役複素数変換部515からの出力pi,k (p)*と、隣接伝送路特性成分分離部514からのパイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)との複素乗算を行う。複素乗算部516の出力Ri,k (p)は式(7)に基づき、式(8)で表される。
【0096】
【数8】
Figure 0004108939
【0097】
クロック位相誤差検出部51bは実施の形態3で採用されたものと同じ機能を果たす正接計算部505、位相計算部506、位相平均化部507を更に備えている。正接計算部505は、複素乗算部516の出力Ri,k (p)の正接(その虚部をその実部で除した値)を計算して出力する。以降の処理は実施の形態3と同様にして、第i番目のシンボルにおける検出出力yiを得ることができる。
【0098】
以上のように、本実施の形態によれば、1シンボル内に等周波数間隔で配置されかつシンボル毎にその配置がオフセットを持つ特定パイロット用副搬送波に着目し、これから得られる伝送路特性成分を複数のシンボルに亘って採用し、その中から選択される少なくとも一つの対の伝送路特性成分同士の位相差を検出する。従って同一のシンボルからのみ特定パイロット用副搬送波成分を得る場合よりも周波数間隔が小さく、従って対となる伝送路特性成分の間で伝達関数はほぼ等しいとする近似の精度も高められる。また参照する副搬送波の数を多く得ることができ、クロック再生を行うフェーズ・ロックド・ループにおいて、高精度かつ安定なクロック信号を再生することができる。
【0099】
また、同様の理由から、周波数・時間配置が不規則なパイロット用副搬送波を用いる場合に必要となる検出値のばらつきをなくし、またクロック信号の位相誤差の検出範囲を増大することができる。
【0100】
なお、図9に示されたように、隣接するシンボル間において、必ずオフセットnf0分離れた一対の伝送路特性成分が得られる場合には、伝送路特性成分メモリ部513はシンボル一つ分を格納してもよい。その場合には1シンボル当たりに一対のパイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)及びパイロット用第2伝送路特性成分pi,k (p)が得られることになり、出力位相平均化部507は不要となる。しかし、位相誤差を求める精度を高めるためには複数の上記対を求めることが望ましい。
【0101】
実施の形態5.
実施の形態5では、同期変調された副搬送波を復調する場合に用いられる伝送路推定結果の出力をもとにクロックの位相誤差を検出する。図10は、この発明の実施の形態5による直交周波数分割多重信号受信装置103の構成を示すブロック図である。その概略として、図1で示されたクロック位相誤差検出部51をクロック位相誤差検出部52に、直交周波数分割多重信号受信装置101のデータ再生部7を副搬送波復調部13に、それぞれ置換し、伝送路推定部12を追加した構成を有している。
【0102】
より詳細には直交周波数分割多重信号受信装置103は、いずれも実施の形態1に採用されたものと同じ機能を果たすA/D変換部1、副搬送波周波数補正部2、ガード期間除去部3、フーリエ変換部4、ループフィルタ部6、発振器制御部8、クロック発振器9を備えている。
【0103】
伝送路推定部12はフーリエ変換部4から副搬送波成分xi,kを入力し、同期変調された副搬送波を復調するために挿入されているパイロットの副搬送波成分をもとに、伝送路の特性を推定する。図11は伝送路推定部12の構成を例示するブロック図である。実施の形態4と同様にして伝送路特性成分x i,k (p)を得るための、パイロット用副搬送波成分抽出部511、除算部512が伝送路推定部12に備えられている。
【0104】
除算部512から伝送路特性成分x i,k (p)が得られる際には、既に第(i−1)番目以前の複数のシンボルについての伝送路特性成分が得られている。これらを格納するために伝送路特性成分メモリ部513も設けられている。そして第i番目以前の複数のシンボルについての伝送路特性成分が内挿部519に与えられる。
【0105】
