JP4100921B2 - 自動販売機の商品サンプル支持構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品サンプルをサンプル台に支持して販売商品を展示する自動販売機の商品サンプル支持構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動販売機の販売商品を展示する構造として、外扉の商品展示室にサンプル台を設け、このサンプル台に商品サンプルを支持する構造が一般的に採用されている。また、商品サンプルをサンプル台に支持する際は、商品サンプルの係合部をサンプル台の被係合部にはめ合わせて固定している。この係合部及び被係合部の構造として、ネジ構造や爪引っ掛け構造が一般的に採用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、一台の自動販売機では特定の中身商品メーカの商品のみが販売されるため、商品サンプルの係合部やサンプル台の被係合部の形状、構造は、当該メーカ固有のものとなっている。
【０００４】
これにより、当該自動販売機で他社メーカの商品を販売する必要が生じたときは、他社メーカの商品を自動販売機内に収納できたとしても、他社メーカの商品サンプルの係合部と当該メーカのサンプル台の被係合部が対応せず、商品サンプルが展示できないという問題点を有していた。
【０００５】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、商品サンプルが何れの種類のものであっても、商品サンプルをサンプル台に支持することができる自動販売機の商品サンプル支持構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、請求項１の発明は、商品サンプルの係合部であって商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、商品サンプルをサンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、上部には商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部にはサンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、サンプル被係合部は、サンプル被係合部の上部から略直角に内側に向かって延在し周方向に間隔をおいて多数形成するとともに商品サンプルの係合部の係止板と商品サンプルの底面との間に挟み込まれる可撓性の被係合片を有する構造となっている。
【０００７】
請求項１の発明によれば、商品サンプルの係合部とサンプル台の被係合部が対応しないときは、商品サンプルをアタッチメントを介してサンプル台に支持すればよい。
【０００８】
請求項２の発明は、商品サンプルの係合部であって商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、商品サンプルをサンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、上部には商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部にはサンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、サンプル被係合部の一方にはサンプル被係合部の内側に向かって延在し商品サンプルの係合部の係止板と商品サンプルの底面との間に挟み込まれるフランジ部を有するとともに、サンプル被係合部の他方には商品サンプルがサンプル被係合部に装着されたとき商品サンプルをフランジ部に向かって押圧する可撓性の押圧部材を形成した構造となっている。
【０００９】
請求項２の発明によれば、商品サンプルとアタッチメントとの間に係合誤差があるときでも、押圧部材が商品サンプルを押圧保持するため、商品サンプルをアタッチメントに確実に保持することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１乃至図１１は本発明に係る自動販売機の商品サンプル支持構造の第１実施形態を示すもので、図１は自動販売機の正面斜視図、図２は商品サンプルのサンプル台への組み付け斜視図、図３はサンプル台の被係合部を示す平面図、図４は一方の商品サンプルの一部省略正面図、図５は図４のＡーＡ線矢視方向の断面図、図６は他方の商品サンプルの一部省略正面図、図７は図６のＢーＢ線矢視方向の断面図、図８はアタッチメントの斜視図、図９はアタッチメントの正面図、図１０は図９のＣーＣ線矢視方向の断面図、図１１は他方の商品サンプルがサンプル台に固定された状態を示す断面図である。
【００１１】
