JP4106119B2 - ダイナミックマイクロホン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイナミックマイクロホンに関し、さらに詳しく言えば、その振動雑音を低減し得る構造を備えたダイナミックマイクロホンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロホン、とりわけ手持ち使用のマイクロホンにおいては、マイクロホンケースが振動することにより発生する振動雑音がしばしば問題とされる。マイクロホンユニットは、振動板を含みマイクロホンケース側に対して振動可能に支持された振動部と、マイクロホンケースに対して固定された磁気回路などの固定部とに大別される。
【0003】
マイクロホンの音波による電気的信号出力は、振動部と固定部との相対変位もしくは相対速度に依存する。この相対変位もしくは相対速度は、マイクロホンケースが振動することによっも生じ、これが振動雑音として取り出される。すなわち、この振動雑音は、マイクロホンケースがある方向に変位した場合、振動部のの質量が元の位置に留まろうとすることにより発生する。
【0004】
音波による電気的信号出力を、振動部と固定部との相対変位によって得るものの代表例がコンデンサマイクロホンであり、相対速度によって得るものの代表例がダイナミックマイクロホンであるが、マイクロホンの制御方式別(質量制御、抵抗制御および弾性制御)からすると、一般的に振動雑音の大きさは、指向性ダイナミックマイクロホン>無指向性ダイナミックマイクロホン>無指向性コンデンサマイクロホンの順となる。
【0005】
手持ち使用のマイクロホンのうち、単一指向性ダイナミックマイクロホンにおいては、特にハンドリングノイズが問題とされる。すなわち、単一指向性ダイナミックマイクロホンの場合、その低音収音限界が振動系の共振周波数帯域に位置することから、特に拡声に用いる際に問題となる。
【0006】
このハンドリングノイズには、マイクロホンを握った手の指をマイクロホンに叩くように動かしたときに発生する「ボンボン」というような低い周波数成分の振動雑音と、マイクロホンを擦ったときに発生する「カサカサ」というような比較的高い周波数成分の振動雑音とがある。低い周波数成分の振動雑音は、振動板の振動軸に対してcosθの指向性を持つが、比較的高い周波数成分の振動雑音は、マイクロホンケース→弾性支持部材→振動板の経路で固体伝搬で発生するため、特定の指向性を持たない。
【0007】
このようなハンドリングノイズを低減するため、従来では次のような方法が知られている。
▲1▼振動系の質量、特にボイスコイルの質量を小さくする方法。
▲2▼マイクロホンユニットをマイクロホンケースに搭載する際、ゴムなどの粘弾性体を用いて防振するいわゆるショックマウント法(例えば、特開平1−197000号公報参照)。
▲3▼マイクロホンユニットのほかに、振動雑音のみを検出する振動検出ユニットを搭載し、両ユニットの出力信号を相殺する方法(例えば、米国特許明細書第2835735号参照)。
▲4▼マイクロホンユニットケースに固定部(磁気回路側)を弾性的に支持させ、その固定部と振動部との相対速度(もしくは相対変位)を減少させる方法(例えば、特公昭57−9279号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼の方法は、そもそも振動雑音の発生源を小さくするため、その雑音低減には効果的であるが、ボイスコイルの材料の強度などの点で問題があり、実用的ではない。
【0009】
上記▲2▼のショックマウント法による防振効果は、振動系の共振周波数と共振鋭度に依存する。したがって、その共振周波数と相関のある周波数以上の周波数帯域でしか振動雑音の低減効果が期待できない。また、固体伝搬ノイズが大きい場合、その高い周波数成分については防振効果が発揮されない。
【0010】
上記▲3▼の出力信号相殺方法では、音波を収音するマイクロホンユニットと、これと同一の変換方式をもつ振動検出ユニットとを用い、それら両ユニットの出力信号のレベルや位相を調整し減算することにより、ある程度良好に振動雑音を低減することができる。
【0011】
しかしながら、マイクロホンユニットと振動検出ユニットの両出力信号を広い周波数帯域にわたって同一にすることはきわめて緻密な調整を必要とするばかりでなく、実際問題としてかなり困難である。したがって、振動低減対象の周波数帯を適当な範囲に限定し、それ以外の周波数帯についてはショックマウント法などを補助的に併用する必要がある。
【0012】
また、振動検出ユニットには音波が進入しないように囲いが設けられる。すなわち、振動検出ユニットは密閉された空間内で振動を検出することになるため、その振動板の共振周波数が上昇し、出力信号レベルが低下することになる。
