JP4101241B2 - スパッタリングにより形成された端面電極層を含むコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

スパッタリングにより形成された端面電極層を含むコンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本願発明は、コンデンサ、特にPML(polymer multilayer)コンデンサ、つまり薄膜状ポリマー層から構成される誘電体層とその両側に積層した内部電極層をコンデンサの基本素子単位とし、その各内部電極に接続した端面電極(外部電極)を有するコンデンサであって、その端面電極の金属含有部分をスパッタリングによって形成したコンデンサおよびその製造方法に関する。
従来のフィルムコンデンサ(1μm以上の厚みを有するポリマーフィルム上に内部電極となる金属を蒸着したものを巻回または積層したコンデンサ)の、端面電極はメタリコン(金属溶射法)で形成されるのが一般的であった。メタリコンは安価であり、成膜速度が早いメリットがある。このようなコンデンサの内部電極引出し端面はフィルムを重ねているだけのため、一層当りのフィルムの厚みよりも比較的大きい層間があり、溶射された金属がこの層間内部にまでにある程度の深さでめり込むことで、内部電極と物理的に接続する。また、通常のフィルムを一層おきに僅かにずらして積層するため、端面に隙間(凹凸)ができ、これによって内部電極とメタリコン(金属溶射)された金属の物理的結合を強めている。そのため電気特性的にも接着強度的にも特に問題はない。
しかしながら、真空中で蒸着・放射線硬化によって形成された誘電体(ポリマー薄膜)上に内部電極を蒸着し、次いで内部電極層の上に次層の誘電体層を前記手段と同等手段により形成する工程を継続して適宜回数繰返すことにより、連続的にコンデンサ母素子を形成することを特徴としたPMLのようなコンデンサ素子に対しては、メタリコン法を採用する場合、以下のような原因により、溶射による金属がコンデンサ素子に付着しにくく、内部電極と端面電極の結合強度が低く、電気特性的にも接着強度的にも優れた特性の耐久性のあるコンデンサ素子が得られにくい。
(1)PMLコンデンサ素子の誘電体一層当たりの厚みが非常に薄いこと
一般的なコンデンサ用フィルムは、フィルムの製造技術並びにコンデンサへの加工技術を考慮すると最薄でも1.0μm程度であるが、真空蒸着タイプの誘電体層(ポリマー層)は1.0μm以下を容易に形成し得る。
(2)PMLコンデンサ素子は、端面に層間の隙間がないこと
真空中で誘電体層と内部電極層を連続的に形成しながら積層することで製造されるPMLコンデンサ素子は、その製法上、従来の蒸着フィルムを用いた積層コンデンサに見られるような大きな層間の隙間を形成した場合、層間剥離を引き起こしコンデンサとしての致命的な欠陥となる場合がある。
(3)PMLコンデンサ素子の端面は非常に平滑であること
真空中で予め誘電体層と内部電極層の形成を連続的に繰り返し、積層コンデンサ母素子を製造するPMLコンデンサは、素子にする際にダイシング等の手法により切断を行うため、従来のフィルムコンデンサ素子に見られるような、端面に隙間(凹凸)が出来るよう一層ごとに僅かにずらしながら蒸着フィルムを積層したものに比べ、その端面は非常に平滑である。しかしながら、PMLコンデンサ素子端面をプラズマでかなり荒らし、その上にメタリコン法を適用することを可能とする技術も見られるが、十分な付着強度を得るためには、その処理条件を適正に行わなければ、コンデンサとして十分な特性を引き出すことができない。
以上のように、真空中で蒸着によって積層体が形成されるPMLタイプの積層フィルムコンデンサは、誘電体層の1層厚が1.0μm以下と非常に薄くすることが可能で、端面形状が従来のフィルムコンデンサよりも比較的平滑で隙間も無いため、従来のメタリコン(金属溶射)法による端面電極形成では、アンカー効果を得がたい。そのため端面電極と素子との付着強度が弱くなってしまう。
さらに内部電極との接触面積を増やした場合にも、端面電極を形成するコンデンサ素子の端面に非常に薄い内部電極層が単独で露出することとなり、金属粒子が大きく、その吹き付ける圧力が比較的大きいメタリコン(金属溶射)法では、内部電極が折れたり飛散したりするので端面電極と内部電極金属含有層との間で十分な接合がなされない。
その結果、PMLコンデンサにおいて、従来のメタリコン(金属溶射)法による端面電極形成法では良好な電気特性が得られず、素子と端面電極の付着強度の弱い、信頼性に乏しいコンデンサが製造される可能性が大きくなる。
従来のフィルムコンデンサの製造方法(メタリコン)を利用してPMLコンデンサを製造するには、以上のような改善されるべき課題があった。
従来、PMLコンデンサの製造方法として、反応性アクリレートモノマーを、回転ドラム上に加熱蒸発器を介して蒸着して、モノマー薄層を形成し、そのモノマー薄層を電子線照射により架橋して誘電体フィルム層を形成し、そしてその上に内部電極を構成する金属含有層を蒸着法により形成する工程を複数回行って、一対の内部電極となる金属層とその内部電極金属含有層の間に挟まれたポリマー誘電体層を順次積層し、その夫々の内部電極に連結する外部電極をコンデンサ積層体ユニットの両側面にハンダにより設けることは知られている(特許文献1参照。)。また、この場合において、金属材料としては、従来使用できるいかなる金属でも使用できるとの説明があるが、具体的にはアルミニウムが説明されている。ここで、特許文献1には、多層構造のスパッタリングされた半田被覆された端面ストリップ(a multiplayer sputtered, solder-coated termination strip)なる用語が記載されているが、その具体的な構成は説明されておらず、ましてや、その多層構造の形成方法、および層の形成材料についてはなんら記載されていない。
また、外部電極の形成方法に関しては、有機高分子基板と有機高分子基板状に設けた一対の外部電極と、その外部電極の一つに接続する内部電極と、前記外部電極のもう一つの電極に接続する内部電極を、誘電体を介して設けたコンデンサの製造において、内部電極を蒸着法、またはスパッタ法により形成すること、誘電体を内部電極上にモノマーを蒸発・蒸着したモノマーを重合させることにより形成すること、および外部電極を蒸着法、またはスパッタ法により形成することは、知られている(特許文献2参照。)。また、この方法では、外部電極を、有機高分子基板上の銅箔をエッチングし、この上に無電解ニッケルメッキ、金メッキを施して形成している。
しかしながら、この方法は、真空空間内で、樹脂薄膜と金属薄膜を複数回順次ドラム上に積層するPMLタイプのコンデンサについて開示するものでなく、またそのPMLタイプコンデンサの端面電極の製造方法を示唆するものでもない。
さらに、電子部品の端面電極の形成方法として、従来のメタリコン法による電極形成方法に代えて、真空下において電子部品の端面にマグネトロン型の電極構造を有する低温スパッタリング装置により、金属化被覆を施して、端面電極を形成することは知られている(特許文献3参照)。そして、その電子部品の例示として金属化フィルムコンデンサについても開示され、さらに端面電極を、Alを低温スパッタリングにより形成し、さらにCuを低温スパッタリングにより析出させて導電層を形成することにより構成すること、スパッタの前に端面を逆スパッタしてエッチングすること、スパッタ金属層の外側に導電性塗料を塗布することも開示されている(特許文献3参照。)。
しかしながら、この方法は、真空空間内で、樹脂薄膜と金属薄膜を複数回順次積層するPMLタイプのコンデンサについて開示するものでなく、またそのPMLタイプコンデンサの端面電極の製造方法を示唆するものでもない。ましてや、端面電極の金属含有層を構成する金属の特定の組合せ、あるいはそれらと導電体樹脂層との組合せに係る特定の組合せに関しては何ら記載も示唆もされていない。
