JP4107930B2 - プレスフィット接合配線基板及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に組み込まれるプレスフィット接合配線基板に関し、特に、自動車などの車両に搭載され、高温環境下で使用される電子制御装置内における配線基板に設けられたスルーホールにプレスフィット端子を圧入して電気接合する場合に、端子圧入による配線基板への影響を抑制するようにしたプレスフィット接合配線基板に関し、さらに、該プレスフィット接合配線基板を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車などの車両内には、エンジン等の設置機器に対する制御を行うECUと呼ばれる電子制御装置が、各種制御対象の機能毎に、一つのユニットとしてまとめられて複数搭載されている。各ECUは、各センサで検出された電子情報に基づいて動作するマイクロコンピュータなどを含み、論理的な制御演算を行う制御回路部分と、演算結果に従って制御対象を駆動するアクチュエータなどの外部への電力制御を行うパワー回路部分とを有している(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
そこで、特許文献1に開示されている従来から使用されている電子制御装置の概略的な組み立て構成について、図3に示した。この電子制御装置1としての主要部分は、コネクタケースを一体成形したコネクタ一体樹脂ケース2内に収納される。制御用コネクタ3及びパワー用コネクタ4、5は、コネクタ一体樹脂ケース2の側面の1つに集められて備えられる。これによって、電子制御装置1への外部との電気接続を、一つの方向からのみ行うことができる構成になっている。
【0004】
コネクタ一体樹脂ケース2内には、制御回路部分とパワー回路部分とが収納される。パワー回路部分としては、複数のパワー電子部品6、7等が含まれ、これらのパワー電子部品を搭載しているモジュール部に、接続用端子8、9とが装着されている。この接続用端子8、9は、制御回路部分に含まれる制御基板10との電気的接続に用いられる。ここで、制御基板10は、コネクタ一体樹脂ケース2の上面側に装着されるものである。該基板10の端部には、複数のスルーホール11、12が設けられており、接続用端子8、9をスルーホール11、12に挿入するようにして、ハンダなどにより制御回路とパワー回路とが電気的に接続される。制御基板10上には、複数の制御電子部品13、14、15が実装される。そして、コネクタ一体樹脂ケース2の上側に制御基板10を装着した後に、その上方に、蓋16が被せられる。一方、コネクタ一体樹脂ケース2の底面側においては、パワー回路のパワー電子部品6、7の発熱を冷却するためのヒートシンク17が装着される。蓋16及びヒートシンク17とコネクタ一体樹脂ケース2との間の接合部には、防水用のパッキン18、19が介在される。
【0005】
以上のように、従来における車載用電子制御装置では、電子制御装置の組み立ての途中において、制御基板10に設けられたスルーホール11、12に、パワー回路を内蔵するモジュールに立設されている接続用端子8、9が挿入された後、接続用端子8、9は、スルーホール11、12内にめっきなどで形成された導電部材と半田付けされる。これにより、接続用端子8、9が制御基板10上に形成されている配線パターンと電気的に接続されると共に、制御基板10がコネクタ一体樹脂ケース2内で固定される。
【0006】
また、半田付けによる接続を行うには、半田付け作業のみならず、洗浄作業等も行う必要があるため、作業工数が増加するばかりでなく、作業環境が悪化していた。さらに、鉛フリー半田化によるリード部品の半田付けの技術課題が多く、管理工数も増加する。
【0007】
ここで、接続用端子と制御基板との接続を確実に行うため、上述の従来の電子制御装置では、制御基板に形成されたスルーホールに接続用端子を挿入した後に半田付けを行うようにしているが、スルーホールに半田付けを行うと、接続用端子が挿入された側と反対側の穴が半田によって塞がれるため、スルーホールと接続用端子とが接触しているか否かの確認することが難しくなり、接続不良を発見しにくいものとしている。また、接続用端子と制御基板とが固着されることにより、例えば、アクチュエータを取り付けたハウジングの振動が、制御基板に直接伝わり、制御基板に搭載された電子部品に悪影響を与えていた。
【0008】