自動販売機の商品サンプル支持構造を説明するにあたり、まず、自動販売機の概略構造を図１を参照して説明する。自動販売機１は外扉２の外面にコイン投入口２ａ、紙幣投入口２ｂ、コイン返却口２ｃ、商品取出口２ｄ、商品選択ボタン２ｅがそれぞれ設置されている。また、外扉２の内側には透明板２ｆで覆われた商品展示室２ｇが形成されており、この展示室２ｇにはサンプル台５に固定された商品サンプル３，４が展示されており、各商品サンプル３，４が各商品選択ボタン２ｅに対応するよう配置されている。このように構成することにより、貨幣を投入口２ａ，２ｂから投入し、その後、購入を希望する商品を商品サンプル３，４を見て選び、これに対応する商品選択ボタン２ｅを押すことにより、商品取出口２ｄから商品を購入することができる。
【００１２】
以上のような構成された自動販売機において、本実施形態では商品サンプル３，４のサンプル台５への支持構造に特徴を有する。まず、商品サンプル３，４の構造を説明する。この商品サンプル３，４は図４乃至図７に示すように実際の商品に似せた商品ダミーであり、樹脂等により円筒状に形成されている。
【００１３】
商品サンプル３，４のうち一方の商品サンプル３は、自動販売機１に当初から設置されているものであり、図４及び図５に示すように、底面３１には下方に突出した小径の係合部３２が形成されている。この係合部３２の突出部３２１の外面には方形状の係止板３２２が突設されている。この係止板３２２は突出部３２１の中心を軸として互いに対向するよう２個配置されている。また、各係止板３２２は商品サンプル３の底面３１から僅かに間隔をおいて配置されており、その間隔はサンプル台５の板厚とほぼ同一寸法に形成されている。また、突出部３２１の上縁には位置決め部材３２３を形成している。この位置決め部材３２３は板バネ状に形成され、位置決め部材３２３の先端突起３２３ａが後述する嵌め込み穴５１１の周縁に沿って移動でき、突起係止穴５１３に嵌め込まれるようになっている。
【００１４】
商品サンプル３，４のうち他方の商品サンプル４は、自動販売機１にその後に置き換えれる他社商品サンプルである。この商品サンプル４は、図６及び図７に示すように、底面４１には商品サンプル３と同様に下方に突出した係合部４２を有している。この商品サンプル４が前記商品サンプル３と異なるところは、突出部４２１には対向する２個の対向係止板４２２の外に、各係止板４２２の間（各係止板４２２から９０度の角度位置）に更にもう一つの係止板４２２を有すること、また、この係止板４２２の上面に前記先端突起３２３ａの代わりに上方突起４２２ａが形成されていることであり、その他の構成は前記商品サンプル３と同様である。
【００１５】
次に、サンプル台５の構造を図２及び図３を参照して説明する。サンプル台５は横長方形状の箱体で構成されたもので、上板には横方向に複数の被係合部５１が穿設されている。各被係合部５１は円形状に形成された嵌め込み穴５１１と、嵌め込み穴５１１の周縁に形成された方形状の係止板挿入穴５１２と、嵌め込み穴５１１の周縁に形成された突起係止穴５１３とから構成されている。
【００１６】
ここで、嵌め込み穴５１１の径は商品サンプル３の突出部３２１の外形よりも多少大きく、また、係止板挿入穴５１２も同様に商品サンプル３の係止板３２２より多少大きく、これにより、商品サンプル３の突出部３２１は嵌め込み穴５１１に嵌め込まれ、各係止板３２２は係止板挿入穴５１２に嵌め込まれるようになっている。また、突起係止穴５１３には商品サンプル３の先端突起３２３ａが嵌め込まれるようになっている。
【００１７】
このように一方の商品サンプル３の係合部３２がサンプル台５の被係合部５１と対応するよう予め自動販売機１が形成されているため、図２に示すように、商品サンプル３がサンプル台５に直接に取付けることができる。
【００１８】
一方、後に置き換えられる商品サンプル４は係止板４２２が３個形成され、サンプル台４の被係合部５１と対応しないため、商品サンプル４はサンプル台４に直接に取り付けることができない。
【００１９】
そこで、本実施形態では図８乃至図１０に示すアタッチメント６を形成した。以下、アタッチメント６の構造を説明する。アタッチメント６はポリアセタール樹脂にて略偏平筒状に形成したもので、上部は大径に形成し、置き換え用の商品サンプル４の係合部４２が係合されるサンプル被係合部６１を形成し、一方、下部は小径に形成し、サンプル台５の被係合部５１に係合するサンプル台係合部６２を係止している。
【００２０】
サンプル被係合部６１はその上端に内側に向かって所定間隔をおいて多数の被係合片６１１を形成しており、各被係合片６１１全体の内径が商品サンプル４の突出部４２１の外径よりも僅かに大きくなっており、突出部４２１が嵌め込み可能となっている。また、各被係合片６１１は各々小片となっているため、商品サンプル４の係合部４２をサンプル被係合部６１に嵌め込んだ際、係止板４２２が各被係合片６１１を撓ませ、係止板４２２が被係合片６１１の下側に移動するようになっており、これにより、係止板４２２と商品サンプル４の底面４１との間に被係合片６１１が挟み込まれるようになっている。