以上のとおり、前記先行技術文献には、真空空間内で、樹脂薄膜と金属薄膜を複数回順次積層して形成されるPMLタイプのコンデンサの端面電極をスパッタリングを活用して形成することについて開示されておらず、示唆もされていない。ましてや、端面電極の金属含有層を構成する金属、合金、金属酸化物、合金酸化物、酸化物以外のその他の金属化合物または合金化合物の特定の組合せ、あるいはそれらと導電体樹脂層との特定の組合せに関しては何ら記載も示唆もされていない。
米国特許第6,092,269号明細書(第3欄第45行〜第5欄第13行、第9欄第48行〜第57行および第10欄66行、並びに第1図、第2図、第6a図および第6b図) 特開平9−283370号公報(請求項8、段落0009、0011、0013、0016および0017、並びに図1、図2、図4および図5〜7) 特開昭52−151854号公報(第3頁左上欄第5行〜第12行、右上欄第4行〜第14行および左下欄最終行〜右下欄第5行ならびに実施例2および実施例4)
本願発明は、従来のコンデンサ素子の端面電極の形成における前記各種問題点を解決すると共に、コンパクトなPMLタイプのコンデンサ素子において、機械的強度が大きく、電気的特性に優れた端面電極を確実に、簡便に形成する、コンデンサの製造方法およびそれにより得られるコンデンサを提供することを目的とする。
本願発明は、第一の態様において、真空中で連続的に蒸着法により、誘電体層となる樹脂薄膜層と内部電極金属含有層を交互に積層することにより製造されたコンデンサ素子と、その端面に設けられた電極とを備えたコンデンサにおいて、前記樹脂薄膜層がアクリル系樹脂により形成され、
前記端面に設けられた電極が、スパッタリングにより形成された金属含有部分を含んでおり、そのスパッタリングにより形成された金属含有部分が、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属の単体、またはその金属の酸化物、若しくはその金属の酸化物以外の化合物からなるか、または、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属の内の少なくとも1種を含む合金、またはその合金の酸化物、若しくはその合金の酸化物以外の化合物からなり、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部が、コンデンサ素子の内部電極金属と直接接合しており、その内部電極と直接接合したスパッタリングにより形成された金属含有部分の金属または合金が、Ti、Cr、Mo、Ta、WおよびNi−Crからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種であることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第一の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分が、単層として、または同一成分の金属、あるいは成分の異なる金属で複数層として形成されていることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第一また二の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部であって、コンデンサ素子の内部電極金属と直接接合した金属含有部分の外側に、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種からなる外側金属含有層を有することを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部であって、前記外側金属含有層の更に外側に、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種からなる外側被覆金属含有層を有することを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第一から第の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の他に、端面電極に導電性樹脂層を有することを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第一から第の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の他に、端面電極に電解めっき、無電解めっき、溶融めっきの少なくとも1つの手法によって形成された金属含有層を有することを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第の態様に関して、前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の外側に、Niめっきによって形成された金属含有層を有することを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第の態様に関して、前記端面に設けられた電極が、スパッタリングにより形成された金属含有部分、およびその外側の導電性樹脂層の順で構成されていることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第の態様に関して、前記端面に設けられた電極が、内側から順にスパッタリングにより形成された金属含有部分、導電性樹脂層、およびめっきにより形成された金属含有層で構成されていることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第の態様において、本願発明は、前記第一から第の態様に関して、前記スパッタリングが、マグネトロンスパッタリング方式、2極スパッタリング方式、イオンビームスパッタリング方式、3極スパッタリング方式および4極スパッタリング方式の群から選択される少なくとも一種により実施されることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第十一の態様において、本願発明は、前記第一から第十の態様に関して、前記スパッタリングにより形成される電極の金属含有部分が、スパッタリングを真空中で連続して複数回実施することにより形成した複数の金属含有層からなることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第十二の態様において、本願発明は、前記第一から第十一の態様に関して、前記コンデンサ端面に電極が形成される前に、その端面がプラズマにより表面処理されることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第十三の態様において、本願発明は、前記第十二の態様に関して、前記プラズマが少なくとも酸素を含んだガスから生成されることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第十四の態様において、本願発明は、前記第一から十三の態様に関して、前記コンデンサ素子が、樹脂薄膜層からなる誘電体と、Al、Zn、Cu、AgおよびNiからなる群から選択される金属、これらの金属酸化物、若しくはこれらの金属酸化物以外の金属化合物、若しくはそれらの金属の内の少なくとも一種を含む合金、若しくはその合金の酸化物、若しくはその合金の酸化物以外の化合物からなる内部電極金属含有層を、交互に複数積層して形成されることを特徴とするコンデンサに関する。
また、第十五の態様において、本願発明は、前記第一から第十四の態様に関して、前記樹脂薄膜層が、放射線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、又は熱硬化型樹脂のいずれかからなることを特徴とするコンデンサに関する。