【0013】
さらには、マイクロホンユニットは自由空間内、これに対して振動検出ユニットは密閉空間内というように、両ユニットは異なる環境に置かれるため、温度などによっても、両ユニットの出力信号のバランスが崩れるおそれがある。これらのことが、両ユニットの出力信号のレベル合わせおよび位相合わせの調整作業をより困難なものにしている。
【0014】
上記▲4▼の方法は、固定部をマイクロホンユニットケースに弾性的に支持することにより、振動部と固定部はマイクロホンユニットケースの振動に対して同一方向に振動することになり、そのボイスコイルと磁気回路との間には相対速度は発生しないとの理論に基づいている。
【0015】
しかしながら、振動板(ダイヤフラム)の端部がマイクロホンユニットケースに直接固定されているため、固体伝搬による高い周波数成分に起因する「カサカサ」といったハンドリングノイズを低減させることは困難である。このため、ショックマウント法などの雑音低減手段を補助的に採用しているのが実状である。
【0016】
また、特公昭57−9279号公報のものにおいては、ダイナミックマイクロホンとして動作するうえで必要な音響回路素子についての考慮がなされていないことから、振動板と弾性支持された磁気回路との間において、高い周波数で相対振動速度差が発生し、高い周波数範囲では振動雑音の低減が望めない。
【0017】
すなわち、ダイナミックマイクロホンのうち、無指向性のものは抵抗制御であり、単一指向性のものは質量制御に近い制御方式が採用される。通常、マイクロホンにおいては、良好な指向周波数応答特性を得るには振動板とこれを制御する音響インピーダンスは密接に結合されることを要する。このことから、振動系の機械的等価回路にこれらのインピーダンスが反映されなければ広い周波数範囲で振動雑音を低減することはできない。とりわけ、振動板と弾性支持された磁気回路の共振周波数から離れた高い周波数では、この差が顕著に現れることになる。
【0018】
本発明は、このような従来の諸問題を解決するためになされたもので、その目的は、構造が簡単で、しかも複雑な調整作業などを要することなく、広い周波数範囲にわたって良好に振動雑音を低減することができるようにしたダイナミックマイクロホンを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、第1磁気ギャップが形成された第1磁気回路部およびその第1磁気ギャップ内に配置される第1ボイスコイルを備えたダイヤフラムを含むマイクロホンユニットと、一端側に上記マイクロホンユニットを支持し、内部に上記ダイヤフラムの背面側に連通する所定容積の空気室を有するマイクロホンケースとを備えているダイナミックマイクロホンにおいて、上記空気室には、第2磁気ギャップが形成された第2磁気回路部およびその第2磁気ギャップ内に配置される第2ボイスコイルを備えた振動板を含む振動検出ユニットが設けられ、上記マイクロホンユニットの出力信号に対して上記振動検出ユニットからの出力信号が逆位相として加えられるとともに、上記振動板の振動により生ずる上記空気室内の圧力変化を上記ダイヤフラムの背面側に作用させるようにしたことを特徴としている。
【0020】
この場合、振動検出ユニットの振動板としては、その振動による信号出力を確保するとともに、空気室(音響容量)内に圧力変化を確実に生じさせるため、所定重さの金属板(例えば、真鍮など)が用いられることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、振動検出ユニットがマイクロホンユニットと連通する音響素子としての空気室内に配置され、その振動板の振動による空気室内の圧力変化がマイクロホンユニットのダイヤフラムの背面側に伝達されるため、振動によるダイヤフラムの変位が抑えられる。
【0022】
また、振動検出ユニットは従来のように密閉空間内ではなく、マイクロホンユニットとほぼ同じ環境下に置かれるため、温度、湿度などの環境変化に対しても、両ユニットの出力信号間にレベル差や位相差が生ずるおそれはない。したがって、両ユニットの振動系の材料を同一にしなくてもよく、例えば、ボイスコイル、磁気回路および音響抵抗材などを適宜製造利便性のよいものに設定することが可能で、難しい調整作業を要することなく、振動雑音を低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の技術的思想をよりよく理解するうえで、図面を参照しながら、その好適な実施例について説明する。
【0024】
図1はこの実施例に係る単一指向性ダイナミックマイクロホンの全体構成を示した断面図で、図2はその要部拡大断面図である。これによると、このダイナミックマイクロホンは、アルミニウムなどの金属からなる円筒状のマイクロホンケース10を備えている。