【００２１】
サンプル台係合部６２は前記一方の商品サンプル３の係合部３２と同様の構造となっている。即ち、図９及び図１０に示すように、突出部６２１、係止板６２２、位置決め部材６２３及び先端突起６２３ａが、前記突出部３２１、係止板３２２、位置決め部材３２３及び先端突起３２３ａと同様の構造となっており、サンプル台係合部６２がサンプル台５の被係合部５１に係合するようになっている。
【００２２】
第１実施形態によれば、置き換えられる商品サンプル４の係合部４２とサンプル台５の被係合部５１が対応しない形状となっているときでも、図２に示すように、サンプル台５の被係合部５１にアタッチメント６の係合部６２を係合し、その後、商品サンプル４の係合部４２をアタッチメント６のサンプル被係合部６１に係合すれば、商品サンプル３を商品サンプル４に置き換えることができる。
【００２３】
なお、アタッチメント６と商品サンプル４の係合部４２との係合力は被係合片６１１が撓むため、さほど大きなものではないが、外部からの振動衝撃に対して商品サンプル４を保持できれば良く、格別な係合力を必要とするものではない。
【００２４】
一方、各被係合片６１１の撓み作用により、商品サンプル４の係止板４２２の個数及び配置が何れであってもこれを保持できるため、多種多様の商品サンプルに対応したアタッチメント６となっている。
【００２５】
図１２及び図１３は本発明に係る自動販売機の商品サンプル支持構造の第２実施形態を示すものである。第２実施形態に係るアタッチメント７は、前記アタッチメント６と同様にポリアセタール樹脂にて略偏平筒状に形成したもので、上部には置き換え用の商品サンプル４の係合部４２が係合されるサンプル被係合部７１を形成し、一方、下部にはサンプル台５の被係合部５１に係合するサンプル台係合部７２を形成している。
【００２６】
サンプル被係合部７１はその上端には内側に向かって延在されたフランジ部７１１を有しており、フランジ部７１１には対称となる位置に方形状の２個の係止板挿入穴７１２を形成する一方、各係止板挿入穴７１２の間（各係止板挿入穴７１２から９０度の角度位置）に更にもう一つの係止板挿入穴７１２有している。また、フランジ部７１１の各係止板挿入穴７１２の間には突起係止穴７１３が形成されている。即ち、このサンプル被係合部７１は他方の商品サンプル４の係合部４２に完全に対応している。これにより、図１２に示すよに、商品サンプル部４の係止板４２２を係止板挿入穴７１２に挿入し、更にこれを所定角度回転するときは、商品サンプル４の底面４１と各係止板４２２との間にフランジ部７１１が嵌り、更に、上方突起４２２ａが突起係止穴７１３に嵌り込み、これにより、商品サンプル４が強固に保持されるようになっている。
【００２７】
また、サンプル被係合部７１には押圧部材７３を形成している。この押圧部材７３は横長環状に形成したもので可撓性を有している。また、押圧部材７３の一部がフランジ部７１１の内側に達しており、商品サンプル４が装着されるとき、この商品サンプル４の側面が押圧されフランジ部７１１の内周縁に向かって押圧されるようになっている。
【００２８】
一方、サンプル台係合部７２は図示しないが前記アタッチメント６と同様に構成され、サンプル台５の被係合部５１に嵌り込むようになっている。
【００２９】
なお、第２実施形態に係るアタッチメント７は、図１３に示すように、２つ割りに形成され、サンプル被係合部７１に形成されたフック７４を引っ掛け部７５に係止するとき、図１２に示すように、環状のアタッチメント７が構成される。
【００３０】
第２実施形態によれば、前述したように、アタッチメント７のサンプル被係合部７１が他方の商品サンプル４の係合部４２に完全に対応しているため、商品サンプル４が強固に保持されることとなる。
【００３１】
また、押圧部材７３により商品サンプル４が押圧されるため、商品サンプル４の径や係合部４２が多少小さくなっているときでも、商品サンプル４の側面がフランジ部７１１に押圧され、商品サンプル４のガタが完全に防止される。
【００３２】
なお、前記第１実施形態及び第２実施形態では他方の商品サンプル４の係合部４２に係止板４２２を有し、これをアタッチメント６，７に係合するようになっているが、商品サンプル４の係合部がネジ式となっているときは（図示しない）、アタッチメント６，７の被係合部もこれに対応させてネジ式とすればよい。
【００３３】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１の発明によれば、商品サンプルの係合部とサンプル台の被係合部が対応しないときでも、アタッチメントを介して商品サンプルをサンプル台に支持すればく、各種商品サンプルをサンプル台に支持できるという利点を有する。