さらに、第十六の態様において、本願発明は、第一の態様のコンデンサの製造方法であって、真空中で連続的に蒸着法により、誘電体層となる樹脂薄膜層と内部電極金属含有層を交互に積層することによりコンデンサ素子を形成し、そのコンデンサ素子端面にスパッタリングにより形成される金属含有部分を含む端面電極を形成することを特徴とするコンデンサの製造方法に関する。
さらに、第十七の態様において、本願発明は、前記第十六の態様に関して、前記スパッタリングにより形成される金属含有部分を、同一成分の金属で複数層形成することにより、または成分の異なる金属で複数層形成することにより構成することを特徴とするコンデンサの製造方法に関する。
さらに、第十八の態様において、本願発明は、前記第十六または十七の態様に関して、前記端面に設けられる電極を、内側より順次、スパッタリングにより形成された金属含有部分、導電性樹脂層、およびめっきにより形成される金属含有層を積層することにより構成することを特徴とするコンデンサの製造方法に関する。
本願明細書において、「金属含有部分」は、金属単体、金属酸化物、または金属酸化物以外の金属含有化合物を含む部分、あるいは合金単体、合金酸化物または合金酸化物以外の合金化合物を含む部分の各々を意味する用語として、またはそれらを総称する用語として用いる。
本願明細書において、「外側金属含有層」は、上記「金属含有部分」の外側に形成される層であって、金属単体、金属酸化物、または金属酸化物以外の金属含有化合物を含む層、あるいは合金単体、合金酸化物または合金酸化物以外の合金化合物を含む層の個々の層を意味する用語、およびそれらを総称する用語として用いる。
本願明細書において、「外側被覆金属含有層」は、上記「外側金属含有層」の更に外側に形成される層であって、金属単体、金属酸化物、または金属酸化物以外の金属含有化合物を含む層、あるいは合金単体、合金酸化物または合金酸化物以外の合金化合物を含む層の個々の層を意味する用語、およびそれらを総称する用語として用いる。
本願明細書において、「金属含有層」は、金属単体、金属酸化物、または金属酸化物以外の金属含有化合物を含む層、あるいは合金単体、合金酸化物または合金酸化物以外の合金化合物を含む層の個々の層を意味する用語、およびそれらを総称する用語として用いる。
上記の如き構成上の特徴を有することにより、本願発明は、従来のコンデンサ素子の端面電極の形成における前記各種問題点を解決し、コンパクトなPMLタイプのコンデンサ素子において、機械的強度が大きく、電気的特性に優れた端面電極を確実に、簡便に製造する方法、およびその方法により得られたコンデンサを提供できる。
本願発明によれば、金属粒径が小さいスパッタリング手段を端面電極の形成手段として採用することにより、粒径の小さい粒子が内部電極層への浸入接触を容易にして電気的接触を極めて良好とすると共に、その粒子が誘電体層にも付着するため、端面電極と素子との付着強度が金属溶射と比べて強くなるので、電気的特性も良好になり、損失抵抗の小さい特性の良いコンデンサを提供できる作用効果が得られる。そして誘電体層の1層厚が薄くなればなるほど、メタリコン手段に比べて、スパッタリング手段を採用して端面電極を形成する方が、PMLコンデンサ素子の端面に形成される電極の形成方法としての優位性が増すこととなる。
本願発明において、スパッタリング法が真空プロセスであることから、緻密で不純物の少ない金属膜を形成することができる。このことによっても、損失抵抗の少ない電気的特性の良いコンデンサを提供することができる。
以下に、本願発明を実施するための最良の形態について、本願発明の各構成の好ましい具体的態様を説明すると共に、必要に応じて、それに伴い得られる作用効果についても説明する。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する金属単体は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属である。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する金属酸化物は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属を含む金属酸化物である。
具体的には、Al23、TiO3、Ti23、V25、V23、Cr23、NiO、CuO、ZnO、ZrO2、Nb25、MoO3、MoO2、HfO2、Ta25、WO3などが例示できる。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する金属酸化物以外の金属化合物は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属を含む金属化合物である。
具体的には、TiN、WN、TaNなどが例示できる。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する合金は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属を含む合金である。
具体的には、Ni−Cr、Ni−V、Ni−Cu、Al−Cu、Ti−W、Ta−Al、Cu−Zr、Cu−Zn、Mo−Wなどが例示できる。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する合金酸化物は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属を含む合金酸化物である。
前項で例示した合金の酸化物が例示できる。
本願明細書における「金属含有部分」を構成する合金酸化物以外の合金化合物は、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属を含む合金化合物である。
具体的には、WSiN、TaSiNなどが例示できる。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する金属単体または合金は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属である。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する金属酸化物は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属を含む金属酸化物である。
具体的には、TiO2、Ti23、NiO、ZrO2、Nb25、HfO2、Ta25、WO3などが例示できる。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する金属酸化物以外の金属化合物は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属を含む金属化合物である。
具体的には、TiN、TaNなどが例示できる。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する合金は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属を含む合金である。
具体的には、Ni−Cr、Ta−Al、Ni−V、Ti−Wなどが例示できる。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する合金酸化物は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属を含む合金酸化物である。
具体的には、前項で例示した合金の酸化物が例示できる。
本願明細書における「外側金属含有層」を構成する合金酸化物以外の合金化合物は、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属を含む合金化合物である。