内挿部519では、特定パイロット用副搬送波について得られた伝送路特性成分を時間方向及び周波数方向について内挿を用いた近似によって、特定パイロット用副搬送波以外の副搬送波についての伝送路特性成分を推定する。これにより全ての副搬送波についての伝送路特性成分hi,kが出力される。上記内挿のため、伝送路特性成分メモリ部513は(M/n)個の異なるシンボルについての伝送路特性成分を格納することが望ましい。
【0106】
副搬送波復調部13は、フーリエ変換部4から出力される副搬送波成分xi,kを、伝送路特性hi,kに基づいて復調し、再生データsi,kを出力する。具体的にはsi,k=xi,k/hi,kで求めることができる。
【0107】
上記のようにして得られた伝送路特性hi,0〜hi,K(0≦k≦K)は、クロック位相誤差検出部52に与えられ、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力yiが出力される。図12はクロック位相誤差検出部52に採用できるクロック位相誤差検出部52aの構成を示すブロック図である。クロック位相誤差検出部52aはクロック位相誤差検出部51bからパイロット用副搬送波成分抽出部511、除算部512、伝送路特性成分メモリ部513を除いた構成を有している。
【0108】
具体的にはクロック位相誤差検出部52aは隣接伝送路特性成分分離部514を有しており、伝送路特性hi,0〜hi,Kから第1副搬送波伝送路特性成分ci,k (h)及び第2副搬送波伝送路特性成分pi,k (h)の対を少なくとも一つ出力する。ここで、第1副搬送波伝送路特性成分ci,k (h)の周波数は、第2副搬送波伝送路特性成分pi,k (h)の周波数よりも高い。例えばci,k1 (h)=hi,k1,pi,k1 (h)=hi,k1-t(1≦t≦k1)に選択することができる。但し実施の形態1においてmを小さくするほど位相誤差を精度良く求めやすいのと同様に、tは小さい方が望ましい。
【0109】
クロック位相誤差検出部52aは更に共役複素数変換部515、複素乗算部516、正接計算部505、位相計算部506、位相平均化部507を備え、これらはそれぞれ実施の形態3に示された機能を果たす。即ち、共役複素数変換部515は第2副搬送波伝送路特性成分pi,k (h)の共役複素数pi,k (h)*を出力する。そして複素乗算部516において第1副搬送波伝送路特性成分ci,k (h)と共役複素数pi,k (h)*との複素乗算が行われ、複素信号Ri,k (h)が出力される。これから正接計算部505、位相計算部506によって位相θi,kが求められ、更にその副搬送波番号kについての平均が位相平均化部507によって計算されて第i番目のシンボルについての検出出力yiが求められる。
【0110】
以上のように、本実施の形態によれば、同期変調された副搬送波の復調時に必要となる伝送路推定部の出力として得られる伝送路特性をもとに、クロック信号の位相誤差を検出する。従って、参照する副搬送波の数を任意に増加することができる。そしてクロック信号の位相誤差を、パイロット用副搬送波成分の値によらずに求めることができる。これによりクロック再生を行うフェーズ・ロックド・ループにおいて、高精度かつ安定なクロック信号を再生することができる。またクロック信号の位相誤差の検出範囲を増大することができる。
【0111】
なお、本実施の形態で採用されるべきパイロット用副搬送波は、実施の形態5で採用される特定パイロット用副搬送波のような「1シンボル内に等周波数間隔で配置されかつシンボル毎にその配置がオフセットを持つ」という特性を備えることは、必ずしも要求されない。同期変調された副搬送波の復調時に通常用いられる、伝送路推定部の出力を採用してクロック信号の位相誤差を求めるからである。
【0112】
また、本実施の形態ではクロック位相誤差検出部52aが出力する検出出力yiに基づいてクロック発振部9のクロック信号を制御する直交周波数分割多重信号受信装置103を例示したが、実施の形態2に示される直交周波数分割多重信号受信装置102のように、フィルタ係数出力部10及びリサンプリング部11を用いてもよい。
【0113】
実施の形態6.