【００３４】
請求項２の発明によれば、商品サンプルとアタッチメントとの間に係合誤差があるときでも、押圧部材が商品サンプルを押圧保持するため、商品サンプルをアタッチメントに確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動販売機の正面斜視図
【図２】第１実施形態に係る商品サンプルのサンプル台への組み付け斜視図
【図３】第１実施形態に係るサンプル台の被係合部を示す平面図
【図４】第１実施形態に係る一方の商品サンプルの一部省略正面図
【図５】図４のＡーＡ線矢視方向の断面図
【図６】第１実施形態に係る他方の商品サンプルの一部省略正面図
【図７】図６のＢーＢ線矢視方向の断面図
【図８】第１実施形態に係るアタッチメントの斜視図
【図９】第１実施形態に係るアタッチメントの正面図
【図１０】図９のＣーＣ線矢視方向の断面図
【図１１】第１実施形態に係る他方の商品サンプルがサンプル台に固定された状態を示す断面図
【図１２】第２実施形態に係るアタッチメントに対する商品サンプルの組み付け斜視図
【図１３】第２実施形態に係るアタッチメントの展開状態を示す斜視図
【符号の説明】
１…自動販売機、３，４…商品サンプル、５…サンプル台、６，７…アタッチメント、３２，４２…係止部、５１…被係止部、６１，７１…サンプル被係合部、６２，７２…サンプル台係合部、７３…押圧部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品サンプルをサンプル台に支持して販売商品を展示する自動販売機の商品サンプル支持構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動販売機の販売商品を展示する構造として、外扉の商品展示室にサンプル台を設け、このサンプル台に商品サンプルを支持する構造が一般的に採用されている。また、商品サンプルをサンプル台に支持する際は、商品サンプルの係合部をサンプル台の被係合部にはめ合わせて固定している。この係合部及び被係合部の構造として、ネジ構造や爪引っ掛け構造が一般的に採用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、一台の自動販売機では特定の中身商品メーカの商品のみが販売されるため、商品サンプルの係合部やサンプル台の被係合部の形状、構造は、当該メーカ固有のものとなっている。
【０００４】
これにより、当該自動販売機で他社メーカの商品を販売する必要が生じたときは、他社メーカの商品を自動販売機内に収納できたとしても、他社メーカの商品サンプルの係合部と当該メーカのサンプル台の被係合部が対応せず、商品サンプルが展示できないという問題点を有していた。
【０００５】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、商品サンプルが何れの種類のものであっても、商品サンプルをサンプル台に支持することができる自動販売機の商品サンプル支持構造を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、請求項１の発明は、商品サンプルの係合部であって商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、商品サンプルをサンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、上部には商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部にはサンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、サンプル被係合部は、サンプル被係合部の上部から略直角に内側に向かって延在し周方向に間隔をおいて多数形成するとともに商品サンプルの係合部の係止板と商品サンプルの底面との間に挟み込まれる可撓性の被係合片を有する構造となっている。
【０００７】
請求項１の発明によれば、商品サンプルの係合部とサンプル台の被係合部が対応しないときは、商品サンプルをアタッチメントを介してサンプル台に支持すればよい。
【０００８】
請求項２の発明は、商品サンプルの係合部であって商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、商品サンプルをサンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、上部には商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部にはサンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、サンプル被係合部の一方にはサンプル被係合部の内側に向かって延在し商品サンプルの係合部の係止板と商品サンプルの底面との間に挟み込まれるフランジ部を有するとともに、サンプル被係合部の他方には商品サンプルがサンプル被係合部に装着されたとき商品サンプルをフランジ部に向かって押圧する可撓性の押圧部材を形成した構造となっている。