【0025】
この実施例において、マイクロホンケース10内には、円筒状の中筒11がショックマウント12を介して同軸的に保持されている。このショックマウント12は例えば粘弾性ゴムからなり、その外周面側には中筒11に対する保持リング13が設けられている。なお、図1において、中筒11のショックマウント12の下縁側位置にはストッパリング14が取り付けられており、また、中筒11のショックマウント12の上縁側位置には補強リング15が嵌合されている。
【0026】
中筒11の一端(図1において上端)には、音波を収音するマイクロホンユニット20が取り付けられている。中筒11の他端は、有底円筒状のスペーサ筒16によって閉塞されており、これにより中筒11の内部がマイクロホンユニット20に連通する所定容積の空気室(音響容量)18となる。
【0027】
なお、中筒11の他端は、スペーサ筒16を介してマイクロホンケース10の下端側に支持されている。マイクロホンケース10の下端側には、出力コネクタ17が設けられている。マイクロホンケース10の上端にはマイクロホンユニット20をカバーするウィンドスクリーン19が設けられている。
【0028】
マイクロホンユニット20は円筒状のユニットケース21を備えている。この実施例において、ユニットケース21は大径の主円筒部22と、その下方に連設された小径の副円筒部23とを有し、主円筒部22の開口部には、ボイスコイル241を有するダイヤフラム24が設けられている。また、主円筒部22の開口部には、前部音響端子251を有するレゾネータ25がダイヤフラム24を覆うように取り付けられている。
【0029】
主円筒部22内には磁気回路26が設けられている。この磁気回路26は、図1において上下方向に着磁された円柱状のマグネット261と、同マグネット261の周りに同心状に配置された円筒状のサイドヨーク262と、同サイドヨーク262をマグネット261の一方の極に接続するテールヨーク263とを備えている。マグネット261とサイドヨーク262との間で磁気ギャップGが形成され、この磁気ギャップG内に、ダイヤフラム24のボイスコイル241が配置されている。
【0030】
この実施例では、主円筒部22と副円筒部23との段差部に、後部音響端子211が設けられており、この後部音響端子211は主円筒部22に形成されている空気通路212を経てダイヤフラム24の背面側空間に連通している。なお、この空気通路212内には所定の音響抵抗材213が設けられている。
【0031】
副円筒部23は、テールヨーク263に穿設されている空気孔264を介して主円筒部22内、すなわちダイヤフラム24の背面側空間に連通しており、また、副円筒部23の底部230にはマイクロホンケース10内の空気室18に連通する空気孔231が形成されている。この副円筒部23内のテールヨーク263側と底部230側とには、それぞれ音響抵抗材232,233が設けられている。
【0032】
副円筒部23は、中筒11の一端側に嵌合支持されるのであるが、同副円筒部23の底部230側にはスリーブ234が連設されており、このスリーブ234に振動検出ユニット30が取り付けられている。
【0033】
この実施例において、振動検出ユニット30は、スリーブ234内に嵌合保持される有底円筒状のユニットケース31を備えている。この場合、同ユニットケース31はその底部311が副円筒部23の底部230と対向するようにしてスリーブ234内に嵌合保持される。したがって、図1,2においてユニットケース31の開口部は下側向きとなる。
【0034】
ユニットケース31の開口部には、ボイスコイル321を有する振動板32が薄いプラスチック板からなるコルゲーション322を介して振動可能に設けられている。この場合、振動板32には例えば厚さ0.8mm、直径約10mmの真鍮板が用いられており、これにより、振動による信号出力を確保するとともに、空気室18内に圧力変化を確実に生じさせるようにしている。
【0035】
ユニットケース31内には磁気回路33が収納されている。この磁気回路33は、上記マイクロホンユニット20の磁気回路26と同じく、上下方向に着磁された円柱状のマグネット331と、同マグネット261の周りに同心状に配置された円筒状のサイドヨーク332と、同サイドヨーク332をマグネット331の一方の極に接続するテールヨーク333とを備えている。
【0036】
この場合、マグネット331には環状体をなすセンターポールピース334が設けられ、これと対向するようにサイドヨーク332側にもリングヨーク335が設けられ、それらの間で磁気ギャップGが形成され、この磁気ギャップG内に、振動板32のボイスコイル321が配置されている。