実施の形態6では、副搬送波の変調方式として同期変調と差動変調が混在する場合のクロック信号の位相誤差を検出する技術を呈示する。但し、ここでいう差動変調とは、DQPSKやπ/4シフトDQPSKを、また同期変調はQPSKや多値QAMを意味する。
【0114】
図13は、この発明の実施の形態6による直交周波数分割多重信号受信装置104の構成を示すブロック図である。直交周波数分割多重信号受信装置104は直交周波数分割多重信号受信装置101においてクロック位相誤差検出部51をクロック位相誤差検出部53に置換し、また変調方式識別情報デコード部14を追加した構成を有している。
【0115】
変調方式識別情報デコード部14は、フーリエ変換部4から副搬送波成分xi,kを入力し、副搬送波の中に挿入されている各副搬送波の変調方式を識別するための情報を再生する。これにより、各々の副搬送波についての変調方式が差動変調であるか同期変調であるかを表す変調方式識別信号Dを出力する。クロック位相誤差検出部53では、変調方式識別信号Dに応じてクロック信号の位相誤差検出を行う。
【0116】
図14はクロック位相誤差検出部53に採用できるクロック位相誤差検出部53aの構成を示すブロック図である。クロック位相誤差検出部53aは複素信号R i,kを得るために実施の形態3で示されたクロック位相誤差検出部51aが備えていた、データ送信用副搬送波成分抽出部500、隣接データ送信用副搬送波成分分離部501、共役複素数変換部502、複素乗算部503、座標変換部504を備えている。そして複素信号R i,kは信号選択部522の一方の入力となっている。
【0117】
またクロック位相誤差検出部53aは複素信号Ri,k (p)を得るために実施の形態4で示されたクロック位相誤差検出部51bが備えていた、パイロット用副搬送波成分抽出部511、除算部512、伝送路特性成分メモリ部513、隣接伝送路特性成分分離部514、共役複素数変換部515、複素乗算部516を備えている。そして出力Ri,k (p)は信号選択部522の他方の入力となっている。
【0118】
更に、クロック位相誤差検出部53aは信号選択部522の出力が与えられる正接計算部505、正接計算部505の出力が与えられる位相計算部506、位相計算部506から位相θi,kを得て検出出力yiを出力する位相平均化部507を備えている。
【0119】
そしてクロック位相誤差検出部53aは変調方式識別信号Dによって2入力から一つを選択して出力する信号選択部522を備えている。従ってクロック位相誤差検出部53aは、信号選択部522からの出力に応じて、実施の形態3で示されたクロック位相誤差検出部51a(図4)、実施の形態4で示されたクロック位相誤差検出部51b(図7)のいずれかの機能を果たす。
【0120】
信号選択部522は、変調方式識別信号Dが、副搬送波成分xi,kが差動変調されていると判断した場合には座標変換部504の出力R i,kを、副搬送波成分xi,kが同期変調されていると判断した場合には複素乗算部516の出力Ri,k (p)を、それぞれ選択して出力する。
【0121】
以上のように、本実施の形態では副搬送波の変調方式に応じてクロック信号の位相誤差を検出する。従って本実施の形態によれば、差動変調と同期変調が混在するような直交周波数分割多重信号を受信する際に高精度なクロック再生を実現することができる。
【0122】
なお、本実施の形態ではクロック位相誤差検出部53aが出力する検出出力yiに基づいてクロック発振部9のクロック信号を制御する直交周波数分割多重信号受信装置104を例示したが、実施の形態2に示される直交周波数分割多重信号受信装置102のように、フィルタ係数出力部10及びリサンプリング部11を用いてもよい。
【0123】
実施の形態7.
実施の形態7は実施の形態3乃至実施の形態6の変形である。
【0124】
図15は実施の形態7のうち、実施の形態3の変形を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部51cの構成を示す。クロック位相誤差検出部51cは、図4に示されたクロック位相誤差検出部51aの位相計算部506、位相平均化部507を正接平均化部508に置換した構成を有している。クロック位相誤差検出部51cも、直交周波数分割多重信号受信装置101,102が備えるクロック位相誤差検出部51として採用することができる。
【0125】
図16は実施の形態7のうち、実施の形態4の変形を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部51dの構成を示す。クロック位相誤差検出部51dは、図7に示されたクロック位相誤差検出部51bの位相計算部506、位相平均化部507を正接平均化部508に置換した構成を有している。クロック位相誤差検出部51dも、直交周波数分割多重信号受信装置101,102が備えるクロック位相誤差検出部51として採用することができる。
【0126】
図17は実施の形態7のうち、実施の形態5の変形を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部52bの構成を示す。クロック位相誤差検出部52bは、図12に示されたクロック位相誤差検出部52aの位相計算部506、位相平均化部507を正接平均化部508に置換した構成を有している。クロック位相誤差検出部52bも、直交周波数分割多重信号受信装置103が備えるクロック位相誤差検出部52として採用することができる。
【0127】
図18は実施の形態7のうち、実施の形態6の変形を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部53bの構成を示す。クロック位相誤差検出部53’は、図14に示されたクロック位相誤差検出部53aの位相計算部506、位相平均化部507を正接平均化部508に置換した構成を有している。クロック位相誤差検出部53bも、直交周波数分割多重信号受信装置104が備えるクロック位相誤差検出部53として採用することができる。
【0128】
正接平均化部508は、正接計算部505の出力を入力とし、1シンボル期間内に計算された位相情報の正接の平均値を計算する。その結果はクロック信号の位相誤差を反映するスカラー量となるので、これを第i番目のシンボルについての検出出力yiとして扱うことができる。
【0129】
以上のように、本実施の形態では正接計算部505の出力を1シンボル期間平均化したものをクロック位相誤差検出部51,52,53の出力yiとする。従って、正接から位相を求める必要が無く、回路規模を削減することができる。
【0130】
実施の形態8.