具体的には、TaSiNなどが例示できる。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する金属単体または合金は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属である。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する金属酸化物は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属を含む金属酸化物である。
具体的には、NiO、CuO、MoO3、MoO2などが例示できる。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する金属酸化物以外の金属化合物は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属を含む金属化合物である。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する合金は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属を含む合金である。
具体的には、Ni−Cr、Ni−V、Ni−Cu、Al−Cu、Cu−Zr、Cu−Zn、Mo−Wなどが例示できる。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する合金酸化物は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属を含む合金酸化物である。
具体的には、前項で例示した合金の酸化物が例示できる。
本願明細書における「外側被覆金属含有層」を構成する合金酸化物以外の合金化合物は、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属を含む合金化合物である。
本願発明において、少なくとも一部がコンデンサ素子の内部電極金属と直接接合しているスパッタリングにより形成される「金属含有部分」の厚さは、0.001μm〜0.3μmであり、「外側金属含有層」の厚さは、0.001μm〜1.0μmであり、また、「外側被覆金属含有層」の厚さは、0.1μm〜5.0μmである。
本願発明に用いるスパッタリング法は、マグネトロンスパッタリング方式、2極スパッタリング方式、イオンビームスパッタリング方式、3極スパッタリング方式および4極スパッタリング方式の群から選択される(少なくとも)一種である。これらの方式は、一般のスパッタリング方法として公知の方式である。
また、本願発明における端面電極に使用する、メッキ法は、電解めっき、無電解めっき、溶融めっきの少なくとも1つの手法によるが、これらのメッキ法は、一般のメッキ法としては公知の方法である。
本発明のPMLコンデンサの製造工程において、真空環境は工程において異なり、具体的には、PMLコンデンサ素子の製造時は、10-4Pa〜102Pa程度、より好ましくは10-3Pa〜1.0Pa程度であり、端面のプラズマ処理工程では、10〜100Pa程度、より好ましくは20Pa〜50Pa程度であり、またスパッタリングによる電極の形成時では、10-2Pa〜10Pa程度の真空度である。
本願発明における薄膜樹脂層を構成する樹脂として、放射線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、又は熱硬化型樹脂のいずれかが用いられる。
その内、特にアクリル系樹脂が製造上の容易性、得られるコンデンサ特性の側面から好ましい。
本願発明に使用する放射線、紫外線、または熱で硬化する樹脂としては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を分子内に1個以上有する化合物の単体または混合物、カチオン重合性基を分子内に1個以上有する化合物の単体または混合物などが例示される。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルポリアクリレート樹脂、ポリエステルポリメタクリレート樹脂、エポキシポリアクリレート樹脂、エポキシポリメタクリレート樹脂、ウレタンポリアクリレート樹脂、ウレタンポリメタクリレート樹脂、アクリルポリアクリレート樹脂、アクリルポリメタクリレート樹脂、ビニル系樹脂などが例示される。具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。必要に応じて、硬化促進剤などを併用することができる。
これらの樹脂薄層を蒸着によって形成するに当っては、原料をモノマーあるいはオリゴマ−の形態で供給し、それを回転ドラム上に付着させ、電子線などの放射線または紫外線を照射することによって、あるいは加熱することによって硬化させる。あるいはこれらの手段を組合わせて硬化させても良い。
上記樹脂のモノマーあるいはオリゴマ-には必要に応じて、添加剤を加えても良い。このような添加剤としては、光重合開始剤(紫外線による硬化時)、熱重合開始剤(熱硬化時)、酸化防止剤、密着性向上剤などが挙げられる。具体例を以下に示す。
*光重合開始剤
○アセトフェノン系:
・1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
・2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン
○チオキサトン系:
・2,4−ジエチルチオキサントン
○その他に「ベンゾインエーテル系」「ベンゾフェノン系」などがある。
*熱重合開始剤
○過酸化物
・過酸化ベンゾイル
・t−ブチルヒドロペルオキシド
○アゾ化合物
・アゾビスイソブチロニトリル
*酸化防止剤
・エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]
・オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
*密着性向上剤
○シランカップリング剤
・ビニルトリメトキシシラン
・メチルトリメトキシシラン
本願発明の端面電極における導電性樹脂層を構成する樹脂成分としては、アクリル系、エポキシ系、フェノール系、ウレタン系、シリコン系、ポリイミド系などの熱硬化性樹脂が例示される。
また、本願発明の端面電極における導電性樹脂層を構成する樹脂成分に混合して導電性を付与する添加剤としては、銀、銅、ニッケル、金などの金属粉、それらの金属の合金の金属紛、カーボン紛などが例示される。
上記各種層を形成する樹脂分には、必要に応じて、各種添加剤を加えることができる。
特に、本願発明の具体的形態において、端面電極の最下層(第1層)、つまり内部電極と直接接合したスパッタリングにより形成された金属含有部分の金属としてCrを用いる場合、素子と端面電極との付着強度が強くなるという作用効果が得られる。これはCrが他の金属と比べて素子の誘電体である樹脂と密着性が良く、またAlを内部電極として採用する場合、このAlとの密着性も良いためと考えられる。
その作用は、本願発明において、特にポリマー層として酸素を含むポリマー、特にアクリル樹脂を採用する場合、Crは酸素原子と結合し易く、そのため表面にO−で結合できる官能基等を持つポリマーとは特に密着性が良い、つまり、PMLタイプのコンデンサの誘電体であるアクリル樹脂は、表面にO−結合が存在していると考えられるため、素子と直接接合する端面電極最下層をCrのスパッタリングで形成することで付着強度の向上が得られるものと考えられる。
また、Crは酸化物との密着性が良いが、これは、Crがある程度酸化し易く拡散し易いので、金属と酸化物の両方に拡散接合を形成するためと考えられる。さらに、Alは表面が酸化され易い金属であり上述のような理由からCrとの密着性が良い。
ここで、上記理由の他に、さらにCrとAlとの密着性について考察すると、Crは硬い金属であるため、粒子のエネルギーが比較的大きいスパッタリングにおいて、Cr粒子は比較的柔らかい金属であるAlやポリマーにくい込み易く、そのため他の金属と比べてAlやポリマーとの密着性に優れることとなるものと考えられる。