【0037】
テールヨーク333には複数の空気孔336が穿設されており、その各空気孔336には音響抵抗材337がもうけられている。また、スリーブ234の一部分には例えばスリット状の開口235が形成されている。
【0038】
この振動検出ユニット30はスリーブ234内に嵌合保持された状態で、中筒11の空気室18内に収納されるが、この空気室18は矢印Aで示すように、スリーブ234の開口235、副円筒部23の空気孔337、テールヨーク263の空気孔264を介してダイヤフラム24の背面側空間に連通している。
【0039】
電気的には、マイクロホンユニット20と振動検出ユニット30は、図3に示されているように、マイク出力端子OUT1,OUT2間で互いに直列に接続される。
【0040】
次に、振動検出ユニット30の振動板32が外部振動に起因して振動することにより発生する圧力変動について図4を参照しながら説明する。なお、図4は動作説明用の模式図であるため、その内部構造はかなり簡略化されている。
【0041】
マイクロホンケース10が図4において例えば上向き矢印B1の方向にV1の振動速度で駆動されたとすると、マイクロホンユニット20のダイヤフラム24は、下向き矢印B2の方向にV2なる振動速度で相対振動する。また、振動検出ユニット30の振動板32も同様に、下向き矢印B3の方向にV3なる振動速度で相対振動する。
【0042】
すなわち、マイクロホンケース10が上方に変位するとき、相対的に、マイクロホンユニット20のダイヤフラム24および振動検出ユニット30の振動板32はともに下方に変位する。この振動板32の下方への変位により、空気室18内の圧力が上昇し、この上昇した圧力が先に図2で示した矢印Aの空気通路を経てマイクロホンユニット20のダイヤフラム24の背面にかかり、下方に変位しようとするダイヤフラム24を押し戻すように作用する。
【0043】
これに対して、マイクロホンケース10が逆方向に変位、すなわち下向き方向に変位する場合には、相対的に、マイクロホンユニット20のダイヤフラム24および振動検出ユニット30の振動板32はともに上方に変位する。この振動板32の上方への変位により、空気室18内の圧力が低下し、この低下した圧力が先に図2で示した矢印Aの空気通路を経てマイクロホンユニット20のダイヤフラム24の背面にかかり、上方に変位しようとするダイヤフラム24を元の位置に留めるように作用する。
【0044】
このようにして、マイクロホンユニット20のダイヤフラム24の振動が抑えられ、振動雑音が低減される。なお、マイクロホンユニット20の後部音響端子211からダイヤフラム24の背面側に音波が入るが、この音波は副円筒部23内の音響抵抗材232,233にて吸収もしくは大幅に減衰されるため、振動検出ユニット30にて音波が拾われることはない。
【0045】
上記のように、外部振動に対して、マイクロホンユニット20のダイヤフラム24および振動検出ユニット30の振動板32はともに同一方向に変位しようとする。したがって、例えば各マグネット261,331の着磁方向を逆にすることにより、マイクロホンユニット20の出力信号と振動検出ユニット30の出力信号とが互いに逆位相となり、電気的にも振動雑音が相殺されることになる。また、ボイスコイル241,321の巻回方向を逆巻きとすることによっても、両出力信号を逆位相とすることができる。
【0046】
なお、本発明において、振動検出ユニット30は例えば接話マイクロホンなどに用いられるマイクユニットのような簡単な構造のものが採用可能で、しかもそのボイスコイル、磁気回路および音響抵抗材などを適当に設定すればよく、従来のような緻密な調整作業を必要としなで済む。
【0047】
次に、本発明の振動雑音の低減効果を確かめるため、マイクロホンユニット20と振動検出ユニット30を次のような構成とした単一指向性ダイナミックマイクロホンについて、実際に加速度−出力レベル特性を測定したので、その結果を図5に示す。なおこの場合、振動検出ユニット30による効果のみを確認する意味で、図1に示されているショックマウント12は外した。
【0048】
(1)マイクロホンユニット20の構成。
ダイヤフラム:直径22.5mm
ボイスコイル:直径14mm、重量40mg、材料CCAW(銅クラッドアルミニウムワイヤ)、線材直径約30ミクロン
インピーダンス:400オーム
【0049】
(2)振動検出ユニット30の構成。
振動板:直径10.5mm、厚さ0.8mm、重量540mg、真鍮製
ボイスコイル:直径9.8mm、重量20mg、材料銅ワイヤ、線材直径約30ミクロン
インピーダンス:150オーム
【0050】
図5(a)がマイクロホンユニット(Mic)20単体の加速度−出力レベルの測定グラフであり、図5(b)が振動検出ユニット(Pu)30単体の加速度−出力レベルの測定グラフである。