【０００９】
請求項２の発明によれば、商品サンプルとアタッチメントとの間に係合誤差があるときでも、押圧部材が商品サンプルを押圧保持するため、商品サンプルをアタッチメントに確実に保持することができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１乃至図１１は本発明に係る自動販売機の商品サンプル支持構造の第１実施形態を示すもので、図１は自動販売機の正面斜視図、図２は商品サンプルのサンプル台への組み付け斜視図、図３はサンプル台の被係合部を示す平面図、図４は一方の商品サンプルの一部省略正面図、図５は図４のＡーＡ線矢視方向の断面図、図６は他方の商品サンプルの一部省略正面図、図７は図６のＢーＢ線矢視方向の断面図、図８はアタッチメントの斜視図、図９はアタッチメントの正面図、図１０は図９のＣーＣ線矢視方向の断面図、図１１は他方の商品サンプルがサンプル台に固定された状態を示す断面図である。
【００１１】
自動販売機の商品サンプル支持構造を説明するにあたり、まず、自動販売機の概略構造を図１を参照して説明する。自動販売機１は外扉２の外面にコイン投入口２ａ、紙幣投入口２ｂ、コイン返却口２ｃ、商品取出口２ｄ、商品選択ボタン２ｅがそれぞれ設置されている。また、外扉２の内側には透明板２ｆで覆われた商品展示室２ｇが形成されており、この展示室２ｇにはサンプル台５に固定された商品サンプル３，４が展示されており、各商品サンプル３，４が各商品選択ボタン２ｅに対応するよう配置されている。このように構成することにより、貨幣を投入口２ａ，２ｂから投入し、その後、購入を希望する商品を商品サンプル３，４を見て選び、これに対応する商品選択ボタン２ｅを押すことにより、商品取出口２ｄから商品を購入することができる。
【００１２】
以上のような構成された自動販売機において、本実施形態では商品サンプル３，４のサンプル台５への支持構造に特徴を有する。まず、商品サンプル３，４の構造を説明する。この商品サンプル３，４は図４乃至図７に示すように実際の商品に似せた商品ダミーであり、樹脂等により円筒状に形成されている。
【００１３】
商品サンプル３，４のうち一方の商品サンプル３は、自動販売機１に当初から設置されているものであり、図４及び図５に示すように、底面３１には下方に突出した小径の係合部３２が形成されている。この係合部３２の突出部３２１の外面には方形状の係止板３２２が突設されている。この係止板３２２は突出部３２１の中心を軸として互いに対向するよう２個配置されている。また、各係止板３２２は商品サンプル３の底面３１から僅かに間隔をおいて配置されており、その間隔はサンプル台５の板厚とほぼ同一寸法に形成されている。また、突出部３２１の上縁には位置決め部材３２３を形成している。この位置決め部材３２３は板バネ状に形成され、位置決め部材３２３の先端突起３２３ａが後述する嵌め込み穴５１１の周縁に沿って移動でき、突起係止穴５１３に嵌め込まれるようになっている。
【００１４】
商品サンプル３，４のうち他方の商品サンプル４は、自動販売機１にその後に置き換えれる他社商品サンプルである。この商品サンプル４は、図６及び図７に示すように、底面４１には商品サンプル３と同様に下方に突出した係合部４２を有している。この商品サンプル４が前記商品サンプル３と異なるところは、突出部４２１には対向する２個の対向係止板４２２の外に、各係止板４２２の間（各係止板４２２から９０度の角度位置）に更にもう一つの係止板４２２を有すること、また、この係止板４２２の上面に前記先端突起３２３ａの代わりに上方突起４２２ａが形成されていることであり、その他の構成は前記商品サンプル３と同様である。
【００１５】
次に、サンプル台５の構造を図２及び図３を参照して説明する。サンプル台５は横長方形状の箱体で構成されたもので、上板には横方向に複数の被係合部５１が穿設されている。各被係合部５１は円形状に形成された嵌め込み穴５１１と、嵌め込み穴５１１の周縁に形成された方形状の係止板挿入穴５１２と、嵌め込み穴５１１の周縁に形成された突起係止穴５１３とから構成されている。
【００１６】
ここで、嵌め込み穴５１１の径は商品サンプル３の突出部３２１の外形よりも多少大きく、また、係止板挿入穴５１２も同様に商品サンプル３の係止板３２２より多少大きく、これにより、商品サンプル３の突出部３２１は嵌め込み穴５１１に嵌め込まれ、各係止板３２２は係止板挿入穴５１２に嵌め込まれるようになっている。また、突起係止穴５１３には商品サンプル３の先端突起３２３ａが嵌め込まれるようになっている。