具体的には、Crの層は、好ましくは、0.001μm〜0.3μm程度であり、より好ましくは0.002μm〜0.1μm程度であり、特に好ましくは、0.005μm〜0.05μm程度である。
また、Cr以外にTi、Mo、Ta、W、Ni−Crで構成される群から選択される金属を1層目に用いることにより同様の効果が得られる。
また、本願発明の実施の形態において、スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部であって、コンデンサ素子の内部電極金属と直接接合した金属含有部分の外側に、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属のいずれか1種を含む外側金属含有層(第2層)を有することを特徴としているが、これらの金属、特にNi若しくはNi−Vを2層目に用いる場合、この外側金属含有層(第2層)は、金属含有層間の拡散を防ぐバリア層として機能し、例えば3層目にCuを用いる場合には、内部電極のAlや、1層目の金属などとCuの拡散を防止することができる。
さらに、Niの酸化膜は表面に薄く出来るだけで、その酸化皮膜が非常に安定であるため内部にまで酸化が進行するのを防止し、また、安定な酸化皮膜には水分に対するバリア性もあるので、端面電極の特性を維持できる。
ただし、Niは、Crと同様に抵抗率が比較的大きく導電性の良くない金属であるため、コンデンサの電気的特性を向上させる為には層厚は薄くしなければならない。具体的には、この層厚は、好ましくは、0.001μm〜0.5μm程度であり、より好ましくは0.005μm〜0.3μm程度であり、特に好ましくは、0.01μm〜0.2μm程度である。
また、Ni以外の金属にTi、Ti−W、Hf、Nb、Zrを外側金属含有層(第2層)を構成する金属として採用することによりNiと同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本願発明において、端面電極を構成するに当って、上記第1層および第2層を構成する各種金属の内、特に、内部電極と直接接合する金属含有部分(一層目)にCrを用いることで素子と端子電極の付着強度を強く出来、その一層目の外側に形成される外側金属含有層(二層目)にバリア層としてNi若しくはNi−Vを用いることで、金属間の拡散防止や水分の浸入に対するバリア層の効果が期待でき、電気特性が良く信頼性の高いコンデンサを提供できる。
さらに、本願発明は、特に、端面電極の1層目をCrスパッタで構成し、その2層目をNi−Vスパッタで構成し、その3層目を導電性樹脂層で構成し、さらにその4層目をSnめっき層で構成することにより、特に優れた特性の、PLMコンデンサの端面電極を得ることができる。
この構成の端面電極において、導電性樹脂層は緩衝層として機能することができるので、PMLコンデンサの端面電極の耐久性を一層向上することができる。
本発明の他の実施形態において、Ni−Vスパッタ層の外側にスパッタリング金属含有層の3層目を形成しても良い。この3層目の金属種としてはCuなどが挙げられる。このCuは比較的柔らかい金属であり、また電気導電性も良いため、厚め(0.1μm〜5.0μm)にスパッタリング層を形成することで、緩衝層として活用することができる。特に、Ni−Vスパッタリング層の外側に導電性樹脂層を形成しない場合には、Cuのスパッタリング層の緩衝層としての効果に加えて、半田が付き易いという特性も活用することができる。
本発明の他の実施形態において、Cu以外の金属では、Mo、Ni−Cuを3層目に用いることで同様の作用効果、めっきの付き易さ、半田の付き易さ等を奏することができる。
本願発明の実施形態において、スパッタ金属含有層と導電性樹脂層の間にめっき層、特にNiめっき層を設けることで、電気的特性が向上するが、これはスパッタリングによって形成された金属含有層と導電性樹脂層の接続を良好にし、それによって層間の電気抵抗が小さくなったためであると考えられる。しかしながら、この方法をPMLコンデンサに実施するにはめっき液にハロゲンが入っていることや、めっき液の残留等問題があるので、この工程により、コンデンサ特性に支障が生じないように配慮することが必要となる。
本願発明は、真空中で連続して多層の金属含有層をスパッタリングで形成することを特徴の1つとしており、これにより、各スパッタリング金属含有層を形成する毎に大気雰囲気に表面を晒す場合に生ずる、金属種によっては表面に厚い酸化膜の形成、大気中の水分による悪影響、有機物の付着などの理由から、金属含有層間の電気的・機械的接触が、真空中で連続してスパッタリングを行った場合よりも悪くなるという欠点を回避することができる。
上述のとおり、Cr、Niはある程度の酸化の効果によって密着性やバリア性が発揮されると考えられる。しかし、実際に同じ装置で真空中連続スパッタの方が、毎回大気雰囲気に晒す場合よりも特性が良かった。このことから、真空連続スパッタでも真空槽内にわずかな酸素が存在していて、それによるわずかな酸化(もしくはほとんど酸化されていないこと)がCr、Niの利点を生み出しており、一方でスパッタ金属表面を一旦大気に晒すと、CrやNiでは表面に必要以上の酸化膜が形成されたり、水分・有機物などの影響を受けて次のスパッタ金属含有層との接着・接触が悪くなると考えられる。
すなわち、各スパッタ金属を毎回大気に晒すことで、CrやNiのような比較的酸化されやすい金属は、必要以上に厚く酸化膜が出来てしまい、その性質が悪い方に出てしまうと考えられる。
本願発明において、さらに、少なくとも酸素を含むプラズマ処理によって端面を処理した場合、金属である内部電極よりも樹脂である誘電体の方が早く削れるため、端面に凹凸ができ、内部電極が多く露出する。この荒れた端面に金属をスパッタリングすることで、凹凸の内部にまで金属粒子が入り込むことが可能となり、付着強度と特性の面でより良いコンデンサを提供することが可能となる。
以下本発明の具体的な実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
[PMLチップコンデンサの製造]
まず図1に示す装置を用いて、図2に示すような誘電体層と内部電極層が積層されたシートを形成し、次にこのシートを切断して図3に示すようなストリップ(条) A1を得た。このストリップA1の切断面に端面電極を形成した後、チップ状に切断して図5に示されるチップコンデンサBを得た。図1の真空槽1内は約10-5Torr(1.33×10-3Pa)程度に保たれ、ドラム2はその外周面を0℃に冷却維持してある。
誘電体材料としては、放射線重合可能なモノマー、ここでは1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを用い、これを樹脂モノマー蒸発室4で気化し100m/min.の速度で連続回転しているドラム2の外周面上に樹脂モノマー噴霧ノズル3で均一に堆積させた。次いでドラム2上に堆積されたモノマーに電子線を照射して硬化させ、誘電体層を形成した。
次に、誘電体層上に金属からなる内部電極層を形成した。内部電極層材料としてはアルミニウムを用いた。その方法として、回転するドラムの下方向に設置された金属蒸発源7でアルミニウムを加熱蒸発させ、これを電極パターニングのための金属マスク6を通して誘電体層上に蒸着させた。なお、内部電極層パターニングのための金属マスク6は、ドラム2が1回転するごとにドラム外周面の移動方向に対して垂直方向に移動するようにした。これによって図2に示されているように、一層ごとに内部電極層のパターンを形成することができた。また、内部電極層のパターニング形成法には、従来の金属蒸着フィルムの製造に一般的に用いられているオイルによるパターン形成法を用いても良い。
以上の操作を、ドラム2を連続回転させることにより約2000回繰り返し、誘電体層と内部電極層が交互に積層された積層体を形成した。また、最初の50層と最後の50層は樹脂層のみを積層した。一層あたりの厚みは、誘電体層が約1.0μm、アルミニウムからなる内部電極金属含有層が約0.02μmであった。