【0051】
そして、図6(a)が両ユニット20と30の出力信号を相殺した本発明例の測定グラフであり、図6(b)は図5(a)(b)および図6(a)を合成したもので、斜線部が防振効果の程度を示している。
【0052】
図6(b)の測定グラフから明らかなように、本発明によれば、振動雑音の主要な成分である低域において、特にその低減効果が認められた。すなわち、約100Hz以下で20dB(1/10)以上、100Hzを超え約1kHzまでの帯域で6dB(1/2)以上の振動雑音低減の効果がある。
【0053】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記実施例ではマイクロホンケース10内に中筒11を設けて、その内部を空気室18としているが、中筒11を省略してマイクロホンケース10内を直接音響容量としての空気室としてもよい。
【0054】
また、上記実施例ではショックマウント12を併用しているが、これは任意に選択できるものである。さらには、振動検出ユニット30の設置位置を空気室18の中央部側に変えてもよく、また場合によっては、振動検出ユニット30の向きを変えてその振動板32をマイクロホンユニット20側にすることもできる、など本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々変形することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マイクロホンユニットと連通する音響素子としての空気室内に振動検出ユニットを配置し、同振動検出ユニットの振動板の振動による空気室内の圧力変化をマイクロホンユニットのダイヤフラムの背面側に伝達するとともに、マイクロホンユニットの出力信号に対して振動検出ユニットからの出力信号が逆位相として加えられるようにしたことにより、外部からの振動によるダイヤフラムの変位が抑えられ、振動雑音を大幅に低減さることができる。
【0056】
また、振動検出ユニットは従来のように密閉空間内ではなく、マイクロホンユニットとほぼ同じ環境下に置かれるため、温度、湿度などの環境変化に対しても、両ユニットの出力信号間にレベル差や位相差が生ずるおそれはない。したがって、両ユニットの振動系の材料を同一にしなくてもよく、例えば、ボイスコイル、磁気回路および音響抵抗材などを適宜製造利便性のよいものに設定することが可能で、難しい調整作業を要することなく、振動雑音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る単一指向性ダイナミックマイクロホンの全体構成を示した断面図。
【図2】上記実施例の要部拡大断面図
【図3】上記実施例のマイクロホンユニットと振動検出ユニットの電気的接続状態を例示した結線図。
【図4】本発明の動作を説明するための内部構造を簡略化した模式図。
【図5】マイクロホンユニットと振動検出ユニットを、それぞれ単体として実測した加速度−出力レベル特性グラフ。
【図6】本発明の効果を確認するため、マイクロホンユニットと振動検出ユニットの各出力を相殺して実測した加速度−出力レベル特性グラフ。
【符号の説明】
10 マイクロホンケース
11 中筒
12 ショックマウント
17 出力コネクタ
18 空気室(音響容量)
20 マイクロホンユニット
21 ユニットケース
211 後部音響端子
24 ダイヤフラム
241 ボイスコイル
251 前部音響端子
26 磁気回路
30 振動検出ユニット
31 ユニットケース
32 振動板
33 磁気回路

Claims (2)

  1. 第1磁気ギャップが形成された第1磁気回路部およびその第1磁気ギャップ内に配置される第1ボイスコイルを備えたダイヤフラムを含むマイクロホンユニットと、一端側に上記マイクロホンユニットを支持し、内部に上記ダイヤフラムの背面側に連通する所定容積の空気室を有するマイクロホンケースとを備えているダイナミックマイクロホンにおいて、上記空気室には、第2磁気ギャップが形成された第2磁気回路部およびその第2磁気ギャップ内に配置される第2ボイスコイルを備えた振動板を含む振動検出ユニットが設けられ、上記マイクロホンユニットの出力信号に対して上記振動検出ユニットからの出力信号が逆位相として加えられるとともに、上記振動板の振動により生ずる上記空気室内の圧力変化を上記ダイヤフラムの背面側に作用させるようにしたことを特徴とするダイナミックマイクロホン。
  2. 上記振動板として、所定重さの金属板が用いられていることを特徴とする請求項1に記載のダイナミックマイクロホン。
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