【００１７】
このように一方の商品サンプル３の係合部３２がサンプル台５の被係合部５１と対応するよう予め自動販売機１が形成されているため、図２に示すように、商品サンプル３がサンプル台５に直接に取付けることができる。
【００１８】
一方、後に置き換えられる商品サンプル４は係止板４２２が３個形成され、サンプル台４の被係合部５１と対応しないため、商品サンプル４はサンプル台４に直接に取り付けることができない。
【００１９】
そこで、本実施形態では図８乃至図１０に示すアタッチメント６を形成した。以下、アタッチメント６の構造を説明する。アタッチメント６はポリアセタール樹脂にて略偏平筒状に形成したもので、上部は大径に形成し、置き換え用の商品サンプル４の係合部４２が係合されるサンプル被係合部６１を形成し、一方、下部は小径に形成し、サンプル台５の被係合部５１に係合するサンプル台係合部６２を係止している。
【００２０】
サンプル被係合部６１はその上端に内側に向かって所定間隔をおいて多数の被係合片６１１を形成しており、各被係合片６１１全体の内径が商品サンプル４の突出部４２１の外径よりも僅かに大きくなっており、突出部４２１が嵌め込み可能となっている。また、各被係合片６１１は各々小片となっているため、商品サンプル４の係合部４２をサンプル被係合部６１に嵌め込んだ際、係止板４２２が各被係合片６１１を撓ませ、係止板４２２が被係合片６１１の下側に移動するようになっており、これにより、係止板４２２と商品サンプル４の底面４１との間に被係合片６１１が挟み込まれるようになっている。
【００２１】
サンプル台係合部６２は前記一方の商品サンプル３の係合部３２と同様の構造となっている。即ち、図９及び図１０に示すように、突出部６２１、係止板６２２、位置決め部材６２３及び先端突起６２３ａが、前記突出部３２１、係止板３２２、位置決め部材３２３及び先端突起３２３ａと同様の構造となっており、サンプル台係合部６２がサンプル台５の被係合部５１に係合するようになっている。
【００２２】
第１実施形態によれば、置き換えられる商品サンプル４の係合部４２とサンプル台５の被係合部５１が対応しない形状となっているときでも、図２に示すように、サンプル台５の被係合部５１にアタッチメント６の係合部６２を係合し、その後、商品サンプル４の係合部４２をアタッチメント６のサンプル被係合部６１に係合すれば、商品サンプル３を商品サンプル４に置き換えることができる。
【００２３】
なお、アタッチメント６と商品サンプル４の係合部４２との係合力は被係合片６１１が撓むため、さほど大きなものではないが、外部からの振動衝撃に対して商品サンプル４を保持できれば良く、格別な係合力を必要とするものではない。
【００２４】
一方、各被係合片６１１の撓み作用により、商品サンプル４の係止板４２２の個数及び配置が何れであってもこれを保持できるため、多種多様の商品サンプルに対応したアタッチメント６となっている。
【００２５】
図１２及び図１３は本発明に係る自動販売機の商品サンプル支持構造の第２実施形態を示すものである。第２実施形態に係るアタッチメント７は、前記アタッチメント６と同様にポリアセタール樹脂にて略偏平筒状に形成したもので、上部には置き換え用の商品サンプル４の係合部４２が係合されるサンプル被係合部７１を形成し、一方、下部にはサンプル台５の被係合部５１に係合するサンプル台係合部７２を形成している。
【００２６】
サンプル被係合部７１はその上端には内側に向かって延在されたフランジ部７１１を有しており、フランジ部７１１には対称となる位置に方形状の２個の係止板挿入穴７１２を形成する一方、各係止板挿入穴７１２の間（各係止板挿入穴７１２から９０度の角度位置）に更にもう一つの係止板挿入穴７１２有している。また、フランジ部７１１の各係止板挿入穴７１２の間には突起係止穴７１３が形成されている。即ち、このサンプル被係合部７１は他方の商品サンプル４の係合部４２に完全に対応している。これにより、図１２に示すよに、商品サンプル部４の係止板４２２を係止板挿入穴７１２に挿入し、更にこれを所定角度回転するときは、商品サンプル４の底面４１と各係止板４２２との間にフランジ部７１１が嵌り、更に、上方突起４２２ａが突起係止穴７１３に嵌り込み、これにより、商品サンプル４が強固に保持されるようになっている。
【００２７】
また、サンプル被係合部７１には押圧部材７３を形成している。この押圧部材７３は横長環状に形成したもので可撓性を有している。また、押圧部材７３の一部がフランジ部７１１の内側に達しており、商品サンプル４が装着されるとき、この商品サンプル４の側面が押圧されフランジ部７１１の内周縁に向かって押圧されるようになっている。
【００２８】
一方、サンプル台係合部７２は図示しないが前記アタッチメント６と同様に構成され、サンプル台５の被係合部５１に嵌り込むようになっている。