次に上記のようにしてドラム表面に形成された積層体を切断して取り外したのち、これを加熱しながらプレスすることで、図2に示されているような平坦な誘電体層と内部電極層が交互に積層されたシートを得た。これを切断面aに沿って切断し図3に示されるストリップA1を得た。このような積層体を形成する手法は米国特許第5097800号明細書や米国特許第5125138号明細書に開示されている。
次に酸素プラズマ処理装置を用いて、前記得られたストリップA1の端面3aを酸素とCF4の混合ガスから発生させたプラズマに接触させて誘電体層を化学的に選択除去し、図4に示されるように内部電極層を端面3aから露出させて、プラズマ処理ストリップA2を得た。酸素プラズマ処理は、誘電体の除去速度0.125μm/minで240分間行い、誘電体層を端面から約30μm後退するようにした。これらの酸素プラズマ処理の手法は特許第1831126号公報に開示されている。
前記酸素プラズマ処理の後、端面3aにスパッタリングによって端面電極の一部分となる金属含有層を形成した。本実施例1ではスパッタリングによる金属含有層をCr、Ni−V、Cuの順で3層形成した。スパッタリングは高周波(RF:13.56MHz)放電によるマグネトロン方式を用い、真空中で連続してスパッタリングを行った。
表1は本実施例1の各金属のスパッタ条件と形成された各金属含有層厚を示す。
Figure 0004101241
次にスパッタリングによって形成された金属含有層の表面に、熱硬化性樹脂中に銅粒子を分散させた導電性ペーストを塗布し、加熱硬化させ、更にその導電性ペースト層上に最外端面電極層として電解めっき法によってSnめっき層を形成した。その後、ストリップA1を図3の切断面bに相当する箇所で切断し、図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
得られたチップコンデンサBは、積層方向厚み約2.0mm、奥行き約5.0mm、幅(両端面電極間方向)約5.7mmであった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、端面3aにスパッタリングによる金属含有層を真空中で連続してTi、Ni−V、Cuの順で3層形成した。表2にTiのスパッタリング条件と形成された金属含有層厚を示す。Ni−V、Cuのスパッタリング条件は実施例1と同じとした。
Figure 0004101241
その後、実施例1と同様の方法によって導電性ペースト層とSnめっき層を形成して図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
(実施例3)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、スパッタリングによる金属含有層を真空中で連続してTa、Ni−V、Cuの順で3層形成した。表3にTaのスパッタリング条件と形成された金属含有層厚を示す。Ni−V、Cuのスパッタリング条件は実施例1と同じとした。
Figure 0004101241
その後、実施例1と同様の方法によって導電性ペースト層とSnめっき層を形成して図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
(実施例4)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、スパッタリングによる金属含有層を真空中で連続してCr、Ti−W、Cuの順で3層形成した。表4にTi−Wのスパッタリング条件と形成された金属含有層厚を示す。Cr、Cuのスパッタリング条件は実施例1と同じとした。
Figure 0004101241
その後、実施例1と同様の方法によって導電性ペースト層とSnめっき層を形成して図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
(実施例5)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、実施例1と同じ条件のスパッタリングによって真空中で連続して金属含有層をCr、Ni−V、Cuの順で3層形成した。次に、その金属含有層の外側に電解Niめっきによって厚さ約5μmのNiめっき層を形成した。
その後、実施例1と同様の方法によって導電性ペースト層とSnめっき層を形成して図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
(比較例1)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、スパッタリングによる金属含有層をCr、Ni−V、Cuの順で3層形成した。ただし1つの金属含有層のスパッタリングが終了する毎にストリップを大気雰囲気にさらした後、次のスパッタリングを行った。
その後、実施例1と同様の方法によって導電性ペースト層とSnめっき層を形成して図5に示すようなチップコンデンサBを得た。
(比較例2)
実施例1と同様の方法によって、端面3aが酸素を含むプラズマにより処理されたストリップA2を得た後、その端面3aに従来のフィルムコンデンサの端面電極材料として一般的に用いられているAl/Znの50/50%の合金を溶射(アークスプレー)して端面電極の一部を形成した。その厚みは約200μmであった。その後、この金属溶射層の表面に実施例1と同様の方法で導電性ペースト層とSnめっき層を形成し、切断することでチップコンデンサBを得た。
得られたチップコンデンサBは、積層方向厚み約2.0mm、奥行き約5.0mm、幅(両端面電極間方向)約5.8mmであった。
[初期電気的特性の比較]
実施例1〜5と比較例1、2で得られたチップコンデンサBについて、それぞれ10個ずつ電気的特性を測定して比較した。それぞれのコンデンサ10個の電気的特性の平均値を表5に示す。また、そのコンデンサ各10個の電気的特性のばらつきをグラフ1として図6に示す。
Figure 0004101241
※表の端面電極金属の外側には各条件とも導電性樹脂層とSnめっきが施されている。
各条件で作られたチップコンデンサの初期電気的特性を比較すると、内部電極金属含有層と外部電極の接続部分がスパッタリングで形成され、スパッタリング金属含有層が真空中で連続して行われた実施例1〜5は、比較例1、2と比較してばらつきも小さく、良好な電気的特性を示した。
同じスパッタリング金属含有層を有する実施例1と実施例5を比較すると若干ではあるが、スパッタリング金属含有層の外側にNiめっき層を有する実施例5の方が電気的特性が良かった。これはスパッタリングによる金属含有層の最外層とその外側に形成される導電性樹脂層の間に、Niめっき層を形成することで層間の接続が良好となったためである。
一方、各スパッタリングが終了する毎に金属含有層を一旦大気にさらして端面電極が形成された比較例1では、真空中で連続して同じ金属種・層順でスパッタリングがされた端子電極を有する実施例1と比べて電気的特性が悪かった。これはスパッタリングされた各金属含有層表面が大気にさらされることで、余分な酸化膜が形成されてしまい、大気中の水分・有機物の影響を受けることで、次のスパッタリング金属含有層との電気的・機械的接触が悪くなったためと考えられる。
また、内部電極金属含有層と外部電極の接続部分が、従来のフィルムコンデンサで一般的に使われている金属溶射(メタリコン)によって形成されている比較例1は、実施例と比較してtanδとESRの値が非常に大きかった。
このような結果になった原因の1つには内部電極層と接触する端面電極の金属含有層において、スパッタリングによる電極形成のほうが、金属溶射よりも金属粒子径が小さいため起こったと考えられる。すなわち、本実施例のような樹脂層と金属含有層を真空中で交互に積層して形成した素子に関しては、樹脂層の一層厚みが小さく、金属粒子径の小さい方が、酸素を含むプラズマによって露出された電極層の周囲並びに層間の深部に位置する後退した誘電体層上にまで均一に金属粒子が入り込むためである。