実施の形態8は、実施の形態3の変形としての実施の形態7の、更に変形である。図19はクロック位相誤差検出部51eの構成を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部51eは直交周波数分割多重信号受信装置101,102が備えるクロック位相誤差検出部51として採用することができる。
【0131】
クロック位相誤差検出部51eは図15に示されたクロック位相誤差検出部51cの正接計算部505、正接平均化部508を、それぞれ虚部情報抽出部509、虚部平均化部510に置換した構成を有している。
【0132】
クロック位相誤差検出部51eはクロック位相誤差検出部51a,51cと同様にして、座標変換部から複素信号R i,kを得る。そして虚部情報抽出部509は複素信号R i,kの虚部Im[R i,k]を出力する。これはクロック位相誤差検出部51a,51cの正接計算部505の出力に複素信号R i,kの実部Re[R i,k]を乗じたものに相当する。虚部平均化部510は虚部Im[R i,k]を、副搬送波番号kについての平均をとって出力する。その結果はクロック信号の位相誤差を反映するスカラー量となるので、これを第i番目のシンボルについての検出出力yiとして扱うことができる。
【0133】
以上のように、本実施の形態では、虚部情報の1シンボルの平均値をクロック位相誤差検出部51の出力とする。従って、正接や位相を求める必要が無く、回路規模を削減することができる。
【0134】
実施の形態9.
実施の形態9は、実施の形態4の変形としての実施の形態7の、更に変形である。図20はクロック位相誤差検出部51fの構成を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部51fは直交周波数分割多重信号受信装置101,102が備えるクロック位相誤差検出部51として採用することができる。
【0135】
クロック位相誤差検出部51fは図16に示されたクロック位相誤差検出部51dの共役複素数変換部515、複素乗算部516、正接計算部505、正接平均化部508を虚部情報生成用乗算部517、虚部平均化部510に置換した構成を有している。
【0136】
クロック位相誤差検出部51fはクロック位相誤差検出部51b,51dと同様にして、隣接伝送路特性成分分離部514からパイロット用第1伝送路特性成分ci,k (p)及びパイロット用第2伝送路特性成分pi,k (p)を得る。虚部情報生成用乗算部517は、これらを入力し、式(9)に基づいて虚部情報qi,k (p)を計算して出力する。
【0137】
【数9】
Figure 0004108939
【0138】
つまり虚部情報qi,k (p)は、クロック位相誤差検出部51b,51dにおいて正接計算部505から得られる正接の値に(Re[ci,k (p)]・Re[pi,k (p)]+Im[ci,k (p)]・Im[pi,k (p)])を乗じた値である。虚部平均化部510は虚部情報qi,k (p)を、副搬送波番号kについての平均をとって出力する。その結果はクロック信号の位相誤差を反映するスカラー量となるので、これを第i番目のシンボルについての検出出力yiとして扱うことができる。
【0139】
以上のように、本実施の形態では、虚部情報の1シンボルの平均値をクロック位相誤差検出部51の出力とする。従って、複素乗算のように(Re[ci,k (p)]・Re[pi,k (p)]+Im[ci,k (p)]・Im[pi,k (p)])を求める必要は無く、正接や位相を求める必要も無く、回路規模を削減することができる。
【0140】
実施の形態10.