そこで、制御基板と接続用端子の接続を確実に行うとともに、作業工数の減少を図り、且つ、作業環境の悪化を招くこともない基板接続を実現するものとして、接続用端子に、プレスフィット端子を、例えば、電子制御装置に適用したものが開発されている(例えば、特許文献2を参照)。この電子制御装置における制御基板と端子の接続の様子を図4に示した。
【0009】
図4(a)は、制御基板のスルーホールにおける縦断面を示している。この制御基板は、図3に示された電子制御装置1に用いられているものと同様であり、その制御基板10のスルーホール11、12部分である。図4(a)では、これらのスルーホールをH、Hの符号で示した。実際には、もっと多くのスルーホールが設けられているが、ここでは、代表的に2つを示した。各スルーホールは、間隔pを置いて配列されている。そして、スルーホールH、Hの内周面の壁から制御基板10表面のホール開口近傍にかけて、銅めっきなどによる導電部材18が設けられている。スルーホール径をwで表した。
【0010】
一方、図(b)には、接続用端子ハウジングに埋め込まれて立設されたプレスフィット端子P、Pが示されている。これらのプレスフィット端子は、制御基板10に設けられたスルーホールの数分立設されているが、図(b)では、図(a)に示されたスルーホールH、Hに対応して、2本のプレスフィット端子P、Pが示され、スルーホールの間隔pに合わせた位置に立設されている。プレスフィット端子P、Pの長さは、制御基板10がケース内で所定の位置に固定されるように調節されたものとなっている。プレスフィット端子の圧入前の最大幅は、Wで表した。
【0011】
プレスフィット端子は、銅合金などの導電性材料からなる金属板を打ち抜き加工することにより形成されて、1本の端子となっている。プレスフィット端子は、本体部、圧力保持部、導入部、そして先端部が軸方向に一体的に形成されている。圧力保持部と導入部とで圧入時のバネ部が形成され、本体部は、図4(b)の例では、接続用端子ハウジングに埋め込まれ、立設されるための基端部となる。導入部は、プレスフィット端子がスルーホールに圧入される際に、その先端が挿入されやすくするために、細く形成されている。
【0012】
プレスフィット端子の軸中心の長手方向に、金属板の打ち抜きと同時に形成されて貫通する開口部が設けられている。この開口部によって、圧力保持部と導入部とが形成されることになり、圧力保持部のA−A線で示される位置の幅Wは、端子中で最も幅広くなっている。導入部の幅は、先端部に向かって徐々に狭くなっていく。
【0013】
プレスフィット端子における圧力保持部と導入部の断面積は、同じ大きさになっている。プレスフィット端子がスルーホールに圧入される場合、上方からプレスフィット端子が降りてくる、或いは、制御基板がせり上がってくることにより、導入部の一部がスルーホールの開口周辺に最初に接触して荷重がかかり、導入部が弾性変形される。さらに、荷重が継続してかけられると、圧力保持部が弾性変形されてスルーホール内に圧入される。ここで、プレスフィット端子のスルーホールに対する圧入シロは、(W−w)となっている。
【0014】
ここで、図4(a)に示された制御基板10のスルーホールH、Hに、図4(b)に示されたプレスフィット端子P、Pを圧入した状態を、図5に示した。プレスフィット端子の圧力保持部は、図5に示されるように、スルーホール内に全て圧入されて、制御基板10が接続用端子モジュールに近接した位置で保持され、制御基板10が固定化され、しかも、圧力保持部がスルーホールH、H内の導電材料18に密着して電気接続される。
【0015】
一方、上述の電子制御装置に搭載される制御基板には、接続信頼性の面から、小さい熱膨張率のものが要求されている。従来、その要求に対応するため、セラミック基板、セラミック−樹脂複合基板、繊維複合樹脂基板等が開発されているが、小さい熱膨張率、良好な加工性の両方を満足するような基板は存在しなかったため、シート状基材にエポキシ樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグの層とその表面に載置した金属箔を加熱加圧成形して一体化した金属箔張りの積層板を基板に用いている。
【0016】
そこで、エポキシ樹脂に可とう化材を添加することにより、樹脂の弾性率を低下させ、積層板の面方向の熱膨張を抑制した積層基板が提案されている(例えば、特許文献3を参照)。特許文献3で提案された積層基板では、高温で、しかも温度変動が激しい環境内でも、金属箔が基板の熱膨張によって剥がれることがないように、樹脂内にゴム弾性を有する微粒子を含有させて、熱膨張により樹脂に発生した応力を吸収緩和している。これにより、積層基板の平面方向の熱膨張を小さく抑えている。