[リフロー後の電気的特性の比較と外観]
上述のように電気的特性を比較した実施例1〜5と比較例1、2で得られたチップコンデンサ各10個をプリント配線基板上にリフローにより半田で実装した。プリント配線基板に実装後の各チップコンデンサの電気的特性は表6に示されている。また、そのコンデンサ各10個の特性のばらつきをグラフ2として図7に示す。また、図7のリフロー後の電気的特性グラフ2の各値(a)、(b)、(c)のばらつきを見易くするために、各々のスケールを大きくして、図8として示す。
また、リフロー後のチップコンデンサを、リフローの熱ストレスによるコンデンサ素子と端面電極の剥離やプリント基板からの浮き、その他一般的なリフロー半田付けによる不具合現象について外観によって検査した。その結果についても外観不良数を表6に示す。
Figure 0004101241
実施例1〜5のチップコンデンサではリフローによる電気的特性の劣化はほとんど見られず、リフロー後の静電容量のばらつきも±5%以内と小さかった。また、外観も全て正常であった。
また比較例1のチップコンデンサは、リフローによる電気的特性の劣化が実施例と比較すると若干大きかったものの、10個全てにおいて実装不良はなく、外観も正常であった。なお、静電容量のばらつきは±10%以内であった。
一方で比較例2のチップコンデンサでは、リフロー後の外観検査で10個中7個の素子において、明らかに端面電極とコンデンサ素子との間で剥離が起こっていた。これらの素子ではプリント配線基板とコンデンサとの電気的接続が不良となり、実装後の電気的特性を得ることができなかった。比較例2のチップコンデンサのうち、実装後の外観検査において異常がなかったものについてもtanδ不良やESRが非常に大きな値を示し、電気的特性の大きな劣化が見られた。これは、実装不良には至らなかったものの、内部電極層と端面電極の間の電気的接続が部分的に不良となりコンデンサの電気的特性に悪影響を及ぼしたためである。
[端面電極の引張強度試験]
実施例1〜5のチップコンデンサと比較例1、2のチップコンデンサそれぞれ各10個について端面電極の引張強度の試験を行った。試験方法はJIS C 0051 (試験Ua1)に準じて行った。形成された端面電極部にはんだによって垂直にリード線を取り付け、プッシュプルゲージで引っ張り、剥離に至るまでの強度を測定した。グラフ3(図9)はその結果を示している。その結果、スパッタリングによる端面電極を有する実施例1〜5の引張強度は、それぞれ10個全てがJIS規格の20N以上となった。また、剥離した箇所は実施例1〜4では銅スパッタリング層と導電性樹脂層の界面であり、実施例5ではNiめっき層と導電性樹脂層の界面であった。
また、各スパッタリングが終了する毎に金属含有層を一旦大気にさらして端面電極が形成された比較例1では、引張強度の平均値は約17.7Nであり、実施例1〜5よりも低い値となった。
一方、金属溶射による端面電極を有する比較例2の引張強度は10個全てがJIS規格を下回った。引張強度の平均値は約4.5Nであった。剥離した箇所はコンデンサ素子端面と金属溶射によって形成された層の界面であった。
[比較]
実施例1〜5のチップコンデンサの初期電気的特性は、良好でばらつきも小さく、小形大容量のコンデンサを提供した。
まず、実施例1〜4を比較するとスパッタリングする金属の種類による大きな差は見られず、全体的に良好な特性であった。本実施例では特定の金属のみの例を挙げたが、スパッタリングする金属種を限定するものではない。
内部電極金属含有層と直接接続する端面電極の1層目(最下層)には、本実施例で挙げたCr、Ti、Ta以外にもMo、W、Ni−Crなどを用いても内部電極金属含有層と端面電極の接続が良好で信頼性の高いチップコンデンサを得ることが出来る。
端面電極の2層目にも、本実施例で挙げたNi−VやTi−Wの他にもTi、Ni、Zr、Nb、Hfなどの金属を用いても金属含有層間の拡散や外部からの水分の浸入を防ぐなど、バリアー層として作用し、良好な特性で信頼性の高いチップコンデンサを提供することが出来る。
さらに本実施例では端面電極のスパッタリング金属含有層の3層目にCuを用いたが、その他にもNi、Mo、Ni−Cuなどを用いても良い。このスパッタリング金属含有層の3層目は、主にはんだやSn等のめっきの乗りを良好にするための金属含有層である。そのためスパッタリング金属含有層の外側に導電性樹脂層が形成される場合には、3層目はなくてもよい。ただし、スパッタ金属含有層の厚みを厚くしたい場合には、Cuなどの比抵抗の小さい金属で3層目を形成してもよい。
また、実施例1と5を比較すると、スパッタリングによって形成された金属含有層とその外側に形成される導電性樹脂層の間に、Niめっき層を形成した実施例5の方が、若干ではあるが電気的特性が良好であった。これはNiめっき層がスパッタリングによって形成された金属含有層と導電性樹脂層の接続を良好にし、それによって層間の電気抵抗が小さくなったためである。
次に同じ金属種・層順でスパッタリングを、真空中で連続して行った実施例1と各スパッタリングが終る毎に金属含有層表面を一旦大気に晒して行った比較例1のチップコンデンサを比較すると、比較例2のチップコンデンサは実施例1と比較して、電気的特性、引張強度共に劣っていた。これはスパッタリングされた各金属含有層表面が大気にさらされることで、余分な酸化膜が形成されたり、大気中の水分・有機物の影響を受けることで、次のスパッタリング金属含有層との電気的・機械的接触が悪くなったためと考えられる。
一方で比較例2に示されているチップコンデンサの初期電気特性はばらつきが大きく、実施例1〜5のチップコンデンサと比較しても電気的特性が大きく劣っていた。これは内部電極層と接触する端面電極の金属含有層において、スパッタリングによる電極形成のほうが、金属溶射よりも金属粒子径が小さいためと考えられる。すなわち、本実施例のような樹脂層と金属含有層を真空中で交互に積層して形成した素子に関しては、樹脂層の一層厚みが小さく、層間の密着性が強いため、金属粒子径の小さい方が、酸素を含むプラズマによって露出された電極層の周囲並びに層間の深部に位置する後退した誘電体層上にまで均一に金属粒子が入り込むためである。これによって素子と端面電極の付着強度が向上し、電気的特性の優れた信頼性のあるコンデンサを得ることができるのである。本実施例においては誘電体層の一層厚みを1μmとしたが、誘電体層の一層厚みを1μmより薄くしたチップコンデンサでは、上述のような理由から、よりスパッタリングによる端面電極形成法の優位性が増す。また、金属溶射による端面電極形成法では、溶融した金属粒子をコンデンサ素子の端面電極端子形成面に衝突させて端面電極を形成するため、その圧力によって端面に露出した内部電極層が切れたり折れ曲がったりしてしまう。そのため、端面電極とコンデンサ素子の間の付着強度が低下し、コンデンサとしての電気的特性に悪影響を及ぼす。端面電極の引張強度試験の結果からも、本実施例のような樹脂層と金属含有層を真空中で交互に積層して形成した素子ではスパッタリングによる電極形成法のほうが、金属溶射による電極形成法よりもコンデンサ素子との付着強度が優れていることがわかった。
図1は、本発明に係る積層体製造装置の概略図である。 図2は、誘電体層および内部電極金属含有層で構成される積層(体)シート(ストラップ)の側面を含む斜視図である。 図3は、誘電体層および内部電極金属含有層で構成される積層(体)シートから切断されたストリップA1の切断面を含む斜視図である。 図4は、誘電体層および内部電極金属含有層で構成される積層(体)シートから切断されたストリップA1の切断面の一方側にプラズマ処理を施した状態のストリップA2の斜視図である。 図5は、誘電体層および内部電極金属含有層で構成される積層(体)シートから切断されたストリップA1の切断面の一方側に本発明に係るスパッタリング処理により端面電極を形成することにより製造したチップコンデンサBの概要図である。 図6は、表5に対応する実施例1〜5のチップコンデンサと比較例1、2のチップコンデンサ各10個の電気的特性のばらつきを表すグラフ1である。 図7は、表6に対応する実施例1〜5のチップコンデンサと比較例1、2のチップコンデンサ各10個のリフロー後の電気的特性のばらつきを表すグラフ2である。 図8は、図7に示したリフロー後の電気的特性(グラフ2)のばらつきをスケールアップして見易くした図7の(a)〜(c)の各々に対応する拡大図である。 図9は、実施例1〜5のチップコンデンサと比較例1、2のチップコンデンサ各10個について端面電極の引張強度の試験結果を示すグラフ3である。