実施の形態10は実施の形態5の変形としての実施の形態7の、更に変形である。図21はクロック位相誤差検出部52cの構成を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部52cは直交周波数分割多重信号受信装置103が備えるクロック位相誤差検出部52として採用することができる。
【0141】
クロック位相誤差検出部52cは図17に示されたクロック位相誤差検出部52bの共役複素数変換部515、複素乗算部516、正接計算部505、正接平均化部508を虚部情報生成用乗算部517、虚部平均化部510に置換した構成を有している。
【0142】
クロック位相誤差検出部52cはクロック位相誤差検出部52a,52bと同様にして、隣接伝送路特性成分分離部514から第1伝送路特性成分ci,k (h)及び第2伝送路特性成分pi,k (h)を得る。虚部情報生成用乗算部517は、これらを入力し、式(10)に基づいて虚部情報qi,k (h)を計算して出力する。
【0143】
【数10】
Figure 0004108939
【0144】
つまり虚部情報qi,k (h)は、クロック位相誤差検出部52a,52bにおいて正接計算部505から得られる正接の値に(Re[ci,k (h)]・Re[pi,k (h)]+Im[ci,k (h)]・Im[pi,k (h)])を乗じた値である。虚部平均化部510は虚部情報qi,k (h)を、副搬送波番号kについての平均をとって出力する。その結果はクロック信号の位相誤差を反映するスカラー量となるので、これを第i番目のシンボルについての検出出力yiとして扱うことができる。
【0145】
以上のように、本実施の形態では、虚部情報の1シンボルの平均値をクロック位相誤差検出部51の出力とする。従って、複素乗算のように(Re[ci,k (h)]・Re[pi,k (h)]+Im[ci,k (h)]・Im[pi,k (h)])を求める必要は無く、正接や位相を求める必要も無く、回路規模を削減することができる。
【0146】
実施の形態11.
実施の形態11は実施の形態6の変形としての実施の形態7の、更に変形である。図22はクロック位相誤差検出部53cの構成を示すブロック図であり、クロック位相誤差検出部53cは直交周波数分割多重信号受信装置104が備えるクロック位相誤差検出部53として採用することができる。
【0147】
クロック位相誤差検出部53cは図18に示されたクロック位相誤差検出部53bの正接計算部505、正接平均化部508を虚部情報抽出部509、虚部平均化部510に置換した構成を有している。
【0148】
従って、変調方式識別信号Dによって信号選択部522が座標変換部504の出力R i,kを出力した場合には、実施の形態8と同様にしてIm[R i,k]が虚部平均化部510に与えられる。また変調方式識別信号Dによって信号選択部522が複素乗算部516の出力Ri,k (p)を出力した場合には、実施の形態9と同様にして虚部情報qi,k (p)が虚部平均化部510に与えられる。
【0149】
以上のように、本実施の形態では、虚部情報の1シンボル平均値をクロック位相誤差検出部5の出力とする。従って正接または位相を求める回路が不要となり、回路規模を削減することができる。
【0150】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1乃至請求項4にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、クロック信号の位相誤差についてのフェーズ・ロックド・ループを有しているので、高精度で安定なクロック再生を行うことができる。またクロック信号の周波数誤差も局所的には位相誤差としてみなすことができる。従って、直交周波数分割多重信号のデータ再生後の誤り率が低減される。
【0151】
しかも、クロック信号の位相誤差を求めるための副搬送波の数を多く採用することができ、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力が高精度に求められる。
【0152】
この発明のうち請求項5にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、データ送信用副搬送波成分の絶対値の大きさはいずれも等しいので、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を求める際に、データ送信用副搬送波成分の大きさで正規化する必要が無い。
【0153】
この発明のうち請求項6にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、周波数間隔に応じた補正を必要としたり、同じクロック信号の位相誤差に対してその検出値にばらつきが生じることを回避できる。
【0154】
この発明のうち請求項7にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を、データ送信用副搬送波成分のデータ同士の位相差によらずに求めることができる。
【0155】
この発明のうち請求項8にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、座標変換された複素乗算結果に基づいて、クロック信号の位相誤差を求めることができる。
【0156】
この発明のうち請求項9にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、データ送信用副搬送波成分に基づく位相を求める必要がない。
【0157】
この発明のうち請求項10にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、データ送信用副搬送波成分に基づく正接や位相を求める必要がない。
【0158】
この発明のうち請求項11にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、クロック信号の位相誤差は、1シンボル毎に、周波数・時間配置が規則的なパイロット用副搬送波を用いて求められるので、周波数・時間配置が不規則なパイロット用副搬送波を用いて位相差を検出する場合に比べ、高精度にクロック信号の位相誤差が求められる。
【0159】
この発明のうち請求項12にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を、1シンボル毎に、パイロット用副搬送波を用いて求めることができ、位相誤差を求めるための副搬送波の数を多く採用することができる。
【0160】
この発明のうち請求項13、請求項14にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、クロック信号の位相誤差を、パイロット用副搬送波成分の値によらずに求めることができる。
【0161】
この発明のうち請求項15にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、複素乗算結果に基づく位相を求める必要がない。
【0162】
この発明のうち請求項16、請求項17にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、同期変調された副搬送波の復調の為に通常用いられる伝送路推定部の出力を採用して、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力が求められる。またクロック信号の位相誤差を求めるための副搬送波の数を多く採用することができ、クロック信号の位相誤差を反映する検出出力が高精度に求められる。
【0163】
この発明のうち請求項18にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、複素乗算結果に基づく位相を求める必要がない。
【0164】
この発明のうち請求項19にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、複素乗算や正接、位相を求める必要がない。