【００２９】
なお、第２実施形態に係るアタッチメント７は、図１３に示すように、２つ割りに形成され、サンプル被係合部７１に形成されたフック７４を引っ掛け部７５に係止するとき、図１２に示すように、環状のアタッチメント７が構成される。
【００３０】
第２実施形態によれば、前述したように、アタッチメント７のサンプル被係合部７１が他方の商品サンプル４の係合部４２に完全に対応しているため、商品サンプル４が強固に保持されることとなる。
【００３１】
また、押圧部材７３により商品サンプル４が押圧されるため、商品サンプル４の径や係合部４２が多少小さくなっているときでも、商品サンプル４の側面がフランジ部７１１に押圧され、商品サンプル４のガタが完全に防止される。
【００３２】
なお、前記第１実施形態及び第２実施形態では他方の商品サンプル４の係合部４２に係止板４２２を有し、これをアタッチメント６，７に係合するようになっているが、商品サンプル４の係合部がネジ式となっているときは（図示しない）、アタッチメント６，７の被係合部もこれに対応させてネジ式とすればよい。
【００３３】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１の発明によれば、商品サンプルの係合部とサンプル台の被係合部が対応しないときでも、アタッチメントを介して商品サンプルをサンプル台に支持すればく、各種商品サンプルをサンプル台に支持できるという利点を有する。
【００３４】
請求項２の発明によれば、商品サンプルとアタッチメントとの間に係合誤差があるときでも、押圧部材が商品サンプルを押圧保持するため、商品サンプルをアタッチメントに確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動販売機の正面斜視図
【図２】第１実施形態に係る商品サンプルのサンプル台への組み付け斜視図
【図３】第１実施形態に係るサンプル台の被係合部を示す平面図
【図４】第１実施形態に係る一方の商品サンプルの一部省略正面図
【図５】図４のＡーＡ線矢視方向の断面図
【図６】第１実施形態に係る他方の商品サンプルの一部省略正面図
【図７】図６のＢーＢ線矢視方向の断面図
【図８】第１実施形態に係るアタッチメントの斜視図
【図９】第１実施形態に係るアタッチメントの正面図
【図１０】図９のＣーＣ線矢視方向の断面図
【図１１】第１実施形態に係る他方の商品サンプルがサンプル台に固定された状態を示す断面図
【図１２】第２実施形態に係るアタッチメントに対する商品サンプルの組み付け斜視図
【図１３】第２実施形態に係るアタッチメントの展開状態を示す斜視図
【符号の説明】
１…自動販売機、３，４…商品サンプル、５…サンプル台、６，７…アタッチメント、３２，４２…係止部、５１…被係止部、６１，７１…サンプル被係合部、６２，７２…サンプル台係合部、７３…押圧部材。
Claims (2)
- 商品サンプルの係合部であって該商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、該商品サンプルを該サンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、
上部には前記商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部には前記サンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、
前記サンプル被係合部は、該サンプル被係合部の上部から略直角に内側に向かって延在し周方向に間隔をおいて多数形成するとともに前記商品サンプルの係合部の係止板と該商品サンプルの底面との間に挟み込まれる可撓性の被係合片を有する
ことを特徴とする自動販売機の商品サンプル支持構造。 - 商品サンプルの係合部であって該商品サンプルの底面と間隔をおいて外側に延在した係止板をサンプル台の被係合部に係合して、該商品サンプルを該サンプル台に支持する自動販売機の商品サンプル支持構造において、
上部には前記商品サンプルの係合部の係止板に係合するサンプル被係合部を、下部には前記サンプル台の被係合部に係合するサンプル台係合部をそれぞれ有する筒状のアタッチメントを備え、
前記サンプル被係合部の一方には該サンプル被係合部の内側に向かって延在し前記商品サンプルの係合部の係止板と該商品サンプルの底面との間に挟み込まれるフランジ部を有するとともに、該サンプル被係合部の他方には前記商品サンプルが該サンプル被係合部に装着されたとき該商品サンプルを該フランジ部に向かって押圧する可撓性の押圧部材を形成した
ことを特徴とする自動販売機の商品サンプル支持構造。
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