符号の説明
1 真空槽
2 ドラム
3 樹脂モノマー噴霧ノズル
4 樹脂モノマー蒸発室
5 電子銃
6 金属マスク
7 金属蒸発源
8 定量モノマー供給チューブ
9 蒸気化したモノマー
10 電子線
A 積層シート(ストリップ)
積層シート(ストリップ)
2 プラズマ処理後の積層シート(ストリップ)
B チップコンデンサ
a、b 縦方向および横方向の切断線
3a ストリップ端面
X 誘電体層
Y 内部電極金属層
Z 端面電極

Claims (18)

  1. 真空中で連続的に蒸着法により、誘電体層となる樹脂薄膜層と内部電極金属含有層を交互に積層することにより製造されたコンデンサ素子と、その端面に設けられた電極とを備えたコンデンサにおいて、
    前記樹脂薄膜層がアクリル系樹脂により形成され、
    前記端面に設けられた電極が、スパッタリングにより形成された金属含有部分を含んでおり、そのスパッタリングにより形成された金属含有部分が、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属の単体、またはその金属の酸化物、若しくはその金属の酸化物以外の化合物からなるか、または、Al、Ti、V、Cr、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Hf、TaおよびWからなる群から選択される金属の内の少なくとも1種を含む合金、またはその合金の酸化物、若しくはその合金の酸化物以外の化合物からなり、
    前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部が、コンデンサ素子の内部電極金属と直接接合しており、その内部電極と直接接合したスパッタリングにより形成された金属含有部分の金属または合金が、Ti、Cr、Mo、Ta、WおよびNi−Crからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種であることを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分が、単層として、または同一成分の金属、あるいは成分の異なる金属で複数層として形成されていることを特徴とする請求項に記載のコンデンサ。
  3. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部であって、コンデンサ素子の内部電極金属と直接接合した金属含有部分の外側に、Ti、Ni、Zr、Nb、Hf、Ta、Ni−VおよびTi−Wからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種からなる外側金属含有層を有することを特徴とする請求項1または2に記載のコンデンサ。
  4. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の少なくとも一部であって、前記外側金属含有層の更に外側に、Ni、Cu、MoおよびNi−Cuからなる群から選択される金属または合金のいずれか1種からなる外側被覆金属含有層を有することを特徴とする請求項に記載のコンデンサ。
  5. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の他に、端面電極に導電性樹脂層を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のコンデンサ。
  6. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の他に、端面電極に電解めっき、無電解めっき、溶融めっきの少なくとも1つの手法によって形成された金属含有層を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のコンデンサ。
  7. 前記スパッタリングにより形成された金属含有部分の外側に、Niめっきによって形成された金属含有層を有することを特徴とする請求項に記載のコンデンサ。
  8. 前記端面に設けられた電極が、スパッタリングにより形成された金属含有部分、およびその外側の導電性樹脂層で構成されていることを特徴とする請求項に記載のコンデンサ。
  9. 前記端面に設けられた電極が、内側から順にスパッタリングにより形成された金属含有部分、導電性樹脂層、およびめっきにより形成された金属含有層で構成されていることを特徴とする請求項に記載のコンデンサ。
  10. 前記スパッタリングが、マグネトロンスパッタリング方式、2極スパッタリング方式、イオンビームスパッタリング方式、3極スパッタリング方式および4極スパッタリング方式の群から選択される少なくとも一種により実施されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のコンデンサ。
  11. 前記スパッタリングにより形成される電極の金属含有部分が、スパッタリングを真空中で連続して複数回実施することにより形成した複数の金属含有層からなることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  12. 前記コンデンサ端面に電極が形成される前に、その端面がプラズマにより表面処理されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  13. 前記プラズマが少なくとも酸素を含んだガスから生成されることを特徴とする請求項12に記載のコンデンサ。
  14. 前記コンデンサ素子が、樹脂薄膜層からなる誘電体と、Al、Zn、Cu、AgおよびNiからなる群から選択される金属、これらの金属酸化物、若しくはこれらの金属酸化物以外の金属化合物、若しくはそれらの金属の内の少なくとも一種を含む合金、若しくはその合金の酸化物、若しくはその合金の酸化物以外の化合物からなる内部電極金属含有層を、交互に複数積層して形成されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  15. 前記樹脂薄膜層が、放射線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、又は熱硬化型樹脂のいずれかからなることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  16. 請求項1に記載されたコンデンサの製造方法であって、
    真空中で連続的に蒸着法により、誘電体層となる樹脂薄膜層と内部電極金属含有層を交互に積層することによりコンデンサ素子を形成し、そのコンデンサ素子端面にスパッタリングにより形成される金属含有部分を含む端面電極を形成することを特徴とするコンデンサの製造方法。
  17. 前記スパッタリングにより形成される金属含有部分を、同一成分の金属で複数層形成することにより、または成分の異なる金属で複数層形成することにより構成することを特徴とする請求項16に記載のコンデンサの製造方法。
  18. 前記端面に設けられる電極を、内側より順次、スパッタリングにより形成された金属含有部分、導電性樹脂層、およびめっきにより形成される金属含有層を積層することにより構成することを特徴とする請求項16または17に記載のコンデンサの製造方法。
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