【0165】
この発明のうち請求項20、請求項21にかかる直交周波数分割多重信号の受信装置によれば、差動変調と同期変調が混在するような直交周波数分割多重信号を受信する際に高精度なクロック再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の動作を示すグラフである。
【図3】 この発明の実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の動作を示すグラフである。
【図6】 この発明の実施の形態3の動作を示すグラフである。
【図7】 この発明の実施の形態4の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態4の動作を示す模式図である。
【図9】 この発明の実施の形態4の動作を示す概念図である。
【図10】 この発明の実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態5の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態6の構成を示すブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態6の構成を示すブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図17】 この発明の実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態7の構成を示すブロック図である。
【図19】 この発明の実施の形態8の構成を示すブロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態9の構成を示すブロック図である。
【図21】 この発明の実施の形態10の構成を示すブロック図である。
【図22】 この発明の実施の形態11の構成を示すブロック図である。
【図23】 従来の技術の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
i,k (p) 既知パイロットデータ、ci,k データ送信用第1副搬送波成分、pi,k データ送信用第2副搬送波成分、ci,k (p) パイロット用第1伝送路特性成分、pi,k (p) パイロット用第2伝送路特性成分、ci,k (h) 第1副搬送波伝送路特性成分、pi,k (h) 第2副搬送波伝送路特性成分、Ri,k,R i,k 複素信号、xi,k 副搬送波成分、yi 検出出力、θi,k 位相。

Claims (21)

  1. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、
    同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を求めるクロック位相誤差検出部と、
    記検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部と
    を備える直交周波数分割多重信号の受信装置。
  2. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングするリサンプリング部と、
    前記リサンプリング部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と
    同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力を求めるクロック位相誤差検出部と
    を備え、
    記検出出力に基づいて前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングする、直交周波数分割多重信号の受信装置。
  3. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、
    前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部と
    を備え、
    異なるシンボルの、かつ周波数の異なる前記複数の副搬送波成分に基づいて複数の伝送路特性が求められ、
    前記複数の伝送路特性間の位相に基づいて前記検出出力が求められる、直交周波数分割多重信号の受信装置。
  4. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングするリサンプリング部と、
    前記リサンプリング部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と
    を備え、
    前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいて前記アナログ/ディジタル変換部の出力をリサンプリングし、
    異なるシンボルの、かつ周波数の異なる前記複数の副搬送波成分に基づいて複数の伝送路特性が求められ、
    前記複数の伝送路特性間の位相に基づいて前記検出出力が求められる、直交周波数分割多重信号の受信装置。
  5. 前記検出出力を求めるのに用いられる前記同一シンボル中の前記複数の副搬送波成分は、直交周波数分割多重変調としてQPSK系変調が採用されるデータ送信用副搬送波である、請求項1又は請求項2記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  6. 少なくとも一つの対の前記データ送信用副搬送波成分が前記検出出力を求めるのに用いられ、
    前記少なくとも一つの対の前記データ送信用副搬送波成分同士の間隔は一定である、請求項5記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  7. 前記クロック位相誤差検出部は、
    シンボル毎に複数のデータ送信用副搬送波成分を抽出するデータ送信用副搬送波成分抽出部と、
    前記複数のデータ送信用副搬送波成分から、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分を出力する隣接データ送信用副搬送波成分分離手段と、
    前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、
    前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の他方と、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、
    前記複素乗算結果の位相成分の絶対値を複素座標平面上で0〜π/4ラジアンに収める座標変換を行って出力する座標変換部と
    を有する、請求項6記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  8. 前記座標変換部の出力の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対のデータ送信用副搬送波成分間の位相を得る位相計算部と、
    前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部と
    を更に有する、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  9. 前記座標変換部の出力の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部と
    を更に有する、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  10. 前記座標変換部の出力の虚部を求めて出力する虚部情報抽出部と、