【0017】
【特許文献1】
特開2000−323848号公報(図10)
【特許文献2】
特開平10−208798号公報
【特許文献3】
特開平8−309920号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、制御基板に設けられたスルーホールにプレスフィット端子を圧入すると、図5において丸印で示した制御基板のスルーホール入口部分に、プレスフィット端子圧入時の応力集中による微細な損傷が発生する場合がある。一般の電子機器においても、プレスフィット端子による接合工法はよく使われているが、この場合には、基板のスルーホールの径公差を重点管理して、端子を圧入するようにしている。しかし、この場合でも、端子を圧入して、基板との保持力を得ていることから、基板に不要な荷重を与えていた。
【0019】
通常、制御基板には、ガラス繊維を縦横に組み合わせエポキシ樹脂を含浸させたシートを多数重ね合わせ、圧着固化した積層構造の基板が使用されている。そのため、基板に設けられたスルーホールの開口周辺部においても積層構造となっており、プレスフィット端子の圧入時には、その開口周辺部に大きな力が基板面方向に作用することとなり、スルーホール周辺付近で、積層されたシートの剥がれなどの基材破壊による損傷が発生する場合がある。プレスフィット端子の固定保持を強固にするには、圧入シロを大きく採るなどプレスフィット端子の弾性を強くせざるを得ず、この場合には、特に、圧入時の損傷発生が顕著となる。
【0020】
しかしながら、制御基板の動作環境に関し、例えば、周囲温度がそれ程高くないとか、或いは、空調されているなど温度コントロールがなされているという場合には、圧入時の損傷が制御基板に存在していたとしても問題にならない。一方、特に、自動車などのエンジンルームに備え付けられる電子制御装置のような場合には、過酷な動作環境、例えば、周囲温度が高温であり、多湿であり、しかも振動が激しいなどの場合には、圧入時の微細な損傷が基板特性に影響することがある。
【0021】
制御基板に圧入時の損傷があるということは、シート層間の剥離の長さに応じて絶縁距離が短くなることを意味する。つまり、制御基板が高温、多湿の環境にあると、損傷部分において吸湿しやすくなり、結果として、導電材料の銅イオンが溶け出すこととなり、基板の絶縁劣化を促進してしまうという問題がある。特に、最近では、電子制御装置に多種多様な制御機能が求められるため、制御基板の高密度化、さらには、小型化が図られ、制御基板の電気接続箇所が増え、スルーホール間の距離が小さくなるので、基板の絶縁劣化を助長するという大きな問題がある。
【0022】
また、振動の激しいエンジンルームなどに設置される電子制御装置の制御基板に対しては、プレスフィット端子による保持力をさらに強化する必要があるということになる。そこで、プレスフィット端子の保持力を上げるために、圧入シロを大きくすると、反って、圧入時の負担を大きくする結果となる。圧入時の負担を小さくするには、この圧入シロを小さくすることにより負担(荷重)発生を抑制できても、プレスフィット端子の保持力低下を来たすという問題がある。
【0023】
そこで、本発明の目的は、例えば、高温環境下で使用される電子制御装置内における配線基板に設けられたスルーホールにプレスフィット端子を圧入して電気接合される場合に、端子圧入されるとき、外部応力を吸収するようにして、基板内に発生する負担を抑制するプレスフィット接合配線基板を提供することである。また、従来のプレスフィット端子をそのまま使用可能とし、端子から受ける基板への応力を基板が吸収できる基板構造を提供することである。さらに、本発明の別の目的は、該プレスフィット接合配線基板を備えた電子機器を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
以上の問題点を解決するために、本発明では、プレスフィット接合配線基板として、複数の繊維シート状基材が樹脂で結合され積層された基板を用い、プレスフィット端子が前記基板の厚さ方向に圧入保持されるスルーホールを有し、弾性材が前記基板の表層部分における前記樹脂中に充填されていることとした
【0025】
そして、前記弾性材は、可とう性粒子であり、基板の樹脂中に分散されており、アクリルゴム、シリコンゴム、ニトリルブタジエンゴム、又はこれらの組み合わせのものから選択されるとした。