    前記シンボル毎に前記虚部情報抽出部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める虚部平均化部と
    を更に有する、請求項7記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  11. 前記検出出力はシンボル毎に、パイロット用副搬送波を用いて求められ、
    前記パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に一定のオフセットを持つ、請求項3又は請求項4に記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  12. 複数のシンボルに亘って、前記オフセット分異なる少なくとも一つの対の前記パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて、前記検出出力を求めるクロック位相誤差検出部
    を有する、請求項11記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  13. 前記クロック位相誤差検出部は、
    シンボル毎に前記パイロット用副搬送波成分を抽出するパイロット用副搬送波成分抽出部と、
    前記パイロット用副搬送波成分を既知パイロットデータで除して伝送路特性成分を出力する除算部と、
    前記複数のシンボルに亘って、前記オフセット分異なる、少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部と
    を有する、請求項12記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  14. 前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、
    前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分間の位相を得る位相計算部と、
    前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部と
    を更に有する、請求項13記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  15. 前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、
    前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部と
    を更に有する、請求項13記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  16. 前記複数の副搬送波成分は、同期変調された副搬送波の復調の為に前記受信信号に挿入される複数のパイロット用副搬送波成分を有し、
    前記複数のパイロット用副搬送波成分に基づいて前記複数の伝送路特性を推定する伝送路推定部と、
    前記複数の伝送路特性間に基づいて前記検出出力を求めるクロック位相誤差検出部と
    を備える、請求項3又は請求項4記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  17. 少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、
    前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記正接計算部の出力から、前記シンボルにおいて、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分間の位相を得る位相計算部と、
    前記シンボル毎に前記位相の平均値を求めて前記検出出力を求める位相平均化部と
    を更に有する、請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  18. 少なくとも一つの対の前記伝送路特性成分を出力する隣接伝送路特性成分分離部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の共役複素数信号を出力する共役複素数変換部と、
    前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方と、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の前記共役複素数信号との複素乗算結果を出力する複素乗算部と、
    前記複素乗算結果の正接を求めて出力する正接計算部と、
    前記シンボル毎に前記正接計算部の出力の平均値を求めて前記検出出力を求める正接平均化部と
    を更に有する、請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  19. 前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の一方の実部と前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の他方の虚部との積から、前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記一方の虚部と前記少なくとも一つの対の伝送路特性成分の前記他方の実部との積を差し引いて虚部情報を生成する虚部情報生成部と、
    前記シンボル毎に前記虚部情報の平均値を求めて前記検出出力を求める虚部平均化部と
    を更に有する、請求項13又は請求項16記載の直交周波数分割多重信号の受信装置。
  20. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、
    前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部と
    を備え、
    前記複数の副搬送波成分が差動変調されたものである場合には、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、
    前記複数の副搬送波成分が同調変調されたものである場合には、複数のシンボルに亘って所定のオフセット分異なる少なくとも一つの対の特定パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、
    前記特定パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に前記所定のオフセットを有する、直交周波数分割多重信号の受信装置。
  21. 直交周波数分割多重された信号から所定の周波数帯域に復調された受信信号を、クロック信号に基づくタイミングでサンプリングするアナログ/ディジタル変換部と、
    前記アナログ/ディジタル変換部の出力に基づいて複数の副搬送波成分を求めるフーリエ変換部と、
    前記複数の副搬送波成分から求められる前記クロック信号の位相誤差を反映する検出出力に基づいてクロック信号を出力するクロック発振部と
    を備え、
    前記複数の副搬送波成分が差動変調されたものである場合には、同一のシンボル中の前記複数の副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、
    前記複数の副搬送波成分が同調変調されたものである場合には、複数のシンボルに亘って所定のオフセット分異なる少なくとも一つの対の特定パイロット用副搬送波成分間の位相に基づいて前記検出出力を求め、
    前記特定パイロット用副搬送波は、同一シンボル内の周波数間隔が一定であってかつその周波数配置がシンボル毎に前記所定のオフセットを有する、直交周波数分割多重信号の受信装置。
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