【0026】
また、前記スルーホールの内周面には、銅より硬い金属による導電部材が形成され、例えば、ニッケル、パラジウム等を有することとした。
さらに、本発明の電子機器では、複数の繊維シート状基材が樹脂で結合され積層された基板と、前記基板の厚さ方向に設けられたスルーホールと、を有し、弾性材が前記基板の表層部分における前記樹脂中に充填されたプレスフィット接合配線基板を備え、プレスフィット端子が前記プレスフィット接合配線基板の前記スルーホールに圧入保持された状態で、前記プレスフィット接合配線基板に固定されるようにした。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のプレスフィット接合配線基板に係る実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0028】
そこで、先ず、本実施形態のプレスフィット接合配線基板を説明する前に、このプレスフィット接合配線基板を改良するに至った考え方を、図1に示した。図1(a)は、従来のプレスフィット端子Pを、図4(a)に示される制御基板10のスルーホールH又はHに圧入する様子を表している。図1(a)では、図を簡単化するため、プレスフィット端子Pを概略形状とし、スルーホールH又はH内にある導電部材18の表示を省略した。
【0029】
図1(a)は、プレスフィット端子PがスルーホールH内に圧入される様子を示している。プレスフィット端子PがスルーホールH内に挿入され、導入部がスルーホールHの開口周縁部に接触したとき、挿入ストロークを0mmとしている。そして、プレスフィット端子Pに力を加え、導入部を経て、圧力保持部がスルーホールH内に圧入され始めたとき、挿入ストロークを0.6mmとしている。図示していないが、これ以降、継続して圧入動作が進み、挿入ストロークは、さらに長くなる。この圧入動作中の端子には、一定押圧力が加えられている。
【0030】
図1(b)には、図1(a)で示されるように、プレスフィット端子PをスルーホールH内に圧入するとき、制御基板10にかかる荷重の変化を示している。横軸が、挿入ストロークを、縦軸が、荷重(N)を夫々示している。実線で示した荷重曲線が、図1(a)で示したプレスフィット端子Pの圧入動作における荷重の変化を表している。挿入ストロークが0.6mm付近で、荷重がピークとなる。
【0031】
図1(c)に、この荷重曲線に対応して、基板のスルーホールHの開口周縁部に発生する応力の変化を応力曲線に示した。横軸は、挿入ストロークであるが、縦軸は、発生応力(N/mm)である。この応力曲線から分かるように、発生応力の大きさは、挿入ストロークが0.6mm付近において最大となり、圧入動作が進行するにつれて低下している。ここで、従来の基板の設計基準値と比較してみると、図1(c)に示されるように、挿入ストロークが0.6mm付近の最大値は、この基板設計基準値を超えている。そのため、基板に設けられたスルーホールの開口周縁部に過大な応力が発生し、その周縁部の積層構造を破壊すると考えられる。
【0032】
そこで、プレスフィット端子PをスルーホールH内に圧入するとき、スルーホールHの開口周縁部に損傷が発生しないようにするには、この応力曲線の最大値が、基板設計基準値を超えないようにすればよい。
【0033】
以上の知見に基づいて、本実施形態のプレスフィット接続配線基板では、配線基板に設けられた複数のスルーホールの夫々にプレスフィット端子を圧入するとき、基板に加えられる外部応力を低減することができる基板構造とし、この応力の低減するために、積層構造の基板自体に弾力性を付与するものとし、その具体的手段として、基板のシート状基材を結合する樹脂中に弾性材を充填するようにした。
【0034】
以下に、本実施形態によるプレスフィット接続配線基板について、説明する。基板のシート状基材を結合する樹脂、例えば、エポキシ樹脂中に弾性材を充填する仕方としては、種々の方法が存在する。
【0035】
例えば、硬化剤を含有するエポキシ樹脂ワニスをシート状基材に含浸乾燥して得たプリプレグの層とその表面に載置した金属箔とを加熱加圧成形して一体化するとき、このプリプレグの層の一部ないし全部に、エポキシ樹脂と相溶しないゴム弾性を有する微粒子を分散させ、エポキシ樹脂ワニスをシート状基材に含浸乾燥して得たプリプレグの層を形成するようにする。
【0036】
ここで、分散される微粒子は、ワニス中のエポキシ樹脂と相溶しないゴム弾性を有したものであり、その粒子材料は、アクリルゴム、シリコンゴム、ニトリルブタジエンゴムのうちの一種か、或いは、これらを組み合わせて配合したものの中から選択される。
【0037】
次に、このような微粒子が樹脂中に分散され、基板を構成する樹脂に弾性が付与された配線基板について、スルーホールにおけるプレスフィット接合に適用した場合、プレスフィット端子圧入時の基板内における損傷発生状況を図2に示した。図2のグラフでは、本実施形態による樹脂に弾性が付与されたプレスフィット接続配線基板の場合を実施例として示し、比較のため、従来から用いられているエポキシ樹脂によるコンポジット基板(FR−4)、例えば、ガラス織布樹脂基板の場合を従来例として示している。
【0038】
図2は、基板に設けられたスルーホールにプレスフィット端子を圧入したときに基板に発生する損傷として、シート状基材の剥がれなどの破壊長さを計測した結果であり、スルーホール内の壁面に応力が加わることを想定した基板試験片に対して、基板のシート状基材の積層面と平行な方向に荷重を加えることによって、破壊長さを計測した。図2のグラフにおいて、黒丸印が、従来例における計測結果を、そして、黒四角印が、実施例における計測結果を夫々示している。太い実線が、実施例に対応し、細い実線が、従来例に対応している。これらの線は、各計測結果のプロットによる傾向を表している。
【0039】
そこで、従来例について破壊長さの進展傾向をみると、基板に加えられる応力の増加に応じて、破壊長さが大きくなっているが、これに対して、実施例の場合には、加えられる応力が増加しても、破壊長さの進展の度合いを抑制している様子が示されている。この破壊の発生結果の差は、樹脂中に、弾性材を充填したことによっていると考えられる。この破壊長さの結果は、充填される微粒子の種類で、図2の実施例とそれほどの差異はなかった。
【0040】
従来例に用いられた基板では、プレスフィット接合を行う場合、基板との保持力に注目しているだけで、スルーホールにプレスフィット端子を圧入するときの基板へのダメージを考慮していなかった。そこで、端子密度が大きくなってきたとき、スルーホール間の間隔が短くなり、基板の絶縁信頼性を高めるうえで、上述した破壊長さの進展は大きな障害となっていた。結果として、高温環境下で使用するためには、この破壊長さを考慮してスルーホール間隔を広く設計するか、或いは、プレスフィット端子の保持力を小さなものに設計せざるを得なかった。
【0041】
この従来例に対して、樹脂中に弾性材を充填した基板の場合の実施例では、スルーホールにプレスフィット端子を圧入したとき、図2に示されるように、発生する基板への応力が高まっても、破壊長さの進展を低く抑えることができるため、圧入時の応力に強い基板が得られることになる。そこで、スルーホール間隔が短くなっても、基板の絶縁信頼性を保証することができる。
【0042】
例えば、スルーホール間隔(端部間間隔)が300μmの場合、このときに破壊長さの限界は、150μmとなる。図2において、この範囲が、斜線を施した許容破壊長さ領域として示される。従来例の基板においては、例えば、スルーホール間隔を300μmで設計し、必要な絶縁信頼性を得ようとすると、プレスフィット端子の保持力を弱めて、端子圧入時の応力を小さくしなければならない。通常、端子をスルーホールに圧入するときの発生応力は、400〜500N/mm程度必要であるので、従来例による基板では、その要求を満足できない。なお、図2では、この発生応力は、fとして示される。
【0043】
これに対して、実施例による基板の場合では、樹脂中に弾性材を充填した基板としたので、基板に加えられる外部応力を吸収緩和することによって、基板の強度を強める結果となり、図2に示される応力fのように、例えば、600μmの応力が加えられても、破壊長さを150μm以下に抑えることができ、上述の要求を十分満足するものとなった。
【0044】
これまでの説明では、配線基板への弾性材の充填は、基板全体に行われる場合を例にしたが、基板に加わる外部応力を吸収緩和する必要がある部分は、図1(c)に示されるように、プレスフィット端子においては、基板に形成されたスルーホールの圧入入口付近であることに注目して、弾性材の樹脂中への充填は、基板表面部分になされてもよい。
【0045】
また、端子のスルーホールへの圧入時の発生応力が大きい場合には、樹脂中に弾性材を充填することに加えて、スルーホール内面に形成されている導電材料に、銅より硬い金属(例えば、ニッケル、パラジウム、ロジュウム等)を用いて高強度にし、端子の圧入時における応力を一部負担することにより、応力集中を分散させ、耐応力性能を上げることができ、基板の信頼性を向上させることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、自動車などに搭載される電子制御装置等の制御回路装置に適用した場合であるが、本発明は、係る用途に限定されるものではなく、他の回路基板、例えば、省力機器の制御回路基板、通信機器の制御回路基板等についても、同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のプレスフィット接合配線基板では、基板のシート状基材を結合する樹脂中に弾性材を充填したので、基板に設けられたスルーホールに圧入されるプレスフィット端子の形状などを変えることなく、従来プレスフィット接合における保持力を確保でき、スルーホール間の絶縁信頼性を向上できる。そのため、プレスフィット接合配線基板を、特に、高温、多湿、かつ強振動の厳しい環境下にある電子制御装置の制御基板に使用することが可能となった。
【0048】
また、樹脂中に弾性材を充填することにより、基板に加えられる外部応力を吸収緩和することができる。従って、従来の端子を使いながら、つまり、従来の端子に改良を加えなくとも、効果が得られ、また、従来基板の圧入シロを管理するために、プリント配線基板の穴径公差が、例えば、レンジ50μm必要であったものが、レンジ150μm〜200μmで管理できるようになり、プリント配線基板の設計自由度を増すことができる。そして、スルーホール間隔を短くすることができ、制御基板の高密度設計を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレスフィット端子のスルーホールへの圧入時における基板内に発生する応力の状態を説明する図である。
【図2】圧縮応力に対する破壊長さの関係について、実施例と従来例との比較を示すグラフである。
【図3】従来の車載用電子制御装置における電子部品の搭載状況を説明する分解斜視図である。
【図4】電子部品を搭載した配線基板のスルーホールにプレスフィット端子を圧入する構成を説明する図である。
【図5】プレスフィット端子が配線基板のスルーホールに圧入された状態を説明する図である。
【符号の説明】
1…電子制御装置
2…コネクタ一体樹脂ケース
3…制御用コネクタ
4、5…パワー用コネクタ
6、7…パワー電子部品
8、9…接続用端子
10…制御基板
11、12…スルーホール
13、14、15…制御電子部品
16…蓋
17…ヒートシンク
18…導電部材
H、H、H…スルーホール
P、P、P…プレスフィット端子

Claims (6)

  1. 複数の繊維シート状基材が樹脂で結合され積層された基板と、
    プレスフィット端子が前記基板の厚さ方向に圧入保持されるスルーホールと、を有し、
    弾性材が前記基板の表層部分における前記樹脂中に充填されていることを特徴とするプレスフィット接合配線基板。
  2. 前記弾性材は、可とう性粒子であり、前記樹脂中に分散されていることを特徴とする請求項1に記載のプレスフィット接合配線基板。
  3. 前記可とう性粒子は、アクリルゴム、シリコンゴム、ニトリルブタジエンゴム、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載のプレスフィット接合配線基板。
  4. 前記スルーホールの内周面には、銅より硬い金属による導電部材が形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のプレスフィット接合配線基板。
  5. 前記基板は、エポキシ樹脂含浸によるガラス繊維シートが積層された基板であり、該基板の表面にプリント配線されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプレスフィット接合配線基板。
  6. 複数の繊維シート状基材が樹脂で結合され積層された基板と、前記基板の厚さ方向に設けられたスルーホールと、を有し、弾性材が前記基板の表層部分における前記樹脂中に充填されたプレスフィット接合配線基板を備え
    プレスフィット端子が前記プレスフィット接合配線基板の前記スルーホールに圧入保持された状態で、前記プレスフィット接合配線基板に固定されることを特徴とする電子機器。
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